JPH0857951A - 写真用支持体の製造方法 - Google Patents

写真用支持体の製造方法

Info

Publication number
JPH0857951A
JPH0857951A JP6203757A JP20375794A JPH0857951A JP H0857951 A JPH0857951 A JP H0857951A JP 6203757 A JP6203757 A JP 6203757A JP 20375794 A JP20375794 A JP 20375794A JP H0857951 A JPH0857951 A JP H0857951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
temperature
layer
photographic
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6203757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3565356B2 (ja
Inventor
Fumio Kawamoto
二三男 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP20375794A priority Critical patent/JP3565356B2/ja
Publication of JPH0857951A publication Critical patent/JPH0857951A/ja
Priority to US08/891,078 priority patent/US5736309A/en
Priority to US09/005,600 priority patent/US6022679A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3565356B2 publication Critical patent/JP3565356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/795Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers the base being of macromolecular substances
    • G03C1/7954Polyesters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/43Process
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/60Temperature
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S430/00Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/136Coating process making radiation sensitive element

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】写真特性、接着性に優れ、かぶりの少ない写真
用支持体の製造方法を開発することにある。 【構成】溶融押し出し機の入り口温度をポリマーの溶融
温度(Tm )−10℃〜Tm +15℃、スクリュー中央
部の温度をTm 〜Tm +30℃、出口の温度をTm +1
0℃〜Tm +35℃に設定して未延伸フィルムを製膜
後、2軸延伸、熱固定を行う写真用ポリエステルフィル
ムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真特性に優れ、接着性
の良好なハロゲン化銀写真感光材料用支持体の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年写真感光材料の用途は多様化してお
り、撮影時のフィルム搬送の高速化、撮影倍率の高倍率
化、ならびに撮影装置の小型化が著しく進んでいる。そ
の際には、写真感光材料用の支持体としては、強度、寸
度安定性、薄膜化等の性質が要求される。さらに、撮影
装置の小型化に伴い、パトローネの小型化の要求が強く
なっている。従来の135システムでは、パトローネ内
部で最も巻径の小さくなる36枚撮フィルムでも、巻径
は14mmである。これを10mm以下に小型化しようとす
ると著しい巻ぐせが付き、ミニラボ自動現像機で現像処
理を行うと、フィルム先端がリーダーに固定されている
だけで、巻ぐせの強い巻芯側の後端は固定されないた
め、フィルムが巻上り、ここへの処理液の供給が遅れ
“処理ムラ”の発生原因となる。また、このフィルムの
巻上りは、ミニラボ中のローラーで押しつぶされ、“折
れ”が発生する。
【0003】この問題を解決するため、ポリエステル支
持体をガラス転移温度(以降Tgと略する)以下の温度
で加熱処理し、巻癖をつきにくくする方法が提案されて
いる。しかし、このようなポリエステル支持体上に、従
来TAC支持体に塗設していたハロゲン化銀感光層を塗
布すると、カラーネガ感材では低濃度発色部の色素濃度
が上昇しやすく、カラーポジ感材では、高濃度発色部の
色素濃度が低下しやすい。このようなポリエステル中の
アセトアルデヒドの量を抑制する方法が、特開平6−1
16378号公報および特開平6−116378号公報
に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、写真特性、接着性、力学強度に優れ、かつ巻癖のつ
きにくく、かぶりの発生しない写真用ポリエステル支持
体の製造方法を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの課題は、溶融押
し出し機の入り口温度をポリマーの溶融温度(Tm)−1
0℃〜Tm +15℃、スクリュー中央部の温度をTm 〜
Tm +30℃、出口の温度をTm +10℃〜Tm +35
℃に設定して未延伸フィルムを製膜後、2軸延伸、熱固
定を行うことを特徴とする写真用ポリエステルフィルム
の製造方法により達成された。また、表面積(mm2)/
体積(mm3)が0.5以上のポリエステルペレットを、
Tg +10℃以上、Tm −20℃以下で熱処理したあ
と、溶融押し出ししたことを特徴とする写真用2軸延伸
ポリエステルフィルムの製造方法により、製膜後に残存
するポリエステル支持体中のオリゴマー量が、1.5〜
0mg/m2 、より好ましくは1.0〜0mg/m2
さらに好ましくは0.7〜0mg/m2 のポリエステル
支持体によって達成された。
【0006】ポリエステルの製膜は通常、溶融押し出
し、延伸、熱固定の順に実施されるが、最も高温で処理
されるのが溶融押し出し工程であり、ここで最もアセト
アルデヒドを発生しやすい。従って、この工程での熱供
給方法を改善することで、高温部でのアセトアルデヒド
の発生を抑制し、同時に、押し出し時温度を下げた時に
発生しがちな、溶解不足から生じる面状の低下も防止し
た。押し出しは、通常加熱したスクリューの中をポリマ
ーペレットを通過させて溶融するが、本発明では、ここ
での温度を一定温度ではなく、いくつかのブロックに分
けて、入り口側から特定のパターンでスクリューを昇温
する。好ましい昇温パタ−ンは、入り口温度をポリマ−
の溶融温度(Tm)−10℃〜Tm +15℃、より好まし
くはTm 〜Tm +10℃、スクリュー中央部の温度をT
m 〜Tm +30℃、より好ましくはTm +10〜Tm +
25℃、出口での温度をTm +10℃〜Tm +35℃、
より好ましくはTm +15〜Tm +30℃、に昇温する
ことが好ましい。
【0007】アセトアルデヒドの発生はTm +10℃を
越えると発生量が急激に増加しはじめる。一方、極めて
均質性の要求される写真用支持体を製膜するためには、
十分にポリマーを溶融してたのち製膜するのが好まし
く、それにはTm +10℃以上の温度が必要である。従
って、製膜には、Tm +10℃以上の温度が必要である
が、その時間はなるべく短くする必要がある。このため
に、ポリマーへの熱の供給が律速となるスクリュー入り
口では、なるべく温度を下げ、高温に曝される時間をな
るべく短くする。このような押し出し工程は3分〜30
分、より好ましくは4分〜20分、さらに好ましくは5
分〜15分で行うのが好ましい。これ以上の時間では、
アセトアルデヒドの発生量が多くなり、これ以下では製
膜後のフィルムの均質性が低下、即ちポリマーの溶け残
りを発生しやすい。この方法により本発明では、アセト
アルデヒドを0.5〜5ppmの範囲に、好ましくは4
ppm以下に、更に好ましくは4ppm以下に抑えるこ
とができる。
【0008】又、ポリエステルの表面にオリゴマーが存
在すると、接着性が大きく低下する。このようなオリゴ
マーは、主に2〜5量体からなり、一部のオリゴマー
は、環を形成している。また、エステル交換法で重合し
た場合のオリゴマーは、末端は、水酸基でおわっている
ものが大半を占めている。このような残留オリゴマーの
量を抑制するためには、押し出し前に、重合中に発生し
たものを、加熱してペレット中から追い出しておくこと
が効果的である。本発明のポリエステル支持体のペレッ
トからの脱オリゴマー処理は、拡散律速であるため、な
るべく単位体積当たりの表面積を大きくすることがポイ
ントである。好ましくは、表面積(mm2)/体積(mm
3)が0.5以上、さらに好ましくは0.8以上、さらに
好ましくは1以上である。この範囲以上では、脱アセト
アルデヒド処理に時間を要し好ましくない。このペレッ
トの熱処理温度は、Tg +10℃以上、Tm −20℃以
下、より好ましくはTg +30℃以上Tm −35℃以
下、さらに好ましくはTg +50℃以上Tm −40℃の
温度で、30分〜24時間、より好ましくは1時間〜1
2時間、さらに好ましくは2時間〜6時間実施するのが
好ましい。この範囲以下では、拡散速度が大きく低下し
長い処理時間を要する。一方この範囲以上では、再びポ
リエステルの分解によりアセトアルデヒドの生成量が増
加し好ましくない上、ペレットが融着をおこし取扱い性
が低下する。さらに、このような処理は、真空中、ある
いは不活性気体(例えば窒素)気流中で行うことが好ま
しい。これにより、加水分解や酸化による分子量の低下
や着色を防止できる。この処理により、製膜後のフィル
ム中に残存するオリゴマー量は、1.5〜0mg/
2 、より好ましくは1.0〜0mg/m2 、さらに好
ましくは0.7〜0mg/m2 にするのがよい。これに
より接着性の良好な支持体をえることができる。さら
に、上述のような形態のペレットに対して、上記熱処理
を実施することにより、同時に合成中に発生したアセト
アルデヒドを効率的にペレットの外に追い出すことがで
きる効果も有する。
【0009】本発明の方法によるポリエステル中のジカ
ルボン酸のモノマーの中で、好ましい芳香族ジカルボン
酸としてナフタレンジカルボン酸(2,6−、1,5
−、1,4−、2,7−)、テレフタル酸(TPA)、
イソフタル酸(IPA)、オルトフタル酸(OPA)、
パラフェニレンジカルボン酸(PPDC)、さらに2,
6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−NDCA)が好
ましい。全ジカルボン酸残基中に含まれるナフタレンジ
カルボン酸の含率が少なくとも30mol%以上である
ことが好ましい。より好ましくは、50mol%以上、
さらに好ましくは、70mol%以上である。ジオール
は、エチレングリコール(EG)、シクロヘキサンジメ
タノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NP
G)、ビスフェノールA(BPA)、ビフェノール(B
P)が好ましく、さらにエチレングリコールが好まし
い。また、ヒドロキシカルボン酸としてパラヒドロキシ
安息香酸(PHBA)、6−ヒドロキシ−2−ナフタレ
ンカルボン酸(HNCA)を用いてもよい。これらの、
ナフタレンジカルボン酸残基、エチレングリコール残基
はいずれも、共重合体の形で存在してもよく、またポリ
マーブレンドの形で存在してもよい。
【0010】これらモノマ−を重合してポリエステルを
形成するが、好ましいの例として、ポリエチレンナフタ
レート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレー
ト(PCT)等のホモポリマー、およびテレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコール
のコポリマー(テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸の混合モル比は0.5:0.5〜0:1.0の
間が好ましく、0.7:0.4〜0:1.0が更に好ま
しい。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレン
グリコール、ビスフェノールAのコポリマー(エチレン
グリコールとビスフェノールAの混合モル比は0.5:
0.5〜1.0:0の間が好ましく、更には0.6:
0.5〜1.0:0が好ましい。)、イソフタール酸、
パラフェニレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸とエチレングリコールのコポリマー(イソフタ
ール酸;パラフェニレンジカルボン酸のモル比はナフタ
レンジカルボン酸を1とした時それぞれ0.1〜0.
5、0.1〜0.5、更に好ましくは、それぞれ0.2
〜0.3、0.2〜0.3が好ましい)、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ネオペンチルグリコールとエチレ
ングリコールのコポリマー(ネオペンチルグリコールと
エチレングリコールのモル比は0.5:0.5〜0.
3:0.7が好ましい)、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、エチレングリコールとビフェノールのコポリマー
(エチレングリコールとビフェノールのモル比は、0.
5:0.5〜1.0:0が好ましく、さらに好ましくは
0.7:0.3〜1.0:0である。)、パラヒドロキ
シ安息香酸、エチレングリコールと2,6−ナフタレン
ジカルボン酸のコポリマー(パラヒドロキシ安息香酸、
エチレングリコールのモル比は0.5:0.5〜0.
1:0.9が好ましく、さらに好ましくは0.3:0.
7〜1.0:0)等の共重合体が好ましい。これらのな
かで、力学強度、巻癖のの付き難さで、最も優れるポリ
マーがポリエチレンナフタレート、なかでもポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート(PEN)である。これらの
ポリエチレンナフタレートフィルムは、その特性を損な
わない範囲において、共重合およびポリマーブレンドを
行ってもよい。
【0011】これらのホモポリマーおよびコポリマー
は、従来公知のポリエステルの製造方法に従って合成で
きる。例えば酸成分をグリコール成分と直接エステル化
反応してもよく(直重法)、または酸成分としてジアル
キルエステル(例えばジメチルエステル、やジエチルエ
ステルが好ましい)を用いて、グリコール成分とエステ
ル交換反応をし、これを減圧下で加熱して余剰のグリコ
ール成分を除去してもよい(エステル交換法)。あるい
は、酸成分を酸ハライドとしておき、グリコールと反応
させてもよい。なかでも好ましいのはエステル交換法で
ある。これらの重合時、必要に応じて、エステル交換反
応触媒あるいは重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化剤
(例えば亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスフェー
ト、トリエチルフォスフェート、テトラエチルアンモニ
ウム)を添加してもよい。
【0012】また、これらの中に経時安定性付与の目的
で紫外線吸収剤を添加しても良い。紫外線吸収剤として
は、可視領域に吸収を持たないものが望ましく、かつそ
の添加量はポリマーフィルムの重量に対して通常0.5
重量%ないし20重量%、好ましくは1重量%ないし1
0重量%程度である。0.5重量%未満では紫外線劣化
を抑える効果を期待できない。紫外線吸収剤としては
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−
テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロ
キシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなどのベン
ゾフェノン系、2(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2(2′−ヒドロキシ−3′−ジ−t−ブチル−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチ
ル等のサリチル酸系紫外線収剤が挙げられる。
【0013】また、芳香族系ポリエステルの屈折率は、
1.6〜1.7と高いのに対し、この上に塗設する感光
層の主成分であるゼラチンの屈折率は1.50〜1.5
5とこの値より小さいので、光がフィルムエッジから入
射した時、ベースと乳剤層の界面で反射していわゆるラ
イトパイピング現象(縁被り)を起こす。この様なライ
トパイピング現象を回避するため、フィルムに不活性無
機粒子等を含有させる方法ならびに染料を添加する方法
等が知られている。染料添加による方法はフィルムヘイ
ズを著しく増加させないので好ましい。フィルム染色に
使用する染料については、色調は感光材料の一般的な性
質上グレー染色が好ましく、ポリエステルフィルムの製
膜温度域での耐熱性に優れ、かつポリエステルとの相溶
性に優れたものが好ましい。染料としては、上記の観点
から三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKa
yaset等ポリエステル用として市販されている染料
を混合することにより目的を達成することが可能であ
る。
【0014】本発明によるポリエステルフィルムは、用
途に応じて易滑性を付与することも可能であり、不活性
無機化合物の練り込み、あるいは界面活性剤の塗布等が
一般的手法として用いられる。このような不活性無機粒
子としてはSiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO
3 、タルク、カオリン等が例示される。また、上記のポ
リエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する外部粒
子系による易滑性付与以外にポリエステルの重合反応時
に添加する触媒等を析出させる内部粒子系による易滑性
付与方法も採用可能である。外部粒子系としてはポリエ
ステルフィルムと比較的近い屈折率をもつSiO2 、あ
るいは析出する粒子径を比較的小さくすることが可能な
内部粒子系を選択することが望ましい。更には、よりフ
ィルムの透明性を得るために機能付与した層を積層する
方法も好ましい。この手段としては具体的には複数の押
し出し機ならびにフィードブロック、あるいはマルチマ
ニフォールドダイによる共押出し法が例示される。これ
らのポリエステル合成法については、例えば、高分子実
験学第5巻「重縮合と重付加」(共立出版、1980
年)第103頁〜第136頁、“合成高分子V”(朝倉
書店、1971年)第187頁〜第286頁の記載や特
開平5−163337、同3−179052、同2−3
420、同1−275628、特開昭62−29072
2、同61−241316等を参考に行うことができ
る。このようにして重合したポリマ−は、オルソクロロ
フェノ−ル溶媒中にて、35℃で測定した極限粘度が
0.40以上,0.9以下のものが好ましく、0.45
〜0.70のものがさらに好ましい。
【0015】これらのポリエステルのなかで、ガラス転
移温度(Tg)が90℃以上200℃以下のものが好ま
しく、より好ましくは95℃以上190℃以下、さらに
好ましくは100℃以上180℃以下である。
【0016】次に本発明に用いるポリエステルの好まし
い具体的化合物例を示すが、本発明がこれに限定される
ものではない。 ポリエステル ホモポリマー例 P−1:ポリエチレンナフタレート(PEN) 〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコー ル(EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ ポリエステル コポリマー例(括弧内の数字はモル比を示す) P−2: 2,6−NDCA/TPA/EG(90/10/100) Tg=109℃ P−3: 2,6−NDCA/TPA/EG(75/25/100) Tg=102℃ P−4: 2,6−NDCA/TPA/EG/BPA(50/50/75/ 25) Tg=112℃ P−5: 2,6−NDCA/EG/BPA(100/50/50) Tg=155℃ P−6: 2,6−NDCA/EG/BPA(100/90/10) Tg=125℃ P−7: 2,6−NDCA/EG/CHDM/BPA(100/50/25 /25) Tg=130℃ P−8: 2,6−NDCA/EG/PEG(平均分子量100) (100/ 80/20) Tg=105℃ P−9: 2,6−NDCA/NPG/EG(100/50/50) Tg=135℃ P−10:2,6−NDCA/EG/BP(100/80/20) Tg=125℃ P−11:PHBA/EG/2,6−NDCA(200/100/100) Tg=150℃
【0017】 ポリエステル ポリマ−ブレンド例(括弧内の数字は重量比を示す) P−12:PEN/PET(60/40) Tg= 95℃ P−13:PEN/PET(80/20) Tg=104℃ P−14:PAr/PEN(10/90) Tg=127℃ P−15:PAr/PCT/PEN(10/10/80) Tg=135℃ P−16:PAr/PC/PEN(10/10/80) Tg=140℃ P−17:PEN/PET/PAr(50/25/25) Tg=108℃
【0018】このようにして重合したPENあるいは、
変性PENをペレットを上記大きさにペレット化した
後、先述の方法にしたがって、脱アセトアルデヒド、脱
オリゴマー処理のための熱処理を実施する。このように
して得たペレットを上記方法にしたがって、押し出し機
のなかで溶融した後、常法に従って延伸製膜する。押し
出された溶融ポリマーは、フィルターを用いて溶融ポリ
マーをあらかじめろ過しておくほうが好ましい。フィル
ターとしては、金網、焼結金網、焼結金属、サンド、グ
ラスファイバーなどが挙げられる。この後、溶融ポリマ
ーは冷却ドラム上にキャストされるが、ドラムとの密着
がフィルム表面の平坦性を決定する大きな因子となる。
このため、T−ダイ口金と冷却ドラムの間に高電圧を印
加する電極を設け、未固化のポリマーに電荷を発生さ
せ、冷却ドラムとの密着を高める(以下、静電密着と略
する)ことが好ましい。このようにして得た未延伸フィ
ルムの固有粘度は0.45〜0.9が好ましい。2種以
上のポリマーブレンドを行うときは、通常の多軸混練押
し出し機を利用すればよい。また、積層体を製膜すると
きは、共押し出し法、インラインラミネート法、オフラ
インラミネート法いずれで行っても良い。このうち、共
押し出し法は、フィードブロック、あるいは、マルチマ
ニフォールドを用いて製膜できる。前者は層数に応じた
マニホールドをもち、ダイライン部で合流させるもので
あり、一方後者は、単層用ダイの導管部で層状に合流機
構をもたせたものである。インラインラミネート法は未
延伸、あるいは1軸延伸後のフィルムを積層させたあ
と、さらに延伸し2軸延伸フィルムとするものであり、
オフラインラミネート法は、2軸延伸成型後に熱あるい
は接着剤等で積層させるものである。
【0019】このようにして得た未延伸フィルムは、同
時あるいは逐次2軸延伸、熱固定、熱緩和を行って、延
伸フィルムを形成する。縦方向・横方向の延伸回数は限
定されるものではない。該未延伸フィルムを一軸方向
(縦方向または横方向)に(Tg−10)〜(Tg+7
0)℃の温度で2.5〜4.0倍の倍率で延伸し、次い
で上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の場合
には、二段目延伸は横方向となる)にTg(℃)〜(T
g+70)℃の温度で2.5〜4.0倍の倍率で延伸す
ることで製造できる。好ましくは、縦延伸は、2.7〜
3.8倍、更に好ましくは、2.8〜3.5倍、横延伸
は好ましくは、2.5〜4.0倍、より好ましくは、
2.7〜3.8倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍
である。縦、横とも延伸倍率が小さいとベースの平面性
が悪く、強度も不十分である。一方、延伸倍率が大きい
と面配向性が大きくなり、へきかいが発生しやすくな
り、加工(穿孔)時のくず発生の原因となる。更に、こ
のようにして得た二軸配向フィルムに、(Tg+70)
℃〜Tm(℃)の温度で熱固定することが好ましい。例
えばポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムにつ
いては190〜250℃で熱固定することが好ましく、
熱固定時間は例えば1〜60秒、より好ましくは5秒〜
30秒である。また、延伸中にUS−5,076,97
7に示したような方法でフィルム面の表裏に温度差を与
え、逆カ−ルを付与してもよい。これにより、フィルム
は低温側の面を内側にしてカールしやすくなるため、こ
の反対面に感光層を塗設すれば、感光層の低湿下での収
縮により発生する幅方向のカ−ルを軽減させることが可
能である。以上のような2軸延伸製膜法は、特開昭50
−109,715号、特開昭50−95,374号等に
記載されている方法を用いてもよい。
【0020】支持体の厚みは60〜100μmであるこ
とが好ましい。より好ましくは70〜100μm、さら
に好ましくは80〜95μmである。この範囲以下で
は、力学強度が不足し、乾燥下で乳剤層の収縮に起因す
る樋状のカ−ルが発生し、その結果、焦点ボケや擦り傷
の発生の原因となりやすい。このようにして得られた支
持体中に含まれるアセトアルデヒド含率は、0ppm以
上5ppm以下、さらに好ましくは、0ppm以上4p
pm以下、0ppm以上3ppm以下であることが好ま
しい。
【0021】次に本発明の熱処理方法についてのべる。
US−4,141,735記載のような50℃以上Tg
以下の熱処理によって支持体に巻癖をつきにくくするこ
とが可能である。この熱処理は、50℃以上Tg未満、
より好ましくはTg−35℃以上Tg未満、さらに好ま
しくはTg −20℃以上Tg未満で熱処理を行う。50
℃未満で行うと十分な巻き癖効果を得るためには長時間
を要し工業生産性が劣り、一方Tg以上の温度では巻癖
をつきにくくすることが十分に達成できない。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、昇温ある
いは冷却しながら熱処理してもよい。このような熱処理
時間は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ま
しくは0.5時間以上500時間以下、さらに好ましく
は1時間以上300時間以下である。0.1時間以下で
は十分な効果を得ることができず、1500時間以上で
は効果が飽和する一方、支持体の着色や脆化が起こりや
すくなる。
【0022】このような支持体の熱処理は、ロール状あ
るいは、ウェブ状で搬送しながら実施することが考えら
れる。ロール状で熱処理する場合、ロ−ルを室温から恒
温槽中で熱処理する方(以降低温巻取り法と呼ぶ)、ウ
ェブ搬送中に所定温度にした後ロール状に巻取り熱処理
する方法(以降高温巻取り法と呼ぶ)のいずれの方法で
実施してもよいが、より巻癖をつきにくくすることので
き、また設備投資が少なくてすむ後者のほうがより好ま
しい。このような熱処理は、製膜後から感光層塗布まで
の間、どこで実施してもよいが、感光層の下塗り前、表
面処理後に実施するのが好ましい。しかし,このような
巻癖をつきにくくするための熱処理は、比較的低温なが
ら長時間実施するため、アセトアルデヒドが発生しやす
い。さらに、このような熱処理を工業規模で実施するた
めには、ロール状で行うため、発生したアセトアルデヒ
ドが逃げにくい。このため、アセトアルデヒドの少ない
ポリエステル支持体が必要とされていた。本発明の支持
体はアセトアルデヒド含量が少ないため、この熱処理後
においても、十分に含量を少なく抑えることが可能であ
り、効果的な方法である。
【0023】本発明の方法によるポリエステル誘導体か
らなる支持体上に写真層(例えば感光性ハロゲン化銀乳
剤層、中間層、フィルター層、導電性層、など)を強固
に接着させるためには薬品処理、機械的処理、コロナ処
理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー処理、
活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸
化処理、などの表面活性化処理をした後、直接写真層を
塗布する手法、あるいは一旦これらの表面処理をした
後、下塗り層を設けこの上に写真乳剤層を塗布する方法
が有効である。
【0024】コロナ処理は、最もよく知られている方法
であり、放電周波数は50Hz〜5000kHz 、好ましく
は5kHz 〜数100kHz が適当である。放電周波数が小
さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物にピン
ホールが生じ、好ましくない。又周波数が高すぎると、
インピーダンスマッチングのための特別な装置が必要と
なり、装置の価格が高くなり、好ましくない。被処理物
の処理強度に関しては、通常のポリエステル誘導体の濡
れ性改良の為には、0.001KV・A ・分/m2〜5KV・
A ・分/m2、好ましくは0.01KV・A ・分/m2〜1KV
・A ・分/m2、が適当である。電極と誘電体ロールのギ
ャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは
1.0〜2.0mmが適当である。例えば、Pillar
社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用
いるた場合、処理時の放電周波数は、5〜40KHz、
より好ましくは10〜30KHzである。また波形は交
流正弦波が好ましい。電極と誘電体ロールのギャップク
リアランスは1〜2mm、より好ましくは1. 4〜1.
6mmである。また処理量は、0. 3〜0. 4KV・A
・分/m2 、より好ましくは0.34〜0.38KV・
A・分/m2 である。
【0025】紫外線照射処理の方法については、365
nmを主波長とする高圧水銀ランプであれば、照射光量
20〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましく
は50〜2000(mJ/cm2)である。254nmを
主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量10
0〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは
200〜1500(mJ/cm2)である。
【0026】本発明のグロー処理では、特に雰囲気に水
蒸気を導入した場合において最も優れた接着効果を得る
ことができる。また、この手法は支持体の黄色化抑制,
ブロッキング防止にも非常に有効である。水蒸気の存在
下でグロー処理を実施する時の水蒸気分圧は、10%以
上100%以下が好ましく、更に好ましくは40%以上
90%以下である。10%未満では充分な接着性を得る
ことが困難となる。水蒸気以外のガスは酸素、窒素等か
らなる空気である。このようなグロー放電の処理雰囲気
中に水蒸気を定量的に導入する方法は、グロー放電処理
装置に取付けたサンプリングチューブからガスを4極子
型質量分析器(日本真空製MSQ−150)に導き、組
成を定量しながら行うことで達成できる。さらに、表面
処理すべき支持体を加熱した状態で真空グロー処理を行
うと、常温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が
向上し、支持体の黄色化も大幅に減少させることができ
る。ここで述べる予熱は後述する巻き癖改良のための熱
処理とは異なる。予熱温度は50℃以上Tg以下が好ま
しく、70℃以上Tg以下がより好ましく、90℃以上
Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱する
と接着が悪化する。真空中で支持体表面温度を上げる具
体的方法としては、赤外線ヒータによる加熱、熱ロール
に接触させることによる加熱等がある。加熱方法は広く
公知の加熱方法を利用することができる。グロー処理
は、冷媒流路となる中空部を持つ電極をフィルムの幅方
向に複数対向させて設置し、支持体を搬送しながら処理
するのが好ましい。
【0027】グロー処理時の真空度は0.005〜20
Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.02〜2
Torrである。圧力が低すぎると支持体表面を十分に改質
することができず、充分な接着性を得ることができな
い。一方、圧力が高すぎると安定な放電が起こらない。
また、電圧は、500〜5000Vの間が好ましい。よ
り好ましくは500〜3000Vである。電圧が低過ぎ
ると支持体表面を十分に改質することができず、十分な
接着性を得ることができない。一方、電圧が高すぎると
表面が変質してしまい、逆に接着性が低下する。また、
使用する放電周波数は、従来技術に見られるように、直
流から数1000MHz、好ましくは50Hz〜20M
Hz、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。放
電処理強度は、0.01KV・A・分/m2 〜5KV・
A・分/m2 が好ましく、更に好ましくは0.15KV
・A・分/m2 〜1KV・A・分/m2 で所望の接着性
能が得られる。このようにして、グロー処理を施こした
支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げること
が好ましい。支持体は温度の上昇に伴ない外力により塑
性変形し易くなり、被処理支持体の平面性が損なわれて
しまう。さらに低分子量体(モノマー、オリゴマー等)
が支持体表面に析出し、透明性やブロッキング性を悪化
させる可能性がある。
【0028】火焔処理の方法は天然ガスでも液化プロパ
ンガスでもかまわないが、空気との混合比が重要であ
る。プロパンガスの場合は、プロパンガス/空気の好ま
しい混合比は、容積比で1/14〜1/22、好ましく
は1/16〜1/19である。また、天然ガスの場合
は、1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9であ
る。火焔処理は1〜50Kcal/m2 、より好ましく
は3〜30Kcal/m2の範囲で行うとよい。またバ
ーナーの内炎の先端と支持体の距離を4cm未満にする
とより効果的である。処理装置は春日電気(株)製フレ
ーム処理装置を用いることができる。また、火焔処理時
に支持体を支えるバックアップロールは中空型ロール
で、冷却水を通して水冷し、常に一定温度で処理するの
がよい。
【0029】本発明の支持体には、帯電防止層を付与す
ることが好ましい。このような帯電防止剤は特に制限さ
れず、導電性の帯電防止剤でも良いし、帯電列調整作用
を有する化合物でも良い。導電性帯電防止剤としては、
金属酸化物やイオン性化合物などを挙げることができ、
本発明で好ましく用いられる導電性の帯電防止剤は、現
像処理後も帯電防止性が失活しない導電性金属酸化物及
びその誘導体,導電性金属,炭素繊維,π共役系高分子
(ポリアリーレンビニレン等)などであり、この中でも
特に好ましく用いられる導電性材料は結晶性の金属酸化
物粒子である。この導電性金属酸化物粒子の最も好まし
い物は、ZnO、TiO2 、SnO2、Al2 3 、I
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V3
5 の中から選ばれた少なくとも1種の結晶性の金属酸
化物或いはこれらの複合酸化物の微粒子である。この中
で特に好ましい物は、SnO2 を主成分とし酸化アンチ
モン約5〜20%含有させ及び/又はさらに他成分(例
えば酸化珪素、ホウ素、リンなど)を含有させた導電性
材料である。これらの導電性の結晶性酸化物、或いはそ
の複合酸化物の微粒子はその体積抵抗率が107 Ωcm
以下、よりこのましくは106 Ω以下、さらに好ましく
は105 Ωcm以下である。この範囲以上では、十分な
帯電防止性をえることができない。またその粒子サイズ
は0.002〜0.7μm、特に0.005〜0.3μ
mであることが望ましい。これらの結晶性の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物の微粒子については特開昭
56−143430号、同 この導電性金属酸化物はバ
インダ−なしで塗布液から塗布されてもよく、好ましい
塗布量は1g/m2 以下であり、より好ましくは0.0
01〜0.5g/m2 、更に好ましくは0.005〜
0.3g/m2 、特に好ましくは、0.01〜0.3g
/m2 である。その場合更にその上にバインダーを塗布
することが好ましい。
【0030】また、本発明の導電性金属酸化物はバイン
ダーと共に塗布されることが更に好ましい。その時の金
属酸化物の好ましい塗布量は1g/m2 以下であり、よ
り好ましくは0.001〜0.5g/m2 、更に好まし
くは0.005〜0.5g/m2 、特に好ましくは0.
01〜0.3g/m2 である。バインダーの塗布量は
0.001〜2g/m2 が好ましく、より好ましくは
0.005〜1g/m2 、更に好ましくは0.01〜
0.5g/m2 である。この時、金属酸化物とバインダ
ーの重量比は1000/1〜1/1000が好ましく、
より好ましくは500/1〜1/500、更に好ましく
は250/1〜1/250である。又、これらの金属酸
化物は球形状のものと繊維状のものを混合して使用して
も良い。60−258541号に詳細に記載されてい
る。
【0031】次に表面処理した支持体と感光層の間に設
ける下塗り層について述べる。下塗り層としては、第1
層として支持体によく接着する層(以下、下塗り第1層
と略す)を設け、その上に第2層として下塗り第1層と
写真層をよく接着する層(以下、下塗り第2層と略す)
を塗布するいわゆる重層法と、支持体と写真層をよく接
着する層を一層のみ塗布する単層法とがある。重層法に
おける下塗り第1層では、例えば、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ブタジエン、酢酸ビニル、スチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸、ア
クリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の中から選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体、エポキシ樹脂、
ゼラチン、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニルなどが用
いられる。(これらについては E.H.Immergut“Polyme
r Handbook" a 187−231、Intersciense Pub.New
York 1966などに詳しい)。また、下塗り第2層で
は、主としてゼラチンが用いられる。
【0032】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。これらのゼラチンは、その
作製工程における種々の不純物、例えば0.01〜20
000ppmの金属類(Na,K,Li,Rb,Ca,
Mg,Ba,Ce,Fe,Sn,Pb,Al,Si,T
i,Au,Ag,Zn,Niなどの金属、及びそのイオ
ンなど)、イオン(F,Cl,Br,I,硫酸イオン、
硝酸イオン、酢酸イオン、アンモニウムイオンなど)を
含有していてもよい。特に石灰処理ゼラチンにおいては
Ca,Mgイオンを含有するのは当業界では常識であ
り、その含有量も10〜3000ppmと非常に幅広い
が、下塗塗布性能上1000ppm以下が好ましく、更
に好ましくは500ppm以下である。
【0033】本発明の下塗り層には、必要に応じて各種
の添加剤を含有させることができる。例えば界面活性
剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤着色用染料、顔
料、塗布助剤、カブレ防止剤等である。また、本発明の
下塗り層には画像の透明性や粒状性を実質的に損なわな
い程度に無機または、有機の微粒子をマット剤として含
有させることができる。無機の微粒子のマット剤として
はシリカ(SiO2),二酸化チタン(TiO2),炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用することができ
る。有機の微粒子マット剤としては、ポリメチルメタク
リレート、セルロ−スアセテートプロピオネート、ポリ
スチレン、米国特許第4、142、894号に記載され
ている処理液可溶性のもの、米国特許第4、396、7
06号に記載されているポリマーなどを用いることがで
きる。これらの微粒子マット剤の平均粒径は0.01〜
10μmのものが好ましい。より好ましくは、0.05
〜5μmである。また、その含有量は0.5〜600m
g/m2 が好ましく、更に好ましくは、1〜400mg
/m 2 である。本発明に使用される支持体を膨潤させる
化合物として、レゾルシン、クロルレゾルシン、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、フェノー
ル、o−クロルフェノール、p−クロルフェノール、ジ
クロルフェノール、トリクロルフェノール、モノクロル
酢酸、ジクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、抱水クロラー
ル等が用いられる。この中で好ましいのはレゾルシンと
p−クロルフェノールである。
【0034】本発明にかかわる下塗り液は、一般によく
知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアーナ
イフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、
ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは米国
特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法等により塗布する
ことができる。また必要に応じて、米国特許第2,76
1,791号、3,508,947号、2,941,8
98号、及び3,526,528号明細書、原崎勇次著
「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発
行)等に記載された方法により2層以上の層を同時に塗
布することができる。このような下塗り層の塗設は本発
明の熱処理後に実施するのが好ましい。これらの下塗り
層は、接着性を付与するための層であるため、粘着性を
有するものが多く、その結果きしみ値が上昇しやすく、
その結果熱処理後の平面性が低下しやすいためである。
【0035】次に本発明の写真感光材料の写真層につい
て記載する。ハロゲン化銀乳剤層としてはカラー用黒白
用何れでもよい。ここではカラーハロゲン化銀写真感光
材料について説明する。本発明の感光材料は、支持体上
に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロ
ゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特
に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質
的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲ
ン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有する
ハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設
置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっ
ても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれた
ような設置順をもとりえる。上記、ハロゲン化銀感光性
層の間および最上層、最下層には各層の中間層等の非感
光性層を設けてもよい。
【0036】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
O.17643および同NO.18716に記載されて
おり、その該当個所を後掲の表にまとめた。本発明に使
用できる公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・
ディスクロージャーに記載されており、下記の表に関連
する記載個所を示した。
【0037】 (添加剤種類) (RD17643) (RD18716) 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤および安定剤 24〜25頁 649頁右欄〜 6 光吸収剤、フィルター染料、 紫外線吸収剤 25〜26頁 649頁右欄〜 650頁左欄 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27頁 650頁右欄
【0038】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No. 17643の28〜29頁及び同No. 1
8716の615左欄〜右欄に記載された通常の方法に
よって現像処理する事が出来る。本発明のハロゲン化銀
カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発
色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色
現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例
えば米国特許第3,342,597号のインドアニリン
系化合物、同第3,342,599号、リサーチ・ディ
スクロージャー14,850号及び同15,159号記
載のシッフ塩基型化合物、同第13,924号に記載さ
れている。このようにして調製した写真感光材料は、外
径3〜10mmのスプールに巻き回されるのが好まし
い。外径が3mm以下では、現像時のトラブルな発生お
よび取扱い性の低下のため、これ以上スプールを小さく
することはできない。一方、外径が10mm以上のスプ
ールではカ−トリッジの小型化を達成できない。
【0039】最後に、本発明の測定法について説明を加
える。 1.支持体中のアセトアルデヒド含率 (1) 試料 製膜後の支持体(表面処理、塗布等いっさい行っていな
いもの)を40mm×50mmの大きさに切り出す。 (2) アセトアルデヒドの抽出 上記試料をパ−ジ&トラップ装置(例えば、日本分析工
業(株)製 JHJ-100型キュリ−ポイントヘッドスペ−
スサンプラ)中に入れ、50ml/分のヘリウムガスでパ
−ジしながら、150℃で30秒間加熱し、揮発した成
分を−80℃でトラップした。 (3) 測定 上記方法でトラップした成分を、急速加熱(385℃/10
秒)してGC/MS(例 えば、GC:ヒューレット
パッカード社製 HP-5890A型ガスクロマトグラフ、M
S:ヒューレットパッカート社製 HP-5970B型質量検出
器)に導入した。 GC条件 注入口温度:250℃ カラム温度:40℃で4分保持後、40→200℃に昇
温(10℃/分) カラム:J&W DB−WAX 0.25mm×30m (膜
厚:0.25 μm) 注入方式:スプリット法(スプリット比 1/200) キャリアガス:ヘリウム アセトアルデヒドの検出条件 アセトアルデヒドに由来するm/z=43に着目して、マスク
ロマトグラムを測定。ピークの同定は下記検量線用標準
液から、求めた。 検量線 80wt%のアセトアルデヒドをイソプロパノールで希釈
し、1mg/mlの標準液を調製した。これを、さらに1/
10に希釈したサンプルを調製した。この二つの標準液を
GC/MSに注入し、上と同様にm/z=43に着目して検量
線を作成した。 2.ガラス転移温度(Tg )、溶融温度(Tm ) 本発明で言うTg 、Tm は、走査型示差熱分析計(DS
C)を用いて求めることができる。すなわち、窒素気流
中でサンプル量10mgを、一度20℃/分で300℃
まで昇温後、室温まで急冷し、非晶としたあと、再び2
0℃/分で昇温したときにベースラインから偏奇しはじ
める温度と新たなベースラインに戻る温度の算術平均を
Tg とし、さらに昇温し吸熱側の現れる融解ピークの最
大吸熱量を示した後、再びベースラインに戻る温度をT
m とした。
【0040】3.残留オリゴマー量 フィルムをクロロホルム中に浸漬し、25℃において6
0分間放置する。この後、フィルムを取り去り、クロロ
ホルムを蒸発させ、残留物の量を秤量して求める。同量
のクロロホルムのみを蒸発させた時の残留量をブランク
として差引き、この重さ(mg)をサンプルの面積(m
2)で割った値を残留オリゴマー量とした。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。最初
に、本実施例で採用した評価・測定法について説明す
る。 1.写真性の評価 感材層を塗設した感光材料を35mm幅,12cm長に
裁断し、白光(4800K)の階調露光を与えてから、
1組は5℃、相対湿度30%に、もう1組は55℃、相
対湿度30%の条件下にそれぞれ7日間保存した後、カ
ラーネガ感材には後述のカラーネガ現像処理を行った。
これについて、B,G,Rの濃度測定を行い特性曲線を
得た。特性曲線からそれぞれ最小濃度および最小濃度+
0.2の濃度を与える露光量の逆数の対数値を求め、5
5℃、相対湿度30%の試料から得られた値と、5℃、
相対湿度30%の相対湿度の試料から得られた値の差の
絶対値(それぞれ△Dmin 、△Snegaとした)を算出
し、これを評価した。
【0042】2.巻癖の評価、ミニラボ現像機での処理
適性の評価 (カラーネガ感材) 下記手順で、巻癖の付き易さ、および現像処理時の巻癖
の取れ易さ、ミニラボ現像機の処理適性(通過性)を評
価した。 (2-1) コアセット ・サンプルフィルム:幅35mm、長さ1.2m ・調湿:25℃60%RHで1晩 ・コアセット:感光層を内巻にし、7mmのスプール径に
巻きつけ密封容器中に入れ、下記いずれかの条件で加
熱。(表中に示した。) 80℃2時間 夏季に車中に置かれたフィルムを想定した条件(これで
トラブルが発生しないほうが望ましい条件) 50℃24時間 乳剤有効期限(常温で2〜3年)内につくカール量に相
当(これでトラブルが発生しないことが必須条件) ・放冷:25℃の部屋に一晩放置 (2-2) 巻癖測定・ミニラボ通過性の評価 現像前の巻癖評価 放冷したサンプルを密封容器から取り出し、直ちにコア
セットを解放する。この直後のフィルム最内周のカ−ル
をANSI/ASC PH1.29−1985のTest M
ethod Aに従って測定し、1/R〔m〕(Rはカールの
半径)で表示した。 3.ミニラボ通過性の評価 巻癖の強いフィルムはミニラボ現像処理中に最もトラブ
ルを発生しやすい。このため、下記のような評価を実施
した。現像前の巻癖測定後、直ちにミニラボ現像機(富
士写真フイルム製:ミニラボFP−550B、CN−1
6Q処理液)を用いて現像処理した。ミニラボ処理は常
法に従い、巻外側の一端をリーダーに固定して実施し
た。ミニラボ処理の終わったサンプルフィルムを下記観
点に着目して目視で評価した。 ・折れ:カールの強いサンプルはミニラボ内の駆動用ニ
ップロールを通過できずに押しつぶされる。その結果リ
ーダーと反対の一端に折れが発生する。このサンプル1
本中の”折れ”の回数を数えた。1回でも折れの発生し
ているものは市場適性に欠ける。 ・ムラ:カールの強いサンプルは、ミニラボ内を巻上が
った状態で通過するため、そこへは十分な現像液の供給
が行われない。その結果、現像の”ムラ”が発生する。
これを目視で評価し、肉眼で少しでも発生が確認された
ものを”NG”、全く発生が認められないものを”O
K”とした。 現像後の巻癖評価 ミニラボで現像処理後、直ちに最内周側のカ−ルを上記
の方法で測定した。
【0043】4.アセトアルデヒド含率 上記測定法に従って実施。 5.残留オリゴマー量 上記測定法に従って実施。 6.Tg 、Tm 上記測定法に従って実施。 7.接着評価 (7-1) 乾燥時(ドライ)の接着評価 乳剤面、バック面表面に粘着テープを貼り付け180度
方向に引き剥がし、接着のレベルを評価した。剥離しな
い物を○、剥離した面積が10%以下のものを△、それ
以上剥離した物を×とする。実用上問題の無い物は、
△、○である。 (7-2) 湿潤時(ウエット)の接着評価 発色現象、漂白、定着、水洗、安定浴の各処理段階にお
いて、液中でフィルムの乳剤面及びバック面を擦り、接
着のレベルを評価した。剥離しない物を○、剥離した面
積が10%以下のものを△、それ以上剥離した物を×と
する。実用上問題の無い物は、△、○である。 8.幅方向のカール 感材を幅方向に35mm、長さ方向に2mm切り出した
後、25℃10%RH下で一晩調湿する。これをANSI
/ASC pH1.29−1985のTest Method Aに
従って測定し、1/R〔m〕(Rはカールの半径)で表
示した。 9.カメラ内での傷の発生の評価 実施例中で調整した感材を135フォーマットに加工
(裁断、穿孔、パトローネづめ)した後、フジズームカ
ルディア800(富士写真フイルム製)に装填後25℃
10%RH下で調湿してから撮影を行った。この後、フィ
ルムのバック面に発生した傷の量を目視で判断した。カ
ラーネガ感材、カラー反転感材とも、TAC支持体を用
いたものをタイプとし、傷の発生がそれと同等あるいは
以下のものを○、それよりやや多いものを△、多いもの
を×とした。 10.ベースの均質性 製膜直後のベースの均質性をベース中に残留するポリマ
ーペレットの溶解残差の数で評価した。10平方cmを光
学顕微鏡で観察し、30μm以上の不溶解物の数で評価
した。2個以下のものを○、4〜5個のものを△、6個
以上のものを×とした。許容されるものは、△、○であ
る。
【0044】実施例1 (1)支持体の作成 (a) PEN支持体の作成(水準1−1〜22) 発明協会公開技法 公技番号94−6023号の実施例
−1の支持体(A)と同様にしてポリエチレン−2,6
−ナフタレ−トを重合した。この固有粘度は0.50で
あった。このポリエステルの固形分に対して、特願平5
−316676号記載の染料、化合物I−6と化合物I
−24をそれぞれ54ppm、平均粒径0.3μmの球
状シリカ粒子を0.1%添加した。これを表2に示した
大きさにペレッ化した。これを表2に示した条件で、窒
素気流中、攪拌を行いながら熱処理を実施した。これ
を、表2に示した条件で、通常の一軸押し出し機を用い
て押し出し、5μmの焼結金属フィルターを通過させた
後、押し出し機出口温度と同温度に保ったT型ダイから
Tg −20℃に保ったキャスティングドラム上に静電印
加法を用いて押し出した。この時のフィルム厚みは、延
伸、熱固定後の膜圧が表2中の厚みになるように調整し
た。これを、Tg +10℃で3.2倍に縦延伸、Tg +
25℃で3.3倍に横延伸したあと、250℃で3%の
緩和を行いながら10秒間の熱固定を実施した。
【0045】(b) 共重合体・ポリマーブレンド支持体の
作成(水準1−15〜18) 水準1−15(P−2):2.6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル:テレフタル酸ジメチルエステ
ル:エチレングリコ−ル(モル比;90:10:10
0)を構成要素とするポリエステル共重合体を常法に従
ってエステル交換法で重合した。このポリマー中にもP
EN支持体と同じ染料、球状シリカを同量添加した。こ
の固有粘度は0.60であった。これをPEN支持体と
同様に、表2に示した条件でペレット化、ペレットの熱
処理後、一軸押し出し機から押し出した。これを、PE
Nと同様にしてキャスティング、縦延伸、横延伸、つい
で熱固定を行い、2軸延伸フィルムを得た。 水準1−16(P−6):2.6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル:ビスフェノ−ルA:エチレング
リコ−ル(モル比;100:10:90)を構成要素と
するポリエステル共重合体を常法に従ってエステル交換
法で重合した。このポリマ−中にもPEN支持体と同じ
染料、球状シリカを同量添加した。この固有粘度は0.
61であった。これをPEN支持体と同様に、表2に示
した条件でペレット化、ペレットの熱処理後、一軸押し
出し機から押し出した。これを、PENと同様にしてキ
ャスティング、縦延伸、横延伸、ついで熱固定を行い、
2軸延伸フィルムを得た。 水準1−17(P−13):PENは、上記方法で重合
した。PETは、通常の直重法によって重合した。これ
らのポリマ−中にも上記PEN支持体と同じ染料、球状
シリカを同量添加した。このPEN:PETを重量比で
それぞれ80:20で混合し、これを2軸混練押し出し
機で押し出し表2に示した大きさにペレット化した。な
お、この時の2軸混練押し出し機のスクリュ−部の温度
は入口側、中央部、出口側をそれぞれ280,290,
300℃にして押しだした。このペレットを表2に示し
た条件で乾燥後、押し出し、PEN支持体の場合と同様
にしてキャスティング、縦延伸、横延伸、ついで熱固定
を行い、2軸延伸フィルムを得た。 水準1−18(P−14):ビスフェノ−ルAとテレフ
タ−ルを構成要素とし、常法に従って重合し固有粘度
0.55のポリアリレ−ト(PAr)を得た。PEN
は、上記方法で重合した。これらのポリマ−中にも上記
PEN支持体と同じ染料、球状シリカを同量添加した。
このPAr:PENを重量比でそれぞれ10:90で混
合し、これを2軸混練押し出し機で押し出し表2に示し
た大きさにペレット化した。なお、この時の2軸混練押
し出し機のスクリュー部の温度は入口側、中央部、出口
側をそれぞれ290,300,310℃にして押しだし
た。このペレットを表2に示した条件で乾燥後、押し出
し、PEN支持体の場合と同様にしてキャスティング、
縦延伸、横延伸、ついで熱固定を行い、2軸延伸フィル
ムを得た。 (2)支持体の評価 上記方法で製膜した、表2に示した支持体の残留アセト
アルデヒド、残留オリゴマー、面状(ベースの均質性)
を上記方法で評価した。
【0046】(3)支持体の表面処理 表2に示した、支持体に下に示すグロ−表面処理を実施
した。断面が直径2cmの円柱状の長さ120cmの棒
状電極を10cm間隔に4本絶縁板上に固定した。この
電極板を真空タンク内に固定し、この電極面から15c
m離れ、電極面に正対するように、この支持体を2秒間
の表面処理が行われるように走行させた。フィルムが電
極を通過する直前に、フィルムが直径50cmの温度コ
ントローラー付き加熱ロールに3/4周接触するように
加熱ロールを配置し、さらに加熱ロールと電極ゾーンの
間のフィルム面に熱電対温度計を接触させることにより
フィルム面温度を各フィルムのTg−5℃にコントロー
ルした。真空槽内の圧力は0.2Torr、雰囲気気体
中のH2 O分圧は75%で行った。放電周波数は30K
Hz、各水準の処理強度は表2に示す条件で行った。真
空グロー放電電極は特願平5−147864記載の方法
に従った。放電処理後の支持体が巻き取られる前に表面
温度が30℃になるように、直径50cmの温度コント
ローラー付き冷却ロールに接触させ巻き取った。
【0047】(4)バック第1層(導電層)の塗設 塩化第2スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン2
3重量部をエタノール3000重量部に溶解し均一溶液
を得た。この溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液を前記
溶液がpH3になるまで滴下し、コロイド状酸化第2スズ
と酸化アンチモンの共沈澱物を得た。得られた共沈澱を
50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状沈澱を得
た。赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分離した。
過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分離によっ
て水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオンを除去
した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱200重量
部を水1500重量部に再分散し、500℃に加熱した
焼成炉に噴霧し、青みがかった平均粒径0.005μm
の酸化第二スズ一酸化アンチモン複合物の微粒子を得
た。この微粒子粉末の抵抗率は25Ω・cmであった。上
記微粉末40重量部と水60重量部の混合液をpH7.0
に調製し、攪はん機で粗分散の後横型サンドミル(ダイ
ノミル、Willy A. Backfen AG製)で滞留時間が30
分になるまで分散して、一次粒子が一部凝集して2次凝
集体として0.05μm になる分散液を調製した。下記
処方の液を乾燥膜厚が0.3μm になるように、表2に
示したTAC以外の支持体に塗布し、110℃で30秒
間乾燥した。 ・上記導電性微粒子分散液(SnO2 /Sb2 2 、0.15μm )100重 量部 ・ゼラチン 10重量部 ・水 270重量部 ・メタノール 600重量部 ・レゾルシン 20重量部 ・ノニオン性界面活性剤(特公平3−27099号に記載の ノニオン性界面活性剤 I−13) 0.1重量部
【0048】(5)支持体の熱処理 支持体に対して、直径300mmの中空のアルミニウム
製巻芯に巻き付けた。これを、恒温槽にいれ、表2に示
した条件で熱処理を実施した。なお、巻芯への巻き付け
は全てバック層塗布予定面(製膜時のキャスティングド
ラム面の反対面)を内巻にして実施した。
【0049】(6)下塗り層(乳剤層側)の塗設 表2に示した支持体に下記組成の下塗り液をワイヤーバ
ーを用いて10ml/m2 塗布し、Tg −5℃で2分間
乾燥後卷き取った。 ・ゼラチン 10.0 重量部 ・水 24.0 重量部 ・メタノール 961.0 重量部 ・サリチル酸 3.0 重量部 ・特開昭51−3619号記載 0.5 重量部 合成例1 ポリアマイド−エピクロルヒドリン樹脂 ・ノニオン性界面活性剤 (特公平3−27099号に記載の ノニオン性界面活性剤 I−13) 0.1 重量部
【0050】(7)バック第2層の塗設 表2に示した支持体に対して、表面処理、下塗り層、バ
ック第1層(導電層)、の上に、下記処方の液を乾燥膜
厚が1.2μm になるように塗布した。乾燥はTg−5
℃で行った。 ・ジアセチルセルロース 100重量部 ・トリメチロールプロパン−3−トルエンジイソシアネート 25重量部 ・メチルエチルケトン 1050重量部 ・シクロヘキサノン 1050重量部
【0051】(8)バック第3層(滑り層)の塗設 (8-1) 滑り層第1液の調製 下記の1液を90℃加温容解し、2液に添加後、高圧ホ
モジナイザーで分散し滑り分散原液とした。 1液 ・滑り剤(T3−4) 0.7 g ・滑り剤(T1−2) 1.1 g ・キシレン 2.5 g (8-2) 滑り層第2液の調製 上記滑り層第1液に下記のバインダー、溶剤を加え塗布
液とした。 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 34.0 g ・ジアセチルセルロース 3.0 g ・アセトン 600.0 g ・シクロヘキサノン 350.0 g (8-3) 滑り層の塗設 表2に示したすべての水準に対して、上記塗布液を10
cc/m2 の塗布量でバック層最上層にワイヤーバーを
用いてコ塗布し、Tg −5℃で10分間乾燥した。
【0052】(9)カラ−ネガ感光材料の調整 このようにして調整した表2に示した支持体に対して、
下記組成を有する各層を重層塗布し、多層カラ−ネガ感
材を作製した。
【0053】水準1−18の支持体には下記カラーネガ
感光層を塗設した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプ
ラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で
表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲ
ン化銀1モル当りのモル数で示した。なお、添加物を示
す記号は下記に示す意味を有する。ただし、複数の効用
を有する場合はそのうちの一つを代表して載せた。
【0054】UV;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有
機溶剤、ExF;染料、ExS;増感色素、ExC;シ
アンカプラー、ExM;マゼンタカプラー、ExY;イ
エローカプラー、Cpd;添加剤 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.15 ゼラチン 2.33 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 1.0×10-2 ExF−2 4.0×10-2 ExF−3 5.0×10-3 ExM−3 0.11 Cpd−4 1.0×10-3 Solv−1 0.16 Solv−2 0.10 第2層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 塗布銀量 0.35 沃臭化銀乳剤B 塗布銀量 0.18 ゼラチン 0.77 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.3×10-4 ExS−7 4.1×10-6 ExC−1 9.0×10-2 ExC−2 5.0×10-2 ExC−3 4.0×10-2 ExC−10 8.0×10-2 ExC−6 2.0×10-2 ExC−9 2.5×10-2 Cpd−3 2.2×10-2 第3層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 塗布銀量 0.55 ゼラチン 1.46 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.4×10-4 ExS−5 2.4×10-4 ExS−7 4.3×10-6 ExC−1 0.19 ExC−2 1.0×10-2 ExC−3 1.0×10-2 ExC−4 1.6×10-2 ExC−5 0.12 ExC−6 2.0×10-2 ExC−7 2.5×10-2 ExC−9 3.0×10-2 ExC−10 7.0×10-2 Cpd−3 1.5×10-3 第4層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 塗布銀量 1.05 ゼラチン 1.38 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.1×10-4 ExS−5 1.9×10-4 ExS−7 1.4×10-5 ExC−1 2.0×10-2 ExC−3 2.0×10-2 ExC−4 9.0×10-2 ExC−5 5.0×10-2 ExC−8 1.0×10-2 ExC−9 1.0×10-2 Cpd−3 1.0×10-3 Solv−1 0.70 Solv−2 0.15 第5層(中間層) ゼラチン 0.62 Cpd−1 0.13 ポリエチルアクリレートラテックス 8.0×10-2 Solv−1 8.0×10-2 第6層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 塗布銀量 0.10 沃臭化銀乳剤F 塗布銀量 0.28 ゼラチン 0.31 ExS−3 1.0×10-4 ExS−4 3.1×10-4 ExS−5 6.4×10-5 ExM−1 8.0×10-2 ExM−7 2.1×10-2 ExM−8 5.1×10-2 Solv−1 0.09 Solv−3 4.5×10-3 Solv−4 4.0×10-2 第7層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 塗布銀量 0.37 ゼラチン 0.54 ExS−3 2.7×10-4 ExS−4 8.2×10-4 ExS−5 1.7×10-4 ExM−1 0.20 ExM−7 7.2×10-2 ExM−9 6.5×10-2 ExY−1 5.4×10-2 Solv−1 0.23 Solv−3 1.3×10-2 第8層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 塗布銀量 0.53 ゼラチン 0.61 ExS−4 4.3×10-4 ExS−5 8.6×10-5 ExS−8 2.8×10-5 ExM−2 5.5×10-3 ExM−3 1.0×10-2 ExM−5 1.0×10-2 ExM−6 3.0×10-2 ExY−1 1.0×10-2 ExC−4 2.5×10-3 Cpd−5 1.0×10-2 Solv−1 0.12 第9層(中間層) ゼラチン 0.56 UV−4 4.0×10-2 UV−5 3.0×10-2 Cpd−1 4.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 5.0×10-2 Solv−1 3.0×10-2 Solv−4 2.0×10-2 第10層(赤感層に対する重層効果のドナー層) 沃臭化銀乳剤I 塗布銀量 0.40 沃臭化銀乳剤J 塗布銀量 0.20 沃臭化銀乳剤K 塗布銀量 0.39 ゼラチン 0.87 ExS−3 6.7×10-4 ExM−2 0.16 ExM−4 3.0×10-2 ExM−5 5.0×10-2 ExY−2 2.5×10-3 ExY−4 2.0×10-2 Solv−1 0.30 Solv−5 3.0×10-2 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 9.0×10-2 ゼラチン 0.84 Cpd−1 5.0×10-2 Cpd−2 5.0×10-2 Cpd−4 2.0×10-3 Solv−1 0.13 H−1 0.25 第12層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 塗布銀量 0.50 沃臭化銀乳剤M 塗布銀量 0.40 ゼラチン 1.75 ExS−6 9.0×10-4 ExY−1 8.5×10-2 ExY−2 5.5×10-3 Y−(1) 0.27 ExY−4 0.80 ExC−1 5.0×10-2 ExC−2 8.0×10-2 Solv−1 0.54 第13層(中間層) ゼラチン 0.30 ExY−3 0.14 Solv−1 0.14 第14層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤N 塗布銀量 0.40 ゼラチン 0.95 ExS−6 2.6×10-4 ExY−2 1.0×10-2 Y−(1) 0.10 ExY−4 0.10 ExC−1 1.0×10-2 Solv−1 9.0×10-2 第15層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.12 ゼラチン 0.70 UV−4 0.11 UV−5 0.18 Solv−4 2.0×10-2 ポリエチルアクリレートラテックス 9.0×10-2 第16層(第2保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤O 塗布銀量 0.36 ゼラチン 0.85 B−1 (直径2.0μm) 8.0×10-2 B−2 (直径2.0μm) 8.0×10-2 B−3 2.0×10-2 W−5 2.0×10-2 H−1 0.18 こうして作製した試料には、上記の他に、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン(ゼラチンに対して平均2
00ppm)、n−ブチル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト(同約1,000ppm)、および2−フェノキシエ
タノール(同約10,000ppm)が添加された。更
に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防
菌性、帯電防止性および塗布性をよくするために、W−
1〜W−4、W−6、B−4〜B−6、F−1〜F−1
6および鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロ
ジウム塩が含有されている。
【0055】
【表1】
【0056】表1において、 (1)乳剤A〜Nは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルホン酸を用いて粒子
調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Nは特開平3−237450号の実施例
に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸
ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が
施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3−237450号に記載されているような転
位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。 (5)乳剤A〜Nは、B.H.Carroll、 Ph
otographicScience and Eng
ineering、 24、 265(1980)など
に記載の方法で粒子内部にイリジウムを含有している。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】
【0062】
【化6】
【0063】
【化7】
【0064】
【化8】
【0065】
【化9】
【0066】
【化10】
【0067】
【化11】
【0068】
【化12】
【0069】
【化13】
【0070】
【化14】
【0071】
【化15】
【0072】
【化16】
【0073】
【化17】
【0074】
【化18】
【0075】処理工程及び処理液組成を以下に示す。但
し、処理は別途像様露光を与えた試料を1m2 /日ずつ
連続(ランニング)処理を行なった後の処理液で実施し
た。 (処理工程) 工 程 処理時間 処理温度 補 充 量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 600ミリリットル 10リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 140ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 38.0℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0℃ 420ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 980ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ 560ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60 ℃ *補充量は感光材料1m2 当たりの量 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着
浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽
の上部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の
供給により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着
浴に流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への
持ち込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂
白定着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工
程への持ち込み量は、感光材料1m2 当たりそれぞれ6
5ミリリットル、50ミリリットル、50ミリリット
ル、50ミリリットルであった。また、クロスオーバー
の時間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理
時間に包含される。
【0076】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ] アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.15 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 130 195 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水で調整) 4.4 4.4 (漂白定着タンク液) 上記漂白タンク液と下記定着タンク液の15対85(容
量比)混合液。
【0077】 (pH7.0) (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280ミリリットル 840ミリリットル イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(アンモニア水、酢酸で調整) 7.4 7.45 (水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーライトIR−120B)
と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカ
ルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リット
ル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリ
ウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/
リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の
範囲にあった。 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 処理済の試料について、B、G、Rの濃度測定を行な
い、特性曲線を得た。これらの特性曲線からそれぞれ最
小濃度及び最小濃度+0.2の濃度を与える露光量の逆
数の対数値を求め、55℃、相対湿度30%の試料から
得られた値と5℃、相対湿度30%の試料から得られた
値との差(それぞれΔDmin 、ΔSとした)を算出し
た。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】結果 本発明をPEN支持体に対して実施し、アセトアルデヒ
ド含率の少ない水準1−1,5,6では良好な写真特性
が得られた。オリゴマ−含率の少ない水準1−8,1
0,12,13では、良好な密着性が得られた。このよ
うな本発明の効果は、水準1−15〜18に示したよう
にPEN以外にも、共重合体やポリマ−ブレンドにおい
ても同様に達成された。
【0081】
【発明の効果】本発明即ち、溶融押し出し機の入り口温
度をポリマ−の溶融温度(Tm)−10℃〜Tm +15
℃、スクリュ−中央部の温度をTm 〜Tm +30℃、出
口の温度をTm +10℃〜Tm +35℃に設定して未延
伸フィルムを製膜後、2軸延伸、熱固定を行うことを特
徴とする写真用ポリエステルフィルムの製造方法を用い
ることにより、製膜後に残存するポリエステル支持体中
のアセトアルデヒド含率が5ppm以下の、写真特性に
優れたポリエステル支持体を得ることができる。また、
本発明即ち、表面積(mm2)/体積(mm3)が0.5以
上のポリエステルペレットを、Tg +10℃以上、Tm
−20℃以下で熱処理したあと、溶融押し出ししたこと
を特徴とする写真用2軸延伸ポリエステルフィルムの製
造方法を実施することにより、製膜後に残存するポリエ
ステル支持体中のオリゴマ−量が、1.5〜0mg/m
2 の、接着性の良好なポリエステル支持体を得ることが
できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融押し出し機の入り口温度をポリマー
    の溶融温度(Tm)−10℃〜Tm +15℃、スクリュー
    中央部の温度をTm 〜Tm +30℃、出口の温度をTm
    +10℃〜Tm +35℃に設定して未延伸フィルムを製
    膜後、2軸延伸、熱固定を行うことを特徴とする写真用
    ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該ポリエステルがポリエチレンナフタレ
    ートであることを特徴とする請求項1に記載の写真用ポ
    リエチレンナフタレートフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 アセトアルデヒド含率が5ppm以下で
    あるポリエステルからなることを特徴とする写真用支持
    体。
  4. 【請求項4】 表面積(mm2)/体積(mm3)が0.5
    以上のポリエステルペレットを、Tg +10℃以上、T
    m −20℃以下で熱処理したあと、溶融押し出ししたこ
    とを特徴とする写真用2軸延伸ポリエステルフィルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 該ポリエステルがポリエチレンナフタレ
    ートであることを特徴とする請求項4に記載の写真用ポ
    リエチレンナフタレートフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 該支持体の残留オリゴマー量が1.5m
    g/m2 以下であることを特徴とする写真用支持体。
  7. 【請求項7】 該支持体がポリエチナフタレンジカルボ
    ン酸とエチレングリコ−ルを主成分とし、ガラス転移温
    度(Tg)が90℃以上、200℃以下であることを特
    徴とする請求項3又は6に記載の写真用支持体。
  8. 【請求項8】 該支持体がポリエチレン−2,6−ナフ
    タレートであることを特徴とする、請求項3,6又は7
    に記載の写真用支持体。
  9. 【請求項9】 該支持体が50℃以上、ガラス転移温度
    (Tg)以下で熱処理されていることを特徴とする、請
    求項3,6,7又は8に記載の写真用支持体。
  10. 【請求項10】 支持体の少なくとも片面上に、少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該支持体が請求項3,6,7〜9
    に記載の写真用支持体であることを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料において、外径が3〜10mmのスプールに巻
    回され、該写真用支持体の厚みが60〜100μmであ
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
JP20375794A 1994-08-29 1994-08-29 写真用支持体の製造方法 Expired - Fee Related JP3565356B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20375794A JP3565356B2 (ja) 1994-08-29 1994-08-29 写真用支持体の製造方法
US08/891,078 US5736309A (en) 1994-08-29 1997-07-10 Photographic support and a method of manufactring the same
US09/005,600 US6022679A (en) 1994-08-29 1998-01-09 Photographic support and a method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20375794A JP3565356B2 (ja) 1994-08-29 1994-08-29 写真用支持体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0857951A true JPH0857951A (ja) 1996-03-05
JP3565356B2 JP3565356B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=16479337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20375794A Expired - Fee Related JP3565356B2 (ja) 1994-08-29 1994-08-29 写真用支持体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (2) US5736309A (ja)
JP (1) JP3565356B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3565356B2 (ja) * 1994-08-29 2004-09-15 富士写真フイルム株式会社 写真用支持体の製造方法
JP3948500B2 (ja) * 1997-08-01 2007-07-25 富士フイルム株式会社 写真用フィルムの熱処理方法
US6344310B1 (en) * 1998-11-20 2002-02-05 Eastman Kodak Company Thin durable photographic element
US6277547B1 (en) * 1999-09-30 2001-08-21 Eastman Kodak Company Flexible silver halide packaging material
US6326109B1 (en) 2000-03-22 2001-12-04 Eastman Kodak Company Two-sided imaging member
US6352748B1 (en) 2000-03-22 2002-03-05 Eastman Kodak Company Imaging element including brace and mechanical holding means
US6566024B1 (en) 2001-12-21 2003-05-20 Eastman Kodak Company Quintessential pictorial label and its distribution
US6755350B2 (en) 2001-12-21 2004-06-29 Eastman Kodak Company Sensual label
CN1639633A (zh) * 2002-07-25 2005-07-13 柯尼卡美能达影像株式会社 彩色照相胶卷包装体
WO2008111481A1 (ja) * 2007-03-12 2008-09-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 放射線像変換パネル
US10745187B1 (en) * 2017-04-28 2020-08-18 TemperPack Technologies, Inc. Expandable shipping container

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4592953A (en) * 1983-12-12 1986-06-03 American Hoechst Corporation Polyester film primed with crosslinked vinyl acetate polymers
US5270160A (en) * 1990-12-21 1993-12-14 Toray Industries, Inc. Polyester film and photosensitive material
EP0496346A1 (en) * 1991-01-21 1992-07-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic material
JP2543809B2 (ja) * 1992-08-18 1996-10-16 富士写真フイルム株式会社 ポリエステル系写真用支持体
JP3021209B2 (ja) * 1992-10-08 2000-03-15 帝人株式会社 ポリエステルの製造方法
JP3565356B2 (ja) * 1994-08-29 2004-09-15 富士写真フイルム株式会社 写真用支持体の製造方法
JPH08248570A (ja) * 1995-02-17 1996-09-27 Eastman Kodak Co 写真要素

Also Published As

Publication number Publication date
US5736309A (en) 1998-04-07
US6022679A (en) 2000-02-08
JP3565356B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3082120B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0857951A (ja) 写真用支持体の製造方法
JPH07168309A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
EP0583787B1 (en) Silver halide photographic material
EP0664480B1 (en) Silver halide color photographic material
JP3522818B2 (ja) 写真用支持体
JP2864077B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3016169B2 (ja) フイルム一体型カメラ
JPH07219120A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2864082B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0843993A (ja) 写真用支持体
JPH07253635A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3112761B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3439518B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06317876A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0635118A (ja) ロール状ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06332108A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07209810A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH07219145A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06273888A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH07270982A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JPH0643582A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06202277A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06308664A (ja) 35mmカメラ用カートリツジ
JPH0667345A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees