JPH0865078A - 誘電体基板上に金属化領域を備えたデバイスの製法 - Google Patents

誘電体基板上に金属化領域を備えたデバイスの製法

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JPH0865078A
JPH0865078A JP7116145A JP11614595A JPH0865078A JP H0865078 A JPH0865078 A JP H0865078A JP 7116145 A JP7116145 A JP 7116145A JP 11614595 A JP11614595 A JP 11614595A JP H0865078 A JPH0865078 A JP H0865078A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電荷の集中又は放電のために、音波デバイス
の製造工程中に生ずる損傷を防止することにある。 【構成】 音波デバイスの基板1上に、金属化領域2,
4,6の導電性材料が付着させられる前に、比較的抵抗
性の材料、たとえばクロムの層を基板上に付着させるこ
とによって、金属化領域の下側の抵抗性の材料から成る
基板被覆下側層として抵抗リンク経路7,8,9を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電性および/又は焦
電性の基板と、この基板上に重ねられた、少なくとも1
つの上部にある金属化領域とを備えた音波(AW)デバ
イスの製法に関する。本発明製法は、表面弾性波(SA
W)デバイスの製造に、特に適用可能である。音波(A
W)デバイスと言う用語は、前記配置の基板と、上部に
ある金属化領域とを持ち、音波特性によって少なくとも
部分的に機能を行なう物品に関する。
【0002】
【従来の技術】AWデバイスは、この種の技術分野にお
いてはよく知られている。代表的なAWデバイスは、音
波機能を行なうように配置した金属化領域が上部にある
圧電性基板を備えている。しかしAWデバイスは、高度
に絶縁性ではあるが、圧電性ではない基板を備えてもよ
い。この場合この基板は、導電性金属化領域の下側の基
板上に圧電性材料の中間層を備えるか又は或る場合に、
ガラスのような誘電体材料上に直接付着した導電性金属
化領域を備えている。このいずれの場合においても基板
は、焦電性材料から成ることが多い。
【0003】従来は、良好な製品を確信をもって製造す
ることを期待できるように、SAWデバイスを製造する
のは困難であることは認められていた。本発明者は、欠
点のあるSAWデバイスの電子顕微鏡検査によって、そ
れぞれ所定の場所にある別々の金属化領域が互いに密接
している場合に、これ等の金属化領域の間の放電の結果
としてたびたび製品の損傷が生じることを見出した。多
数のAWデバイスにおいて、隣接する金属化領域を隔離
する間隔は非常に小さくて、AWデバイスの動作周波数
に関係する。たとえば、無線周波数で動作するようにし
たAWデバイスは、10μmの程度のすきま、恐らく1
μmぐらいのすきまを備えている。放電損傷の生ずる代
表的な場所は、インターディジタル形の変換器のフィン
ガーの間又は、ホーン・レシーバと導波管コンボルバと
の間である。
【0004】これ等のデバイスは、高度に絶縁性の基板
材料から成るので、これ等のデバイスは、電荷を蓄積す
る傾向があり、基板の圧電性および/又は焦電性の特性
によって、電荷の蓄積又は集中は、金属化領域の付着又
はエッチングの工程のような、これ等のデバイスの製造
に含まれる各種の工程によって発生すると考えられる。
金属化領域は、下側にある基板材料の合計電荷に関連す
る電圧を取り上げる傾向があり、電荷は、基板を通って
好ましいように消散することはできない。
【0005】基板上の電荷の蓄積又は分離により生ずる
静電界は、異なる金属化領域の間にアーク放電を生じさ
せるには到らなくても、SAWデバイスの製品の損傷に
帰着するかもしれない。静電界は、金属化領域の縁部に
隣接する位置において、基板にひび割れ又は破壊を引き
起すことは可能である。電荷の集中又は放電に伴なう製
造工程中に生ずる損傷は、音波伝搬又は音波処理を妨害
することによって、SAWデバイスの動作を劣化させ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、焦電性である基板材料を持つSAWデバイスにお
けるこのような製品損傷現象を防止することにある。同
じ問題点は、焦電性でなく、圧電性の基板材料であって
も、生ずるものと判断する。さらに同じ問題点は、SA
Wデバイスだけでなく、AWデバイスに関連しても生じ
得るものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】したがって本発明は、
(イ)焦電性の又は圧電性の基板と、(ロ)この基板上
に重ねられた、少なくとも2つの相互に絶縁された金属
化領域とを備えた型式の音波デバイスを製造する、音波
デバイスの製法において、前記各金属化領域が、(い)
或るパターンになるように付着させることによって前記
基板上に形成されるか、又は(ろ)事前に付着した金属
化領域を或るパターンになるようにエッチングすること
によって前記基板上に形成される時期より遅くないよう
に、前記少くとも2つの金属化領域を接続する抵抗リン
ク経路を前記基板上に付着するに際し、前記抵抗リンク
経路を、前記金属化領域の導電性材料が前記基板上に付
着する前に、比較的抵抗性の材料の層を前記基板上に付
着させることによって、前記少なくとも2つの金属化領
域の下側の前記抵抗性材料から成る基板被覆下側層とし
て形成し、前記抵抗リンク経路を、光蝕刻工程が完了す
るまで、そのまま残して置くことを特徴とする、音波デ
バイスの製法によって前記問題点を解決する。
【0008】蓄積した電荷を消散させることができる分
路として役立つ抵抗リンク経路が、各金属化領域が誘電
体基板の表面上に形成される時期より遅くならないよう
に形成されることは必要欠くべからざることである。そ
の理由は、金属化領域が形成されるやいなや、事前に生
じていた電荷が金属化領域に加えられ、互いに隣接する
金属化領域間の小さなすきまに高電界集中を形成できる
からである。若干の従来のデバイスにおいては、デバイ
スに損傷を与えることなく、又はデバイスの故障を生じ
させることなく、デバイスの動作中に蓄積するかもしれ
ない電荷を消散させるように、表面パターンが確立して
後に電気的分路が形成された。しかしこのような製造段
階において分路が形成されることは、本発明者が見出し
た製品損傷現象に対する保護をほとんど又は全く提供し
ない。
【0009】しかし本発明により製造された音波デバイ
スにおいては、分路の抵抗が、音波デバイスの所期の特
性に関して適当であれば、製造工程が完了しても分路を
所定の位置に残して、音波デバイスの動作を害すること
もなく、かつ静電的な又はその他の源から、損傷を与え
る電荷の蓄積に対して保護し続ける付加的な利点を得る
ことができる。互いに隣接する金属化領域を通って電流
を流すことができることによって、これ等の金属化領域
の間の電荷の差を除去する手段として、抵抗リンク経路
が役立つのはもちろんである。この手段は、電界集中を
除去するのに役立つ。電界集中は、AWデバイスの製造
の際に前もって遭遇する表面アーク発生、基板のひび割
れ又は破壊の問題の原因である。
【0010】本発明方法の1つの特定の適用は、公知の
形式のSAWコンボルバ・デバイスの製造にある。この
ような各SAWコンボルバ・デバイスは、2つの各電気
的入口ポート用の各インターディジタル形の変換器と、
この変換器の音波出力を受け取って集束するように位置
させた各ホーン・レシーバと、これ等の各ホーン・レシ
ーバから出力を受け取る対向端部を持つ音波導波管とを
備えている。
【0011】このようなSAWデバイスにおいて、少な
くとも各インターディジタル形の変換器(interd
igital transducer)をそれぞれのホ
ーン・レシーバにリンクするように、できれば各ホーン
・レシーバと音波導波管とをリンクし、各インターディ
ジタル形の変換器の2組のディジタル・リム(digi
tal limbs)をリンクするように、抵抗分路を
形成することが最良であることを見出した。
【0012】本発明方法を採用する場合の費用的な不利
益を最小にすると言う見地からすれば、かつ次々に蓄積
する電荷に対する連続的な保護を提供すると言う見地か
らすれば、製造工程の完了の際に抵抗リンクを所定の場
所に残して、AWデバイスの初期の動作を損なうことの
ないように抵抗を、本発明方法により得られる抵抗リン
クが持つことが最良である。
【0013】したがって抵抗リンクの抵抗は、電位差を
最も迅速に除去するが、入力と出力との間に所望しない
結合経路を生じさせる、すなわち信号損失を生じさせる
一層低い値と、AWデバイスの動作を劣化させないが、
製造工程中のAWデバイスの損傷を避けるのに充分に迅
速に電位差を除去できない一層高い値との折衷の値であ
る。
【0014】さらに別々の金属化領域をリンクする微細
な抵抗経路を形成し、かつ基板上に非常に長い抵抗経路
を収容する困難性によって負わされる、抵抗リンク抵抗
の最大レベルを制限しようとする実際上の問題がある。
【0015】製造段階において、AWデバイスに影響を
及ぼす熱サイクルの時定数は秒のオーダーであり、互い
に隣接する金属化領域の漂遊容量はピコファラドのオー
ダーである。このような熱的に生ずる電荷を適当に消散
させるために、抵抗リンク経路のリンク抵抗は、前記時
定数が、このリンク抵抗と漂遊容量との積により非常に
大きくなるように定めなければならない。この結果この
リンク抵抗は、最大値が1012オームに制限される。
【0016】かりにこのリンク抵抗が低すぎれば、有効
な電気的結合が金属化領域間に生じ、信号の損失を引き
起すか、さもなければ性能を劣化させる。これ等の影響
は、1012オームの限度内のリンク抵抗の高い値におい
ては最小である。多くのデバイスにおいて、入力変換器
は、75オーム又は50オームのケーブルから給電さ
れ、入力電力の損失を避けるために給電ケーブルの抵抗
を充分に越えたリンク抵抗値を持つ抵抗リンクを形成す
ることが必要である。
【0017】本発明方法ではないが、抵抗リンクを、光
蝕刻法(photolithography)によっ
て、金属化領域とは別個の金属化ストリップとして10
00オーム又はこれに近い値に形成することができる。
このような値は、容易に成しとげることができるし、か
つ各種の駆動要因間の理にかなって折衷の値を提供す
る。
【0018】誘電体基板上に重ねられた導電性パターン
を持つデバイスを製造する従来の1つの製法は、最初に
基板を被覆するクロムの下側層を付着する段階と、次い
で所望のパターンになるように付着するか又は、所望の
パターンになるようにエッチングする、一層導電性のア
ルミニウムの層を付着する段階とを包含する。従来はク
ロムの下側層は、アルミニウムの誘電体基板への付着を
改良するのに使用され、代表的には、アルミニウムの所
望のパターンの輪郭になるようにエッチングされる。
【0019】しかし、本発明によれば、このクロムの下
側層を所望のパターンの輪郭になるようにエッチングす
る代りに、同じ基板の表面上に次に付着されるすべての
金属化領域をリンクする下側層として所定の場所に残し
て置く。このクロムの下側層は、特許請求の範囲に記載
の所望の抵抗リンクを形成するのに役立つことが可能で
ある。この下側層の厚さを、抵抗リンク経路に所望の程
度の抵抗を与えるのに適当な厚さにすることが必要であ
るのはもちろんである。
【0020】
【実施例】以下にSAWコンボルバ・デバイスの概略図
を示す図1に関し、本発明方法の1実施例を詳細に説明
する。
【0021】図1には、1977年版のIEEEウルト
ラソニックス・シムポジウム(Ultrasonics
Symposium)の会報(カタログ番号79CH
1482−9SU)の第729頁及び次頁のアー・エイ
・ベッカー(R.A.Becker)及びディー・エイ
チ・ハールバート(D.H.Hurlburt)を著者
とする論文『放物線形ホーンを持つ広帯域LiNbO3
電子式コンボルバ』に記載してある形式のSAWコンボ
ルバに、本発明による素子間の抵抗リンクを加えたもの
が示されている。
【0022】図示するようにこのSAWコンボルバ・デ
バイスは、圧電性及びパイロ電気性すなわち焦電性を持
つ基板1を備えている。基板1は、表面音波が沿って移
動するデバイス軸線が、Y平面内で単結晶のZ方向に沿
うように切断したニオブ酸リチウム(LiNbO3 )の
単結晶で作られている。基板1は、音波の反射が、各素
子に作用する音波に干渉しないように互に平行でない縁
部が残るように切断される。
【0023】この単結晶の上面には、音波をそれぞれ方
向A,Bに放出するように1対のインターディジタル形
の入力変換器2,2が重ねられている。各入力変換器2
は、基板1上に金属化領域として形成されている。音波
は、基板1に金属化領域として形成された線図的に示し
たホーン4により集束される。音響エネルギーの集中ビ
ームは、同様に基板1上に金属化領域として形成された
音波導波管6にすきま5を横切って放出される。
【0024】反対方向に伝搬するビームは、音波導波管
6内で非線形に相互作用し、コンボリューション信号を
形成する。入力変換器2、ホーン4及び音波導波管6
は、図示のSAWコンボルバ・デバイスの各素子を構成
する。両入力変換器2の後部における基板縁部は、短結
晶縁部からの音響エネルギーの後方散乱を減らすように
吸音材料層3で被覆される。
【0025】SAWコンボルバ・デバイスの音波導波管
6は、たとえば音波波長の幅の3倍の幅と、コンボルブ
しようとする波列の持続時間により定まる長さとを持つ
金属化領域から成る。この幅は、主モードのコンボリュ
ーション(convolution)効率、マルチモー
ディング(multimoding)効果及び分散に関
する妥協点すなわち折衷案である。
【0026】SAWコンボルバ・デバイスの出力10
は、SAWコンボルバ・デバイスの音波導波管6から取
り出される。抵抗損失を減らし、出力の均等度を最適に
するように、音波導波管は、その長手に沿いステイッチ
・ボンド(stich−bonded)され、音波導波
管の各端部をリアクタンス性成端に形成する。
【0027】ステイッチ・ボンドとは、単一の連続した
ワイヤを、短い長さの部分に切断することなく、多数の
ボンディング・ポイントに接着することを意味する。リ
アクタンス性成端に関する技術は、1978年版IEE
Eウルトラソニックスシムポジウム第44頁のジェイ・
エイチ・ゴール(J.H.Goll)及びアー・スィー
・ベネット(R.C.Bennett)の論文に記載し
てある。
【0028】1例においては入力変換器2は、90MH
zの帯域幅が得られるように位相重みつけすると共にホ
ーン4内にほぼ一様な音波輪郭を維持する。各入力変換
器2は、単一の直列コイル(図示してない)で同調させ
られる。重みつけ技術は、電子工学論文9号(1973
年版)第138頁のエム・エフ・ルイス(M.F.Le
wis)と、IEEEウルトラソニックス・シムポジウ
ム(1972年版)第377頁のティー・ダブリュ・ブ
リストール(T.W.Bristol)との論文に記載
されている。
【0029】ホーン4と音波導波管6との間のすきま5
は、ほぼ音波波長の1つの幅である。これは、ホーンか
らの音響エネルギが、音波導波管の下方を通る前に発散
する広いすきまと、狭すぎてSAWコンボルバ・デバイ
スの入力と出力との間にかなりの容量性結合の生ずるす
きまとの間の折衷した値である。
【0030】前記SAWコンボルバ・デバイスは、抵抗
リンクを除いては当業者によく知られている。これ等の
リンク7,8,9の形成及びその目的について以下に説
明する。
【0031】形状又は輪郭によってSAWコンボルバ・
デバイスの機能素子を形成する金属化領域、すなわち入
力変換器2、ホーン4及び音波導波管6は、細い抵抗リ
ンクによってそれぞれ互いにリンクされる。各入力変換
器2は、抵抗リンク7により各ホーン4にリンクされ、
次いで抵抗リンク9により音波導波管にリンクされる。
インターディジタル形の各入力変換器2の2つの側部
は、さらに他の抵抗リンク8によって互いにリンクされ
る。
【0032】本発明方法ではないが、これ等の抵抗リン
クを、主機能素子を形成する金属化材料と同じ金属化材
料で、かつ同じ層厚さに形成できる。金属化ストリップ
の幅と長さが組合ってそれ等の抵抗を形成し、適当な抵
抗値を与えるように、これ等の金属化ストリップの適当
な組合せを提供するように、パターンが取り決められて
いる。
【0033】前述したように、抵抗リンクは、これが設
けられなければ製造段階において、電荷集中又はアーク
作用により生ずるような損傷からSAWコンボルバ・デ
バイスを保護するのに役立つ。抵抗リンク9は、ホーン
4と音波導波管6との間の特に損傷を受けやすいすきま
を橋絡する。抵抗リンク8は、非常に密接した互いに挿
入されたフィンガーを持つインターディジタル形の入力
変換器2の2つの側部を互いにリンクする。
【0034】圧電性/焦電性基板は、金属化領域が付着
されるときに既に荷電させられているかもしれない。電
荷集中は、荷電された表面上に金属化領域を形成するこ
とによって生ずるのであり、抵抗リンクにより提供され
る電荷集中の消散手段が、このときから所定箇所になけ
れば、基板又は金属化領域に与えられる損傷は、生じ得
るのである。
【0035】SAWコンボルバ・デバイスの製造がひと
たび完了すれば、抵抗リンクの主機能も完了するけれど
も、SAWコンボルバ・デバイスの使用寿命にわたっ
て、これ等の抵抗リンクを所定の箇所に残しておくこと
が意図される。しかし各抵抗リンク8は、各1対の入力
端子を橋絡し、入力変換器の抵抗及び電源インピーダン
スに比べて、抵抗リンクが高い抵抗を持つならば、SA
Wコンボルバ・デバイスの動作に害を与えることなく、
所定箇所に残して置くことさえ可能である。
【0036】しかし、SAWコンボルバ・デバイスの性
能を劣化させる値に、抵抗リンク8の抵抗を設定しなけ
ればならないなんらかの理由があるならば、SAWコン
ボルバ・デバイスか、その各入力及び出力リード線に接
続されることによって回路内に配置されるまでの間だ
け、抵抗リンク8は、残されたままであり、次いでこれ
を横切ってかきとるか又は化学的にエッチングすること
によって、破壊される。
【0037】本発明によれば、付着パターン/エッチン
グ・パターンのいずれかによって、別々の金属化ストリ
ップを形成する代りに、付着パターン/エッチング・パ
ターン以外の製造工程を代りに使用することによって、
製造工程中に生ずる電荷集中、その結果としてのアーク
放電により、生ずる損傷に対して匹敵できる保護をAW
デバイスに提供できる。
【0038】すなわち本発明によれば普通の金属化材料
(アルミニウムのような)に比べて比較的高い抵抗を持
つクロムのような材料から成る下側層を、基板の表面上
に下側層として均等に付着し、次にこの下側層が、AW
デバイスの機能素子を形成する金属化領域を支える。均
等な抵抗下側層が、金属化領域によって形成される導電
性領域をリンクしているから、金属化領域がこの抵抗下
側層に所望の形状になるように付着および/またはエッ
チングされ、製造工程が完了する間、この抵抗下側層を
抵抗リンクとして形成しそのままの位置に残しておく。
この抵抗下側層は、前述した別別の金属化ストリップと
正確に同じ抵抗リンクとしての機能を果し、AWデバイ
スの有効使用中所定の箇所に残されたままである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明製法により製造したSAWコン
ボルバ・デバイスの概略図である。
【符号の説明】
1 圧電性又は焦電性基板 2 インターディジタルの形の入力変換器 4 ホーン(ホーン・レシーバ) 5 すきま 6 音波導波管 7,8,9 抵抗リンク
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 誘電体基板上に金属化領域を備えたデ
バイスの製法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体基板、特に焦電
性の又は圧電性の基板と、この基板上に重ねられた、少
なくとも2つの上部にある金属化領域とを備えたデバイ
ス、特に音波(AW)デバイスの製法に関する。本発明
製法は、表面弾性波(SAW)デバイスの製造に、特に
適用可能である。
【0002】
【従来の技術】AWデバイスは、この種の技術分野にお
いてはよく知られている。代表的なAWデバイスは、音
波機能を行なうように配置した金属化領域が上部にある
圧電性基板を備えている。しかしAWデバイスは、高度
に絶縁性ではあるが、圧電性ではない基板を備えてもよ
い。この場合この基板は、導電性金属化領域の下側の基
板上に圧電性材料の中間層を備えるか又は或る場合に
は、ガラスのような誘電体材料上に直接付着した導電性
金属化領域を備えている。圧電性を示す材料は、焦電性
材料であることが多い。また、焦電性材料は、通常圧電
性でもある。
【0003】従来は、良好な製品を確信をもって製造す
ることを期待できるように、SAWデバイスを製造する
のは困難であることは認められていた。本発明者は、欠
点のあるSAWデバイスの電子顕微鏡検査によって、そ
れぞれ所定の場所にある別々の金属化領域が互いに密接
している場合に、これ等の金属化領域の間のアーク放電
の結果としてたびたび製品の損傷が生じることを見出し
た。多数のAWデバイスにおいて、隣接する金属化領域
を隔離する間隔は非常に小さくて、AWデバイスの動作
周波数に関係する。たとえば、無線周波数で動作するよ
うにしたAWデバイスは、10μmの程度のすきま、恐
らく1μmぐらいのすきまを備えている。放電損傷の生
ずる代表的な場所は、インターディジタル形の変換器の
フィンガーの間又は、ホーン・レシーバと導波管コンボ
ルバとの間である。
【0004】これ等のデバイスは、高度に絶縁性の誘電
体基板材料、特に焦電性の又は圧電性の基板を具備する
ので、これ等のデバイスは、電荷を蓄積する傾向があ
り、基板の焦電性の又は圧電性の特性によって、電荷の
蓄積又は集中は、金属化領域の付着又はエッチングの工
程のような、これ等のデバイスの製造に含まれる各種の
工程によって発生すると考えられる。金属化領域は、下
側にある基板材料の合計電荷に関連する電圧を取り上げ
る傾向があり、電荷は、基板を通って好ましいように消
散することはできない。
【0005】基板上の電荷の蓄積又は分離により生ずる
静電界は、異なる金属化領域の間にアーク放電を生じさ
せるには到らなくても、SAWデバイスの製品の損傷に
帰着するかもしれない。静電界は、金属化領域の縁部に
隣接する位置において、基板にひび割れ又は破壊を引き
起すことは可能である。電荷の集中又は放電に伴なう製
造工程中に生ずる損傷は、音波伝搬又は音波処理を妨害
することによって、SAWデバイスの動作を劣化させ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、誘電体基板と、この基板上に重ねられた少なくと
も2つの隣接したデバイスの素子を形成する金属化領域
を備えたデバイスにおけるこのような製品損傷現象を防
止することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】したがって本発明は、誘
電体基板と、この基板上に重ねられた少なくとも2つの
隣接したデバイスの素子を形成する金属化領域を備えた
デバイスを製造するデバイスの製法において、高い抵抗
を有し、デバイスの素子の接着を高める下側層を前記基
板の上に形成する段階と、デバイスの素子を形成する金
属化領域をこの下側層の上に形成する段階とから成り、
少なくとも2つの隣接し、さもなければ相互に絶縁され
たデバイスの素子を形成する金属化領域の間において下
側層によって形成される抵抗リンク経路は、下側層の厚
さの選択によって、基板に影響を及ぼす熱サイクルの時
定数が抵抗リンク経路のリンク抵抗と隣接する金属化領
域の漂遊容量との積よりも非常に大きくなるようにされ
て、2つの隣接した金属化領域間に損傷を与える電界の
発生を防止し、そしてまたデバイスの動作を損なうこと
のなうような大きい抵抗を有するようにされることを特
徴とする誘電体基板上に金属化領域を備えたデバイスの
製法によって前記問題点を解決する。
【0008】蓄積した電荷を消散させることができる分
路として役立つ抵抗リンク経路が、各金属化領域が誘電
体基板の表面上に形成される時期より遅くならないよう
に形成されることは必要欠くべからざることである。そ
の理由は、金属化領域が形成されるや否や、事前に生じ
ていた電荷が金属化領域に加えられ、互いに隣接する金
属化領域間の小さなすきまに高電界集中を形成できるか
らである。若干の従来のデバイスにおいては、デバイス
に損傷を与えることなく、又はデバイスの故障を生じさ
せることなく、デバイスの動作中に蓄積するかもしれな
い電荷を消散させるように、表面パターンが確立して後
に電気的分路が形成された。しかしこのような製造段階
において分路が形成されることは、本発明者が見出した
製品損傷現象に対する保護をほとんど又は全く提供しな
い。
【0009】しかし本発明により製造されたデバイス、
特に音波デバイスにおいては、分路の抵抗が、音波デバ
イスの所期の特性に関して適当であれば、製造工程が完
了しても分路を所定の位置に残して、デバイスの動作を
害することもなく、かつ静電的な又はその他の源から、
損傷を与える電荷の蓄積に対して保護し続ける付加的な
利点を得ることができる。互いに隣接する金属化領域を
通って電流を流すことができることによって、これ等の
金属化領域の間の電荷の差を除去する手段として、抵抗
リンク経路が役立つのはもちろんである。この手段は、
電界集中を除去するのに役立つ。電界集中は、デバイス
の製造の際に前もって遭遇する表面アーク発生、基板の
ひび割れ又は破壊の問題の原因である。
【0010】本発明方法の1つの特定の適用は、公知の
形式のSAWコンボルバ・デバイスの製造にある。この
ような各SAWコンボルバ・デバイスは、2つの各電気
的入口ポート用の各インターディジタル形の変換器と、
この変換器の音波出力を受け取って集束するように位置
させた各ホーン・レシーバと、これ等の各ホーン・レシ
ーバから出力を受け取る対向端部を持つ音波導波管とを
備えている。
【0011】このようなSAWデバイスにおいて、少な
くとも各インターディジタル形の変換器(interd
igital transducer)をそれぞれのホ
ーン・レシーバにリンクするように、できれば各ホーン
・レシーバと音波導波管とをリンクし、各インターディ
ジタル形の変換器の2組のディジタル・リム(digi
tal limbs)をリンクするように、抵抗分路を
形成することが最良であることを見出した。
【0012】本発明方法を採用する場合の費用的な不利
益を最小にするという見地からすれば、かつ次々に蓄積
する電荷に対する連続的な保護を提供するという見地か
らすれば、製造工程の完了の際に抵抗リンクを所定の場
所に残して、AWデバイスの所期の動作を損なうことの
ないように抵抗を、本発明方法により得られる抵抗リン
クが持つことが最良である。
【0013】したがって抵抗リンクの抵抗は、電位差を
最も迅速に除去するが、入力と出力との間に所望しない
結合経路を生じさせる、すなわち信号損失を生じさせる
一層低い値と、AWデバイスの動作を劣化させないが、
製造工程中のAWデバイスの損傷を避けるのに充分に迅
速に電位差を除去できない一層高い値との折衷の値であ
る。
【0014】さらに別々の金属化領域をリンクする微細
な抵抗経路を形成し、かつ基板上に非常に長い抵抗経路
を収容する困難性によって負わされる、抵抗リンク抵抗
の最大レベルを制限しようとする実際上の問題がある。
【0015】製造段階において、AWデバイスに影響を
及ぼす熱サイクルの時定数は秒のオーダーであり、互い
に隣接する金属化領域の漂遊容量はピコファラドのオー
ダーである。このような熱的に生ずる電荷を適当に消散
させるために、抵抗リンク経路のリンク抵抗は、前記時
定数が、このリンク抵抗と容量との積より非常に大きく
なるように定めなければならない。この結果このリンク
抵抗は、最大値が1012オームに制限される。
【0016】仮りにこのリンク抵抗が低すぎれば、有効
な電気的結合が金属化領域間に生じ、信号の損失を引き
起すか、さもなければ性能を劣化させる。これ等の影響
は、1012オームの限度内のリンク抵抗の高い値にお
いては最小である。多くのデバイスにおいて、入力変換
器は、75オーム又は50オームのケーブルから給電さ
れ、入力電力の損失を避けるために給電ケーブルの抵抗
を充分に越えたリンク抵抗値を持つ抵抗リンクを形成す
ることが必要である。
【0017】本発明方法ではないが、抵抗リンクを、光
蝕刻法(photolithography)によっ
て、金属化領域とは別個の金属化ストリップとして10
00オーム又はこれに近い値に形成することができる。
このような値は、容易に成しとげることができるし、か
つ各種の駆動要因間の理にかなって折衷の値を提供す
る。
【0018】誘電体基板上に重ねられた導電性パターン
を持つデバイスを製造する従来の1つの製法は、最初に
基板を被覆するクロムの下側層を付着する段階と、次い
で所望のデバイスの素子を形成する金属化領域のパター
ンになるように付着するか又は、所望のデバイスの素子
を形成する金属化領域のパターンになるようにエッチン
グされて、アルミニウムのような導電性の層を付着する
段階とを包含する。従来は高抵抗の下側層は、導電性層
の誘電体基板への付着を改良するのに使用され、代表的
には、導電性層の所望のパターンの輪郭に一致するよう
にエッチングされる。
【0019】しかし、本発明によれば、この高抵抗の下
側層を所望のデバイスの素子を形成する金属化領域のパ
ターンの輪郭に一致するようにエッチングする代りに、
同じ基板の表面上に次に付着されるデバイスの素子を形
成するすべての金属化領域をリンクする下側層として残
して置く。この下側層の厚さを、抵抗リンク経路に所望
の程度の抵抗を与えるのに適当な厚さにすることが必要
であるのはもちろんである。すなわち、音波デバイスに
影響を及ぼす熱サイクルの時定数が抵抗リンク経路のリ
ンク抵抗と隣接する金属化領域の漂遊容量との積より非
常に大きく、且つ隣接する金属化領域間に信号の損失を
引き起さないような高い値にされる。
【0020】
【実施例】以下にSAWコンボルバ・デバイスの概略図
を示す図1に関し、本発明方法の1実施例を詳細に説明
する。
【0021】図1には、1977年版のIEEEウルト
ラソニックス・シムポジウム(Ultrasonics
Symposium)の会報(カタログ番号79CH
1482−9SU)の第729頁及び次頁のアー・エイ
・ベッカー(R.A.Becker)及びディー・エイ
チ・ハールバート(D.H.Hurlburt)を著者
とする論文『放物線形ホーンを持つ広帯域LiNbO3
電子式コンボルバ』に記載してある形式のSAWコン
ボルバに、本発明による素子間の抵抗リンクを加えたも
のが原理的に概念的に示されている。
【0022】図示するようにこのSAWコンボルバ・デ
バイスは、圧電性及びパイロ電気性すなわち焦電性を持
つ基板1を備えている。基板1は、表面音波が沿って移
動するデバイス軸線が、Y平面内で単結晶のZ方向に沿
うように切断したニオブ酸リチウム(LiNbO3 )
の単結晶で作られている。基板1は、音波の反射が、各
素子に作用する音波に干渉しないように互に平行でない
縁部が残るように切断される。
【0023】この単結晶の上面には、音波をそれぞれ方
向A,Bに放出するように1対のインターディジタル形
の入力変換器2,2が重ねられている。各入力変換器2
は、基板1上に金属化領域として形成されている。音波
は、基板1に金属化領域として形成された線図的に示し
たホーン4により集束される。音響エネルギーの集中ビ
ームは、同様に基板1上に金属化領域として形成された
音波導波管6にすきま5を横切って放出される。
【0024】反対方向に伝搬するビームは、音波導波管
6内で非線形に相互作用し、コンボリューション信号を
形成する。入力変換器2、ホーン4及び音波導波管6
は、図示のSAWコンボルバ・デバイスの各素子を構成
する。両入力変換器2の後部における基板縁部は、短結
晶縁部からの音響エネルギーの後方散乱を減らすように
吸音材料層3で被覆される。
【0025】SAWコンボルバ・デバイスの音波導波管
6は、たとえば音波波長の幅の3倍の幅と、コンボルブ
しようとする波列の持続時間により定まる長さとを持つ
金属化領域から成る。この幅は、主モードのコンボリュ
ーション(convolution)効率、マルチモー
ディング(multimoding)効果及び分散に関
する妥協点すなわち折衷案である。
【0026】SAWコンボルバ・デバイスの出力10
は、SAWコンボルバ・デバイスの音波導波管6から取
り出される。抵抗損失を減らし、出力の均等度を最適に
するように、音波導波管は、その長手に沿いステイッチ
・ボンド(stich−bonded)され、音波導波
管の各端部をリアクタンス性成端に形成する。
【0027】ステイッチ・ボンドとは、単一の連続した
ワイヤを、短い長さの部分に切断することなく、多数の
ボンディング・ポイントに接着することを意味する。リ
アクタンス性成端に関する技術は、1978年版IEE
Eウルトラソニックスシムポジウム第44頁のジェイ・
エイチ・ゴール(J.H.Goll)及びアー・スィー
・ベネット(R.C.Bennett)の論文に記載し
てある。
【0028】1例においては入力変換器2は、90MH
zの帯域幅が得られるように位相重みつけすると共にホ
ーン4内にほぼ一様な音波輪郭を維持する。各入力変換
器2は、単一の直列コイル(図示してない)で同調させ
られる。重みつけ技術は、電子工学論文9号(1973
年版)第138頁のエム・エフ・ルイス(M.F.Le
wis)と、IEEEウルトラソニックス・シムポジウ
ム(1972年版)第377頁のティー・ダブリュ・ブ
リストール(T.W.Bristol)との論文に記載
されている。
【0029】ホーン4と音波導波管6との間のすきま5
は、ほぼ音波波長の1つの幅である。これは、ホーンか
らの音響エネルギが、音波導波管の下方を通る前に発散
する広いすきまと、狭すぎてSAWコンボルバ・デバイ
スの入力と出力との間にかなりの容量性結合の生ずるす
きまとの間の折衷した値である。
【0030】前記SAWコンボルバ・デバイスは、抵抗
リンクを除いては当業者によく知られている。これ等の
リンク7,8,9の形成及びその目的について以下に説
明する。
【0031】形状又は輪郭によってSAWコンボルバ・
デバイスの機能素子を形成する金属化領域、すなわち入
力変換器2、ホーン4及び音波導波管6は、細い抵抗リ
ンクによってそれぞれ互いにリンクされる。各入力変換
器2は、抵抗リンク7により各ホーン4にリンクされ、
次いで抵抗リンク9により音波導波管にリンクされる。
インターディジタル形の各入力変換器2の2つの側部
は、さらに他の抵抗リンク8によって互いにリンクされ
る。
【0032】本発明方法ではないが、これ等の抵抗リン
クを、主機能素子を形成する金属化材料と同じ金属化材
料で、かつ同じ層厚さに形成できる。金属化ストリップ
の幅と長さが組合ってそれ等の抵抗を形成し、適当な抵
抗値を与えるように、これ等の金属化ストリップの適当
な組合せを提供するように、パターンが取り決められて
いる。
【0033】前述したように、抵抗リンクは、これが設
けられなければ製造段階において、電荷集中又はアーク
作用により生ずるような損傷からSAWコンボルバ・デ
バイスを保護するのに役立つ。抵抗リンク9は、ホーン
4と音波導波管6との間の特に損傷を受けやすいすきま
を橋絡する。抵抗リンク8は、非常に密接した互いに挿
入されたフィンガーを持つインターディジタル形の入力
変換器2の2つの側部を互いにリンクする。
【0034】焦電性の又は圧電性の基板は、金属化領域
が付着されるときに既に荷電させられているかもしれな
い。電荷集中は、荷電された表面上に金属化領域を形成
することによって生ずるのであり、抵抗リンクにより提
供される電荷集中の消散手段が、このときから所定箇所
になければ、基板又は金属化領域に与えられる損傷は、
生じ得るのである。
【0035】SAWコンボルバ・デバイスの製造がひと
たび完了すれば、抵抗リンクの主機能も完了するけれど
も、SAWコンボルバ・デバイスの使用寿命にわたっ
て、これ等の抵抗リンクを所定の箇所に残しておくこと
が意図される。しかし各抵抗リンク8は、各1対の入力
端子を橋絡し、入力変換器の抵抗及び電源インピーダン
スに比べて、抵抗リンクが高い抵抗を持つならば、SA
Wコンボルバ・デバイスの動作に害を与えることなく、
所定箇所に残して置くことさえ可能である。
【0036】しかし、SAWコンボルバ・デバイスの性
能を劣化させる値に、抵抗リンク8の抵抗を設定しなけ
ればならないなんらかの理由があるならば、SAWコン
ボルバ・デバイスが、その各入力及び出力リード線に接
続されることによって回路内に配置されるまでの間だ
け、抵抗リンク8は、残されたままであり、次いでこれ
を横切ってかきとるか又は化学的にエッチングすること
によって、破壊される。
【0037】本発明によれば、付着パターン又はエッチ
ング・パターンのいずれかによって、別々の金属化スト
リップを形成する代りに、付着パターン又はエッチング
・パターン以外の製造工程を代りに使用することによっ
て、製造工程中に生ずる電荷集中、その結果としてのア
ーク放電により、生ずる損傷に対して匹敵できる保護を
AWデバイスに提供できる。
【0038】すなわち本発明によれば、音波デバイスの
素子を形成する金属化領域の導電性材料に比べて比較的
高い抵抗の高抵抗材料から成る下側層を基板の表面上に
一様に付着し、次いで音波デバイスの各素子を形成する
金属化領域をこの下側層の上に形成する。高抵抗材料か
ら成る下側層は、各素子の接着を高める作用をする。音
波デバイスの各素子を形成する金属化領域は、既述の通
りに或るパターンになるように付着させるか、事前に付
着した金属化被覆を或るパターンになるようにエッチン
グすることによって、下側層の上に形成する。高抵抗材
料から成る下側層は、製造工程が完了する間及びその後
の音波デバイスの有効使用中、除くことなくそのままの
位置に残しておき、抵抗リンク経路として隣接する金属
化領域をリンクする。下側層によって形成される抵抗リ
ンク経路は、下側層の厚さの選択により、音波デバイス
に影響を及ぼす熱サイクルの時定数が抵抗リンク経路の
リンク抵抗と隣接する金属化領域の漂遊容量との積より
も非常に大きく、且つ隣接する金属化領域間に信号の損
失を引き起こさないような高い値にされる。高抵抗の下
側層の材料としてはクロムが選択され、音波デバイスの
各素子を形成する金属化領域の材料としてはアルミニウ
ムが選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、SAWコンボルバ・デバイスの概略図
であり、本発明製法の使用による付加される抵抗リンク
の動作原理を概略的に示す。
【符号の説明】 1 基板 2 インターディジタルの形の入力変換器 4 ホーン(ホーン・レシーバ) 5 すきま 6 音波導波管 7,8,9 抵抗リンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)焦電性の又は圧電性の基板と、
    (ロ)この基板上に重ねられた、少なくとも2つの相互
    に絶縁された金属化領域とを備えた型式の音波デバイス
    を製造する、音波デバイスの製法において、 前記各金属化領域が、(い)或るパターンになるように
    付着させることによって前記基板上に形成される時期
    か、又は(ろ)事前に付着した金属化領域を或るパター
    ンになるようにエッチングすることによって前記基板上
    に形成される時期より遅くならないように、前記少くと
    も2つの金属化領域を接続する抵抗リンク経路を前記基
    板上に付着するに際し、 前記抵抗リンク経路を、 前記金属化領域の導電性材料が前記基板上に付着されら
    れる前に、比較的抵抗性の材料の層を前記基板上に付着
    させることによって、前記少なくとも2つの金属化領域
    の下側の前記抵抗性材料から成る基板被覆下側層として
    形成し、 前記抵抗リンク経路を、光蝕刻工程が完了するまで、そ
    のまま残して置くことを特徴とする、 音波デバイスの製法。
  2. 【請求項2】 前記音波デバイスとして、1対のインタ
    ーディジタル形の入力変換器と、前記各入力変換器から
    の出力を受取りかつ集束するように配置した各ホーン・
    レシーバと、前記各ホーン・レシーバ間に延び、前記各
    ホーン・レシーバからの出力信号を受取るように、前記
    各ホーン・レシーバに結合した音波導波管とを備えた表
    面弾性波コンボルバを製造するに際し、前記抵抗リンク
    経路を、少なくとも前記各ホーン・レシーバと前記音波
    導波管との間に形成することを特徴とする、請求項1の
    音波デバイスの製法。
  3. 【請求項3】 前記抵抗リンク経路を、前記各ホーン・
    レシーバを前記各入力変換器に接続し、又前記各入力変
    換器の一方の各側部を他方の各側部に接続するように形
    成する、請求項2の音波デバイスの製法。
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