【発明の詳細な説明】
製剤組成物
本発明は、多重薬剤耐性(MDR)の変調因子として有用な化合物、その製造
、およびこれを含む医薬用および動物薬用組成物に関する。
細胞毒性剤を用いた治療に対する癌腫の耐性は、癌患者の好結果を得る化学療
法治療の障害となる。癌腫は、以前の治療で用いられた細胞毒性剤に対する耐性
を獲得することがある。癌腫は、また以前に暴露されたことがない細胞毒性剤に
対しても、固有耐性あるいは交差−耐性を示すことがあり、この薬剤は、以前の
癌腫治療で用いられたどのような薬剤とも、構造的または作用機構的に関連がな
い。このような現象は、まとめて多重薬剤耐性(MDR)と呼ばれている。耐性
変調剤またはRMAsと呼ばれ、MDRを変調するために用いられてきた薬剤の
欠点は、これらが、しばしば、劣悪な動的薬理学上のプロフィルおよび/または
MDR変調に要求される濃度での毒性を有していることである。
今や、一連のジケトピペラジン誘導体が、多重薬剤耐性の変調因子としての活
性を有することが発見された。従って、本発明は、多重薬剤耐性の変調因子とし
て用いられる薬剤の製造への、下記式(A):
(式中、R14およびR15の各々は同一でも異なってもよく、独立して、水素およ
びC1〜C6アルキルから選択され、ただし、R14およびR15の少なくとも一方は
C1〜C6アルキルであり、R1〜R10の各々は同一でも異なっていてもよく、独
立して、水素、非置換C1〜C6アルキル、1個または数個のハロゲン原子で置換
されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、ハロゲ
ン、ヒドロキシ、ニトロ、所望により置換されたフェニル、シアノ、
−CH2OH、−CH2COOH、−CO2R11、−NHCOR11、
−NHSO2R13、−SO2R13、−CON(R11R12)、−SOR13、
−SO2N(R11R12)、−N(R11R12)、
−O(CH2)nN(R11R12)、−O(CH2)nCO2R11、
−OCOR11、−CH2OCOR11、−CH2NHCOR11、
−CH2NHCOOR13、−CH2SR11、−CH2SCOR11、
−CH2S(O)mR13(ここに、mは1または2)、
−CH2NHCO(CH2)nCO2R11、−N(R11)COR12、
−NHCOCF3、−NHCO(CH2)nCO2R11、
−NHCO(CH2)nOCOR11および−NHCO(CH2)nOR11から選ばれ
たものであり、ここに、nは0であるか、または1〜6の整数であり、R11およ
びR12の各々は独立して、HまたはC1〜C6アルキルであり、またR11およびR12
が同一の窒素原子に結合している場合には、これらは、飽和5員または6員複
素環式環を形成していてもよく、R13はC1〜C6アルキルであるか;あるいはR1
とR2、R2とR3、R3とR4およびR4とR5、またはR6とR7、R7とR8、R8
とR9およびR9とR10の何れかは、それらが結合している炭素原子と一緒になっ
て、所望により置換されたベンゼン環を形成していてもよい)で表されるジケト
ピペラジン;あるいは製剤上許容されるその塩またはエステルの使用を提供する
。
数字1〜10は、式Aにおけるフェニル基上の環の位置を示す。文字aおよびb
は、二つのフェニル基自体を指す。
R1〜R10の任意の二つの隣接する基が、それらが結合している炭素原子と一
緒になってベンゼン環を形成する場合、その環は非置換であるか、あるいはR1
〜R10について上記で明記した任意の置換基で置換されていてもよい。ベンゼン
環は、それぞれ環aまたはbと一緒になって、所望により置換されたナフタレン
環構造を形成する。
環aまたはbが置換フェニルである場合、ベンゼン環は、オルト位、メタ位お
よびパラ位の任意の位置において、1個または数個の置換基、例えば1個、2個
または3個の置換基で置換されていてよく、これらの置換基は同一でも異なって
もよく、独立して、R1〜R10について上記で明記した水素以外の基から選択す
ることができる。
アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、またシクロアルキル
基であってもよい。C1〜C6アルキル基は、典型的にはC1〜C4アルキル基、例
えばメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チルまたはシクロプロピルメチルである。ハロゲンは、例えば弗素、塩素、臭素
または沃素である。ハロゲンで置換されたC1〜C6アルキル基は、1個、2個ま
たは3個のハロゲン原子で置換されていてよい。これはパーハロアルキル基、例
えばトリフルオロメチル基であってよい。
C1〜C6アルコキシ基は、典型的にはC1〜C4アルコキシ基、例えばメトキシ
、エトキシ、プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシまたはtert
-ブトキシである。C1〜C6アルキルチオ基は、典型的にはC1〜C4アルキルチ
オ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、i-プロピルチオ、n-ブチ
ルチオ、sec-ブチルチオまたはtert-ブチルチオである。
R11およびR12が、それらが結合する窒素原子と一緒になって複素環式基を形
成する場合、それは、例えばN,N-テトラメチレン基である。
式Aの化合物においては、環aおよびbを2,5-ピペラジンジオン環の3位およ
び6位の二重結合に結合している単結合の回りで、室温において自由回転が起こ
りうる。従って、二つの環aおよびbにおける2位と6位、および3位と5位は
等価と考えることができる。それ故に、次の置換基対は互換可能と見ることがで
きる:R1とR5;R2とR4;R6とR10;およびR7とR9。
R14およびR15の一方は、C1〜C6アルキルであり、他方は水素またはC1〜
C6アルキルである。R14およびR15が両方ともC1〜C6アルキルである場合、
これらは同一でも異なっていてもよい。R14およびR15として好ましいC1〜C6
アルキルは、Me、Etまたはシクロプロピルメチルである。例えば、R14がC1
〜C6アルキルでありかつR15が水素またはC1〜C6アルキルであるか、または
R15がC1〜C6アルキルでありかつR14がC1〜C6が水素またはC1〜C6アルキ
ルである。一つの態様において、R14がMe、Etまたはシクロプロピルメチル
でありかつR15がH、Me、Etまたはシクロプロピルメチ
ルである。第二の態様において、R15がMe、Etまたはシクロプロピルメチル
でありかつR14がH、Me、Etまたはシクロプロピルメチルである。
環aおよびbの一方は非置換であるか、モノ置換されており、他方の環は非置
換であるか、2〜6位の一つ以上において置換されていることが好ましい。モノ
置換された環は、2〜6位の何れか一つ、例えば3位または4位、特に4位に置
換基を有することができる。従って、例えば、環bがモノ置換の場合、R6〜R1 0
の一つ、好ましくはR7またはR8、特にR8は水素以外である。環aがモノ置換
の場合、R1〜R5の一つ、好ましくはR2またはR3、特にR3は水素以外である
。環aおよびbの一方がモノ置換の場合、置換基R1〜R5またはR6〜R10は、
それぞれハロゲン、例えば弗素;アルコキシ基、例えばOMe;およびアセトア
ミド基−NHAc(Acはアセチル)から選ばれることが好ましい。
環aおよびbの一方が非置換であるか、または上の節に記載したようにモノ置
換されている場合、他方の環は、任意の望ましい置換パターンを有することがで
きる。例えば、他方の環は非置換であってよく、あるいは2〜6位の任意の位置
でモノ−、ジ−またはトリ−置換されていてよい。
前記の他方の環は、例えば2〜6位の任意の位置でモノ−置換されていてよい
。これはまた、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジ置換、あるいは2,3,
4-、2,3,5-、2,3,6-または3,4,5-トリ置換であってよい。即ち、前記の他方の環
がaであり、モノ置換の場合、R1〜R5の四つは水素であり、一つは水素以外で
ある。前記の他方の環がaであり、ジ置換の場合、R1〜R5の三つは水素であり
、二つは水素以外である。例えばR1とR2、またはR1とR3、またはR1とR4、
またはR1とR5、またはR2とR3、またはR2とR4は水素以外であるが、それぞ
れの場合にR1〜R5の他の三つは水素である。
前記の他方の環がaであり、トリ置換の場合、R1〜R5の二つは水素であり、
三つは水素以外である。例えばR1とR2とR3、またはR1とR2とR4、またはR1
とR2とR5、またはR2とR3とR4は水素以外であるが、それぞれの場合にR1
〜R5の他の二つは水素である。
前記の他方の環がbであり、モノ置換の合、R6〜R10の四つは水素であり、
一つは水素以外である。前記の他方の環がbであり、ジ置換の場合、R6〜R10
の三つは水素であり、二つは水素以外である。例えばR6とR7、またはR6とR8
、またはR6とR9、またはR6とR10、またはR7とR8、またはR7とR9は水素
以外であるが、それぞれの場合にR6〜R10の他の三つは水素である。前記の他
方の環がbであり、トリ置換されている場合、R6〜R10の二つは水素であり、
三つは水素以外である。例えばR6とR7とR8、またはR6とR7とR9、またはR6
とR7とR10、またはR7とR8とR9は水素以外であるが、それぞれの場合にR6
〜R10の他の二つは水素である。
あるいは、前記の他方の環における任意の二つの隣接する置換基は、それらが
結合している炭素原子と一緒になって、所望により置換された第二のベンゼン環
を完成してもよく、こうして前記の他方の環と共に所望により置換されたナフチ
ル基を形成してもよい。例えば、環aにおいて、R1とR2、またはR2とR3は、
それぞれ炭素原子2および3、または炭素原子3および4と一緒になって、所望
により置換されたベンゼン環を形成してもよく、次いでこのベンゼン環は、環a
と共にナフチル基を形成し、このナフチル基は非置換であるか、またはR1〜R1 0
について上記で明記した1個または数個の基で置換されている。環bにおいて
、R6とR7、またはR7とR8は、それぞれ炭素原子2および3、または炭素原子
3および4と一緒になって、所望により置換されたベンゼン環を形成してもよく
、次いでこのベンゼン環は、環bと共にナフチル基を形成し、このナフチル基は
非置換であるか、またはR1〜R10について上記で明記した1個または数個の基
で置換されている。典型的には、何れの場合にもナフチル基は非置換であるか、
またはナフタレン環構造の1位、2位、3位または4位、特に4位においてモノ
置換されている。例えばR1とR2は環aと一緒になって、またはR6とR7は環b
と一緒になって、4-ジメチルアミノ-1-ナフチル基を形成する。
一連の好ましい式Aの化合物において、R6〜R10の各々は水素である。もう
一つの一連の好ましい化合物において、R6〜R10の一つは、ヒドロキシ、アル
コキシ、NHCOR11、−CO2R11、−N(R11R12)、
−O(CH2)nN(R11R12)、−SO2R13、−CON(R11R12)、
NO2、−SO2N(R11R12)、−SOR13、−N(R11)COR12およびハロ
ゲンから選ばれ、R6〜R10の他の四つはHである。アルコキシは、例えばOM
eまたはOBunであってよい。NHCOR11は、典型的には−NHAcである
。CO2R11は、典型的には−COOHまたはCOOMeである。N(R11R12
)は、典型的にはNMe2またはN,N-テトラメチレンである。CON(R11R12
)は、−CONH2であってもよい。SO2R13は、典型的にはSO2Meであり
、SO2N(R11R12)は、例えばSO2NMe2である。SOR13は、SOMe
であってもよく、かつ−N(R11)COR12は、−NMeCOButであっても
よい。ハロゲンは、典型的にはFまたはClである。R8はアルコキシ、特にO
MeまたはOBun;NHCOR11、特に−NHAc;−CO2R11、特に−CO2
Hまたは−CO2Me;−CON(R11R12)、特に−CONH2;NO2;N(
R11R12)、特にNMe2またはN,N-テトラメチレン;−SOR13、特に−SO
Me;−SO2N(R11R12)、特に−SO2NMe2またはハロゲン、特にFま
たはCl;であり、かつR6、R7、R9およびR10の各々はHであることが好ま
しい。
前記の一連の好ましい化合物において、R1〜R5の全てが水素であるか、ある
いはR1〜R5の一つまたは二つが水素以外であり、その他は水素である。例えば
R1、R2およびR3の一つは水素以外である。あるいはR1とR3、またはR2とR3
は水素以外である。水素以外であるR1〜R5の一つまたは二つにとって好まし
いものには、アルコキシ、例えばOMeまたはOBun、ハロゲン、例えばFま
たはCl、ヒドロキシ、−NH(R11R12)、−CO2R11、
−CH2SCOR13、−CH2SR11、−NHCOR11、
−O(CH2)nN(R11R12)、−O(CH2)nCO2R11、
−CH2NHCO(CH2)nCO2R11、−NHCOCH2R11、
−NHCOCH2OCOR13、−CH2NHCOOR13およびCF3が包含される
。また、R1とR2、R2とR3、R3とR4、またはR4とR5が、それらが結合して
いる炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成していることが好ましい。
特に好ましい化合物は、R6、R7、R9およびR9がそれぞれHであり、
R8がH、OMe、−NHAc、−CO2H、−CO2Me、−COHN2、NO2
,−NMe2、N,N-テトラメチレン、SO2Me、−SOMeおよび−SO2NM
e2から選ばれたものであり、R1〜R5のそれぞれが前記のものである化合物で
ある。これら好ましい化合物において、R1〜R5は、好ましくはそれぞれ独立し
て、H、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ニトロ、−CH2SCO
R13、−CH2SR11、−CO2R11、−OCOR13、CF3、−O(CH2)nN
(R11R12)、−O(CH2)nCO2R11、
−CH2NHCO(CH2)nCO2R11、−NHCO(CH2)nOR11、
−N(R11R12)、−NHCO(CH2)nOCOR11、
−NHCO(CH2)nCO2R11および−CH2NHCO2R13から選ばれたもの
であるか、あるいはR1とR2、R2とR3、R3とR4、またはR4とR5が、それら
が結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成している。さらに好
ましくは、R1およびR2は独立して、H、ニトロまたはハロゲンであり、R3は
H、ヒドロキシ、−O(CH2)n(R11R12)、
−OCOR13、−O(CH2)nCO2R11、
−CH2NHCO(CH2)nCO2R11、C1〜C6アルコキシ、
−NHCO(CH2)nOR11、−NHCO(CH2)OCOR11、
−N(R11R12)、−CH2NHCO2R13、−CH2SR11または
−NHCOR11であり;R4はH、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、
−CH2SCOR13、−CH2SR11または−CO2R11であり;R5はH、ニトロ
またはハロゲンであるか;あるいはR2とR3、R3とR4、またはR4とR5はそれ
らが結合している炭素原子と一緒になって、所望により置換されたベンゼン環を
形成している。
一つの態様において、R8はNHAcであり;R6、R7、R9およびR10はそれ
ぞれHであり;R1はHまたはハロゲン、例えばClまたはFであり;R2はHで
あり;R3はハロゲン、例えばFまたはCl,C1〜C6アルコキシ、例えばOM
e、−N(R11R12)、例えばNMe2または−NHCOOR13、例えば−NH
COOButであり;R4はHであり;R5はハロゲン、例えばF)ClまたはB
r、またはCF3である。
第二の態様において、R8はOMeであり;R6、R7、R9およびR10のそれぞ
れはHであり;R1はH、ニトロまたはハロゲン、例えばClであり;R2はHで
あり;R3はH、ヒドロキシ、−OCOR13、例えばOAc、
−NHCO(CH2)nOCOR11、例えば−NHCOCH2OAc、または
−NHCOCH2OR11、例えば−NHCOCH2OHであり;R4はHであり;
R5はHまたはハロゲン、例えばFまたはClであるか;あるいはR2とR3はそ
れらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成している。
第三の態様において、R1、R6、R7、R8、R9およびR10の各々はHであり
;R2はH、CH2SCOR13、例えばCH2SAc、またはCH2SR11、例えば
−CH2SHであり;R3は−CH2SR11、例えば−CH2SMe、−CH2SC
OR13、例えば−CH2SAc、
−NHCO(CH2)nCO2R11、例えば
−NHCO(CH2)3CO2Me、−O(CH2)nCO2R11、例えば
−O(CH2)4CO2H、−O(CH2)N(R11R12)、例えば
−O(CH2)3NMe2、または−N(R11R12)、例えばNMe2であり;
かつR4およびR5は、両方ともHであるか、両方ともそれらが結合している炭素
原子と一緒になってベンゼン環を形成している。
本発明の一つの態様において、式Aの化合物は、下記の化合物(Aa)である
。
(式中、R14およびR15の各々は、同一であっても異なっていてもよく、独立に
、HまたはCH3であり、ただし少なくとも一方はCH3である。) 幾つかのジ
ケトピペラジンが生物活性剤としての用途を有することが開示されている。Yoko
i et alはJ.Antibiotics vol XLI No.4,pp 494-501(1988)に、微生物Micro monospora
neihuensisから得られる化合物であるネイフマ
イシン(neihumicin)に関連する一連のジケトピペラジンについての構造-細胞
毒性関係の研究を記載している。Kamei et alはJ.Antibiotics vol XLIIINo.8
,1018-1020に、ピペラフィジンAおよびBと呼ばれる二つのジケトピペラジン
が、ビンクリスチンの細胞毒性の相乗因子として有用であると記載している。
一般式Aは、新規なジケトピペラジンを包含している。従って、本発明は、上
記で定義した式(A)のジケトピペラジンであって、この化合物から、
(i)R1〜R10の各々がHである化合物;および
(ii)R14およびR15が両方ともMeであり、R8がOMeであり、R1〜R10
の残りがHである化合物
を除いたジケトピペラジン、または製剤上許容されるその塩またはエステルを提
供する。
本発明の個々の化合物の例は下記のとおりである。それぞれの末尾に化合物番
号が付されている。
(3z,6z)-3-ベンジリデン-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-2,5-ピペラ
ジンジオン(化合物1);
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-2,5-ピペラ
ジンジオン(化合物121);
(3z,6z)-3,6-ジベンジリデン-1-メチル-2,5-ピペラジンジオン(化合物122
);
4-((3z,6z)-3-ベンジリデン-1-メチル-2,5-ジオキソピペラジン-6-イリデン)
メチル安息香酸メチルエステル(化合物124);
4-((3z,6z)-3-ベンジリデン-1-メチル-2,5-ジオキソピペラジン-6-イリデン)
メチル安息香酸(化合物125);
(3z,6z)-3-(3-ヒドロキシメチルベンジリデン)-6-ベンジリデン-1,4−ジメチ
ル-2,5-ピペラジンジオン(化合物126);
(3z,6z)-3-ベンジリデン-1-メチル-6-(4-ニトロベンジリデン)-2,5-ピペラジ
ンジオン(化合物127);
N,N-テトラメチレン-4-((3z,6z)-3-ベンジリデン-1-メチル-2,5-ジオキソピ
ペラジン-6-イリデン)メチルベンズアミド(化合物128);
(3z,6z)-6-(4-アミノベンジリデン)-3-ベンジリデン-1-メチル-2,5-ピペラジ
ンジオン(化合物129);
((3z,6z)-3-ベンジリデン-1-メチル-2,5-ジオキソピペラジン-6-イリデン)メ
チルベンズアミド(化合物130);
(3z,6z)-3-(4-アセトアミドベンジリデン)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メ
チル-2,5-ピペラジンジオン(化合物131);
(3z,6z)-3-(2,6-ジクロロベンジリデン)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチ
ル-2,5-ピペラジンジオン(化合物132);
(3z,6z)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-3-(2-ニトロベンジリデン)-2
,5-ピペラジンジオン(化合物133);
(3z,6z)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-3-(4-N-メチルアセトアミド
ベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物134);
(3z,6z)-6-(2,6-ジクロロベンジリデン)-3-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチ
ル-2,5-ピペラジンジオン(化合物135);
(3z,6z)-3-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-6-(2-ニトロベンジリデン)-2
,5-ピペラジンジオン(化合物136);
(3z,6z)-6-(4-アセトアミドベンジリデン)-3-(4-メトキシベンジリデン)-1-メ
チル-2,5-ピペラジンジオン(化合物137);
(3z,6z)-3-(4-(3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ)ベンジリデン)-6-(4-メトキ
シベンジリデン)-1-メチル-2,5-ピペラジンジオン塩酸塩(化合物138);
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(4-トリフルオロメチルベンジリデ
ン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物139)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(1-ナフチルメチレン)-2,5-ピペラ
ジンジオン(化合物140)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-ジメチルアミノベンジリデン)-1,4-ジメチル-2
,5-ピペラジンジオン(化合物141);
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(2-メトキシベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピ
ペラジンジオン(化合物142);
(3z,6z)-3-(4-アミノベンジリデン)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-2,5-ピペ
ラジンジオン(化合物143);
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(2-フルオロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピ
ペラジンジオン(化合物144)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-フルオロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピ
ペラジンジオン(化合物145)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(2,4-ジフルオロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5
-ピペラジンジオン(化合物146)
(3z,6z)-3-(4-アセトキシメチルベンジリデン)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル
-2,5-ピペラジンジオン(化合物147)
(3z,6z)-3-(3-アセトキシメチルベンジリデン)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル
-2,5-ピペラジンジオン(化合物148)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-エトキシベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピ
ペラジンジオン(化合物149)
(3z,6z)-3,6-ジベンジリデン-1,4-ジメチル-2,5-ピペラジンジオン(化合物1
50)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(2,6-ジクロロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-
ピペラジンジオン(化合物151);
(3z,6z)-6-(4-アミノベンジリデン)-3-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-2
,5-ピペラジンジオン(化合物152);
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(4-N-メチルアセトアミドベンジリ
デン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物153)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-
ピペラジンジオン(化合物154)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(3-クロロベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピペ
ラジンジオン(化合物155)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(4-メチルスルフィニルベンジリデ
ン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物156)
N,N-ジメチル-4-((3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-2,5-ジオキソピペ
ラジン-3-イリデン)メチルベンゼンスルフォンアミド(化合物157)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(2-N-メチルトリメチルアセトアミ
ドベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物158)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-3-(4-フェニルベンジリデン)-2,5-ピ
ペラジンジオン(化合物159)
4-((3z,6z)-6-ベンジリデン-1,4-ジメチル-2,5-ジオキソピペラジン-3-イリデ
ン)メチル安息香酸メチルエステル(化合物160)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-ブロモベンジリデン)-1,4-ジメチル-2,5-ピぺ
ラジンジオン(化合物161)
(3z,6z)-3-(2,4-ジフルオロベンジリデン)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1,4-
ジメチル-2,5-ピペラジンジオン(化合物162)
(3z,6z)-3-(4-ブロモベンジリデン)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1,4-ジメチ
ル-2,5-ピペラジンジオン(化合物163)
(3z,6z)-3-(4-フルオロベンジリデン)-6-(4-メトキシベンジリデン)-1,4-ジメ
チル-2,5-ピペラジンジオン(化合物164)
(3z,6z)-3-(2,6-ジクロロベンジリデン)-1,4-ジメチル-6-(2-ニトロベンジリ
デン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物165)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1-シクロプロピルメチル-3-(4-メトキシベンジリデ
ン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物166)
(3z,6z)-3-ベンジリデン-1-シクロプロピルメチル-6-(4-メトキシベンジリデ
ン)-2,5-ピペラジンジオン(化合物167)
(3z,6z)-6-ベンジリデン-1-シクロプロピルメチル-3-(4-メトキシベンジリデ
ン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(化合物168)
(3z,6z)-3,6-ジベンジリデン-1-エチル-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(化
合物169)
(3z,6z)-3-ベンジリデン-1-シクロプロピルメチル-6-(4-メトキシベンジリデ
ン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(化合物170)
式Aの化合物は、既知化合物および新規化合物の両方とも、下記の方法によっ
て製造することができる。(i) 下記式(I):
(式中、R6〜R10およびR15は前記定義のとおりであり、所望により保護され
ている)で表される化合物を、下記式(II):
(式中、R1〜R5は前記定義のとおりであり、所望により保護されている)で表
される化合物と、有機溶剤中で塩基の存在下に縮合させて、R14が水素である式
Aの化合物を得ることからなる方法、あるいは(ii) 下記式(I′):
(式中、R1〜R5およびR14は前記定義のとおりであり、所望により保護されて
いる)で表される化合物を、下記式(III):
(式中、R6〜R10は前記定義のとおりであり、所望により保護されている)で
表される化合物と、有機溶剤中で塩基の存在下に縮合させて、R15が水素である
式Aの化合物を得ることからなる方法。(i)および(ii)の何れの場合にも、
所望ならば、R14またはR15が各々水素である式Aの化合物を、アルキル化剤を
用いた処理によってR14およびR15が各々C1〜C6アルキルである式Aの化合物
に変換し、場合により存在する保護基を除去し、そして/または、所望により、
一つの式Aの化合物を別の式Aの化合物に変換し、そして/または、所望により
、式Aの化合物を製剤上許容されるその塩またはエステルに変換し、そして/ま
たは、所望により、塩またはエステルを遊離化合物に変換し、そして/または、
所望により、式Aの化合物の異性体混合物を単独の異性体に変換する。
化合物(I)と(II)、または(I′)と(III)の直接の縮合反応により製
造された式Aの化合物は、所望により、基R1〜R10の1個または数個を異なる
基R1〜R10に変換することによって変性することができる。これらの所望によ
る変換は、それ自体公知の方法で行なうことができる。例えば、R1〜R10の1
個または数個がエステル基である式Aの化合物は、好適な温度、例えば周囲温度
〜100℃で、酸またはアルカリ加水分解することによって、対応する置換基が遊
離の−COOH基である式Aの化合物に変換することができる。
R1〜R10の1個または数個が−CO2Hである式Aの化合物は、エステル化に
より、例えばカルボン酸を、不活性溶剤中で1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ドの存在下に好適なC1〜C6アルキルアルコールで処理することにより、対応す
る置換基がエステル化された式Aの化合物に変換することができる。
R1〜R10の1個または数個が遊離−CO2Hである式Aの化合物は、例えば不
活性溶剤中で1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下にアンモニアまたは
アミンで処理することにより、対応する置換基が−CON(R11R12)基(式中
、R11およびR12は前記定義のとおり)である式Aの化合物に変換することがで
きる。
R1〜R10の1個または数個が遊離−CO2Hである式Aの化合物は、還元によ
り、例えばテトラヒドロフランのような好適な溶剤中でボランを用いて処理する
ことにより、対応する置換基が−CH2OH基である式Aの化合物に変換するこ
とができる。
R1〜R10の1個または数個がニトロ基である式Aの化合物は、標準的な条件
下での還元により、例えば接触水素化により、対応する置換基がアミノ基である
式Aの化合物に変換することができる。
式(I)、(I′)、(II)および(III)の化合物におけるR1〜R10のため
の保護基は、基R1〜R10の何れかが縮合反応条件に敏感な基、または縮合反応
に適合しない基、例えば−COOH、−CH2OHまたはアミノ基である場合に
は、工程(i)または工程(ii)に先立って、任意に導入することができる。次
いで保護基は、方法の終わりに除去される。問題の基R1〜R10に好適な普通の
保護基は何れも使用可能であり、よく知られた標準的方法によって導入でき、次
いで除去できる。
化合物(I)と(II)、または(I′)と(III)の縮合反応は、好適には、
ジメチルホルムアミドのような溶剤中で、塩基(カリウムt-ブトキシド、水素化
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、
アルミナ上の弗化カリウムまたはトリエチルアミン)の存在下に、あるいはt-ブ
タノール中またはt-ブタノールとジメチルホルムアミドとの混合物中で、カリウ
ムt-ブトキシドの存在下に行なわれる。反応は、典型的には、0℃から溶剤の還
流温度までの温度で行なわれる。
R14またはR15がHである式Aの化合物のアルキル化は、有機溶剤中で、塩基
の存在下、従来のアルキル化剤、例えば沃化アルカン等のハロアルカンあるいは
硫酸ジアルキルを用いて行われる。塩基は、例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナ
トリウムあるいは炭酸カリウムなどであってよい。適切な溶剤は、DMFである
。その他の適切な塩基は、水酸化ナトリウム水溶液であり、この場合には適切な
補助溶剤は、例えばジオキサン、THFまたはDMFである。
式(I)の化合物は、1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオンを、有機溶剤中
で塩基の存在下に、前記定義の式(III)の化合物と反応させることからなる方
法によって製造でき、これによってR15が水素である式(I)の化合物が得られ
る。得られた式(I)の化合物を、所望により、アルキル化剤で処理することに
より、R15がC1〜C6アルキル基である式(I)の化合物が得られる。同様に、
式(I′)の化合物は、1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオンを、前記定義の
式(II)の化合物と、有機溶剤中で塩基の存在下に反応させることからなる方法
に
よって製造でき、これによってR14が水素である式(I′)の化合物が得られる
。得られた式(I′)の化合物を、所望により、アルキル化剤で処理することに
より、R14がC1〜C6アルキル基である式(I′)の化合物が得られる。
必要に応じ、得られた式(I)または(I′)の化合物は、クロマトグラフィ
ーにより他の反応生成物から分離することができる。
1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオンと式(III)または(II)の化合物との
反応は、好適には、化合物(I)と(II)、または(I′)と(III)の縮合に
ついて上述したのと同じ条件下で行なわれる。
R15が水素である式(I)の化合物、またはR14が水素である式(I′)の化
合物のアルキル化は、適切には、R14が水素である式(A)の化合物のアルキル
化について上述したのと同様の条件下、同様の従来のアルキル化剤を用いて行わ
れる。R15が水素である化合物(I)の場合のアルキル化工程は、典型的には、
R15がC1〜C6アルキル基である式(I)の化合物および以下の式(IV):
(式中、R15はC1〜C6アルキル基)の異性体の混合物を生成する。R14が水素
である化合物(I′)の場合のアルキル化工程は、典型的には、R14がC1〜C6
アルキル基である式(I′)の化合物および以下の式(IV′):
(式中、R14はC1〜C6アルキル基)の異性体の混合物を生成する。
R15が水素以外である化合物(I)および(IV)の混合物、あるいはR14が水
素以外である化合物(I′)および(IV′)の混合物は、クロマトグラフィー、
例えばシリカゲル上で、容易に分離することができる。適切な溶離剤としては、
酢酸エチルおよびヘキサン、またはメタノールおよびジクロロメタンを挙げるこ
とができる。
式(II)および(III)の置換ベンズアルデヒドは、既知の化合物であるか、
あるいは容易に入手可能な出発物質から従来法で製造できる。式(I)の化合物
の製造において出発物質として用いられる1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオ
ンは、2,5-ピペラジンジオン(グリシン無水物)をアセチル化剤で処理すること
により製造できる。アセチル化は、任意の普通のアセチル化剤を用いて、例えば
還流下で無水酢酸を用いて、あるいは4-ジメチルアミノピリジンの存在下に還流
以下の温度で無水酢酸を用いて行なうことができる。
R15がHである式(I)の化合物はまた、1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジ
オン、式(III)の化合物およびアルミナ上の弗化カリウム(塩基として)を含
む混合物を、溶剤の不在下でマイクロ波照射することによっても製造できる。
あるいはまた、R15がHである式(I)の化合物は、2,5-ピペラジンジオン(
グリシン無水物)から直接に、2,5-ピペラジンジオンを、式(III)の化合物、
酢酸ナトリウムおよび無水酢酸を含む混合物を用いて、高められた温度、例えば
還流下に処理することにより製造できる。
R14がHである式(I′)の化合物は、類似の方法により、それぞれの場合に
化合物(III)を化合物(II)で置き換えて製造することができる。
式Aの化合物はまた、(i)R15がHまたはC1〜C6アルキルである前記定義
の式(I)の化合物、式(II)の化合物およびアルミナ上の弗化カリウムを含む
混合物、あるいは(ii)R14がHまたはC1〜C6アルキルである式(I′)の化
合物、式(III)の化合物およびアルミナ上の弗化カリウムを含む混合物、ある
いは(iii)1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン、式(II)の化合物、式(II
I)の化合物およびアルミナ上の弗化カリウムを含む混合物のマイクロ波照射に
よっても製造することができる。照射は溶剤の不在下で行なわれる。R14および
R15の両方がHである得られた化合物は、次いで適切なアルキル化剤、例えば上
述したものを用いてアルキル化することができる。
式Aの化合物はまた、1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン、式(II)の化
合物および式(III)の化合物を一緒に、有機溶剤中で塩基の存在下に縮合させ
ることからなる方法によって、直接に得ることができる。好適な塩基、溶剤およ
び反応条件は、例えば化合物(I)と(II)の縮合について上述したのと同様で
ある。
式Aの化合物を製造するためのもう一つの直接法は、2,5-ピペラジンジオン、
式(II)の化合物および式(III)の化合物を一緒に、酢酸ナトリウムおよび無
水酢酸の存在下に高められた温度、例えば還流下に縮合させることからなる。
式(I)の化合物を製造するためのもう一つの方法は、下記式(V):
(式中、R6〜R10は前記定義のとおりであり、Xはハロゲンであり、R′はC1
〜C6アルキル基である)で表される化合物を、アンモニアで、次いで無水酢酸
で処理することからなる。
式(I′)の化合物は、下記式(V′):
(式中、R1〜R5、XおよびR1は前記定義のとおりである)で表される化合物
を、アンモニアで、次いで無水酢酸で処理することからなる類似の方法により製
造できる。
式(V)および(V′)におけるXは、典型的には沃素である。R′は、例え
ばC1〜C4アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル
、sec-ブチルまたはtert-ブチルである。
不飽和の3-モノ置換および3,6-ジ置換-2,5-ピペラジンジオンへの合成ア
プローチの概説は、Heterocycles,1983,20,1407(C.Shin)に提供されてい
る。
式(A)の化合物は、従来法により製剤上許容される塩類に変換することがで
き、また、塩類は、従来法により遊離化合物に変換することができる。好適な塩
類には、製剤上許容される無機塩基および有機塩基との塩類が包含される。無機
塩基の例としては、アンモニア、ならびに第I族および第II族金属、例えばナト
リウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの炭酸塩、水酸化物および炭
酸水素塩が挙げられる。有機塩基の例としては、脂肪族および芳香族のアミン、
例えばメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、
またはα-もしくはβ-フェニルエチルアミン、および複素環式塩基、例えばピペ
リジン、1-メチルピペリジンおよびモルホリンが挙げられる。
式(A)の化合物はまた、製剤上許容されるエステルに変換することもできる
。好適なエステルとしては、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和のC1〜
C6アルキルエステル、例えばメチル、エチルおよびビニルエステルを挙げるこ
とができる。
式Aの好ましい化合物を、下記表1に、それらの置換パターンによって示すと
ともに、化合物番号によって特定する。これら化合物の特性データは、実施例1
6の表5に示されている。ピペラジン環がN-非置換であり、アルキル化によって
式Aの化合物に変換可能なジケトピペラジン誘導体は、表2に、その置換パター
ンによって示す。
多重薬剤耐性を示す癌細胞(MDR細胞と記す)は、対応する薬剤−感受性細
胞と比較して、細胞内薬剤蓄積の減少を示す。インビボ誘導MDR細胞ラインを
用いた研究では、MDRは、薬剤結合特性を有するプラズマメンブレングリコプ
ロテイン(P−gp)の発現増加としばしば関連することが示された。P−gp
は、多くの親油性化合物のための流出ポンプとして機能すると考えられており、
クローン化P−gpを用いたトランスフェクションの研究では、その超発現(ov
erexpression)が、細胞上にMDRフェノタイプを与えうることを示した:例え
ば、Ann.Rev.Biochem 58 137-171(1989)参照。
正常な組織でのP−gpの主な機能は、細胞から細胞内毒物を輸送することで
ある。P−gpの超発現が、多重薬剤耐性において臨床上の役割を果たすであろ
うということを示唆する証拠がある。P−gpのmRNAまたはタンパク質のレ
ベル増加は、多くの形態のヒト癌腫、例えば白血病、リンパ腫、サルコーマおよ
びカルシノーマなどにおいて検出されている。確かに、化学療法から再発した後
に得られた癌腫生検において、P−gpレベルが増加したことが発見された。
P−gp介在MDRにおけるP−gp機能の阻害は、細胞における抗癌剤の正
味蓄積に至ることが示された。例えば、インビトロおよびインビボで、公知カル
シウム輸送経路ブロック剤であるヴェラパミル(Verapamil)は、MDR細胞を
ビンカアルカロイドに対して感受性にすることが示された:Cancer Res.,41,1
967-1972(1981)。提案された作用機構は、P−pgへの結合に対する抗癌剤と
の競争を含んでいる。この機構で作用する、ある範囲の構造的に関連しない耐性
改善剤、例えばタモキフェン(Nolvadex:ICI)および関連化合物、およびシクロ
スポリンAおよびその誘導体が開示されている。
新規および公知両方の式Aの化合物、およびその製剤上許容される塩およびエ
ステル(以下、「本発明の化合物」と記す)は、生物学的テストで、多重薬剤耐
性の変調において活性を有することが発見された。結果は、後述する実施例15
に説明されている。したがって、本発明の化合物は、多重薬剤耐性改善剤(耐性
−改善剤またはRMAsとも称される)として用いることができる。本発明の化
合物は、多重薬剤耐性を変調させることができ、例えば軽減または消失させるこ
とができる。したがって、本発明の化合物は、癌細胞に対して細胞毒性である薬
剤の細胞毒性を増強する方法に用いることができる。このような方法は、例えば
、癌細胞が問題の細胞毒性剤にさらされている間に、本発明の化合物の一つを癌
細胞に投与することからなる。化学療法剤あるいは抗腫瘍剤の治療効果は、この
様にして増進することができる。化学療法中での細胞毒性剤に対する癌細胞の多
重薬剤耐性は、軽減するか、あるいは消失させることができる。
癌に罹患したヒトあるいは動物の患者は、化学療法剤に対する耐性を、この患
者に本発明の化合物の一つを投与することからなる方法によって処置することが
できる。本発明の化合物は、上記化学療法剤の細胞毒性を増強するのに効果的な
量で投与される。本発明に関して好ましい化学療法剤または抗腫瘍剤の例として
は、ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン;アント
ラサイクリン抗生物質、例えばダウノルビシンおよびドキソルビシン;ミトザン
トロン;アクチノマイシンDおよびプリカマイシン等を挙げることができる。
本発明の化合物は、種々の投与形態で投与することができ、例えば、経口的に
は例えば錠剤、カプセル、糖衣錠、フィルム被覆錠剤、溶液または懸濁液の形態
で、あるいは非経口的には例えば筋肉内、静脈内または皮下に投与することがで
きる。従って、本発明の化合物は、注射または注入によって投与できる。
投与量は、患者の年令、体重および状態、および投与経路を含む種々の因子に
依存する。しかしながら典型的には、本発明の化合物を単独でヒト成人に投与す
る場合、各投与経路に採用される投与量は、0.001〜10mg/kg体重、最も普通には
0.01〜5mg/kg体重である。このような投与量は、例えばボルス(bolus)注入、
数時間にわたる注入および/または反復投与によって、毎日1〜5回投与するこ
とができる。
式(A)のジケトピペラジン、または製剤上許容されるその塩またはエステル
は、医薬または動物薬として許容される担体または希釈剤をも含む、医薬用また
は動物薬用組成物として使用するために処方される。これらの組成物は、典型的
には従来法に従って製造され、医薬または動物薬として適する形態で投与される
。従って、本発明の化合物の何れかを含む多重薬剤耐性の変調因子として用いら
れる薬剤が提供される。
例えば、固形の経口用形態は、活性化合物と一緒に、希釈剤、例えばラクトー
ス、デキストロース、サッカロース、セルロース、トウモロコシ澱粉またはバレ
イショ澱粉;潤滑、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸のマグ
ネシウム塩またはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール類;結合
剤、例えば澱粉類、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えば澱粉、アルギン酸
、アルギン酸塩またはナトリウム澱粉グリコレート;沸騰剤;色素、甘味料;湿
潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、硫酸ラウリルを含有しうる。このよう
な製剤は、公知の方法で、例えば混合工程、粒状化工程、製錠工程、糖衣工程ま
たは被覆工程によって製造することができる。
経口投与のための分散液は、シロップ、エマルジョンおよび懸濁液であってよ
い。シロップは、担体として、例えばサッカロースを、またはグリセリンおよび
/またはマンニトールおよび/またはソルビトールと共にサッカロースを含有す
ることができる。特に、食餌療法患者のためのシロップは、担体として、グルコ
ースに代謝されない生成物、または極めて少量しかグルコースに代謝されない生
成物、例えばソルビトールだけを含有しうる。懸濁液およびエマルジョンは、担
体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを含有しう
る。
筋肉内注射のための懸濁液またはエマルジョンは、活性化合物と一緒に、製剤
上許容される担体、例えば滅菌水、オリーブオイル、オレイン酸エチル、グリコ
ール類、例えばプロピレングリコール、および所望により適量のリドカイン塩酸
塩を含有することができる。本発明の化合物の幾つかは、水に不溶である。化合
物をリポソーム中にカプセル封入することができる。
以下の実施例により本発明を説明する。
参考例1:(3z,6z)-6-ベンジリデン-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-
ピペラジンジオン(3)の製造 (スキーム1)
1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン(8)
1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン(8)は、公表された手順(S.M.Marcuc
cio and J.A.Elix,Aust.J.Chem.,1984,37,1791)により製造した。(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン
(9)
(3Z)-1-セチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(9)
は、公表された手順(T.Yokoi,L-M.Yang,T.Yokoi,R-Y.Wu,and K-H.Le
e,J.Antibiot.,1988,41,494)により製造した。(3Z,6Z)-6-ベンジリデン-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオ ン
(3)
乾燥DMF(20ml)中の(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2
,5-ピペラジンジオン(9)(1.0g,3.6mmol)、ベンズアルデヒド(430μl,4.2mm
ol)およびトリエチルアミン(1.14ml,8.2mmol)の混合物を、130℃で18時間加
熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100ml)中に注いだ。沈澱し
た黄色固体を濾別して乾燥した。収量360mg(31%)。
参考例2:(3Z,6Z)-6-ベンジリデン-3-(4-メトキシベンジリデン)
-2,5-ピペラジンジオン(3)の製造 (スキーム2)
化合物16をアンモニア、次いで無水酢酸で処理すると、1-アセチル-3-ベンジ
リデン-2,5-ピペラジンジオン(18)が得られる。
次いで化合物18を、DMF中で炭酸セシウムまたはトリエチルアミンの存在下
で、4-メトキシベンズアルデヒドと縮合させると、化合物3が得られる。参考例3:
1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-
ピペラジンジオンの製造
参考例1に記載した化合物(8)である1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン
(25.0g,126mmol)を、DMF(200ml)中でトリエチルアミン(17.6ml,126mm
ol)およびベンズアルデヒド(13.0ml,126mmol)と共に、120〜130℃に加熱し
た。4時間後、混合物を室温に冷却し、EtOAc(1000ml)中に注ぎ、塩水で
3回洗浄した。この段階で生じた全ての固体を濾別した。濾液を乾燥し(MgSO4
)、溶剤を真空中で除去した。残留物をEtOAc:ヘキサンから再結晶すると
、表題の化合物が黄色固体として11.78g(38%)得られた。
参考例4: 1-アセチル-3-(4-アセトアミドベンジリデン)-2,5-ピペラジン ジオンの製造
参考例1に記載の公表された手順で製造した1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジン
ジオン(10.0g,50mmol)を、DMF(40ml)中で4-アセトアミドベンズアルデ
ヒド(8.24g,50mmol)およびトリエチルアミン(7ml,50mmol)と共に攪拌し、
120℃に加熱した。2.5時間後、混合物を室温に冷却し、EtOAc(100ml)で
希釈し、一夜攪拌した。生成した固体を集め、EtOAcで洗浄して乾燥すると
、8.46g(56%)の黄色固体が得られた。
参考例5: 化合物96の製造
参考例3により製造した1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオン(
1当量)を、DMF中でCs2CO3(1〜1.1当量)の存在下に、5-(4-ホルミルフ
ェノキシ)ペンタン酸メチルエステルを用いて80〜100℃で1〜8時間処理した
。表題の化合物が39%の収率で得られた。
同じ方法により、但し5-(4-ホルミルフェノキシ)ペンタン酸メチルエステル
(これは4位が−O(CH2)4CO2Meで置換されたベンズアルデヒドである
)を、適宜に置換されたベンズアルデヒドで置き換えて、下記の化合物を製造し
た。
参考例6: 化合物31の製造
参考例1により製造された1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオン
(1当量)を、DMF中でトリエチルアミン(1〜2当量)の存在下に、3-アセ
トキシベンズアルデヒド(1当量)を用いて130℃で2〜6時間処理した。表題
の化合物が61%の収率で得られた。
同じ方法により、但し3-アセトキシベンズアルデヒドを、適宜に置換されたベ
ンズアルデヒドで置き換えて、下記の化合物を製造した。
参考例7: 化合物103の製造
参考例1に記載した化合物(9)である1-セチル-3-(4-メトキシベンジリデン
)-2,5-ピペラジンジオン(1当量)を、DMF中でCs2CO3(1〜1.1当量)
の存在下に、2-フルオロベンズアルデヒド(1当量)を用いて80〜100℃で1〜
6時間処理した。表題の化合物が69%の収率で得られた。
同じ方法により、但し2-フルオロベンズアルデヒドを、適宜に置換されたベン
ズアルデヒドで置き換えて、下記の化合物が製造された。なお、化合物84は、4-
アセトキシ-クロロベンズアルデヒドとの縮合により製造した。
参考例8: 化合物28の製造
1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(1当量)
、参考例1の化合物(9)を、DMF中で、2-ニトロベンズアルデヒド(1当量
)およびトリエチルアミン(1〜2当量)を用いて130℃で2〜6時間処理した
。表題の化合物が45%の収率で得られた。参考例9:
化合物77の製造
参考例4により製造した1-アセチル-3-(4-アセトアミドベンジリデン)-2,5-
ピペラジンジオン(1当量)を、DMF中でCs2CO3(1〜1.1当量)の存在
下に、2,4-ジフルオロベンズアルデヒド(1当量)を用いて80〜100℃で1〜6
時間処理した。表題の化合物が60%の収率で得られた。
同じ方法により、但し2,4-ジフルオロベンズアルデヒドを、適宜に置換された
ベンズアルデヒドで置き換えて、下記の化合物を製造した。
参考例10: 化合物22の製造
参考例1に記載の公表された手順で製造された1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジ
ンジオン(1当量)を、DMF中でトリエチルアミン(2.5当量)の存在下に、
ベンズアルデヒド(2.1当量)を用いて130℃で8時間処理した。表題の化合物が
89%の収率で得られた。参考例11:
化合物35の製造
参考例1に記載の公表された手順で製造した1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジン
ジオン(1当量)を、DMF中でトリエチルアミン(1当量)の存在下に、3-ニ
トロベンズアルデヒド(1当量)を用いて室温で18〜20時間処理した。表題の化
合物が、1-アセチル-3-(3-ニトロベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(収率
66%)と一緒に、9%の収率で得られた。参考例11a:
1-アセチル-3-(4-ジメチルアミノベンジリジン)
-2,5-ピペラジンジオンの製造
参考例1に記載したようにして製造した1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオ
ン(1当量)を、DMF中でEt3Nの存在下に、4-ジメチルアミノベンズアル
デヒド(1当量)を用いて 130℃で 24 時間処理した。表題の化合物が18%の収
率で得られた。参考例12:
化合物86の製造
参考例11aに記載の1-アセチル-3-(4-ジメチルアミノベンジリデン-2,5-ピ
ペラジンジオン(1当量)を、DMF中でCs2CO3(1当量)の存在下に、4-
アセトアミドベンズアルデヒド(1当量)と、80℃で2〜6時間反応させた。表
題の化合物が56%の収率で得られた。参考例13:
参考例の化合物の相互変換
(i) 参考例6に記載したようにして製造した化合物31を、MeOHおよび
THFの混合物中で、水性水酸化リチウムを用いて室温で2〜3時間処理すると
、化合33 が91%の収率で得られた。
(ii) 参考例5に記載したようにして製造した化合物61を、MeOHおよび
THFの混合物中で、水性水酸化リチウムを用いて室温で3時間処理すると、化
合物64が57%の収率で得られた。
(iii) 参考例5に記載したようにして製造した化合物96を、THF中で、
水性水酸化ナトリウムを用いて室温で4時間処理すると、化合物97が54%の収率
で得られた。
(iv) 参考例7に記載したようにして製造した化合物37を、THF中で、水
性水酸化ナトリウムを用いて室温で8時間処理すると、化合物36が30%の収率で
得られた。
(v) 参考例7に記載したようにして製造した化合物56を、CH2Cl2中で
、トリフルオロ酢酸を用いて室温で12時間処理すると、化合物67が96%の収率で
得られた。
(vi) 参考例7に記載したようにして製造した化合物87を、THF中で、水
性水酸化ナトリウムを用いて室温で4時間処理すると、化合物88が69%の
収率で得られた。
(vii) 参考例6に記載したようにして製造した化合物65を、CH2Cl2中で数
滴のトリフルオロ酢酸の存在下に、触媒としての炭素上の10%パラジウムにより
水素化すると、化合物39が38%の収率で得られた。同じ水素化条件下で、化合物7
4を95%の収率で化合物30に変換した。
(viii) 参考例5に記載したようにして製造した化合物93を、MeOHおよ
びTHFの混合物中で、水性水酸化ナトリウムを用いて室温で18時間処理すると
、化合物101が72%の収率で得られた。
(ix) 実施例9に記載したようにして製造した化合物58を、THF中で、水
性水酸化ナトリウムを用いて室温で3時間処理して加水分解すると、化合物104
が90%の収率で得られた。参考例14:
化合物27の製造
1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(1当量)
、参考例1の化合物(9)を、DMF中でCs2CO3(1.0〜1.1当量)の存在下
に、2-ナフトアルデヒド(1当量)を用いて80〜100℃で1〜6時間処理した。
表題の化合物が84%の収率で得られた。参考例15:
塩の製造
化合物102の塩酸塩である化合物98は、THF中の化合物102の溶液を、2モル
塩酸で処理した後、透明な溶液が得られるまで音波処理することにより製造した
。次いで溶剤を真空中で除去し、残留溶液を凍結乾燥すると、化合物98が得られ
た。
化合物99は、THF中の対応する遊離塩基の溶液にHCIを吹き込み、次いで
蒸発乾固することにより製造した。参考例16:
(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラ ジンジオン(9)および1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-4-メチル-2, 5-ピペラジンジオン(10)の製造 (スキーム3)
化合物12をNH3で処理して3-(4-メトキシベンジリデン-2,5-ピペラジンジオ
ン(13)を得る。次いで、これを、無水酢酸で処理して、(3Z)-1-アセチル-3-
(4-メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオン(9)を得る。
化合物12を、ジメチルホルムアミド中で、炭酸カリウムの存在下、アルキル化
剤としての沃化メタンを用いて処理し、化合物(14)を得る。次いで、化合物(
14)を、NH3で処理し、次に無水酢酸で処理して、1-アセチル-3-(4-メトキシ
ベンジリデン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(10)を得る。実施例1:
(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチ ル-2,5-ピペラジンジオン(1)の製造 (スキーム4)
(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジ オ
ン(10)および1-アセチル-5-メトキシ-3-(4-メトキシベンジリデン)-3,6-ジヒドロピラジン
-2-オン
(11)
乾燥DMF(50ml)中の、(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)
-2,5-ピペラジンジオン(9)(2.0g、7.3mmol)、沃化メチル(0.46ml、7.3mmol
)および炭酸ナトリウム(800mg、7.5mmol)の混合物を、乾燥窒素雰囲気下、3
日間攪拌した。反応混合物を、次いで、酢酸エチル(500ml)中に注ぎ、水(4×
100ml)および塩水で洗浄した。有機を分離し、乾燥し(MgSO4)、さらに真
空下で溶剤を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、EtO
Ac:ヘキサン、1:1)で精製し、(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジ
リデン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(10)1.38g(66%)を、黄色固体とし
て得るとともに、1-アセチル-5-メトキシ-3-(4-メトキシベンジリデン)-3,6-
ジヒドロピラジン-2-オン(11)248mg(11.8%)を淡黄色固体として得た。
(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-4-メチル-2,5-ピペラジン
ジオン(10):
1-アセチル-5-メトキシ-3-(4-メトキシベンジリデン)-3,6-ジヒドロピラジ
ン-2-オン(11)
(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(4-メトキシベンジリデン)-1-メチル-2,5-ピペ ラジンジオン(1)
乾燥DMF(10ml)中の、(3Z)-1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)
-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン(10)(200mg、0.69mmol)、水素化ナトリウ
ム(油中の60%分散液、28mg、0.69mmol)の混合物を、室温で18時間攪拌した。
次いでベンズアルデヒド(71μl、0.69mmol)を加え、反応混合物を室温で18時
間攪拌した。次いでこれを酢酸エチル(100ml)で希釈し、塩水(4x 50mlで洗浄
した。有機相を分離し、乾燥し(MgSO4)、溶剤を真空中で除去した。残渣をフ
ラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン含有1%MeOHで溶離)
で精製して、48mg(21%)の黄色固体を得た。
実施例2:(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(4-メトキシベンジリデン)-1,4-ジメ チル-2,5-ピペラジンジオン(2)の製造 (スキーム5)
乾燥DMF(50ml)中の、(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(4-メトキシベンジ
リデン)-2,5-ピペラジンジオン(3)(0.5g、1.56mmol)、水素化ナトリウム(
鉱油中の60%分散液、125mg、3.1mmol)および沃化メチル(243μl、3.9mmol)の
混合物を、室温で4時間攪拌した。次いで溶剤を真空中で除去し、残渣をフラッ
シュクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc:ヘキサン、1:3で溶離)で精
製して、黄色固体として化合物2を220mg(40%)得た。
実施例3: 化合物146の製造
参考例5に記載したように調製された化合物54(1当量)を、DMF中で水素
化ナトリウム(2.0〜3.5当量)を用いて、0℃で10〜90分間処理した。得られた
溶液を、DMF中で沃化メチル(2.0〜5.0当量)を用いて、室温で3〜48時間
処理した。溶媒を、次いで真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ
ーで精製して、化合物146を49%の収率で得た。
同様の方法により、但し出発化合物54を、ベンジリジデン基の一つの芳香環に
おいて所望の置換パターンを有する適当なN-非置換1,3-ジベンジリデン-2,5-ピ
ペラジンジオン、例えば参考例で製造された化合物の何れかで置き換えて、他の
式Aの化合物が製造された。以下の化合物はこの方法で製造した。
同様の条件下で、(3Z,6Z)-6-(2,6-ジクロロベンジリデン)-3-(2-ニトロ
ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオンをメチル化することにより、化合物165
を23%の収率で得た。化合物153は、化合物34から製造された。
製造された化合物の特性データは、実施例16に記載されている。実施例4:
化合物162の製造
参考例7に記載したように調製された化合物69(1当量)を、DMF中、水素
化ナトリウム(2.0〜3.5当量)を用いて、0℃で10〜90分間処理した。得られた
溶液を、DMF中で沃化メチル(2.0〜5.0当量)を用いて、室温で3〜48時間
処理した。溶媒を、次いで真空下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ
ーで精製して、化合物162を13%の収率で得た。同様の方法により、化合物1
63および164を製造した。
化合物の特性データは、実施例16に記載されている。実施例5:
化合物131の製造
1-アセチル-3-(4-メトキシベンジリデン)-4-メチル-2,5-ピペラジンジオン
(1当量)、実施例1の化合物10を、ジメチルホルムアミド中で、4-アセトアミ
ドベンズアルデヒド(1当量)およびCs2CO3(1.0〜1.1当量)を用いて80〜
100℃で2〜5時間処理した。化合物131が48%の収率で得られた。
同様の方法により、但し4-アセトアミドベンズアルデヒドを、最終生成物の環a
において所望の置換パターンを導くであろう、適宜置換されたベンズアルデヒ
ドで置き換えて、他の式(A)の化合物が製造された。以下の化合物はこの方法
で製造した。
化合物の特性データは実施例16に記載されている。実施例6:
化合物121、122および170の製造
1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオン(参考例2で製造された化
合物18)を、DMF中でNa2CO3(1.0当量)の存在下に、沃化メチル(2.0当
量)を用いて、室温で24時間処理した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロ
マトグラフィーで精製した。収率45%で得られた生成物、1-アセチル-3-ベンジリ
デン-4-メチル-2,5-ピペラジンジオンを、DMF中でCS2CO3の存在下に、4-
メトキシベンズアルデヒド(1.0〜1.1当量)を用いて、80℃で206時間処理し
て、化合物121を収率35% で得た。
同様の方法により、但し4-メトキシベンズアルデヒドの代わりに、ベンズアル
デヒドを用いて、化合物122を収率68%で得た。
上述したように製造した化合物121を、DMF中で、水素化ナトリウム(1.
1当量)および臭化メチルシクロプロパン(1.0当量)を用いて、室温で4日間処
理して、化合物170を収率9%で得た。
化合物の特性データは実施例16に記載されている。実施例7:
化合物124、125、128および130の製造
4-((3Z)-1-アセチル-2,5-ジオキソピペラジン-3-イリデン)メチル安息香
酸メチルエステル(1当量)を、DMF中でNa2CO3の存在下に、沃化メチル
(2.0当量)を用いて、48時間処理することにより、ピペラジン環の4位の窒
素にてアルキル化した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで
精製した。収率51% で得られた生成物(1当量)を、DMF中でCS2CO3(1.
1当量)の存在下に、ベンズアルデヒド(1.0当量)を用いて、90℃で2〜5時間
処理して、化合物124を収率54%で得た。
化合物124を、メタノールおよびテトラヒドロフラン中の水性NaOHを用
いて、室温にて5時間加水分解することにより、化合物125を収率79%で得た
。
化合物125(1当量)を、CH2Cl2中で、EtOCOCl(1当量)およ
びトリエチルアミン(1当量)を用いて、0℃で30分間処理した。得られた溶
液をアンモニアで処理して、化合物130を収率82%で得た。また、ピロリジン
(1.0当量)で処理して、化合物128を収率39%で得た。
化合物の特性データは実施例16に記載されている。実施例8:
化合物127、129、137、152および171の製造
1-アセチル-3-(4-ニトロベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオンを、DMF中
でNa2CO3(1当量)の存在下に、沃化メチル(2当量)を用いて、室温で3
0時間処理して、4位でNメチル化した。生成したN−メチル化化合物は、収率
34%で得られた。
(i)化合物127および129の製造
得られたN−メチル化生成物を、DMF中でCs2CO3(1当量)の存在下に
、ベンズアルデヒド(1当量)を用いて、80℃で4時間処理して、化合物127
を収率67%で得た。化合物127を、CH2Cl2中で数滴のトリフルオロ酢酸の
存在下に、触媒としての炭素上の10%パラジウムにより室温にて16時間水素化
して還元すると、化合物129が17%の収率で得られた。
(ii)化合物171、152および137の製造
得られたN−メチル化生成物を、DMF中でCs2CO3(1当量)の存在下に
、4-メトキシベンズアルデヒド(1当量)を用いて、80℃で4時間処理して、化
合物171を収率38%で得た。化合物171を、CH2Cl2中で数滴のトリフル
オロ酢酸の存在下に、触媒としての炭素上の10%パラジウムにより室温にて16
時間水素化して還元すると、化合物152が95%の収率で得られた。化合物15
2を、トリエチルアミンおよびDMAPの存在下、無水酢酸を用いて処理して、
化合物137を低収率で得た。実施例9:
化合物135および136の製造
1-アセチル-3-(2-ニトロベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオンを、THF中
で水素化ナトリウム(1.1当量)を用いて、0℃で60分間処理し、次いで沃化メ
チル(5.0当量)を用いて、室温で18時間処理して、収率31%にて4位でNメチ
ル化した。次いで、DNF中でCs2CO3の存在下に、4-メトキシベンズアルデ
ヒド(1当量)を用いて、90℃で2時間処理して、化合物136を収率32%で
得た。
同様の方法により、但し1-アセチル-3-(2,6-ジクロロベンジリデン)-2,5-ピ
ペラジンジオンから出発して、化合物135を得た。最初のN−メチル化につい
ての収率は26%であり、それに次ぐアルデヒドを用いた縮合についての収率は47%
であった。実施例10:
化合物166および167の製造
1-アセチル-3-(4−メトキシベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオンを、DM
F中でNa2CO3(1当量)の存在下に、臭化メチルシクロプロパン(1当量)
を用いて、50℃で48時間処理した。収率11%で得られた生成物を、DMF中
でCs2CO3(1.1当量)の存在下に、ベンズアルデヒド(1.0当量)を用いて、
90℃で2〜5時間縮合させて、化合物167を収率30% で得た。
同様に、1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオンを、DMF中でN
a2CO3(1.1当量)の存在下に、臭化メチルシクロプロパン(1.04当量)を用
いて、80〜85℃で5時間処理した。生成物は収率12%で得られた。次いで、
これを、DMF中でCs2CO3(1.1当量)の存在下、4-メトキシベンズアルデ
ヒド(1.2当量)を用いて、80℃で2時間縮合させて、化合物166を収率29%で
得た。実施例11:
化合物148の製造
(3Z,6Z)-3-(4-アセトキシメチルベンジリデン)-6-ベンジリデン-2,5-ピペ
ラジンジオンを、DMF中で水素化ナトリウム(2.0〜3.5当量)を用いて、0℃
で10〜90分間処理し、次いでDMF中で沃化メチル(2.0〜5.0当量)を用い
て、室温で3〜48時間処理した。真空中で溶媒を除去し、残渣をフラッシ
ュクロマトグラフィーで精製して、化合物148を収率32%で得るとともに、R1 1
=R12=Me、R7=CH2OH、R1〜R6およびR8〜R10=Hである対応する
化合物を、収率30%で得た。実施例12:
化合物140および158の製造
1-アセチル-3-ベンジリデン-2,5-ピペラジンジオンを、DMF中でCs2CO3
(1.0〜1.1当量)の存在下、1-ナフトアルデヒド(1当量)を用いて、80〜1
00℃で1〜6時間処理して得られる(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(1-ナフチ
ルメチレン-2,5-ピペラジンジオンを、DMF中でNaH(2.0〜3.5当量)を用
いて、0℃で10〜90分間処理し、次いでDMF中で沃化メチルを用いて、室
温で3〜48時間処理した。真空中で溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマト
グラフィーで精製して、化合物140を収率51% で得た。
同様の方法で、(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-(2-N-メチルトリメチルアセト
アミドベンジリデン)-2,5-ピペラジンジオンをメチル化して、化合物158を
収率49%で得た。実施例13:
式Aの化合物の相互変換
(i) 実施例1に記載したようにして製造した化合物(1)を、CH2Cl2
中で、BBr3(10.0当量)を用いて室温で2〜5時間処理すると、化合物12
3が45%の収率で得られた。
(ii) 化合物122を、DMF中で、水酸化ナトリウムを用いて処理し、次
いで沃化エチル(1当量)を用いて室温で一夜処理した。溶媒を真空中で除去し
、次いで残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製すると、化合物169が40
%の収率で得られた。
(iii) 化合物(1)を、DMF中で、Na2CO3(1.0当量)の存在下、臭
化メチルシクロプロパン(1.5当量)を用いて85℃で4時間処理すると、化合物
168が11%の収率で得られた。実施例14
: 調剤組成物
各々0.15gの重量を有し、25mgの本発明の化合物を含む錠剤は、以下のように
して製造することができる:10,000錠分の組成
本発明の化合物(250g)
ラクトース(800g)
トウモロコシ澱粉(415g)
タルクパウダー(30g)
ステアリン酸マグネシウム(5g)
本発明の化合物と、ラクトースと、トウモロコシ澱粉の半量とを、混合する。
その混合物を、メッシュサイズ0.5mmの網に通す。トウモロコシ澱粉(10g)を、
温水(90ml)に懸濁する。得られたペーストを用いて、粉体を粒状化する。粒状
体を乾燥し、メッシュサイズ1.4mmの網上で、小断片に破壊する。残量の澱粉、
タルクおよびステアリン酸マグネシウムを加え、注意深く混合し、タプレットに
加工する。実施例15
: MDR変調因子としての化合物Aのテスト材料および方法
EMT6マウス乳房カルシノーマセルラインおよびMDR耐性サブラインAR
1.0を、10%のウシ胎児血清および2mMのグルタミンを含むRPMI 1640培地にて、5%
CO2中37℃で培養した。細胞は、トリプシン処理(0.25%トリプシン、0.2gl-1
、EDTA)の後に、親セルラインの場合には、200中の1〜2000中の1の間で継代
し、MDR耐性サブラインの場合には、20中の1〜200中の1の間で継代した。1.
薬剤蓄積アッセイ
AR1.0細胞を、96ウェル不透明培養プレート(Canberra Packard)中に播
種した。アッセイ培地は、トリチウム標識(tritiated)ダウノルビシン(DN
R)、細胞毒性剤、および未標識DNRの混合物(0.25μCi/ml; 2μM)を含ん
でいた。式Aの化合物は、100nM〜100μMの範囲にわたって、アッセイ培地で順
に希釈された。細胞は、洗浄および放射性を有する細胞のカウントの前に、37℃
にて1時間培養した。各々のアッセイには、正のコントロールとしての公知
の耐性改善剤ベラパミルの滴定を含めた。結果は、100μMのベラパミルの存在下
で観察されるものが100%の蓄積である場合の、最大蓄積%にて表されている。
結果は、以下の表3に示されている。
2. ドキソルビシン毒性の増強
式Aの化合物を、AR1.0細胞におけるドキソルビシンの毒性を増強する効果
について試験した。最初の増殖アッセイにおいて、化合物は、それ単体ではAR
1.0細胞に対して無毒な、ドキソルビシンの固定濃度(0.5〜1μM)に対して滴定
した。ドキソルビシンを用いた培養を、比色スルフォローダミンBアッセイ(Sk
ehan et al;J.Natl.Cancer Inst.82 pp 1107〜1112(1990))を用いた増殖
の定量の前に、4日の間行なった。
高い固有の毒性を有さず、かつ0.8〜1.7μMのドキソルビシンに対するAR1.0
細胞を感受性とする効果を示した化合物を、次の研究のために選択した。細胞を
、上記実験で決定した最大サブ毒性レベルのベラパミルの存在下、0.5nM〜50μM
の範囲にわたるドキソルビシンの濃度で4日間培養した。増殖は、Skehanet al
.loc citによって説明されるように定量化した。ドキソルビシン単体について
のIC50(未処理コントロールの50%まで増殖を減少させるのに必要な濃度)お
よびベラパミルを用いた場合のIC50を導き出し、増強率(potentiationindex
(PI)):
の算出に用いた。
実施例16: 式Aの化合物の特性
実施例1〜13で製造された化合物を、従来のマススペクトル法、微量分析法、
プロトン核磁気共鳴法および赤外線法により特性決定した。結果を表5に示す。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN
,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SK,UA,US,VN
(72)発明者 ブライアンズ,ジャスティン ステフェン
英国.バークシャー エスエル1 4イー
エフ,スラフ,バス ロード 240,
(72)発明者 ブロッキーニ,ステフェン ジェームズ
英国.バークシャー エスエル1 4イー
エフ,スラフ,バス ロード 240,
(72)発明者 ラザム,クリストファー ジョン
英国.バークシャー エスエル1 4イー
エフ,スラフ,バス ロード 240,
【要約の続き】
R3、R3とR4およびR4とR5、またはR6とR7、R7と
R8、R8とR9およびR9とR10の何れかは、それらが結
合している炭素原子と一緒になって、所望により置換さ
れたベンゼン環を形成していてもよい)で表されるジケ
トピペラジン;あるいは製剤上許容されるその塩または
エステルは、多重薬剤耐性の変調因子である。