JPH0864223A - バナジウム系レドックスフロー型電池の電解液 - Google Patents
バナジウム系レドックスフロー型電池の電解液Info
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Abstract
液に関し、バナジウム化合物が析出しにくい、バナジウ
ム系レドックスフロー型電池の電解液を提供する。 【構成】 バナジウムイオンおよび/またはバナジルイ
オンを含有する硫酸水溶液に、添加剤として、保護コロ
イド剤、オキソ酸、錯化剤などの添加剤を添加したこと
を特徴とする。
Description
ドックスフロー型電池の電解液に関し、特に、バナジウ
ム(V)化合物が析出しにくい、バナジウム(V)系レ
ドックスフロー型電池の電解液に関する。
し続けているが、電力需要の変動も産業構造の高度化と
国民生活水準の向上を反映して、年々、著しくなる傾向
にある。
を100とすると、明け方のそれは、30以下となって
いる状況である。
望ましくない原子力発電や、大規模火力発電や、大規模
水力発電の割合も増加する傾向にあるため、電力を貯蔵
する設備の必要性が高まっている。
われているが、その立地に限りがあることから、新しい
電力貯蔵技術、中でも、技術的、経済的に実現の可能性
が高いとされている2次電池が盛んに研究されており、
その中でも、レドックスフロー型電池が特に注目されて
いる。
活物質を用いたレドックスフロー型電池が、種々、提案
されている。
も、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池は、鉄
(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロー型電池に
比べ、起電力が、約1.4倍高く、また、活物質として
1種類の金属イオン、少なくともバナジウム(V)イオ
ンを用いている点から、電解液中の活物質濃度を向上さ
せることができるなどの長所を有しており、電力貯蔵シ
ステムのコンパクト化の点から、多いに注目されてい
る。
作原理を、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池
を例にとり、以下に説明する。
例を概略的に示す構成図である。図2を参照して、この
レドックスフロー型電池101は、電池反応セル2、正
極液タンク3、および、負極液タンク4を備える。
換膜等からなる隔膜5により仕切られており、一方側が
正極セル2a、他方側が負極セル2bを構成する。
が収容され、また、負極セル2b内には、電極として、
負極7が収容される。
電解液を正極液タンク3から正極セル2aに供給する正
極液供給用管路8と正極電解液を正極セル2aから正極
液タンク3に回収する正極液回収用管路9とにより連結
される。
液の流通循環手段として、ポンプ10が設けられてお
り、正極セル2aと正極液タンク3との間において、正
極電解液が流通循環できるようになっている。
は、負極電解液を負極液タンク4から負極セル2bに供
給する負極液供給用管路11と負極電解液を負極セル2
bから負極液タンク4に回収する負極液回収用管路12
とにより連結される。
解液の流通循環手段として、ポンプ13が設けられてお
り、負極セル2bと負極液タンク4との間において、負
極電解液が流通循環できるようになっている。
されており、また、負極液タンク4内には、負極電解液
が貯蔵される。
池では、正極電解液としては、五価/四価のバナジウム
イオンを含む水溶液が用いられ、また、負極電解液とし
ては、三価/二価のバナジウムイオンを含む水溶液が用
いられる。
しては、五価/四価のバナジウムイオンの安定性、溶解
性、溶解度、充放電反応速度等の特性から、五価/四価
のバナジウムイオンを含む硫酸水溶液が、主として、用
いられている。
バナジウムイオンの安定性、溶解性、溶解度、充放電反
応速度等の特性から、三価/二価のバナジウムイオンを
含む硫酸水溶液が、主として、用いられている。
て、充電時においては、負極液タンク4に蓄えられたV
3+イオンを含む硫酸水溶液が、ポンプ13により、負極
セル2bに送られ、負極7において電子を受取り、V2+
イオンに還元されて、負極液タンク4に回収される。
バナジウムイオン、すなわち、VO 2+イオンを含む硫酸
水溶液が、ポンプ10により、正極セル2aに送られ、
正極6において外部回路に電子を放出して、五価のバナ
ジウムイオン、すなわち、VO2 + に酸化され、正極液
タンク3に回収される。
に蓄えられた二価のバナジウムイオン、すなわち、V2+
イオンを含む硫酸水溶液が、ポンプ13により負極セル
2bに送られ、負極7において外部回路に電子を放出し
て、三価のバナジウムイオン、すなわち、V3+イオンに
酸化され、負極液タンク4に回収される。
ナジウムイオン、すなわち、VO2 + イオンを含む硫酸
水溶液は、ポンプ10により、正極セル2aに送られ、
正極6において外部回路から電子を受取り、四価のバナ
ジウムイオン、すなわち、VO2+イオンに還元され、正
極液タンク3に回収される。
フロー型電池においては、正極6および負極7における
充放電反応は、下記の式のようになる。
電力が得られる。
装置14を通じて、交直変換した後、レドックスフロー
型電池101に充電され、上記(1)(2)式の充電方
向の反応によって、VO2 + /V2+の形で貯蔵される。
と、上記(1)(2)式の放電方向の反応によって放電
させ、交直変換装置14で直交変換後、電力系統へ供給
される。
ロー型電池が用いられた場合の、電力貯蔵システムの原
理である。
ルギー密度は、電解液中の活物質濃度に大きく依存し、
電力貯蔵システムのコンパクト化の観点からは、電解液
中の活物質濃度を向上させる技術が、長年、望まれてい
る。
数により、硫酸水溶液中での安定度が異なるため、バナ
ジウム(V)系レドックスフロー型電池には、バナジウ
ム(V)レドックスフロー型電池の電解液中に、バナジ
ウム(V)化合物が析出するという問題がある。
ックスフロー型電池において、バナジウム(V)系レド
ックスフロー型電池の電解液中に、バナジウム(V)化
合物の析出が起こると、電池反応セルに、バナジウム
(V)化合物(析出物)が詰まり、バナジウム(V)系
レドックスフロー型電池が旨く動作しないという問題
や、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池のエネ
ルギー密度が低下するという問題がある。
は、特開昭62−186473号公報に記載される発明
が存在する。
ドックスフロー型電池の電解液に用いる電解質として
は、H2 SO4 、Na2 SO4 、K2 SO4 、H3 PO
4 、Na3 PO4 、K3 PO4 、HNO3 、KNO3 、
NaNO3 が好ましいことが記載されており、さらに
は、これらの電解質を組合わせて用いるよりは、H2 S
O 4 を単独で用いるのが好ましいことが記載されてい
る。
(V)系レドックスフロー型電池の電解液中の活物質、
すなわち、バナジウム(V)イオンの濃度を大きくする
には、硫酸水溶液中に、五酸化バナジウム(V2 O5 )
を溶解させるより、硫酸水溶液中に、オキシ硫酸バナジ
ウム(VOSO4 )を溶解させるほうが好ましいことが
記載されている。
シ硫酸バナジウム(VOSO4 )を溶解させるという構
成により、活物質、より詳しくは四価のバナジウムイオ
ン、すなわち、VO2+イオンを高濃度(約2モル(mo
l)/リットル(liter))に含有する、硫酸水溶
液からなる、バナジウム(V)系レドックスフロー型電
池の電解液を製造することができる。
(V)系レドックスフロー型電池の電解液中に、バナジ
ウム(V)化合物の析出を防止する技術としては、電解
液を脱気して用いる技術や、電池反応セル2を構成す
る、正極セル2aおよび/または負極セル2bを気密シ
ールするといった、従来の鉄(Fe)−クロム(Cr)
系レドックスフロー型電池の技術が、単に転用する形で
用いられているにすぎず、バナジウム(V)系レドック
スフロー型電池の電解液中に、バナジウム(V)化合物
の析出を、十分に防止することができるものとはいえな
かった。
ックスフロー型電池のエネルギー密度は、電解液中の活
物質濃度に大きく依存するため、電力貯蔵システム等の
コンパクト化の観点から、バナジウム(V)系レドック
スフロー型電池においても、電解液の活物質である、バ
ナジウムイオンおよび/またはバナジルイオンの濃度を
向上させる技術が長年望まれている。その一方、従来の
バナジウム(V)系レドックスフロー型電池の電解液、
すなわち、バナジウムイオンおよび/またはバナジルイ
オンを含有する硫酸水溶液(硫酸単一溶媒)で構成され
る電解液は、バナジウムイオンおよび/またはバナジル
イオンの濃度を高めると、該電解液中に、バナジウム
(V)化合物の析出が起こり、電池反応セル2内にバナ
ジウム(V)化合物(析出物)が詰まり、バナジウム
(V)系レドックスフロー型電池が、うまく動作しない
という問題を解決することができなかった。
めになされたものであって、バナジウム系レドックスフ
ロー型電池の電解液に関し、特に、活物質である、バナ
ジウムイオンおよび/またはバナジルイオンの濃度を高
くして用いても、該電解液中に、バナジウム(V)化合
物が析出しにくい、バナジウム(V)系レドックスフロ
ー型電池の電解液を提供することを目的とする。
ム(V)系レドックスフロー型電池の電解液として、活
物質、すなわち、バナジウムイオンおよび/またはバナ
ジルイオンを高濃度に含有し、しかも、該電解液中に、
バナジウム(V)化合物が析出しにくい、バナジウム
(V)系レドックスフロー型電池の電解液の技術につい
て、長年、研究を続けてきた。
よび/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液(硫
酸単一溶媒)で構成される、従来のバナジウム(V)系
レドックスフロー型電池の電解液中に、バナジウム
(V)化合物が析出する原因について、長年、調査・研
究を続けてきた。
ックスフロー型電池の電解液中に、バナジウム(V)化
合物が析出する原因について知見するに至った。
ー型電池において、電池反応セル2内に、バナジウム
(V)化合物(析出物)が析出する原因について説明す
る。
池は、上述したように、下記反応式のように、二価、三
価、四価、および、五価のバナジウムイオンの少なくと
も1種を含有する、硫酸水溶液(硫酸単一溶媒)により
構成される電解液が、主として用いられている。
はバナジルイオンは、その価数により、硫酸水溶液中で
の安定度が異なっている。
記の反応式に示すように、電解液中の硫酸濃度を上げる
と、三価のバナジウム(V)化合物である、硫酸バナジ
ウム(V2 (SO4 )3 )が析出しやすくなる。
の化学式に示すような平衡反応が存在する。
中の硫酸濃度を下げると、五価のバナジウム(V)化合
物である、五酸化バナジウム(V2 O5 )が析出しやす
くなる。
ックスフロー型電池の電解液では、電解液中の電解質、
すなわち、硫酸濃度を上げると、硫酸バナジウムが析出
しやすくなり、他方、硫酸濃度を下げると、五酸化バナ
ジウムが析出しやすくなる。
ー型電池は、正極電解液と負極電解液の組成として、と
もに、バナジウムイオンを用いる、いわゆる1液型の電
池であるため、レドックスフロー型電池の電池効率を高
めるためには、正極電解液と負極電解液の電解液組成、
より具体的には、正極電解液と負極電解液中の硫酸濃度
や、バナジウムの濃度を同一濃度としておくほうが好ま
しい。
ー型電池では、正極電解液中の硫酸濃度と負極電解液中
の硫酸濃度とが、同一濃度として使用するほうが好まし
いため、従来の、バナジウムイオンおよび/またはバナ
ジルイオンを含有する、硫酸水溶液(硫酸単一溶媒)か
らなるバナジウム(V)系レドックスフロー型電池の電
解液が用いられた、従来のバナジウム(V)系レドック
スフロー型電池では、充放電操作を繰返すと、正極電解
液中に、五酸化バナジウムが析出するか、負極電解液中
に、硫酸バナジウムのいずれかが析出する。
て、2モル(mol)/リットル(liter)の濃度
のバナジウムイオンを含有し、電解質として、2モル
(mol)/リットル(liter)の濃度の硫酸を含
む電解液が用いられた、バナジウム(V)系レドックス
フロー型電池では、充電状態で置いておくと、バナジウ
ム(V)化合物の析出が徐々に増え、結果的には、電解
液中にイオン化して溶け込んでいるバナジウムの中、約
1.5モル(mol)/リットル(liter)のバナ
ジウムが、バナジウム(V)化合物として析出してしま
う。
ドックスフロー型電池では、正極電解液中において、五
酸化バナジウム(V2 O5 )の析出を防止し、かつ、負
極電解液中において、硫酸バナジウム(V2 (SO4 )
3 )の析出を防止し、バナジウムイオンおよび/または
バナジルイオンを、電解液中で安定させるには、電解液
中にイオン化して溶け込んでいるバナジウムの濃度が低
い(0.4モル(mol)/リットル(liter)程
度)硫酸水溶液(硫酸単一溶媒)からなる電解液を用い
ざるを得ない。
術を種々考察した結果、金属表面処理の技術分野、より
詳しくは、めっきの分野において、めっき浴に添加する
添加剤、光沢剤等のうちに、バナジウム(V)化合物の
析出を防止することのできる材料があるのではないかと
いうことを知見して、めっき浴に添加する添加剤、光沢
剤等をスクリーニングした結果、本発明を完成するに至
った。
レドックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオン
および/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液
に、添加剤として、保護コロイド剤を添加したことを特
徴とする。
よびゼラチンからなる群より選択される少なくとも1種
を含むことを特徴とする。
いる場合は、にかわは、500グラム(g)/リットル
(liter)以下の濃度範囲で用いることが好まし
い。
用いる場合は、ゼラチンは、500グラム(g)/リッ
トル(liter)以下の濃度範囲で用いることが好ま
しい。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、添
加剤として、オキソ酸(硫酸、硝酸およびリン酸を除
く)を添加したことを特徴とする。
グステン酸、クエン酸および蟻酸からなる群より選択さ
れる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
場合は、シュウ酸は、1モル(mol)/リットル(l
iter)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
用いる場合は、タングステン酸は、1モル(mol)/
リットル(liter)以下の濃度範囲で用いることが
好ましい。
場合は、クエン酸は、1モル(mol)/リットル(l
iter)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
は、蟻酸は、1モル(mol)/リットル(lite
r)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
は、広義のオキソ酸を意味し、オキシ酸(oxy−ac
id)、酸素酸(oxygen acid)ともいわ
れ、プロトンとして解離し得る水素が酸素原子に結合し
た酸で一般式XOn (OH)mで表される酸をいう。こ
こで、m、nは、中心原子Xの原子価によって決まる。
ソ酸」という用語を用いるときは、硝酸(HNO3 )、
炭酸(H2 CO3 )、リン酸(H3 PO4 )、硫酸(H
2 SO4 )などの、酸も含む。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、添
加剤として、錯化剤を添加したことを特徴とする。
酢酸(ethylenediamine−tetraa
cetic acid)、チオ尿素およびピリジンから
なる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴
とする。
EDTAは、1モル(mol)/リットル(lite
r)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
合は、チオ尿素は、1モル(mol)/リットル(li
ter)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
合は、ピリジンは、1モル(mol)/リットル(li
ter)以下の濃度範囲で用いることが好ましい。
剤」は、配位能を持つ原子(配位原子)を含んでおり、
金属イオン、より特定的には、バナジウムイオンおよび
/またはバナジルイオンと結合して、錯化合物を形成す
る物質をいう。
う用語を用いる場合は、単座配位子または多座配位子を
持つものを含む。また、本明細書において用いる用語
「錯化剤」は、マスキング剤、キレート化剤などを含
む。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、添
加剤として、グリセリンおよびサッカリンからなる群よ
り選択される少なくとも1種を添加したことを特徴とす
る。
場合は、グリセリンは、1モル(mol)/リットル
(liter)以下の濃度範囲で用いることが好まし
い。
場合は、サッカリンは、1モル(mol)/リットル
(liter)以下の濃度範囲で用いることが好まし
い。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、添
加剤として、過酸化水素を添加したことを特徴とする。
l)/リットル(liter)以下の濃度範囲で用いる
ことが好ましい。
ウム系レドックスフロー型電池の電解液の硫酸水溶液の
硫酸濃度は、1.0モル(mol)/リットル(lit
er)以上4.0モル(mol)/リットル(lite
r)以下であることが好ましい。
ウム系レドックスフロー型電池の電解液のバナジウムイ
オンおよび/またはバナジルイオンの濃度は、1.0モ
ル(mol)/リットル(liter)以上3.0モル
(mol)/リットル(liter)以下とすることが
できる。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、バ
ナジウム(V)化合物の析出を防止するための添加剤と
して、リン酸を添加したことを特徴とする。
フロー型電池の電解液において、バナジウムイオンおよ
び/またはバナジルイオンは、好ましくは、1.0モル
(mol)/リットル(liter)以上3.0モル
(mol)/リットル(liter)以下であり、硫酸
水溶液の硫酸濃度は、1.0モル(mol)/リットル
(liter)以上4.0モル(mol)/リットル
(liter)以下であり、リン酸の濃度は、好ましく
は、10-4モル(mol)/リットル(liter)以
上0.71モル(mol)/リットル(liter)以
下であることを特徴とする。
ジウムイオン」は、V2+、V3+、V 4+、V5+を意味し、
また、本明細書において用いる用語「バナジルイオン」
は、VO2+、VO2 + を意味する。
/またはバナジルイオンの少なくとも1種を含むもの
は、いずれも、上述した添加剤を含む限りにおいて、本
願発明に従うバナジウム系レドックスフロー型電池の電
解液に含まれることを付記しておく。
電池の電解液は、いずれも、バナジウム化合物の析出を
防止するための添加剤を添加している点に特徴がある。
レドックスフロー型電池の電解液は、添加剤として、保
護コロイド剤を添加したことを特徴とする。
イド剤を添加するという構成により、バナジウム化合物
(疎水性コロイド粒子)が、親水コロイド粒子に包まれ
る結果、全体として、親水コロイドの性質を示すため、
バナジウム化合物の析出が防止されると考えられる。
ックスフロー型電池の電解液は、添加剤として、オキソ
酸(硫酸、硝酸およびリン酸を除く)を添加したことを
特徴とする。
(硫酸、硝酸およびリン酸を除く)を添加するという構
成により、下記に示す平衡反応が、左方向に動くため、
特に析出しやすいと思われる、五価のバナジウム化合物
(V2 O5 )の析出が防止されると考えられる。
ックスフロー型電池の電解液は、添加剤として、錯化剤
を添加したことを特徴とする。
添加するという構成により、バナジウムイオンおよび/
またはバナジルイオンと錯化剤とが、錯体を形成し、バ
ナジウムイオンおよび/またはバナジルイオンが安定と
なる結果、バナジウム化合物の析出が防止されると考え
られる。
ックスフロー型電池の電解液は、添加剤として、グリセ
リンおよびサッカリンからなる群より選択される少なく
とも1種を添加したことを特徴とする。
ンおよびサッカリンからなる群より選択される少なくと
も1種を添加するという構成により、バナジウム化合物
の析出が防止されると考えられる。
場合、めっき液が安定することが知られており、バナジ
ウム系レドックスフロー型電池の電解液においても、バ
ナジウムイオンおよび/またはバナジルイオンを安定化
させる作用があると考えられる。
ックスフロー型電池の電解液は、添加剤として、過酸化
水素を添加したことを特徴とする。
のであって、過酸化水素を添加するという構成により、
バナジウム化合物の析出が防止されるというものであ
る。
ックスフロー型電池の電解液は、バナジウム化合物の析
出を防止するための添加剤として、リン酸を添加したこ
とを特徴とする。
池の電解液としては、該電解液の電解質として、硫酸を
単独で用いるのが好ましいとされていたため、バナジウ
ム系レドックスフロー型電池の電解液においては、該電
解液に添加する電解質として、硫酸とリン酸とを添加す
るという構成は、本発明者の知るかぎりにおいて、実際
にはなされてきていなかった。
において、バナジウム化合物の析出を防止するという特
有の効果があるということについても、本発明者の知る
かぎりにおいて、従来知られていなかった技術である。
ための添加剤として、リン酸(H3 PO4 )が用いられ
た例を示す。
ロー型電池の電解液の作製 四価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 オキシ硫酸バナジウム・n水和物(VOSO4 ・nH2
O)と、濃硫酸(95%H2 SO4 )と、無水リン酸
(P2 O5 またはP4 O10と記載される)と、蒸留水と
を使用して、下記の組成の電解液を200cc作製し
た。
r) H2 SO4 :2モル(mol)/リットル(lite
r) 無水リン酸:25グラム(g)/リットル(lite
r)(H3 PO4 として、0.352モル(mol)/
リットル(liter)に相当する) この電解液では、200cc中に、無水リン酸(P2 O
5 )が、5グラム(g)入っていることになる。
解液および五価のバナジウムイオンを含有する電解液の
作製 図1は、三価のバナジウムイオンを含有する電解液およ
び五価のバナジウムイオンを含有する電解液を作製する
工程を概略的に示す工程図である。
々に示される、小型のレドックスフロー型電池は、三価
のバナジウムイオンを含有する電解液および五価のバナ
ジウムイオンを含有する電解液を作製するために用いた
ものである。
(b)に各々示されるレドックスフロー型電池1は、図
2に示すレドックスフロー型電池101と同様の構成で
あるので、相当する部材については、相当する参照符号
を付して、その説明を省略する。
型のレドックスフロー型電池1を組立てた後、正極液タ
ンク3および負極液タンク4のそれぞれに、上記実施例
1(1)において作製した、四価のバナジウムイオン
を含有する電解液を収容した。
ッチ手段16とを有する回路17を接続した後、図1
(b)に示す工程において、スイッチ手段16を、ON
の状態にし、ポンプ10およびポンプ13を動作状態に
し、正極液タンク3内に収容された四価のバナジウムイ
オンを含有する電解液を電解酸化することにより、五価
のバナジウムイオンを含有する電解液を作製し、また、
同時に、負極液タンク4内に収容された、四価のバナジ
ウムイオンを含有する電解液を、電解還元することによ
り、三価のバナジウムイオンを含有する電解液を作製し
た。
して、360mAの定電流源を用いて、正極6と正極7
との間の端子間電圧が、1.6Vになるまで充電を行な
うことにより、三価のバナジウムイオンを含有する電解
液と、五価のバナジウムイオンを含有する電解液を作製
した。
止効果の評価試験 上記実施例1(1)において作製した、四価のバナ
ジウムイオンを含有する電解液(試料1)、三価のバナ
ジウムイオンを含有する電解液(試料2)および五価の
バナジウムイオンを含有する電解液(試料3)を用い、
添加剤として添加した、リン酸の、バナジウム(V)化
合物の析出防止効果を評価した。
まず、上記実施例1(1)において作製した、四価
のバナジウムイオンを含有する電解液(試料1)、三価
のバナジウムイオンを含有する電解液(試料2)、五価
のバナジウムを含有する電解液(試料3)の、それぞれ
の、10ccの容量を試験管内に入れ、常温、50℃の
恒温槽内の各々で、1週間放置するという試験を行なっ
た。なお、試験管のそれぞれには、試験管内に収容した
電解液中の水の蒸発を防ぐため、蓋をした。
るという試験は、レドックスフロー型電池の苛酷な使用
条件を想定して、行なったものである。
液について、バナジウム(V)化合物の析出の有無を観
察した。
(V)系レドックスフロー型電池の電解液が用いられた
例を示す。
ロー型電池の電解液の作製 四価のバナジウムイオン含有する電解液の作製 オキシ硫酸バナジウム・n水和物(VOSO4 ・nH2
O)と、濃硫酸(95%H2 SO4 )と、蒸留水とを使
用して、下記の組成の電解液を200cc作製した。
r) H2 SO4 :2モル(mol)/リットル(lite
r) 三価のバナジウムイオンを含有する電解液および五
価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 次に、上記比較例1(1)により作製した、添加剤を
一切加えていない四価のバナジウムイオンを含有する電
解液(比較試料1)を用いる以外は、実施例1と同様に
して、三価のバナジウムイオンを含有する電解液(比較
試料2)および五価のバナジウムイオンを含有する電解
液(比較試料3)を作製した。
止効果の評価試験 次に、上記比較例1(1)により作製した、添加剤
を一切加えていない四価のバナジウムイオンを含有する
電解液(比較試料1)、添加剤を一切加えていない三価
のバナジウムイオンを含有する電解液(比較試料2)お
よび添加剤を一切加えていない五価のバナジウムイオン
を含有する電解液(比較試料3)について、実施例1と
同様の評価試験を行なった。
値は、試験終了後における、試験管内に取出された10
ccの電解液中に、析出したバナジウム化合物を容量と
して測定した実測値を示すものである(表2、表3およ
び表4において同じ)。
リン酸を添加した電解液のほうが、より高温下におい
て、電解液中のバナジウム(V)化合物の析出を抑える
効果のあることがわかった。
合は、添加剤として、リン酸を加えれば、活物質、すな
わちバナジウムイオンおよび/またはバナジルイオンの
濃度を上げることが可能となる。
ための添加剤として、リン酸(H3 PO4 )の適切な濃
度範囲を調べた例を示す。
ロー型電池の電解液の作製 四価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 オキシ硫酸バナジウム・n水和物(VOSO4 ・nH2
O)と、濃硫酸(95%H2 SO4 )と、無水リン酸
(P2 O5 )と、蒸留水とを使用して、下記の組成の電
解液を200cc作製した。
r) H2 SO4 :2モル(mol)/リットル(lite
r) 無水リン酸:75グラム(g)/リットル(lite
r)(H3 PO4 として、1.06モル(mol)/リ
ットル(liter)に相当する) この電解液では、200cc中に、無水リン酸(P2 O
5 )が、15グラム(g)入っていることになる。
解液および五価のバナジウムイオンを含有する電解液の
作製 上記参考例1(1)において作製した、四価のバナジ
ウムイオンを含有する電解液から実施例1と同様の方法
により、三価のバナジウムイオンを含有する電解液およ
び五価のバナジウムイオンを含有する電解液を作製しよ
うとしたところ、負極7において、バナジウム(V)化
合物が析出した。
Aの定電流源を用いて、正極6と負極7との間の端子間
電圧が、1.6Vになるまで充電を行なおうとしたとこ
ろ、負極7において、バナジウム(V)化合物が析出し
た。
ナジウム(V)化合物であり、より具体的には、V2
(SO4 )3 ・10H2 Oであると考えられた。
イオンおよび/またはバナジルイオンを含有する硫酸水
溶液に、バナジウム(V)化合物の析出を防止するため
の添加剤として、リン酸を添加することにより、バナジ
ウム(V)系レドックスフロー型電池の電解液を作製す
る場合は、リン酸の添加量に注意する必要がある。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびリン酸の濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、リン酸の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、リン酸を、
無水リン酸(P2 O5 )として、0.001グラム
(g)/リットル(liter)以上50グラム(g)
/リットル(liter)以下の量添加すれば、バナジ
ウム(V)化合物の析出防止効果が著しいことを知見す
るに至った。
ラム(g)/リットル(liter)を超える量添加し
た、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池の電解
液を用いた、バナジウム(V)系レドックスフロー型電
池では、充放電時に、三価のバナジウム(V)化合物、
より具体的には、V2 (SO4 )3 ・10H2 Oが析出
し、該電池の、充放電操作が、困難になり、却って好ま
しくない。
止するための添加剤として、リン酸を添加する場合、バ
ナジウム(V)系レドックスフロー型電池の電解液の組
成は、バナジウムイオンおよび/またはバナジルイオン
の濃度は、1.0モル(mol)/リットル(lite
r)以上3.0モル(mol)/リットル(lite
r)以下であり、硫酸水溶液の硫酸濃度は、1.0モル
(mol)/リットル(liter)以上4.0モル
(mol)/リットル(liter)以下であり、リン
酸の濃度は、10-4モル(mol)/リットル(lit
er)以上0.71モル(mol)/リットル(lit
er)以下であることが好ましいことがわかった。
ための添加剤として、シュウ酸が用いられた例を示す。
ロー型電池の電解液の作製 四価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 リン酸の代わりにシュウ酸を用いる以外は、実施例1と
同様にして、下記の組成の電解液を200cc作製し
た。
r) H2 SO4 :2モル(mol)/リットル(lite
r) シュウ酸:50グラム(g)/リットル(liter) 三価のバナジウムイオンを含有する電解液および五
価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 次に、上記実施例2(1)により作製した、添加剤と
して、シュウ酸を含む、四価のバナジウムイオンを含有
する電解液(試料4)を用いる以外は、実施例1と同様
にして、三価のバナジウムイオンを含有する電解液(試
料5)および五価のバナジウムイオンを含有する電解液
(試料6)を作製した。
止効果の評価試験 次に、上記実施例2(1)により作製した、添加剤
として、シュウ酸を含む、四価のバナジウムイオンを含
有する電解液(試料4)、添加剤として、シュウ酸を含
む、三価のバナジウムイオンを含有する電解液(試料
5)、および、添加剤として、シュウ酸を含む、五価の
バナジウムイオンを含有する電解液(試料6)につい
て、実施例1と同様の評価試験を行なった。
添加剤として、シュウ酸を添加した電解液のほうが、よ
り高温下において、電解液中のバナジウム(V)化合物
の析出を抑える効果のあることがわかった。
を添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解液
に比べ、50℃という高温下においても、電解液中のバ
ナジウム(V)化合物の析出を、約90%容量抑制して
いる。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびシュウ酸の濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、シュウ酸の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、シュウ酸
を、1モル(mol)/リットル(liter)以下の
量添加すれば、バナジウム化合物の析出防止が十分得ら
れることを知見するに至った。
ための添加剤として、クエン酸が用いられた例を示す。
ロー型電池の電解液の作製 四価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 リン酸の代わりに、クエン酸を用いる以外は、実施例1
と同様にして、下記の組成の電解液を200cc作製し
た。
r) H2 SO4 :2モル(mol)/リットル(lite
r) クエン酸:10グラム(g)/リットル(liter) 三価のバナジウムイオンを含有する電解液および五
価のバナジウムイオンを含有する電解液の作製 次に、実施例3(1)により作製した、添加剤とし
て、クエン酸を含む四価のバナジウムイオンを含有する
電解液(試料7)を用いる以外は、実施例1と同様にし
て、三価のバナジウムイオンを含有する電解液(試料
8)、および、五価のバナジウムイオンを含有する電解
液(試料9)を作製した。
止効果の評価試験 次に、上記実施例3(1)により作製した、添加剤
として、クエン酸を含む、四価のバナジウムイオンを含
有する電解液(試料7)、添加剤として、クエン酸を含
む三価のバナジウムイオンを含有する電解液(試料
8)、および、添加剤として、クエン酸を含む五価のバ
ナジウムイオンを含有する電解液(試料9)について、
実施例1と同様の評価試験を行なった。
添加剤として、クエン酸を添加した電解液のほうが、よ
り高温下において、電解液中のバナジウム(V)化合物
の析出を抑える効果のあることがわかった。
を添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解液
に比べ、50℃という高温下においても、電解液中のバ
ナジウム(V)化合物の析出を約40%容量抑制してい
る。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびクエン酸の濃度
を種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なうこ
とにより、クエン酸の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、クエン酸
を、1モル(mol)/リットル(liter)以下の
量添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分
得られることを知見するに至った。
表4にその組成を示す種々の電解液を作製し、それぞれ
の電解液について、バナジウム(V)化合物の析出防止
効果の評価試験を行なった。
て保護コロイド剤を添加した例を示す。
す試験結果から、添加剤として、ゼラチンまたはにかわ
を添加した電解液のほうが、より高温下において、電解
液中のバナジウム化合物の析出を抑える効果のあること
がわかった。
を添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解液
に比べ、50℃という高温下においても、電解液中のバ
ナジウム化合物の析出を約80%容量抑制している。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびゼラチンの濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、ゼラチンの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、ゼラチンを
500グラム(g)/リットル(liter)以下の量
添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得
られることを知見するに至った。
解液は、添加剤を一切加えていない電解液に比べ、50
℃という高温下においても、電解液中のバナジウム化合
物の析出を約80%容量抑制している。
ナジウムイオンの濃度、硫酸の濃度およびにかわの濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、にかわの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、にかわを5
00グラム(g)/リットル(liter)以下の量添
加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得ら
れることを知見するに至った。
て、オキソ酸を添加した例を示す。実施例8、実施例1
0および比較例1に示す試験結果から、添加剤として、
タングステン酸または蟻酸を添加した電解液のほうが、
より高温下において、電解液中のバナジウム化合物の析
出を抑える効果があることがわかった。
グステン酸を添加した電解液は、添加剤を一切加えてい
ない電解液に比べ、50℃という高温下においても、電
解液中のバナジウム化合物の析出を約40%容量抑制し
ている。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびタングステン酸
の濃度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を
行なうことにより、タングステン酸の適切な濃度範囲を
調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、タングステ
ン酸を1モル(mol)/リットル(liter)以下
の量添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十
分得られることを知見するに至った。
液は、添加剤を一切加えていない電解液に比べ、50℃
という高温下においても、電解液中のバナジウム化合物
の析出を約20%容量抑制している。
ナジウムイオンの濃度、硫酸の濃度および蟻酸の濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、蟻酸の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、蟻酸を1モ
ル(mol)/リットル(liter)以下の量添加す
れば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得られる
ことを知見するに至った。
は、添加剤として、錯化剤を添加した例を示す。
比較例1に示す試験結果から、添加剤として、チオ尿
素、ピリジンまたはEDTAを添加した電解液のほう
が、より高温下において、電解液中のバナジウム化合物
の析出を抑える効果があることがわかった。
を添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解液
に比べ、50℃という高温下においても、電解液中のバ
ナジウム化合物の析出を約20%容量抑制している。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびチオ尿素の濃度
を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行なう
ことにより、チオ尿素の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、チオ尿素を
2モル(mol)/リットル(liter)以下の量添
加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得ら
れることを知見するに至った。
電解液は、添加剤を一切加えていない電解液に比べ、5
0℃という高温下においても、電解液中のバナジウム化
合物の析出を約40%容量抑制している。
ナジウムイオンの濃度、硫酸の濃度およびピリジンの濃
度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行な
うことにより、ピリジンの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、ピリジンを
1モル(mol)/リットル(liter)以下の量添
加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得ら
れることを知見するに至った。
電解液は、添加剤を一切加えていない電解液に比べ、5
0℃という高温下においても、電解液中のバナジウム化
合物の析出を約40%容量抑制している。
ナジウムイオンの濃度、硫酸の濃度およびEDTAの濃
度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行な
うことにより、EDTAの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、EDTAを
1モル(mol)/リットル(liter)以下の量添
加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得ら
れることを知見するに至った。
加した例を示す。実施例5および比較例1に示す試験結
果から、添加剤として、グリセリンを添加した電解液の
ほうが、より高温下において、電解液中のバナジウム化
合物の析出を抑える効果があることがわかった。
ンを添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解
液に比べ、50℃という高温下においても、電解液中の
バナジウム化合物の析出を約20%容量抑制している。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびグリセリンの濃
度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行な
うことにより、グリセリンの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、グリセリン
を1モル(mol)/リットル(liter)以下の量
添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得
られることを知見するに至った。
加した例を示す。実施例6および比較例1に示す試験結
果から、添加剤として、サッカリンを添加した電解液の
ほうが、より高温下において、電解液中のバナジウム化
合物の析出を抑える効果があることがわかった。
ンを添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解
液に比べ、50℃という高温下においても、電解液中の
バナジウム化合物の析出を約40%容量抑制している。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度およびサッカリンの濃
度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行な
うことにより、サッカリンの適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、サッカリン
を1モル(mol)/リットル(liter)以下の量
添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得
られることを知見するに至った。
加した例を示す。実施例9および比較例1に示す試験結
果から、添加剤として、過酸化水素を添加した電解液の
ほうが、より高温下において、電解液中のバナジウム化
合物の析出を抑える効果があることがわかった。
素を添加した電解液は、添加剤を一切加えていない電解
液に比べ、50℃という高温下においても、電解液中の
バナジウム化合物の析出を約40%容量抑制している。
ナジルイオンの濃度、硫酸の濃度および過酸化水素の濃
度を、種々変える以外は、実施例1と同様の実験を行な
うことにより、過酸化水素の適切な濃度範囲を調べた。
はバナジルイオンを含有する硫酸水溶液に、過酸化水素
を3モル(mol)/リットル(liter)以下の量
添加すれば、バナジウム化合物の析出防止効果が十分得
られることを知見するに至った。
実施例1と同様、バナジウムイオンおよび/またはバナ
ジルイオンの濃度は、1.0モル(mol)/リットル
(liter)以上3.0モル(mol)/リットル
(liter)以下であり、硫酸水溶液の硫酸濃度は、
1.0モル(mol)/リットル(liter)以下で
あることが好ましいことがわかった。
本発明を説明するために好適な実施例を示したにすぎ
ず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
種類の添加剤を添加した例を示したが、添加剤は、単独
で用いても、また、それらを組合わせて用いてもよいも
のであることを付記しておく。
序が同じと思われる添加剤をそれぞれグルーピングした
にすぎず、必ずしもそれぞれの発明に含まれる添加剤
が、等価な材料ではないことを付記しておく。
ムイオンおよび/またはバナジルイオンを含有する硫酸
水溶液に、添加剤として、にかわ、ゼラチン等の保護コ
ロイド剤や、シュウ酸、タングステン酸、クエン酸、蟻
酸等のオキソ酸(ただし、硫酸、硝酸およびリン酸を除
く)や、EDTA、チオ尿素、ピリジン等の錯化剤や、
グリセリン、サッカリンのような試薬を入れると、バナ
ジウムイオンおよび/またはバナジルイオンの濃度を高
くしても、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池
の電解液が安定し、バナジウム(V)化合物の析出が起
こらないか、または、そのような化合物の析出が著しく
抑制される。
および/またはバナジルイオンを含有する硫酸水溶液
に、添加剤として、リン酸を添加するという特有の構成
により、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池の
電解液が安定し、バナジウム(V)化合物の析出が防止
されるという特有の効果は、本発明者が、実際に実験に
より確かめたものであって、本発明者の知るかぎりにお
いて、従来、知られていなかった技術であることを付記
しておく。
ドックスフロー型電池の電解液は、電解液中のバナジウ
ム濃度を上げることができる、すなわち、電解液中の活
物質濃度を上げることができる結果、本発明に従うバナ
ジウム(V)系レドックスフロー型電池の電解液を用い
た、バナジウム(V)系レドックスフロー型電池では、
エネルギー密度、電池容量が向上する。
系レドックスフロー型電池の電解液が用いられた、バナ
ジウム(V)系レドックスフロー型電池では、電解液を
貯蔵するためのタンクの大きさを小さくすることがで
き、電力貯蔵システムのコンパクト化を達成することが
できる。
小さくできる結果、タンクの材料コストなども下がるた
め、電力貯蔵システムのコストダウンを図ることもでき
る。
ら、三価のバナジウムイオンを含有する電解液および五
価のバナジウムイオンを含有する電解液を作製する工程
を概略的に示す工程図である。
示す構成図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、添加剤として、保護
コロイド剤を添加したことを特徴とする、バナジウム系
レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項2】 前記保護コロイド剤は、にかわおよびゼ
ラチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のバナジウム系レド
ックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項3】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、 添加剤として、オキソ酸(硫酸、硝酸およびリン酸を除
く)を添加したことを特徴とする、バナジウム系レドッ
クスフロー型電池の電解液。 - 【請求項4】 前記オキソ酸は、シュウ酸、タングステ
ン酸、クエン酸および蟻酸からなる群より選択される少
なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項3に記載
のバナジウム系レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項5】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、 添加剤として、錯化剤を添加したことを特徴とする、バ
ナジウム系レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項6】 前記錯化剤は、EDTA、チオ尿素およ
びピリジンからなる群より選択される少なくとも1種を
含むことを特徴とする、請求項5に記載のバナジウム系
レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項7】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、 添加剤として、グリセリンおよびサッカリンからなる群
より選択される少なくとも1種を添加したことを特徴と
する、バナジウム系レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項8】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、 添加剤として、過酸化水素を添加したことを特徴とす
る、バナジウム系レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項9】 バナジウムイオンおよび/またはバナジ
ルイオンを含有する硫酸水溶液に、 バナジウム化合物の析出を防止するための添加剤とし
て、リン酸を添加したことを特徴とする、バナジウム系
レドックスフロー型電池の電解液。 - 【請求項10】 前記バナジウムイオンおよび/または
バナジルイオンの濃度は、1.0モル/リットル以上
3.0モル/リットル以下であり、 前記硫酸水溶液の硫酸の濃度は、1.0モル/リットル
以上4.0モル/リットル以下であり、 前記リン酸の濃度は、10-4モル/リットル以上0.7
1モル/リットル以下であることを特徴とする、請求項
9に記載のバナジウム系レドックスフロー型電池の電解
液。
Priority Applications (1)
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JP6197058A JP2994210B2 (ja) | 1994-08-22 | 1994-08-22 | バナジウム系レドックスフロー型電池の電解液 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0864223A true JPH0864223A (ja) | 1996-03-08 |
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