JP6065348B2 - 電力貯蔵電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、例えばレドックスフロー型電池等の電力貯蔵電池及びその製造方法に関する。
従来、電力貯蔵電池に用いられる電解液としては、金属レドックス系物質と、キレート剤とを含有する構成が知られている(特許文献1、非特許文献1参照)。特許文献1には、マンガンレドックス系物質と、錯化剤又はキレート化剤とを含有する正極電解液が開示されている。錯化剤又はキレート剤の例としてアミノポリカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノ酸、オキシ酸、ポリアルコール、βジケトン、アミン、及びポリリン酸が特許文献1に記載されている。そして、特許文献1の実施例欄には、マンガンレドックス系物質と、キレート化剤としてピロリン酸、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、又はヒドロキシエチレンジアミン三酢酸塩とを含有する正極電解液が開示されている。非特許文献1には、Mn(III)−EDTA錯体(エチレンジアミンテトラアセタトマンガン酸(III)錯体)は、炭酸ガスを発生しながら自己分解する旨が記載されている。
白樫高史,「エチレンジアミンテトラアセタトマンガン酸(III)錯体の平衡論的および速度論的研究」、学位論文要旨、東北大学大学院理学研究科博士課程、学位授与年月日:1969年3月25日
一般的に電力貯蔵電池では強酸性の電解液が用いられる。強酸性の電解液中において、金属レドックスイオンは比較的高濃度であっても安定して溶解されるため、電池のエネルギー密度を高くすることができる。また、強酸性の電解液では、イオン伝導のキャリアはH+イオン又はOH−イオンとなる。H+イオンの移動度及びOH−イオンの移動度はいずれも比較的高いため、電解液の導電率は高くなる。これにより、電池の抵抗は小さくなる結果、電池の効率は高まる。このように強酸性の電解液を用いた場合、レドックスフロー型電池を構成する材料には、電解液に耐え得る耐薬品性が求められることになる。これに対して、例えば、pH3以上の電解液を用いる場合、電池を構成する材料に必要な耐薬品性を低めることができる結果、電力貯蔵電池の製造コストを低減することが可能となる。ところが、その場合、金属レドックスイオンが安定して溶解し難くなる。pH3以上の電解液中において、金属レドックスイオンの溶解性が低下する欠点は、電解液にキレート剤を含有させて金属レドックスイオンを錯体化することにより、補うことが可能と考えられる。ところが、キレート剤を用いた電力貯蔵電池については、未だ実用化の報告がないのが実情である。
ところで、マンガンのレドックス系物質は、比較的安価であり、かつ、酸化還元電位が高いことから、電力貯蔵電池の正極電解液に用いられるレドックス系物質として有利である。上述した特許文献1には、マンガンレドックス系物質とキレート剤とを含有する正極電解液では、マンガンレドックス系物質の析出が抑制される旨が記載されている。しかしながら、非特許文献1に記載されるように、Mn(III)−EDTA錯体は、炭酸ガスの発生を伴って、自己分解するものであるため、マンガンレドックス系の有する本来の電池性能が発揮され難い。
本発明は、こうした実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、電解液のpHが3以上の場合であっても、その電解液中でマンガンのレドックス系物質を用いることの容易な電力貯蔵電池及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))と、一般式(1):
で表されるアミン(但し、一般式(1)中、nは0〜4のいずれかの整数を表し、R1,R2,R3及びR4は独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表し、n=0の場合は、R1,R2,R3及びR4から選ばれる少なくとも一つがメチル基又はエチル基を表す。)と、を含有する正極電解液を備える電力貯蔵電池を提供する。
前記電力貯蔵電池において、前記アミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N´−ジメチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記電力貯蔵電池において、前記正極電解液中のマンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))に対する前記アミンのモル比は、1以上、5以下の範囲内とされることが好ましい。
前記電力貯蔵電池において、硫酸マンガンを水に溶解させることで前記正極電解液に前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))を含有させることが好ましい。
前記電力貯蔵電池において、前記正極電解液中の前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))の含有量が0.2モル/L以上、1.0モル/L以下の範囲内であることが好ましい。
前記電力貯蔵電池において、前記正極電解液のpHが3以上、7以下の範囲内であることが好ましい。
前記電力貯蔵電池において、前記正極電解液は、前記アミンの存在下で前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))を電解酸化反応させることで調製されることが好ましい。
以下、本発明の実施形態に係る電力貯蔵電池としてのレドックスフロー型電池について説明する。
<レドックスフロー型電池の構造>
図1に示すように、レドックスフロー型電池は、充放電セル11を備える。充放電セル11の内部は、隔膜12によって正極側セル21と負極側セル31とに仕切られている。レドックスフロー型電池は、正極側セル21に用いられる正極電解液22を貯蔵する正極電解液タンク23と、負極側セル31に用いられる負極電解液32を貯蔵する負極電解液タンク33とを備える。レドックスフロー型電池には、充放電セル11周辺の温度を調節する温度調節装置が必要に応じて設けられる。
図1に示すように、レドックスフロー型電池は、充放電セル11を備える。充放電セル11の内部は、隔膜12によって正極側セル21と負極側セル31とに仕切られている。レドックスフロー型電池は、正極側セル21に用いられる正極電解液22を貯蔵する正極電解液タンク23と、負極側セル31に用いられる負極電解液32を貯蔵する負極電解液タンク33とを備える。レドックスフロー型電池には、充放電セル11周辺の温度を調節する温度調節装置が必要に応じて設けられる。
正極側セル21には、正極21aと正極側集電板21bとが接触した状態で配置されている。負極側セル31には、負極31aと負極側集電板31bとが接触された状態で配置されている。正極21a及び負極31aは、例えばカーボン製のフェルトから構成される。正極側集電板21b及び負極側集電板31bは、例えばガラス状カーボン板から構成される。各集電板21b,31bは、充放電装置10に電気的に接続されている。
正極側セル21には、供給管24及び回収管25を介して正極電解液タンク23が接続されている。供給管24には、ポンプ26が装備されている。ポンプ26の作動により、正極電解液タンク23内の正極電解液22は、供給管24を通じて正極側セル21に供給される。このとき、正極側セル21内の正極電解液22は、回収管25を通じて正極電解液タンク23に回収される。このように正極電解液22は、正極電解液タンク23と正極側セル21とを循環される。
負極側セル31には、供給管34及び回収管35を介して負極電解液タンク33が接続されている。供給管34には、ポンプ36が装備されている。ポンプ36の作動により、負極電解液タンク33内の負極電解液32は、供給管34を通じて負極側セル31に供給される。このとき、負極側セル31内の負極電解液32は、回収管35を通じて負極電解液タンク33に回収される。このように負極電解液32は、負極電解液タンク33と負極側セル31とを循環される。
充放電セル11、正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33には、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管13が接続されている。不活性ガス供給管13には、不活性ガス発生装置から不活性ガスが供給される。正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33には、不活性ガス供給管13を通じて、不活性ガスが供給されることで、正極電解液22及び負極電解液32と大気中の酸素との接触が抑制される。不活性ガスとしては、例えば窒素ガスが用いられる。正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33に供給された不活性ガスは、排気管14を通じて排気される。排気管14の排出側の先端には、排気管14の開口を水封する水封部15が設けられている。水封部15は、排気管14内に大気が逆流することを防止するとともに、正極電解液タンク23内及び負極電解液タンク33内の圧力を一定に保つ。
充電時には、正極21aに接触する正極電解液22中で酸化反応が行われるとともに、負極31aに接触する負極電解液32中で還元反応が行われる。すなわち、正極21aは電子を放出するとともに、負極31aは電子を受け取る。このとき、正極側集電板21bは、正極21aから放出された電子を充放電装置10に供給する。負極側集電板31bは、充放電装置10から受け取った電子を負極31aに供給する。負極側集電板31bは、負極31aから放出された電子を集めて充放電装置10に供給する。
放電時には、正極21aに接触する正極電解液22中で還元反応が行われるとともに、負極31aに接触する負極電解液32中で酸化反応が行われる。すなわち、正極21aは電子を受け取るとともに、負極31aは電子を放出する。このとき、正極側集電板21bは、充放電装置10から受け取った電子を正極21aに供給する。
<電解液>
レドックスフロー型電池は、マンガンのレドックス系物質とアミンとを含有する正極電解液22を備える。マンガンは、正極電解液22中においてはマンガンが活物質として機能し、例えば、充電時には、Mn(III)からMn(IV)への酸化が起こり、放電時には、Mn(IV)からMn(III)への還元が起こると推測される。
レドックスフロー型電池は、マンガンのレドックス系物質とアミンとを含有する正極電解液22を備える。マンガンは、正極電解液22中においてはマンガンが活物質として機能し、例えば、充電時には、Mn(III)からMn(IV)への酸化が起こり、放電時には、Mn(IV)からMn(III)への還元が起こると推測される。
正極電解液22中におけるマンガンのレドックス系物質(マンガンイオン)の濃度は、エネルギー密度を高めるという観点から、好ましくは0.1モル/L以上であり、より好ましくは0.2モル/L以上であり、さらに好ましくは0.4モル/L以上である。正極電解液22中におけるマンガンのレドックス系物質(マンガンイオン)の濃度は、マンガンのレドックス系物質の析出をさらに抑制するという観点から、好ましくは2.5モル/L以下であり、より好ましくは1.5モル/L以下であり、さらに好ましくは1.0モル/L以下であり、最も好ましくは0.8モルモル/L以下である。
正極電解液22に含有されるアミンは、下記一般式(1)で表される。
但し、一般式(1)中、nは0〜4のいずれかの整数を表し、R1,R2,R3及びR4は独立して水素原子、メチル基又はエチル基を表し、n=0の場合は、R1,R2,R3及びR4から選ばれる少なくとも一つがメチル基又はエチル基を表す。
一般式(1)で表されるアミンは、キレート剤の一種であり、マンガンのレドックス系物質と錯体を生成し、正極電解液22中においてマンガンのレドックス系物質の析出を抑制する働きを有する。
一般式(1)で表されるアミンの例としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA,n=1)、トリエチレンテトラミン(TETA,n=2)、テトラエチレンペンタミン(TEPA,n=3)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA,n=4)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA,n=0)、N−メチルエチレンジアミン(n=0)、N,N´−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA,n=0)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(n=0)、N−エチルエチレンジアミン(n=0)、N,N´−ジエチルエチレンジアミン(n=0)及びN,N−ジエチルエチレンジアミン(n=0)が挙げられる。
正極電解液22は、一般式(1)で表されるアミンの一種類のみを含有してもよいし、複数種を含有してもよい。
正極電解液22は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N´−ジメチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを含有することが好ましい。
正極電解液22中のマンガンのレドックス系物質に対する一般式(1)で表されるアミンのモル比は、1以上、5以下の範囲内とされることが好ましい。前記モル比が1以上の場合、マンガンのレドックス系物質の析出を抑制することがさらに容易となる。前記モル比が5以下の場合、反応性や充放電サイクル特性(可逆性)が高まる傾向となる。
正極電解液22のpHは、好ましくは3以上、7以下の範囲内であり、より好ましくは5以上、7以下の範囲である。正極電解液22のpHが3以上の場合、耐食性が確保され易くなる。正極電解液22のpHが7以下の場合、マンガンのレドックス物質の析出をさらに抑制することが容易となる。
正極電解液22には、必要に応じて、例えば、無機酸の塩又は有機酸の塩、一般式(1)で表されるアミン以外のキレート剤を含有させることもできる。
負極電解液32に用いる活物質としては、特に限定されず、例えば、鉄のレドックス系物質、クロムのレドックス系物質、チタンのレドックス系物質、銅のレドックス系物質、及びバナジウムのレドックス系物質が挙げられる。
負極電解液32中における金属のレドックス系物質(金属イオン)の濃度は、エネルギー密度を高めるという観点から、好ましくは0.1モル/L以上であり、より好ましくは0.2モル/L以上であり、さらに好ましくは0.4モル/L以上である。
負極電解液32中における金属のレドックス系物質(金属イオン)の濃度は、金属のレドックス系物質の析出を抑制するという観点から、好ましくは2.5モル/L以下であり、より好ましくは1.5モル/L以下である。
負極電解液32に用いる活物質としては、例えば銅のレドックス系物質が好適である。負極電解液32に銅を含有させる際には、塩素イオンが含まれないように、例えば硫酸銅(CuSO4)を水に溶解させることが好ましい。負極電解液32中の銅は、例えば、充電時には、Cu(II)からCu(I)に還元され、放電時には、Cu(I)からCu(II)に酸化されると推測される。
負極電解液32には、さらにキレート剤を含有させることが好ましい。キレート剤の例としては、例えば、一般式(1)で表されるアミン、エチレンジアミン(EDA,n=0)、ポリエチレンイミン、及びアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
負極電解液32中の金属のレドックス系物質に対するキレート剤のモル比は、例えば0.5以上、10以下の範囲内とされることが好ましく、1以上、5以下の範囲とされることがより好ましい。
負極電解液32には、必要に応じて、例えば、無機酸の塩又は有機酸の塩を含有させることもできる。
負極電解液32のpHは、好ましくは3以上、11以下の範囲内である。
正極電解液22及び負極電解液32は、公知の方法で調製することができる。
正極電解液22にマンガンのレドックス系物質を含有させる際には、例えば入手が容易であることから、硫酸マンガン(MnSO4)を水に溶解させることが好ましい。
正極電解液22は、一般式(1)で表されるアミンの存在下でマンガンのレドックス系物質を電解酸化反応させることで調製されることが好ましい。例えば、アミンの存在下で二価のマンガンを水溶液中で電解酸化反応させると、銀−塩化銀(飽和KCl)電極に対する電位が高い正極電解液22を得ることができる。正極電解液22の電位が高いほど、充放電より得られる電圧はより高くなる。なお、電解酸化反応は、正極電解液22中に含まれるマンガンのレドックス系物質のモル数にファラデー定数を乗じて求められるクーロン量を100%としたとき、100%以上のクーロン量で行われることが好適である。
正極電解液22及び負極電解液32に用いる水は、蒸留水と同等又はそれ以上の純度を有していることが好ましい。レドックスフロー型電池は、正極電解液22及び負極電解液32を不活性ガスの雰囲気下として充放電されることが好ましい。
<レドックスフロー型電池の作用>
マンガンのレドックス系物質と一般式(1)で表されるアミンとを含有する正極電解液22中では、マンガンのレドックス系物質と前記アミンとが錯体を形成することで、マンガンの析出が抑制される。また、この正極電解液22を用いることで、良好な電池性能が発揮される。
マンガンのレドックス系物質と一般式(1)で表されるアミンとを含有する正極電解液22中では、マンガンのレドックス系物質と前記アミンとが錯体を形成することで、マンガンの析出が抑制される。また、この正極電解液22を用いることで、良好な電池性能が発揮される。
レドックスフロー型電池の性能は、例えば、充放電サイクル特性(可逆性)、クーロン効率、電圧効率、エネルギー効率、電解液の利用率、起電力、及び電解液の電位により評価することができる。以下では、レドックスフロー型電池の充放電1回を1サイクルという。
充放電サイクル特性(可逆性)は、1サイクル目の放電のクーロン量(A)と90サイクル目の放電のクーロン量(B)とを下記式(1)に代入することで算出される。
充放電サイクル特性[%]=B/A×100 ・・・(1)
充放電サイクル特性は、80%以上であることが好ましい。
充放電サイクル特性は、80%以上であることが好ましい。
クーロン効率は、所定のサイクル目の充電のクーロン量(C)と放電のクーロン量(D)とを下記式(2)に代入することで算出される。
クーロン効率[%]=D/C×100 ・・・(2)
クーロン効率は、例えば、75サイクル目のクーロン量から算出される値において、好ましくは80%以上である。
クーロン効率は、例えば、75サイクル目のクーロン量から算出される値において、好ましくは80%以上である。
電圧効率は、所定のサイクル目の充電の平均端子電圧(E)と放電の平均端子電圧(F)とを下記式(3)に代入することで算出される。
電圧効率[%]=F/E×100 ・・・(3)
電圧効率は、例えば、75サイクル目の端子電圧から算出される値において、好ましくは60%以上である。
電圧効率は、例えば、75サイクル目の端子電圧から算出される値において、好ましくは60%以上である。
エネルギー効率は、所定のサイクル目の充電の電力量(G)と放電の電力量(H)とを下記式(4)に代入することで算出される。
エネルギー効率[%]=H/G×100 ・・・(4)
エネルギー効率は、75サイクル目の電力量から算出される値において、好ましくは60%以上である。
エネルギー効率は、75サイクル目の電力量から算出される値において、好ましくは60%以上である。
電解液の利用率は、正極21a側又は負極31a側に供給される電解液の活物質のモル数にファラデー定数(96500クーロン/モル)を乗じてクーロン量(I)を求めるとともに、1サイクル目の放電のクーロン量(J)を求め、クーロン量(I)とクーロン量(J)とを下記式(5)に代入することで算出される。なお、正極21a側に供給される電解液の活物質のモル数と負極31a側に供給される電解液の活物質のモル数とが異なる場合は、より小さいモル数を採用する。1サイクル目以降の電解液の利用率についても、同様に算出することができる。
電解液の利用率[%]=J/I×100 ・・・(5)
電解液の利用率は、1サイクル目のクーロン量から算出される値において、好ましくは40%以上である。
電解液の利用率は、1サイクル目のクーロン量から算出される値において、好ましくは40%以上である。
起電力は、所定のサイクル目において充電から放電に切り替えるとき(電流が0mAのとき)の端子電圧とされる。
起電力は、1サイクル目の端子電圧において、1.0V以上であることが好ましい。
電解液の電位は、正極電解液タンク23に予め黒鉛電極と銀−塩化銀(飽和KCl)電極とを挿入したときに、充放電中の銀−塩化銀電極に対する黒鉛電極の電位として示される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態のレドックスフロー型電池では、マンガンのレドックス系物質と一般式(1)で表されるアミンとを含有する正極電解液22を備える。この場合、正極電解液22のpHが3以上の場合であっても、マンガンのレドックス系物質の析出が抑制される。従って、電解液のpH3が以上の場合であっても、マンガンのレドックス系物質を用いることが容易となる。
(2)正極電解液22は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N´−ジメチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも一種のアミンを含有することが好ましい。この場合、自己放電が抑制され易くなるため、より実用性の高いレドックスフロー型電池となる。このメカニズムは明らかではないが、上記アミンは、比較的低分子であり、その分子内にC−NH−Cで表される二級アミン型の構造を1つ又は2つ有するため、マンガンのレドックス物質と間で、より安定な錯体を形成すると推測される。
(3)正極電解液22中のマンガンのレドックス系物質に対する一般式(1)で表されるアミンのモル比は、1以上、5以下の範囲内とされることが好ましい。この場合、マンガンのレドックス系物質の析出を抑制することがさらに容易となる。
(4)硫酸マンガンを水に溶解させることで正極電解液22にマンガンのレドックス系物質を含有させることが好ましい。この場合、硫酸マンガンが入手容易であることから、正極電解液22を容易に得ることができる。例えば、塩化マンガンを用いる場合と比べて、正極での塩素ガスの発生の要因となる塩素イオンの混入を容易に抑制することができる。
(5)正極電解液22中のマンガンのレドックス系物質の含有量が0.2モル/L以上、1.0モル/L以下の範囲内であることで、エネルギー密度を高めるとともに、マンガンのレドックス系物質の析出をさらに抑制することが容易となる。
(6)正極電解液22のpHが3以上、7以下の範囲内であることで、耐食性が確保され易くなるとともに、マンガンのレドックス物質の析出をさらに抑制することが容易となる。
(7)正極電解液22は、一般式(1)で表されるアミンの存在下でマンガンのレドックス系物質を電解酸化反応させることで調製されることが好ましい。この場合、得られる電圧をより高めることが可能となる。
(変更例)
前記実施形態は以下のように変更されてもよい。
前記実施形態は以下のように変更されてもよい。
・レドックスフロー型電池の有する充放電セル11の形状、配置、又は数や正極電解液タンク23及び負極電解液タンク33の容量はレドックスフロー型電池に求められる性能等に応じて変更されてもよい。また、充放電セル11に対する正極電解液22及び負極電解液32の供給量についても、例えば充放電セル11の容量等に応じて設定することができる。
・レドックスフロー型電池以外の電力貯蔵電池であってもよい。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
(Mn(II)−アミン錯体の溶解度試験)
蒸留水10mLに0.014モル(2.04g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した。この水溶液に、0.014モル(2.36g)のMnSO4・H2Oを溶解させた後、全量が20mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、pHが6のMn(II)−TETA錯体水溶液を調製した。
蒸留水10mLに0.014モル(2.04g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した。この水溶液に、0.014モル(2.36g)のMnSO4・H2Oを溶解させた後、全量が20mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、pHが6のMn(II)−TETA錯体水溶液を調製した。
得られた水溶液を室温(約25℃)、空気下の条件で10日間静置する溶解度試験の結果、水溶液中には析出物が確認されなかった。
上記と同様にして、Mn(II)−TETA錯体の濃度、又はpHの異なる水溶液を調製し、溶解度試験を行った。その結果を図2に示す。
図2のプロットA1は、溶解度試験において析出物が確認されなかったものを示し、プロットA2は、溶解度試験において析出物が確認されたものを示す。
図2に示されるように、Mn(II)−TETA錯体は、水溶液のpH3が以上であっても溶解性が確保されるため、レドックスフロー型電池の電解液として利用価値が高いことが分かる。
この溶解度試験では、Mn(II)に対するTETAのモル比を1として実施しているが、Mn(II)に対するTETAのモル比を高めることによっても、Mn(II)−TETA錯体の溶解性は向上すると考えられる。
(実施例1)
<レドックスフロー型電池>
正極及び負極としては、カーボンフェルト(商品名:GFA5、SGL社製)を用いて電極面積を10cm2に設定した。正極側集電板としては、厚み0.6mmの純チタンを用いた。負極側集電板としては、ガラス状カーボン板(商品名:SGカーボン、厚み0.6mm、昭和電工株式会社製)を用いた。隔膜としては、陽イオン交換膜(CMS、アストム社製)を用いた。
<レドックスフロー型電池>
正極及び負極としては、カーボンフェルト(商品名:GFA5、SGL社製)を用いて電極面積を10cm2に設定した。正極側集電板としては、厚み0.6mmの純チタンを用いた。負極側集電板としては、ガラス状カーボン板(商品名:SGカーボン、厚み0.6mm、昭和電工株式会社製)を用いた。隔膜としては、陽イオン交換膜(CMS、アストム社製)を用いた。
正極電解液タンク及び負極電解液タンクとしては、容量30mLのガラス容器を用いた。供給管、回収管、不活性ガス供給管及び排気管としては、シリコーン製のチューブを用いた。ポンプとしては、マイクロチューブポンプ(MP−1000、東京理化器械株式会社製)を用いた。充放電装置としては、充放電バッテリテストシステム(PFX200、菊水電子工業株式会社製)を用いた。
<Mn(II)−TETA錯体水溶液の調製>
蒸留水50mLに0.02モル(2.92g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した。この水溶液に、0.02モル(3.38g)のMnSO4・H2Oを溶解させた後、さらに0.05モル(7.1g)のNa2SO4を溶解させた。次に、この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを5に調整した後に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、マンガン(II)−TETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を得た。
蒸留水50mLに0.02モル(2.92g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した。この水溶液に、0.02モル(3.38g)のMnSO4・H2Oを溶解させた後、さらに0.05モル(7.1g)のNa2SO4を溶解させた。次に、この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを5に調整した後に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、マンガン(II)−TETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を得た。
<Zn(II)−TETA錯体水溶液の調製>
蒸留水50mLに0.04モル(5.84g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、0.02モル(5.75g)のZnSO4・7H2Oを溶解させた後、さらに0.05モル(7.1g)のNa2SO4を溶解させた。次に、この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した後に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、Zn(II)−TETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を得た。
蒸留水50mLに0.04モル(5.84g)のトリエチレンテトラミン(TETA)を溶解させた。この水溶液に、0.02モル(5.75g)のZnSO4・7H2Oを溶解させた後、さらに0.05モル(7.1g)のNa2SO4を溶解させた。次に、この水溶液に、2.5モル/Lの希硫酸を添加することで、pHを6に調整した後に、全量が100mLとなるように蒸留水を加えた。これにより、Zn(II)−TETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を得た。
<Mn(II)−TETA錯体水溶液の電解酸化>
上記レドックスフロー型電池を用いて、Mn(II)−TETA錯体水溶液を電解酸化することで、正極電解液を調製した。まず、正極電解液タンクにMn(II)−TETA錯体水溶液20mLを入れるとともに、負極電解液タンクにZn(II)−TETA錯体水溶液20mLを入れた。次に、レドックスフロー型電池を100mAの定電流で60分間(合計386クーロン)充電した。なお、充電の開始前及び期間中、不活性ガス供給管から窒素ガスを供給した。
上記レドックスフロー型電池を用いて、Mn(II)−TETA錯体水溶液を電解酸化することで、正極電解液を調製した。まず、正極電解液タンクにMn(II)−TETA錯体水溶液20mLを入れるとともに、負極電解液タンクにZn(II)−TETA錯体水溶液20mLを入れた。次に、レドックスフロー型電池を100mAの定電流で60分間(合計386クーロン)充電した。なお、充電の開始前及び期間中、不活性ガス供給管から窒素ガスを供給した。
これにより、正極電解液タンクに入れた水溶液に含まれるMn(II)−TETA錯体を電解酸化して、Mn(III)−TETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製し、これを正極電解液とした。なお、ここでは、二価のマンガンイオンは電解酸化により三価のマンガンイオンを生成すると考えられるため、Mn(III)と記載しているが、価数の詳細は不明である。
<充放電試験>
正極電解液として電解酸化反応により得られたMn(III)−TETA錯体水溶液を用いるとともに、負極電解液としてZn(II)−TETA錯体水溶液を用いて充放電試験を行った。充放電試験は、充電から開始し、まず、100mAの定電流で30
分間充電した(合計180クーロン)。次に、100mAの定電流で、放電終止電圧を1.0Vとして放電した。なお、充放電試験の開始前及び期間中、不活性ガス供給管から窒素ガスを供給した。
正極電解液として電解酸化反応により得られたMn(III)−TETA錯体水溶液を用いるとともに、負極電解液としてZn(II)−TETA錯体水溶液を用いて充放電試験を行った。充放電試験は、充電から開始し、まず、100mAの定電流で30
分間充電した(合計180クーロン)。次に、100mAの定電流で、放電終止電圧を1.0Vとして放電した。なお、充放電試験の開始前及び期間中、不活性ガス供給管から窒素ガスを供給した。
以上の充放電を1サイクルとして、充放電を100サイクル繰り返した。
充放電を行うレドックス反応は、以下のように推定される。
正極:Mn(III)−TETA錯体 ⇔ Mn(IV)−TETA錯体+e−
負極:Zn(II)−TETA錯体+2e− ⇔ Zn(0)+TETA
75サイクル目から77サイクル目までの充放電した際の電池電圧の推移を図3に示す。
負極:Zn(II)−TETA錯体+2e− ⇔ Zn(0)+TETA
75サイクル目から77サイクル目までの充放電した際の電池電圧の推移を図3に示す。
充放電試験において、充放電サイクル特性(可逆性)、クーロン効率、電圧効率、エネルギー効率、電解液の利用率、起電力、及び電解液の電位を求めた。
充放電サイクル特性(可逆性)は、1サイクル目の放電のクーロン量(A)と90サイクル目の放電のクーロン量(B)から求めた。
クーロン効率は、75サイクル目のクーロン量から求めた。
電圧効率は、75サイクル目の平均端子電圧から求めた。
エネルギー効率は、75サイクル目の電力量から求めた。
電解液の利用率は、1サイクル目のクーロン量から求めた。
起電力は、1サイクル目の端子電圧とした。
その結果を表1の“充放電試験結果”欄に示す。
<自己放電試験>
上記レドックスフロー型電池の正極電解液タンクに、電解酸化反応により得られたMn(III)−TETA錯体水溶液20mLを入れ、負極電解液タンクに、TETA水溶液20mLを入れた。また、正極電解液タンクに予め黒鉛電極と銀−塩化銀(飽和KCl)電極とを挿入した。次に、100mAの定電流で30分間充電(合計180クーロン)し、充電後の銀−塩化銀電極に対する黒鉛電極の電圧を測定した。続いて、レドックスフロー型電池を室温(約25℃)で約18時間静置した後、銀−塩化銀電極に対する黒鉛電極の電圧を測定し、両電圧を比較した。
上記レドックスフロー型電池の正極電解液タンクに、電解酸化反応により得られたMn(III)−TETA錯体水溶液20mLを入れ、負極電解液タンクに、TETA水溶液20mLを入れた。また、正極電解液タンクに予め黒鉛電極と銀−塩化銀(飽和KCl)電極とを挿入した。次に、100mAの定電流で30分間充電(合計180クーロン)し、充電後の銀−塩化銀電極に対する黒鉛電極の電圧を測定した。続いて、レドックスフロー型電池を室温(約25℃)で約18時間静置した後、銀−塩化銀電極に対する黒鉛電極の電圧を測定し、両電圧を比較した。
上記条件で充電したときの充電後の正極電解液には、Mn(IV)−TETA錯体が約0.1モル/Lの濃度で含有されると推測される。
なお、自己放電試験の開始前及び期間中、不活性ガス供給管から窒素ガスを供給した。
自己放電試験の結果を表1の“自己放電試験の結果”欄に示す。
表1に示す充放電試験の結果から、実施例1では良好な電池特性が得られることが分かる。表1に示す自己放電試験の結果から、実施例1では自己放電が十分に抑制されることが分かる。
(実施例2)
実施例2では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをN,N´−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)に変更し、同様にしてMn(II)−DMEDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−DMEDA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−DMEDA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−DMEDA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例2の自己放電試験の結果は実施例1と同等であった。
実施例2では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをN,N´−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)に変更し、同様にしてMn(II)−DMEDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−DMEDA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−DMEDA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−DMEDA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例2の自己放電試験の結果は実施例1と同等であった。
(実施例3)
実施例3では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをジエチレントリアミン(DETA)に変更し、同様にしてMn(II)−DETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−DETA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−DETA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−DETA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例3の自己放電試験の結果は実施例1と同等であった。
実施例3では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをジエチレントリアミン(DETA)に変更し、同様にしてMn(II)−DETA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−DETA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−DETA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−DETA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例3の自己放電試験の結果は実施例1と同等であった。
(実施例4)
実施例4では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)に変更し、同様にしてMn(II)−TMEDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−TMEDA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−TMEDA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−TMEDA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例4の自己放電試験の結果は実施例1よりも劣るものであった。
実施例4では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)に変更し、同様にしてMn(II)−TMEDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−TMEDA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−TMEDA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−TMEDA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例4の自己放電試験の結果は実施例1よりも劣るものであった。
(実施例5)
実施例5では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをテトラエチレンペンタミン(TEPA)に変更し、同様にしてMn(II)−TEPA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−TEPA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−TEPA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−TEPA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例5の自己放電試験の結果は実施例1よりも劣るものであった。
実施例5では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをテトラエチレンペンタミン(TEPA)に変更し、同様にしてMn(II)−TEPA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液を調製した。得られた水溶液中のMn(II)−TEPA錯体を実施例1と同様に電解酸化することで、Mn(III)−TEPA錯体水溶液を調製した。このMn(III)−TEPA錯体水溶液を正極電解液として用いた以外は、実施例1と同様にして自己放電試験を行った。実施例5の自己放電試験の結果は実施例1よりも劣るものであった。
(比較例1)
比較例1では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをエチレンジアミン(EDA)に変更し、同様にしてMn(II)−EDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液の調製を試みた。その結果、析出物が直ちに生じたため、レドックスフロー型電池の電解液としては使用不可能であると判断した。
比較例1では、実施例1のMn(II)−TETA錯体水溶液の調製において、TETAをエチレンジアミン(EDA)に変更し、同様にしてMn(II)−EDA錯体の濃度が0.2モル/Lの水溶液の調製を試みた。その結果、析出物が直ちに生じたため、レドックスフロー型電池の電解液としては使用不可能であると判断した。
Claims (7)
- 前記アミンは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びN,N´−ジメチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の電力貯蔵電池。
- 前記正極電解液中のマンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))に対する前記アミンのモル比は、1以上、5以下の範囲内とされる、請求項1又は請求項2に記載の電力貯蔵電池。
- 硫酸マンガンを水に溶解させることで前記正極電解液に前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))を含有させる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力貯蔵電池。
- 前記正極電解液中の前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))の含有量が0.2モル/L以上、1.0モル/L以下の範囲内である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力貯蔵電池。
- 前記正極電解液のpHが3以上、7以下の範囲内である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電力貯蔵電池。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電力貯蔵電池の製造方法であって、前記正極電解液は、前記アミンの存在下で前記マンガンのレドックス対(Mn(III)/Mn(IV))を電解酸化反応させることで調製される、電力貯蔵電池の製造方法。
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