JP2006205175A - ワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空ポンプを使用せず、ロストワックス鋳造法で原形型に忠実なワックス模型を成形することを可能にし、コストの低廉化、小型化、騒音の低減を可能にした、ワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法を得る。
【解決手段】溶融ワックスを貯留するワックスタンク1と、ゴム型を押し付けるノズル10と、ワックスタンク1内の溶融ワックスをノズル10から押し出すために圧力を与えるシリンダー5と、シリンダー5からノズル10までの溶融ワックス流路に設けられていて溶融ワックス流路を開閉する射出弁30と、を有し、射出弁30は、ノズル10から溶融ワックスを射出するに当たり溶融ワックス流路を繰り返し開閉するように動作が制御される。
【選択図】図1
【解決手段】溶融ワックスを貯留するワックスタンク1と、ゴム型を押し付けるノズル10と、ワックスタンク1内の溶融ワックスをノズル10から押し出すために圧力を与えるシリンダー5と、シリンダー5からノズル10までの溶融ワックス流路に設けられていて溶融ワックス流路を開閉する射出弁30と、を有し、射出弁30は、ノズル10から溶融ワックスを射出するに当たり溶融ワックス流路を繰り返し開閉するように動作が制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロストワックス鋳造法による製造工程の一つであるワックス模型の成形に使用されるワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法に関するもので、特に、宝飾品、眼鏡部品などの、小物で複雑な形状の製品を製造するのに適したものである。
宝飾品、眼鏡部品などの比較的小物の製品は、主にロストワックス鋳造法で製造される。宝飾品、眼鏡部品などは、一般的に原型が小さく複雑なために、型取りにはゴム型が使用される。原型を型取りしたゴム型を切り開き、内部から原型を取り出し、射出成形機でゴム型内部を真空にしたあと弁を切り替え、ゴム型内部にワックスを射出して原型と同じ形状のワックス模型を取る。このワックス模型をワックス棒に組み上げ、回りに枠を設けて内部にセラミックスラリーや石膏等の型材を流し込み、型材を電気炉で加熱して焼結しかつワックスの蒸発温度まで燃焼させ、型材の内部に空間を作る。この空間内に溶融金属を流し込んで固化させ、型材を取り除けば、ワックスと同型の金属製品が出来上がる。
このロストワックス鋳造法に用いるワックス模型の製作工程は、精密鋳造の精度を決める重要な工程の一つである。複雑な原型はゴム型で型取りされ、ワックスインジェクター内に溶融したワックスを入れるタンクを設けて、タンク内に常時所定の射出圧力をかけ、射出弁を解放してゴム型にワックスを流し込むようになっている。ゴム型にワックスを流し込むとき高い圧力をかけるとゴム型がその弾力で膨らみ、結果として原形よりも膨らんだワックス模型になり、忠実なワックス模型が得られないことが多い。そのため、低圧でワックスを射出しなければならない。ワックスを低圧で複雑なゴム型内の隅々まで流し込むためには、工夫が必要である。そこで、真空タンクを設け、真空ポンプで真空タンク内を常時真空にし、弁の切り替えでゴム型内部を真空タンクにつないで真空にし、真空のゴム型内部にワックス射出を行う方法が一般的である。
上記の方法では、原型の大きい製品はワックスの収縮が大きいために収縮ヒケが発生し、ゴム型を切り開いた部分にワックスが流れ込みバリが出易い。またゴム型内部を真空にした後加圧タンク内のワックスを流し込んで行くが、真空状態にあるゴム型内部に射出したワックスは、その中に含まれる揮発性物質が、ゴム型内部の圧力差により気化し易い。現象として炭酸飲料水の栓が抜かれた状態と同じく、上記揮発性物質が一気に気化して気泡としてワックス模型表面に出てくる。このようなことで原型と同形のワックス模型が得られにくいという難点があった。また、収縮ヒケは、高めの圧力をかけてワックスを射出すると減少するが、ゴム型が射出圧力に負けて膨らみ、原型より大きいワックス模型が出来上がるという不具合があり、製品重量にばらつきが生じることにもなる。特に価格の高い貴金属などのロストワックス成形において製品重量のばらつきが出ると、推定さる原価に対して実際の価格が大きくばらつく。したがって、ワックス模型には人為的な修正が必要で、余分な時間を費やしていた。また、ワックスインジェクター本体とは別に真空ポンプが必要で、その分コスト高となり、加えて、作業スペース減少、ポンプの稼働音等の問題があった。
本発明に関連のある従来技術として、ワックスをワックス模型成形型のキャビティ内に射出充填する際の射出圧力Pを、第1圧力P1から第2圧力P2へと段階的に上げることを特徴とするワックス模型の成形方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらの従来技術によれば、射出圧力の低い段階においてキャビティ内に射出充填されたワックスを、成形型の分割部の隙間に侵入させることなくその表面に固化層を迅速に形成し、射出圧力を高める段階においては上記固化層が形成されていることによって、ワックスが成形型の隙間に侵入することが防止され、高い射出圧力で迅速にワックスを射出充填しても、ワックス模型にバリが発生せず、もって、ワックス模型成形の高サイクル化を図ることができる。
しかしながら、特許文献1、特許文献2記載の発明においても、複雑な形状を精密に成形するためにはワックスタンクに常時加圧することによって生じる気泡の問題があり、また真空ポンプを必要とし、真空ポンプを備えることによる前述の問題点を有している。また第1圧力P1から第2圧力P2へと段階的に上げることによりゴム型が射出圧力に負けて膨らむという前述の問題点も有している。
しかしながら、特許文献1、特許文献2記載の発明においても、複雑な形状を精密に成形するためにはワックスタンクに常時加圧することによって生じる気泡の問題があり、また真空ポンプを必要とし、真空ポンプを備えることによる前述の問題点を有している。また第1圧力P1から第2圧力P2へと段階的に上げることによりゴム型が射出圧力に負けて膨らむという前述の問題点も有している。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するためになされたもので、真空ポンプを使用することなく、ロストワックス鋳造法で原形型に忠実なワックス模型を成形することを可能にし、もって、コストの低廉化、小型化、騒音の低減を可能にした、ワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法を提供することにある。
本発明は、溶融ワックスを貯留するワックスタンクと、ゴム型を押し付けるノズルと、ワックスタンク内の溶融ワックスを上記ノズルから押し出すために圧力を与えるシリンダーと、このシリンダーから上記ノズルまでの溶融ワックス流路に設けられていてこの溶融ワックス流路を開閉する射出弁と、を有し、射出弁は、ノズルから溶融ワックスを射出するに当たり上記溶融ワックス流路を繰り返し開閉するように動作が制御されることを最も主要な特徴とする。
ワックスの射出をピストン方式にすることにより、ワックス模型に生じる気泡を低減することができ、ワックスに微振動を与えることにより、ワックス模型に生じる収縮ヒケを低減することができる。収縮ヒケの減少により、低い射出圧力でワックス模型の成形を行うことができ、ワックス模型に生じるバリも少なくなる。もって、原型に忠実なワックス模型を得ることができる。また、ゴム型のキャビティを真空にするのにエジェクターを使用したことによって、機器原価の低減、作業スペース拡大、省エネルギー、ポンプ稼働音の解消等の効果を得ることができる。
本発明の実施例では、ゴム型に射出し充填しようとするワックスに微振動を与えるために、ワックスをゴム型に充填した後に、一旦射出圧力を空圧で動作する駆動部で射出を遮断する。空圧を使用するのは、開閉弁の動作速度を早くするためである。またワックスタンク内に圧力をかけることなく射出するために、シリンダーを利用してワックスを吸い込み、ピストン方式で射出する方式を採用している。また、ゴム型のキャビティ内を真空にするために、従来のような真空ポンプを用いることなく、エジェクターを使用している。エジェクターは真空ポンプと異なり小型であるため、ワックスドレンタンク内に納める。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法の実施例について説明する。
図1は本発明にかかるワックスインジェクターの全体を示す左側面断面図である。図1において、符号1はワックスタンクを示す。ワックスタンク1内には、所定の設定温度でワックスを溶融し貯留している。ワックスタンク1の下部前面には射出ブロック2が前方に突出させて設けられていて、射出ブロック2でもまたワックスの温度が射出するのに適した温度になるように設定される。射出ブロック2内部には、射出弁30と真空弁(図2において符号3で示す)がある。ワックスタンク1の下部は底板で区切られ、この底板の下側には射出シリンダー5が配置されている。射出シリンダー5の内部とワックスタンク1がワックス流路でつながれ、このワックス流路にワックス吸入弁4が設けられている。ワックス吸入弁4はワックスタンク1から射出シリンダー5の内部に向かってワックスが流れる場合にこの流れを許容し、逆向きにワックスが流れることを阻止する逆止弁で構成されているが、外部から開閉が制御される弁で構成することも可能である。射出シリンダー5は、ワックスタンク1内のワックスの吸入と、射出ブロック2に向かってワックスの射出を行うように構成されている。射出シリンダー5は、その適宜な駆動源50によって駆動される。
図1は本発明にかかるワックスインジェクターの全体を示す左側面断面図である。図1において、符号1はワックスタンクを示す。ワックスタンク1内には、所定の設定温度でワックスを溶融し貯留している。ワックスタンク1の下部前面には射出ブロック2が前方に突出させて設けられていて、射出ブロック2でもまたワックスの温度が射出するのに適した温度になるように設定される。射出ブロック2内部には、射出弁30と真空弁(図2において符号3で示す)がある。ワックスタンク1の下部は底板で区切られ、この底板の下側には射出シリンダー5が配置されている。射出シリンダー5の内部とワックスタンク1がワックス流路でつながれ、このワックス流路にワックス吸入弁4が設けられている。ワックス吸入弁4はワックスタンク1から射出シリンダー5の内部に向かってワックスが流れる場合にこの流れを許容し、逆向きにワックスが流れることを阻止する逆止弁で構成されているが、外部から開閉が制御される弁で構成することも可能である。射出シリンダー5は、ワックスタンク1内のワックスの吸入と、射出ブロック2に向かってワックスの射出を行うように構成されている。射出シリンダー5は、その適宜な駆動源50によって駆動される。
図2は、図1に示す射出ブロック2を上側から見た平面断面図である。図2において、符号6は真空口、7は射出口、8は真空弁3を構成するシリンダー、9は射出弁30を構成するシリンダーをそれぞれ示している。上記真空弁3は真空口6とノズル10の間を開閉するものであり、上記射出弁30は射出口7とノズル10の間の溶融ワックス流路を開閉するものである。上記真空弁3を構成するシリンダー8および上記射出弁30を構成するシリンダー9は、それぞれの空圧を利用した駆動源80、90により左右に移動させられることによって開閉動作するように構成されている。上記真空口6は図4に示すワックスドレンタンク15内のエジェクター14につながっている。符号11は、原形を型取りしたゴム型を示している。ゴム型11は、原形と同型の内部空間すなわちキャビティ12、キャビティ12にワックスを流すための湯道13、上記ノズル10に押し付けることによってノズル10の内部空間と上記湯道13とキャビティ12とを連通させる受け口22を有してなる。
図4は本発明にかかるワックスインジェクターの全体を示す右側面断面図である。図4において、符号15はワックスドレンタンク、排出出口18を示していて、上記ワックスドレンタンク15内にエジェクター14が配置されている。ワックスドレンタンク15は排気消音フィルター16を介して外気に通じている。エジェクター14はワックスドレンタンク15の外で空圧入口17に通じ、また、排出出口18がワックスドレンタンク15内に開口している。空圧入口17から圧縮空気をいれて、エジェクター14を経由し、排出出口18よりワックスドレンタンク15へ排気して排気消音フィルター16を通じて外気に通じている。空圧入口17から排出出口18に圧力空気流通路に開口し通じる。圧力空気流通路は、エジェクター14内において、圧力空気流通路を空気が高速で流れるとき、圧力空気流通路に面する開口部およびこれにつながる制限された空間が、真空になるという原理を応用した機器で、真空ポンプに代替することができるものである。図示の実施例では、空圧入口17から排出出口18に圧力空気送りエジェクター14が動作している間は、常時真空口6につながる空間、すなわち真空弁8を開きキャビティ12が真空になるように構成されている。エジェクター14が動作するのに必要な空気流は、前記シリンダー5を駆動するコンプレッサーから得ることができる。エジェクター14の動作音は、真空ポンプの動作音に比べると格段に低く、また、空気が高速で流れることによって生じる音は、排気消音フィルター16によって低減される。よって、きわめて静粛なワックスインジェクターを得ることができる。
次に、上記のように構成されたワックスインジェクターの動作とともに、ワックス模型鋳造方法を説明する。1個のワックス模型を取る(製作する)動作は、ワックスタンク1よりピストン式射出シリンダー5においてピストンが引き戻してある状態から始まる。ノズル10の先端にゴム型11の受け口22を押し当て、最初は空圧入口17に圧力をかけた空気を流し、前述のようにエジェクター14の動作させたこの状態で、駆動源80を動作させて真空弁3を開き、ゴム型11の内部空間(キャビティ)12をあらかじめ設定した時間をかけて真空にし、次に、真空弁3を閉じ、空圧入口17の空圧を止める。この動作に同期させて射出弁30を開き、同時に駆動原50を駆動して射出シリンダー5を設定圧力で動作させ、射出ブロック2のノズル10よりワックスを射出させる。射出されたワックスは湯道13を通ってキャビティ12に流れ込んで行く。このとき、ワックス吸入弁4は射出シリンダー5内のワックスがワックスタンク1に逆流するのを阻止する。
本発明において特徴的な動作は、以下に説明するようなワックスを射出するときの動作にある。すなわち、図3に示すように、ワックスの射出設定時間内で、一定の時間間隔で射出弁30の開閉を繰り返し行い、ワックスに微振動を与えながらキャビティ12内のワックスを凝固させていく。従来の技術には、既に述べたとおり、ワックスを射出するとき、射出圧力を段階的に変化させるものはあったが、本発明の実施例のように、射出圧力を第1圧力だけとして段階的に変化させず、射出弁30を繰り返し開閉させる。閉状態ではゴム型内部の圧漏れを考慮して、繰り返し第1圧力をあたえてゴム型内部に微振動を与えることが本発明実施例の一つの特徴となっている。
射出設定時間の終了により射出弁30を閉じて射出シリンダー5を元の位置に引き戻す。射出シリンダー5の復元動作でワックス吸入弁4を通じてワックスタンク1内のワックスがピストン式射出シリンダー5内に吸い込まれ一行程が終了する。ただし、エジェクター5を動作させることなく、したがって、キャビティ12内を真空にすることなく、ワックスを射出させてワックス模型を取る場合もある。
本発明にかかるワックス模型鋳造方法の実施例は、上記のように、射出設定時間内で一定の時間間隔で射出弁30の開閉を繰り返し行い、ワックスに微振動を与えながらワックスを硬化させることが従来例と大きく異なっている。ワックスに微振動を与える理由は以下のとおりである。ワックスは凝固収縮が大きく、ゴム型11に流れ込むとゴム型11の内部空間すなわちキャビティ12が一旦はワックスで充満する。ゴム型11の温度は溶融しているワックスの温度よりも当然低いため、ゴム型11に触れている部分は凝固し、徐々にワックス内部も凝固してくるが、中心部のワックス凝固が遅く最終的には中心部が凝固する時にワックスは収縮していき、早期に凝固した表面部分のワックスを引っ張り、表面に収縮ヒケが出てくる。収縮ヒケは、サイコロ状の立方体の場合は、6面の中央部分が窪んだ状態のワックス模型となってしまう。収縮ヒケを抑えるためには、射出時間を長く取り、収縮時にワックス射出を追加して行うことが理想的である。
しかし、ゴム型には、図2に示す湯道13のような、製品部分より体積が小さい湯道13が付いていることがほとんどで、ワックスの追加射出を行うための湯道においてワックスが先に凝固してしまい、追加でワックス射出を行うことができないことが大きな問題であった。このことを解決するために、溶融ワックスが凝固して固体になるまでの特性に着目した。溶融液体ワックスは、コロイド溶液(ゾル状)となり、次に高粘度溶液(ゲル状)となり、さらに完全凝固となって固体にまで変化する。かかる変化の過程で、上記ゲル状の段階で振動を与えると、ゾル状に戻り、流動性を確保できる。このことを利用し、射出弁30を繰り返し開閉させて湯道13を通してゴム型11の内部空間内のワックスに微振動を伝え、より長い時間射出圧力を与えられ追加ワックスを流し込むことができるようにした。これにより、収縮ヒケの少ないワックス模型を得ることができる。このように、ワックスのゲル、ゾル状のチキソトロピー性を微振動で変化させることが、本発明にかかる実施例の大きな特徴である。
射出圧力と時間の関係を示す図3に基づきワックス射出時の動作をより具体的に説明する。前記射出弁30が開き、射出シリンダー5のピストンが動作することによって射出圧力が設定された圧力P1まで上がり、この圧力をT1の時間保持した後に射出弁30を閉じ、T2時間後に再度射出弁30を開き、T3後に再度射出弁30を閉じる。このような動作を射出設定時間内で連続して繰り返し行う。射出弁30の動作時間の一実施例として、一辺が1cmのサイコロ状のワックス模型を射出成形する場合を想定する。射出圧力P1を0.1MPaとし、T1の時間は3秒、T2を0.5秒、T3を1秒、全体の射出時間Tを50秒として行った。このように時間を設定してワックスを射出し成形するときの圧力は、ゴム型11の内部空間の型状、湯道13の太さおよび長さによって大きく異なるので、それぞれ出射圧力の設定、T2、T3の時間設定は変更可能とする。また、各種弁の駆動原、射出シリンダー5の駆動原50を、シーケンサーまたタイマーなどでコントロールすることができる。この制御系は本発明に本質的なものではないので、その詳しい説明は省略する。
本発明にかかるワックスインジェクターの実施例は、ゴム型11の内部キャビティ内を真空にするために、エジェクター14を使用している。従来のワックスインジェクターは、既に述べたように真空タンクを設け、真空ポンプで真空タンク内を常時真空にして使用し、キャビティ内を真空にしていたが、本発明の実施例では、真空ポンプに変わってエジェクター14を使用している。エジェクター14は、真空ポンプと比べ購入価格が安価で、真空ポンプに変わりエジェクター14を使用することにより、機器原価を大幅に削減することができる。
本発明が想定している宝飾品や眼鏡部品などの製造に使用するワックスインジェクターは、通常、W(幅)400×D(奥行き)350×H(高さ)300程度である。これに対して通常使用する真空ポンプの大きさは、W270×D180×H290程度であり、ワックスインジェクター全体の大きさの約1/4もあるために、真空ポンプの占める空間が大きく、作業スペースが狭められる難点がある。これに対して、本発明にかかるワックスインジェクターに使用しているようなエジェクター14は、構造が簡単で小型であり、真空タンク15内に装備することができるので、より広い作業スペースを確保することができる。また、ゴム型11の内部を真空にする必要がある時間は2〜5秒だけであるが、従来は真空タンクを常時真空に保つために作業時間中は常時真空ポンプが稼働していた。本発明の実施例によれば、ゴム型11の内部空間を真空にする必要がある時だけエジェクター14を稼動させればよく、稼働によって発生する騒音を解消することができる。また真空ポンプの消費電力は約200Wであるが、エジェクター14の消費電力は無視できる程度に少なく、消費電力を低減できることも大きな利点である。
ゴム型11の湯道13の体積は製作しようとするワックス模型より大きいことが望ましいが、鋳造によって製作される眼鏡パーツや宝飾品などのデザインや模様は様々で、入り組んだ複雑なデザインも多く、太い湯道13を付けることは困難である。また湯道13は、製品とは関係ない部分であり、成形後に湯道13に対応する部分をカッターなどで切断して研磨するが、太い湯道13であるとすると、これに対応する成形部分も太く、この部分を切断し研磨するのに手間取り、製品単価が高くなる。したがって、基本的には湯道13の大きさを成形品より小さくするのが一般的である。
本発明は、ロストワックス鋳造法に用いられるワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法に関するもので、特に、眼鏡パーツ、宝飾製品などの、小型で、複雑な製品の鋳造に用いられるワックス模型を制作するのに適した、ゴム型を使用するワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法を提供するものである。
1 ワックスタンク
2 射出ブロック
3 真空弁
4 ワックス吸入弁、
5 射出シリンダー
6 真空口
7 射出口、
10 ノズル、
11 ゴム型、
12 キャビティ
13 湯道
14 エジェクター
15 ワックスドレンタンク
16 排気消音フィルター、
17 空圧入口
30 射出弁
50 射出シリンダーの駆動源
80 射出弁の駆動源
90 真空弁の駆動源
2 射出ブロック
3 真空弁
4 ワックス吸入弁、
5 射出シリンダー
6 真空口
7 射出口、
10 ノズル、
11 ゴム型、
12 キャビティ
13 湯道
14 エジェクター
15 ワックスドレンタンク
16 排気消音フィルター、
17 空圧入口
30 射出弁
50 射出シリンダーの駆動源
80 射出弁の駆動源
90 真空弁の駆動源
Claims (5)
- 溶融ワックスを貯留するワックスタンクと、
ゴム型を押し付けるノズルと、
ワックスタンク内の溶融ワックスを上記ノズルから押し出すために圧力を与えるシリンダーと、
上記シリンダーから上記ノズルまでの溶融ワックス流路に設けられていてこの溶融ワックス流路を開閉する射出弁と、を有し、
上記射出弁は、上記ノズルから溶融ワックスを射出するに当たり上記溶融ワックス流路を繰り返し開閉するように動作が制御されることを特徴とするワックスインジェクター。 - 真空タンクと、この真空タンクに通じる真空口とノズルとの間を開閉する真空弁を有し、シリンダーによってワックスタンク内の溶融ワックスを上記ノズルから押し出すに当たり、あらかじめ上記真空弁が開かれてゴム型のキャビティを真空にすることを可能にした請求項1記載のワックスインジェクター。
- 真空タンクを真空にするためのエジェクターがワックスドレンタンク内に組み込まれている請求項2記載のワックスインジェクター。
- 溶融ワックスを貯留するワックスタンクと、ゴム型を押し付けるノズルと、ワックスタンク内の溶融ワックスを上記ノズルから押し出すために圧力を与えるシリンダーと、上記シリンダーから上記ノズルまでの溶融ワックス流路に設けられていてこの溶融ワックス流路を開閉する射出弁と、を有するワックスインジェクターを用いたワックス模型鋳造方法であって、
上記ノズルから溶融ワックスを射出するに当たり、上記射出弁を繰り返し開閉することによって、ゴム型内のワックスに微振動を与えることを特徴とするワックス模型鋳造方法。 - ワックスタンク内の溶融ワックスをノズルから押し出す前に、ゴム型のキャビティをエジェクターによって真空にする請求項4記載のワックス模型鋳造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005016707A JP2006205175A (ja) | 2005-01-25 | 2005-01-25 | ワックスインジェクターおよびワックス模型鋳造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017068670A1 (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 株式会社エイシン技研 | ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル |
CN116441484A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-18 | 浙江浩悦自动化科技有限公司 | 具有高压射蜡机构的自动注蜡机 |
-
2005
- 2005-01-25 JP JP2005016707A patent/JP2006205175A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017068670A1 (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 株式会社エイシン技研 | ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル |
JPWO2017068670A1 (ja) * | 2015-10-21 | 2017-11-02 | 株式会社エイシン技研 | ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル |
CN116441484A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-18 | 浙江浩悦自动化科技有限公司 | 具有高压射蜡机构的自动注蜡机 |
CN116441484B (zh) * | 2023-06-05 | 2024-01-05 | 浙江浩悦自动化科技有限公司 | 具有高压射蜡机构的自动注蜡机 |
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