JPH0866934A - 合成樹脂成形品の射出成形装置および射出成形方法 - Google Patents

合成樹脂成形品の射出成形装置および射出成形方法

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JPH0866934A
JPH0866934A JP6204938A JP20493894A JPH0866934A JP H0866934 A JPH0866934 A JP H0866934A JP 6204938 A JP6204938 A JP 6204938A JP 20493894 A JP20493894 A JP 20493894A JP H0866934 A JPH0866934 A JP H0866934A
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synthetic resin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂の流入を防止でき、圧縮流体の通気も阻
害しない合成樹脂成形品の射出成形装置を提供すること
にある。 【構成】 キャビティ8に開口される注入口22の出口22
A に、孔径が3/100 〜8/100mm とされた多数の微細孔を
有する多孔質部材40を配置し、この他孔質部材40を通し
て圧縮流体をキャビティ8内に注入する圧縮流体供給手
段を設けて射出成形装置1を構成する。これにより、微
細孔内への樹脂流入が防止され、かつ圧縮流体が十分キ
ャビティ8内に注入されるため、成形品90はその表面側
がキャビティ8内面に押圧されたまま冷却固化されてひ
けが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂成形品の射出
成形方法および射出成形装置に係り、特にボスやリブを
有して成形品表面にひけが生じやすい合成樹脂成形品、
例えば自動車のダッシュボード、ドアハンドルカバー等
の内外装品や、家電製品のケーシング等の成形に利用で
きる。
【0002】
【背景技術】射出成形による合成樹脂成形品には、固有
の成形収縮があるため、特にボスやリブの中心部や厚肉
部など冷却が遅れた部分の収縮によって成形品の表面に
はひけが生じていた。このため、従来の射出成形では、
金型キャビティ内に射出した樹脂に、過大な保持圧力を
加えてひけを防止することが行われていたが、ひけを完
全に無くすことは難しく、むしろボス、リブ、厚肉部以
外の面に過大な保持圧力が加わることで反り変形が生じ
るという問題があった。
【0003】一方、このような過大な保持圧力を加えず
にひけを防止する方法として、特開昭59−22033
7号公報に示すように、金型の成形品ボス部等の基部に
対応する位置に複数の貫通孔を有する多孔部材を埋設
し、この貫通孔に圧縮空気を送り込んで成形品ボス部等
の基部付近を押圧することでひけを防止する射出成形方
法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の射出成形方法は、金型内に充填された樹脂が入り込
まないように、多孔部材の貫通孔の大きさが約5〜30μ
mと狭くされており、樹脂の流入は防止されるが、圧縮
空気の通気性が必ずしもよくなく、十分な圧縮空気をキ
ャビティ内に供給することができないという問題があっ
た。
【0005】また、従来の射出成形方法では、多孔部材
を金型のキャビティ面に形成した凹部に埋設しており、
この埋設する際の金型加工や、キャビティ内に注入され
る圧縮空気の圧力にも対抗できる多孔部材の固定方法が
難しく(例えば、凹部に多孔部材を圧入すると貫通孔が
潰れるおそれがあり、接着剤を用いても接着剤で貫通孔
が塞がれてしまう)、金型の製作が困難であるという問
題もあった。
【0006】本発明の第1の目的は、多孔質部材を通し
てキャビティ内に圧縮流体を注入する際に、樹脂の流入
を防止できるとともに、圧縮流体の通気を阻害すること
なくスムーズに注入することができる合成樹脂成形品の
射出成形装置および射出成形方法を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的は、多孔質部材を確実に
かつ容易に設けることができ、金型構造を簡単にできて
金型を容易に製作できる合成樹脂成形品の射出成形装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の合成樹脂成形品
の射出成形装置は、前記第1の目的を達成するために、
金型のキャビティ面に開口された注入口を通して圧縮流
体をキャビティ内に注入する圧縮流体供給手段と、前記
注入口出口(注入口のキャビティ側端部)に配置されて
孔径が3/100 〜8/100mm(30〜80μm)とされた多数の
微細孔を有する多孔質部材とを備えることを特徴とする
ものである。
【0008】この際、前記第2の目的を達成するため
に、前記第1の目的を達成するための構成に加えて、前
記注入口の出口側を小径として段部を形成し、前記多孔
質部材を前記段部で出口側に移動不能に係止させ、かつ
多孔質部材の背面側にピン等の固定部材を配置して出口
側とは反対側にも移動不能に固定させてもよい。
【0009】さらに、前記多孔質部材が配置された注入
口出口周辺のキャビティ面には、成形品の裏面側に防壁
を立設させる凹部が形成されていることが望ましい。
【0010】また、本発明の合成樹脂成形品の射出成形
方法は、前記第1の目的を達成するために、金型のキャ
ビティ面に開口された注入口出口に孔径が3/100 〜8/10
0mm(30〜80μm)とされた多数の微細孔を有する多孔
質部材を配置し、キャビティ内に充填された溶融樹脂が
冷却固化しつつ状態にあるときに、前記多孔質部材の微
細孔を通して圧縮流体を前記キャビティ面および樹脂間
に注入することを特徴とするものである。
【0011】この際、前記圧縮流体をキャビティ内に加
圧注入する際に、注入初期は低圧力の圧縮流体を注入
し、その後高圧力の圧縮流体を注入して圧縮流体の多段
圧力制御を行うことが望ましい。
【0012】
【作用】このような本発明においては、注入口に配置さ
れた多孔質部材の微細孔が3/100 〜8/100mm とされてい
るので、金型キャビティ内に充填された溶融樹脂が微細
孔内に流入して詰まることがなく、一方、窒素ガス等の
圧縮流体はスムーズに流れる大きさに設定されているの
で、圧縮流体はその通気性を阻害されることなく、十分
にかつスムーズにキャビティ内に注入される。このた
め、キャビティ内の溶融樹脂(成形品)は、注入された
圧縮流体によってその表面側がキャビティ内面に押圧さ
れた状態で冷却固化されて、リブやボスを有する場合で
あってもひけが防止される。そして、圧縮流体の注入に
よってひけを防止しているため、キャビティ内に射出さ
れる溶融樹脂に過大な保持圧力を加える必要が無く、低
圧力の射出成形が行えて成形品の反りや歪みも防止され
るとともに、生産性も向上される。
【0013】また、注入口に段部を形成し、この段部お
よび多孔質部材の背面側に配置されるピン等の固定部材
により多孔質部材を固定すれば、多孔質部材を圧入した
り、接着剤で固定する必要がないため、多孔質部材を確
実にかつ容易に設けることができ、金型の製作も容易と
なる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例の射出成形装置1の概略構
成図が示されている。射出成形装置1は、スクリュー2
を有して樹脂を溶融混練する射出装置3と、固定金型4
および可動金型5が取り付けられた型締装置6とを備え
ている。
【0015】可動金型5には、突き出し板7を介して押
されてその先端がキャビティ8内に突出することで成形
品を取り出す突き出しピン9が、可動金型5の貫通孔1
0を通して設けられている。また、可動金型5の前記突
き出しピン9が通された貫通孔10の間には、貫通孔2
2が形成され、この貫通孔22には固定ピン30が配置
されている。
【0016】貫通孔22には、金型5内を通して形成さ
れたガス供給路11が連通され、このガス供給路11は
ガス注入制御装置12に接続されている。ガス注入制御
装置12は、コンプレッサからの駆動エアによって駆動
されて注入用の窒素ガスを増圧して圧縮流体とする増圧
器13と、射出装置3からの信号によってつまり射出タ
イミングによって、ガス供給路11への窒素ガス供給を
制御する開閉バルブ14や増圧器13の動作を制御する
制御装置15を備えている。従って、これらガス供給路
11およびガス注入制御装置12によって圧縮流体供給
手段が構成され、前記貫通孔22により圧縮流体の注入
口が構成されている。
【0017】開閉バルブ14は、窒素ガスの供給を制御
する供給用電磁バルブ16と、注入した窒素ガスを排気
するための排気用電磁バルブ17と、供給する窒素ガス
の圧力制御用電磁バルブ18との3つのバルブを備えて
おり、これらの各バルブ16,17,18は、前記制御
装置15によって個別に開閉制御されている。
【0018】なお、本実施例のキャビティ8は、図2に
も示すように、2本のリブ91を備える板状の成形品9
0を形成するものであり、可動金型5にはリブ形成用の
2条の凹溝19が形成されている。
【0019】前記貫通孔22は前記凹溝19間に形成さ
れ、図2に示すように、そのキャビティ8側に開口され
た出口(注入口出口)22A部分は小径とされて段部2
2Bが形成されている。また、貫通孔22の背面側(キ
ャビティ8とは反対側の突き出し板7側)は、大径とさ
れた大径部22Cが形成されて段部22Dが形成されて
いる。
【0020】貫通孔22の出口22A部分には、金属や
セラミックスなどの耐熱性のある材質で形成された多孔
質部材40が配置されている。この多孔質部材40は、
貫通孔22の小径の出口22Aに合わせた小径部40A
と、大径部40Bとを備えており、貫通孔22の段部2
2Bに係止されてキャビティ8側に抜けないように固定
されている。
【0021】多孔質部材40の背面側の貫通孔22内に
は、前記貫通孔22の大径部22Cに合わせて大径部3
0Aを有する固定部材である固定ピン30が配置されて
いる。固定ピン30の先端は、多孔質部材40に当接さ
れており、多孔質部材40が背面側に移動することを防
止している。これにより、多孔質部材40は、キャビテ
ィ8内に射出された樹脂の圧力やガス供給路11を通し
て供給される窒素ガス(圧縮流体)の圧力が加わって
も、移動することなく固定される。
【0022】多孔質部材40は、多数の微細孔が形成さ
れているが、この微細孔の孔径が3/100 〜8/100 mm(30
〜80μm)となるように、その材質等が選択されてい
る。また、貫通孔22と固定ピン30の大径部30A間
には、隙間をシールするOリング等のシール材21が設
けられている。
【0023】次に、本実施例における射出成形の手順に
ついて説明する。まず、型締装置6を利用して金型4,
5を閉じ、射出装置3により溶融樹脂をキャビティ8内
に所定量射出する。この際、樹脂充填に従って突き出し
ピン9に加わる樹脂圧力は上昇するが、多孔質部材40
の微細孔の孔径が3/100 〜8/100 mmと狭くされているの
で、多孔質部材40内に樹脂が流入して詰まることはな
い。
【0024】溶融樹脂が所定量充填され、充填終了を知
らせる信号が射出装置3からガス注入制御装置12に送
られると、増圧器13が作動されるとともに、供給用バ
ルブ16が開かれてガス供給路11を通して貫通孔22
に窒素ガスが注入される。この際、溶融樹脂は冷却固化
されつつあってキャビティ8との間に隙間が生じている
とともに、貫通孔22の突き出し板7側はシール材21
でシールされているため、貫通孔22に注入された窒素
ガスは、多孔質部材40の微細孔を通してキャビティ8
内に注入される。
【0025】この際、窒素ガス(圧縮流体)の注入初期
は、圧力制御用バルブ18を開いて窒素ガスの一部を排
気することで圧力が下げられて低圧(例えば増圧器13
における圧力が0.5〜3MPa)とされた窒素ガスを
所定時間(例えば0.2〜3秒)注入し、その後にバル
ブ18を閉じて高圧(例えば3.5〜20MPa)とさ
れた窒素ガスを所定時間(例えば2秒以上)注入するよ
うに、制御装置15で開閉バルブ14が制御されてい
る。
【0026】キャビティ8内に低圧の窒素ガスを注入す
ると、可動金型5のキャビティ8内面とこれに接してい
る成形品90の裏面側との間に窒素ガスが注入され、成
形品90と可動金型5との間に空間が形成される。さら
に、高圧の窒素ガスを注入すると、この空間に高圧窒素
ガスが充填されて成形品90に十分な保持圧力が加わ
り、成形品90の表面側が固定金型4のキャビティ8内
面に押圧され、ひけ発生が防止される。
【0027】この時、窒素ガスは、図2に示すように、
凹溝19間(成形品90のリブ91間)に注入されるた
め、ひけが生じやすいリブ91部分から窒素ガスが漏れ
出すことが無く、リブ91部分への十分な保持圧力が維
持される。
【0028】そして、溶融樹脂が冷却固化したら、排気
用バルブ17を開いてキャビティ8内のガスを抜き、金
型4,5を離型するとともに、突き出しピン9を突出さ
せて成形品90を取り出し、射出成形の1つのサイクル
を終了する。以上の成形サイクルを繰り返し、成形品9
0を順次成形する。
【0029】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。キャビティ8内に窒素ガスを注入するにあ
たって、微細孔の孔径が3/100 〜8/100 mmとされた多孔
質部材40を通して行っているので、窒素ガスの通気性
を向上できてキャビティ8内にスムーズにガスを注入す
ることができるとともに、樹脂の多孔質部材40内への
流入を防止できて樹脂詰まりを無くすことができる。す
なわち、微細孔の孔径の下限を3/100 mmと従来よりも大
きくしているので、窒素ガス等の圧縮流体をよりスムー
ズに供給することができ、ガス保圧時の圧力もより大き
くできるため、溶融樹脂をキャビティ8内面に押圧して
樹脂が冷却固化するまで樹脂表面側とキャビティ8内面
との密着状態を維持することができ、リブ91やボス等
を有する成形品90を成形する場合でもひけを確実に防
止することができる。
【0030】また、微細孔の孔径の上限を8/100 mmとし
て溶融樹脂が流入できない大きさに設定したので、樹脂
が微細孔内に詰まることが無く、窒素ガスを確実にキャ
ビティ8内に注入することができる。
【0031】そして、キャビティ8内に窒素ガスを注入
することで成形品90のひけを防止することができるの
で、従来のようにひけ防止のために高圧射出成形を行う
必要が無く、ひけの生じない低圧射出成形を実現するこ
とができる。このため、低圧成形が可能であり、成形サ
イクルも早くできるため、成形品90の品質を低下させ
ることなく生産性を向上することができる。また、低圧
射出成形を行えるため、成形品90に過大な保持圧力が
加わることがなく、反りや歪みなどの成形歪みの分布を
減少でき、成形品90の精度を向上することができ、高
品質の成形品90を成形することができる。
【0032】多孔質部材40は、金型5に形成された貫
通孔22内に配置され、貫通孔22の段部22Bおよび
固定ピン30によって固定されているので、多孔質部材
40に樹脂圧や窒素ガスの圧力が加わっても各圧力に対
向できて移動することがなく、多孔質部材40を確実に
固定することができる。
【0033】さらに、多孔質部材40を配置するにあた
って、金型5には貫通孔22を形成すればよいので金型
5を容易に製作することができ、かつ多孔質部材40を
圧入したり、接着剤等で固定する必要がないため、多孔
質部材40の微細孔が潰れたり塞がったりすることもな
く、窒素ガスを確実に供給することができる。
【0034】可動金型5の凹溝19間、つまり成形品9
0のリブ91間に貫通孔22の出口(注入口出口)を開
口して窒素ガスを注入しているので、注入したガスをリ
ブ91等のひけが発生しやすい部分に均等に保持してお
くことができ、所定の保持圧力を樹脂が冷却固化するま
で維持することができ、成形品90のひけを確実に防止
することができる。
【0035】溶融樹脂を射出した直後の冷却固化の初期
段階つまり窒素ガスの注入初期段階では、圧力制御用バ
ルブ18を開いて窒素ガスの圧力を低圧としているの
で、冷却初期の樹脂表面の固化した層が薄い状態のとき
に、窒素ガスの圧力で固化層が破れてガスが樹脂内部に
潜ってしまうことがなく、ガスが樹脂内部に侵入するこ
とによる強度の低下がない高品質な成形品90を製造す
ることができる。
【0036】圧縮流体として不燃性の窒素ガスを用いて
いるので、キャビティ8内への注入によって膨張したり
加熱されても爆発のおそれがなく、射出成形の安全性を
確保することができる。
【0037】成形品90の裏面側と可動金型5間に窒素
ガスが注入されて隙間が形成されるため、成形品90を
容易に離型することができ、離型不良によるトラブル発
生を防止でき、効率のよい射出成形を行うことができ
る。
【0038】次に、本発明の効果を確認するために行っ
た実験例について説明する。本実験例は、東芝機械製IS
-200の射出成形機に、表1に示すように、微細孔径の異
なる様々な多孔質部材40(株式会社ミスミのGAS VENT
(商品名))を取り付け、MFR(メルトフローレシ
オ)[230℃,2.16kgf]=10g/10min のブロックPP(ポ
リプロピレン)樹脂を用いてリブ91を有する成形品9
0を射出成形し、その成形品90のひけ状況、表面外観
等の状態と、多孔質部材40の微細孔付近の詰まり状況
とを目視観察したものである。なお、型締圧は200t
に設定し、樹脂温度および金型温度は表1のように設定
した。一方、参考例1〜4として、微細孔径を実験例よ
りも小さくしたり(参考例1,2)したり、大きくした
り(参考例4)、ガス圧を2段制御せずに最初から最後
まで同じ圧力で窒素ガスを注入した場合(参考例1〜
4)についても行った。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、多孔質部材40の微細
孔径を3/100 〜8/100 mmに適切に設定すれば、樹脂の多
孔質部材40内への流入もなく、窒素ガスのキャビティ
8内への流入も阻害されず、十分な窒素ガスを供給でき
て成形品のひけもきわめて小さくて肉眼では確認するこ
とが困難な程度に防止することができることが確認でき
た。さらに、初期ガス圧を低くし、その後の保圧ガスを
高めにするガス圧力の2段制御を行えば、ガスが成形品
90内に侵入(潜る)ことがなく、高品質でかつ十分な
強度を有する成形品90を生産できることも確認でき
た。
【0041】一方、参考例1,2のように多孔質部材4
0の微細孔径が小さすぎると窒素ガスの流入が阻害さ
れ、十分なガスをキャビティ8内に供給できなかった。
また、参考例4のように微細孔径が大きすぎると、溶融
樹脂が微細孔内に流入して詰まってしまいガスを供給で
きなくなった。以上のことから、多孔質部材40の微細
孔径を3/100 〜8/100 mmに設定すれば、良好な射出成形
作業を行うことができ、高品質の成形品90を製造する
ことができることがわかり、本発明の有用性が確認でき
た。
【0042】以上、本発明について好適な実施例をあげ
て説明したが、本発明は、この実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、多孔質
部材40を配置するにあたっては、図3に示すように、
突き出しピン9が配置された金型5の貫通孔10部分に
設けてもよい。すなわち、突き出しピン9と貫通孔10
との間のクリアランス部分に、突き出しピン9が挿通可
能なようにほぼ円柱状に形成され、微細孔径が3/100 〜
8/100 mmとされた多孔質部材40を設けてもよい。
【0043】この多孔質部材40は、貫通孔10に形成
された段部10Bに係止されてキャビティ8側への移動
が規制されるとともに、多孔質部材40の背面側に配置
された筒状の固定部材41によって背面側への移動が規
制されて固定されている。貫通孔10にガス供給路11
を連結して窒素ガスを供給すると、多孔質部材40を通
してキャビティ8内に窒素ガスが供給され、樹脂が金型
4側のキャビティ面に押しつけられてひけが防止され
る。また、多孔質部材40は、貫通孔10の段部10B
および固定部材41で固定されているので、樹脂圧力や
ガス圧力で移動することがなく、確実に固定される。ま
た、突き出しピン9は多孔質部材40を貫通して出没さ
れるため、成形品90の取り出し作業も従来と変わらず
に行うことができる。このようにすれば、通常設けられ
ている突き出しピン9の貫通孔10部分を利用できるた
め、多孔質部材40を配置するための金型加工が不要と
なって、より容易にかつ安価に多孔質部材40を設置す
ることができる。
【0044】さらに、図3に示すように、リブ91間以
外の部分にガスを注入する場合には、金型5に断面三角
形状の溝20を形成し、成形品90に防壁92を立設し
て注入したガスがリブ91部分から漏れ出さないように
構成してもよい。なお、溝20の形状としては、断面三
角形状のみでなく、たとえば薄肉リブと同様な断面長方
形であってもよい。この際、溝20の深さ寸法(防壁9
2の高さ寸法)は、例えば2〜10mm程度に設定すれば、
ガスの保圧効果と樹脂量の増加分とのバランスが取れて
好ましい。
【0045】また、本発明はリブ91を有する成形品9
0の射出成形に限らず、ボスを有する成形品を射出成形
する場合にも用いることができる。この際、ボス部分に
所定圧のガスが保圧されるように、ボスの周囲に円周状
や四角周状等の防壁を形成することが望ましい。さら
に、本発明は、リブ91、ボスの両方が形成された成形
品や、リブ91、ボスが無い成形品等の各種成形品にも
利用することができる。
【0046】さらに、圧縮流体としては窒素ガスに限ら
ず、圧縮空気等の他のガスを用いてもよい。但し、圧縮
流体は溶融樹脂に接して温度が高くなるため、窒素ガス
のような不燃性のガスを用いた方が安全性が高いという
利点がある。
【0047】注入する圧縮流体の圧力は、前記実施例の
ように2段階制御する場合に限らず、3段階以上あるい
は圧力値が連続的に変化するように制御してもよいし、
さらには圧力値を一定としてもよい。この際の圧力値
は、使用する樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよ
い。さらに、圧力制御の方法としては、前記実施例のよ
うに圧力制御用バルブ18を設けて行う方式に限らず、
減圧弁等を用いた公知の適宜な圧力制御方法を利用して
もよい。
【0048】リブ91やボスが形成される場合には、図
4に示すように、金型5のリブ91用の凹溝19などの
先端部を一部切り欠いて、樹脂を射出充填した際に、成
形品90におけるリブ91やボスの基部に加肉部96を
形成してもよい。本発明では、表面側のひけが防止され
る分だけ成形品90の裏面側がひけて凹むが、加肉部9
6を形成すれば、ひけた欠肉分が加肉部96で補充され
て強度低下も防止できる。この際、加肉部96の樹脂量
は、リブ91やボスなどが形成された部分の中心部に発
生する冷却遅れ部97の容積の約20〜70%にすれ
ば、樹脂量を著しく増加させることなく、必要な強度を
確保することができる。また、加肉部96は、欠肉分に
補充されて無くなるため、成形品90において加肉部9
6が目立つことはない。
【0049】さらに、多孔質部材40の固定方法は、前
記実施例や変形例に記載されたものの限らず、他の固定
方法を採用してもよいが、前記方法を用いた方が、確実
にかつ簡単に固定することができる利点がある。また、
本発明は、前記実施例の成形品90を製造する場合に限
らず、例えばコピー装置の紙供給部品等に利用される格
子状に多数のリブが形成された板部材や、自動車のドア
ハンドルカバー等の各種の合成樹脂成形品の製造に利用
することができる。
【0050】
【発明の効果】このような本発明によれば、キャビティ
面に開口された注入口出口に、3/100〜8/100 mmの孔径
の微細孔を多数有する多孔質部材を配置しているので、
樹脂流入を防止でき、かつ圧縮流体の通気も阻害するこ
とがなく、キャビティ内に十分な圧縮流体を注入でき
て、リブやボス等を有する合成樹脂射出成形品のひけを
防止することができる。また、前記多孔質部材を注入口
の段部と固定部材とで移動不能に固定すれば、金型構造
が簡単となって容易に製造でき、かつ圧縮流体の通気を
阻害することなく確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】前記実施例の金型中央部を示す拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の変形例の要部を示す拡大断面図であ
る。
【図4】本発明の他の変形例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 射出成形装置 3 射出装置 4 固定金型 5 可動金型 6 型締装置 8 キャビティ 9 突き出しピン 10 貫通孔 11 ガス供給路 12 ガス注入制御装置 13 増圧器 14 開閉バルブ 15 制御装置 19 凹溝 20 溝 22 貫通孔 22A 出口 22B 段部 30 固定部材である固定ピン 40 多孔質部材 41 固定部材 90 成形品 91 リブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティ面に開口された注入口
    を通して圧縮流体をキャビティ内に注入する圧縮流体供
    給手段と、前記注入口出口に配置されて孔径が3/10
    0〜8/100mmとされた多数の微細孔を有する多孔
    質部材とを備えることを特徴とする合成樹脂成形品の射
    出成形装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合成樹脂成形品の射出
    成形装置において、前記注入口は出口側が小径とされて
    段部が形成され、前記多孔質部材は前記段部により出口
    側に移動不能に係止されるとともに、その背面側に配置
    された固定部材により出口側とは反対側にも移動不能に
    固定されていることを特徴とする合成樹脂成形品の射出
    成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の合成樹脂成形品
    の射出成形装置において、前記多孔質部材が配置された
    注入口出口周辺のキャビティ面には、成形品の裏面側に
    防壁を立設させるための凹部が形成されていることを特
    徴とする合成樹脂成形品の射出成形装置。
  4. 【請求項4】 金型のキャビティ面に開口された注入口
    出口に孔径が3/100〜8/100mmとされた多数
    の微細孔を有する多孔質部材を配置し、キャビティ内に
    充填された溶融樹脂が冷却固化しつつ状態にあるとき
    に、前記多孔質部材の微細孔を通して圧縮流体を前記キ
    ャビティ面および樹脂間に注入することを特徴とする合
    成樹脂成形品の射出成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の合成樹脂成形品の射出
    成形方法において、前記圧縮流体を前記キャビティ内に
    注入する際に、その注入圧力を注入初期は低圧力に制御
    し、その後高圧力に制御することを特徴とする合成樹脂
    成形品の射出成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017190517A (ja) * 2016-04-15 2017-10-19 中原大學 金属射出及び逆圧システム、並びに、逆圧方法

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