JPH08507989A - 膨張制限装置付きエアバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 膨張するエアバッグ（３２）は、膨張気体を受け入れる入口部（３６）、及び少なくとも一つの第１通気孔（４２）を含む柔軟な壁部分（３４、４０）と、一端が壁部分の第１通気孔の一方の側に接合され他端は壁の第１通気孔側と反対の側に接合されており、少なくとも一つの第２通気孔を含む伸張可能な柔軟部材（５０）と、柔軟部材と壁で囲われた部分の中に形成された、膨張気体が流出することのできる排出口（４４）を形成するために膨張の初期段階に第１通気孔と第２通気孔を整列状態に維持し、かつ膨張継続中に第１通気孔と第２通気孔を互いに移動して排出口を閉鎖できるようにするための膨脹ジョイント（６０、７０、６２、７２）を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 膨張制限装置付きエアバッグ 発明の背景 本発明は一般にエアバッグに関し、さらに詳細にはエアバッグの膨張速度を制 御するための手段に関する。 当技術分野では周知のように、エアバッグは着席者を保護するために急速に充 填可能でなければならないが、着席者、特に位置がずれた着席者に付与される力 を制限するために十分な緩やかさでなければならない。従来の技術で、エアバッ グの膨張速度ならびにエアバッグが膨張に応じてとる軌跡を制御するための種々 の技法が提案されている。これらの技法には、膨張を効果的に減速させるつなぎ 索を使用してインフレータが膨張用気体を供給する速度を制御すること、膨張用 気体の一部を排出させることができる様々なレベルの孔隙率を有する被覆された 、または部分被覆された、または被覆されていない織地の使用が含まれる。容易 に理解できることであるが、特に位置のずれた着席者に対するエアバッグの衝撃 が一定の設計限界内に収まるように、エアバッグの膨張速度を制御できることが 望ましい。本発明は、このような膨張速度を制御する手段を対象とするものであ る。 従って、本発明は、膨張用気体を受け入れる入口部と、少なくとも一つの第１ 通気孔を有する柔軟な壁で囲われた部分とを有する、膨張に適したエアバッグを 含む。柔軟な部材は、その一端が壁の第１通気孔の一方の側に接合され、他端が 壁の第１通気孔側とは反対の側に接合される。この柔軟部材は少なくとも一つの 第２通気孔を含む。エアバッグは、柔軟部材と壁とに形成された第１と第２の通 気孔を、膨張の初期段階に膨張気体が流出することのできる排出口を形成するよ うに整列し、維持し、及び膨張継続中に排出口を閉鎖するように第１と第２の通 気孔を互いに移動できるようにする第１手段を含む。本発明の好ましい実施例で は、第１手段は、エアバッグの壁で囲われた部分と柔軟部材の両方の中に形成さ れた複数の膨張ジョイントを含む。エアバッグが膨張し続けるとき、整列した通 気孔は、膨張ジョイントが伸びて膨張ジョイントを通る気体の流れを効果的に閉 じるため、互いに移動することができる。 本発明のその他多くの対象及び目的は、下記の図面の詳細な説明によって明ら かになろう。図面の簡単な説明 第１図および第２図は、典型的な従来の技術による同乗者側と運転者側のエア バッグ設備の構造を示す図である。 第３図および第４図は、本発明を構成するエアバッグを示す図である。図面の詳細な説明 同乗者側エアバッグ１０と運転者側エアバッグ１２の構造をそれぞれ図示する 第１図と第２図を簡単に参照する。図ではエアバッグは概略的に示されている。 エアバッグが望みの形状を達成するために、一つの織物、または一般的に縫合さ れた複数の織物から成ることはよく知られている。第１図では、気体インフレー タ１４がやはり概略的に示されており、この周りにエアバッグ１０が固定されて いる。インフレータから出る加熱気体からエアバッグ１０を遮へいするために、 織物製の補強材すなわち熱遮へい層１６を設けることが多い。第２図は、運転者 側エアバッグ１２の一般的な据付けを示す。インフレータ１８がエアバッグ１２ を保護する熱遮へい物２０と共に示されている。当技術分野で周知のように、エ アバッグを膨張させるために要する時間は数ミリ秒程度である。この時間中に、 比較的軽量のエアバッグは急速に外側に推し進められ、着席者を保護する。同乗 者側エアバッグの場合にはインストル・パネルに近過ぎる位置にあり、運転者側 エアバッグの場合にはかじ取ハンドルに近過ぎる位置にある着席者を、「位置が ずれた着席者」と呼ぶことが多い。このような着席者に対してエアバッグが付与 する力は比較的高くなる可能性がある。上述のように現在は、インフレータがエ アバッグを充填する初期速度を絞る、すなわち制限、あるいは複雑さと費用が増 加するつなぎ索によるなど、エアバッグと位置がずれた着席者との間の衝撃を軽 減するための様々な手段が存在する。 第３図と第４図は、本発明に従って製造された膨張エアバッグの上面図を示す 。第３図では、エアバッグが完全に充填される前に、位置のずれた着席者がエア バッグによって衝撃を受けている。第４図では、エアバッグは完全に充填されて いる。インフレータ３０の概略図を示すが、これは同乗者側のインフレータでも 、または運転者側のインフレータでもよい。エアバッグ３２はクッション部分３ ４と、一般に３６として示す入口部分を含む。エアバッグの一部分に、一般的に はエアバッグの側壁４０に第１通気孔４２がある。ここで使用されているように 、側壁はバッグの水平部分の上に置くことも垂直部分の上に置くこともできる。 柔軟材料層が、縫合などによって通気孔４２の上流位置５４でエアバッグ３２に 取り付けられている。柔軟部材は、縫合などによって通気孔４２の下流（着席者 により近い）位置でエアバッグに取り付けられている。柔軟部材の該当する端部 が固定されているかぎり、通気孔４２の上流で柔軟部材をエアバッグに物理的に 取り付ける必要はないことを理解されたい。このように、柔軟部材をエアバッグ に固定することができ、またはインフレータ３０に対して、またはインフレータ ３０に固定することができる。柔軟層はエアバッグと同じ素材でも、またはシー ト・ベルト・ウェッビングなどの他の織物、またはプラスチック層で作ることも できる。柔軟部材はさらに少なくとも一つの別の通気孔５６を含む。エアバッグ は、好ましい実施例においては柔軟部材と側壁の両方に形成された第１通気孔４ ２と第２通気孔５６は、エアバッグ膨張の初期段階中には双方をそれぞれ整合さ れた状態に維持して膨張用気体の一部が排出できる排出口４４を形成し、かつエ アバッグの膨張継続に応じて第１通気孔と第２通気孔を互いに移動させて排出口 を閉じるようにすることのできる手段を備えている。本発明の好ましい実施例で は、この手段は、一般に６０として示されている膨張ジョイントをエアバッグの 側壁部分４０内に形成することによって実現される。膨張ジョイントは、エアバ ッグにおける一般に位置６２にひだを形成することによって作られる。ひだは当 初は複数の縫い目６４によって互いに維持され、エアバッグの膨張継続中に解け て側壁部分が完全に拡張した長さにまで増加できるようになっている。この手段 はまた、柔軟部材５０の中に形成された第２膨張ジョイント７０を含む。本発明 の好ましい実施例では、第２膨張ジョイント７０は、位置７２に形成された、一 般に ７４で示す第２の複数の縫い目によって共に保持された第２のひだを有する。第 １通気孔と第２通気孔ならびに種々の第１膨張ジョイントと第２膨張ジョイント はエアバッグの片側または他の側に、あるいはエアバッグの頂部と底部に形成す ることができることを理解されたい。排出口の有効面積すなわち第１通気孔４２ と第２通気孔５６の整合された面積は、バッグの圧力を低減させ、着席者にかか る力を安全なレベルに制限するのに十分な大きさに選択される。直径２インチ（ ５．０８ｃｍ）の通気孔によって満足できる結果が実証された。また、エアバッ グの中に形成された一つの通気孔と柔軟部材の中に形成された他の一つの通気孔 とを使用することに加えて、全面積が所望の値になることを条件として複数の通 気孔を使用してもよいことを理解されたい。 上述のように、第３図は部分的に膨張されたエアバッグを図示する。見てわか るように、エアバッグの前面８０は位置のずれた着席者８４と接触している。こ の接触によりエアバッグの拡張が一時的に制限される。この条件では、エアバッ グはその折り畳まれて収納された輪郭から開いており、整合された第１通気孔４ ２と第２通気孔５６を十分に露出させ、こうして膨張用気体（矢印８２を参照） はこれらの通気孔を通過することができ、これによって膨張の初期段階で発生す る速度が効果的に制限される。この膨張速度制限の直接の効果は、着席者に付与 される力が制限されることである。第４図は、完全に充填されたエアバッグを示 す。第４図は、位置のずれた着席者がエアバッグによって後方に押された状況、 または完全に充填されたエアバッグと正しく座っている着席者を概略的に示す図 である。いずれにしても、エアバッグが膨張し続けると、縫う６４、７４ことで 形成されたはぎ取り縫い目が開き、これによって膨張ジョイント６０及び７０が 伸張する。エアバッグがさらに膨張すると、壁の部分４０と柔軟部材５０が拡張 し続けて、第４図に示すような相対的な配置に達し、この状態で第１通気孔４２ と第２通気孔５６は、エアバッグの内部圧力によって互いに押し合った側壁と柔 軟部材によってずれており、したがって、前記通気孔を通じて膨張用気体がさら に流出することを防止しまたは厳しく制限し、エアバッグの膨張速度を増加させ ることのできる。通気孔５６は通気孔４２に対して相対的に移動するので、これ ら通気孔間の有効面積が変化して、これを通って流出することのできる膨張用気 体の量を可変的に減少させることを理解されたい。 もちろん本発明の範囲を逸脱することなく、上記の本発明の実施例に対して多 くの変更及び修正を行うことができる。したがって、本発明の範囲は添付の特許 請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年７月２８日 【補正内容】 補正明細書 膨張制限装置付きエアバッグ 発明の背景 本発明は一般にエアバッグに関し、さらに詳細にはエアバッグの膨張速度を制 御するための手段に関する。 当技術分野では周知のように、エアバッグは着席者を保護するために急速に充 填可能でなければならないが、着席者、特に位置がずれた着席者に付与される力 を制限するために十分な緩やかさでなければならない。従来の技術で、エアバッ グの膨張速度ならびにエアバッグが膨張に応じてとる軌跡を制御するための種々 の技法が提案されている。これらの技法には、膨張を効果的に減速させるつなぎ 索を使用してインフレータが膨張用気体を供給する速度を制御すること、膨張用 気体の一部を排出させることができる様々なレベルの孔隙率を有する被覆された 、または部分被覆された、または被覆されていない織地の使用が含まれる。容易 に理解できることであるが、特に位置のずれた着席者に対するエアバッグの衝撃 が一定の設計限界内に収まるように、エアバッグの膨張速度を制御できることが 望ましい。ドイツ特許ＤＥ−３６１８０６０号は、その膨脹速度を制御する手段 を有するエアバッグを開示している。このエアバッグは、通気孔３の周りに縫い 付けた帯状の材料５を含んでいる。エアバッグが膨脹すると、通気孔の周りの縫 い目の一つが開いて、通気口が露出する。本発明は、このような膨張速度を制御 する手段を対象とするものである。 従って、本発明は、膨張用気体を受け入れる入口部と、少なくとも一つの第１ 通気孔を有する柔軟な壁で囲われた部分とを有する、膨張に適したエアバッグを 含む。柔軟な部材は、その一端が壁の第１通気孔の一方の側に接合され、他端が 壁の第１通気孔側とは反対の側に接合される。この柔軟部材は少なくとも一つの 第２通気孔を含む。エアバッグは、柔軟部材と壁とに形成された第１と第２の通 気孔を、膨張の初期段階に膨張気体が流出することのできる排出口を形成するよ うに整列し、維持し、及び膨張継続中に排出口を閉鎖するように第１と第２の通 気孔を互いに移動できるようにする第１手段を含む。本発明の好ましい実施例で は、第１手段は、エアバッグの壁で囲われた部分と柔軟部材の両方の中に形成さ れた複数の膨張ジョイントを含む。補正請求の範囲 １．膨張気体を受け入れる入口部（３６）、及び少なくとも一つの第１通気孔（ ４２）を形成する少なくとも一つの孔を含む伸張可能で柔軟な壁部分（３４、４ ０）を備え、さらに 前記壁部分の第１の通気孔の一方の側に一端が接合され、他端は壁部分の第１ 通気孔側と反対の側に接合されており、少なくとも一つの第２通気孔を備えた伸 張可能な柔軟部材（５０）と、 柔軟部材と壁部分とで囲われた部分の中に形成された、膨張の初期段階に膨張 気体が流出することのできる排出口（４４）を形成するように第１通気孔と第２ 通気孔を整列状態に維持し、かつ膨張継続中に第１通気孔と第２通気孔を互いに 移動して排出口を閉鎖する第１手段（６０、７０、６２、７２）と を含むことを特徴とする膨張できるエアバッグ（３２）。 ２．壁部分が第１長さから第２長さへと動き、この動作の際に第１通気孔と第２ 通気孔の相対的位置を調節する壁部分に形成された第１膨張ジョイント（６０） を前記第１手段が含むことを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ。 ３．第１膨張ジョイントが、壁部分の適切な場所に縫い目（６４）によって固定 されたひだを含み、エアバッグが膨張を続けるときひだが解けて壁部分が伸張す ることを特徴とする請求項２に記載のエアバッグ。 ４．第１手段が、柔軟部材が伸張し、この動作の際に第１通気孔と第２通気孔の 相対的位置を調節する柔軟部材の中に形成された第２膨張ジョイントを含むこと を特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載のエアバッグ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．膨張気体を受け入れる入口部（３６）、及び少なくとも一つの第１通気孔（ ４２）を形成する少なくとも一つの孔を含む伸張可能で柔軟な壁部分（３４、４ ０）と、 前記壁部分の第１の通気孔の一方の側に一端が接合され、他端は壁部分の第１ 通気孔側と反対の側に接合されており、少なくとも一つの第２通気孔を備えた伸 張可能な柔軟部材（５０）と、 柔軟部材と壁部分とで囲われた部分の中に形成された、膨張の初期段階に膨張 気体が流出することのできる排出口（４４）を形成するように第１通気孔と第２ 通気孔を整列状態に維持し、かつ膨張継続中に第１通気孔と第２通気孔を互いに 移動して排出口を閉鎖する第１手段（６０、７０、６２、７２）と を含むことを特徴とする膨張できるエアバッグ（３２）。 ２．壁部分が第１長さから第２長さへと動き、この動作の際に第１通気孔と第２ 通気孔の相対的位置を調節する壁部分に形成された第１膨張ジョイント（６０） を前記第１手段が含むことを特徴とする請求項１に記載のエアバッグ。 ３．第１膨張ジョイントが、壁部分の適切な場所に縫い目（６４）によって固定 されたひだを含み、エアバッグが膨張を続けるときひだが解けて壁部分が伸張す ることを特徴とする請求項２に記載のエアバッグ。 ４．第１手段が、柔軟部材が伸張し、この動作の際に第１通気孔と第２通気孔の 相対的位置を調節する柔軟部材の中に形成された第２膨張ジョイントを含むこと を特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載のエアバッグ。 ５．壁部分の第１膨張ジョイントが第１通気孔の片側に位置し、第２膨張ジョイ ントが柔軟部材の中の第１通気孔の反対側に位置することを特徴とする請求項２ に記載のエアバッグ。 ６．柔軟部材の他端がエアバッグの壁部分に接合されていることを特徴とする請 求項１に記載のエアバッグ。