JPH0858541A - 回転速度センサの取り付け孔構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端部分がＬ字型の磁極子を持つ回転速度セ
ンサの取り付けを容易にする取り付け孔構造を提供す
る。 【構成】 支持板１の上面側で、貫通孔２の縁にＣ面２
ａを形成している。回転速度センサ３を斜めにして、磁
極子４のＬ字型の先端部分を貫通孔２に通し、ハウジン
グ５を貫通孔２に嵌め込めば、回転速度センサ３を容易
に取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車に組み
込まれて、車輪の回転速度を検出する回転速度センサの
取り付け孔構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の回転速度センサは、例えば自動
車のＡＢＳ（anti lock brake system）に適用されて、
車輪の回転速度を検出する。車輪の回転速度を検出する
場合、この回転速度センサをタイヤハウス内に配設する
ことが多く、自動車の複雑な部位に取り付けるので、様
々な制約を受ける。

【０００３】図５には、従来の回転速度センサが例示さ
れている。同図において、磁性体ロータ２１は、自動車
の車軸に取り付けられて、この車軸と共に回転する。回
転速度センサ２２は、この磁性体ロータ２１の回転速度
を検出する。

【０００４】この回転速度センサ２２は、ハウジング２
３の外周にブラケット２４をロウ付けし、磁極子２５、
磁石２６、ヨーク２７、ボビン２８、およびコイル２９
を一体化したものをハウジング２３に収納し、ボビン２
８の各端子ピン３１にケーブル３２を接続し、ハウジン
グ２３の開口部２３ａをモールド樹脂３３によって封止
してなる。

【０００５】磁性体ロータ２１は、例えば歯車の歯のよ
うな多数の凹凸を持つ。このため、磁性体ロータ２１が
回転すると、磁極子２５を通る磁束が変化して、コイル
２９の電流が変化する。このコイル２９の出力をケーブ
ル３２を通じて外部に取り出し、このコイル２９の出力
に基づいて、回転速度を検出する。

【０００６】ところで、先に述べたように、この種の回
転速度センサは、自動車の複雑な部位に取り付けられる
ので、様々な制約を受ける。このため、回転速度センサ
を磁性体ロータの近くに配置できず、磁極子の先端部分
を磁性体ロータに接近させ難いことがある。この場合
は、磁極子の先端部分を延長して、その形状を複雑化す
るしかなく、例えば図６に示すようにハウジング４１か
ら突出する磁極子４２の先端部分をＬ字型に形成してい
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先端部
分がＬ字型の磁極子４２を持つ回転速度センサの場合、
図７に示すように先端部分を支持板４３の円形の貫通孔
４４に通し難く、このために取り付け作業が困難になっ
た。

【０００８】これに対処するには、例えば貫通孔４４の
径を大きくすれば良いが、これに伴って、ブラケット４
５の形状や大きさを変更する必要がある。つまり、部品
の多様化を招くことになり、好ましくない。

【０００９】そこで、この発明の課題は、先端部分がＬ
字型の磁極子を持つ回転速度センサの取り付けを容易に
する取り付け孔構造を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第１発明の回転速度センサの取り付け孔構造では、
磁極子の略Ｌ字型の先端部分を通す貫通孔を支持板に開
け、この磁極子の先端部分が突出する側で、支持板の貫
通孔の縁にＣ面及び座グリ面のうちのいずれかを形成し
ている。

【００１１】また、第２発明の回転速度センサの取り付
け孔構造では、磁極子の略Ｌ字型の先端部分を通す貫通
孔を支持板に開け、この貫通孔を鍵型に形成している。

【００１２】

【作用】第１発明によれば、磁極子のＬ字型の先端部分
が突出する側で、支持板の貫通孔の縁にＣ面及び座グリ
面のうちのいずれかを形成している。これらのＣ面及び
座グリ面のいずれもが、貫通孔の縁を薄くするので、こ
の貫通孔に磁極子のＬ字型の先端部分が通り易くなる。

【００１３】また、第２発明によれば、支持板の貫通孔
を鍵型に形成している。貫通孔が鍵型であれば、この貫
通孔が部分的に広がるので、磁極子のＬ字型の先端部分
が通り易い。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
て説明する。

【００１５】図１は、第１発明の取り付け孔構造の一実
施例を示している。この実施例では、支持板１の上面側
で、貫通孔２の縁にＣ面２ａを形成している。

【００１６】この支持板１には、図２（ａ），（ｂ）に
示す手順に従って、回転速度センサ３が取り付けられ
る。図２（ａ）には、回転速度センサ３を斜めにして、
磁極子４のＬ字型の先端部分を貫通孔２に通した様子が
示されている。図２（ｂ）には、ハウジング５を貫通孔
２に嵌め込んだ様子が示されている。

【００１７】これらの図１及び図２から明らかなよう
に、貫通孔２の径を大きくしたり、回転速度センサ３の
部品を変更せずとも、貫通孔２の縁にＣ面２ａを形成す
るだけで、回転速度センサ３の取り付けが容易になる。

【００１８】しかも、図７に示す回転速度センサの磁極
子４２と比較して、この回転速度センサ３の磁極子４の
方が側方に長く延びているにもかかわらず、この磁極子
４を貫通孔２に通すことが可能となる。

【００１９】図３は、第１発明の取り付け孔構造の他の
実施例を示している。ここでは、支持板６の上面側で、
貫通孔７の縁に座グリ面７ａを形成している。

【００２０】この支持板６の場合も、図２（ａ），
（ｂ）と同様な手順に従って、回転速度センサ３を容易
に取り付けることができる。

【００２１】図４（ａ），（ｂ）は、第２発明の取り付
け孔構造の一実施例を示している。

【００２２】ここでは、支持板８に、鍵型の貫通孔９を
開けている。

【００２３】この鍵型の貫通孔９の凹部９ａに、磁極子
４の先端部分を差し込めば、この磁極子４の先端部分を
貫通孔９に通すことができ、回転速度センサ３の取り付
けを容易に行える。

【００２４】

【効果】以上説明したように、この発明によれば、支持
板の貫通孔の縁にＣ面及び座グリ面のうちのいずれかを
形成するか、支持板の貫通孔を鍵型に形成することによ
り、磁極子のＬ字型の先端部分を通り易くしている。こ
のため、貫通孔の径を大きくしたり、回転速度センサの
部品を変更せずとも、回転速度センサの取り付けが容易
になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明の取り付け孔構造の一実施例を示す図

【図２】図１の実施例において回転速度センサを取り付
ける手順を示す図

【図３】第１発明の取り付け孔構造の他の実施例を示す
図

【図４】第２発明の取り付け孔構造の一実施例を示す図

【図５】回転速度センサを例示する断面図

【図６】先端部分が略Ｌ字型の磁極子を持つ回転速度セ
ンサを例示する図

【図７】図６の回転速度センサを取り付ける様子を示す
図

【符号の説明】

１，６，８ 支持板 ２，７ 貫通孔 ２ａ Ｃ面 ３ 回転速度センサ ４ 磁極子 ５ ハウジング ７ａ 座グリ面 ９ 鍵型の貫通孔 ９ａ 凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部分が略Ｌ字型に折れ曲がった磁極
   子と、この磁極子の先端部分を露出した状態で、この磁
   極子を収容するハウジングとを備える回転速度センサの
   取り付け孔構造であって、 磁極子の先端部分を通す貫通孔を支持板に開け、この磁
   極子の先端部分が突出する側で、支持板の貫通孔の縁に
   Ｃ面及び座グリ面のうちのいずれかを形成した回転速度
   センサの取り付け孔構造。
2. 【請求項２】 先端部分が略Ｌ字型に折れ曲がった磁極
   子と、この磁極子の先端部分を突出させた状態で、この
   磁極子を収容するハウジングとを備える回転速度センサ
   の取り付け孔構造であって、 磁極子の先端部分を通す貫通孔を支持板に開け、この貫
   通孔を鍵型に形成した回転速度センサの取り付け孔構
   造。