JPH08298431A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH08298431A
JPH08298431A JP10130495A JP10130495A JPH08298431A JP H08298431 A JPH08298431 A JP H08298431A JP 10130495 A JP10130495 A JP 10130495A JP 10130495 A JP10130495 A JP 10130495A JP H08298431 A JPH08298431 A JP H08298431A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
filter
wave filter
transmission line
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JP10130495A
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Masaru Yamano
勝 山野
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝送路に外付けの容量を付加したり同一基板
上に微細なパターンによる容量を形成しなくとも、所望
の通過帯域幅や選択特性を得ることができ、微細なパタ
ーンの欠陥の発生に起因する問題点がなく、より一層の
小型化が可能な弾性表面波フィルタを提供する。 【構成】 1枚の圧電基板2に複数個の共振器型弾性表
面波フィルタ3・4を形成すると共に、それら各共振器
型弾性表面波フィルタ3・4が圧電基板2の表面上で、
幅が中央領域と他領域とで異なる伝送路5により縦続接
続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ1で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波フィルタに関
し、詳しくは縦続接続された複数個の共振器型弾性表面
波フィルタを備えた弾性表面波フィルタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、共振器型弾性表面波(SAW)
フィルタは圧電基板上に形成された複数個の共振器型S
AWフィルタを縦続接続したものが使用される場合が多
い。このようなSAWフィルタにおいては従来、選択特
性を良くしたり通過帯域幅を広げるために、縦続接続し
た箇所とアースとの間に結合コンデンサなどの容量(キ
ュパシタンス)やインダクタンスが挿入されていた。
【0003】これらの容量やインダクタンスは、外付け
するかあるいは共振器型SAWフィルタが形成されてい
る同一基板上に形成したりパッケージ内に内蔵すること
が行なわれていた。
【0004】容量を同一基板上に形成するものとして例
えば実開平1−38824 号公報には、信号入力用および出
力用インターディジタルトランスデューサを備えた複数
の表面波共振子フィルタを同一基板上に配列するととも
に、各表面波共振子フィルタを縦続接続したフィルタに
おいて、インターディジタルトランスデューサ(以下、
インターディジタルトランスデューサをIDTと略記す
る)の電極方向にほぼ直交し、かつIDTの電極ピッチ
と異なったピッチを有する、対向する櫛歯電極からなる
コンデンサを基板上の各表面波共振子フィルタ間に設け
るとともに、このコンデンサを各表面波共振子フィルタ
間に電気的に接続した表面波フィルタが開示されてい
る。
【0005】これによれば、対向する櫛歯電極からなる
コンデンサは、各表面波共振子フィルタのIDTの電極
方向にほぼ直交しているため、櫛歯電極から発生した弾
性表面波が表面波共振子フィルタに悪影響をおよぼさ
ず、さらにコンデンサを構成する櫛歯電極のピッチがI
DTの電極ピッチと異なっているため、表面波共振子フ
ィルタの中心周波数付近で応答することがなく、使用周
波数帯域において櫛歯電極は基板を誘電体として対向す
る2つの櫛歯電極間の静電容量によって純粋なコンデン
サとして作用するというものである。
【0006】また特開平5−55855 号公報には、縦続接
続された複数個の弾性表面波共振子フィルタの接続点と
アースとの間に複数個のコンデンサが形成され、かつそ
れらコンデンサの形成位置が隣り合う2つの弾性表面波
共振子フィルタの間に選ばれた弾性表面波フィルタが開
示されている。
【0007】これによれば、コンデンサはそれぞれ櫛歯
状電極で構成され、それらコンデンサとアースとの接続
部を接続状態にしたりカットしたりすることにより結合
容量値を変えることができ、従ってフィルタの選択度特
性を特に高域側において変えることができるというもの
である。
【0008】また特開平5−83084 号公報には、すだれ
状変換器とその両側にグレーティング反射器を有し、弾
性表面波伝搬方向が平行になるように配置され、すだれ
状変換器が直列接続された2つの弾性表面波共振子と、
それら2つの弾性表面波共振子の中間接続点に一方の端
子が接続され、2つの弾性表面波共振子の一方のグレー
ティング反射器の外側に弾性表面波伝搬方向が2つの弾
性表面波共振子の弾性表面波伝搬方向に対して直角にな
るように配置された結合コンデンサ用すだれ状電極とを
備えて、結合コンデンサ用すだれ状電極の他方の端子と
2つの弾性表面波共振子の入力側端子および出力側端子
のそれぞれとで入力端子対および出力端子対となるよう
に構成した弾性表面波フィルタが開示されている。
【0009】これによれば、圧電基板の片面のみに2個
の共振子と結合用のコンデンサを1チップとして構成で
きるため大幅な小型化が図れ、チップの片面しか利用し
ていないのでパッケージングに自由度があるものとな
り、また2つの弾性表面波共振子およびコンデンサ用す
だれ状電極はフォトリソグラフィ技術により同時に同一
工程で形成することができ、その寸法はサブミクロン領
域まで対応できるため高周波領域まで実用化することが
できるというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、容量や
インダクタンスを外付けする場合は、弾性表面波フィル
タ本体の他にチップコンデンサやチップコイルを必要と
するという問題点があった。
【0011】また容量やインダクタンスをSAWフィル
タと同一基板上に形成したりパッケージ内に内蔵したり
する場合は、基板上あるいはパッケージ中にその取付の
ためのスペースを必要とし、さらにその接続のための作
業工程を必要とするため、製造コストが高くなるととも
に弾性表面波フィルタの小型化が困難であるという問題
点があった。
【0012】すなわち上記の実開平1−38824 号公報や
特開平5−55855 号公報・特開平5−83084 号公報に提
案されたように容量やインダクタンスを同一基板上に形
成する場合においても、それらのような容量やインダク
タンスを形成するためには基板上にそのためのかなり広
いスペースを必要とし、従って弾性表面波フィルタのよ
り一層の小型化が難しいという問題点があった。
【0013】さらに容量やインダクタンスを微細な櫛歯
型パターンやスパイラルパターンによって形成する場
合、その容量やインダクタンスの部分に欠陥が発生する
ことがあり、そのために同じ特性のフィルタが安定して
得られなかったり、あるいはフィルタの特性が変化した
り、フィルタの良品率が低下するという問題点もあっ
た。
【0014】本発明は上述の問題点に鑑みて本発明者が
鋭意研究を進めた結果完成されたものであり、その目的
は、圧電基板上に形成された複数個の共振器型弾性表面
波フィルタを縦続接続して成る弾性表面波フィルタにお
いて、外付けの容量を付加したり同一基板上に微細なパ
ターンにより容量を形成しなくとも所望の通過帯域幅や
選択特性を得ることができ、欠陥の発生に起因する問題
点がなく、またより一層の小型化が可能な弾性表面波フ
ィルタを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波フィ
ルタは、1枚の圧電基板に複数個の共振器型弾性表面波
フィルタを形成すると共に、それら各共振器型弾性表面
波フィルタが、圧電基板の表面上で、幅が中央領域と他
領域とで異なる伝送路により縦続接続されていることを
特徴とするものである。
【0016】
【作用】複数個の共振器型弾性表面波フィルタが伝送路
によって縦続接続されている弾性表面波フィルタのフィ
ルタ特性は、各々の共振器型弾性表面波フィルタの特性
の他に、縦続接続されている上段の共振器型弾性表面波
フィルタの出力インピーダンスと伝送路のインピーダン
スの整合状態および伝送路のインピーダンスと下段の共
振器型弾性表面波フィルタの入力インピーダンスの整合
状態によっても影響される。このため従来は伝送路とア
ースとの間に容量やインダクタンスを付加し、それらの
インピーダンスの整合状態を調整することにより所望の
特性を得ていた。
【0017】これに対して本発明の弾性表面波フィルタ
によれば、伝送路の中央領域の幅を他領域の幅と異なら
せて伝送路の形状を変化させることによって、中央領域
の幅の異なる部分がキャパシタまたはインダクタとして
作用するため伝送路のインピーダンスを変えることがで
きるので、この伝送路のインピーダンスとこの伝送路に
縦続接続される共振器型弾性表面波フィルタの入出力イ
ンピーダンスとの整合状態を調整することができる。そ
してその整合状態を調整することにより、例えば不整合
状態を意図的に起こすことによって弾性表面波フィルタ
全体としての通過帯域幅を広くすることができ、整合さ
せれば通過帯域幅を狭くすることができるので、その結
果所望の通過帯域幅や選択特性などのフィルタ特性を得
ることができる。
【0018】しかも本発明の弾性表面波フィルタによれ
ば微細なパターンによるコンデンサやインダクタなどを
形成する必要がないので、それらの部分での欠陥発生に
起因する問題点がなくなって同じ特性のフィルタが安定
して得られるとともに、フィルタの特性が変化しなくな
り、フィルタの良品率が低下することもなくなる。さら
にそのような微細なパターンを形成するスペースが不要
なので、弾性表面波フィルタのより一層の小型化が可能
となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の弾性表面波フィルタを図面に
基づいて説明する。なお本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種
々の変更を加えてもよい。
【0020】図1は本発明の弾性表面波フィルタの一実
施例における構成を示す平面図であり、本例では1枚の
圧電基板上に2つの共振器型SAWフィルタを形成して
いる。同図の弾性表面波フィルタ1において、2は圧電
基板であり、3は入力側の共振器型SAWフィルタ、4
は出力側の共振器型SAWフィルタ、5はそれら2つの
共振器型SAWフィルタ3・4を縦続接続する伝送路で
ある。また6は入力端子、7および8・9・10はグラン
ド端子、11は出力端子である。なお共振器型SAWフィ
ルタ3・4などの微細構造については図示を省略してい
る。そして本例では伝送路5が、その中央領域の幅がそ
の他領域より狭くなるように形成されている。これによ
り伝送路5の中央領域の特性インピーダンスは高くな
り、インダクタンス成分を持つようになる。
【0021】このように伝送路5の中央領域の幅を他領
域よりも狭くあるいは広くして異ならせることにより、
幅を狭くするとその部分の特性インピーダンスが高くな
ってインダクタとして作用し、他方、幅を広くするとそ
の部分の特性インピーダンスが小さくなってキャバシタ
として作用するので、その結果、この伝送路5はインダ
クタンス成分や容量(キャパシタンス)成分を持つよう
になる。
【0022】また、このような構成の弾性表面波フィル
タ1の電気的接続状態を図2に等価回路で示す。図2に
おいて図1の各構成部材に相当する箇所には、同じ符号
を付してある。入力端子6より入力された信号は、共振
器型SAWフィルタ3の入力インピーダンスZin(3) か
ら弾性表面波12を介して出力インピーダンスZout(3)側
に伝えられ、インピーダンスZ0 の伝送路5を介して共
振器型SAWフィルタ4に伝送され、共振器型SAWフ
ィルタ4の入力インピーダンスZin(4) から弾性表面波
13を介して出力インピーダンスZout(4)側に伝えられ
て、出力端子11より出力信号として出力される。
【0023】ここで共振器型SAWフィルタ3から伝送
路5を介して共振器型SAWフィルタ4に信号が伝送さ
れるに当たって、それぞれのインピーダンスの組合せ、
すなわちZout(3)−Z0 −Zin(4) の組合せにより、通
過帯域幅や選択特性などのフィルタ特性が影響を受け
る。例えば、Zout(3)=Z0 =Zin(4) であれば単純に
フィルタ3とフィルタ4の特性を足したものが総合特性
になるが、Zout(3)≠Z0 ≠Zin(4) の場合には周波数
をずらしてフィルタ3とフィルタ4の特性を足し合わせ
たものが総合特性となり、通過帯域幅が広くなる等の変
化が生じる。
【0024】そこで本発明の弾性表面波フィルタにおい
ては、伝送路5のインピーダンスZ0 とZout(3)、Zin
(4) の整合状態によって主に通過帯域幅などが変化する
ので、IDTの対数と反射器の本数を決め、Z0 を変え
て特性計算を行なって最適なZ0 の値を決定し、それに
基づいて伝送路5のインピーダンスを調整するようにそ
の中央領域の幅を所定の長さにわたって他領域と異なら
せて設定する。
【0025】従って本発明の弾性表面波フィルタ1によ
れば、上記のように伝送路5の中央領域の幅を異ならせ
ることにより、コンデンサやスパイラルパターンなどの
微細なパターンを形成することなくそのインピーダンス
Z0 を所望の値に調整することができ、それによって共
振器型SAWフィルタ3の出力インピーダンスZout(3)
と伝送路5のインピーダンスZ0 および伝送路5のイン
ピーダンスZ0 と共振器型SAWフィルタ4の入力イン
ピーダンスZin(4) の整合状態を調整することができ
て、その結果所望の通過帯域幅や選択特性などのフィル
タ特性を有する弾性表面波フィルタ1を得ることができ
る。
【0026】図3は本発明の弾性表面波フィルタの他の
実施例における構成を示す平面図であり、図1と同様に
1枚の圧電基板上に2つの共振器型SAWフィルタを形
成した例を示している。図3においても、図1の各構成
部材に相当する箇所には同じ符号を付してある。
【0027】図3に弾性表面波フィルタ14においては、
2つの共振器型SAWフィルタ3・4を縦続接続する伝
送路15が、その中央領域の幅をその他領域より広くした
形で形成されている。これにより伝送路15の中央領域の
特性インピーダンスは小さくなり、キャパシタンス成分
を持つようになる。
【0028】この他にも伝送路の形状としては、中央領
域の幅の変化を滑らかにして形成したものや、幅の狭い
部分あるいは広い部分を複数形成したもの、幅の狭い部
分と広い部分とを共に形成したもの、ある一定幅で形成
したものなど、種々の形状を採用することができる。
【0029】またそのように伝送路の幅を異ならせて形
成する方法としては、一様な幅の伝送路を形成した後に
レーザートリミングにより伝送路の一部を削除して中央
領域の幅を狭くあるいは広くする方法、または研磨機器
などを用いて伝送路の一部を機械的に除去して中央領域
の幅を狭くあるいは広くする方法、伝送路を蒸着により
形成する際にマスクのパターン形状によって中央領域の
幅を異ならせたものとして形成する方法などがある。
【0030】これらは予め設計通りに形成してもよく、
あるいは弾性表面波フィルタの特性を測定しながら伝送
路の一部を削除あるいは付加して、中央領域の幅を変え
てインピーダンスを調整するようにして形成してもよ
い。
【0031】さらに伝送路の中央領域の幅を異ならせる
ことに加えて、あるいはそれとは別に、伝送路の厚みを
その一部で変化させることによっても伝送路のインピー
ダンスを調整することができるので、それによってより
精密に弾性表面波フィルタのフィルタ特性を調整するこ
とができ、簡便な構造でさらに小型化が可能な弾性表面
波フィルタを得ることができる。
【0032】伝送路を形成する材料としては、Al、A
u、Cu、Ag、Crなどがあり、蒸着やスパッタリン
グなどの方法によって、圧電基板の上に複数個の共振器
型SAWフィルタとともに、あるいは別々に形成され
て、それら共振器型SAWフィルタを縦続接続する。
【0033】圧電基板2は、水晶、四ホウ酸リチウム、
リチウムタンタレートなどの圧電材料からなり、この圧
電基板2の寸法や厚みは、弾性表面波フィルタの要求寸
法や要求特性などを考慮して決められる。
【0034】共振器型SAWフィルタ3・4は、それぞ
れ2個のIDTとその両側に配置された2個の反射器か
ら構成されている。
【0035】以下、具体例を示す。 〔実施例〕本発明の弾性表面波フィルタとして、中心周
波数f0 が約 250MHzの図3に示した構成の弾性表面
波フィルタを以下のようにして作製した。
【0036】圧電基板2には、表面を鏡面研磨した幅
2.5mm×長さ 3.0mm×厚み 0.4mmの四ホウ酸リチ
ウム単結晶基板を用いた。
【0037】この基板の表面全面にスピンコートにより
ポジ型のレジスト層を塗布形成し、その上に2つの共振
器型SAWフィルタ3・4および伝送路15、入力端子
6、出力端子11、グランド端子7・8・9・10に対応す
るネガのパターンを形成したマスクを密着させて紫外線
露光を行なった。
【0038】次にこの基板をポジ型レジスト用現像液に
浸漬することにより、露光部すなわちパターン形成部分
のみのレジスト層を溶解除去し、レジストパターンを形
成した。
【0039】このようにしてレジストパターンが形成さ
れた基板の全面にAlを蒸着して、電極層(共振器型S
AWフィルタのIDTや反射器、伝送路、入力端子、出
力端子、グランド端子)となる金属層を被着形成した。
この金属層は、基板表面に直接被着する層とレジストパ
ターン上に被着する層とがある。
【0040】そして、金属層が被着された基板をレジス
ト剥離液中に投入し、所定の超音波を与えることによっ
てレジストパターンとその上に被着した金属層とをリフ
トオフ法により除去して、基板上に所定形状に規制され
た金属層のみを残存させて所定のパターン形成を行な
い、本発明の弾性表面波フィルタA(14)を作製した。
【0041】ここでこの弾性表面波フィルタA(14)の伝
送路A(15)の形状および寸法は、図4に示した平面図に
より説明すると、幅a=0.35mm、長さb=1.15mmの
中央領域(端からの距離c=c’=0.40mm)の幅を、
長さd=d’=0.35mmにわたって両側に幅e=e’=
0.50mmずつその他の領域より広くしたものとした。な
お伝送路A(15)のインピーダンスZ0(A(15))は約50Ωに
なるように設定した。
【0042】この弾性表面波フィルタA(14)およびこの
弾性表面波フィルタA(14)の上段の共振器型SAWフィ
ルタA(3) に対し、50Ω系の測定回路を用いて周波数特
性を測定し、その結果をグラフにして比較した。
【0043】このようにして得られた周波数特性の結果
について、図5に弾性表面波フィルタA(14)の周波数特
性のグラフを、また図6に上段の共振器型SAWフィル
タA(3) の周波数特性のグラフを示す。図5および図6
において、横軸は周波数(MHz)を縦軸は減衰度(d
B)を表わしている。
【0044】図6のグラフから分かる通り、共振器型S
AWフィルタA(3) の周波数特性は通過域に2つのピー
クを持つ双峰特性である。また、ここには示していない
が、この弾性表面波フィルタA(14)の下段の共振器型S
AWフィルタA(4) は共振器型SAWフィルタA(3) と
構造が同一なので、その周波数特性を同一である。
【0045】従って、共振器型SAWフィルタA(3) と
A(4) を接続する伝送路A(15)のインピーダンスZ0(A
(15))が共振器型SAWフィルタA(3) の出力インピー
ダンスZout(A(3)) および共振器型SAWフィルタA
(4) の入力インピーダンスZin(A(4))と等しければ、弾
性表面波フィルタA(14)の通過帯域特性は減衰量だけが
2倍になった双峰特性を示すが、本例においてはZ0(A
(15))をZout(A(3)) およびZin(A(4))とは異なるZ0(A
(15))≒50Ωとしているために、通過域のピークが4箇
所現われて通過帯域幅が広くなっていることが図5のグ
ラフから分かる。
【0046】また弾性表面波フィルタAを数十個作製し
てその特性を調べたところ、特性のばらつきは非常に小
さく、本発明の弾性表面波フィルタにおける伝送路が簡
単な構成であることから、伝送路の形成による特性不良
も発生しなかった。さらに、伝送路の特性インピーダン
ス調整用に対向する櫛歯電極からなるコンデンサを形成
した従来の弾性表面波フィルタに比べて基板の寸法を小
さくでき、本発明の弾性表面波フィルタによればより一
層の小型化が可能であることも確認できた。
【0047】以上の結果より、本発明の弾性表面波フィ
ルタによれば、通過帯域幅が広くて優れた選択特性を有
し、しかも構成が簡単なことから特性が安定して良品率
も高く、さらにより一層の小型化が可能なものとなっ
た。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数個の
共振器型弾性表面波フィルタが伝送路によって縦続接続
されている弾性表面波フィルタについて、その伝送路の
中央領域の幅を他領域の幅と異ならせることによって伝
送路のインピーダンスを変えることにより、その伝送路
のインピーダンスと伝送路に縦続接続される共振器型弾
性表面波フィルタの入出力インピーダンスとの整合状態
を調整することができ、その結果、所望の通過帯域幅や
選択特性などのフィルタ特性を得ることができる弾性表
面波フィルタを提供できた。
【0049】また本発明の弾性表面波フィルタによれ
ば、伝送路のインピーダンスの調整用に微細なパターン
によるコンデンサなどを形成する必要がないので、その
ような微細なパターン部分での欠陥発生などに起因する
問題点がなくなって同じ特性のフィルタが安定して得ら
れるとともに、フィルタの良品率が低下することもなく
なった。さらに、そのようなコンデンサなどを形成する
スペースが不要なので、より一層の小型化が可能な弾性
表面波フィルタを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す弾性表面波フィ
ルタの平面図である。
【図2】本発明の実施例における弾性表面波フィルタの
電気的接続状態を示す等価回路図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成を示す弾性表面波フ
ィルタの平面図である。
【図4】本発明の実施例における伝送路の形状および寸
法を説明する平面図である。
【図5】本発明の実施例の弾性表面波フィルタの周波数
特性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例の共振器型SAWフィルタの周
波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1、14・・・弾性表面波フィルタ 2・・・・・圧電基板 3、4・・・共振器型弾性表面波(SAW)フィルタ 5、15・・・伝送路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の圧電基板に複数個の共振器型弾性
    表面波フィルタを形成すると共に、該各共振器型弾性表
    面波フィルタが圧電基板の表面上で、幅が中央領域と他
    領域とで異なる伝送路により縦続接続されていることを
    特徴とする弾性表面波フィルタ。
JP10130495A 1995-04-25 1995-04-25 弾性表面波フィルタ Pending JPH08298431A (ja)

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