JPH08504346A - 親水性コンタクトレンズを洗浄するための組成物および方法 - Google Patents
親水性コンタクトレンズを洗浄するための組成物および方法Info
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Abstract
(57)【要約】
親水性コンタクトレンズの外表面上および内部マトリックス中の、タンパク質の取り込みを抑制、およびリゾチーム沈積物の形成を軽減する組成物および方法を開示する。一方法は、プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、キトサンおよびそれらの混合物から成る群から選択する化学剤に、コンタクトレンズを接触させることを含んで成る。他の方法は、レンズの膨潤、およびマトリックス孔の拡張を起こすのに充分な時間の間、レンズを低張溶液に入れることを含んで成る。次いで、その溶液に、レンズおよびその孔を収縮させて正常なサイズとするような浸透圧にするよう、塩化物塩、亜塩素酸塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、システイン塩およびそれらの混合物から成る群から選択する負に荷電した化学剤を加える。この化学剤はまた、レンズ表面およびマトリックスからのタンパク質沈積物脱離を起こすのに充分な量で存在する。その後、化学剤含有溶液中に、レンズを、レンズ上および/またはレンズ内のタンパク質沈積物形成を顕著に軽減および/または抑制するのに充分な時間の間、浸漬する。本発明の更に別の方法は、例えばアルギン酸、キサンタンガムおよびそれらの混合物から成る群から選択する負に荷電した高分子量化学剤に、コンタクトレンズを接触させることを含んで成る。
Description
【発明の詳細な説明】
親水性コンタクトレンズを洗浄するための組成物および方法
発明の分野
本発明は、コンタクトレンズの洗浄に関する。本発明は特に、親水性コンタク
トレンズの外表面上および/または内部マトリックス中の、タンパク質取り込み
の抑制およびタンパク質沈積物形成の軽減に有用な組成物および方法に関する。
発明の背景
コンタクトレンズを取扱い、および装用する間に、コンタクトレンズに種々の
物質が沈積し易い。そのような物質は、レンズ表面に付着し得、および/または
レンズの内部マトリックス中に化学的および/または空間的に停滞および付着し
得る。例えば、装用中のレンズは、タンパク質性物質(例えばリゾチームおよび
ムコタンパク質;いずれも涙液成分)、および脂質(例えばステロール、蝋、グ
リセリド、リン脂質、脂肪アルコールおよび酸)と接触する。
コンタクトレンズを適正に洗浄しなければ、レンズ上および/またはレンズ内
に、リゾチーム、ムコタンパク質および他の汚れが蓄積し得る。その結果、レン
ズ装用者が不快感を覚え始め、レンズの分光性が悪化し、滅菌が困難になり、お
よび/またはガス透過性が低下し得る。
ある種の洗浄または消毒のための方法および組成物は、親水性コンタクトレン
ズ上の上記のような沈積物形成を抑制および軽減するのに不充分であることがわ
かっている。例えば、沸騰水または蒸気中での加熱のような滅菌法は、ソフトレ
ンズに悪影響を及ぼし得ることがわかっている。高温では涙液タンパク質がコン
タクトレンズポリマーに焼き付き、その結果、洗浄が困難になるということがあ
る。加熱滅菌はまた、吸収されたタンパク質性物質の沈着により、レンズの閉塞
を促進する傾向がある。滅菌塩類溶液は、汚れ除去効果があまり高くない。すな
わち、何らかの洗浄法を別に必要とする。眼病原体に対する有効な消毒剤である
過酸化物も、レンズ汚れの除去には不充分であることがわかっている。
タンパク質がレンズ表面に付着する傾向を軽減および抑制する試みがなされて
いる。例えば、エリス(Ellis)の米国特許第4168112号には、イオン荷
電
表面を有するコンタクトレンズ上に、薄いイオンポリマーコーティングを形成す
ることが開示されている。このコーティングは、レンズ表面に静電気的に結合し
、レンズ表面へのムコタンパク質付着の傾向を軽減する。エリスは、レンズ表面
に親水性ポリ電解質複合体を形成するカチオン性ポリマーを含有するコンタクト
レンズ溶液を示している。この複合体は、ヒドロゲル「クッション」として機能
する。エリスによるレンズ溶液の他の添加剤は、エチレンジアミン四酢酸(ED
TA)のような保存剤を包含する。
フ(Fu)の米国特許第4414127号には、タンパク質性沈積物を水溶性
タンパク質に化学分解することによって、どのようなタイプのコンタクトレンズ
プラスチックからもタンパク質性沈積物を分解および除去する組成物が開示され
ている。フは、コンタクトレンズ洗浄溶液中に過酸化物を使用する場合、過酸化
物分解のための触媒として金属塩化物塩を使用することを示している。
タナカ(Tanaka)の米国特許第4259202号には、コンタクトレンズを
洗浄および保存するための溶液が開示されている。タナカの溶液は、有効成分と
して、サッカロースと脂肪酸との特定のモノエステルを含有する。タナカの溶液
は、飽和脂肪酸のアルカリ金属塩、並びに多糖および多糖誘導体から成る群から
選択する化合物をも含有する。多糖およびその誘導体の例は、アルギン酸のアル
カリ金属塩、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびコンドロイチン硫酸のアルカリ金
属塩を包含する。
抗白内障薬ベンダザック・リジン(Bendazac lysine)は、ソフトコンタク
トレンズ上のタンパク質沈積を抑制することがわかっている。ミシロリ,エイ(
Missiroli,A.)、リッチ,エフ(Ricci,F.)、ポコベリ,エイ(Pocob
elli,A.)、セドロン,シー(Cedrone,C.)、セルリ,エル(Cerulli,L
.)、CLAOジャーナル(コンタクト・レンズ・アソシエーション・オブ・オ
フサルモロジスツ)[CLAO Journal(Contact Lens Association of
Ophthal-mologists)]、1991年4月、17(2)、126〜8頁参照。
ベンダザック・リジンは、既知の抗炎症、抗壊死、胆汁分泌および抗脂血症作用
を有するオキシ
酢酸であるが、その主な作用はタンパク質変性の抑制であると言われている。
コンタクトレンズ表面だけでなく、レンズの内部マトリックスにおいても、タ
ンパク質沈積を有効に軽減、抑制および除去することのできる系が、依然必要と
されている。内部マトリックス中のタンパク質沈積物は、装用者に不快感をもた
らし、レンズ分光性を損ない、レンズの酸素透過性を低下し、レンズ有効寿命を
短縮し得る。
発明の概要
本発明は、コンタクトレンズを洗浄するための眼科学的に安全な組成物および
方法、とりわけ、親水性コンタクトレンズの表面上および/または内部マトリッ
クス中のリゾチーム沈積を、眼内および/または眼外で抑制および除去するため
の組成物および方法に関する。
本発明の一態様においては、塩基性ペプチド、例えばプロタミン、ポリアルギ
ニンまたはポリリジン、および/または塩基性炭水化物ポリマー、例えばキトサ
ン、およびその混合物から成る群から選択する化学剤に、コンタクトレンズを接
触させることによって、表面上および/または内部マトリックス中のタンパク質
沈積物形成を軽減および/または抑制する。
他の態様においては、本発明は、親水性コンタクトレンズのタンパク質取り込
みを抑制し、タンパク質沈積物を除去する方法に関する。この方法においては、
レンズの膨潤およびマトリックス孔の拡張を起こすのに充分な時間の間、コンタ
クトレンズを低張溶液に入れる。次いで、レンズおよび孔の収縮を起こし、レン
ズ表面およびマトリックスからのタンパク質沈積物の脱離を促進するために、溶
液の浸透圧を変化するのに充分な量の負に荷電した化学剤を溶液に加える。化学
剤は塩化物塩、亜塩素酸塩、エチレンジアミン四酢酸、システインおよびそれら
の混合物から成る群から選択する。化学剤含有溶液中に、レンズを、レンズ上お
よび/またはレンズ内のタンパク質沈積物形成を実質的に軽減および/または抑
制するのに充分な時間の間、浸漬する。
本発明の更に別の態様においては、アルギン酸、キサンタンガム、他の高分子
量イオン性炭水化物、およびそれらの混合物から成る群から選択する負に荷電し
た化学剤を含有する溶液に、コンタクトレンズを、化学剤がタンパク質の脱離を
促進するような時間の間、接触させる。
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点を、以下の詳細な説明により
、より明らかにする。
発明の説明
本発明は、親水性コンタクトレンズ表面上および内部マトリックス中のリゾチ
ーム沈積物を眼内および/または眼外で抑制および除去する剤としての、種々の
化学剤の用途に関する。本発明は、親水性コンタクトレンズ表面上および/また
はマトリックス中のタンパク質沈積物形成を抑制および/または軽減する方法に
も関する。
本発明は種々のコンタクトレンズに対して使用し得るが、本発明を適用するコ
ンタクトレンズは、メタクリル酸をコポリマーとして含有する親水性レンズであ
ることが好ましい。そのようなレンズの例は、グループIIIおよびグループIVの
レンズである。
一態様においては、本発明は、親水性コンタクトレンズの外表面上および/ま
たは内部マトリックス中の、タンパク質の取り込みを抑制し、および/または涙
液タンパク質沈積物の形成を顕著に軽減する方法に関する。この方法は、正に荷
電(生理的pH7〜8において)した水溶性オリゴマーである化学剤に、コンタ
クトレンズを接触させることを含んで成る。化学剤は、プロタミン、ポリアルギ
ニン、ポリリジン、キトサン、キトサン塩(例えばキトサン塩酸塩)、キトサン
誘導体(例えばキトサンビグアニド)およびそれらの混合物から成る群から選択
することが好ましい。
本発明の目的のためには、「顕著に」なる表現は通例、レンズが装用者にとっ
てより快適となり、レンズに付着したタンパク質が、10倍に拡大して観察して
明らかに減少したことを意味する。とりわけ、「顕著に」とは、レンズに沈積し
たタンパク質量が、好ましくは約40%、より好ましくは約40〜75%、より
一層好ましくは約75〜95%減少したことを意味する。
本発明のこの態様に関して、プロタミンは、核酸と相互作用する、アルギニン
を多く含む比較的低分子量のタンパク質である。プロタミンは、当分野で既知の
方法により、サケまたはニシンのようなある種の魚の精子核から多量に得られる
。プロタミンは、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)から、商品
名プロタミン(Protamine)またはスパーム・ヌクレイ(Sperm Nuclei;粗
製形態)として入手し得る。
キトサンは、ある種の真菌、および節足動物の甲殻から得られる多糖キチンの
、部分脱アセチル化によって得られる。キトサンは化学的には、C−2ヒドロキ
シル基を第一級アミン官能基と交換した修飾セルロースと同じである。
この態様の正に荷電した化学剤は、媒体に溶解すると、レンズマトリックスの
ポリマー孔に入り、蓄積するのに、充分小さいサイズおよび適当な立体構造を有
することが好ましい。それにより、正に荷電した剤がレンズの負に荷電したイオ
ンとイオン対を形成する結果、レンズのイオン電荷が平衡状態で実質的に中和さ
れる。
化学剤前駆体は、適当なサイズまたは立体構造を持たない形態(例えば固体)
であり得る。しかし、そのような前駆体は、処理溶液に入れると、解離するか、
または三次もしくは四次構造に関して立体的に変化して、適当なサイズ、形およ
び電荷を有する実際の化学剤となる。
そのような化学剤の分子量は、好ましくは約100〜70000である。より
好ましくは、化学剤は、孔に侵入するのに適当な分子量および立体構造を有する
。例えば、そのような化学剤は、レンズ孔により容易に侵入し、レンズ電荷をよ
り短時間で中和するために、約100以上の分子量を有するべきである。一方、
分子量が70000を越える化学剤は、レンズマトリックスの孔に侵入し、レン
ズ電荷を中和するには大き過ぎることがある。
化学剤の大きさが、レンズポリマーの孔サイズよりも少ししか小さくない場合
には、化学剤によりレンズ電荷を中和するために、より長時間レンズを浸漬しな
ければならない。そのような化学剤はマトリックス孔内で移動しにくいので、脱
離は遅く、涙液タンパク質沈積抑制に長時間有効である。すなわち、100〜7
0000の最適分子量は、使用し得る化学剤に関して、可能な最短処理時間と、
可能な最長のタンパク質沈積抑制有効時間との妥協点を示すものである。
この種の分子の例は、塩基性タンパク質および塩基性ポリペプチド、例えばプ
ロタミンおよびポリアルギニンであり、いずれも、最も塩基性の涙液タンパク質
であるリゾチームよりも大きい平均電荷密度を有する。他の例は、塩基性炭水化
物のキトサンであり、これも生理的pH7〜8で正に荷電する。
好ましくは、本発明の化学剤はリゾチームよりも、レンズマトリックスへの吸
収が速く、および/またはレンズマトリックスから脱離し難い。それ故、マトリ
ックスに侵入および付着するリゾチームは、化学剤と置き替わり、および/また
は処理後のレンズ装用中のレンズマトリックスおよび表面への沈積が抑制される
。
好ましくは、そのような化学剤は、pH約6〜8.5の水性処理溶液に溶解する
。より好ましくは、pH7.4の溶液に溶解する。
本発明の処理溶液は、緩衝した塩類溶液、人工涙液(後述)、コンタクトレン
ズ消毒溶液、または眼と生体適合性であるか、もしくは処理時間終了後にはその
ようなる他の適当な媒体である。本発明の溶液は、化学剤に加えて、眼科学的に
許容し得る添加剤、例えば塩類、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、潤滑剤、および/ま
たは界面活性剤(いずれも当分野でよく知られている)をも含有し得る。更に、
本発明の溶液は、消毒剤を含有し得る。使用し得る消毒剤の例は、ポリ第四級ア
ミン、例えばクローダ社(Croda,Inc.)から市販されているクロクォート(
Croquat、商標)L、ビクアニド、ビクアニドポリマー、例えばアイシーアイ・
アメリカズ(ICI Americas)からコスモシル(Cosmocil、商標)CQとし
て市販のポリヘキサメチレンビクアニド、過酸化物、並びに水溶性カチオン性ポ
リマー(WSCP)を包含するが、それらに限定されない。WSCPは、バック
マン・ラボラトリーズ社(Buckman Laboratories,Inc.)から市販されて
おり、米国特許第4250269号に記載されている。該特許を引用により本発
明の一部とする。
すなわち、溶液を、浸漬溶液として、または消毒溶液の一部として保存し得る
。
更に、化学剤は、錠剤、粉末、顆粒、溶液またはスプレーを包含する種々の形
態で提供することもできる。その担体は、当分野でよく知られた他の成分であっ
て、化学剤の効果を損わないものを含有し得る。そのような添加剤は、前記のも
の、並びに賦形剤、起泡剤、殺菌剤および他の抗菌剤を包含する。
好ましくは、平衡がリゾチーム脱離に有利になるような時間の間、レンズを溶
液と接触させる。脱離したリゾチームは、処理溶液中で溶媒和されていることが
認められる。
レンズ表面上および/またはレンズマトリックス内のタンパク質沈積物の量お
よび存在は、しばしば、視覚的に(目視、または拡大鏡を用いて)、および装用
快適性の程度により確認できる。レンズ上およびレンズ内に沈積したタンパク質
量をより正確に調べるには、UV分光法または鏡検を行ってもよい。
レンズを、本発明の溶液約2.0〜20.0mlに、少なくとも約10分間、とり
わけ約10分間ないし6時間の間浸漬することが好ましい。レンズ浸漬時間は、
溶液の化学剤濃度に反比例すると理解すべきである。例えば、溶液中の化学剤濃
度を高めることにより、レンズ浸漬時間を短縮し得る。浸漬時間は、使用する化
学剤の種類、および浸漬するレンズの種類によっても変化し得る。
通例、化学剤濃度および浸漬時間は、化学剤の分子量範囲だけでなく、リゾチ
ーム収着(吸着および/または吸収)量、レンズ材料のリゾチーム誘引力、およ
び使用者に応じて指示されたレンズ処理方法によっても変化し得る。レンズ上お
よび/またはレンズ内のリゾチーム沈積量および/または沈積速度が顕著に低下
するまで、浸漬を繰り返すことが必要であり得る。
本発明の溶液は、有効量の化学剤、すなわち、指示された処理の後、レンズ上
および/またはレンズ内のタンパク質沈積物の量および/または形成および沈積
を実質的に軽減するのに有効な量の化学剤を含有することが好ましい。
とりわけ、処理溶液は、化学剤を約0.01〜5.0重量%含有することが好ま
しい。より好ましくは、本発明の溶液は、化学剤を約0.1〜1.0重量%含有す
る。
レンズを室温で溶液に浸漬することが好ましい。溶液を穏やかに加熱すること
が可能であり得るが、加熱し過ぎると、リゾチームが変性し得、場合によっては
処理前よりも強力にレンズに付着し得る。
本発明の正に荷電したタンパク質抑制剤の溶液は、新しいコンタクトレンズ(
す
なわち、未使用レンズ)の前処理に使用することも好ましい。例えば、本発明の
溶液に入った未使用コンタクトレンズを包装し得る。本発明の溶液でコンタクト
レンズを前処理すると、レンズ(レンズマトリックスを包含する)に正に荷電し
た化学剤が収着され、その[レンズ/剤]複合体は、リゾチームの存在する環境
(例えば眼)中でのレンズ使用に有利に作用する。すなわち、そのようなコンタ
クトレンズを初めて眼に入れた時、眼内のリゾチームが結合できる部位は殆ど無
いので好ましい。
レンズ表面またはマトリックスに付着し得るタンパク質の量を減少するために
、レンズ膨潤処理を行い得る。本発明の溶液を低張とし、それにレンズを接触さ
せると、顕著にレンズが膨潤し、マトリックス孔が拡張することにより、負に荷
電したレンズ部位への化学剤結合速度が高まる。レンズを過度に膨潤させてはな
らない。なぜなら、レンズが不可逆的に損傷を受けることがあり、また、マトリ
ックスの小さなポリマー孔までリゾチームが深く入り込み得るからである。その
ような低張溶液は、例えば、この態様の化学剤と水との接触によって調製し得る
。低張溶液は、NaClを0.0〜約0.6重量%、とりわけ0.4重量%含有する
ことが好ましい。
本発明の溶液にレンズを浸漬する代わりに、レンズを眼に入れる前に、直接レ
ンズ表面に溶液を噴霧するか、滴下するか、または適用して擦ることができる。
この方法で溶液とレンズとを接触させる場合、その後で眼科学的に許容し得る濯
ぎ溶液でレンズを濯ぐことが好ましいが、これは不可欠ではなく、レンズから脱
離したリゾチームの掃去は、涙液そのものによって促進され得る。
眼に装用中のレンズに溶液を接触させる場合は、溶液の化学剤含量は1.0重
量%以下であることが好ましい。1.0%を越える量は、眼に有毒であり得るか
らである。溶液の化学剤含量が約0.1重量%未満である場合は、レンズ電荷の
中和が通例、非常に長い時間を要するか、または全く有効でないことがある。し
かし、レンズが低イオン性であれば、化学剤含量0.1重量%未満の溶液に浸漬
することによって、レンズ電荷を有効に中和することが可能であり得る。
要するに、本発明の溶液とコンタクトレンズとの接触によって、溶液中の化学
剤の正に荷電したイオンが、レンズ材料の負に荷電したイオンの中和に使われる
。この静電気的相互作用の結果、リゾチームとレンズ材料との間の静電気的相互
作用は、好ましくは実質的に減少および/または完全に消失し、レンズ上および
/またはレンズ内の初期リゾチーム沈積をもたらす主な相互作用力が抑制される
。
リゾチームは、親水性コンタクトレンズ、特にグループIIIレンズ(低含水/
イオン性レンズポリマー)およびグループIV(高含水/イオン性レンズポリマー
)レンズの沈積物およびレンズ汚れ形成に関与する主な涙液成分である。リゾチ
ームは、生理的pH、およびレンズケア製品使用の際のpH(約7.0〜8.0)に
おいて正に荷電し、メタクリル酸をコポリマーとして含有するコンタクトレンズ
(すなわちグループIIIおよびグループIVレンズ)は、そのような条件下に負に
荷電するので、レンズ材料とリゾチームとの間に静電引力が生じる。下記平衡式
に示すように、レンズ材料とリゾチームとの間の静電引力は通例、媒体(例えば
涙液またはレンズケア溶液)中よりもレンズにタンパク質が集中するように平衡
が片寄っている。従って、レンズ上および/またはレンズ内にリゾチームが形成
および沈積する。
kFL
[リゾチーム/レンズ] → リゾチーム(溶媒和物)&レンズ脱離
複合体 ← リゾチーム
kC
kc>kFL
例えば、グループIVレンズ材料は、レンズ内のリゾチームの侵入および沈積に
充分なサイズの孔を有する。レンズマトリックス内へリゾチームがより深く侵入
するのは、表面に沈積するよりもゆっくりであるとしても、レンズマトリックス
内に取り込まれたタンパク質沈積物は、レンズ表面上に沈積したタンパク質より
も、外れ難く、除去が困難である。
本発明の化学剤を使用して、kFL/kCを高めることにより、本発明の溶液は、
レンズ上およびレンズ内の、リゾチーム取り込み抑制、およびリゾチーム沈積物
形成軽減を促進するのに、より有用なものとなる。
本発明の他の態様においては、親水性レンズ上およびレンズ内のタンパク質沈
積物を軽減および抑制するために、まずレンズの膨潤およびマトリックス孔の拡
張を起こすのに充分な時間の間、レンズを低張溶液に入れ、次いで、塩化物塩、
亜塩素酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)塩、システインおよびそれら
の混合物から成る群から選択する化学剤に、レンズを接触させる。
レンズ膨潤の程度は、レンズの種類によって変化する。過度の膨潤は、レンズ
に不可逆的損傷を与え得るので、そのようなことは避けるべきである。また、レ
ンズを膨潤し過ぎると、リゾチームが小さいマトリックス孔まで深く侵入し得る
。それにより、リゾチームをレンズマトリックスから除去するのが、より困難に
なり得る。リゾチームは、レンズに深く入り込むほど、外れ難くなるからである
。
好ましくは、膨潤させるレンズの種類に応じて、約1〜30分間の間、レンズ
を低張溶液に浸漬すべきである。
本発明の方法のこの態様に関して使用する溶液は、水、緩衝した塩類溶液、人
工涙液またはコンタクトレンズ消毒溶液であって、低張のものである。
好ましくは、レンズ内の浸透圧を周囲の溶液の浸透圧よりも低くし、それによ
り、レンズの膨潤およびレンズ孔の拡張を起こすのに充分な環境を造るために、
溶液は塩化ナトリウムを0〜約0.6重量%含有することが好ましい。
リゾチーム(高pH)またはレンズ材料(低pH)の電荷を減少し、レンズの膨
潤(高pH)または収縮(低pH)に寄与するために、低張溶液のpHは約1〜1
3であることが好ましい。より好ましくは、低張溶液のpHは、リゾチームの電
荷の中和を促進するために、1〜30分間約9〜12で、最終pHは約7.4で
あるか、またはレンズの電荷の中和を促進するために、1〜30分間約3.5〜
2で、最約pHは約7.4である。リゾチームまたはレンズ材料の電荷を中和する
ことによって、レンズマトリックスへのリゾチームの親和性を低下し、マトリッ
クスからのリゾチーム脱離をより容易にする。溶液のpHが約12よりも大きい
か、または約2よりも小さいと、溶液の塩基性または酸性が、レンズ材料中のエ
ステル結合を分解することにより、レンズを損ない得る。
レンズを膨潤し、孔を拡張した後、負に荷電した化学剤および必要なpH中和
剤を、低張溶液に放出する(遅延放出による)。溶液中の化学剤およびpH中和
剤
の量は、pHを生理的範囲(通例6.5〜8.5)に調節し、低張溶液を等張また
は高張にし、溶液のイオン電荷密度/強度を高める(それにより、レンズ表面お
よびマトリックスからのタンパク質沈積物の脱離を同時に促進する)のに充分な
量である。溶液の浸透圧変化が、溶液中のレンズおよびレンズマトリックスの収
縮を起こし得る。
この態様の化学剤は、比較的小さい分子から成る。例えば、そのような負に荷
電した化学剤のうち、最も分子の大きいものの一例は、分子量約233のEDT
Aである。そのような分子は、マトリックス内のリゾチームへの結合を、レンズ
材料と競合する。化学剤がマトリックス内のリゾチームと結合した後は、剤/リ
ゾチーム複合体は、水がレンズから出るのに伴ってレンズから除去される。リゾ
チームは、イオン強度のより大きい処理溶液中ではより溶解し易く、レンズマト
リックス内ではより溶解し難いので、マトリックス孔から、より安定化する環境
である溶液中へ拡散して行く。
この態様において使用し得る塩化物塩は、NaCl、KClおよびCaCl2を包含
するが、それらに限定されない。溶液の塩化物塩含量は、少なくとも約0.9重
量%で、溶液中の塩化物塩溶解限度までであることが好ましい。より好ましくは
、溶液は塩化物塩を約0.9〜2.0重量%含有する。
本発明のこの態様において亜塩素酸塩を使用する場合は、溶液は他の通常の塩
(例えば塩化物および/またはリン酸塩)と共に、亜塩素酸塩を少なくとも約0
.05重量%で、約2.0重量%まで含有し、溶液がほぼ等張となることが好まし
い。より好ましくは、溶液は亜塩素酸塩を約0.1〜1.0重量%含有する。本発
明において、好ましい亜塩素酸塩はNaCl2Oである。
この態様の化学剤としてEDTAの塩を選択する場合は、溶液のEDTA塩含
量は、少なくとも約0.05重量%で、約2重量%までであることが好ましい。
より好ましくは、溶液は、他の通常の塩および緩衝剤と共に、EDTAを約0.
1〜1.0重量%含有する。
システインを使用する場合は、溶液はシステインを少なくとも約0.1重量%
で、約3.0重量%まで含有することが好ましい。より好ましくは、溶液はシス
テインを約0.5〜2.0重量%含有する。
更に、レンズおよびマトリックス孔を、低張溶液に入れる前の元の所望のサイ
ズに収縮によって戻す前に、より長時間レンズを膨潤させ、タンパク質の脱離を
促進し、最大とするために、化学剤は、低張溶液への導入時には徐放または遅延
放出コーティングを有することが好ましい。
この態様の化学剤は、溶液の形態で低張溶液に直接加え得るが、化学剤を遅延
放出により低張溶液に加えるためには、コーティングされた部分を有する錠剤、
丸薬、カプセル、粉末などの形態中に存在することが好ましい。例えば、錠剤は
、化学剤を含有するコアと、その放出を遅延するためにその上に施されたバリア
成分コーティングとを有し得る。
化学剤を加える溶液が、生理的pHよりも高いか、または低いpHを有する場合
は、処理溶液のpHを約7.0〜8.0に保持および/または調節するために、コ
アに添加剤を加えることが有利であり得る。溶液のpHの中和を促進するのに使
用し得る添加剤の例は、リジン二塩酸塩、酒石酸、クエン酸、炭酸ナトリウムお
よびそれらの混合物である。
バリア成分コーティングは、コア部分からの化学剤の放出を、好ましくは、レ
ンズ表面およびレンズマトリックス内のリゾチーム沈積を軽減するのに充分な時
間の間遅延するよう機能する。
化学剤の溶液への遅延放出は、多くの適当な方法(その多くは従来のもので、
当分野でよく知られている)のいずれかによって達成し得る。バリア成分は、徐
溶解性コーティング材料から成り得る。
コーティングとして適当なバリア成分は、水溶性ビニルポリマー、例えばポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコール;水
溶性タンパク質、多糖およびセルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ア
ルギン酸およびその塩および他の誘導体など、並びにそれらの混合物を包含する
。
本発明において、バリア成分は、それが前記のように機能しさえすれば、どの
ような量で使用してもよい。
好ましい遅延放出コーティングまたはバリア成分は、ポリビニルアルコールお
よび水溶性浸漬成分を含有する混合物から誘導するものである。
また、例えば化学剤含有コアを有する錠剤を提供する代わりに、コアは添加剤
のみを含有し、その添加剤を、化学剤およびバリア成分の混合物で被覆してもよ
い。錠剤は、pH中和剤含有コアを有していてもよい。そのコアをバリア成分で
被覆し、該バリア成分を化学剤で被覆し、それを更にバリア成分の層で被覆する
ことができる。
タンパク質にとってレンズマトリックス内およびレンズ表面上におけるよりも
好ましい熱力学的環境を溶液中に提供することによって、レンズ材料からのリゾ
チーム脱離を促進するのに充分な時間の間、レンズを負に荷電した化学剤の溶液
に浸漬する。レンズからタンパク質を脱離するこの方法は、レンズ膨潤工程によ
り脱離タンパク質の自由運動性を好ましく高めることによって更に促進される。
レンズ孔が元のサイズに戻るにつれて、タンパク質脱離度も低下する。従って、
レンズからリゾチームを実質的に除去するために、この方法を複数回反復する必
要があり得る。好ましくは、レンズを溶液に、約10分間ないし6時間浸漬する
。
目的は、レンズ材料に対するリゾチームの親和性を低下し、処理溶液中の負に
荷電した化学剤に対するリゾチームの親和性を高めることによって、レンズ材料
からのタンパク質拡散速度を高めるということである。
この態様の溶液は、化学剤に加えて、眼科学的に許容し得る添加剤、例えば塩
類、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、潤滑剤および/または界面活性剤(いずれも当分
野でよく知られている)をも含有し得る。更に、この態様の溶液は、消毒剤、例
えば過酸化物、ポリ第四級アミン、ビグアニドおよびWSCPをも含有し得る。
本発明の更に別の態様においては、コンタクトレンズの表面上および/または
内部マトリックス中のタンパク質リゾチームを抑制および/または軽減するため
に、高電荷密度を有する、より大きいサイズの負の荷電した化学剤を使用する。
この態様の方法においては、まず、レンズの膨潤およびマトリックス孔の拡張を
起こすのに充分な時間の間、低張溶液にレンズを入れる。この態様においても、
過度の膨潤は、レンズに損傷を与え得るので避けるべきである。
好ましくは、レンズ内の浸透圧を周囲の溶液の浸透圧よりも低くし、それによ
り、レンズの膨潤およびレンズ孔の拡張を起こすのに充分な環境を造るために、
溶液は塩化ナトリウムを0〜約0.6重量%含有することが好ましい。
リゾチーム(高pH)またはレンズ材料(低pH)の電荷を減少し、レンズの膨
潤(高pH)または収縮(低pH)に寄与するために、低張溶液のpHは約1〜1
3であることが好ましい。より好ましくは、低張溶液のpHは、リゾチームの電
荷の中和を促進するために、約9〜11.5であるか、またはレンズの電荷の中
和を促進するために、約2〜3.5である。リゾチームまたはレンズ材料の電荷
を中和することによって、レンズマトリックスへのリゾチームの親和性を低下し
、マトリックスからリゾチームが脱離し易くなる。溶液のpHが約13よりも大
きいか、または約1よりも小さいと、溶液の塩基性または酸性が、レンズ材料中
のエステル結合を分解することにより、レンズを損ない得る。
レンズを膨潤させた後、アルギン酸[β−(1→4)−D−マンノシルウロン
酸およびα(1→4)−L−グルコシルウロン酸残基の直鎖状ポリマー]、プロ
ピレングリコールアルギネート、キサンタンガム[細菌キサントモナス・カンペ
ストリス(xanthomonas campestris)が産生する、D−グルコシル、D−マンノ
シルおよびD−グルコシルウロン酸残基、並びに種々の割合のO−アセチルおよ
びピルビン酸アセタールから成る多糖ガム]、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、およびそれらの混合物から成る群から選択する負に荷電した化学剤の有効量
を含有する溶液に、レンズを、レンズ上およびレンズ内のタンパク質沈積物形成
を軽減および抑制するのに充分な時間の間、接触させる。この態様の目的のため
には、有効量とは、レンズと溶液との接触後、化学剤がレンズからのタンパク質
脱離を促進するような量である。更に、バルク(大部分の)溶液の浸透圧は低張
であると同時に、大きい剤の分子がレンズ孔に侵入できない故に、レンズマトリ
ックスの外部の溶液は、レンズマトリックス内部の溶液よりも、浸透圧が高い。
バルク溶液が総体的に低張であり、かつ、バルク溶液とレンズマトリックスとの
間に浸透圧差が存在する故に、レンズ孔を膨潤し、同時に、レンズマトリックス
からより安定化する環境であるバルク溶液中へのタンパク質排出を促進するとい
う、実際
の効果が生じる。次いで、低分子量塩(例えば塩化ナトリウム)を溶液に放出し
て、バルク溶液の浸透圧を等張に近付ける。
装用中のレンズに溶液を直接適用することができる(溶液がわずかに低張であ
る場合)が、レンズ処理方法に応じて、少なくとも約10分間ないし6時間の間
、レンズを溶液に浸漬することが、より好ましい。
この態様の溶液は、緩衝した塩類溶液、人工涙液、コンタクトレンズ消毒溶液
、または眼と生体適合性であるか、もしくは処理時間終了時にはそのようになる
他の適当な媒体である。
この態様の負に荷電した化学剤は、レンズ材料の孔サイズよりも大きい。すな
わち、化学剤は、レンズマトリックスのポリマー孔内に侵入することができない
。負に荷電した化学剤の分子量は、約50000〜1000000ダルトンであ
ることが好ましい。より好ましくは、負に荷電した化学剤の分子量は、約700
00〜150000である。この態様の化学剤の分子量が約50000未満であ
れば、レンズマトリックス内に侵入し、マトリックス内でリゾチームと結合し、
レンズ孔からのリゾチーム排出の立体障害を増大し得る。化学剤分子量が約10
00000よりも大きいと、溶液が粘性となり過ぎ、レンズからの有効なリゾチ
ーム脱離が不可能になり得る。
好ましくは、溶液は化学剤を約0.1〜5重量%含有する。より好ましくは、
溶液は化学剤を約0.5〜2重量%含有する。
この態様の溶液は、化学剤に加えて、眼科学的に許容し得る添加剤、例えば塩
類、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、潤滑剤および/または界面活性剤(いずれも当分
野でよく知られている)をも含有し得る。更に、この態様の溶液は、消毒剤、例
えば過酸化物、ポリ第四級アミン、ビグアニドおよびWSCPをも含有し得る。
例えばアルギネートとタンパク質との反応によってレンズ上に生じ得るフィル
ムの形成を防止するために、この態様の溶液を、処理中に、間欠的、連続的また
は適当な時期に攪拌または音波処理することが好ましい。例えば、溶液を攪拌し
、レンズ表面上のフィルムを分散させるか、またはフィルム形成を防止するため
に、起泡剤のような添加剤を溶液に加え得る。レンズ表面上のフィルムを分散さ
せる
か、またはフィルム形成を防止するのに充分な乱流を起こすために、過酸化水素
から酸素および水への触媒分解を利用してもよい。
この態様の方法のメカニズムは、溶液中の化学剤のイオン強度が、レンズマト
リックス内のイオン強度よりも大きいという溶液環境を調整し、有効な時間の間
それを維持するということを伴う。化学剤は、その大きさの故にレンズ材料に侵
入できず、実質的に溶液の総イオン強度を高めるので、上記のようなイオン強度
差が生じる。涙液タンパク質またはリゾチームは、イオン強度のより大きい溶液
中ではより溶解し易く、レンズマトリックス内ではより溶解し難いので、レンズ
孔から、より安定化する環境である溶液中へ拡散して行く。タンパク質またはリ
ゾチームは、レンズから出ると、化学剤とのイオン対形成によって中和される。
要するに、この態様の溶液は、レンズから溶液へのリゾチーム収着逆転を促進す
る。好ましくは、処理終了前に、レンズマトリックス内の浸透圧を高めて等張に
近付けるために、低分子量塩(例えば塩化ナトリウム)を溶液に導入する(例え
ば遅延放出による)。このことは、レンズを眼に装着する前にレンズパラメータ
を確実に元に戻すために必要である。この態様の例においては、分子量が500
00を越えるアルギネート塩を0.5〜1%含有する過酸化物溶液に、塩化ナト
リウムおよびカタラーゼをコア内に、アルギン酸ナトリウムおよび/またはヒド
ロキシプロピルメチルセルロースをコーティング中に含有するコーティング錠を
加える。錠剤およびレンズを同時に溶液に入れる。第1コーティングが溶解する
とカタラーゼが放出されて過酸化水素を分解し、第2コーティングが溶解すると
塩化ナトリウムが放出されて浸透圧を調節するという二重コーティングを用いて
もよい。
タンパク質のインビボ脱離を例示するために、コンタクトレンズの表面上およ
び内部マトリックス中にリゾチームタンパク質を沈積する下記二種のインビトロ
方法を用いた。いずれの方法においても、グループIV親水性コンタクトレンズを
使用した。このような例は、本発明を制限するものではない。
各レンズ表面のタンパク質沈積物は、以下のレンズ沈積物分類系に従って評価
した。クラスI:7〜10倍拡大鏡で見えない沈積物;クラスII:7〜10倍拡
大鏡で見える沈積物;クラスIII:乾燥すると肉眼で見える沈積物;クラスIV:
湿潤または乾燥した状態で肉眼で見える沈積物。この方法全体を、第1表に挙げ
る化学剤各々に対して行った。
試験溶液および対照溶液での処理後のレンズを比較するための分析法は、タン
パク質に特異的なものである。総(マトリックス+表面)リゾチーム含量に関し
てレンズを比較するためには、リゾチームに特異的な一次微分UV分光法を用い
た。この方法は、リゾチームの通常の吸収スペクトルの290nmにおけるショル
ダーから得る、289〜293nmの間の微分応答に基づくものである。この微分
スペクトル中のピーク間応答は、試験および対照レンズが全て同じ寸法を有する
として、レンズのリゾチーム含量に直接比例する。
レンズの表面分析は、減衰全反射フーリエ変換赤外(ATR−FTIR)分光
法によって行った。減衰光によるレンズ表面有効進入深さは、入射角45°のセ
レン化亜鉛結晶を用いて、約1μである。物質表面にレンズを保持するために、
金属プレートおよび加圧クランプを有する単反射水平面付属品[ハリック(Harr
ick)]を使用した。レンズスペクトルから水のスペクトルを差し引いて、波数
〜1550のアミドIIバンドの吸光度により、試験および対照レンズのタンパク
質含量を比較した。第1表に示す結果は、総リゾチーム(UV法)および表面タ
ンパク質(ATR−FTIR)のいずれに関しても、以下のように算出した:
差%が負であれば、それは、試験溶液がタンパク質除去を促進し、および/ま
たはタンパク質沈積を軽減したことを意味する。差が0であれば、対照と変わら
ないことを意味する。差%が正であれば、試験溶液よりも対照溶液の方が、タン
パク質除去および/または沈積抑制に有効であることを意味する。
方法I:レンズサイクル処理
このタンパク質沈積および測定方法においては、アキュビュー(Acuvue)レン
ズ(グループIVレンズポリマー)を使用した。この方法において、3種のリゾチ
ームコーティング溶液、すなわちFDA人工涙液モデル溶液(FDA Artific
ialTear Model Solution)、完全涙液製剤(Full Tear Formulation
)、お
よび試験化学剤溶液(“Solution of Interest”)を調製した。本発明の目
的のために、試験化学剤溶液は、化学剤(第1表参照)を最終濃度1mg/mlとな
るように加え、1N−NaOHまたはIN−HClでpH7.3〜7.4に調節した
FDA人工涙液モデル溶液(下記)と定義する。
FDA人工涙液モデル溶液は、下記成分から下記調製法に従って調製した:
第1表
FDA人工涙液モデル溶液
成分 mg/ml
卵白リゾチーム 1.20
ウシアルブミン 3.88
ヒトグロブリン 1.61
塩化ナトリウム 9.00
無水塩化カルシウム 0.11
(塩化カルシウム二水和物)1 0.15
二塩基性リン酸ナトリウム七水和物 0.28
(無水二塩基性リン酸ナトリウム)2 0.15
調製法
・タンパク質を脱イオン水に溶解する。
・他の成分を上記順序で加える。
・1N−NaOHまたは1N−HClでpH7.0に調節する。
1塩化カルシウム二水和物の代わりに、無水塩化カルシウムを用いてよい。
2二塩基性リン酸ナトリウム七水和物の代わりに、無水二塩基性リン酸ナトリ
ウムを用いてよい。
第2表
完全涙液
涙液成分 原 料 濃度(mg/ml)
1.リゾチーム ニワトリ卵白 1.9
2.アルブミン ヒト血清 0.2
3.γ−グロブリン ヒト血清 0.1
(1gG+...)
4.ラクトフェリン ウシ乳 1.6
5.ムチン ウシ下顎 0.15
6.a1−酸性 ウシ血清 0.5
糖タンパク質
7.塩化ナトリウム 3.0
8.塩化カリウム 0.9
9.塩化カルシウム 0.04
10.塩化物 4.9
11.炭酸水素ナトリウム 1.0
12.無水二水素リン酸塩NaPO4 0.07
13.乳酸[シグマ(Sigma)] 0.27
14.3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸 4.18
15.オレイン酸プロピルエステル 0.012
16.トリオレイン 0.016
(1,2,3-トリ-[(シス)-9-オクタデセノイル]グリセロール)
17.ジカプロイン(C15H28O5)異性体混合物 0.0032
18.酢酸リナリル[アルドリッチ(Aldrich)] 0.02
19.コレステロールリノレエート 0.024
20.コレステロール 0.0016
21.ウンデシレン酸ナトリウム塩(ウンデカン酸Na塩) 0.003
最初に、試験レンズを反転し、凹面を上にして、リン酸緩衝塩類溶液中に室温
で一晩浸漬した。次いで、このレンズを、第3表に挙げる化学剤リストから選択
した化学剤1種を含有する試験化学剤溶液に、1時間浸漬した。その後、FDA
人工涙液または完全涙液のいずれかに、レンズを更に4時間浸漬した。レンズを
再度、試験化学剤溶液に室温で1時間浸漬した。その後、レンズを37℃のFD
A人工涙液に浸漬した。(2サイクル)
対照レンズは、化学剤を含まないpH7.3〜7.4のFDA涙液または完全涙
液に浸漬した。
2、4および6サイクル後に、まず、レンズマトリックスタンパク質を、微分
UV分光法(前述)によって測定した。レンズ表面タンパク質は、ATR−FT
IR分光法(前述)によって測定した。
レンズマトリックス内で、リゾチーム沈積の競合抑制が観察された。脂質沈積
物の存在を調べるために、レンズをオイルレッド(Oil Red)Oで染色したが
、脂質汚れは量的識別できるほど多くないことがわかった。UVおよびATR−
FTIR分光法の結果を、対照との差%として表す。
第3表に挙げる試験化学剤の各々について、別のレンズを用いて同じ方法の試
験を行った。
この方法においては、マトリックス内のタンパク質沈積の軽減に最も有効な化
学剤は、ポリアルギニンおよびプロタミンであった。アルギニン酸ナトリウムも
特に有効であった。
方法II:収着
収着法によるタンパク質沈積および測定を、アキュビューレンズを用いて行っ
た。
FDA人工涙液(前述)を調製し、対照溶液として使用した。試験化学剤涙液
は、
第3表の化学剤リストから選択した化学剤1種を、最終濃度1mg/mlとなるよう
にFDA人工涙液に加え、次いで1N−NaOHまたは1N−HClで溶液のpH
を約7.3〜7.4に調節することによって調製した。
1個のレンズを対照溶液に、別の1個のレンズを試験化学剤溶液に、それぞれ
4、8、24、48および72時間浸漬した。4、8、24、48および72時
間浸漬後、まずレンズマトリックスタンパク質を、微分UV分光法により測定し
、レンズ表面タンパク質をATR−FTIR分光法により測定した(前述の通り
)。
第3表に挙げる試験化学剤の各々について、この試験を行った。この試験の結
果を、FDA人工涙液対照との差%として第3表に示す。
本発明の例示態様を説明したが、当業者は、本明細書中の開示は例示に過ぎず
、本発明の範囲から外れることなく他の種々の変更が可能であり得ると理解すべ
きである。すなわち、本発明は、明細書中に説明した態様にではなく、以下の請
求の範囲によってのみ制限される。
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フロントページの続き
(72)発明者 カリー、ジェイムズ・ピー
アメリカ合衆国92679カリフォルニア州
トラブコ・キャニオン、ヴィスタ・サンテ
ィアゴ・ロード28746番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.親水性コンタクトレンズの外表面上および/または内部マトリックス中の 、タンパク質沈積物の形成を軽減、および取り込みを抑制する方法であって、下 記工程を含んで成る方法: プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、キトサン、その塩および誘導体、 並びにそれらの混合物から成る群から選択する化学剤に、コンタクトレンズを接 触させる。 2.化学剤を、0.01〜5.0重量%の濃度で使用する請求項1記載の方法。 3.化学剤の分子量は、100〜70000である請求項1記載の方法。 4.化学剤を水溶液に加える工程を更に含んで成り、該溶液のpHは6〜8. 5である請求項1記載の方法。 5.眼に装用中のレンズを溶液と接触させる請求項4記載の方法。 6.レンズを溶液と接触させる前に、レンズを低張溶液に、レンズが顕著に膨 潤するまでの時間接触させる請求項4記載の方法。 7.親水性コンタクトレンズの外表面上および/または内部マトリックス中の 、タンパク質沈積物の形成を軽減、および取り込みを抑制する方法であって、下 記工程を含んで成る方法: プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、キトサン、およびそれらの混合物 から成る群から選択する正に荷電した水溶性化学剤を少なくとも0.1重量%含 有する、生理的pHを有する溶液に、コンタクトレンズを接触させ、化学剤の分 子量は100〜70000であり、該溶液のpHは約6〜8.5である。 8.溶液は低張である請求項7記載の方法。 9.親水性コンタクトレンズの外表面上および/または内部マトリックス中の 、タンパク質沈積物の形成を軽減、および取り込みを抑制するコンタクトレンズ 溶液中に使用する組成物であって: プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン、キトサン、およびそれらの混合物 から成る群から選択する化学剤の有効量 を含有する組成物。 10.化学剤を、0.01〜5.0重量%の濃度で含有する請求項9記載の組成 物。 11.外表面、およびポリマー孔のある内部マトリックスを有する親水性コン タクトレンズ上および/またはレンズ内の、タンパク質沈積物の形成を軽減、お よび取り込みを抑制する方法であって、下記工程を含んで成る方法: レンズの膨潤およびマトリックス孔の拡張を起こすのに充分な時間の間、レン ズを低張溶液に入れ; レンズおよびマトリックス孔の収縮を起こすのに充分な浸透圧とするように、 負に荷電した化学剤を溶液に加え、化学剤は、レンズ表面および/またはマトリ ックスからのタンパク質沈積物の脱離を起こすのに充分な量で存在し; 化学剤含有溶液中に、レンズを、レンズ上および/またはレンズ内のタンパク 質沈積物形成を顕著に軽減するのに充分な時間の間浸漬する。 12.化学剤は、塩化物塩、亜塩素酸塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 塩、システインおよびそれらの混合物から成る群から選択する請求項11記載の 方法。 13.溶液は、レンズ処理終了時に、塩化物塩を少なくとも0.9重量%含有 する請求項11記載の方法。 14.溶液は、レンズ処理終了時に、亜塩素酸塩を少なくとも0.1重量%含 有する請求項11記載の方法。 15.溶液は、レンズ処理終了時に、EDTAナトリウム塩を少なくとも0. 05重量%含有する請求項11記載の方法。 16.溶液は、システインを少なくとも0.1重量%含有する請求項11記載 の方法。 17.溶液は、レンズ処理終了時に、溶液を実質的に等張とするのに充分な塩 を含有する請求項11記載の方法。 18.コンタクトレンズを洗浄する方法であって、下記工程を含んで成る方法 : レンズの膨潤およびマトリックス孔の拡張を起こすのに充分な時間の間、塩化 ナトリウム0.0〜0.6重量%を含有する低張溶液にレンズを入れ; 塩化物塩、亜塩素酸塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、システインお よびそれらの混合物から成る群から選択する負に荷電した化学剤を含有する溶液 にレンズを接触させ、化学剤は溶液中に、(a)レンズ表面およびマトリックス からのタンパク質沈積物の脱離を促進し、(b)レンズマトリックス孔の収縮を 起こすよう溶液の浸透圧を変化するのに充分な量で存在し、化学剤含有溶液中に 、レンズを、レンズ上またはレンズ内のタンパク質沈積物形成を顕著に軽減また は抑制するのに充分な時間の間浸漬する。 19.低張溶液は、1〜30分間pH約2〜3.5で、最終pHは約7.4である 請求項18記載の方法。 20.低張溶液は、1〜30分間pH約9〜12で、最終pHは約7.4である 請求項18記載の方法。 21.処理時間を通して、pHを6.5〜8.5に保つ請求項18記載の方法。 22.化学剤は、化学剤に関して形成した遅延放出化学コーティングを有する 錠剤の形態である請求項18記載の方法。 23.親水性コンタクトレンズ上および/またはレンズ内の、タンパク質の形 成を軽減、および取り込みを抑制する方法であって、下記工程を含んで成る方法 : レンズの膨潤およびレンズマトリックス孔の拡張を起こすのに充分な時間の間 、レンズを低張溶液に入れ; アルギン酸、プロピレングリコールアルギネート、キサンタンガム、ヒアルロ ン酸、コンドロイチン硫酸、およびそれらの混合物から選択する負に荷電した高 分子量化学剤を含有する水溶液に、コンタクトレンズを接触させ;次いで、 レンズマトリックスをヒト涙液と実質的に等張とするのに充分なレベルの塩お よび緩衝剤を含有する水溶液に、コンタクトレンズを接触させる。 24.溶液は、化学剤を0.1〜5.0重量%含有する請求項23記載の方法。 25.溶液は、わずかに低張であり、眼に装用中のコンタクトレンズに直接適 用する請求項23記載の方法。 26.化学剤の分子量は、50000〜1000000である請求項23記載 の組成物。 27.溶液は、化学剤を、0.1〜5重量%含有する請求項23記載の組成物 。
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