JPH08508910A - メカニカルファスナーの茸式フックストリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フックアンドループ式メカニカルファスナーで使用できる茸式フックストリップである。フックストリップ（１０）は、熱可塑性樹脂からなる均質な支持部（１２）と、支持部（１２）に一体で高密度配列の複数のフック（１４）とを具備する。それらフック（１４）は、支持部から突出するステム（１６）と、支持部とは反対側のステム先端に形成される円板状のヘッド（１８）とを備える。複数のフックのヘッドの数の多さ、寸法の小ささ、及び形状により、それらヘッドは、フックアンドループ式ファスナーのループ部として一般に使用される材料に係合可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】 メカニカルファスナーの茸式フックストリップ 発明の背景 発明の分野 本発明は、フックアンドループ式ファスナー等のメカニカルファスナーに関し 、特に、例えばおむつや病院用ガウンのような使い捨て衣料等の衣料品を開放可 能に閉じることができる茸式フックストリップに関する。関連技術の説明 例えばベルクロＵＳＡ社から商標名ベルクロ（VELCRO）で、またスリーエム社 から商標名スコッチメイト（SCOTCHMATE）で市販されているフックアンドループ 式ファスナーは、衣料用ファスナーとして広く利用されている。米国特許第2,71 7,437号及び第3,009,235号（いずれもデメストラル（DeMestral））に開示され るように、フックストリップはナイロン製直立ループパイルの特定のたて糸群か ら形成できる。各ループの１つの脚は、切断されて開放フックを形成し、これが 係着要素として作用するように利用される。 アメリカンベルクロ社の米国特許第3,594,865号（エルブ（Erb））は、フック アンドループ式ファスナーのフックストリップを製造するための射出成形技術を 開示する。この特許の記載によれば、「米国特許第2,717,437号及び第3,009,235 号にて要求される織物技術よりも速い生産速度」が得られる。エルブ（Erb）の 技術は、多数の浅いワイヤダイの閉ループを利用する。ワイヤダイをからにする ために真空を適用する間に、閉ループは押出機を通して送られ、それによりナイ ロン等の溶融プラスチックがダイに押し込まれて、ダイ の直下に置かれた布帛ウェブに注入される。押出機から出るときに、余分な樹脂 は各ダイの表面から除去され、以て複数の弾性フックが形成される。これらの弾 性フックは、ダイから連続的に離脱し、次いで弾性復元して、プラスチック注入 布帛ウェブから突出する規則的配列のフック群が形成される。布帛ウェブを使用 する代わりに、この装置は、ワイヤダイを越えて延びる空間を形成するように変 更できる。この空間には溶融プラスチックが流入して、フック群の総プラスチッ ク製支持部を形成する。エルブ（Erb）によるもう１つの米国特許第3,594,863号 は、同様のフック支持ストリップを形成するための同様の装置に関するものであ る。これらのエルブ（Erb）特許があるにも関わらず、今日市販されている「ベ ルクロ」フックアンドループ式ファスナーのフックストリップは、一般に織物技 術によって製造されている。 フックストリップを連続的に成形するための他の方法は、米国特許第3,762,00 0号（メアジン（Meazin）他）に開示される。 米国特許第3,718,725号（ハマノ（Hamano））によれば、フックアンドループ 式ファスナーのフックストリップは、規則的配列の直立ループ群を備えた布帛か ら製造される。各列のループ群にロッドを挿入してループ群を直立姿勢に保持し た後、複数のプラテン又はローラの加熱及び加圧により各ループをその先端で溶 融し、溶融された各自由端を押圧してノブないしヘッドを形成する。このヘッド は、フックアンドループ式ファスナーのループストリップと相互係合できる。ノ ブないしヘッドは茸状の外観を呈するので、この形式のフックファスナーを「茸 式」と称する。 フックアンドループ式ファスナーのフックストリップは一般に相手方のループ ストリップと共に販売されるが、フックストリップはそれ自体、フックが容易に 突入できる布帛に解除可能に係着される ものとして使用できる。茸式フックストリップは、特にこのような使用に適して いる。例えば茸式フックストリップは、バーラップ、テリークロス、及びトリコ ットに解除可能に係着されるように構成できる。 しばしば茸式メカニカルファスナーは、２つのフックストリップの各々を１つ の物体に固着してそれらフックストリップ同士を相互係合させることによって、 ２つの物体を一体に係着するような使用法を可能にするように設計される。この 種の茸式メカニカルファスナーは、米国特許第3,192,589号（ピアルソン（Pears on））に開示される。この特許はこのファスナーを「雌雄同形」と称するが、こ れはそのヘッド付スタッドが、相互係合時に雌雄両方の特性を有するからである 。ピアルソン（Pearson）のファスナーは、ヘッドを有しない複数のスタッドを 一体的に突出させたベースを成形した後、各スタッドの先端を加熱軟化させるこ とによって製造できる。 米国特許第4,290,174号（カールバーグ（Kalleberg））に開示される雌雄同形 の茸式メカニカルファスナーは、可撓性かつ弾性を有したＵ字形の複数のモノフ ィラメントを用いて製造される。各モノフィラメントの結着部分は可撓性の接着 層に埋め込まれ、それにより２本のステムが接着層の表面から垂直に突出する。 各ステムの先端には茸形ヘッドがある。好ましくは複数のステムは、実質的均等 に離間され、かつ実質的同一の長さを有する。隣接するヘッドの間隔がそれらの 直径よりも小さくかつ係合に要する最小限のものであるときに、最大脱離力が得 られる。好ましくは複数のモノフィラメントは、長手方向に延伸されたポリオレ フィンであり、また好ましくは接着層は、モノフィラメントの接着層への加熱融 着を可能にするポリオレフィンである。 米国特許第3,408,705号（カイザー（Kayser）他）は、幾つかの形 状の茸形ヘッドを備えた茸式メカニカルファスナーを開示する。 発明の要旨 本発明は、フックアンドループ式ファスナー等のメカニカルファスナー用の茸 式フックストリップを提供する。このフックストリップは、そのフック群の密度 及び形状により、特定種類の一般的布帛及びループ部材に対し公知の茸式フック ストリップよりも優れた剪断方向係合力を呈するとともに、安価に製造できると いう点で、従来知られた茸式フックストリップを凌駕する有利性を備える。従来 の茸式フックストリップと同様に、本発明の茸式フックストリップは、ループス トリップと共に使用するか、或いはフック群の突入が可能な布帛に直接係着する ことができる。 本発明の他の態様において、茸式フック群の間隔取りは、２片のフックストリ ップが相互係合してメカニカルファスナーを提供するように構成される。 簡潔に述べれば、新規な茸式フックストリップは、熱可塑性樹脂からなる均質 な支持部と、支持部に一体で支持部の少なくとも一面に交差して分布された直立 ステム群の配列とを具備し、それらステムが、各々茸形ヘッドを備えるとともに 、少なくとも０．００１の複屈折値によって立証される分子配向を備え、茸形ヘ ッドが、支持部とは反対側の略平坦な端面を備えた円板形状を有し、この円板状 ヘッドが、好ましくは約１．５：１より大きな直径：厚みの比率を有するもので ある。 茸式フックストリップの新規な製造方法は、円筒形であることができ、かつ連 続表面から凹設されて直立ステム群の配列の雌型となる複数のキャビティを備え た型を用いる。この新規な方法は、以下のステップを有する。 ａ）型の表面を所定軌道に沿って移動し、 ｂ）分子配向可能な溶融熱可塑性樹脂を、複数のキャビティを満たすべき量を 超えて、その超過分がキャビティ及びキャビティ周囲の表面を覆う樹脂層を形成 するように、それらキャビティに連続的に注入し、 ｃ）キャビティを取り囲む型を連続的に冷却して、溶融樹脂がキャビティを満 たす間に溶融樹脂に分子配向を生じさせ、 ｄ）注入された樹脂を凝固させ、 ｅ）凝固した樹脂層を、支持部及び一体の直立ステム群の配列として、型から 連続的に抜取り、 ｆ）熱表面との接触によりステム群の先端を変形して、各ステムの先端に円板 状の茸形ヘッドを形成する。 各キャビティの端部が閉鎖されている場合、この方法は排気ステップをさらに 有することができる。排気ステップは、真空の適用を含むことができ、それによ り、ステップｂ）で注入された樹脂は、実質的に等しい深さを有するべきキャビ ティの各々を実質的に連続して満たすことができるようになる。或いは、キャビ ティは成形されるステムの長さよりも有意義に長い深さを有することができ、そ れにより、ステップｂ）で注入された樹脂は空気をキャビティ内で圧縮できるよ うになる。 各キャビティの端部が開放されている場合、ステップｂ）で注入された樹脂は 複数のキャビティを排気することができる。さらに、キャビティの内端に真空を 適用してキャビティ充填を促進することができる。選択的には、注入樹脂がキャ ビティの開放端を越えて流れるときに、突出した樹脂を抜取りステップｅ）の前 にキャビティの端部ではぎ取ることにより、キャビティが均一深さを有する場合 に均一高さのステム群を形成できる。 所望の分子配向を付与するために、複数のキャビティの壁は、注 入された樹脂が各キャビティのコアを満たしている間に壁に沿って凝固するよう な温度に冷却されるべきである。キャビティのコアが充填された後、分子配向を 維持するとともにキャビティからのステムの引き抜きを可能にするために、冷却 は継続されなければならない。その後、キャビティに再び樹脂を注入する前に、 キャビティの壁に熱を加えることが望ましい。 キャビティは、ステップｅ）の抜取りを容易にするために、注入方向に縮径さ せることができる。好ましくはキャビティは、略円形断面を有し、１５°までの 抜き勾配を有する。抜き勾配は、キャビティの軸線とその壁との間の夾角である 。キャビティが開口端を有するかキャビティ内の空気を樹脂の注入に従って圧縮 するような過剰深さを有する場合、抜取りステップｅ）は真空に打ち勝つことを 要しないので縮径はさほど重要ではない。 新規なフックストリップのステム群が少なくとも０．００１の複屈折値によっ て立証されるように分子配向されるので、ステム群は、そのような配向をせずに 達成できるものに比べて、極めて大きな剛性及び耐久性、並びに大きな引張強さ 及び曲げ強さを有する。このような特性により、熱表面によって加熱されないス テム部分は、変形ステップｆ）の間に弾性的可撓性を維持する。好ましくは変形 ステップｆ）は、金属ローラの熱表面との接触によるステム先端への加熱を含む 。この接触は、各ステムの先端を、各ステム先端にある円板状の茸形ヘッドに成 形する。このヘッドは、ループと係合したときの保持力を強化する実質的平坦な 内面を有する。 非配向ステム群を有するフックストリップと比較して、新規なフックストリッ プのフック群の強度の増強により、脱離の際にフック群の破壊が生じ難くなる。 新規なフックストリップをループストリップと共に使用する場合、フック群の強 度の増強により、脱離力の 下でフック群の破壊がループ群よりも生じ難くなる。この有益性は少なくとも２ つの理由に帰する。まず、破壊されたフックは破片を生じ得るのに対し、破壊さ れたループは破片を生じない。さらに、ループストリップは一般に単位面積当り のフック群よりも多いループ群を備えるので、フックアンドループ式ファスナー が使い物にならなくなる前に多数回の脱離を許容する。 新規なフックストリップの茸形ヘッドは、その略平坦で僅かに凹形の円形外面 により、使用者に優しくかつ肌に非擦過性で、乳児用おむつの閉じ具として理想 的に適するものとなる。このような適用において、それらヘッドはタルカムパウ ダーの影響を受けない。タルカムパウダーは、感圧接着剤によるおむつ閉じ具の 保持力を消滅させるものである。 新規なフックストリップのステム群は略円形断面を有することが好ましいが、 他の適当な断面には長方形及び六角形が含まれる。好ましくはステム群は、それ らの基端に面取りを有し、以て強度及び剛性の両方を向上させるとともに、それ らを成形する型からの抜取りを容易にする。 本発明に係る新規なフックストリップによってもたらされた高い直径厚み比を 有する円板状ヘッド形状及び個々のフックの密な離間配置すなわち高密度性によ り、このフックストリップはループ部材に対して剪断方向へ容易かつ強固に脱離 可能に係合できるようになった。したがって本発明に係るフックストリップは、 一般的な編物、織布、ランダム織材、不織材等の、フックアンドループ式ファス ナーのループ部としては特に使用に適さず、従来公知のフックストリップと良く 係合しないようなものでループが構成された場合に、フックアンドループ式係着 を行うのに特に有効である。一般にフック群は、好ましくは約０．１０〜１．２ ７mm、さらに好ましくは約 ０．１８〜０．５１mmの均一な高さと、好ましくは１cm²当り６０〜１５５０個 、さらに好ましくは１cm²当り１２５〜６９０個の支持部上でのフック密度と、 好ましくは０．０７６〜０．６３５mm、さらに好ましくは約０．１２７〜０．３ ０５mmのヘッド隣接部位のステム径と、好ましくは平均約０．０１３〜０．２５ ４mm、さらに好ましくは平均約０．０２５〜０．１２７mmだけステムから各側に 半径方向へ突出するとともに、好ましくは約０．０１３〜０．２５４mm、さらに 好ましくは約０．０２５〜０．１２７mmの外面と内面との間の平均厚み（すなわ ちステムの軸線に平行な方向に測ったもの）を有する円板状ヘッドとを備える。 この円板状ヘッドは、好ましくは１．５：１〜１２：１、さらに好ましくは２． ５：１〜６：１の平均ヘッド径（すなわちヘッド及びステムの軸線の半径方向に 測ったもの）と平均ヘッド厚みとの比率を有する。 大抵のフックアンドループ式の適用に関し、新規な茸式フックストリップのフ ック群は、フックストリップの全領域に亙って通常は正方又は六方配列で実質的 に一様に分布されるべきである。雌雄同形の適用に関しては、好ましくはフック 群は、係合時の横方向への滑りを防止するように分布される。例えば、共に譲渡 された米国特許第3,408,705号（カイザー（Kayser）他）、同第4,322,875号（ブ ラウン（Brown））、及び同第5,040,275号（エックハルト（Eckhardt）他）を参 照されたい。 優れた可撓性及び強度の双方を備えるために、新規な茸式フックストリップの 支持部は、特にフックストリップがポリプロピレン又はポリプロピレンとポリエ チレンとのコポリマーからなる場合に、好ましくは０．０２５〜０．５１２mm、 さらに好ましくは０．０６４〜０．２５４mmの厚みを有する。ある種の適用に関 し、さらに剛性の高い支持部を使用でき、或いはフック群の反対側の支持部表面 に感圧接着剤層を被着できる。この感圧接着剤層により、支持部を基材に接着で きるので、支持部は基材の強度に依存してフック群の固定作用を強化できる。 新規な茸式フックストリップは、比較的安価な装置を使用して、従来のフック ストリップを製造可能であったライン速度よりも速いライン速度で生産できるの で、安価であることができる。新規なフックストリップは、保管及び船積に好都 合なロール状に巻くことが可能な長く幅広のウェブとして製造できる。このよう なロール状のフックストリップは、フック群の反対側の支持部表面に感圧接着剤 層を設けることができる。この感圧接着剤層は、ロール内のフックストリップの 下側の巻層のフックのヘッドに脱離可能に付着できるので、ロール内の感圧接着 剤層を保護する離型紙を必要としないだけでなく、ロール内で感圧接着剤層が付 着したヘッドの特定領域がフックストリップをその使用の直前までロールに保持 し、かつフックストリップをロールから容易に引き出すことを可能にする。所望 長さの片をこのロールから切り取って、衣料のフラップ等の物品に接着又は他の 方法で固定し、フラップの脱離可能な係着を実現することができる。 新規な茸式フックストリップを製造するために、事実上、押出成形に適したあ らゆる配向可能な熱可塑性樹脂を使用できる。押出成形が可能な有用な熱可塑性 樹脂は、ポリ（エチレンテレフタレート）、ナイロン等のポリアミド、ポリ（ス チレン−アクリロニトリル）、ポリ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン ）、ポリプロピレン等のポリオレフィン、可塑化塩ビ、等のポリエステルを含む 。好ましい熱可塑性樹脂は、１７．５％のポリエチレンを含有するとともにメル トフローインデックスが３０の、テキサス州ヒューストンのシェルオイルカンパ ニーからＳＲＤ７−４６３として入手可 能な、ポリプロピレンとポリエチレンとのランダムコポリマーである。 図面の簡単な説明 以下、添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。各図で、同一の 部品は同一の参照符号によって識別する。図面において、 図１は、本発明に係る茸式フックストリップの断面図、 図２は、図１のフックストリップの相互係合中の各部材を示す断面図、 図３は、本発明に係る茸式フックストリップの拡大写真、 図４は、図３の茸式フックストリップのさらに小倍率の拡大写真であって、こ のフックストリップに係合可能なループ部材を有した従来の織布に隣接して示す 図、 図５は、図３の茸式フックストリップのさらに小倍率の拡大写真であって、こ のフックストリップに係合可能なループ部材を有した従来の不織材に隣接して示 す図、 図６Ａ及び図６Ｂは、図１〜図５のフックストリッブの製造方法を示す図、 図７は、図３のフックストリップの変形例を示す写真、 図８は、裏側に感圧接着剤層を有した図１のフックストリップのロールを示す 図で、この接着剤層は、複数のフックのヘッドに付着して、フックストリップを それが基材への接着のために引き出されるまでロール状に保持するものである。 発明の詳細な説明 図面を参照すると、図１〜図５は、本発明に係るフックストリップを共通の参 照番号１０で示す。 フックストリップ１０は、熱可塑性樹脂からなる実質的に連続し た平坦な支持部１２を備える。支持部１２には、支持部１２の一主要面から略垂 直に突出する複数の茸形突子ないしフック１４の配列が、一体的に形成される。 各フック１４は、分子配向されたステム１６と、ステム１６の支持部１２とは反 対側の端部に設けられた略円板状のキャップないしヘッド１８とを備える。ヘッ ド１８は、ステム１６から径方向に突出ないし張り出し、略平坦で僅かに凹形の 外面１９と、支持部１２の主要面に平行に隣接して径方向へ延びる略平坦な内面 １７とを備える。好ましくはヘッド１８は、１．５：１より大きな直径：厚みの 比率を有する（すなわち、ヘッド１８の直径は、ヘッド１８及びステム１６の径 方向へ測定した平均最大直径であり、ヘッド１８の厚みは、外面１９と内面１７ との間を測定した平均最大厚みである）。ステム１６は、その基端の周囲に面取 り２０を有することもできる。 フックストリップ１０の一片は、フックアンドループ式メカニカルファスナー のフック部を構成することができる。或いは、例えば図４及び図５にそれぞれ示 す布帛２２及び２３のように、茸形フック１４が突き刺さることのできる布帛に 脱離可能に係合するものとして使用できる。なお布帛２２は、オハイオ州ハドソ ンのファブリセンターズオブアメリカ社から商標名ビーチウッド（Beachwood）2 342000104で市販されている織布であり、布帛２３は、マサチューセッツ州ウォ ールポールのヴェラテックから商標名ヴァーサロン（Versalon）140-093ハイド ロエンタングルドレーヨン／ＰＥＴ（hydroentangled rayon/PET）で市販されて いる不織布材である。 さらにフックストリップ１０は、二片のフックストリップ１０が相互係合して 図２に示すような雌雄同形のメカニカルファスナーを構成するように形成できる 。 図６Ａにおいて、熱可塑性樹脂の供給流３０が押出機３２に送り 込まれ、加熱溶融樹脂が押出機３２からダイ３４を通して回転円筒型３６に送ら れる。型３６の連続円筒表面にある複数のキャビティ３８は、外部真空装置４０ によって選択的にからにさせられる。ダイ３４は、型３６に等しい出力半径を有 し、それによりダイと型との間にシールが付与される。型キャビティ３８への樹 脂の急速な流れは、流れ方向に平行な分子配向を生じさせる。型は水冷され（冷 却手段は図示しない）、急速冷却を生じてこの配向を適所で凍結させる。凝固し た樹脂は、抜取ロール４４によって型３６から抜き取られ、複数の直立ステム４ ８の配列を備えたウェブ４２となる。このウェブ４２は、保管のためのロール状 に巻かれるか、或いは図６Ｂの茸形成装置に直接送られる。 図６Ｂにおいて、ウェブ４２は２つのカレンダーロール５２ａ、５２ｂの間の ニップの隙間を通って送られ、それによりロール５２ａは複数のステム４８の末 端の所定部分に接触する。ステム４８に接触したロール５２ａは加熱され、それ によりステム先端を、それらが機械的圧力の下で容易に変形するような温度まで 加熱する。それらステム先端をこの温度に維持することにより、溶融と分子配向 の喪失とが生じる。このような接触の間及び／又はその後の冷却中に、ステム先 端は、図１〜図５に示す略一様なディスク状の茸形ヘッド１８に成形される。各 ヘッドは、実質的に平坦で僅かに凹形の外面１９を備え、元のステム４８よりも 大きな断面を有する。 ２つのカレンダーロール５２ａ、５２ｂの間のニップの隙間を調整又は削減す ること、及び／又はウェブ４２の速度を増加することにより、ロール５２ａから 伝達される熱を、ステム４８の先端をステム４８がウェブ４２の基部から直角に 突出した状態で変形するには不充分なものとすることができる。その結果、弾性 的に撓むことのできるステム４８は、ヘッドが成形されるに従ってロール５２ａ に関し軸方向に撓曲され、ヘッドがロール５２ａから離れた後に、ウェブ４２の 基部に直交する本来の直立姿勢に復元する。このようにして成形されたヘッド１ ８ａは、図１〜図５に示すようなヘッド１８の外面１９が支持部１２の隣接主要 面に略平行な配置ではなく、図７に示すようなヘッド１８ａの外面１９ａが支持 部１２ａの隣接主要面に対して約３０°の角度を呈する配置に置かれる。２つの カレンダーロール５２ａ、５２ｂの間のニップの隙間を調整又は削減すること、 及び／又はウェブ４２の速度を増加することにより、ヘッド１８ａの外面１９ａ は支持部１２ａの隣接主要面に対して少なくとも４５°までの角度に配置される と考えられる。 図３及び図７に示すように、ヘッド１８及び１８ａの外面１９及び１９ａ（略 平坦であると規定する）は、幾らか不規則であり、僅かに凹形である。「ヘッド の外面（又は内面）が配置される角度」とは、ヘッド１８又は１８ａの外面１９ 又は１９ａに接触配置されかつ支持される平坦面が、支持部１２又は１２ａの隣 接主要面等の他の面に対して配置される角度を意味する。 図８は、図１のフックストリップ１０のロール６０を示す。このフックストリ ップは、フック１４の反対側の支持部１２の主要面に恒久的に接着された感圧接 着剤の層６２を備える。層６２すなわち感圧接着剤は、ロール６０にて下側に巻 かれたフック材１０のフック群１４のヘッド１８の外面１９に脱離可能に付着し 、それによりフックストリップ１０を、それが物体に適用するために引き出され るまで、ロール６０内に保持する。したがって、ロール６０におけるフックスト リップ１０の接着剤層６２は、それを保護するための離型紙を必要としない。ロ ール６０における接着剤層６２が付着するヘッド１８の面積を限定することによ り、接着剤とヘッド１８との間に、フックストリップ１０をそれが意図的に巻き を解かれるま でロール６０にきつく巻かれた状態に保持するに充分であるとともに、フックス トリップ１０が容易に巻きを解かれてロール６０から引き出されることを可能に する接着力が付与される。ヘッドの外面は、ロール６０におけるフックストリッ プ１０の巻層群に良好な支持を供与するので、ロール６０はその側面に沿って、 巻層群がロール６０の軸方向に入れ子式に延びることを防止するフランジを必要 としない。所望長さのフックストリップ１０の巻きを解き、ロール６０から切取 り、衣料の一部分（例えば、特に使い捨ておむつや他の使い捨て衣料の一部分を 含む）のような物体に接着固定して、その部分を衣料の他の部分に脱離可能に係 着することを可能にすることができる。実施例 エチレン−プロピレン衝撃コポリマー樹脂（シェルケミカル社から入手可能な ＃SRD7-463）を、キャビティ群を凹設した型の連続表面を毎分２３メートルの表 面速度で移動しつつ、９３℃に維持された型のキャビティ群内に２６０℃の温度 で押し出した。型は、型表面に沿って各方向へ約０．６４mm間隔に正方配列され た複数の穴ないしキャビティを備えていた（すなわちキャビティ密度が１平方セ ンチメートル当り２５０個）。各穴は、約０．２mmの直径及び１．７８mmの深さ を有した。使用された装置は、図６Ａに示すものとは異なり、樹脂が型に押し出 される場所に隣接したローラにより、樹脂を型の表面に沿って穴内に押し込むも のであった。ローラはこの表面から離間して配置され、それによりキャビティ群 及び型表面を覆う樹脂層の厚みが０．０９mmになった。凝固した樹脂は、型から 抜き取られ、約０．４７mmの長さの直立ステム群の配列を有するウェブとなった 。 図６Ｂに示す形式の装置を使用して、上記の成形されたウェブは 、０．２mm離れた２つのカレンダーロールの間のニップを通って毎分３ｍの速度 で走行し、その間、ステム群の端部に接触する上方のロールは１４０℃の温度に 維持された。このようにして、図３に示す茸式フックストリップ１０が製造され た。フック１４は、直径が約０．３５mm、外面１９の面積が約１０．０mm²、外 面１９と内面１７との間の厚みが約０．０７mmのキャップないしヘッド１８を備 えた。ヘッド１８は、ステム１６の半径方向に約０．０８mm張り出していた。フ ック高さ（すなわちヘッド１８の外面１９と支持部１２の隣接面との間の高さ） は約０．２８mmで、ステム径は約０．２０mmであった。フックストリップ１０の 複数のフック１４は、一般に良いループファスナー部材とは認められないような 、嵩のない不織物、編織布、及び不織繊維層の積層体の繊維群に係合した。この 係合は、剪断方向の相対移動（すなわちフックストリップ１０とそのフック群１ ４が係合する布帛ないし積層体との間の、フックストリップ１０の支持部１２に 平行な方向への相対移動）によって制限され、フック群１４がそれら布帛ないし 積層体から容易に脱離されることを可能にした。 剪断強さのデータは、後述する剪断試験により、茸式フックストリップ１０の フック群１４と、幾つかの織布、編布、不織布、積層体、及びフックアンドルー プ式ファスナーの一部として使用できるループ部材との係合に関して得られた。 比較のために、同様の剪断強さのデータが、イリノイ州サウスオランダのアプリ ックス社から商標名＃２００で市販されているフックファスナーと、同じ布帛、 積層体、及びループ部材との係合に関して得られた。 実施例のフックストリップ部材１０とアプリックス＃２００フックファスナー （在庫番号MX25M000-H）との物理的特性の比較は、以下の通りである。 結果として得られた剪断強さのデータは以下の通りである。 しばしば衣料に使用される種類の織布（すなわちオハイオ州ハドソンのファブ リセンターズオブアメリカ社から商標名ビーチウッド（Beachwood）2342000104 で市販されている５０％ポリエステル−５０％レーヨンの織布）に対する剪断試 験によれば、この織布に対する実施例のフックストリップ１０の剪断方向への係 合力は、織布の縦方向すなわちたて糸方向への剪断の場合に約４６g/cm²であり 、織布の横方向すなわちよこ糸方向への剪断の場合に約９４g/cm²であった。こ れに対し、この織布に対するアプリックスフックファスナーの剪断方向への係合 力は、織布の縦方向すなわちたて糸方向への剪断の場合に約２３g/cm²であり、 織布の横方向すなわちよこ糸方向への剪断の場合に約１６g/cm²であった。 しばしば衣料に使用される種類の他の織布（すなわちファブリセンターズオブ アメリカ社から商標名ビーチウッド（Beachwood）18173 00994で市販されている５０％ポリエステル−５０％レーヨンの織布）に対する 剪断試験によれば、この織布に対する実施例のフックストリップ１０の剪断方向 への係合力は、織布の縦方向すなわちたて糸方向への剪断の場合に約２９g/cm² であり、織布の横方向すなわちよこ糸方向への剪断の場合に約４９g/cm²であっ た。これに対し、この織布に対するアプリックスフックファスナーの剪断方向へ の係合力は、織布の縦方向すなわちたて糸方向への剪断の場合に約１０g/cm²で あり、織布の横方向すなわちよこ糸方向への剪断の場合に約０g/cm²であった。 しばしば衣料に使用される種類の編布（すなわちファブリセンターズオブアメ リカ社から商標名ビーチウッド（Beachwood）6111200301で市販されている１０ ０％アクリル布帛の編布）に対する剪断試験によれば、この編布に対する実施例 のフックストリップ１０の剪断方向への係合力は、編布の縦方向すなわちたて糸 方向への剪断の場合に約４５g/cm²であり、編布の横方向すなわちよこ糸方向へ の剪断の場合に約６９g/cm²であった。これに対し、この編布に対するアブリッ クスフックファスナーの剪断方向への係合力は、編布の縦方向すなわちたて糸方 向への剪断の場合に約１７g/cm²であり、編布の横方向すなわちよこ糸方向への 剪断の場合に約２１g/cm²であった。 しばしば使い捨て衣料（例えば使い捨ておむつ）に使用される種類の不織積層 体（すなわちイリノイ州シカゴのファイバーウェブから商標名セレストラ（Cele stra）で市販されている不織繊維層であって０．０４mm厚のポリプロピレンフィ ルムに積層された０．５オンスのポリプロピレン不織繊維層）に対する剪断試験 によれば、この積層体の不織繊維層に対する実施例のフックストリップ１０の剪 断方向への係合力は、積層体の縦方向への剪断の場合に約２９３g/cm ² であり、積層体の横方向への剪断の場合に約１７１g/cm²であった。これに対し 、この不織繊維層に対するアプリックスフックファスナーの剪断方向への係合力 は、積層体の縦方向への剪断の場合に約６５g/cm²であり、積層体の横方向への 剪断の場合に約１１６g/cm²であった。 しばしば使い捨て衣料に使用される種類の他の不織積層体（すなわちスコット ランドのダウアンドロウから市販されている不織繊維層であって０．０４mm厚の ポリプロピレンフィルムに積層された０．５オンスのスパンボンドポリプロピレ ン（spunbond polypropylene）不織繊維層）に対する剪断試験によれば、この積 層体の不織繊維層に対する実施例のフックストリップ１０の剪断方向への係合力 は、積層体の縦方向への剪断の場合に約２２１g/cm²であり、積層体の横方向へ の剪断の場合に約２５４g/cm²であった。これに対し、この積層体の不織繊維層 に対するアプリックスフックファスナーの剪断方向への係合力は、積層体の縦方 向への剪断の場合に約５１g/cm²であり、積層体の横方向への剪断の場合に約５ ９g/cm²であった。 しばしば工業用拭き取り部材に使用される種類の不織材（すなわちヴェラテッ クから商標名ヴァーサロン（Versalon）140-093で市販されているハイドロエン タングルドレーヨン／ＰＥＴ（hydroentangled rayon/PET）不織材）に対する剪 断試験によれば、この不織材に対する実施例のフックストリップ１０の剪断方向 への係合力は約２５７g/cm²であり、これに対し、この不織材に対するアプリッ クスフックファスナーの剪断方向への係合力は約７４g/cm²であった。 しばしば衣料に使用される種類の他の不織材（すなわちジョージア州アトラン タのアモコから商標名ＲＦＸ９．５８５Ａで市販されているスパンボンドポリプ ロピレン（spunbond polypropylene）不織 材）に対する剪断試験によれば、この不織材に対する実施例のフックストリップ １０の剪断方向への係合力は約１０７g/cm²であり、これに対し、この不織材に 対するアプリックスフックファスナーの剪断方向への係合力は約４５g/cm²であ った。 しばしばお面の結び紐に使用される種類の他の不織材（すなわちミネソタ州セ ントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチャリングカンパニーによ って生産されているカーディング及びカレンダリングされて２０％の接合面を形 成した１と１／２デニールのポリプロピレン繊維の不織ウェブ）に対する剪断試 験によれば、この不織材に対する実施例のフックストリップ１０の剪断方向への 係合力は約１９５g/cm²であり、これに対し、この不織材に対するアプリックス フックファスナーの剪断方向への係合力は約２g/cm²であった。 フックアンドループ式ファスナーのループ部分に使用するために販売されてい るループ部材（すなわちアプリックスから商標名ループ在庫番号MX25L000-Hで市 販されているループ部材）に対する剪断試験によれば、このループ部材に対する 実施例のフックストリップ１０（フックストリップ１０の支持部１２をミネソタ マイニングアンドマニュファクチャリングカンパニーから入手可能な包装用テー プ３５５番で補強した）の剪断方向への係合力は約１３６９g/cm²であり、これ に対し、このループ部材に対するアプリックスフックファスナーの剪断方向への 係合力は約１１４７g/cm²であった。 試験 剪断強さ試験 上記値を得るのに用いた剪断強さ試験方法は、ＡＳＴＭ／Ｄ５１６９−９Ｌモ ード１の修正版であった。剪断強さは、インストロン（Instron:商標）モデル１ １２２の引張試験機によって測定され た。試験されたフックストリップと布、積層体、不織材、又はループ部材とは、 各々長さ１０２mm、幅２５mmの試料片に切断された。各試料片は、それらに「室 条件」すなわち２１℃で相対湿度４５％の条件で２４時間に亙り平衡を生じさせ ることにより調整された。フックストリップの試料片は、フック群を直立状に突 出させた状態で支持面上に置かれ、試験される布、積層体、不織材、又はループ 部材の試料片は、それらの被係合面をフックストリップ上で下に向けて、それら 試料片と試料フックストリップとの重畳部分が長さ５１mm、幅２５mmとなるよう に置かれた。５kgローラは、試料片の相互係合した部分の上で、各方向へ５回す なわち合計１０回、転がされた。次に、係合したフックストリップと布、積層体 、不織材、又はループ部材の試料片との自由端は、引張試験機の顎部に各々配置 されて、剪断試験を行う基準となる線が顎部の移動方向に平行に心合せされた。 顎部は、毎分３００mmのクロスヘッド速度で離反方向へ移動され、係合したフッ クストリップと布、積層体、不織材、又はループ部材の試料片とを分離した。ペ ン及び図表記録計は、この分離の間に両者間の係合の剪断を引き起こすに要した 最大力を記録した。上述した剪断強さの値は、３回のそのような試験の平均値で ある。複屈折 複屈折は、例えば、異なる屈折率を有した標準流体の使用、ベッケ線技術、分 散液染色、補償器等の、幾つかの異なる光学技術のいずれによっても測定できる 。上述の実施例によるフックストリップ１０の複屈折測定値は０．００３であり 、これを得るために補償器の技術が用いられた。 ケンタッキー州コビントンのイーライツカンパニーによるベレク（Berek）補 償器を備えた「オーソラックス２ポル（Ortholux２Pol） 」偏光顕微鏡を使用して、フックストリップはＺ軸を南北に向けた直交偏光下に 置かれる。顕微鏡の載物台は４５°回転させられる。補償器は、黒い縞が現れる まで各方向に回転させられる。このとき、リターデーションは等しくかつ反対で ある。補償器の読取りは記録され、試料の複屈折は等式Ｂ＝Ｒ×Ｃ／ｔに従って 計算される。ここで、Ｒ＝リターデーション、Ｃ＝補償器定数、及びｔ＝試料厚 み、である。リターデーションＲは、２つの要素間の波数における位相差として 定義される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メルビー，ウィリアム エル. アメリカ合衆国，ミネソタ 55133―3427, セント ポール，ポスト オフィス ボッ クス 33427（番地なし) (72)発明者 ネステガード，スーザン ケー. アメリカ合衆国，ミネソタ 55133―3427, セント ポール，ポスト オフィス ボッ クス 33427（番地なし) (72)発明者 ウッド，レイ イー. アメリカ合衆国，ミネソタ 55133―3427, セント ポール，ポスト オフィス ボッ クス 33427（番地なし) (72)発明者 リンドゼセス，マービン ディー. アメリカ合衆国，ミネソタ 55133―3427, セント ポール，ポスト オフィス ボッ クス 33427（番地なし) (72)発明者 ビチンスキ，デイル エー. アメリカ合衆国，ミネソタ 55133―3427, セント ポール，ポスト オフィス ボッ クス 33427（番地なし)

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．フックアンドループ式メカニカルファスナーにおいて使用できる茸式フッ クストリップであって、熱可塑性樹脂からなる均質な支持部と、該支持部に一体 で高密度配列の複数のフックとを具備し、それらフックが、支持部から突出する ステムと支持部とは反対側のステム先端に形成される円板状のヘッドとを備え、 該ヘッドが、前記支持部とは反対側の略平坦な端部外面と該外面に略平行で該支 持部に隣接した内面とを備え、前記ステムが、少なくとも０．００１の複屈折値 によって立証される分子配向を備えてなるフックストリップ。 ２．１cm²当り６０個以上のフック密度を有する請求項１に記載のフックスト リップであって、前記ステムが約０．０７６〜０．６３５mmの範囲の直径を有し 、前記ヘッドが、約０．０１３mm〜０．２５４mmの範囲の外面内面間の平均厚み を有するとともに、平均約０．０１３〜０．２５４mmの範囲で前記ステムから張 り出してなるフックストリップ。 ３．１cm²当り１２５個以上のフック密度を有する請求項１に記載のフックス トリップであって、前記ステムが約０．１２７〜０．３０５mmの範囲の直径を有 し、前記ヘッドが、約０．０２５mm〜０．１２７mmの範囲の外面内面間の平均厚 みを有するとともに、平均約０．０２５〜０．１２７mmの範囲で前記ステムから 張り出してなるフックストリップ。 ４．１cm²当り少なくとも約２５０個のフック密度を有する請求項１に記載の フックストリップであって、前記ステムが約０．１２７〜０．２５４mmの範囲の 直径を有し、前記ヘッドが、約０．０７mmの外面内面間の平均厚みを有するとと もに、平均約０．０８mmだ け前記ステムから張り出してなるフックストリップ。 ５．前記フックが０．１mm〜１．２７mmの高さと１cm²当り１２５個以上のス テム密度とを有し、前記ヘッドが、約０．０２５mm〜０．１２７mmの範囲の外面 内面間の厚みを有するとともに、約０．０２５〜０．１２７mmの範囲で前記ステ ムから張り出してなる請求項１に記載のフックストリップ。 ６．ヘッドの直径とヘッドの外面内面間の厚みとの比が、２．５：１〜６：１ の範囲である請求項１に記載のフックストリップ。 ７．前記フックストリップが、細長く、前記ステムの反対側の前記支持部の表 面に感圧接着剤層を備え、ロール状に巻かれ、このとき該接着剤層をロール内の フックストリップの下側の巻層のヘッド外面に脱離可能に付着させてフックスト リップをロールに保持する請求項１に記載のフックストリップ。 ８．ヘッド付ステムの間隔取りが、２片のフックストリップが相互係合でき、 以てメカニカルファスナーを提供するように構成される請求項１に記載のフック ストリップ。 ９．前記ヘッドの外面が、隣接する前記支持部の表面に略平行である請求項１ に記載のフックストリップ。 １０．前記ヘッドの外面が、隣接する前記支持部の表面に対して約３０°の角 度に配置される請求項１に記載のフックストリップ。 １１．前記ヘッドの外面が、隣接する前記支持部の表面に対して約４５°まで の角度に配置される請求項１に記載のフックストリップ。 １２．前記ステムの各々が、ヘッドに隣接する側で基端よりも小さな直径に僅 かに縮径される請求項１に記載のフックストリップ。 １３．フックアンドループ式メカニカルファスナーにおいて使用できる茸式フ ックストリップであって、熱可塑性樹脂からなる細長 い均質な支持部と、該支持部に一体で高密度配列の複数のフックとを具備し、そ れらフックが、支持部から突出するステムと支持部とは反対側のステム先端に形 成される円板状のヘッドとを備え、該ヘッドが、前記支持部とは反対側の略平坦 な端部外面と該外面に略平行で該支持部に隣接した内面とを備え、前記フックス トリップが、前記ステムの反対側の前記支持部の表面に感圧接着剤層を備え、ロ ール状に巻かれ、このとき該接着剤層をロール内のフックストリップの下側の巻 層のヘッド外面に脱離可能に付着させてフックストリップをロールに保持するよ うに構成されたフックストリップ。 １４．連続表面から凹設されて直立ステム群の配列の雌型となる複数のキャビ ティを備えた型を用いて茸式フックストリップを製造する方法であって、 ａ）型の表面を所定軌道に沿って移動し、 ｂ）分子配向可能な溶融熱可塑性樹脂を、複数のキャビティを満たすべき量を 超えて、その超過分がキャビティ及びキャビティ周囲の表面を覆う樹脂層を形成 するように、それらキャビティに連続的に注入し、 ｃ）キャビティを取り囲む型を連続的に冷却して、溶融樹脂がキャビティを満 たす間に溶融樹脂に分子配向を生じさせ、 ｄ）注入された樹脂を凝固させ、 ｅ）凝固した樹脂層を、支持部及び一体の直立ステム群の配列として、型から 連続的に抜取り、 ｆ）熱表面との接触によりステム群の先端を変形して、各ステムの先端に円板 状の茸形ヘッドを形成する、 各ステップを有した方法。 １５．前記変形ステップの間に前記ステム群を撓曲させるステップをさらに有 し、それにより前記ヘッド群の外面を支持部の隣接主 要面に対して約４５°までの角度に配置する請求項１４に記載の方法。 １６．ステム群とは反対側の支持部の表面に感圧接着剤層を添設するステップ と、フックストリップをロール状に巻き、接着剤層をロール内のフックストリッ プの下側の巻層のヘッド外面に脱離可能に付着させてフックストリップをロール に保持するステップとをさらに有する請求項１４に記載の方法。