JPH08503513A - 湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤 - Google Patents
湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明のホットメルト接着剤は、A)a)少なくとも1種のポリイソシアネート、特にトルエンジイソシアネートおよび/またはMDI、b)全ホットメルト接着剤に基づいて10重量%を越える濃度の少なくとも1種のポリアルキレングリコール、特にポリプロピレングリコール、c)少なくとも1種のポリエステルグリコール、好ましくは異なるガラス転移温度を有する少なくとも2種のポリエステルグリコール、からなる少なくとも1種のポリウレタンプレポリマー;およびB)d)樹脂、特に炭化水素樹脂、およびe)安定剤、特にトルエンスルホニルイソシアネート、などの所望による添加剤;を含有する。好ましくは、本ホットメルト接着剤は130℃で10〜300Pa・sの範囲の溶融粘度を有する。本PUプレポリマーはDSC図において単一のTgを有する。本ホットメルト接着剤は、その高いクリープ耐性とともに高い初期および最終強度において優れている。従って、本接着剤は履物工業において、特に蒸気または乾燥通路を用いる予備架橋段階を含まない履物生産ラインに組込み得る被覆装置において主に使用される。本ホットメルト接着剤は単一工程の方法を用いて製造するのが好ましい。
Description
【発明の詳細な説明】
湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤
本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤、その製造および履物工業における
その使用に関する。
「湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤」は、溶媒をほとんど含まず
、そしてウレタン基を有する接着剤であって、室温で固体であり、その溶融形態
で使用された後には、冷却によってだけでなく残存イソシアネート基と湿気との
化学反応によって物理的に結合する接着剤であると理解されている。この接着剤
がその最終的な特性を獲得するのは、分子サイズの増加を伴うこのような化学的
硬化の後のみである。
このような湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤が、種々の基材に対
して既知である。
EP 0,421,154は、30〜60℃の融点を有するポリエステルジオールA、6
5〜150℃の融点を有するポリエステルジオールBおよびポリイソシアネート
Dを基本とする、イソシアネート基を含有する急速結晶化ポリウレタン系を開示
している。さらに、この系は鎖延長剤として<400の分子量を有するジオール
Cを含有していてもよい。このポリウレタン系は、これら成分から一工程で直接
製造することができるが、複数の工程で製造することもできる。このようにして
得られたポリウレタン系は部分的結晶性であり、組立て用接着剤として、特に製
本用接着剤として使用することが意図されている。
DE 3,236,313は、20〜90重量%のプレポリマー型イソシアネートと5〜
50重量%の低分子量ケトン樹脂からなり、さらに0〜75重量%の熱可塑性ポ
リウレタンを含んでいてもよいホットメルト接着剤を開示している。このプレポ
リマー型イソシアネートは、
1)芳香族ジイソシアネートおよび/または
2)該イソシアネートのプレポリマー
3)OH基を有するポリエーテルまたはポリエステル、および
4)短鎖ジオール
からなる反応性ポリウレタンプレポリマーである。
唯一の製造実施例においては、516gのポリエステルジオールに加えて、さ
らに74gのトリプロピレングリコールが鎖延長剤として加えられている。この
プレポリマーは上記成分から一工程で製造され、20℃で50〜40,000Pa・
sの粘度を有している。このホットメルト接着剤は、熱可塑性および熱硬化性
接着剤、泡状物質、塗装表面、木材および木製物質、紙、皮革、人工皮革、ゴム
、織物、不織物質、ならびに金属の結合に適している。
EP 0,340,906は、ホットメルト接着剤に異なるガラス転移温度(それぞれ室
温より上および下)を付与する少なくとも2種類の無定形ポリウレタンプレポリ
マーの混合物を含有するポリウレタン系ホットメルト接着剤を開示している。こ
のプレポリマーは、ポリイソシアネートと種々のジオール(即ち、一方はポリエ
ステルジオールが好ましく、そして他方はポリエステル、ポリエーテルおよび他
のポリマージオールが好ましい)から製造されている。このホットメルト接着剤
は、個々に調製されたプレポリマーを混合することによって、または初めに第2
のプレポリマーを調製することによって製造されている。通常は、室温で不透明
なホットメルト接着剤が得られ、実施例によると、これは130℃で91Pa・s
の粘度を有している。このポリウレタン系ホットメルト接着剤は木材の結合に使
用される。
EP 0,369,607は、第1のプレポリマーが室温より上のガラス転移温度を有し
、第2のプレポリマーが室温より下のガラス転移温度を有する、少なくとも2種
類のポリウレタンプレポリマーを含有する湿気硬化型ポリウレタン系ホットメル
ト接着剤を開示している。このホットメルト接着剤は、ポリイソシアネートと種
々のジオール(即ち、一方はポリエーテルジオールから、他方はポリエーテル、
ポリエステルまたはポリブタジエンジオールから)から製造されている。実施例
IIIは8.5重量%のポリエステルジオールを含有している。このポリウレタン
系ホットメルト接着剤を一工程または複数工程で製造し得ることが示されている
。通常、
この接着剤は室温で透明であり、実施例1によると、1つだけの単一ガラス転移
温度を有している。実施例によると、その粘度は130℃で6.8〜20Pa・s
である。このホットメルト接着剤は、木材、プラスチックおよび織物の結合に使
用されている。
EP 0,472,278は、ポリアルキレンエーテルジオール、ポリアルキレンエーテ
ルトリオール、ポリエステルポリオール、および脂肪族イソシアネートからなる
接着剤を開示している。この接着剤は、織物、木材、金属、皮革およびプラスチ
ック用の湿気硬化型ホットメルト接着剤である。
EP 0,242,676は、遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンを製造する
ための方法を開示している。これは、芳香族に可溶性であり、ワニス結合剤とし
て適しており、ジイソシアネート、500〜10,000の分子量を有する巨大
ポリオールおよび62〜499の分子量を有する低分子量ポリオールを反応させ
ることによって得られる。これらのうちの後者は、2,2,4−トリメチルペンタ
ン−1,3−ジオールなどの大きく分岐したジオールである(このヒドロキシ基
は2つのエトキシまたはプロポキシ単位でさらにエーテル化されていてもよい)
。このポリウレタンは溶液として存在し、湿気硬化型一成分ワニスにおいて使用
される。
EP 0,511,566は、a)室温で液体であり、500〜5,000の平均分子量
を有するポリオール成分、およびb)室温で結晶性であり、500〜10,00
0の分子量を有するポリオール成分、および2種類の異なる反応性NCO基を有
するポリイソシアネート成分およびジイソシアネート成分(2種類の異なる反応
性NCO基を有するポリイソシアネート成分の反応性の低い方のNCO基の反応
性よりも高いヒドロキシ基に対するNCO反応性を有する)の混合物、からなる
湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤を開示している。このホットメル
ト接着剤は、ガラスおよびガラス−プラスチック複合体の結合に使用するのが好
ましい。
EP 0,455,400は、実質的に以下の混合物:
a)10〜90重量部の第1のポリウレタンプレポリマー(ポリヘキサメチレ
ン
アジペートからなる)、および
b)90〜10重量部の第2のポリウレタンプレポリマー(少なくとも500
の分子量Mnを有するポリテトラメチレングリコールからなる)、
からなる湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤を開示している。
このホットメルト接着剤は、ある種の合成ポリマー、木材、紙、皮革、ゴム、
織物(不織織物を含む)、および金属の結合に適している。
さらに、履物工業において湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤を使
用することが知られている。
即ち、EP 0,125,008は、履物アッパーに履物底を結合する方法を開示してい
る。ジイソシアネート、ヒドロキシポリエステルおよび一官能性反応物質(この
一官能性反応物質は、4〜14個の炭素原子および100℃以上の沸点を有する
脂肪族アルコールであるのが好ましい)からポリウレタンが製造されている。接
着剤の適用後、加熱と加圧によって実際に結合する前に、この接着剤に湿気を当
てて鎖を伸長させる。これには、80〜110℃で10〜15分間、および40
〜60℃の露点に対応する湿気、およびその後の大気湿度での10分〜18時間
の処理が必要である。
履物に底を取り付ける別の方法が、EP 0,223,562に開示されている。初めに
、湿気硬化型の溶媒不含のホットメルト接着剤を底および/または履物アッパー
材料に適用し、次いで、この接着剤被覆を湿気を伴う熱硬化にかけ、最後に、底
と履物アッパー材料を一緒にして加圧する。
同様に、DE 2,609,266は、履物アッパーに履物底を結合する方法を開示して
いる。このホットメルト接着剤は、ジイソシアネートを40〜90℃の結晶融点
を有するポリマーポリオールと反応させることによって製造する。この接着剤を
適用した後、これを例えば水と接触させ、次いでこのように処理した被覆(熱軟
化させた状態にある)をそれと適合する表面に押付ける。
しかし、既知の湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤は、履物工業に
おいて使用したときに重大な欠点を有しており、これが広範囲な実用を阻害して
いる。
・この接着剤は、可能なら、どのような毒性物質も含有すべきではない(特に、
溶媒を含有すべきではない)。
・被覆(塗布)は、履物材料にとって高すぎない温度で可能であるべきである。
・結合すべき履物材料は、主に皮革およびゴムである。
・この接着剤は、これを問題なく被覆し得るように、任意の使用温度で適当な流
動性および良好な湿潤性を有しているべきである。
・この接着剤による結合は、さらに加工するために十分な初期強度を有している
べきである。具体的には、これは、可能なら適当な時間に周囲条件で硬化を行な
うべきである場合の、クリープ耐性および初期強度に当てはまる。即ち、この接
着剤は、冷却後に被覆底および履物アッパーを互いに結合することなく容易に取
扱いそして保存することができるように、その表面がもはや粘着性ではない程度
にまで数分以内に硬化すべきである。さらに、底と履物アッパーの間の結合は、
初期に十分強いものであって、小さいが一定の力により直ちにあるいは保存後に
その結合がゆるまないものであるべきである。従って、十分な初期強度および特
に高クリープ耐性が履物生産の時間間隔内に達成されなければならない。可能な
ら硬化は底保存の通常の周囲条件(20±5℃、約10%相対湿度)で24時間
以内に起こることが望ましいが、最も遅くは7日以内である。
・使用時にこの接着剤による結合は十分に強くかつ柔軟であるべきである。低温
柔軟性は特に重要である。
従って、本発明の目的は、気候環境通路中での蒸気および乾燥によるどのよう
な予めの架橋をも包含しない、履物生産ラインに組込まれた装置によって被覆し
得る湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤を履物工業に提供することで
ある。この目的のためには、この接着剤は、特に、適当な時間内に十分な初期強
度および最終強度と共に高いクリープ耐性を獲得することが要求される。他の加
工および使用特性は低下すべきではない。特に、これは非毒性および低温柔軟性
に当てはまる。
本発明による解決方法は請求の範囲に記載されており、以下の成分:
A)
a)少なくとも1種のポリイソシアネート、
b)全ホットメルト接着剤に基づいて10重量%を越える濃度の少なくとも
1種のポリアルキレングリコール、
c)少なくとも1種のポリエステルグリコール、
からなる少なくとも1種のポリウレタンプレポリマー;および
B)
d)樹脂、および
e)安定剤、
などの所望による添加剤;
を含有する湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤にある。
「ポリウレタンプレポリマー」はイソシアネート基を有するオリゴウレタンで
あると解され、これは架橋型ポリウレタンへの途上にある中間体とみなされるべ
きものである。「少なくとも」1種のポリウレタンプレポリマーとは、この接着
剤が分子量分布曲線において少なくとも1つの極大点を持つことを示すものであ
る。一般に、この数は個々に調製したプレポリマー(これらを単に物理的に混合
することによってポリウレタン系ホットメルト接着剤が得られる)の数に対応す
る。従って、実際的な理由から、プレポリマー数の上限は3である。
「ポリイソシアネート」は、2〜3のイソシアネート基を有する低分子量化合
物であると解される。ジイソシアネートが好ましいが、約10重量%までの3官
能イソシアネートが含まれていてもよい。しかし、3官能イソシアネート含量の
増加につれて、ホットメルト接着剤の製造および使用の際の望ましくない架橋を
予測しなければならない。脂肪族および脂環式ポリイソシアネートに加えて、特
に芳香族ポリイソシアネートが可能である。具体的な例は、トルエンジイソシア
ネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびそれらの混合物である。ジフ
ェニルメタンジイソシアネートは、4,4'−および2,4'−ジフェニルメタンジ
イソシアネートの両方であると解される。好ましくは、2,4'−異性体は50重
量
%を越えるべきではない。1種または2種の異なるポリイソシアネートを用いる
のが好ましい。特に、純粋な4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを用い
る。特に、これを2,4'−異性体と混合すると、未反応ジイソシアネートの含量
、熱安定性および接着フィルムの反応可能期間に影響を与える。ホットメルト接
着剤中のポリイソシアネートの割合は15〜35重量%、好ましくは20〜30
重量%であるべきである。
「ポリアルキレングリコール」は、2つのOH基を有する直鎖のポリエーテル
であると解される。好ましくは、これは一般式:HO(−R−O)m−H[式中
、Rは2〜4個のC原子を有する炭化水素残基である]を有する。同様に、コポ
リマーが可能である(即ち、ブロックコポリマーおよびランダムコポリマーの両
方)。具体的なポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、および特に、ポリプロピレングリコール[R=−CH2
−CH(CH3)−]である。1種類のポリアルキレングリコールだけを用いる
のが好ましい。しかし、平均分子量または構成成分の性質の異なる2〜3種のポ
リアルキレングリコールの混合物を用いることもできる。
使用するポリアルキレングリコール(特に、ポリプロピレングリコール)の量
は、全ポリウレタン系ホットメルト接着剤に基づいて、それぞれ少なくとも10
重量%、好ましくは10〜70重量%、特に15〜35重量%である。
特に、純粋なポリプロピレングリコールが重要である。一般に、その平均分子
量は約250〜1,000、好ましくは350〜600、最も具体的には400
〜450であるべきである(これはOH測定によって得られる数平均であると解
される)。ここに示した範囲を外れると、正の効果の有意の減少が生じる。これ
ら効果は、特に、高い初期強度(=硬化前の強度)、高いクリープ耐性(小さい
が一定の力の影響下での次元的安定性)、および使用温度での良好な流れ特性で
ある。
また状況に応じて、好ましい範囲外の他のポリマージオールの使用がこの目的
のために可能である(例えば、同じ分子量を有するポリエステルジオール、また
はポリプロピレングリコールと同じ量のテトラエチレングリコール)。好ましく
は、これら好ましい範囲外のポリマージオールの量は、好ましいポリアルキレン
グリコールの量より多いものであるべきではない。
「ポリエステルグリコール」は2つのOH基、好ましくは2つの末端OH基を
有するポリエステルであると解される。これは既知の経路により、以下の成分か
ら製造される:
a)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、または
b)6〜12個のC原子を有する脂肪族ジカルボン酸および(特に偶数の)4
〜8個のC原子を有するジオール。
勿論、他の適当な誘導体(例えば、ラクトン、メチルエステルまたは無水物)
を用いることもできる。具体的な出発物質は、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびラクトン類で
ある。この酸成分は、モル基準で25%までの他の酸、例えばシクロヘキサンジ
カルボン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸を含有していてもよい。グリコー
ル成分は、モル基準で15%までの他のジオール、例えばジエチレングリコール
および1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有していてもよい。上記成分に
由来するホモポリマーに加えて、特に、以下の成分またはその誘導体に由来する
コポリエステルが重要である:
1)アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸、およびブタンジオール;
2)アジピン酸、フタル酸、およびヘキサンジオール;
3)アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、および3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチルプロパノエ一ト;ならびに
4)アジピン酸、フタル酸、ネオペンチルグリコール、およびエチレングリコ
ール。
アジピン酸、イソフタル酸、フタル酸およびブタンジオールからのコポリエス
テルは部分的に結晶性であり、高い粘度を有している。従って、これは高い初期
強度を与えることになる。アジピン酸、フタル酸およびヘキサンジオールからの
コポリエステルは低いガラス転移温度を有しており、従って、改善された低温柔
軟性を与えることになる。
即ち、ポリエステルグリコールは液体または固体のいずれかである。固体であ
る場合には、これらは無定形であるのが好ましい。しかし、これらは弱い結晶性
であることもできる。部分的結晶性および無定形ポリエステルの混合物を用いる
のが好ましい。しかし、結晶性は非常に弱く現れるので、最終的なホットメルト
接着剤において不透明性を示さない。部分的結晶性ポリエステルの融点は40〜
70℃の範囲内、好ましくは45〜65℃の範囲内である。この融点は、この物
質の結晶領域が融解する温度を示す。これは、示差熱分析による主吸熱ピークに
よって決定される。約3,500の分子量と約50℃の融点を有するポリブタン
ジオールアジペートを、部分的結晶性ポリエステルグリコールとして用いるのが
好ましい。
ポリエステルグリコールの平均分子量(Mn)は1,500〜30,000、
好ましくは2,500〜6,000であるべきである。これはOH数から計算さ
れる。このポリエステルグリコールの分子量はかなり重要であり、分子量の増加
はホットメルト接着剤の押出しおよび皮革中への浸透をより困難にし、分子量の
低下はホットメルト接着剤が室温で十分な固体ではない結果を与える。
ポリエステルグリコールは好ましくは−40〜+50℃の範囲内、特に−40
〜+40℃の範囲内のガラス転移温度(Tg)を有する。このTgは、DSC測定
に基づき、2回目のランにおいて10℃/分の速度を用いたステップの中心点と
して決定される。
特に適するポリエステルグリコールには、約−40〜+400℃のガラス転移
温度、130℃で約3,000〜30,000mPa・sの粘度(ブルックフィール
ド、RVDV II + サーモセル)、および約27〜60のヒドロキシ数を有するもの
が含まれる。
異なるガラス転移温度を有する2〜6種、特に2〜4種のポリエステルグリコ
ールの混合物を用いるのが好ましい。少なくとも1つのポリエステルグリコール
は0℃以下のガラス転移温度を、そして1つは0℃以上のガラス転移温度を有し
ているべきであり、互いに少なくとも10℃、好ましくは少なくとも30℃離れ
たガラス転移温度を有しているべきである。低いガラス転移温度を有するポリエ
ステルグリコールの割合は、全ポリエステルグリコール量に基づいて、30〜1
00重量%、好ましくは50〜90重量%の範囲内にあるべきである。
ホットメルト接着剤のクリープ耐性(=長期に作用する小さな力による不可逆
的変形に対する結合の寸法安定性)は、ポリエステルグリコールによってだけで
なく、炭化水素樹脂の添加によっても改善される。これらは、石油、コールター
ルおよびテルペン樹脂として知られている。通常、これらは2,000未満の分
子量を有する。好ましい炭化水素樹脂は、改変された芳香族炭化水素樹脂、テル
ペン樹脂(例えば、α−およびβ−ピネンポリマーなど)、低分子量ポリスチレ
ン(例えば、ポリ−α−メチルスチレン)、ロジンエステルおよびクマロン−イ
ンデン樹脂である。勿論、これら物質は粘着付与剤としても作用する。
ホットメルト接着剤中のこれらの重量比は、0〜15重量%、特に3〜10重
量%である。
安定剤は、物理的性質(可能なら、特に溶融粘度および色調)を一定に維持す
ることを意図した添加物であると解される。この目的のために、例として挙げる
次の物質の少なくとも1種を用いることができる:リン酸、亜リン酸およびトル
エンスルホニルイソシアネート。0〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量
%のトルエンスルホニルイソシアネート安定剤を添加するのが好都合である。
硬化反応を促進するために、既知のポリウレタン触媒、例えばジブチルチンジ
ラウレートなどのジ有機スズ化合物またはメルカプトスズ化合物を加えることが
できる。これらの量は、プレポリマー重量に基づいて0〜1.5重量%、特に0
.5〜1重量%の範囲である。
しかし、本発明のホットメルト接着剤は溶媒を全く含まないのが好ましい(こ
れら溶媒は、常圧で200℃までの沸点を有する不活性有機化合物であると解さ
れる)。さらに、本発明のホットメルト接着剤は、粘土、炭酸塩および二酸化チ
タンなどの不活性充填剤を全く含まないのが好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は上記成分からなるが、好ましくは次の成分から
なる:
a)15〜35重量%のポリイソシアネート;
b)10〜70重量%、特に15〜35重量%のポリアルキレングリコール;
c)5〜65重量%、特に30〜50重量%のポリエステルグリコール;
d)0〜15重量%、特に3〜10重量%の樹脂;および
e)0〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量%の安定剤。
しかし、個々の成分の重量範囲だけでなく相互間のこれら成分の重量比も重要
である。即ち、反応性基NCO:OHの比は1.1:1〜2:1、特に1.15
:1〜1.5:1であるべきである。特定の接着剤組成物のために、このNCO
:OH比を選択して、ホットメルト接着剤が有用な分子量を有するようにすべき
である。即ち、後者分子量は十分に高いものであって良好な初期強度が得られる
べきであるが、他方、十分に低いものであって溶媒なしであっても製造および使
用の際に粘度が十分に低いものであるべきである。さらに、このホットメルト接
着剤は、100gのホットメルト接着剤あたりに少なくとも0.5〜3g、好まし
くは1.0〜2gの遊離のNCO基を有していて、湿気による十分な硬化を得る
べきである。このNCO含量は滴定によって測定する。
通常、本発明のポリウレタン系ホットメルト接着剤の溶融粘度は10〜300
Pa・s、好ましくは20〜100Pa・sの範囲である。この溶融粘度は、試料を1
30℃で15分間予め加熱し、次いで値を読み取ることにより、ブルックフィー
ルド粘度計によって130℃で測定する。
さらに、個々の成分の種類と量を、それらが相溶するように選択しなければな
らない。相溶性の証明は、ポリウレタンプレポリマーが好ましくはDSC図にお
いて単一のガラス転移温度(Tg)を有するということである(10℃/分の温
度上昇での第2サイクルにより決定する)。
本発明のポリウレタンプレポリマーは、単一工程および複数工程の両方で製造
することができる。複数工程の方法においては、例えば、最初にポリイソシアネ
ートを別々にそれぞれポリアルキレングリコールおよびポリエステルグリコール
と反応させ、次いでこれら反応生成物を一緒に混合する。また、最初にポリイソ
シアネートをポリアルキレングリコールとだけ、またはポリエステルグリコール
とだけ反応させ、このプレ生成物をその他の全ての反応物質の存在下でさらに反
応させることもできる。
しかし、本発明のポリウレタンプレポリマーは、単一工程の方法を用いて製造
するのが好ましい。この目的のために、最初にポリエステルおよびポリアルキレ
ングリコールを混合し、次いで真空下に110〜130℃で60分間脱水する。
この混合物を約90℃まで冷却した後、ポリイソシアネートを加える。この反応
混合物を110〜130℃に再加熱する。触媒を加えない場合、真空下での反応
が実質的に完了するまでに、即ち、OH基がもはや検出されないかまたは最大で
100gプレポリマーあたり2gの量で存在するかまたは所望の粘度に到達するま
でに、約60分かかるのが普通であろう。
所望の添加物をポリウレタンプレポリマー生成中の早期に添加しなかった場合
、ここでそれら添加物を加え、均一にしなければならない。
ポリウレタンプレポリマーは反応性のNCO基を有しているので、このポリウ
レタン系ホットメルト接着剤は空気中の湿気に感受性である。従って、保存中は
これを湿気から保護することが必要である。この目的のために、アルミニウム、
スズ被覆した鉄板または複合板の密封、乾燥および湿気不通性の容器中に保存す
るのが好都合である。
本発明のホットメルト接着剤は、主として以下の有用な性質において優れてい
る。
・本接着剤は溶媒を全く含まない。未反応のMDI濃度は2.0重量%未満、特
に1.0重量%未満である。
・本接着剤は保存中に安定であり(即ち、分離することがない)、また、被覆温
度(例えば、170℃)で比較的安定である[即ち、溶融粘度は4時間以内に初
期値の±1/3(最大で)、好ましくは1/5の範囲内で変化する]。
・本接着剤は110〜180℃で自由に流れる溶融物として容易に被覆すること
ができる。
・ゴムと皮革の両方を十分にぬらし、さらに繊維状材料中に比較的深く浸透する
。
・固化する前に、取り付けるべき部材の相対位置設定のための十分な時間がある
。
・周囲条件で冷却して直ちに、高い初期強度と高いクリープ耐性を有する結合が
形成される。さらに、冷却した後に被覆が非粘着性である。
・半完成の履物生産物のための通常の保存期間中に、許容し得る強度が得られる
。さらに、本接着剤は低温でも柔軟である。
・本接着剤は透明である。
・硬化の後に、本接着剤の耐水性が高い。
このような望ましい特性のゆえに、本発明のホットメルト接着剤は履物工業に
おいて、特に蒸気または乾燥通路を用いる予備架橋段階を含まない履物生産ライ
ンに組込み得る被覆装置において使用するのが好ましく、かつ適している。
「履物」とは外的履物であると解される。即ち、販売用の最終生産物だけでな
くその中間生産物をも包含する。
「底」とは履物の接地部材であると解される(ヒールを含む)。
本発明のホットメルト接着剤は履物アッパーに底を取り付けるのに特に適して
おり、さらに張力下で基材を取り付けるのに、および皮革を結合するのにも適し
ている。
従って、本発明はさらに、以下の加工工程を用いて履物アッパー材料(特に、
皮革)に底を取り付ける際に、本発明の接着剤を使用することに関する:
1)所望により、底および/または履物アッパー材料を、例えば、粗面化、プ
ライマー処理、ハロゲン化、溶媒拭きなどによって前処理する;
2)結合しようとする表面の少なくとも一方に110〜180℃で1層の溶融
接着剤を被覆する(他方の表面は、いずれかの接着剤または溶媒接着剤または分
散接着剤を含むことを必要としない);
3)結合する表面を一緒にして加圧する;そして
4)所望により、結合する表面を冷却する。
本発明のホットメルト接着剤を被覆する前に、底または履物アッパー材料を前
処理するのが好都合である。これには、粗面化、溶媒拭き、プライマー処理、ま
たはある種のゴム成分のハロゲン化などの既知の方法が含まれる。
本ホットメルト接着剤は、被覆中に溶媒を全く含まないのが好ましい。
本接着剤は、被覆装置を用いて0.05〜0.7mmの厚さに被覆するのが好ま
しい。1層のホットメルト接着剤を被覆した後、結合すべき表面を一緒にして加
圧する前に、ホットメルト接着剤を冷却し、最終的な硬化を避ける期間中はこの
完成前の材料を保存することもできる。接着剤を一方の基材だけに使用したとき
には110〜180℃で、また、両方の基材に接着剤を被覆したときには50〜
100℃で、一緒にして加圧する前に試料を再加熱しなければならない。
最終的な硬化は種々の条件を用いて実施することができる。特に、空気中の湿
気(相対湿度は20℃で25%を越えるべきではない)の作用によってそれが達
成される。これらの条件下で、最終硬化は少なくとも24時間で起こるであろう
。しかし、周囲条件は変化してよい(例えば、20±5℃の範囲内で)。それで
も、3〜7日の期間内での最終硬化を得るために、相対湿度は10%を下回るべ
きではない。
本発明のホットメルト接着剤を履物工業において使用することにより、以下の
利点が得られる。
・生産ラインに容易に組込み得るシステムを可能にする。
・高いクリープ耐性および初期強度のゆえに有意に高い生産性を可能にする。
・皮革に対する結合強度が驚くほど良好である。
・状況に応じて、片側被覆が十分である(例えば、PU底を用いて)。
従って、本発明は、本発明の接着剤を用いて製造された履物にも関する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例
A.出発原材料
ポリエステルAは、イソフタル酸、ブタンジオール、フタル酸ジメチルエステ
ルおよびアジピン酸からなる部分的に結晶性のコポリエステルグリコールである
。ポリエステルAは、約3,500の分子量、DIN 53,240に従って測
定したときに27〜34のヒドロキシ数、DSCで測定したときに約−20℃の
ガラス転移温度、およびブルックフィールド粘度計(LVT4)で測定したとき
に100℃で約30,000mPa・sおよび130℃で約5,000mPa・sの粘
度を有する。
ポリエステルBは、フタル酸ジメチルエステル、アジピン酸およびヘキサンジ
オールからなる部分的に結晶性のコポリエステルグリコールである。これは、約
3,500の分子量、DIN 53,240に従って測定したときに27〜34
のヒドロキシ数、DSCで測定したときに約−40℃のガラス転移温度、および
ブルックフィールド粘度計(LVT4)で測定したときに130℃で約3,00
0mPa・sの粘度を有する。
ポリエステルCは、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、エチレングリコ
ール、アジピン酸、フタル酸および3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル
−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエートからなる固体の無定形コポ
リエステルグリコールである。これは、約3,500の分子量、DIN 53,
240に従って測定したときに31〜39のヒドロキシ数、DSCで測定したと
きに約+30℃のガラス転移温度、およびブルックフィールド粘度計(LVT4
)で測定したときに130℃で約30,000mPa・sの粘度を有する。
ポリエステルDは、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、アジピン
酸およびフタル酸無水物からなる固体の無定形コポリエステルグリコールである
。これは、約2,000の分子量、DIN 53,240に従って測定したとき
に50〜60のヒドロキシ数、DSCで測定したときに約+10℃のガラス転移
温度、およびブルックフィールド粘度計(LVT4)で測定したときに80℃で
約70,000mPa・sおよび130℃で約5,000mPa・sの粘度を有する。
ポリエステルHは、DIN 53,728に従って測定したときに77〜83
cm3/gの粘度数、DIN 52,011に従って測定したときに102〜11
0℃の軟化点、DSCで測定したときに約−12℃のガラス転移温度、回転粘度
計(プレート/コーン)で測定したときに180℃で65〜75Pa・sおよび2
00℃で35〜40Pa・sの溶融粘度、およびOH数から約25,000の分子
量を有する極めて弱い結晶性の飽和のコポリエステルグリコールである。
ポリエステルIは、約3,500の分子量、DIN 53,240に従って測
定したときに27〜34のヒドロキシ数、DSCで測定したときに約20℃のガ
ラス転移温度、およびブルックフィールド粘度計(LVT4)で測定したときに
13
0℃で約7,000mPa・sの粘度を有する固体の無定形コポリエステルグリコー
ル
dorf),ドイツ]から市販品として入手可能である。
ポリプロピレングリコールは約425の分子量を有しており、マイルズ社(Mi
les Inc.)[ピッツバーグ(Pittsburgh),ペンシルバニア]から入手可能であ
る。
粘着付与剤はポリマー化したβ−ピネン樹脂であり、ハーキュルズ社(Hercul
es Inc.)[ウィルミントン(Wilmington)]から入手可能である。
炭化水素樹脂はアリゾナ・ケミカル社(Arizona Chemical Co.)[パナマ・シ
ティ(Panama City)]から入手可能であり、これは粘着付与剤としておよびク
リープ耐性を高めるように働く。
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、マイルズ社[ピッ
ツバーグ]から入手可能である。
B.製造
以下の実施例において、指定量のポリエステルグリコールまたはポリエステル
グリコール混合物とポリプロピレングリコールおよび所望によりポリマー化β−
ピネン樹脂を、真空下に約110〜130℃の温度で約60分間脱水することに
よって、ポリウレタン接着剤を調製した。約90℃まで冷却した後、この混合物
を所定量の4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と真空下に約
110〜130℃の温度で約60分間反応させた。反応の後、このプレポリマー
を湿気を通さない容器中に入れた。
C.試験
粘度は、ブルックフィールド・サーモセル粘度計を用いて測定した。指定温度
で15分間、ポリウレタンホットメルトの試験管を加熱した後、値を読み取った
。このポリウレタン溶融物の溶融安定性は、2時間中の粘度の増加をほとんどは
130℃で測定することによって測定した。
剥離強さは、幅2.5cmおよび長さ10〜12cmのSBR(スチレン−ブタジ
エンゴム)の試験片を用いて試験した。この試験片をプライマー溶液中に約5秒
間浸漬し、次いでオーブン中にて100℃で約30分間乾燥した。履物アッパー
材
料は、常法により粗くした皮革またはポリウレタン被覆した織物のどちらかであ
った。加熱およびプライマー処理したSBR試料に、接着剤を約0.5mm厚の層
で塗布した。加熱した履物アッパーをこのSBR試料上に、初めは手で、次いで
7〜14bar(100〜200psi)の圧力で約1分間、圧縮装置で押し付けた。
別法では、予め加熱した両方の表面に接着剤を塗布し、初めは手で、次いで7〜
14bar(100〜200psi)の圧力で約1分間、圧縮装置で一緒にして圧縮し
た。指定時間の後に、これら試料をインストロン(Instron)引張装置にかけ、
1.25cm/分の速度で剥離することによって剥離強さを評価した。
完全(完熟)結合強度は、7日後の硬化状態での剥離強さである。
クリープ耐性は、剥離強さ試験において使用した試料のアッパー履物材料の固
定していない部分に500gの荷重をかけることによって試験した。クリープ耐
性はmm/時で測定する。10mm/時以下、特に5mm/時以下の値を「良好」とみ
なす。接着剤の硬化後、この試験を異なる温度で行って接着剤の熱耐性をも評価
した。
以下の実施例1〜5は、初期強度(=5分後の剥離強さ)に対するポリエステ
ルグリコールの数の効果を示すものである。
本発明のさらに別の実施例(6〜11)を以下に示す。
実施例12
本実施例は、本発明の接着剤組成物の好ましい配合例を示すものである。
上記接着剤において、PPG425は平均分子量425のポリプロピレングリ
コールを表す。ポリエステルグリコールA、B、CおよびIは先に記した通りで
ある。粘着付与剤はポリマー化したβ−ピネン樹脂である。MDIは4,4'−ジ
フェニルメタンジイソシアネートを表す。
初期強度は、80〜100℃に予め加熱した2.5cm幅および12.5cm長さ
のNBR/NBR試料片を用いて測定した。約180℃の温度で両方の試料片に
接着剤を塗布し、この試料片を一緒にして7bar(約100psi)で約1分間加圧
した。利用可能な装置に依存して、これら試料片を一緒にして加圧するのに比較
的低い圧力を使用し得ることに注意すべきである。上記NBR試料片はショアー
(Shore)
A硬度が80のニトリルゴムベースからなり、プリューフ・ウント・フォルシュ
ン
から入手可能である。
初期強度は、12.5cm/分(5インチ/分)の速度で測定した。得られた値
は、ファクター5.61を用いて[pli]から[kg/cm]に変換した。
実施例13
本実施例は、満足し得るポリウレタンホットメルト接着剤を高分子量ポリエス
テルを用いても製造し得ることを示すものである。ポリプロピレングリコールの
含有量がここでも重要であるのは同じである。
実施例14
本実施例は、スチレン/ブタジエンゴム底を皮革履物アッパーに結合する方法
を示すものであり、この方法は以下の工程からなる。
初めに、底を通常のプライマー溶液で被覆し、皮革履物アッパーを常法により
粗くした。約0.5mm厚の層を形成させた。この底と履物アッパーを一緒にして
履物加圧装置においてゲージ圧10〜20barで加圧し、約5分後に10〜20b
arの圧力で再度加圧した。この履物組立て物の初期および最終強度は、さらに加
工するのに、および使用するのに十分であると考えられた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.A) a)少なくとも1種のポリイソシアネート、 b)全ホットメルト接着剤に基づいて10重量%を越える濃度の少なくとも 1種のポリアルキレングリコール、 c)少なくとも1種のポリエステルグリコール、 からなる少なくとも1種のポリウレタンプレポリマー;および B) d)樹脂、および e)安定剤、 などの所望による添加剤; を含有する湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤。 2.以下の組成: a)15〜35重量%のポリイソシアネート; b)10〜70重量%、特に15〜35重量%のポリアルキレングリコール; c)5〜65重量%、特に30〜50重量%のポリエステルグリコール; d)0〜15重量%、特に3〜10重量%の樹脂;および e)0〜0.5重量%、特に0.01〜0.1重量%の安定剤; を有する請求項1に記載のホットメルト接着剤。 3.ポリイソシアネートが芳香族ジイソシアネート、特にトルエンジイソシア ネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび2,4'−ジフェニル メタンジイソシアネートならびにそれらの混合物からなる群から選ばれるジイソ シアネートである請求項1または2に記載のホットメルト接着剤。 4.ポリアルキレングリコールが分子量250〜1,000、特に350〜6 00、好ましくは400〜425のポリプロピレングリコールである請求項1、 2または3に記載のホットメルト接着剤。 5.DSC測定で異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも2種類の ポ リエステルグリコールを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のホット メルト接着剤。 6.ガラス転移温度が−40〜+50℃の範囲内、特に−40〜+40℃の範 囲内であり、一方のガラス転移温度が0℃以下であり、そして一方が0℃以上で あり、これらガラス転移温度が互いから少なくとも10℃、好ましくは少なくと も30℃離れている請求項5に記載のホットメルト接着剤。 7.ポリエステルグリコールの分子量が1,500〜30,000、好ましく は2,500〜6,000である請求項1〜6のいずれか1つに記載のホットメ ルト接着剤。 8.ポリエステルグリコールが液体、無定形および/または弱い結晶性である 請求項1〜7のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。 9.樹脂が炭化水素樹脂、特に改変された芳香族炭化水素樹脂またはテルペン 炭化水素樹脂である前記請求項のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。 10.安定剤がトルエンスルホニルイソシアネートである前記請求項のいずれか 1つに記載のホットメルト接着剤。 11.PUプレポリマーがDSC図において単一のTgを有する前記請求項のい ずれか1つに記載のホットメルト接着剤。 12.130℃で10〜300Pa・s、好ましくは20〜100Pa・sの範囲の溶 融粘度を有する前記請求項のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。 13.単一または複数工程の方法、特に単一工程の方法による前記請求項のいず れか1つに記載のホットメルト接着剤の製造法。 14.履物工業における、特に蒸気または乾燥通路を用いる予備架橋段階を含ま ない履物生産ラインに組込み得る被覆装置における、前記請求項のいずれか1つ に記載のホットメルト接着剤の使用。 15.以下の加工工程: 1)所望により、底および/または履物アッパー材料を、例えば、粗面化、プ ライマー処理、ハロゲン化、溶媒拭きなどによって前処理する; 2)結合しようとする表面の少なくとも一方に110〜180℃で1層のホッ トメルト接着剤を被覆する(他方の表面は、いずれかの接着剤または溶媒接着剤 または分散接着剤を含むことを必要としない); 3)結合する表面を一緒にして加圧する;そして 4)所望により、結合する表面を冷却する; により、特に皮革の履物アッパー材料に底を取り付けるためにホットメルト接着 剤を使用する請求項14に記載の使用。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A313 | Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313 Effective date: 20040316 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040406 |