JPH0862756A - ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真要素及びその処理方法

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JPH0862756A
JPH0862756A JP19973194A JP19973194A JPH0862756A JP H0862756 A JPH0862756 A JP H0862756A JP 19973194 A JP19973194 A JP 19973194A JP 19973194 A JP19973194 A JP 19973194A JP H0862756 A JPH0862756 A JP H0862756A
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silver halide
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halide photographic
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JP19973194A
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English (en)
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保彦 ▲高▼向
Yasuhiko Takamukai
Ken Nagami
憲 永見
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境を配慮した低補充量での処理でも高感度
で圧力耐性がよく、ローラマークの発生がない迅速処理
適性を有した写真要素及びその処理法の提供。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層と非感光性親水性コロイド層を有する写真要素にお
いて、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に
有機物凝集粒子を含有し、かつ支持体片側の全親水性コ
ロイド層のゼラチン量が1.3g乃至2.5g/m2であること
を特徴とするハロゲン化銀写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真要素
及びその処理方法に関し、特に現像液の補充量を低減し
た環境で、全処理時間が30秒以下の超迅速処理した際に
も高感度で圧力特性に優れたハロゲン化銀写真要素及び
その処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクスの進歩により映
像へのアクセスタイムの短縮化が飛躍的に進み、ハロゲ
ン化銀写真要素へも益々迅速処理が要求されてきてい
る。
【0003】迅速処理性を付与するには、従来ハロゲン
化銀粒子を分散、かつ保護してきたバインダーであるゼ
ラチンの使用量を少なくし、写真処理の現像速度、定着
速度、水洗速度、乾燥速度を高める技術が知られてい
る。
【0004】しかしゼラチンの使用量が少なくなると高
感度のハロゲン化銀粒子は外的圧力に対して益々弱くな
り、自動現像機で処理した際にローラマークと呼ばれる
自動現像機の現像槽内搬送ローラの凹凸に起因する圧力
による、細かい斑点状の濃度ムラが多数発生するという
問題が起こり、特に全処理時間が30秒以下のような超迅
速処理をした際にその問題が顕著に表われる。
【0005】さらに近年、地球環境汚染が世界的問題と
して取り上げられ、国内外において廃棄物に対する関心
が高まってきており、企業としての責務が問われ出して
いる。
【0006】このような状況下において写真処理廃液に
ついてもその低減が緊急な課題となってきている。その
達成のためにハロゲン化銀粒子を平板化したり、セレン
増感をハロゲン化銀粒子に施したりする技術が例えば特
開平4-291252号に開示されているが、補充量低減のレベ
ルはまだ不十分で、さらに低減しようとすると上記圧力
耐性のレベルが劣化することが分かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は環境を
配慮した低補充量での処理でも高感度で圧力特性が改良
され、ローラマークの発生がない超迅速処理適性を有す
る写真要素及びその処理方法に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記によ
り達成された。 (1)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と
非感光性親水性コロイド層を有する写真要素において、
該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1層に有機物
凝集粒子を含有し、かつ支持体片側の全親水性コロイド
層のゼラチン量が1.3g乃至2.5g/m2であることを特徴
とするハロゲン化銀写真要素。
【0009】(2)前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層に、セレン増感されたアスペクト比2以上の平板状
ハロゲン化銀粒子を含有することを特徴とする(1)項記
載のハロゲン化銀写真要素。
【0010】(3)前記(1)項又は(2)項記載のハロゲン化
銀写真要素1m2当たり35乃至98ミリリットルの現像補充
液で、全処理時間が10乃至30秒である自動現像機で処理
することを特徴とするハロゲン化銀写真要素の処理方
法。
【0011】(4)ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層
に粒径が1乃至300nmの無機微粒子を含有することを特
徴とする(1)項又は(2)項記載のハロゲン化銀写真要素。
【0012】(5)粒径が1乃至300nmの無機微粒子の主成
分が、アンチモン、イットリウム、ニオブから選ばれる
ことを特徴とする(2)項記載のハロゲン化銀写真要素。
【0013】(6)前記(4)項又は(5)項記載のハロゲン化
銀写真要素1m2当たり35乃至98ミリリットルの現像補充
液で、全処理時間が10乃至30秒である自動現像機で処理
することを特徴とするハロゲン化銀写真要素の処理方
法。
【0014】以下本発明を詳述する。
【0015】本発明に用いられる有機物凝集粒子とは0.
05μm〜0.50μmの粒子径の小さい1次粒子が複数凝集し
た粒子径1.0μm〜20.0μmの凝集粒子のことを意味す
る。
【0016】凝集粒子の形状は球形、不定形どちらでも
よい。有機物としての成分はアルキルメタクリレート、
アルキルアクリレートやアルキル基をフッ素やケイ素で
置換したメタクリレート、アクリレートやスチレンから
任意に選択され、ホモポリマーであってもコポリマーで
あってもよいがポリメチルメタクリレートが好ましい。
【0017】具体例としては綜研化学(株)製のGR-5、GR-
5Pが挙げられる。ヘイズを劣化させずに効果を出すため
の好ましい添加量は10mg/m2〜200mg/m2である。添加
位置は乳剤層、保護層等いずれの層でもよいが保護層が
好ましい。特に保護層を2層以上に分割し、最上層に添
加するのが最も好ましい。
【0018】本発明において片側の乳剤層を含む全親水
性コロイド層のゼラチン量は、好ましくは支持体片側当
たり1.3〜2.5g/m2、特に1.5〜2.3g/m2が好ましい。
【0019】ゼラチンとしてはいわゆるアルカリ処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチンが挙げられる。
【0020】本発明の写真要素に用いるハロゲン化銀と
しては、高感度を得るために平板粒子が用いられること
が好ましい。ハロゲン化銀組成としてAgBr、AgCl、AgCl
Br、AgClBrI、AgBrI、AgClBrI等任意に用いることがで
きるが、AgBr組成に富むAgBrIが好ましい。
【0021】平板状粒子は例えば米国特許4,439,520
号、同4,425,425号、銅4,414,304号等に記載されてお
り、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。平板
状粒子は特定表面部位に組成の異なるハロゲン化銀をエ
ピタキシャル成長させたり、シェリングさせたりするこ
とができる。また感光核を制御するために平板状粒子の
表面あるいは内部に転移線を持たせてもよい。
【0022】本発明の平板状粒子は、平板状粒子が使用
されている乳剤層の全粒子の投影面積の総和の50%以上
がアスペクト比2以上の平板状粒子であることが好まし
い。
【0023】特に平板状粒子の割合が60%から70%、さ
らに80%へと増大するほど好ましい結果が得られる。こ
こでいうアスペクト比とは、平板状粒子の投影面積と同
一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間距離の比
を表す。本発明においてアスペクト比は2以上20未満、
3以上16未満であることが好ましい。
【0024】本発明の平板状粒子は、厚みが0.5ミクロ
ン以下、好ましくは0.3ミクロン以下であることが好ま
しい。また平板粒子の分布はしばしば使用される変動係
数(投影面積を円近似した場合の標準偏差Sを直径Dで
割った値S/Dの100倍)が30%以下、特に20%以下であ
る単分散乳剤であることが好ましい。また平板粒子と正
常晶の非平板粒子を2種以上混合してもよい。
【0025】平板粒子の形成時に粒子の成長を制御する
ためにハロゲン化銀溶剤として例えばアンモニア、チオ
エーテル化合物、チオン化合物などを使用することがで
きる。また、物理熟成時や化学熟成時に亜鉛、鉛、タリ
ウム、イリジウム、ロジウム等の金属塩等を共存させる
ことができる。
【0026】本発明の化学増感に用いられるセレン増感
剤は、広範な種類のセレン化合物を含む。例えば米国特
許1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、特開
昭60-150046号、特開平4-25832号、同4-109240号、同4-
147250号等に記載されているものを使用できる。有用な
セレン増感剤としては コロイドセレン金属、イソセレ
ノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート
等)、セレノ尿素類(例えば、N,N-ジメチルセレノ尿
素、N,N,N'-トリエチルセレノ尿素、N,N,N'-トリメチル
-N'-ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N'-トリメチル-N'
-ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,
N'-トリメチル-N'-4-ニトロフェニルカルボニルセレノ
尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、
セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、
セレノアセトアミド、N,N-ジメチルセレノベンズアミド
等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例え
ば、2-セレノプロピオン酸、メチル-3-セレノブチレー
ト等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ-p-ト
リセレノフォスフェート等)、セレナイド類(ジエチル
セレナイド、ジエチルジセレナイド、トリフェニルフォ
スフィンセレナイド等)が挙げられる。特に、好ましい
セレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノアミド類、及び
セレンケトン類である。
【0027】これらのセレン増感剤の使用技術の具体例
は下記の特許明細書に開示されている。即ち米国特許1,
574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号、同3,297,4
46号、同3,297,447号、同3,320,069号、同3,408,196
号、同3,408,197号、同3,442,653号、同3,420,670号、
同3,591,385号、フランス特許第2693038号、同2093209
号、特公昭52-34491号、同52-34492号、同53-295号、同
57-22090号、特開昭59-180536号、同59-185330号、同59
-181337号、同59-187338号、同59-192241号、同60-1500
46号、同60-151637号、同61-246738号、特開平3-4221
号、同3-24537号、同3-111838号、同3-116132号、同3-1
48648号、同3-237450号、同4-16838号、同4-25832号、
同4-32831号、同4-96059号、同4-109240号、同4-140738
号、同4-140739号、同4-147250号、同4-149437号、同4-
184331号、同4-190225号、同4-191729号、同4-195035
号、英国特許255846号、同861984号。尚、H. E. Spence
r等著Journal of Photographic Science誌、31巻、158
〜169頁(1983)等の科学文献にも開示されている。
【0028】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10-4
ル程度を用いる。また添加方法は、使用するセレン化合
物の性質に応じて水またはメタノール、エタノール、酢
酸エチルなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解し
て添加する方法でも、或いはゼラチン溶液と予め混合し
て添加する方法でもよく、また特開平4-140739号に開示
されている方法、即ち有機溶媒可溶性の重合体との混合
溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
【0029】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は40
〜90℃の範囲が好ましい。より好ましくは45℃以上80℃
以下である。またpHは4〜9、pAgは6〜9.5の範囲が
好ましい。
【0030】また化学増感する場合はセレン増感にイオ
ウ増感、テルル増感、還元増感、貴金属増感を組み合わ
せ用いてもよい。
【0031】硫黄増感剤としては米国特許1,574,944
号、同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,668号、
同3,501,313号、同3,656,955号、西独出願公開(OLS)
1,422,869号、特開昭56-24937号、同55-45016号公報等
に記載されている硫黄増感剤を用いることが出来る。具
体例としては1,3-ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ
尿素、1-エチル,3-(2-チアゾリル)チオ尿素などのチオ
尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチアカルバミン酸
類、ポリスルフィド有機化合物、硫黄単体などが好まし
い例として挙げられる。尚、硫黄単体としては斜方晶系
に属するα-硫黄が好ましい。
【0032】テルル増感剤及び増感法に関しては米国特
許1,623,499号、同3,320,069号、同3,772,031号、同3,5
31,289号、同3,655,394号、英国特許235,211号、同1,12
1,496号、同1,295,462号、同1,396,696号、カナダ特許8
00,958号、特開平4-204640号、同平4-333043号等に開示
されている。有用なテルル増感剤の例としてはテルロ尿
素類(例えば、N,N-ジメチルテルロ尿素、テトラメチル
テルロ尿素、N-カルボキシエチル-N,N'-ジメチルテルロ
尿素、N,N'-ジメチル-N'フェニルテルロ尿素)、ホスフ
ィンテルリド類(例えば、トリブチルホスフィンテルリ
ド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソ
プロピルホスフィンテルリド、ブチル-ジイソプロピル
ホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホスフィンテル
リド)、テルロアミド類(例えば、テルロアセトアミ
ド、N,N-ジメチルテルロベンズアミド)、テルロケトン
類、テルロエステル類、イソテルロシアナート類などが
挙げられる。テルル増感剤の使用技術はセレン増感剤の
使用技術に準じる。
【0033】本発明に於いては還元増感を併用すること
も好ましい。還元増感はハロゲン化銀粒子の成長途中に
施すのが好ましい。成長途中に施す方法としては、ハロ
ゲン化銀粒子が成長しつつある状態で、還元増感を施す
方法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断した状
態で還元増感を施し、その後に還元増感されたハロゲン
化銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0034】本発明に使用される金増感剤としては塩化
金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、チオ尿素
類、ローダニン類、その他各種化合物の金錯体を挙げる
ことができる。
【0035】セレン増感剤、硫黄増感剤、テルル増感
剤、還元増感剤及び金増感剤の使用量はハロゲン化銀乳
剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによっ
て一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1
×10-4モル〜1×10-9モルであることが好ましい。更に
好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。
【0036】本発明においてセレン増感剤、硫黄増感
剤、テルル増感剤、還元増感剤及び金増感剤の添加方法
は、水或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒
に溶解し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の
溶媒或いはゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散
させて得られる分散物の形態で添加しても良い。
【0037】本発明において用いる増感色素は任意であ
る。例えばシアニン色素を好ましく用いることができ
る。その場合特開平1-100533号に記載された一般式
(I)〜(III)で表されるS−11〜S−124の化合物を
好ましく使用できる。
【0038】なお上記増感色素を添加する場合は2種以
上を併用してもよい。この場合には2種以上の増感色素
を混合して同時に添加してもよいし、また異なる時期に
別々に添加してもよい。また添加量は銀1モル当たり1
mg〜1000mg、好ましくは5mg〜500mgがよい。更に、こ
れらの増感色素を添加する前にヨウ化カリウムを添加し
ておいてその後に添加することが好ましい。
【0039】本発明に用いる増感色素は、ハロゲン化銀
粒子形成時ならびに形成後塗布までの任意の時期に添加
してよいが、脱塩工程終了前が好ましい。
【0040】添加するときの反応液(通常反応釜中)のp
Hは、4〜10の範囲内であることが好ましい。更に好ま
しくはpH6〜9の範囲内がよい。反応液(反応釜)中のp
Agは5〜11であることが好ましい。
【0041】本発明に用いる増感色素は直接乳剤中へ分
散することができる。また、これらは適当な溶媒、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソ
ルブ、アセトン、水、ピリジン、あるいはこれらの混合
溶媒に溶解し、溶液の形で添加することもできる。ま
た、溶解に超音波を使用することもできる。また、水不
溶性増感色素を水に溶解することなしに高速インペラー
分散により微粒子分散液として添加してもよい。
【0042】次に本発明に用いられる粒径が1〜300nm
の無機微粒子とは、主成分がケイ素、アルミニウム、チ
タン、インジウム、イットリウム、スズ、アンチモン、
亜鉛、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、モリブ
デン、ニオブ、ジルコニウム、バナジウム、アルカリ金
属、アルカリ土類金属などから選ばれる酸化物であるが
その中でも透明性、硬度の点でケイ素酸化物(コロイダ
ルシリカ)、アルミ酸化物、アンチモン酸化物、チタン
酸化物、亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、錫酸化物、
バナジウム酸化物、イットリウム酸化物が好ましい。こ
れらの無機酸化物が水に分散されてゾルになった際に、
自身の水分散安定性を高めるために表面がアルミナ、イ
ットリウム、セリウム等で処理されていてもよい。ま
た、ゼラチンとの親和性を高めるためにあらかじめ架橋
されたゼラチンによりシェリングされていてもよい。
【0043】本発明に用いられる無機微粒子の好ましい
使用量は、添加すべき層のバインダーとして用いられて
いるゼラチンに対して乾燥重量比で0.05〜1.0で、特に
好ましくは0.1〜0.7である。また上記無機微粒子は併用
してもよい。
【0044】本発明においては有機物凝集粒子のほかに
マット剤として米国特許2,992,101号、同2,701,245号、
同4,142,894号、同4,396,706号などに記載のようなポリ
メチルメタクリレートのホモポリマー又はメチルメタク
リレートとメタクリル酸とのポリマー、澱粉などの有機
化合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸ストロンチウム、
硫酸バリウム等の無機化合物の微粒子を併用することが
できる。粒子サイズとしては0.6〜10μm、特に1〜5μ
mであることが好ましい。
【0045】本発明の写真要素の表面層には滑り剤とし
て米国特許3,489,576号、同4,047,958号等に記載のシリ
コーン化合物、特公昭56ー23139号公報に記載のコロイダ
ルシリカの他に、パラフィンワックス、高級脂肪酸エス
テル、澱粉誘導体等を用いることができる。
【0046】本発明の写真要素の構成層にはトリメチロ
ールプロパン、ペンタンジオール、ブタンジオール、エ
チレングリコール、グリセリン等のポリオール類を可塑
剤として添加することができる。
【0047】さらに、本発明の写真要素の構成層には、
耐圧力性向上の目的でポリマーラテックスを含有させる
ことができる。ポリマーとしてはアクリル酸のアルキル
エステルのホモポリマーまたはアクリル酸、スチレン等
とのコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、活
性メチレン基、水溶性基またはゼラチンとの架橋性基を
有するモノマーからなるポリマーまたはコポリマーを好
ましく用いることができる。とくにバインダーであるゼ
ラチンとの親和性を高めるために、アクリル酸のアルキ
ルエステル、スチレン等疎水性モノマーを主成分とした
水溶性基またはゼラチンとの架橋性基を有するモノマー
とのコポリマーが最も好ましく用いられる。水溶性基有
するモノマーの望ましい例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプ
ロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等であり、ゼラ
チンとの架橋性基を有するモノマーの望ましい例として
はアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、N-
メチロールアクリルアミド等である。
【0048】本発明の写真要素が医療用両面乳剤X線感
材として利用される場合は、画像鮮鋭性を向上させる目
的で、横断光遮断層を設けることが好ましい。該横断光
遮断層には横断光を吸収させる目的で染料の固体微粒子
分散体が含有される。このような染料としては、例えば
pH9以上のアルカリには可溶で、pH7以下では難溶な
構造を有する染料であれば特に制限はないが、現像処理
時の脱色性がよい点で特願平5-119113号記載の一般式
(I)の化合物が好ましく用いられる。
【0049】本発明の感光材料を現像する好ましい現像
液としては現像主薬として、特開平4-15641号、特開平4
-16841号などに記載のジヒドロキシベンゼン、例えばハ
イドロキノン、パラアミノフェノール類、例えばp-アミ
ノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、2,4-ジ
アミフェノールなど、3-ピラゾリドン類としては、例え
ば1-フェニル-3-ピラゾリドン類、1-フェニル-3-ピラゾ
リドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-
ピラゾリドン、5、5-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリド
ン等で、またこれらを併用して用いることが好ましい。
【0050】また上記パラアミノフェノール類、3-アミ
ノピラゾリドン類の好ましい使用量は0.004モル/リッ
トルであり、より好ましくは0.04〜0.12モル/リットル
である。
【0051】また、これら全現像処理液構成成分中に含
まれるジヒドロキシベンゼン類、パラアミノフェノール
類、3-ピラゾリドン類の総モル数が0.1モル/リットル
以下が好ましい。
【0052】保恒剤としては、亜硫酸塩類、例えば亜硫
酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、レダクトン類、例えば
ピペリジノヘキソースレダクトンなどを含んでもよく、
これらは、好ましくは0.2〜1モル/リットル、より好
ましくは0.3〜0.6モル/リットル用いるのがよい。 また
アスコルビン酸類を多量に添加することも処理安定性に
つながる。
【0053】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三
燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウムの如きpH調節剤を
含む。
【0054】さらに特開昭61-28708号記載の硼酸塩、特
開昭60-93439号記載のサッカローズ、アセトオキシム、
5-スルホサリチル酸、燐酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を用
いてもよい。これらの薬剤の含有量は現像液のpHを9.0
〜13、好ましくはpH10〜12.5とするように選ぶ。
【0055】溶解助剤としては、ポリエチレングリコー
ル類、およびこれらのエステルなど、増感剤としては、
例えば四級アンモニウム塩など、現像促進剤、界面活性
剤などを含有させることができる。
【0056】銀スラッジ防止剤としては、特開昭56-106
244号記載の銀汚れ防止剤、特開平3-51844号記載のスル
フィド、ジスルフィド化合物、特願平4-92947号記載の
システイン誘導体あるいはトリアジン化合物が好ましく
用いられる。
【0057】有機抑制剤としてアゾール系有機カブリ防
止剤、例えばインダゾール系、 イミダゾール系、ベンツ
イミダゾール系、 トリアゾール系、ベンツトリアゾー
系、テトラゾール系、チアジアゾール系化合物が用いら
れる。無機抑制剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリ
ウム、沃化カリウムなどを含有する。この他、L.F.A.メ
ンソン著「フォトグラフィック・プロセッシング・ケミ
ストリー」フォーカルプレス社刊(1966年)の226〜229
頁、米国特許2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48-6
4933号などに記載のものを用いてもよい。
【0058】処理液に用いられる水道水中に混在するカ
ルシウムイオンを隠蔽するためのキレート剤には、有機
キレート剤として特開平1-193853号記載の鉄とのキレー
ト安定化定数が8以上のキレート剤が好ましく用いられ
る。 無機キレート剤としてヘキサメタ燐酸ナトリウム、
ヘキサメタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩等がある。
【0059】現像硬膜剤としてはジアルデヒド系化合物
を用いてもよい。この場合、グルタルアルデヒドが好ま
しく用いられる。
【0060】本発明における補充は、処理疲労と酸化疲
労相当分を補充するが、写真要素1m2当たり35〜98ミリ
リットルの補充量で行う。補充法としては特開昭55-126
243号に記載の幅、送り速度による補充、特開昭60-1049
46号記載の面積補充、特開平1-149156号記載の連続処理
枚数によりコントロールされた面積補充でもよい。
【0061】好ましい定着液としては、当業界で一般に
用いられている定着素材を含むことができる。定着液の
pH3.8以上、 好ましくは4.2〜5.5である。 定着剤としては チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナト
リウムなどのチオ硫酸塩であり、定着速度からチオ硫酸
アンモニウムが特に好ましい。 該チオ硫酸アンモニウ
ムの濃度は0.1〜5モル/リットルの範囲が好ましく、
より好ましくは0.8〜3モル/リットルの範囲である。
【0062】本発明の定着液は酸性硬膜を行うものであ
ってもよい。この場合硬膜剤としてはアルミニウムイオ
ンが好ましく用いられる。例えば硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、カリ明礬などの形態で添加するのが好
ましい。
【0063】その他、定着液には所望により亜硫酸塩、
重亜硫酸塩等の保恒剤、酢酸、硼酸等のpH緩衝剤、鉱酸
(硫酸、硝酸)や有機酸(クエン酸、蓚酸、リンゴ酸な
ど)、塩酸などの各種酸や金属水酸化物(水酸化カリウ
ム、ナトリウム)等のpH調整剤や硬水軟化能を有する
キレート剤を含むことができる。
【0064】定着促進剤としては例えば特公昭45-35754
号、同58-122535号、同58-122536号記載のチオ尿素誘導
体、米国特許4,126,459号記載のチオエーテルなどが挙
げられる。
【0065】尚、本発明のハロゲン化銀乳剤層は、現像
処理中の膨潤率が150〜250%が好ましく、膨張後の膜厚
が70μm以下が好ましい。水膨潤率が250%を越えると乾
燥不良を生じ、例えば自動現像機処理、特に迅速処理に
おいて搬送不良も併発する。また、 水膨潤率が150%未
満では現像した際に現像ムラ、残色が劣化する傾向があ
る。ここで、水膨潤率とは各処理液中で膨潤した後の膜
厚と、現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前の
膜厚で除して100倍したものを言う。
【0066】本発明の写真要素は全処理時間が10〜30秒
である自動現像機による迅速現像処理にすぐれた性能を
示す。本発明の迅速処理において現像、定着等の温度及
び時間は約25℃〜50℃で各々15秒以下であるが、好まし
くは30℃〜40℃で2秒〜10秒である。本発明においては
写真要素は現像、定着された後水洗される。ここで水洗
工程は2〜3段の向流水洗方式を用いることによって、
節水処理することができる。また少量の水洗水で水洗す
るときにはスクイズローラー洗浄槽を設けることが好ま
しい。水洗工程の温度及び時間は5℃〜50℃で2秒〜10
秒が好ましい。
【0067】本発明では現像、定着、水洗された写真要
素はスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥方式は熱
風対流乾燥、遠赤外線ヒーターによる放射乾燥、ヒート
ローラーによる伝熱乾燥のいずれかまたは併用を用いる
事ができる。乾燥温度と時間は40℃〜100℃で4秒〜15
秒で行われる。本発明における全処理時間とは自動現像
機の挿入口にフイルムの先端を挿入してから、現像槽、
渡り部分、定着槽、渡り部分、水洗槽、渡り部分、乾燥
部分を通過して、フイルムの先端が乾燥出口からでてく
るまでの全時間である。本発明のハロゲン化銀写真要素
は圧力特性を損なうことなく、乳剤層及び保護層のバイ
ンダーとして用いられるゼラチンを減量することができ
るため、全処理時間が10〜30秒の迅速処理においても現
像速度、定着速度、乾燥速度を損なうことなく、現像処
理をすることができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0069】実施例1 (種乳剤-1の調製) A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml ポリプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml B1 2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 824g 沃化カリウム 23.5g 水で 2825mlに仕上げる D1 1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 35℃で特公昭58-58288号、同58-58289号記載の混合撹拌
機を用い溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3m
lを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形成を行
った。
【0070】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇さ
せ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と
溶液C1を同時混合法により各々55.4ml/minの流量で4
2分間添加した。この35℃から60℃への昇温及び溶液B
1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀-塩化銀
電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液
D1を用いてそれぞれ+8mv及び+16mvになるよう制
御した。
【0071】添加終了後3%KOHによってpHを6に合わ
せ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲン化
銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜
2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さ
は0.06μm、平均粒径(円直径換算)は0.59μmであること
を電子顕微鏡にて確認した。また厚さの変動係数は40
%、双晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0072】Em-1の調製 上記の種乳剤-1と以下に示す4種の溶液を用い、コア
/シェル型構造を有する平板状乳剤を調製した。
【0073】 A2 オセインゼラチン 11.7g ポリプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 1.4ml 種乳剤-1 0.10 モル相当 水で 550mlに仕上げる B2 オセインゼラチン 5.9g 臭化カリウム 6.2g 沃化カリウム 0.8g 水で 145mlに仕上げる C2 硝酸銀 10.1g 水で 145mlに仕上げる D2 オセインゼラチン 6.1g 臭化カリウム 94g 水で 304mlに仕上げる E2 硝酸銀 137g 水で 304mlに仕上げる 67℃で激しく撹拌したA2液に、ダブルジェット法にて
B2液とC2液を58分で添加した。次に同じ液中にD2
液とE2液をダブルジェット法にて48分添加した。この
間、pHは5.8、pAgは8.7に保った。
【0074】添加終了後、種乳剤-1と同様に脱塩、沈
澱を行い40℃にてpAg8.5、pH5.85の平均沃化銀含有率
が約0.5モル%の乳剤を得た。
【0075】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、投影面積の81%が平均粒径0.96μm、粒径分布の
広さが19%で、平均アスペクト比4.5の平板状ハロゲン
化銀粒子であった。また双晶面間距離(a)の平均は0.01
9μmであり、(a)の変動係数は28%であった。
【0076】(種乳剤−2の調製)下記のようにして種
乳剤−2を調製した。
【0077】 A4 オセインゼラチン 100g 臭化カリウム 2.05g 水で 11.5l B4 オセインゼラチン 55g 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g 0.2N硫酸 38.5ml 水で 2.6l C4 オセインゼラチン 75g 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g 水で 3.0l D3 硝酸銀 95g 水で 2.7l E2 硝酸銀 1410g 水で 3.2l 反応釜で60℃に保温したA4液に、B4液とD3液をコ
ントロールダブルジェット法により、30分間かけて添加
し、その後C4及びE2液をコントロールダブルジェッ
ト法により105分間かけて加えた。撹拌は500rpmで行
い、流速は粒子の成長に伴い新しい核が発生せず、かつ
オストワルド熟成をおこし粒径分布の広がらない流速で
添加した。銀イオン液及びハライドイオン液の添加時の
pAgは臭化カリウム液を用い、8.3±0.05に調整しpHは
硫酸を用いて2.0±0.1に調整した。
【0078】添加終了後、pHを6.0に合わせてから過剰
の塩類を除去するため、特公昭35-16086号記載の方法に
より脱塩処理を行った。
【0079】この種乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径0.27μm、分布の広さ17%の角がややかけ
た立方体形状の14面体単分散性乳剤であった。
【0080】Em-2の調製 種乳剤-2と以下に示す7種の溶液を用い、単分散性コ
ア/シェル型乳剤を調製した。
【0081】 A5 オセインゼラチン 10g アンモニア水(28%) 28ml 氷酢酸 3ml 種乳剤−2 0.119モル相当 水で 600ml B5 オセインゼラチン 0.8g 臭化カリウム 5g 沃化カリウム 3g 水で 110ml C5 オセインゼラチン 2.0g 臭化カリウム 90g 水で 240ml D4 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110ml E3 硝酸銀 130g アンモニア水(28%) 100ml 水で 240ml F1 臭化カリウム 94g 水で 165g G1 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110ml A5液を40℃に保温し撹拌機で800rpmで撹拌を行った。
A5液のpHは酢酸を用い9.90に調整し、種乳剤-2を採
取し分散懸濁させ、その後G1液を7分間かけて等速で
添加しpAgを7.3にした。さらにB5液、D4液を同時に
20分かけて添加した。この時のpAgは7.3一定とした。さ
らに10分間かけて臭化カリウム溶液及び酢酸を用いてp
H=8.83、pAg=9.0に調整した後、C5液、E3液を同
時に30分間かけて添加した。
【0082】この時、添加速度時と添加終了時の流量比
は1:10であり、時間とともに流速を上昇せしめた。ま
た流量比に比例してpHを8.83から8.00まで低下せしめ
た。またC5液及びE3液が全体の2/3量だけ添加さ
れた時に、F1液を追加注入し8分間かけて等速で添加
した。この時、pAgは9.0から11.0まで上昇した。更に酢
酸を加えてpHを6.0に調整した。
【0083】次にEm-1乳剤作成時と同様にして、平均
粒径0.40μm、平均沃化銀含有率が2モル%、粒径分布
の広さが14%の丸みを帯びた平均アスペクト比が1.2の1
4面体単分散性コア/シェル型乳剤を得た。
【0084】得られた乳剤(Em-1、Em-2)をそれぞれ60
℃に昇温し、下記分光増感色素の所定量を固体微粒子状
の分散物として添加した後に、アデニン、チオシアン酸
アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合
水溶液及びトリフェニルフォスフィンセレナイドの固体
微粒子状の分散物を加え、更に60分後に沃化銀微粒子乳
剤を加え総計2時間の熟成を施した。
【0085】熟成終了時に安定剤として4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン(TAI)の所定量を
添加した。
【0086】上記の添加剤とその添加量(AgX1モル当
たり)を下記に示す。
【0087】 分光増感色素(A) 120mg 分光増感色素(B) 2.0mg アデニン 15mg チオシアン酸カリウム 95mg 塩化金酸 2.5mg チオ硫酸ナトリウム 表-1に示す量 トリフェニルフォスフィンセレナイド 表-1に示す量 沃化銀微粒子 280mg 4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン(TAI) 50mg 分光増感色素及びトリフェニルフォスフィンセレナイド
の固体微粒子状分散物は特願平4-99437号に記載の方法
に準じて調製した。即ち分光増感色素の所定量を予め27
℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾルバー)で50
0rpmにて30〜120分間にわたって撹拌することによって
得た。
【0088】分光増感色素(A) 5,5'-ジクロロ-9-エ
チル-3,3'-ジ-(スルホプロピル)オキサカルボシアニン-
ナトリウム塩 無水物 分光増感色素(B) 5,5'-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,
1'-ジエチル-3,3'-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾ
ロカルボシアニン-ナトリウム塩 無水物 試料は以下の塗布液を下引き処理済のブルーに着色した
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面
に、支持体側から横断光遮光層、乳剤層、乳剤保護層の
順に同時重層塗布して乾燥した。
【0089】(試料の作成) 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0090】 テトラクロロパラジウム(II)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6-ビス(ヒドロキシアミノ)-4-ジエチルアミノ- 1,3,5-トリアジン 5mg/m2 t-ブチル-カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン-無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量600.000) 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル-トリフェニル-ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n-C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 本発明の無機微粒子(表1参照) 0.5g/m2 ラテックス(L) 0.4g/m2 デキストリン(平均分子量1000) 0.2g/m2 ソルビトール 0.1g/m2 ただし、ゼラチン量は表1記載の量になるように調整し
た。
【0091】 第3層(保護下層) ゼラチン 0.2g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量50000) 30mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 第4層(保護上層) ゼラチン 0.4g/m2 4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン 50mg/m2 本発明の有機物凝集粒子(表1参照) 50mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒子径0.014μm) 10mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス-ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m2 化合物(P) 100mg/m2 なお素材の付量は片面分であり、塗布銀量は片面分とし
て1.0g/m2になるように調整した。
【0092】
【化1】
【0093】
【化2】
【0094】
【化3】
【0095】1)感度の評価 塗布乾燥した試料を23℃、55%RHで3日間保存した後、
X線写真用増感紙KO-250(コニカ(株)製)ではさみ、ペネ
トロメータB型を介してX線照射後、ローラー搬送型自
動現像機SRX-501(コニカ(株)製)を用い下記組成の現像
液、定着液で下記の処理条件により処理した。また、現
像処理中の膨潤率は、各試料とも180〜220%の範囲だっ
た。
【0096】 現像液組成 Part-A(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレントリアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる。
【0097】 Part-B(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 22g 5-ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる。
【0098】 定着液処方 Part-A(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1-(N,N-ジメチルアミノ)-エチル-5-メルカプトテトラゾール 18g Part-B(18l仕上げ用) 硫酸アルミニウム 800g 現像液調製は水約5リットルにPartA、PartBを同時添
加し、撹拌溶解しながら水を加え12リットルに仕上げ氷
酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像補充液とす
る。この現像補充液1リットルに対して前記のスタータ
ーを20ml/リットル添加しpHを10.26に調整し使用液
とする。
【0099】定着液の調製は水約5リットルにPartA、
PartBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18リッ
トルに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に調整し
た。これを定着補充液とする。
【0100】感度は試料No.1がカブリ+1.0の濃度を与
えるのに要した露光エネルギー量の逆数を100とした相
対値で表した。最高濃度は試料に光を爆射した時に得ら
れる最高黒化濃度を示す。
【0101】2)ローラマークの評価 試料を10×12インチのサイズで黒化濃度が1.0になるよ
うに全面に一様の露光をしたのち、上記の処理を行っ
た。但し、このとき使用した現像ラック、現像から定着
への渡りラックは故意に疲労させたものを用いた。即
ち、各ラックのローラーは疲労のため約10μm程度の凹
凸が全面にできているものである。
【0102】処理後の試料にはこの凹凸に起因する圧力
のため、細かい斑点状の濃度ムラが耐圧性の悪い試料に
は多数発生した。
【0103】このレベルを以下のランクによって目視評
価した。
【0104】5:斑点の発生なし 4:斑点が僅かに発生しているが実用上問題にならない
レベル 3:斑点が少量発生しているが通常ラックでは発生しな
い許容限界レベル 2:斑点が発生しており、通常ラックでも時々発生する 1:斑点が多発。通常ラックでも常に発生している 得られた結果を下記の表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】表中、記載した素材の内訳を下記に示す。
【0107】A-1:1部アルミナで変性したコロイダ
ルシリカ(30重量%水溶液:平均粒径14nm) A-2:酸化イットリウムゾル(15重量%水溶液:平均
粒径4nm) A-3:五酸化アンチモンゾル(30重量%水溶液:平均
粒径50nm) 比較a:ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径4.0
μm) B-1:ポリメチルメタクリレート凝集粒子(平均凝集
粒径4.0μm:1次粒子径0.1μm) B-2:ポリスチレン凝集粒子(平均凝集粒径4.0μm:
1次粒子径0.1μm) 表1から明かなように本発明による試料は高感度で、か
つローラーマークの発生(斑点)が無く圧力耐性の優れ
た写真要素を得られることが分かる。
【0108】実施例2 実施例1で作成した試料No.1〜13にX線露光を与え、
実施例1の現像液、定着液を使用して処理した。但し自
動現像機は実施例1で用いたSRX-501を改造して搬送ス
ピードを速めたものを用い、以下の迅速処理条件Bで各
試料をランニング平衡に達するまで処理し、ランニング
平衡液1及びランニング平衡液2を作った。超迅速処理
条件B 補充条件 〔四つ切サイズ(10×12インチ)1枚当たり〕 ランニング平衡液1 ランニング平衡液2 (条件1) (条件2) 現像補充量 14.0ml 7.0ml (180ml/m2) (90ml/m2) 定着補充量 14.0ml 7.0ml (180ml/m2) (9Oml/m2) 実施例1で作成した試料No.1〜13を上記のランニング
平衡液1(条件1)及びランニング平衡液2(条件2)を用
いて上記の迅速処理条件Bで処理し、感度及びローラー
マークの評価を行った。
【0109】
【表2】
【0110】表2から明かなように本発明に係る試料は
比較試料と較べて、低補充量での超迅速処理でも感度の
低下が小さく、かつローラーマークの発生がない圧力耐
性に優れた写真要素が得られることが分かる。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば高感度で、かつローラー
マークの発生が無く圧力耐性の優れた写真要素を得られ
た。さらに低い充量での超迅速処理でも感度の低下が少
なく、ローラーマークの発生がない圧力耐性に優れた写
真要素が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/29 5/31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層を有する写真要素
    において、該非感光性親水性コロイド層の少なくとも1
    層に有機物凝集粒子を含有し、かつ支持体片側の全親水
    性コロイド層のゼラチン量が1.3g乃至2.5g/m2である
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真要素。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1
    層にセレン増感されたアスペクト比2以上の平板状ハロ
    ゲン化銀粒子を含有することを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化銀写真要素。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2記載のハロゲ
    ン化銀写真要素1m2当たり35乃至98ミリリットルの現像
    補充液で、全処理時間が10乃至30秒である自動現像機で
    処理することを特徴とするハロゲン化銀写真要素の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に
    粒径が1乃至300nmの無機微粒子を含有することを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のハロゲン化銀写真要
    素。
  5. 【請求項5】 粒径が1乃至300nmの無機微粒子の主成
    分が、アンチモン、イットリウム、ニオブから選ばれる
    ことを特徴とする請求項2記載のハロゲン化銀写真要
    素。
  6. 【請求項6】 前記請求項4又は請求項5記載のハロゲ
    ン化銀写真要素1m2当たり35乃至98ミリリットルの現像
    補充液で、全処理時間が10乃至30秒である自動現像機で
    処理することを特徴とするハロゲン化銀写真要素の処理
    方法。
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