【発明の詳細な説明】
エンドセリンレセプター拮抗薬
発明の分野
本発明は、新規インドール誘導体、これらの化合物を含有する医薬組成物およ
びエンドセリン(endothelin)レセプター拮抗薬としてのそれらの使用に関する
。
背景
エンドセリン(ET)は、血管内皮によって合成され、かつ、放出される非常
に有効な血管収縮薬ペプチドである。エンドセリンは、3つのイソフォーム、E
T−1、ET−2およびET−3として存在する。[特記しない限り、「エンド
セリン」は、エンドセリンのイソフォームの全てを意味する]。エンドセリンは
、心臓血管系、特に、冠動脈、腎臓および大脳循環に対する深い効果を有する。
エンドセリンの高いまたは異常な放出は、心臓血管性、脳血管性、呼吸性および
腎臓性病態生理学の病原に含まれる平滑筋収縮に関連する。エンドセリンの高い
レベルは、本態性高血圧症、急性心筋梗塞、クモ膜下出血、アテローム性動脈硬
化症の患者、および透析下の尿毒症の患者からの血漿において報告されている。
in vivoで、エンドセリンは、血圧および心拍出量に対して著しい効果を有す
る。ラットにおけるETの静脈内ボーラス注射(0.1〜3nmo1/kg)は、一過
性の投与量関連降圧薬反応(0.5〜2分間持続する)の後に、投与後2〜3時
間上昇し続けることができる動脈血圧の持続性投与量依存性上昇を生じる。ラッ
トにおける3nmol/kg以上の投与量は、しばしば、致命傷となる。
エンドセリンは、腎臓血管床において優先の効果を生じることは明らかである
。GFR、尿量、尿ナトリウムおよびカリウム排出の有意な減少を伴って、腎臓
血流の著しく長く持続する減少を生じる。エンドセリンは、動脈ナトリウム排出
増加性ペプチドの有意な増加にかかわらず、持続性抗ナトリウム排出増加効果を
生じる。エンドセリンは、血漿レニン活性も刺激する。これらの発見は、ETが
腎臓機能の調節に関連し、急性腎不全、サイクロスポリン腎毒性および慢性腎不
全
を含む種々の腎臓障害に関連することを示す。
研究によって、in vivoで、脳血管系がエンドセリンの血管拡張薬および血管
収縮薬効果の両方に対して非常に敏感であることが判明した。したがって、ET
は、クモ膜下出血の頻繁な致命的な結果である脳血管痙攣の重要な媒介物質であ
る。
ETは、重篤な無呼吸および虚血性病変などの直接的な中枢神経系効果も示し
、これは、ETが脳梗塞および神経死(neuronal death)の進行に寄与すること
を示す。
ETは、心筋虚血[ニコルズ(Nicho1s)ら、ブリティッシュ・ジャーナル・
オブ・ファーマコロジー(Br.J.Pharm.)、99:597−601、1989お
よびクロゼル・アンド・クロゼル(Clozel and Clozel)、サーキュレーション
・リサーチ(Circ.Res.)、65:1193−1200、1989]、冠動脈血
管痙攣[フクダ(Fukuda)ら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロ
ジー(Eur.J.Pharm.)、165:301−304、1989およびリュシャ
不全、血管平滑筋細胞の増殖[タカギ(Takagi)、バイオケミカル・アンド・バ
イオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem. & Biophys.Res.
Commun.)、168:537−543、1990、ボベク(Bobek)ら、アメリカ
ン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Am.J.Physiol.)、258:408−
C415、1990]およびアテローム性動脈硬化症[ナカキ(Nakaki)ら、バ
イオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ、
158:880−881、1989およびラーマン(Lerman)ら、ニュー・イン
グランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New Eng.J.of Med.)、325:9
97−1001、1991]にも関連していた。エンドセリンの増加したレベル
は、冠動脈バルーン形成術後に見られた[カデル(Kadel)ら、第2491号、
サーキュレーション、82:627、1990]。
さらに、エンドセリンは、ヒト気管支を含む単離した哺乳動物気道組織の有効
な収縮薬であることが判明した[ウチダ(Uchida)ら、ヨーロピアン・ジャー
ナル・オブ・ファーマコロジー、154:227−228、1988、レジェン
ト(LaGente)、Clin.Exp.Allergy、20:343−348、1990;およびス
プリンガル(Springall)ら、ランセット(Lancet)、337:697−701
、1991]。
エンドセリンは、胃粘膜における出血性および壊死性損傷[ホイットル(Whit
tle)ら、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー、95:10
11−1013、1988];レーノー現象[シンニニエーロ(Cinniniello)
ら、ランセット、337:114−115、1991];片頭痛[エドミーズ(
Edmeads)、ヘッデイク(Headache)、1991年2月、第127頁];敗血症
[ワイツバーグ(Weitzberg)ら、Circ.Shock、33:222−227、199
1;ピテット(Pittet)ら、アナルズ・オブ・サージェリー(Ann.Surg.)、2
13:262−264、1991]、サイクロスポリン誘発性腎不全または高血
圧症[ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー、180:191−
192、1990、キドニィ・インターナショナル(Kidney Int.)、37:1
487−1491、1990]および内毒素性ショックおよび他の内毒素誘発疾
患[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーショ
ンズ、161:1220−1227、1989、アクタ・フィジオロジカ・スカ
ンジナヴィカ(Acta Physiol.Scand.)、137:317−318、1989]
の誘発に関連していた。
かくして、エンドセリンレセプター拮抗薬は、高血圧症、腎不全、脳血管疾患
、心筋虚血、アンギナ、心不全、喘息、アテローム性動脈硬化症、レーノー現象
、潰瘍、敗血症、片頭痛、緑内障、内毒素性ショック、内毒素誘発多臓器不全ま
たは播種性血管内凝固、サイクロスポリン誘発腎不全の薬物療法に対する、なら
びに、血管形成術および再狭窄の予防における補助としての固有のアプローチを
提供する。
発明の概要
本発明は、式(I)で示されるインドール誘導体およびこれらの化合物を含有
する医薬組成物、ならびに、限定されないが、高血圧症、急性および慢性腎不全
、
サイクロスポリン誘発腎毒性、発作、脳血管痙攣、心筋虚血、アンギナ、心不全
およびアテローム性動脈硬化症を含む種々の心臓血管および腎臓疾患の治療に有
用なエンドセリンレセプター拮抗薬としてのそれらの使用からなる。
本発明は、また、エンドセリンレセプターの拮抗を必要とする動物に、式(I
)で示される化合物の有効量を投与することからなるヒトを含む動物におけるエ
ンドセリンレセプターの拮抗方法を構成する。
発明の詳細な説明
本発明化合物は、構造式(I):
[式中、
R1は、−X(CH2)nArまたは−X(CH2)nR8または
であり;
R2は、水素、Arまたは(c)であり;
P1は、−X(CH2)nR8であり;
P2は、−X(CH2)nR8または−XR9Yであり;
R3およびR5は、独立して、水素、R11、OH、C1-8アルコキシ、S(O)q
R11、N(R6)2、Br、F,I、Cl、CF3、NHCOR6、−R11CO2R7、
−XR9−Y、XYまたは−X(CH2)nR8であり、ここで、−X(CH2)nR8
のメチレン基は、非置換であっても、1個以上の−(CH2)nAr
基で置換されていてもよく;
R4は、水素、Ar、R11、OH、C1-5アルコキシ、S(O)qR11、N(R6
)2、−X(R11)、Br、F、I、ClまたはNHCOR6であり、ここで、C1- 5
アルコキシは、非置換であっても、OH、メトキシまたはハロゲンで置換され
ていてもよく;
R6は、独立して、水素またはC1-4アルキルであり;
R7は、独立して、水素、C1-6アルキルまたは(CH2)nArであり;
R8は、水素、R11、CO2R7、CO2C(R7)2O(CO)XR7、−N(R7
)SO2R7PO3(R7)2;SO2NR7R11、CONR7O2R11、SO3R7SO2
R7、SO3R7、SO2R7、P(O)(OR7)7、CN、−C(O)N(R6)2
、テトラゾールまたはOR6であり;
R9は、C1-10アルキル、C2-10アルケニルまたはフェニルであり、これらの
全ては、非置換であっても、1個以上のOH、N(R6)2、COOH、ハロゲン
またはXC1-5アルキルによって置換されていてもよく;
R10は、R3またはR4であり;
R11は、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニルであり、これら
の全ては、非置換であっても、1個以上のOH、CH2OH、N(R6)2または
ハロゲンで置換されていてもよく;
Xは、(CH2)n、O、NR6またはS(O)qであり;
Yは、CH3または−X(CH2)nArであり;
Arは、
ナフチル、インドリル、ピリジル、チエニル、オキサゾリジニル、オキサゾリル
、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イ
ミ
ダゾリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジア
ゾリル、チアジアゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリ
ル、またはピリミジルであり、これらの全ては、非置換であっても、1個以上の
R3またはR4基で置換されていてもよく;
Aは、C=Oまたは(C(R6)2)mであり;
Bは、−CH2−または−O−であり;
qは、0、1または2であり;
nは、0〜6の整数であり;
mは、1、2または3であり;
点線は、二重結合の任意の存在を示す;
ただし、任意の二重結合が存在する場合、P1またはR10は存在せず、また、
R1の定義において、Xは、酸素ではない]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩である。
医薬的に許容される塩錯体も本発明に含まれる。
全てのアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ基は、直鎖状であ
っても、分枝鎖状であってもよい。「ハロゲン」なる語は、ヨード、フルオロ、
クロロまたはブロモを表すために使用される。アルキル基は、1つ以上のハロゲ
ンによって過ハロゲン化にまで置換されていてもよい。R9およびR11について
挙げた置換基は、化学の一般的な法則に従わせるために、それらの位置に依存し
て一価であっても二価であってもよい。
本発明化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有し、ラセミ形および光学活性
形で存在してもよい。これらの化合物およびジアステレオ異性体の全ては、本発
明の範囲内である。
好ましい化合物は、R1がX(CH2)nAr[ここで、Arは、(a)または(b
)である]、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾジオキサニル、シクロヘキシル、
またはC1-4アルキルであり;R2が(a)、(b)、C1-4アルキル、インドリル
または水素であり;R3およびR5が、独立して、水素、OH、C1-5アルコキシ
、ハロゲン、−OC1-4アルキルフェニル、R11CO2R7、C1-4アルキル、N(
R6)2、
NH(CO)CH3、−X(CH2)nR8、−XR9ピリジル、フェニルまたはS
(O)qC1-5アルキルであり;R4が水素、OH、C1-5アルコキシ、ハロゲン、
C1-4アルキル、N(R6)2、NH(CO)CH3またはS(O)qC1-5アルキル
であり;P1およびP2が、独立して、水素、CO2Hまたはテトラゾールであり
;Arが(a)、(b)、フェニルまたはピリジルであり、Xが(CH2)nまたは
酸素である化合物である。
さらに好ましくは、R3が水素または−X(CH2)nR8、R11CO2R7であり
;R4およびR5が、独立して、水素、OH、C1-5アルコキシ、SC1-5アルキル
、F、 Br、C1-3アルキルまたはNH2である化合物である。
最も好ましくは、R1が(b)であり、R2が(a)または(b)であり;AがC
H2であり、Bが−O−であり、任意の二重結合が存在し;R3が水素、X(CH2
)qCOOHまたはCH=CHCO2Hであり、R4が水素、置換フェニル、また
はC1-2アルコキシであり;R5、R10およびP2が水素である化合物である。
特に好ましくは、以下の化合物である:
1−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキシフェニル)
インドール−2−カルボン酸;
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキ
シフェニル)インドール−2−カルボン酸;
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)
インドール−2−カルボン酸;
3−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロ
−4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸;
5−ベンジルオキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル
)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸;
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−5−ヒドロキシ−
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸;
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メ
チレンジオキシフェニル)−5−(プロパ−1−イルオキシ)インドール−2−
カルボ
ン酸;
5−カルボキシメトキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベン
ジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン
酸;
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メ
チレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸;
4−[1−[2−カルボキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)イ
ンドリル]]−4−(4−メトキシフェニル)酪酸。
本発明は、以下の方法によって製造することができる、式(1):
で示される化合物を提供するものである:
a)任意の二重結合が存在し、R10またはP1が存在しない化合物について、
ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中、式(2):
[式中、Xは、C1-5アルキルである]
で示される化合物を臭素と反応させて、式(3):
で示されるブロモインドールが得られる。
約100℃で、炭酸ナトリウム水溶液などの塩基の存在下、トルエン/メタノ
ールなどの溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)な
どのパラジウム(0)触媒の存在下、化合物(3)を式(4):
で示されるボロニック酸(boronic acid)と結合させることにより、式(5):
で示されるインドールが得られる。
式(4)で示されるアリールボロニック酸は、低温(−40℃〜−78℃)で
、乾燥テトラヒドロフランなどの溶媒中、n−ブチルリチウムなどのアルキルリ
チウムにより式(6):
Ar−Hal (6)
[式中、Halは、Cl、BrまたはIである]
で示されるハロゲン化アリールを金属交換反応に付し、次いで、ホウ酸トリイソ
プロピルなどのホウ酸トリアルキルにより急冷させ、次いで、塩酸水溶液などの
酸によって処理することによって製造される。
nが0ではない化合物については、水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在
下、ジメチルホルムアミドまたはヘキサメチルホスホルアミドなどの好適な溶媒
中、式(7):
R2−(CH2)n−Hal (7)
で示されるハロゲン化物によって式(5)で示されるインドールをアルキル化す
ることにより、nが0ではない式(8):
で示される化合物が得られる。
還流させながら、エタノールまはたイソプロパノールなどの溶媒中、水酸化ナ
トリウム水溶液により式(8)で示されるエステルを鹸化させることにより、n
が0ではない式(9):
で示される化合物が得られる。
別法としては、式(5)で示される化合物は、無水塩化リチウムの存在下、約
100℃で、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム(0)触媒の存
在下、タイプ(3)の化合物を式(10):
Ar−SnX3 (10)
で示されるアリールスタナン誘導体と結合させることによって得られる。式(1
0)で示されるアリールスタナンは、低温(−40℃〜−78℃)で、テトラヒ
ドロフランなどの溶媒中、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムにより式
(6)で示されるハロゲン化アリールを金属交換反応に付し、次いで、式(11
):
Cl−SnX3 (11)
で示されるトリアルキルクロロスタナンによって急冷させることによって製造さ
れる。
b)別法としては、式(3)で示される化合物を、水素化ナトリウムなどの好
適
な塩基の存在下、ジメチルホルムアミドまたはヘキサメチルホスホルアミドなど
の好適な溶媒中、n♯0、式(7)で示されるハロゲン化物でアルキル化して、
nが0ではない式(12):
で示される化合物が得られる。
約100℃で、炭酸ナトリウム水溶液などの塩基の存在下、トルエン/メタノ
ールなどの溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)な
どのパラジウム(0)触媒の存在下、式(12)で示される化合物を式(4)で
示されるボロニック酸と結合させることにより、nが0ではない式(8)で示さ
れる化合物が得られる。
別法としては、nが0ではない式(8)で示される化合物は、無水塩化リチウ
ムの存在下、約100℃で、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒
中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム
(0)触媒の存在下、化合物(12)を式(10)で示されるアリールスタナン
誘導体と結合させることによって得られる。
c)さらに別法としては、式(5)で示される化合物は、以下の製造方法によ
って製造される:
アセトニトリルなどの好適な溶媒および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデカ−7−エンなどの塩基中、式(14):
R1−CH2Hal (14)
で示されるハロゲン化物で式(13):
で示されるアセト酢酸のエステルをアルキル化して、式(15):
で示される化合物を得る。別法としては、アルキル化について、溶媒としてテト
ラヒドロフランを、塩基として水素化ナトリウムを使用する。
水酸化ナトリウム水溶液などの塩基の存在下、酢酸エチルなどの好適な溶媒中
、式(16):
で示されるアリールジアゾニウムクロライドでタイプ(15)の化合物を処理す
ることにより、ジャップ−クリンゲマン転移によって、式(17):
で示されるヒドラゾンが得られる。
エタノールなどの溶媒中、塩化水素ガスなどの好適な酸でタイプ(17)のヒ
ドラゾンを処理し、次いで、0.5〜12時間の還流により、式(5)で示され
るインドールが得られる。
d)nが0〜6であるタイプ(1)の化合物は、以下の方法により製造される
:
還流させながら、ホルムアルデヒド水溶液で式(18):
で示される化合物を処理することによって、式(19):
で示される生成物が得られる。
約40〜50℃で、シアン化カリウム水溶液でタイプ(19)の化合物を処理
することによって、式(20):
で示されるニトリルが得られる。
還流させながら、水酸化ナトリウム水溶液でタイプ(20)のニトリルを加水
分解させ、次いで、塩酸などの酸によって酸化させることにより、式(21):
で示される二酸が得られる。
タイプ(21)の化合物を、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドなど
の溶媒中、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどの好適
な塩基で処理し、次いで、ヨードメタンを添加することによってジエステル化し
て、式(22):
で示される化合物が得られる。
還流させながら、溶媒としてナトリウムメトキシドおよびメタノールなどの塩
基を使用して、タイプ(22)のジエステルをディックマン環化して、式(23
):
で示される生成物が得られる。
溶媒としてピリジン中、無水トリフルオロメタンスルホン酸でタイプ(23)
の化合物を処理することによって、式(24):
で示されるトリフラートが得られる。
X=Me、式(8)で示される化合物は、無水塩化リチウムの存在下、約10
0
℃で、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム(0)触媒の存在下、
化合物(24)を式(10)で示されるアリールスタナンと結合させることによ
って得られる。
別法としては、X=Me、式(8)で示される化合物は、約100℃で、炭酸
ナトリウム水溶液などの塩基の存在下、トルエン/メタノールなどの溶媒中、テ
トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム(0)
触媒の存在下、化合物(24)を式(4)で示されるボロニック酸と結合させる
ことによって製造することができる。
XがMeである式(8)で示される化合物を鹸化して、式(9)で示されるイ
ンドール−2−カルボン酸を得ることは、還流させながら、エタノールまたはイ
ソプロパノールなどの溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液で処理することによって
行うことができる。
化学的官能性の適切な操作および保護をともなって、式(I)で示される残り
の化合物の合成は、前記方法および実施例に記載の方法と同様の方法によって行
われる。
ヒトおよび他の哺乳動物の治療のために式(I)で示される化合物またはその
医薬的に許容される塩を使用するために、通常、医薬組成物として標準的な製薬
業務に従って製剤化される。
式(I)で示される化合物およびそれらの医薬的に許容される塩は、所定の疾
患の治療のための標準的な方法で、例えば、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、
吸入またはバッカル投与を介して投与される。
経口投与される場合に活性である式(I)で示される化合物およびそれらの医
薬的に許容される塩は、シロップ、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として製
剤化することができる。シロップ製剤は、一般に、フレーバーリング剤または着
色剤を含む化合物または塩の、例えば、エタノール、落花生油、オリーブ油、グ
リセリンまたは水などの液体担体中懸濁液または溶液からなる。当該組成物が錠
剤の形態である場合、固体製剤を調製するのに慣用的に使用される医薬担体が使
用
される。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、白土、タルク、
ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸、デンプン、ラクトー
スおよびシュークロースが挙げられる。当該組成物がカプセル剤の形態である場
合、例えば、ゼラチン硬カプセルシェル中に前期担体を使用するようないずれの
被包も好適である。当該組成物がゼラチン軟シェルカプセルの形態である場合、
例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油などの分散物または懸濁液
を調製するために慣用的に使用されるいずれの医薬担体も考えられ、ゼラチン軟
カプセルシェル中に一体化される。
典型的な非経口組成物は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、レシチン、落花生油またはゴマ油などの非経口的に許容される油を含有
する当該化合物または塩の、無菌の水性または非水性担体中溶液または懸濁液か
らなる。
吸入用の典型的な組成物は、乾燥粉末剤として、または、ジクロロジフルオロ
メタンまたはトリクロロフルオロメタンなどの慣用の噴射剤を使用してエアロゾ
ルの形態で投与される溶液剤、懸濁液剤または乳剤の形態である。
典型的な坐剤製剤は、この方法で投与されると活性な式(1)で示される化合
物またはその医薬的に許容される塩、ならびに、例えば、高分子グリコール、ゼ
ラチン、ココアバターまたは多の低融点植物ワックスまたは脂肪またはそれらの
合成類似物などの結合剤および/または潤滑剤からなる。
典型的な経皮製剤は、例えば、クリーム、軟膏、ローションまたはペーストな
どの慣用の水性または非水性賦形剤からなり、医用プラスター、パッチまたは膜
の形態である。
好ましくは、当該組成物は、患者が自分自身で1回投与量を投与することがで
きるような、例えば、錠剤、カプセル剤または計量されたエアロゾル投薬などの
単位投与形態である。
経口投与のための各投与単位は、好適には、遊離酸として計算して式(I)で
示される化合物またはその医薬的に許容される塩0.1mg〜500mg、好ましく
は、1mg〜100mgを含有し、非経口投与のための各投与単位は、好適には、式
(I)
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩0.1〜100mgを含有する
。鼻腔内投与のための各投与単位は、好適には、1人当たり1〜400mg、好ま
しくは、10〜200mgを含有する。局所用製剤は、好適には、式(I)で示さ
れる化合物を0.01〜1.0%含有する
経口投与のための日用量方針は、好適には、遊離酸として計算して式(I)で
示される化合物またはその医薬的に許容される塩約0.01mg/kg〜40mg/kg
である。非経口投与のための日用量方針は、好適には、遊離酸として計算して式
(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩約0.001mg/kg〜
40mg/kgである。鼻腔内投与および経口吸入のための日用量方針は、好適には
、約10〜約500mg/人である。当該活性成分は、所望の活性を示すのに充分
に、1日1〜6回投与される。
本発明化合物が本発明に従って投与される場合、許容されない毒物学的影響は
、全く予想されない。
式(I)で示される化合物の生物学的活性を以下の試験によって示す:
I.結合アッセイ
A)膜調製
ラット小脳または腎皮質を迅速に切断し、すぐに、液体窒素中で凍結させるか
、生を使用した。小脳については1〜2g、または、腎皮質については3〜5gの
組織を、モーター駆動ホネジナイザーを使用して、4℃の20mMトリスHClお
よび5mM EDTAを含有する緩衝液(pH7.5)15ml中にホモジナイズし
た。ホモジネートをチーズクロスを介して濾過し、4℃で10分間、20,00
0×gで遠心した。上澄み液を除去し、4℃で30分間、40,000×gで遠
心した。得られたペレットを、50mMトリス、10mM MgCl2を含有する少量
の緩衝液(pH7.5)中に再懸濁し;小さなバイアルにアリコットを採取し、液
体窒素中で凍結させた。膜を希釈して、結合アッセイにおける小脳および腎皮質
についての各管についてタンパク1および5mgを得た。
新しく単離したラットの腸間膜動脈および側副血管床を氷冷生理食塩水中(氷
上)で洗浄し、大きな血管に沿ってリンパ節を取り出した。次いで、該組織を、
腸間動脈床〜6mgについて15ml容量の、4℃の20mMトリスおよび5mM E
DTAを含有する緩衝液(pH7.5)中でポリトロンを使用してホモジナイズし
た。ホモジネートをチーズクロスを介して濾過し、4℃で10分間、2,000
×gで遠心した。上澄み液を除去し、4℃で30分間、40,000×gで遠心
した。得られたペレットを小脳および腎皮質についての前記説明と同様に再懸濁
した。結合実験における各管について、膜タンパク約10mgを使用した。
B)[125I]ET−1結合プロトコール
合計容量100mlの、50mMトリスHCl、10mM MgCl2、0.05%BS
A、pH7.5緩衝液中、30℃で60分間インキュベートした後、ラット小脳(
2〜5mgタンパク/アッセイ管)または腎皮質(3〜8mgタンパク/アッセイ管
)からの膜に結合している[125I]ET−1を測定した。緩衝液または所定の
濃度の化合物のいずれかを含有している管に膜タンパクを添加した。BSAを含
有する同一の緩衝液中で[125I]ET−1(2200Ci/mmol)を希釈して、
最終濃度0.2〜0.5nM ET−1を得た。100nM非標識ET−1の不在
および存在下で合計および非特異的結合を測定した。インキュベーション後、5
0mMトリスおよび10mM MgCl2を含有する冷緩衝液(pH7.5)3.0mlで
、該反応を停止させた。ワットマン(Whatman)GF/C濾紙を介して濾過し、
次いで、ブランデル(Brandel)セルハーベスターを使用して濾液を冷緩衝液3m
lで5回洗浄することによって、膜結合放射能を遊離リガンドから分離した。濾
紙を、75%の効率のガンマーカウンター中で計数した。本発明化合物について
のIC50は、0.1nm〜50μmの範囲である。
II.in vitroでの血管平滑筋活性
ラットの大動脈から連結組織および付着脂肪を除去し、長さ約3〜4mmのリン
グ状切片に切断した。血管リングを、以下の組成(mmol):NaCl、112.0
;KCl、4.7;KH2PO4、1.2;MgSO4、1.2;CaCl2、2.5;Na
HCO3、25.0;およびデキストロース、11.0からなるクレブス重炭酸塩
溶液を含有する器官浴チャンバー(10ml)中に浮遊させた。組織浴溶液を37
℃で維持し、95%O2/5%CO2で連続的に曝気させた。大動脈の静止張力
は、1gに維持し、2時間平衡化させ、その間、15〜20分毎に浸漬溶液を変
える。異性張力は、グラス(Grass)FT03力置換トランスデューサーを装着
したベックマン(Beckman)R−611ディノグラフ(dynograph)に記録する。
作用薬の滴下法によって、ET−1または他の収縮性作用薬に対する累積濃度−
応答曲線を作成する。ET−1濃度は、前の濃度が定常状態収縮性応答を生じた
後にのみ、増加させる。各組織において、1つだけ、ET−1に対する濃度−応
答曲線を作成する。収縮性作用薬に対する濃度−応答の30分前に、対になった
組織にET応答拮抗薬を添加する。
ET−1誘発血管収縮は、各実験の開始時に測定される個々の組織について
60mM KClによって誘発された応答のパーセンテージとして表される。デー
タは、平均値±S.E.M.で表される。アランラクシャナ・アンド・シルド(Aru
nlakshana and Schild)の標準的な方法によって、競合拮抗薬の解離定数(Kb
)を測定した。本発明の化合物についての有効範囲は、0.1nM〜50μmの範
囲である。
以下の実施例は、説明であり、本発明化合物を限定するものではない。
実施例1
1−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキシフェニル) インドール−2−カルボン酸
a)2−(4−メトキシベンジル)−3−オキソ酪酸エチル
アルゴン雰囲気下、アセト酢酸エチル(4.17g、31.9mmol)および塩化
4−メトキシベンジル(5.0g、31.9mmol)のCH3CN(25mL)中攪拌
溶液に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4.86g、3
1.9mmol)を添加した。室温で3時間後、該混合物を3N HCl(100mL)
およびEtOAc(200mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、N
aHCO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、次いで、乾燥させた
(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、油状物として標記化合物(6.65g、8
4%)を得、これを、さらに精製せずに次工程で使用した。
b)3−(4−メトキシフェニル)インドール−2−カルボン酸エチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した2−(4−メトキシベンジル)−3−
オキソ酪酸エチル(1.0g)4mmol)のEtOAc(6mL)中溶液にNaOH(
0.48g、12mmol)のH2O(2mL)中溶液を添加した。この直後に、塩化ベ
ンゼンジアゾニウムの水溶液(4.2mmol)[6N HCl(0.5mL)およびNa
NO2(0.29g、4.2mmol)中、アニリン(0.39g、4.2mmol)から製造
した]を添加した。10分後、当該混合物をEtOAc(50mL)およびH2O(
25mL)に分配した。水性層をEtOAc(15mL)で洗浄した。合わせた有機
抽出物をNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空除去し
た。残留物をEtOH(10mL)に溶解させ、該溶液をHClガスで飽和させた
。これを1時間還流し、次いで、室温に冷却し、EtOAc(50mL)およびNa
HCO3飽和水溶液(50mL)に分配した。水性層をEtOAc(15mL)で洗
浄した。合わせた抽出物を、H2O、次いで、NaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥
させ(Na2SO4)、溶媒を真空除去した。クロマトグラフィー(シリカゲル、2
5%Et2O/ヘキサンから45%Et2O/ヘキサンまでの勾配溶離)に付した後
、EtOAc/ヘキサンから結晶化させて、標記化合物(0.32g、27%)を
得た;融点109〜111℃。
c)1−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキシフェニ ル)インドール−2−カルボン酸エチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した3−(4−メトキシフェニル)インド
ール−2−カルボン酸エチル(110mg、0.37mmol)のHMPA(2mL)中
溶液にNaH(80%油分散物14mg、0.46mmol、ペンタン洗浄によって油を
除去した)を添加した。15分後、塩化ピペロニル(128mg、0.75mmol)
のHMPA(0.5mL)中溶液を添加し、氷浴を外した。該反応混合物を室温で
7時間攪拌し、次いで、3N HCl(25mL)およびEtOAc(50mL)に分
配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNa
Cl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去した。残留
物をクロマトグラフィー(シリカゲル、25%Et2O/ヘキサンから5%Et2O
/ヘキサンまでの勾配溶離)に付して精製して、標記化合物(105mg、66%
)を
得た。
d)1−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキシフェニ ル)インドール
−2−カルボン酸
1−(3,4−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキシフェニル)
インドール−2−カルボン酸エチル(35mg、0.08mmol)の、1N NaOH
水溶液(0.45mL)を含有するEtOH(10mL)中溶液を、アルゴン雰囲気
下、室温で17時間攪拌し、次いで、3時間還流した。該反応混合物を室温に冷
却し、次いで、H2O(20mL)中に注ぎ、減圧下、溶媒の容量を約20mLに
減少させた。該水溶液をEt2O(15mL)で抽出し、Et2O抽出物を廃棄した
。水性層を6N HClで酸性化し、該生成物をEtOAc中に抽出した。有機抽出
物をH2O、次いで、NaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒
を真空除去した。EtOAc/ヘキサンから結晶化して、標記化合物(21mg、6
6%)を得た。融点205〜206℃。
実施例2
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メトキ シフェニル)インドール−2−カルボン酸
a)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メ トキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した3−(4−メトキシフェニル)インド
ール−2−カルボン酸エチル(365mg、1.24mmol)のHMPA(3mL)中
溶液にNaH(80%油分散物46.5mg、1.55mmol、ペンタン洗浄によって
油を除去した)を添加した。氷浴温度で15分後、塩化6−クロロピペロニル(
753mg、1.86mmol)のHMPA(1mL)中溶液を添加し、氷浴を外した。
反応混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、3N HCl(25mL)およびEt
OAc(50mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaCl飽和水
溶液で洗浄し、次いで、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去し、残留物(
酸とエチルエーテルとの混合物)をEtOH(30mL)に溶解させ、2NNaO
H(2.5mL)水溶液を添加した。次いで、これを、アルゴン雰囲気下、
還流温度で3時間攪拌し、次いで、室温に冷却し、H2O(50mL)中に注いだ
。減圧下、溶媒容量を約45mLに減少させた。次いで、水溶液をEt2O(20m
L)で抽出し、Et2O抽出物を廃棄した。水性層を6N HClで酸性化し、該生
成物をEtOAc中に抽出した。有機抽出物を、H2O、次いで、NaCl飽和水溶
液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去させて、黄色ガム状物(
497mg)を得た。一部(70mg)を逆相クロマトグラフィー(CH3CN/H2
O=55/45)に付して精製し、次いで、EtOAc/ヘキサンから結晶化して
、標記化合物(50mg)を得た;融点204〜205℃。
MS:453[(M+NH4)+]。
元素分析(C24H18ClNO5・1/4H2O):
理論値:C,65.46;H,4.23;N,3.18、
測定値:C,65.38;H,4.00;N,2.96。
実施例3
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−(4−メトキシベンジル) インドール−2−カルボン酸
a)3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル
アルゴン雰囲気下、室温で攪拌したインドール−2−カルボン酸エチル(25
.0g、132mmol)のDMF(50mL)中溶液に、Br2(23.3g、145mmo
l)のDMF(80mL)中溶液を滴下した。添加完了後、該反応混合物をさらに
5分間攪拌し、次いで、氷水中に注いだ。得られた固体を濾過により回収し、次
いで、EtOAc/ヘキサンから結晶化して、標記化合物(29.9g、85%)
を得た;融点149〜150℃。
b)3−ブロモ−1−(4−メトキシベンジル)インドール−2−カルボン酸 エチル
3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル(2.0g、7.46mmol)およ
び塩化4−メトキシベンジル(7.46mmol)のHMPA(5mL)中溶液に、N
aH(80%油分散物240mg、ペンタン洗浄によって油を除去した、8.0mmol
)のHMPA(1mL)中スラリーを添加した。室温で30分後、反応混合
物を3N HCl(100mL)およびEtOAc(150mL)に分配した。有機抽
出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2O、NaCl飽和水溶液で洗浄
し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、標記化合物(2.55g、
88%)を得、これをさらに精製せずに次工程で使用した。
c)3,4−(メチレンジオキシ)フェニルトリブチルスズ
アルゴン雰囲気下、−78℃で、4−ブロモ−1,2−(メチレンジオキシ)
ベンゼン(5.0g、24.9mmol)のTHF(20mL)中溶液にブチルリチウ
ム(ヘキサン中2.4M溶液の11.4mL、27.4mmol)を添加した。該混合物
を10分間かけて0℃に加温し、次いで、塩化トリブチルスズ(6.8mL)25m
mol)で処理した。1時間後、該混合物をEt2OおよびH2Oに分配した。有機抽
出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空除去した。得られ
た油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液としてヘ
キサンを使用)に付すことによって精製して、標記化合物(3.64g、35%)
。
d)1−(4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニ ル)インドール-2−カルボン酸エチル
3−ブロモ−1−(4−メトキシベンジル)インドール−2−カルボン酸エチ
ル(388mg、1.0mmol)、LiCl(56mg、1.3mmol)、3,4−(メチレン
ジオキシ)フェニルトリブチルスズ(1.24g、3.0mmol)およびテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.10mmol)のDM
F(5mL)中無水溶液を、アルゴン雰囲気下、110℃で18時間攪拌した。
反応混合物を室温で冷却し、次いで、3N HCl(25mL)およびEtOAc(
75mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2
OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、次いで、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒
を真空除去して、黒ずんだ油状物(1.4g)を得た。クロマトグラフィー(シ
リカゲル、35%Et2O/ヘキサンで溶離)に付して精製し、次いで、Et2O/
ヘキサンから結晶化させて、標記化合物(270mg、65%)を得た。
e)3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−(4−メトキシベンジ ル)インドール−2−カルボン酸
1−(4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)
インドール−2−カルボン酸エチル(110mg、0.25mmol)のEtOH(10
mL)および1N NaOH水溶液(2.5mL)中溶液を3時間還流した。該反応
混合物を室温に冷却し、次いで、H2O(25mL)中に注いだ。減圧下、溶媒容
量を約25mLに減少させた。該水溶液をEt2O(20mL)で抽出し、Et2O層
を廃棄した。水性層を6N HClで酸性化し、生成物をEtOAc中に抽出した。
有機抽出物を、H2O、次いで、NaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2
SO4)。溶媒を真空除去して、白色固体(91mg)を得た。EtOAc/ヘキサ
ンから結晶化して、標記化合物(74mg、67%)を得た;融点155〜157
℃。
MS:419.3[(M+NH4)+]。
元素分析(C24H19NO5・1/4H2O):
理論値:C,71.01;H,4.84;N,3.45、
測定値:C,71.24;H,4.83;N,3.28。
実施例4
3−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロ −4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸
a)2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンズアルデヒド
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズ
アルデヒド(1.315g、8.64mmol)の乾燥DMF(5mL)中溶液にNaH
(80%油分散物300mg、ペンタン洗浄により油を除去した、10mmol)の乾
燥DMF(2mL)中スラリーを添加した。15分後、ブロモ酢酸エチル(2.8
4g、17mmol)を添加し、氷浴を外し、室温でさらに30分間、攪拌し続けた
。該反応混合物を3N HCl(100mL)およびEtOAc(150mL)に分配
した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2O、NaCl飽和
水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、Et2O/ヘ
キサンから結晶化した油状物(2.55g)を得て、標記化合物(1.77g、8
6%)を得た。融点61〜62℃。
b)2−アセチル−3−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシフェニ ル)アクリル酸シスおよびトランスメチル
2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(17.58g、
73.86mmol)、アセト酢酸メチル(12mL、111mmol)、酢酸(1.6mL
)およびピペリジン(0.5mL)からなる溶液を、H2Oを共沸除去しつつ、ベ
ンゼン中で1時間還流させた。該溶液を冷却し、全ての揮発物質を真空除去して
、油状物として標記化合物(20.46g)を得、これをさらに精製せずに使用し
た。
c)2−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシフェニル)−3−オキ ソ酪酸メチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した2−アセチル−3−(2−カルボエト
キシメトキシ−4−メトキシフェニル)アクリル酸シスおよびトランスメチル(
6.25g、18.6mmol)のピリジン(25mL)中溶液に、NaBH4(704mg
、18.6mmol)のピリジン(10mL)中スラリーを滴下した。30分後、Et
OAc(200mL)および3N HCl(200mL)を注意深く添加することに
よって、反応を急冷させた。層を分離させ、水溶液をEtOAcで洗浄した。合わ
せた有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2O、NaCl飽和水
溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空除去した。クロマトグラフ
ィー(シリカゲル、25%Et2O/ヘキサンで溶離する)に付し、次いで、Et
OAc/ヘキサンから結晶化して、標記化合物(4.66g、74%)を得た;融
点60〜61℃。
d)3−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシフェニル)インドール −2−カルボン酸メチル
前記実施例1bに記載の方法を使用して、2−(2−カルボエトキシメトキシ
−4−メトキシフェニル)−3−オキソ酪酸メチル(2.22g、6.62mmol)
および塩化フェニルジアゾニウム(0.93g、6.62mmol)から標記化合物を
製造した(収量=507mg、25%)。
e)3−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシフェニル)−1−(2−ク ロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸
前記実施例2aに記載の方法を使用して、3−(2−カルボエトキシメトキシ
−4−メトキシフェニル)インドール−2−カルボン酸メチル(100mg、0.
27mmol)を塩化6−クロロピペロニル(55mg、0.27mmol)でアルキル化
し、次いで、鹸化することによって標記化合物を製造し、次いで、ビス(ジシク
ロヘキシルアミン)塩としてEtOAcから結晶化させた(97mg、41%);融
点154〜156℃。
MS:510.2[(M+H)+]。
元素分析(C26H20ClNO8・C24H46N2・1/2H2O):
理論値:C,68.12;H,7.66;N,4.77、
測定値:C,68.07;H,7.60;N,4.75。
実施例5
5−ベンジルオキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル )−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
a)3,4−メチレンジオキシフェニルホウ酸
アルゴン雰囲気下、−78℃で攪拌した4−ブロモ−1,2−(メチレンジオ
キシ)ベンゼン(10.05g、50mmol)の乾燥THF(40mL)中溶液に、
BuLi(ヘキサン中2.5M溶液20mL、50mmol)を3分間かけて添加した。
−78℃で15分後、この溶液を、ホウ酸トリイソプロピル(57mL、250m
mol)のTHF(50mL)中−78℃溶液にカニューレを介して添加した。冷却
浴を外し、40分間攪拌し続けた。反応混合物を3N HCl(200mL)およ
びEtOAc(250mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaH
CO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4
)。溶媒を真空除去し、得られた固体をEtOAc/ヘキサンから結晶化して、標
記化合物(5.06g、61%)を得た;融点247〜252℃。
b)5−ベンジルオキシ−3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル
前記実施例3aに記載の方法によって、5−ベンジルオキシインドール−2−
カルボン酸エチル(7.80g、26.4mmol)から標記化合物を製造した(5.9
5g、60%);融点147〜148℃。
c)5−ベンジルオキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インド ー ル−2−カルボン酸エチル
5−ベンジルオキシ−3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル(2.3
9g、6.39mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム
(0)(250mg、0.22mmol)のトルエン(32mL)中溶液に、Na2CO3
の2M水溶液(6.4mL)および3,4−(メチレンジオキシ)フェニルホウ酸
(1.41g、8.5mmol)のCH3OH(16mL)中溶液を添加した。この混合
物を、アルゴン雰囲気下、90℃で1時間攪拌し、次いで、3N HCl(100
mL)およびEtOAc(250mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2
O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(
Na2SO4)。溶媒を真空除去し、得られた固体をEtOHから結晶化して、標記
化合物(2.38g、90%)を得た;融点135〜136℃。
d)2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジルアルコール
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した2−カルボエトキシメトキシ−4−メ
トキシベンズアルデヒド(15.50g、65.1mmol)のEtOH(100mL)
およびDMF(25mL)中溶液にNaBH4(4.93g、130mmol)を滴下し
た。氷浴を外し、15分間、攪拌し続けた。EtOAc(200mL)および3N
HCl(200mL)を注意深く添加することによって、該反応を急冷させた。層
を分離させ、有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2O、Na
Cl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、標記
化合物(13.6g、87%)を得、さらに精製せずに使用した。
e)塩化2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した2−カルボエトキシメトキシ−4−メ
トキシベンジルアルコール(1.30g、5.4mmol)のEt2O(50mL)中溶液
に濃HCl(1.4mL)を添加した。15分後、EtOAc(50mL)を添加し、
水性層を除去した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2O
、NaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して
、白色固体として標記化合物(1.25g、90%)を得た。
f)5−ベンジルオキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベン ジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン 酸
前記実施例1cおよび1dに記載の方法を使用して、5−ベンジルオキシ−3
−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸エチルを
塩化2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジルでアルキル化し、次い
で、鹸化することによって標記化合物を製造した。融点182〜190℃。
MS:580.0[(M−H)-]。
元素分析(C32H27NO9・1/4H2O):
理論値:C,66.95;H,4.83;N,2.44、
測定値:C,66.90;H,4.79;N,2.27。
実施例6
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−5−ヒドロキシ− 3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
a)1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−5−ヒドロキ シ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−カルボメトキシ−4−メトキシベンジル)−
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸(12
0mg、0.21mmol)のEtOH(30mL)中溶液に10%パラジウム−活性炭
(12mg)を添加した。得られた懸濁液を、パール加圧反応装置中、50psiH2
下で3時間振盪し、次いで、反応混合物をセライトのパッドを介して濾過した。
減圧下、濾液を濃縮し、残留物をEtOAc/ヘキサンから結晶化して、標記化合
物(79mg、77%)を得た。融点184〜186℃。
MS:514.0[(M+Na)+]。
実施例7
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メ チレンジオキシフェニル)−5−(プロパ−1−イルオキシ)インドール−2− カルボン酸
a)1−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−5−ヒド ロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン 酸エ チル
実施例6に記載の方法によって、5−ベンジルオキシ−1−(2−カルボエト
キシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェ
ニル)インドール−2−カルボン酸エチル(460mg、0.735mmol)から標
記化合物を製造した;融点128〜130℃。
b)1−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3 ,4−メチレンジオキシフェニル)−5−(プロパ−1−イルオキシ)インドー ル−2−カルボン酸エチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した1−(2−カルボエトキシメトキシ−
4−メトキシベンジル)−5−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)インドール−2−カルボン酸エチル(175mg、0.30mmol)のDM
F中溶液にNaH(80%油分散物11mg、0.36mmol、ペンタン洗浄によって
油を除去した)のDMF(1mL)中スラリーを添加した。氷浴温度で15分後
、1−ヨードプロパン(0.255g、1.5mmol)を添加し、氷浴を外した。反
応混合物を室温でさらに30分間攪拌し、次いで、3N HCl(25mL)およ
びEtOAc(75mL)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHC
O3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)
。溶媒を真空除去して、得られた固体をEtOHから結晶化させて、標記化合物
(83mg、47%)を得た;融点89〜91℃。
c)1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4 −メチレンジオキシフェニル)−5−(プロパ−1−イルオキシ)インドール− 2−カルボン酸
実施例3dに記載の方法によって、1−(2−カルボエトキシメトキシ−4−
メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−(プロ
パ−1−イルオキシ)インドール−2−カルボン酸エチル(50mg、0.085m
mol)から標記化合物を製造した(33mg、73%)。融点190〜191℃。
MS:556.0[(M+Na)+]。
元素分析(C29H27NO9・1/4H2O):
理論値:C,64.74;H,5.15;N,2.60、
測定値:C,64.76;H,H.52;N,2.50。
実施例8
5−カルボキシメトキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベン ジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン 酸
a)5−カルボエトキシメトキシ−1−(2−カルボエトキシメトキシ−4− メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール− 2−カルボン酸エチル
実施例7bに記載の方法によって、1−(2−カルボエトキシメトキシ−4−
メトキシベンジル)−5−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)インドール−2−カルボン酸エチル(150mg、0.26mmol)およびブロ
モ酢酸エチル(55mg、0.33mmol)から標記化合物を製造した(119mg、
69%)。
b)5−カルボキシメトキシ−1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシ ベンジル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カル ボン酸
実施例3dに記載の方法によって、5−カルボエトキシメトキシ−1−(2−
カルボエトキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メチレンジ
オキシフェニル)インドール−2−カルボン酸エチル(100mg、0.16mmol
)から標記化合物を製造した(収量=76mg、87%)。融点203〜205℃
。
MS:572.0[(M+Na)+]。
元素分析(C28H23NO11・1/4H2O):
理論値:C,60.71;H,4.28;N,2.53、
測定値:C,60.45;H,4.14;N,2.50。
実施例9
1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4−メ チレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
a)3−ブロモインドール−1−(2−カルボエトキシメトキシ−4−メトキ シベンジル)−2−カルボン酸エチル
実施例1cに記載の方法によって、3−ブロモインドール−2−カルボン酸エ
チル(900mg、3.33mmol)を塩化2−カルボエトキシメトキシ−4−メト
キシベンジル(1.11g、4.3mmol)でアルキル化して、標記化合物(0.9
7g、60%)を得た。
b)1−(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−3−(3,4 −メチレンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
実施例5bに記載の方法によって、3−ブロモインドール−1−(2−カルボ
エトキシメトキシ−4−メトキシベンジル)−2−カルボン酸エチル(500mg
、0.93mmol)を4−(メチレンジオキシ)フェニルホウ酸(290mg、1.7
4mmol)と結合させ、次いで、実施例3dに記載の方法を使用して鹸化すること
によって標記化合物を製造した(277mg、63%);融点195〜196℃。
MS:493.3[(M+NH4)+]。
元素分析(C26H21NO8・1/4H2O):
理論値:C,65.07;H,4.51;N,2.92、
測定値:C,64.86;H,4.49;N,2.87。
実施例10
4−[1−[2−カルボキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)イ ンドリル]]−4−(4−メトキシフェニル)酪酸
a)3−(4−メトキシベンゾイル)プロピオン酸メチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した3−(4−メトキシベンゾイル)プロ
ピオン酸(2.08g、10mmol)のCH3CN(50mL)中溶液に1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.9mL、12.5mmol)、次い
で、CH3I(1.25mL、20mmol)を添加した。氷浴を外し、5時間、攪拌
し続けた。次いで、該混合物を3N HCl(50mL)およびEtOAc(75mL
)に分配した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2Oおよ
びNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して
、白色固体として標記化合物(1.88g、85%)を得た。
b)3−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度での3−(4−メトキシベンゾイル)プロピオン
酸メチル(1.88g、8.5mmol)のCH3OH(50mL)中攪拌溶液にNaBH4
(190mg、5mmol)を添加した。該反応混合物を氷浴温度で1時間攪拌し、
EtOAc(100mL)および3N HCl(50mL)を注意深く添加することに
よって急冷させた。層を分離させ、水性層をEtOAcで洗浄した。合わせた有機
抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液
で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、白色固体を得、こ
れをEt2O/ヘキサンから結晶化させて、標記化合物(1.59g、84%)を得
た。
c)3−クロロ−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌したトリエチルアミン(1.1ml、7.8mm
ol)を含有する3−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチル(0
.50g、2.32mmol)のCH2Cl2(5mL)中溶液に塩化メタンスルホニル(
0.26mL、3.4mmol)を添加した。氷浴温度で30分後、反応混合物を3N
HCl(50mL)およびEtOAc(75mL)に分配した。有機抽出物を、連続
して、H2O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、乾燥
させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、油状物として標記化合物(453m
g、84%)を得、これを放置して結晶化させた;融点48〜49℃。
d)4−[1−(3−ブロモ−2−カルボエトキシインドリル)]−4−(4 −メトキシフェニル)酪酸メチル
アルゴン雰囲気下、氷浴温度で攪拌した3−ブロモインドール−2−カルボン
酸エチル(469mg、1.75mmol)の乾燥DMF中溶液にNaH(80%油分散
物66mg、2.19mmol、ペンタン洗浄によって油を除去した)を添加し、15
分間攪拌し続けた。これに3−クロロ−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチ
ル(453mg、1.87mmol)の溶液を添加した。氷浴を外し、17時間攪拌し
続けた。反応混合物を3N HCl(50mL)およびEtOAc(75mL)に分配
した。有機抽出物を、連続して、H2O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNaCl
飽和水溶液で洗浄し、次いで、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空除去した。
フラッ
シュクロマトグラフィー(シリカゲル、35%Et2O/ヘキサンで溶離する)
に付して精製して、標記化合物(75mg、21%)を得た。
e)4−[1−[2−カルボエトキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェ ニル)インドリル]]−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチル
4−[1−(3−ブロモ−2−カルボエトキシインドリル)]−4−(4−メ
トキシフェニル)酪酸メチル(70mg、0.15mmol)、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg、0.009mmol)、トルエン(2m
L)、Na2CO3の2M水溶液(0.15mL)および3,4−(メチレンジオキシ
)フェニルホウ酸(50mg、0.3mmol)のCH3OH(1mL)中溶液からなる
混合物を、アルゴン雰囲気下、90℃で17時間攪拌した。反応混合物を3N
HCl(15mL)およびEtOAc(25mL)に分配した。有機抽出物を、連続
して、H2O、NaHCO3水溶液、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗浄し、次い
で、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、黒ずんだ油状物(115m
g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25%Et2O/ヘキ
サンから50%Et2O/ヘキサンまでの勾配溶離)に付して精製して、標記化合
物(46mg、61%)を得た。
f)4−[1−[2−カルボキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル )インドリル]]−4−(4−メトキシフェニル)酪酸
4−[1−[2−カルボエトキシ−3−(3,4−メチレンドオキシフェニル
)インドリル]]−4−(4−メトキシフェニル)酪酸メチル(45mg、0.0
87mmol)のEtOH(2mL)中温溶液に1N NaOH水溶液(2mL)を添加
した。この溶液を1.5時間還流し、次いで、室温に冷却し、H2O(10mL)
で希釈した。減圧下、該混合物を濃縮した。水性残留物をEt2Oで抽出し、Et2
O抽出物を廃棄した。水性相を6N HClで酸性化し、EtOAcで数回抽出し
た。合わせたEtOAc抽出物を、連続して、H2OおよびNaCl飽和水溶液で洗
浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を真空除去して、油状残留物を得、これ
をEt2Oから結晶化して、標記化合物(24mg)を得た;融点204〜205℃
。
MS:474[(M+H)+]。
実施例11〜19
前記方法に従って、以下の実施例を製造した。
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−[2−(3−
ヒドロキシプロポキシ]−4−メトキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
、融点177〜178℃。
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(2−ヒドロ
キシメチル−4−メトキシフェニル)インドール−2−カルボン酸、融点131
〜132℃。
3−(2−カルボキシ−4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロ−4,5
−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸、融点259〜26
1℃。
3−[2−(2−カルボキシエトキシ)−4−メトキシフェニル]−1−(2
−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸、
融点231〜233℃。
3−(2−カルボキシメチル−4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロ−
4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸、融点237
〜239℃。
3−[2−[(E)−2−カルボキシエテニル]−4−メトキシフェニル]−
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カル
ボン酸、融点285〜287℃。
3−[2−(2−カルボキシエチル)−4−メトキシフェニル]−1−(2−
クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸、融
点229〜230℃。
1−(4−カルボキシナフタ−1−イルメチル)−3−(3,4−メチレンジ
オキシフェニル)インドール−2−カルボン酸、融点130℃。
1−(2’−カルボキシビフェン−4−イルメチル)−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフェニル)インドール−2−カルボン酸、融点147℃。
実施例20
本発明化合物を含有する医薬製剤を、種々の形態で、多くの賦形剤と一緒に、
調製することができる。かかる製剤の例を以下に示す。
吸入用製剤
式Iで示される化合物(1mg〜100mg)を計量した投与量吸入器からエアロ
ゾル化して、使用ごとに所望の量の薬物をデリバーする。
錠剤/成分 /錠剤
1.活性成分(式Iで示される化合物) 40mg
2.コーンスターチ 20mg
3.アルギン酸 20mg
4.アルギン酸ナトリウム 20mg
5.ステアリン酸マグネシウム 1.3mg
2.3mg
錠剤についての方法:
工程1 好適なミキサー/ブレンダー中、成分No.1、No.2、No.3お
よびNo.4を配合する。
工程2 各添加後に注意深く混合しつつ、工程1からの配合物に充分な水を滴
下する。塊が、それを湿顆粒に転換させることができるようなコンシ
ステンシーを有するまで、かかる水の添加および混合を行う。
工程3 No.8メッシュ(2.38mm)スクリーンを使用して、振動式造粒器
を介して湿塊を通過させることによって、該湿塊を顆粒に転換させる
。
工程4 次いで、湿顆粒を、乾燥するまで、140°F(60℃)のオーブン
中で乾燥させる。
工程5 乾燥顆粒を成分No.5で滑沢化させる。
工程6 滑沢化顆粒を好適な錠剤プレスで打錠する。
非経口製剤
加熱しつつ、ポリエチレングリコール中に式Iで示される化合物の適切な量を
溶解させることによって、非経口投与用医薬組成物を調製する。次いで、この溶
液を、注射用水(Ph Eur.)で希釈する(100mlに)。次いで、溶液を、0.2
2ミクロン膜フィルターを介して濾過することによって滅菌し、無菌容器中に
密封する。
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V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU
,SD,SK,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 リーバー,ジャック・デイル
アメリカ合衆国ペンシルベニア州18974、
ワーミンスター、ログ・カレッジ・ドライ
ブ1083番