【発明の詳細な説明】
発明の名称 セロトニン受容体剤
本発明は、現在放棄されている1992年9月17日出願の米国特許出願番号第07/94
7,007号の継続出願であった、1993年6月16日出願の米国特許出願番号第08/079,6
92号の一部継続出願である。
本発明は、アゴニストでもあり拮抗剤でもある新しい類のセロトニン5HT1A及
び5HT1D受容体剤と、不安、うつ病、片頭痛、卒中、狭心症、及び高血圧の処置
へのそれらの用途、並びにそれらを含有する製剤組成物類と診断用組成物類に関
する。
本発明に従って、新しい類のセロトニン5HT1A、及び5HT1D受容体剤が発見され
、これらは次式によって記載される。
式中、Yは水素又はC1-3アルキルを表わし、Rは水素、C1-4アルキル、C1- 4
アルコキシ、ハロゲン、-CF3、
-OCF3、及び-OHからなる群から選ばれる置換基を表わし;R1は水素、シクロア
ルキル、C1-6アルキル、置換されることもあり得るフェニル、フェニルアルキ
ル、又はフェニルアミドアルキルを表わし;Xは水素、-(CH2)nX1、-CH=CHX1
、又は-CHX2-(CH2)q-CH3を表わし;nは整数0-2であり;qは整数0又は1で
あり;X1は-OH、-0R2、-NR2R3、-CO2R2、-CONR2R3、-CN、CH2OH、又は-COR2を
表わし:R2とR3は各々独立に水素、C1-4アルキル、置換されることもあり得
るフェニル、フェニルアルキルであるか、又はR2とR3は一緒に(CH2)mシクロ
アルキルを形成し、ここでm=2-6であり;X2は-OR4又は-NR4R5であって、ここ
でR4とR5は各々独立に水素、又はC1-4アルキルである。または、これらのは
製薬上受け入れられるその付加塩類によって記載される。但しnが0か、Xが -
CH=CHX1の時には、X1は OH、OR2、又はNR2R3でないことを条件としている。
これらのベンゾチオフェン誘導体類は、5HT1A及び5HT1D受容体でセロトニンの
効果をまねるか、又は遮断する。これらは不安、うつ病、片頭痛、卒中、狭心症
、及び高血圧の処置に有用である。
本出願で使用される用語について。
a)用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、又は臭素を指す。
b)用語「低級アルキル基及びC1-4アルキル」は、1-
4個の炭素原子を含有する分枝鎖又は直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n
-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル等を指す。
c)用語「低級アルコキシ及びC1-4アルコキシ」は1-4個の炭素原子を含有す
る直鎖又は分枝鎖アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、
イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ等を指す。
d)用語「置換されることもあり得るフェニル」は、3個までの置換基で置換
できるフェニル部分(C6H5)を指し、各置換基は独立にハロゲン、C1-4アル
キル、C1-4アルコキシ、CF3、OCF3、OH、CN、NH2、及びNO2からなる群から選ば
れる。これらの置換基は同じもの、又は別のものであり、オルト、メタ、又はパ
ラの任意の位置に置くことができる。
e)用語「フェニルアルキル置換基」は、次の構造すなわち-(CH2)b-C6H5を
指し、ここでbは整数1-4である。このフェニル環はすぐ上に述べた形で置換で
きる。
f)用語「製薬上受け入れられる塩」は、塩基付加塩又は酸付加塩を指す。
g)用語「C1-3アルキル」は、1-3個の炭素原子を含有する分枝鎖又は直鎖ア
ルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルを指す。
h)用語「シクロアルキル」は、3-7個の炭素原子を含有するシクロアルキル
置換基、例えばシクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルを指す。
i)用語「C1-6アルキル」は1-6個の炭素原子を含有する分枝鎖又は直鎖アル
キル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブ
チル、n-ペンチル、n-ヘキシル等を指す。
j)用語「フェニルアミドアルキル」は、次の構造すなわち-(CH2)i-CONH-C6
H5を指し、ここでiは整数1-6である。このフェニル環はすぐ上に述べた形で置
換できる。
「製薬上受け入れられる酸付加塩」という表現は、式Iで表わされる塩基化合
物又はその中間体の任意のものの無毒性の有機又は無機酸付加塩に適用すること
が意図されている。適当な塩類を形成する無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫
酸、及びリン酸、並びにオルトリン酸−水素ナトリウム、及び硫酸水素カリウム
のような酸金属塩類を包含する。適当な塩類を形成する有機酸類の例はモノ−、
ジ−、及びトリ−カルボン酸類を包含する。このような酸類の例は、例えば酢酸
、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、フマ
ール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキ
シマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチ
ル酸、2-フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸
と2−ヒドロキシエタンスルホン酸のよ
うなスルホン酸類を包含する。このような塩類は水和型又は実質的に無水型で存
在する。一般に、これらの化合物類の酸付加塩類は、水と種々の親水性有機溶媒
類に可溶性であり、また塩類はその遊離塩基型に比べて、一般に高めの融点を示
している。
「製薬上受け入れられる塩基付加塩」という表現は、式Iで表わされる化合物
又はその中間体の任意のものの無毒性の有機又は無機塩基付加塩に適用すること
が意図されている。適当な塩類を形成する塩基の例は、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、又は水酸化バリウム;アンモニア、及び脂肪族、脂
環式、又は芳香族有機アミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチ
ルアミン、及びピコリンを包含する。モノ-又はジ-塩基性塩類が、これらの化合
物類によって形成される。
式I化合物類の幾つかは、不斉中心を含有し、従ってエナンチオマーとして存
在する。本出願で式Iで表わされる化合物類、又はその中間体類の一つについて
述べる場合、特定の光学異性体又はラセミ混合物を包含するものと考えるべきで
ある。特定の光学異性体類は、この技術で知られている手法、例えばキラル静止
相でのクロマトグラフィ、キラル塩形成を経た分割、及びその後の選択的結晶化
や、この技術で知られているとおりに立体選
択的なエステラーゼを使用する酵素的加水分解によって分離、回収できる。その
代わりに、キラル的に純粋な出発材料を使用できる。
式I化合物類の全部は、ベンゾチオフェン環を含有し、RとY置換基によって
示されるように、置換されることもできる。本発明を更に例示するために、この
環系について番号付け方式を下に示す。
Rは2個までの置換基を表わす。これらの置換基は同じものでも、別のもので
もよく、ベンゾチオフェン環の5、6、又は7の位置に置くことができる。
式Iに包含される化合物類の例には、以下のものがを含まれる。
a) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-メタノール一塩酸塩:
b) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラシニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-カルボキサミド;
c) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベン
ゾ[b]チオフェン-2-ニトリル;
d) 4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-2-メタノール;
e) 4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-2-カルボキサミド;
f) 4-[4-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-メタノール;
g) 4-[4-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[
b]チオフェン-2-カルボキサミド;
h) 4-[4-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[
b]チオフェン-2-メタノール;
i) 4-[4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[
b]チオフェン-2-メタノール;
j) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-(N-メチル)-カルボキサミド;
k) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-(N,N-ジメチル)-カルボキサミド;
l) 4-[4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[
b]チオフェン-2-カルボキサミド;
m) 4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-メタノール;
n) 4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-カルボキサミド;
o) エチル4-[(4-プロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-カルボキシレート塩酸塩;
p) 4-[(4-プロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メタ
ノール塩酸塩;
q) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-(N-エチル)カルボキサミド塩酸塩;
r) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-(O-メチル)-メタノール塩酸塩;
s) 4-[4-プロピル-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-[N-メチ
ル]カルボキサミド塩酸塩;0.4水塩;
t) 4-[4-メチル-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メタノール
塩酸塩;
u) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-べンゾ[b]チオフェ
ン-2-(N-メチル-N-メトキシ)-カルボキサミド塩酸塩;
v) 2-[4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオ
フェン-2-イル]-(2-プロパノール)塩酸塩;半水塩;
w) 1-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2
-イル]-エタノン塩酸塩;
x) 1-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2
-イル]-エタノール塩酸塩;
y) 4-[4-フェニルメチル-1-ピペラジン]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メト
キシメチル塩酸塩;
z) 4-(1-ピペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-メ
トキシメチル塩酸塩;
aa) 4-[4-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)-1-ピペラジニル]-ベン
ゾ[b]チオフェン-2-メトキシメチル塩酸塩;
bb) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-2-カルボキサルデヒド;
cc) 4-[4-(4-フェニルカルバモイル-ブチル)-ピペラジン-1-イル]-ベ
ンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル塩酸塩;
dd) 4-(1-ピペラジニル)-べンゾ[b]チオフェン-2-(N-メチル)カル
ボキサミド;
ee) 4-[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-メタノール塩酸塩二塩酸塩;
ff) 4-(1-ピペラジニル)-べンゾ[b]チオフェン-2-メタノール塩酸塩
;
gg) エチル4-[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-
ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート塩酸塩;
hh) 5-[4-(2-ヒドロキシメチル-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-ピペ
ラジン-1-イル)-ペンタン酸フェニルアミド塩酸塩;
ii) 2-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イルメチル]-イソインドール-1,3-
ジオン塩酸塩;
jj) 4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-2-メタナミン二塩酸塩;
kk) [4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2
-イル]ピペラジン-1-イルメタノン塩酸塩;
ll) [4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2
-イル]ピロリジン-1-イルメタノン塩酸塩;
mm) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イル]アクリル酸エチルエステル塩酸塩;
nn) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-イル]-プロプ-2-エン-1-オール塩酸塩;
oo) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イル]-アクリロニトリル塩酸塩;
pp) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イル]-アクリルアミド塩酸塩;
qq) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イル]-プロピオン酸エチルエステル塩酸塩;
rr) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-イル]-プロパン-1-オール塩酸塩;
ss) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-べンゾ[b]チオフエン
-2-イル]-ブロビオニトリル塩酸塩;
tt) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-
2-イル]-ブロピオンアミド塩酸塩。
式I化合物類は、この技術で知られた手法を用いて調製できる。Yが-(CH2)n
X1を表わし、ここでnが0である場合の化合物をつくるために、一つの適当な
方法が下に反応経路Iで明らかにされている。他に指示がなければ、すべての置
換基はすでに定義された通りである。この方法に用いられる試薬と出発材料は、
当業者に容易に入手できる。
R5=C1〜C4アルキル、シクロアルキル、フェニルア
ルキル、又は置換されていてもよいフェニル。
段階Aで、ニシュアス(Nijhuis)ら、synthesis-Stuttugart 1987年、7巻641
頁の手順に全般的に従い、構造(1)で記載される適当に置換された2,6-シフルオ
ロベンズアルテヒト又は2,6-ジフルオロアセトフェノン(すなわち最終生成物で
所望されるとおりのRとY)を温和な塩基性条件下に、適当に置換されたピペラ
ジンで処理することによって置換反応が行なわれ、構造(2)で記載される置換生
成物を生ずる。
例えば、段階Aで、N,N-ジメチルホルムアミドのような適当な有機溶媒中で、
構造(1)の適当に置換された2,6-ジフルオロベンズアルデヒドをやや過剰量の1-
ベンジルピペラジンのような適当なピペラジンと一緒にする。炭酸カリウムのよ
うな適当な弱塩基のやや過剰量を加え、反応物を約80℃に約4時間加熱する。次
に冷却後、構造(2)で記載される置換生成物を抽出によって単離する。次にこれ
を、30:70酢酸エチル/ヘキサン混合物のような適当な溶離剤でのフラッシュ・
クロマトグラフィで精製し、熱い酢酸エチルのような適当な溶媒から再結晶化さ
せる。
段階Bで、スクロートン(Scroweton)ら[J.Chem.Soc.Perkin Trans.|1976年
、749]の手順に従い、強塩基性条件下に構造(2)を適当に置換されたアルキル2-
メルカプトアセテートで処理することによって環化を行なうと、Xがエステル誘
導体である場合の式Iの環化生
成物(以下、構造(3))を生ずる。適当に置換されたアルキルメルカプタンの例
は、エチル-2-メルカプトアセテート、メチル-2-メルカブトアセテート等である
。
例えば段階Bで、窒素のような適当な不活性雰囲気下に、構造(2)で記載され
る置換生成物を、N,N-ジメチルホルムアミドのような適当な無水有機溶媒中に溶
解する。エチル2-メルカブトアセテートのような適当なアルキル2-メノレカブト
アセテートのやや過剰量を加え、続いて水素化ナトリウムのような適当な強塩基
のやや過剰量を加える。反応を室温で約6時間かきまぜる。次に、構造(3)の環
化生成物を抽出により、遊離塩基として単離する。次にこれを、酢酸エチル/ヘ
キサンの50:50混合物のような適当な溶離剤でのフラッシュ・クロマトグラフィ
によって精製し、アセトニトリルのような適当な溶媒から再結晶させる。次に、
遊離塩基は、塩酸のような適当な酸での処理と、アセトニトリルのような適当な
溶媒からの再結晶比によって、構造(3)の酸付加塩に転化される。
所望の式I生成物にもよるが、上の行う場合もある段階C〜Eで描かれた官能
化反応を実施する必要があるかも知れない。X又はR5が表わしている特定置換
基は、各反応において描かれている。
段階Cで、セネット(Senet)ら[J.Org.Chem. 1984年、49巻2081頁]の手順に
全般的に従い、環化生成物(3)を1-クロロエチルクロロフォルメートで処理する
こ
とによって脱保護を行なうと、R5がHである場合の式I化合物類(以下、構造(
4))を生ずる。
例えば段階Cで、窒素雰図気下に1,2-ジクロロエタンのような適当な有機溶媒
中に環化生成物(3)を溶解し、約0℃に冷却する。1-3モル当量の1-クロロエチル
クロロフォルメートを加え、反応を室温に暖める。約30分かきまぜた後、反応を
還流下に約4.5時間加熱する。真空下に冷却と溶媒除去後、元の有機溶媒容量に
等しい量のエタノールを加え、反応物を再び還流下に約1.5時間加熱する。次に
、これを室温で約15時間かきまぜる。次に、溶媒を真空下に除去し、暖かいエタ
ノールのような適当な溶媒からの再結晶によって、構造4を酸付加塩として精製
する。
段階Dで、環化生成物(3)を適当な還元剤で処理することにより、任意の還元
を行なうと、Xがアルコールを含有する場合の式I化合物(以下、構造(5))を
生ずる。
例えば段階Dで、窒素のような不活性気体の雰囲気下に、環化生成物(3)をテ
トラヒドロフランのような適当な無水有機溶媒に溶解する。溶液に、2当量の水
素化アルミニウムリチウムのような適当な還元剤を加え、反応物を室温で約1-4
時間かきまぜる。水、10%水酸化ナトリウム、及び追加の水を1.0:1.5:3.0の容
量比で次々に加えて反応を停止させるが、最初の水添加は、重量で水素比アルミ
ニウムリチウムの使用量に等しい。例えば、
水素化アルミニウムリチウム1gは水1mLを必要とする。次に、生ずる構造5を
抽出によって遊離塩基として単離する。次にこれを、酢酸エチル/ヘキサンの40
:60〜100:0混合物のような適当な溶離剤でのフラッシユ・クロマトグラフィによ
って精製する。次に、塩酸のような適当な酸での処理によって遊離塩基を構造(5
)の酸付加塩に転化し、アセトニトリル/エタノールのような適当な溶媒から再
結晶化させる。
段階Eの行う場合もあるアミノリシスは、Xがニトリル又はアミド官能基を表
わす場合に行なわれる。段階Eで、アミノリシスはウェインレブ(Weinreb)ら[T
etrahedron Lett. 1977年、4171頁、及びSyn.Comm. 1982年、12巻989頁]の手順
に全般的に従って行なわれる。トリメチルアルミニウムの存在下に、構造3で記
載される環化生成物を適当なアミン給源によって処理すると、構造6a又は6bとし
て上に描かれたアミド又はニトリルを生ずる。適当なアミン給源の例は、塩化ア
ンモニウム、アニリン、ベンジルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチ
ルアミン、シクロプロピルアミン、シクロヘキシルアミン等である。
例えば段階Eで、ジクロロメタンのような適当な無水有機溶媒中で、塩化アン
モニウムのような適当なアミン給源を1当量のトリメチルアルミニウムで処理す
る。ガス発生がやんだ後(約5-30分)、(3)で記載される環化
生成物0.2-1.0モル当量を加え、反応物を約10-20時間還流させる。冷却後、反応
を水で注意深く停止させる。構造(6a)と(6b)で記載されるニトリルとアミドは、
抽出によって単離される。次に、これらを分離し、酢酸エチル/ヘキサンの40:6
0〜100:0混合物のような適当な溶離剤でのフラッシュ・クロマトグラフィによっ
て、遊離塩基として精製する。次に、これらを塩酸のような適当な酸での処理に
より、構造(6a)と(6b)の酸付加塩類に転化し、エーテルのような適当な溶媒です
り砕く。
ピペラジン環の4-位置の置換基は、下に反応経路IIで描かれているように、容
易に変更できる。
段階Aで、反応経路Iで調製される構造(4)で記載される脱保護生成物を、温
和な塩基性条件下に、適当に置換されたアルキルハライトで処理すると、式Iの
N-アルキル化生成物(以下、構造(7))を生ずる。適当に置換
されたアルキルハライドの例は、1-ブロモ-3-フェニルプロパン、(2-ブロモエ
チル)-ベンセン、1-ブロモ-4-ブチルベンゼン、4-メトキシフェネチルブロマイ
ド、6-ブロモ-N-フェニル-1-ヘキサナミド、7-ブロモ-N-(4-メチルフェニル)-
1-ヘプタナミド等である。
例えば、段階Aで、構造(4)で記載される脱保護生成物の酸付加塩をジメチル
スルホキシド又はジメチルホルムアミドのような適当な無水有機溶媒に溶解する
。1-ブロモ-3-フェニルプロパンのような適当に置換されたアルキルハライド1
当量を加え、続いて重炭酸ナトリウムのような適当な温和な塩基2当量を加える
。反応物を約80℃に約15-20時間加熱する。次に冷却後、構造(7)で記載されるN-
アルキル化生成物を抽出により、遊離塩基として単離する。次にこれを、酢酸エ
チル/ヘキサンの20:80〜100:0混合物のような適当な溶離剤によるフラッシュ・
クロマトグラフィによって精製する。次に、塩酸のような適当な酸での処理によ
って遊離塩基を構造(7)の酸付加塩に転化し、メタノールやメタノール:アセト
ニトリルのような適当な溶媒から再結晶化させる。
構造(7)によって記載されるN-アルキル化生成物は、R5がR1で置換された場
合のすでに述べた反応経路Iの段階D又はEに従って、構造(5)のアルコール、
構造(6b)のアミド、又は構造(6a)のニトリルに転化できる。
反応経路IIIに述べる手順に従って、n=1、X1=CO2R2
の場合の式I化合物類を調製できる。
段階A1で、構造(7)のエステルは、当業者に周知の手法によってカルボン酸
に加水分解できる。例えば、メタノールやテトラヒドロフランのような適当な水
と混ざる溶媒中で、水酸化リチウムのような適当な塩基1当量でエステル(7)を
処理できる。12-48時間後、塩酸のような適当な酸水溶液1当量で反応物を処理
し、真空下に濃縮する。5:95酢酸/アセトニトリルのような適当な溶離剤でのク
ロマトグラフィによって残留物を精製するとR2
=Hの場合の構造(7)のカルボン酸誘導体を生ずる。
段階A2で、始めに構造(7)のカルボン酸をジクロロメタンのような適当な有
機溶媒中で、0.2-1.0Mの濃度で溶解することにより、酸の1炭素同族体化を行な
うことができる。次に、この溶液を1当量の塩化チオニル及び触媒量のジメチル
ホルムアミドで処理すると、R2=Clの場合の構造(7)の酸塩化物を生ずる。有機
溶媒を真空下に除去し、粗製酸塩化物を無水エーテル(0.1-1.0M)中に溶解し、ジ
アゾメタンのエーテル溶液で、ジアゾメタンが吸収されなくなるまde処理する
。次に、構造(8)で記載されるアルファ-ジアソケトンは当業者に周知の手法によ
って単離される。
段階Bで、ヴィ・リー(V.Lee)及びエム・エス・ニユーマン(M.S.Newman)、Org
anic Syntheses 1970年、50巻77頁に記載されたとおりに、エタノールと安息香
酸銀での処理によってアルファ-ジアゾケトン(8)がウォルフ転位を受けると、構
造(9)で記載される1炭素同族体化エステルを生ずる。
任意段階Cで、反応経路III段階A1にすでに記載された手順に全般的に従っ
て、構造(9)で記載される1炭素同族体化エステルは、R2=Hの場合のカルボン
酸(9a)に転化できる。
反応経路IVに記載された手順に従って、n=2、及びX1=CO2R2の場合の式I化合
物類を調製できる。
段階Aで、反応経路I、段階Eですでに述べた手順に全般的に従って、その場
合に使用アミンがN-メチル-0-メチルヒドロキシルアミシであると、構造(7)のア
ミノリシスは構造(10)のアミドを生ずる。その代わりにR2=Clの場合の反応経路
III、段階A2で記載された酸塩化物中間体をテトラヒドロフランのような適当
な有機溶媒中に溶解し、N-メチル-0-メチルヒドロキシルアミンで処理すると、
構造(10)のアミドを生ずる。
段階Bで、Tetrahedron Lett. 1984年、25巻(15号)1561頁に記載されたとお
りに、水素化ジイソブチルアルミニウム1-3当量での処理、又はTetrahedron Let
t. 1989年、30巻(29号)3779頁に記載されたとおりに、チトラヒドロフラン中
の水素化アルミニウムリチウム1-3当量での処理によって、構造(10)のアミドを
構造(11)で記載されたアルデヒドに還元できる。
段階Cで、ダブリュー・エス・ワズワース(W.S.Wadsworth)、Organic Synthes
is 1977年、25巻73頁に記載されたとおりに、又はその代わりに、エイ・スズキ(
A.Suzuki)ら、Tetrahedron Lett. 1989年、30巻(38号)5153頁の手順によって
、構造(11)のアルデヒドは変更ウィティヒ反応を経た2炭素の同族体化を受ける
ことができる。適当に置換されたホスホネート陰イオンでアルデヒド(11)を処理
すると、γ,β-不飽和エステルを生ずる。これをJ.Chem.Soc.Perkin Transacti
ons I、1982年、2405頁に記載されたとおりに、水素化ホウ素ニッケルのような
適当な還元剤での処理によって還元すると、構造(12)で記載される飽和エステル
を生ずる。
任意段階Dで、反応経路III段階A1にすでに記載された手順に全般的に従っ
て、飽和エステル(12)はR2=Hの場合の飽和カルボン酸(12a)に転化できる。
反応経路Vに述べた手順に従って、X=CHX2-(CH2)q-CH3の場合の式I化合物
類を調製できる。
段階Aで、構造(10)のアミドをグリニヤ試薬で処理すると、構造(13)で記載さ
れるケトンを生ずる。例えば、アミド(10)を0℃でエーテル又はテトラヒドロフ
ランのような適当な有機溶媒に溶解し、X=Br又はClの場合の式CH3(CH2)qMgXの
適当に置換されたグリニヤ試薬で処理する。約1-4時間後、水処理とエーテルの
ような適当な有機溶媒での抽出によって生成物を単離する。次にこれを、50:50
酢酸エチル/ヘキサンのような適当な溶離剤を使用するフラッシュ・クロマトグ
ラフィによって精製すると、構造(13)のケトンを生ずる。
段階Bで、構造(13)のケトンを還元剤で処理すると、構造(14)で記載されるア
ルコールを生ずる。例えば、ケトン(13)を室温で、エタノールやイソプロパノー
ルのような適当な有機溶媒に溶解する。次に、反応物を水素化ホウ素ナトリウム
のような適当な還元剤1-2当量で処理する。1-4時間後、反応物を水で希釈し、ジ
クロロメタンのような適当な有機溶媒で抽出する。粗製材料を段階Aですでに記
載されたとおりに、フラッシュ・クロマトグラフィで精製すると、構造(14)のア
ルコールを生ずる。
段階Cで、ボーチ(Borch)ら、J.Am.Chem.Soc.1971年、93巻2897頁に記載され
た手順に全般的に従って、構造(13)のケトンを還元的にアミン化すると、構造(1
5)で記載されるアミンを得ることもできる。例えば、ケトン(13)を0.5-1.0Mの濃
度で、メタノールのような適当な
有機溶媒に溶解する。次に反応物を室温で、式NHR2R3・HClの適当に置換されたア
ミン塩酸塩5-10当量で処理する。次に、水素化シアノホウ素ナトリウムのような
適当な還元剤1-2当量で反応物を処理し、12-72時間かきまぜる。次に、水酸化ナ
トリウム水溶液で反応物を処理し、1-2時間かきまぜ、水で希釈し、ジクロロメ
タンのような適当な有機溶媒で抽出する。次に5:10:90トリエチルアミン/エタ
ノール/酢酸エチルのような適当な溶離剤を使用するフラッシユ・クロマトグラ
フィにより、粗生成物を精製できる。第二級アミン塩酸塩を利用する場合、反応
物を40-65℃に加熱するか、又はJ.Org.Chem. 1990年、55巻2552頁に記載された
とおりに、チタンイソプロボキシドの添加によって変更すると、構造(15)のアミ
ンを生ずる。
行う場合もある段階Dで、アルコール(14)をアルキル化すると、構造(16)で記
載されるエーテルを生ずる。例えば、シメチルホルムアミドのような適当な極性
・非ブロトン性有機溶媒にアルコール(14)を溶解し、室温で水素化ナトリウムの
ような適当な強塩基1当量で処理する。ガス発生がおさまった後、X=Br、Cl又
はIの場合の式R2Xの適当なアルキル化剤1当量で反応物を処理する。適当な
アルキル化剤の例はヨウ化メチル、臭化n-プロピル、臭比べンジル等である。2-
24時間後、反応物を水で希釈し、エーテルのような適当な有機溶媒で抽出する。
粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィや酸付加塩の再結晶比のような当業者
に周知の手法によって精製すると、構造(16)のエーテルを生ずる。
反応経路VIの手順に従って、X=-(CH2)nX1の場合の式I化合物類を調製でき
る。
任意段階Aで、反応経路I-IIIで述べたとおりに調製できるn=0-2の場合の構造
(17)で記載されるエステルは、反応経路I、段階Dで述べた手順に全般的に従っ
て、構造(18)で記載されるアルコールに還元できる。
任意段階Bで、反応経路V、段階Dで記載された手順に全般的に従って、アル
コール(18)をアルキル化すると対応するエーテル(18a)を生ずる。
任意段階Cで、構造(17)によって記載されるエステルが、反応経路I、段階E
で述べた手順に全般的に従って、アミノリシスを受けると、構造(19)のアミドと
構造(20)のニトリルを生ずる。
任意段階Dで、反応経路V、段階Aで述べた手順に全般的に従って、R2=OCH3
及びR3=CH3の場合のアミド(19)かグリニヤ付加を受けると、構造(21)のケトン
を生ずる。
任意段階Eで、アミド(19)を構造(22)のアミンに還元できる。例えば、アミド
(19)をテトラヒドロフランのような適当な有機溶媒に、0.2-1.0Mの濃度で溶解し
、適当な還元剤2-4当量で処理する。適当な還元剤の例は水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等である。反応物を40℃で窒素のよう
な不活性雰囲気下に加熱し、4-48時間還流させる。反応を停止させ、反応経路I
、段階Dに述べた手順に全般的に従って、粗生成物を単離する。シエチルアミン
/エタノール/酢酸エチル(10:50:50)のような適当な溶離剤を使用するフ
ラッシュ・クロマトグラフィによって粗生成物を精製すると、構造(22)のアミン
を生ずる。
反応I-VIで使用される出発材料と試薬は、当業者に容易に入手できる。
以下の実施例は、反応経路I及び反応経路IIで記載された典型的な合成を提示
している。これらの実施例は、例示的なものとしてのみ理解され、いかなる形で
も本発明の範囲を制限する意図のものではない。以下の実施例で使用される以下
の用語は、指定された意味をもっている。「g」はグラムを指す。「mg」はミリ
グラムを指す。「mmol」はミリモルを指す。「mL」はミリリットルを指す。「℃
」は摂氏の度数を指す。「TLC」は薄層クロマトグラフィを指す。「Rf」は滞
留係数を指す。「μL」はミクロリットルを指す。「δ」はテトラメチルシラン
からダウンフィールドでの百万分率を指す。また「Ph」は構造中に描かれる時に
フェニル環を指す。
以下の実施例で、5HT1A受容体と5HT1D受容体双方に対する化合物類の結合親和
性が報告されている。5HT1D位置に対する化合物類の親和性は、European Journa
l of Pharmacology 163巻133-166頁(1989年)に報告されたペル−トカ(Peroutk
a)らの結合手順によって測定された。5HT1A受容体に対する化合物類の親和性は
、Nature305巻140-142頁(1983年)に報告されているとおり、コズラン(Gozlan)
らの手順によって測定された。結合親
和性の反復測定を行なった場合は、平均値を示し、続いてカッコ内に測定回数を
示した。また、本出願て記載されているとおり、伏在静脈製剤のPA2値を示し、
続いてカッコ内に百分率で表わした固有(アゴニスト)活性を示した。
実施例1
エチル-4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン
-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路I、段階A:窒素雰囲気下に2,6-ジフルオロべンズアルデヒド(5.00
g,35.2mmol)、1-ベンジルピペラジン(7.30mL,42.2mmol)及び炭酸カリウム
(5.83g,42.2lmmol)を乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中で一緒にする。
反応物を80℃に4時間加熱する。反応物を室温(20℃)に冷却し、一夜かきまぜ
る。反応を水(100mL)で停止させ、酢酸エチル(3x100mL)で抽出する。有機抽出液
を一緒にし、飽和塩化アンモニウム(4x
100mL)で洗い、無水硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空
下に濃縮すると、粗生成物を黄色の油として生ずる。フラッシュ・クロマトグラ
フィ(30:70酢酸エチル/ヘキサン、TLC Rf=0.40)に続いて熱い酢酸エチル(50m
L)からの再結晶化によって粗製材料を精製する。吸引濾過によって結晶を集め、
ヘキサンでゆすぐと、5.16gを生ずる。母液を濃縮し、固体を酢酸エチル(15mL)
から再結晶化させる。結晶を上のように単離すると、1.71gを生ずる。上のプロ
セスを繰り返すと追加0.95gを生ずる。これは2-フルオロ-6-[4-ベンシルピペラ
ジン-1-イル]-ベンズアルデヒド(7.82g)を黄色結晶として生ずる。mp 94-95℃
;1H NMR (CDCl3)δ10.26(1H,s),7.44(1H,td,J=8.1,6.3Hz),7.34(4H,m),7.29(1H
,m). 6.84(1H,d,J=8.3Hz),6.74(1H,dd,J=8.3,8.0Hz),3.59(2H,s),3.12(4H,m),2.
66(4H,m);13C NMR (CDCl3)δ187.63,187.56,165.73,162.27,155.82,137.82,135.
62,135.46.129.20,128.27,127.18,116.91,116.82,114.26,114.22,109.38,109.09
,62.95,53.51,52.96;19F NMR (CDCl3)δ-115.94(m):IIR (KBr) 2825,1690,160
7,1462,1005 cm-1;EI/MS (7OeV) 298 (80%).91 (100%).
分析:C18H19FN2Oの計算値:C,72.45;H, 6.43; N,9.38.測定値:C,72.31
;H,6.58;N,9.27.
反応経路I、段階B:2-フルオロ-6-[4-ベンジルピペ
ラジン-1-イル]-ベンズアルデヒド(7.73g, 25.9mmol)を窒素雰囲気下に乾燥N,N
−シメチルホルムアミド(130mL)に溶解する。エチル-2-メルカブトアセテート(4
.30mL,38.9mmol)と水素化ナトリウム(60%鉱油分散液1.55g,38.9mmol)を加
え、室温で6時間かきまぜる。10%水酸化ナトリウム(60mL)を加え、反応物をエ
ーテル(4x100mL)で抽出する。有機抽出液を一緒にし、水(2x200mL)、塩水(100mL
)でゆすぎ、無水硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下
に濃縮すると、粗生成物を黄色の油として生ずる。フラッシュ・クロマトクラフ
ィ(20:80酢酸エチル/ヘキサン、TLCRf=0.60)によって粗生成物を精製し、ア
セトニトリルから再結晶化させる。吸引濾過によって結晶を集め、8.12gを生ず
る。母液を濃縮し、残留物を上のように再結晶化させると、追加0.60gを生ずる
。これは表題化合物の遊離塩基(8.72g)をオレンジ色の結晶として生ずる。mp 81
-83℃;1H NMR (CDCl3)δ8.11(1H,s),7.48(1H,d,J=8.2Hz),7.32(6H,m),6.88(1H,
d,J=7.7Hz),4.40(2H,q,J=7.2Hz),3.63(2H,s),3.19(4H,t,J=4.75Hz),2.72(4H,t,J
=4.75Hz),1.42(3H,t,J=7.2Hz);13C NMR (CDCl3)δ 162.93,150.22,143.77,137.9
8,133.37,131.90,129.27,128.62,128.29,127.88,128.17,116.81,112.68,63.14,6
1.52,53.37,52.38,14.36;IR(KBr) 2937,1709,1257,1243,1243,
1230cm-1;EI/MS (70eV) 380 (90%),91 (100%).
分析:C22H24N2O2Sの計算値:C,69.45;H, 6.37;N,7.36.測定値:C,69.27;H,6.
47;N,7.41.
上の化合物の遊離塩基(2.00g,5.3mmol)をエタノール(50mL)に溶解し、1.0M
塩酸(5.5mL)を溶液に加える。真空下に濃縮し、残留物をアセトニトリルで再結
晶化させると、表題化合物(1.89g)を白色固体として生ずる。mp 232-234℃;1H
NMR (DMSO-d6)δ11.42(1H,bs),8.09(1H,s),7.74(3H,m),7.49(4H,m),7.04(1H,d,J
=7.7Hz).4.43(2H,d,J=4.94Hz),4.37(2H,q,J=7.1Hz),3.54(2H,bd),3.34(4H,m),2.
51(2H,m),1.35(3H,t.J=7.1Hz);13C NMR (DMSO-d6)δ161.93,148.33,142.85,132.
64,131.98,131.60,129.71,129.54,128.82,128.40,127.92,118.05,113.71,61.58,
58.70,50.86,14.25;IR (KBr)1718,1246,753cm-1;Cl/MS(CH4)380(100%)。
IC50=>1000nM(5HT1A結合親和性)
IC50=>1000nM(5HT1D結合親和性)
分析:C22H24N2O2S・HClの計算値:C,63.37;H,6.06;N,6.72.測定値:C,63.23;
H,6.12;N,6.57.
実施例2
4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メタ
ノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:エチル-4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]−
ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.50g,3.94mmol、実施例1で調
製)を乾燥テトラヒドロフラン(40mL)に溶解する。水素化アルミニウムリチウム
(0.30g,7.89mmol)を加え、反応物を20℃で窒素雰囲気下に26時間かきまぜる
。反応物を還流まで3時間加熱する。室温に冷却後、水(0.3mL)、10%水酸化ナ
トリウム(0.45mL)及び追加の水(1.8mL)を加える。反応物を水(50mL)で希釈し、
エーテル(3x50mL)で抽出する。有機抽出液を一緒にし、塩水(50mL)で洗い、無水
硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮する。粗製
の黄色残留物をフラッシュ ・クロマトグラフィ(40:60酢酸エチル/ヘキサン
、TLC Rf=0.30、次に100:0)によって精製すると、遊離塩基を薄黄色固体として
生ずる。暖かいエタノール(50mL)
に溶解し、IM塩酸(4mL)を加え、真空下に濃縮する。残留物をアセトニトリル(15
mL)とエタノール(20mL)から再結晶化させると、表題化合物(1.08g)を黄色結晶と
して生ずる。mp 229-23℃;1H NMR (CD3OD)δ7.60(3H,m),7.53(3H,m),7.34(1H,s
),7.25(1H,t,J=7.9Hz),6.96(1H,dd,J=0.7,7.7Hz),4.86(2H.d,J=0.9hz),3.53(6H,
bm),3.31(2H,bm);13C NMR (CD3OD)δ147.41,146.92,142.80,135.35,132.55,131.
39,130.43,130.18,125.92,119.38,113.91,61.63,60.74,53.35,50.25;1R (KBr)
3386,1456,951cm-1;CI/MS (CH4) 321 (100%),339 (95%).
IC50=35nM(5HT1A結合親和性)
IC50=760nM(5HT1D結合親和性)
分析:C20H22N2OS・HCl・0.05 CH3CH2OHの計算値:C,64.01;H,6.24;N,7.43.測定
値:C,64.06;H,6.30;N,7.03.
実施例3
4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]
チオフェン-2-ニトリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液11.8mL,23.7
mmol)を室温で、無水ジクロロメタン(155mL)中の乾燥塩化アンモニウム(1.27g
,23.7mmol)に加える。33分後、エチル-4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジ
ニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(シクロロメタン27mL中3.0
0g,7.89mmol、実施例1で調製)を加え、窒素下に21時間加熱還流させる。反応
を冷却し、水(250mL)中に注意深く注ぎ、ジクロロメタン(3x100mL)で抽出する。
有機抽出物を一緒にし、塩水(100mL)で洗い、無水硫酸マグネシウム/硫酸ナト
リウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮する。生ずる混合物から、フラッシュ・
クロマトグラフィ(40:60酢酸エチル/ヘキサン、TLC Rf=0.4、次に100:0)によ
って遊離塩基を分離すると、0.62gを生ずる。遊離塩基をエタノール(25mL)に溶
解し、1M塩酸(2mL)で処理し、真空下に濃縮する。固体をエーテル(20mL)ですり
砕き、150℃で3日間真空下に加熱すると、表題化合物(0.68g)を淡褐色固体とし
て生ずる。mp 256-259℃(分解)。1H NMR (DMSO-d6)δ11.56(1H,bs),8.49(1H,s
),7.80(1H,d,J=8.1Hz),7.71(2H,bs),7.57-7.49(4H,m),7.06(1H,d,J=7.6Hz),4.43
(2H,bs),3.57(2H,bm),3.37(6H,bm),13C NMR (DMSO-d6)δ148.05,142.50,134.81,
131.60,131.43,131.33,129.51,129.26,
128.73,117.49,114.74,113.85,107.07,58.51,50.74,48.27;IR (KBr) 1564,1456
,953,699cm-1;EI/MS (70eV) 333 (54%),91 (100%).
IC50=180nm(5HT1A結合親和性)
IC50=>1000nM(5HT1D結合親和性)
C20H19N3S・HClの計算値:C,64.95;H,5.46;N,11.36.測定値:C,65.06;H,5.52;N
,11.11.
実施例4
4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]-べンゾ[b]チオフェン-2-カル
ボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基を実施例3の反応からもつくり、
フラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC Rf=0.1、
次に100:0)によって混合物から分離すると、2.26gを生ずる。遊離塩基をエタノ
ール(100mL)に溶解し、1M塩酸(6.5mL)で処理し、真空下に濃縮する。固体をエー
テル(40mL)ですり砕くと、表題化合物(2.28g)を薄黄色粉末として生ずる。mp 19
2-195℃。1H NMR (DMSO-d6)δ11.51
(1H,bs),8.40(1H,s),8.15(1H,s),7.69(4H,m),7.49(3H,m),7.38(1H,t,J=7.9Hz),6
.95(1H,d,J=7.6Hz),4.46(2H,d,J=5.1Hz),3.43(8H,m);13C NMR(DMSO-d6)δ163.20
,147.57,141.97,139.13,133.04,131.54,129.58,129.59,128.77,126.95,123.06,1
17.46,112.69,58.47,55.98,50.86,48.14; IR (KBr)1658,1604,1567,1458,1390,9
53cm-1;Cl/MS (CH4) 352 (100%).
IC50=1.6(2)nM(5HT1A結合親和性)
IC50=52nM(5HT1D結合親和性)
分析:C20H21N3OS・HCl・0.5CH3CH2OHの計算値:C,61.38;H,6.15;N,10.22.測定
値:C,61.09;H,6.09;N,10.29.
実施例5
エチル4-(1-ピペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一
塩酸塩の調製
反応経路I、段階C:エチル-4-[4-(フェニルメチル)-1-ピペラジニル]-
ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(2.00g,5.26mmol、実施例1で調
製)を、窒素雰
囲気下に1,2-ジクロロエタン(40mL)に溶解し、溶液を水浴で冷却する。1-クロロ
エチルクロロフォルメート(1.40mL,13.1mmol)を加え、反応物を室温(20℃)
に暖める。30分かきまぜ、次に反応物を4.5時間加熱還流させる。冷却後、真空
下に濃縮し、残留物にエタノール(40mL)を加え、次に窒素下で1.5時間還流し、
次に室温で15時間かきまぜる。真空下に濃縮し、残留物を温かいエタノール(50m
L)から再結晶化させる。生成物を吸引濾過によって集め、エーテルで洗うと、表
題化合物(1.14g)を白色固体としで生ずる。mp 238-240℃;1HNMR (DMSO-d6)δ9.
43(2H,bs),8.13(1H,s),7.75(1H,d,J=8.2Hz),7.49(1H,t,J=7.9Hz),7.06(1H,d,J=7
.5Hz),4.37(2H,q,J=7.1Hz),3.34(8H.bs),1.35(3H,t,J=7.1Hz);13C NMR (DMSO-d6
)δ161.90,148.81,142.84,132.69,131.91,128.35,128.01,117.91,113.64,61.50,
48.88,43.01,14.17;IR (KBr) 1711,1281,1246,756cm-1;EI/MS (70eV) 290 (55%
),248(100%).
IC50=89nM(5HT1A結合親和性)
IC50=47nM(5HT1D結合親和性)
C15H18N2O2S・HCl・0.75H2Oの計算値:C,52.94;H,6.08;N,8.23.測定値:C,53.00
;H,6.15;N,8.01.
実施例6
エチル-4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラシニル]-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路I、段階A:2.6-シフルオロベンゼンアルデヒド(7.48g,52.3mmol
)と1-(2-フェニルエチル)-ピペラジン(10.94g, 57.5mmol)を一緒にする[
熱発生]。乾燥ジメチルホルムアミド(55mL)と炭酸カリウム(7.95g,57.5mmol
)を加える。かきまぜながら、反応物を窒素下に75-85℃で7時間加熱する。氷
水(200mL)を加え、反応物をエーテル(250mL)で抽出する。有機抽出液を塩水(2x5
0mL)で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮すると茶色
の油を生じ、これは放置しておくと固化する。フラッシュ・クロマトグラフィ(
酢酸エチル/ヘキサン(50:50)、TLC Rf:0.3、次に100:0)によって精製すると、
4-(2-フエニルエチル)-1-(3-カルボキシ-2-フルオロフェニル)-ピペラジン(
10.24g)を黄色固体として生ずる。mp 85.5-87.5℃;1H NM
R (CDCl3)δ10.28(1H,s),7.45(1H,dt,J=6.4,8.2Hz).7.33-7.21(5H),6.86(1H,d,J
=8.1Hz),6.75(1H,dd,J=8.2,10.4Hz),3.16(4H,m),2.85(2H,m),2.76-2.66(6H);13C
NMR (CDCl3)δ187.48,187.41,165.96,l62.51,155.62,155.57,140.10,135.66,13
5.50,128.74,128.67,128.49,128.41,126.11,116.98,116.88,114.28,114.24,109.
45,109.16,77.20,60.28,53.53,53.43,53.06,52.97,33.57;19F NMR (CDCl3)δ-11
5.980(dd,J=32,51Hz);IR(CHCl3溶液)2832,1688,1609,1472,1450,1236,1005,75
4cm-1;Cl/MS (CH4) 313 (100%),221 (52%).
分析:C19H21FN2Oの計算値:C,73.05;H,6.78;N,8.97.測定値:C, 72.76; H, 6
.79; N, 8.74.
反応経路I、段階B:乾燥ジメチルホルムアミド(100mL)中の4-(2-フェニ
ルエチル)-1-(3-カルボキシ-2-フルオロフエニル)-ビペラシン(9.97g, 30.0
mmol)のかきまぜた溶液に、エチルメノレカブトアセテート(4.93mL,45.0mmol
)を窒素下に加える。反応物を氷浴で冷却し、水素化ナトリウム(60%油中分散
液1.80g, 45.0mmol)で3分間に処理する(ガス発生)。20分後に冷却浴を除く
。6時間後、追加量の水素化ナトリウム(0.18g)とエチルメルカプトアセチー
ト(0.5mL)を黄色の混濁した反応物に加える。24時間かきまぜ、水(300mL)
中に注ぐ。エーテル(500mL)で抽出し、抽出液を水(100mL)
、塩水(100mL)で洗い、無水硫酸マグネシウムて乾燥し、濾過し、真空下に濃
縮する。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィ (酢酸エチル/ヘキサン、50
:50、TLCRf=0.6)によって精製すると、表題化合物の遊離塩基(10.l5g)を黄色
固体として生ずる。mp 97.5-100.0℃;1H NMR (CDCl3)δ8.13(1H, s), 7.49(1H,
d, J=8.2Hz),7.38(1H, d, J=7.8Hz), 7.34-7.31(6H), 6.91(1H, d,J=7.5Hz), 4
.40(2H, q, J=7.1Hz), 3.22(4H, m), 2.89-2.72(8H), 1.42(3H, t, J=7.1Hz); 1 3
C NMR(CDCl3)δ 162.86, 150.09, 143.76, 140.21, 133.34, 131.95, 128.67,
128.53. 128.38, 127.84, 126.06, 116.86. 112.67,61.47, 60.44, 53.42. 52.3
4, 33.62, 14.31; IR (CHCl3溶液) 2824, 1707, 1456, 1283, 1258, 1238 cm-1
; CI/MS (CH4) 395 (100%), 303 (70%).
IC5o = 37nM (5HT1A結合親和性)
IC5o = 108 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C23H26N2O2Sの計算値:C, 70.02; H, 6.64: N,7.10.測定値:C, 69.82;
H, 6.73; N, 7.11.
表題比合物をつくる代わりの方法
反応経路II、段階A:エチル-4-(1-ビペラジニル)-ベンゾ[b]チオフエン-
2-カルボキシレートー塩酸塩(2.50g, 8.61mmol、実施例5で調製)をシメチル
スルホキシド(45mL)に溶解し、(2-ブロモエチル)-ベンゼン(1.20mL, 8.61m
mol)と重炭酸ナトリウム(0.72g, 8.6mmol)
を加える。反応物を室温で一夜、次に80℃で4時間かきまぜる。冷却後、飽和重
炭酸ナトリウム(50mL)、水(150mL)を加え、エーテル(4xl00mL)で抽出する
。エーテル抽出液を一緒にし、水(100mL)、塩水(100mL)で洗い、無水硫酸マ
グネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮する。残留物をフ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/へキサン、20:80、TLCRf=0.5、次に
40:60)によって精製すると、遊離塩基(2.20g)をオレンジ色の結晶として生ず
る。遊離塩基(0.95g)をシクロロメタン(2mL)とエタノール(50mL)に溶解し
、1M塩酸(2.5mL)を加え、真空下に濃縮する。固体をエーテル(20mL)ですり
砕くと、表題化合物(0.96g)を白色固体として生ずる。mp 237-240℃; 1H NM
R(DMS0-d6)δ 11.42(1H, bs), 8.11(1H, s), 7.77(1H, d,8.2Hz), 7.47(1H, t,
J=7.9Hz), 7.33(5H, m), 7.08(1H, d, J=7.6Hz), 4.37(2H, q, J=7.2Hz), 3.66(
2H, bd).3.57(2H, bd), 3.39(6H, m), 3.16(2H, m), 1.35(3H,t, J=7.0Hz), 13C
NMR (DMSO-d6)δ 161.88, 148.25, 142.82, 137.08, 132.63, 131.98, 128.66.
128.34, 127.83, 126.79. 118.00, 113.70, 61.50, 56.22, 51.05, 48.83, 29.
26, 14.18; IR(KBr) 1709, 1245, 755 cm-1;Cl/MS (CH4) 395 (100%), 303 (8
5%).
分析:C23H26N2O2S・HClの計算値:C, 64.10; H, 6.33; N, 6.50.測定値:C, 6
4.08; H, 6.30; N, 6.72.
実施例7
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メ
タノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-(2-フェニル
エチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート (1.
20g, 3.04mmol、実施例7で調製)と水素化アルミニウムリチウム(0.23g, 6.08
mmol)とから、表題化合物(1.05g)が淡褐色固体として調製される。mp 230-23
2℃。
1H NMR (DMSO-d6)δ 11.31(1H, bs), 7.62(IH, d, J=8.1Hz), 7.32(7H, m), 6
.95(1H, d, J=7.3Hz), 4.76(2H,s), 3.69(2H, bd), 3.55(2H, bd), 3.40(6H, m)
, 3.21(2H, m); 13C NMR (DMSO-d6)δ 146.68, 146.08, 140.27,137.07, 133.
24, 128.67, 126.80, 124.60, 117.73, 112.59, 58.91, 56.19. 51.21, 48.36,
29.30; IR (KBr)3282, 2545, 1447, 959 cm-1; Cl/MS (CH4) 335 (110%), 353
(95%).
IC5o = 0.6(2) nM (5HT1A結合親和性)
IC5o = 2.4(2) nM (5HT1D結合親和性)
分析:C21H24N2OS・HClの計算値:C, 64.85; H, 6.49;N, 7.20.測定値:C, 64
.59;H, 6.46; N, 7.23.
実施例8
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビベラシニル]-べンゾ[b]チオフェン-2-ニ
トリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例3と同様な方法で、エチル-4-[4-(2-フェニル
エチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフエン-2-カルボキシレート (1.
73g, 4.39mmol、実施例6で調製)、乾燥塩化アンモニウム(0.70g, 13.2mmol)
及びトルエン中の2Mトリメチルアルミニウム(6.6mL, 13.2mmol)から、表題化
合物(0.60g)は白色固体(mp 252-255℃)として調製される。遊離塩基は、フ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、 TLC Rf=0.4、
次にエタノール/酢酸エチル50:50)によって単離される。 1H NMR (DMSO-d6)
δ 11.39(1H, bs),8.51(1H, s), 7.82(1H, d, J=8.2Hz), 7.57(1H, t, J=8.0Hz)
, 7.34(5H, m), 7.11(1H, d. J=7.6Hz), 3.65(4H,
m), 3.38(6H, m), 3.16(2H, m); 13C NMR (DMSO-d6)δ148.03, 142.48, 137.05.
134.78, 131.42, 129.21, 128.65. 126.78, 117.53, 114.72, 113.99, 107.11.
56.09, 51.06, 48.49, 29.26; IR (KBr) 2215, 1564, 1456,960 cm-1; Cl/MS (
CH4) 348 (88%), 256 (100%).
IC5o = 4 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 18(2)nM(5HT1D結合親和性)
分析:C21H21N3S・HClの計算値:C, 65.70; H, 5.79;N, 10.94. 測定値:C, 6
5.44; H, 5.80;N, 10.92.
実施例9
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カ
ルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基が、実施例8の分離段階中に、フ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン40:60、Rf=0.1、次にエタ
ノール/酢酸エチル50:50)によっで単離されると、0.96gを生ずる。遊離塩基を
シクロロメクン(10mL)とエタノール(50mL)に溶解する。1M塩酸(3mL)を加
え、真空下
に濃縮する。固体をエーテル(50mL)ですり砕き、吸引濾過によって集めると、
真空下に120℃で2日間乾燥後、表題化合物(0.91g)を生ずる。mp>280℃。1H N
MR(DMSO-d6)δ11.44(1H, bs), 8.42(1H, s), 8.20(1H, s),7.67(2H, t
, J=4.0Hz), 7.34(6H, m), 6.99(1H, d, J=7.6Hz), 3.73(2H. bd), 3.64
(2H, bd), 3.39(6H, m), 3.17(2H, m); 13C NMR(DMSO-d6)δ163.21, 14
7.59, 141.98,139.15, 137.05, 133.13, 128.77, 128.66, 126.96,126.79, 123.
13, 117.50, 112.77, 56.07, 51.22, 48.33,29.36; 1R(KBr)1653, 1598, 1455
, 1394 cm-1; Cl/MS(CH4)366(100%).
IC50 = 0.5 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 1.6(2) nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.99 (5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C21H23N3OS・HClの計算値:C, 62.75; H, 6.03;N, 10.45. 測定値:C, 6
2.47; H, 6.10; N, 10.26.
実施例10
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-(
N-メチル-一カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:乾燥トルエン(10mL)中のメチルアミン塩酸塩(0.42g,
6.0mmol)の懸濁液に、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液、3.0mL, 6.0
mmol)を5分間に加える(激しいガス発生)。10分後、エチル-4-[4-(2-フェ
ニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(
1.24g, 3.0mmol、実施例6で調製)を加える。反応物を20℃で18時間、次に60℃
で6時間かきまぜる。冷却後、水(30mL)を注意深く加え、ジクロロメタン(4
×50mL)で抽出する。有機抽出液を一緒にし、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過し、真空下に濃縮する。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィ(エタノー
ル/酢酸エチル(0:100)、TLC Rf=0.4、次に20:80)によって精製する。遊離塩
基を熱いエクノール(50mL)に溶解し、1M塩酸(3.0mL)を加え、真空下に濃縮
する。熱いアセトニトリル(50mL)と少量のエーテルとから再結晶化させると、
表題化合物(1.10g)を淡褐色固体とし,て生ずる。mp 256-258℃;1H NMR(DMS
O-d6)δ11.36(1H, bs), 8.98(1H, m), 8.20(1H, s),7.68(1H, d, J=8.1
Hz), 7.42-7.28(7H), 7.00(1H, d,J=7.6Hz), 3.75(2H, m), 3.64(2H, m
), 3.40(m), 3.18(2H, m), 2.84(3H, d, J=4.5Hz); 13C NMR(DMSO-d6)
δ
161.81, 147.52, 141.58, 138.89, 137.03, 133.10, 128.68, 128.66, 126.87,
126.80, 122.26, 117.52, 112.86, 56.10, 151.27, 48.36, 29.37, 26.01; IR(
KBr)3271, 1651, 1547, 1456, 1251, 970 cm-1; Cl/MS(CH4)380(100%), 2
88(60%).
IC50 = 1 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 1 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 10.6 (25%)(5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:(C22H25N3OS・HClの計算値:C, 63.53; H, 6.31;N, 10.10. 測定値:C
, 63.45; H, 6.36; N, 10.40.
実施例11
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-(
N,N-ジメチル)-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例10と同様な方法で、エチル-4-[4-(2-フュニ
ルエチル)-1-ビベラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.
24g, 3.0mmol、
実施例6で調製)、ジメチルアミン塩酸塩(0.489g, 6.0mmol)とトリメチルア
ルミニウム(2Mトルエン溶液、3.0mL, 6.0mmol)とから、表題化合物(1.10g)
が白色固体(mp 253-255℃)として調製される。反応時間は、20℃で1.5時間で
あり、次に60℃で20時間である;1H NNR(DMSO-d6)δ11.48(1H, bs), 7.74(
1H, s), 7.70(1H, d,J=8.1Hz), 7.43-7.28(7H), 7.03(1H, d, J=7.6Hz),
3.75(2H, bd), 3.64(2H, bd), 3.42-3.23(m). 3.35(6H, s),3.23-3.03
(広域、マルチブレット); 13C NMR(DMSO-d6)δ 163.36, 147.44, 140.75, 13
7.08, 136.67, 132.56,128.65, 126.77, 126.73, 123.16, 117.41, 113.18, 56.
15, 51.07, 48.54, 29.25; IR(KBr)1616, 1454, 1392,752 cm-1; Cl/MS(
CH4) 394(100%), 302(55%).
IC50 = 2.3 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 3 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 9.01 (2%)(5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C23H27N3OS・HClの計算値:(C, 64.25; H, 6.56;N, 9.77. 測定値:C,
64.21; H, 6.60; N,9.79.
実施例12
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピベラジニル]-べンゾ[b]チオフェン-2-(
N-フェニル)-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:乾燥ジクロロメクン(10mL)中のアニリン(0.41mL, 4.
5mmol)の溶液に、窒素下にトリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液、2.25mL,
4.5mmol)を5分間に加える(緩慢なガス発生)。10分後、エチル-4-[4-(2-
フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレー
ト(1.24g, 3.0mmol、実施例6で調製)を加える。反応物を20℃で20時間かきま
ぜ、次に8時間還流させ、20℃で更に18時間かきまぜる。反応物を水(100mL)
中に注ぎ、プロパノール/ジクロロメタン(20:80, 50mL)を加え、30分かきま
ぜる。有機相を分離し、水相をプロパノール/ジクロロメタン(20:80, 50mL)
で再び抽出する。有機抽出液を一緒にし、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過
し、真空下に濃縮する。残留物をフラッシュ・クロマトグラフ
ィ(酢酸エチル/ヘキサン(40:60)、TLC Rf=0.3、次に50:50、続いて100:0)
によって精製すると、表題化合物の遊離塩基(1.26g)を黄色固体として生ずる
。1M塩酸(3.0mL)を加え、真空下に濃縮する。残留物をエーテル(30mL)です
り砕くと、表題化合物(1.36g)を白色固体として生ずる。mp 160-166℃; 1H N
MR(DMSO-d6)11.22(1H, bs), 10.92(1H, s),8.62(1H, s),7.87(2H, d,
J=7.5Hz), 7.73(1H, d, J=8.2Hz), 7.46-7.28(8H), 7.16(1H, t, J=7.3Hz
), 7.04(1H,d, J=7.6Hz), 3.76-3.66(4H), 3.30(2H, m), 3.19-3.13(2H
, m); 13C NMR(DMSO-d6) 160.31, 147.88, 142.00, 138.87, 138.59, 136.9
9, 133.19, 128.67, 128.59, 127.28, 126.80, 123.93, 123.92, 120.74, 117.5
7, 113.09, 56.10, 51.33, 48.48, 29.35; IR(KBr) 3431, 1649, 1599, 1539
, 1440, 1319, 1246, 754 cm-1; Cl/MS(CH4) 442(100%), 350(40%).
IC50 = 85 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 220 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.74 (0%)(5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C27H27N3OS・HCl・0.8H2Oの計算値:C, 65.85; H,6.05; N, 8.53. 測定
値:C, 65.81; H, 6.06; N, 8.51.
実施例13
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-(
N-フェニルメチル)-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例12と同様な方法で、エチル-4-[4-(2-フェニ
ルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.
24g, 3.0mmol、実施例6で調製)、ベンシルアミン(4.5mmol)及びトリメチル
アルミニウム((2Mトルエン溶液、2.25mL, 4.5mmol)から、表題化合物(1.26g
)は白色固体として調製される。(融点は190-220℃で徐々に軟化し、230℃で液
体となる。)反応物を18時間加熱還流し、ジクロロメタンで抽出する。遊離塩基
はフラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、50:50、TLC Rf=0.2
、次に100:0)で精製される。1H NMR(DMSO-d6)δ11.62(1H,bs), 9.73(1H,
bt, J=6.1Hz), 8.38(1H, s), 8.33(2H, bs). 7.69(1H, d, J=8.2Hz), 7.
43-7.25(12H), 7.00(1H, d, J=7.6), 4.53(2H, d, J=6.0Hz), 3.73-3.62
(4H), 3.45-3.34(6H), 3.20-3.15(2H, m); 13C NMR(DMSO-d6)δ
161.49, 147.65, 141.75, 139.37, 138.78, 137.07, 133.16, 128.66, 128.30,
127.31, 126.99, 126.83, 126.78, 122.73, 117.52, 112.90, 56.07, 51.22, 48
.34, 42.51, 29.30; IR(KBr) 3429, 3317, 2430, 1643, 1547,1446, 1427, 12
71, 754 cm-1; Cl/MS(CH4) 456(100%), 364(35%).
IC50 = 27 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 31 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 8.76 (0%)(5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C28H29N30S・22HClの計算値:C, 63.63; H, 5.91; N, 7.95. 測定値:
C, 63.53; H, 5.99; N, 7.95.
実施例14
エチル-4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路11、段階A:実施例6と同様な方法で、エチル-4-(1-ピペラシニル
)-べンゾ[b]チオフェン-2-カルボ
キシレート一塩酸塩(2.40g, 8.27mmol、実施例5で調製)、乾燥ジメチルスル
ホキシド(45mL)、1-ブロモ-3-フェニルプロパン(1.20mL, 8.27mmol)及び重
炭酸ナトリウム(0.69g, 8.27mmol)から、表題化合物(0.99g)は淡褐色固体と
して調製される。mp 210.5-213℃。表題化合物を温かいメタノール(10mL)から
再結晶化する。1H NMR(DMSO-d6)δ11.05(bs), 7.76(1H, d, J=8.2Hz),7.4
9(1H, t, J=7.9Hz), 7.28(5H, m), 7.06(1H, d, J=7.6Hz), 4.37(2H, q,
J=7.2Hz), 3.62(2H, bd), 3.53(2H. bd), 3.32(4H, m), 3.18(2H, m)
, 2.69(2H, m), 1.34(3H, t, J=7.1Hz); 13C NMR(DMSO-d6)δ161.86, 14
8.25, 142.82, 140.49, 132.62, 131.96, 128.41, 128.33,128.23, 127.86, 126
.11, 117.96, 113.65, 61.49, 55.24, 51.03, 48.76, 32.07, 24.71, 14.16; I
R(KBr) 2970, 1709. 1284, 1258 cm-1; Cl/MS(CH4)409(100%),408(75
%).
IC50 = 239 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 551 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C24H28N2O2S・HClの計算値:C, 64.78; H, 6.58; N, 6.29. 測定値:C,
64.71; H, 6.51; N, 6.02.
実施例15
4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-
メタノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-(3-フェニル
プロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.
60g, 9.92mmol、実施例14で調製)、乾燥テトラヒドロフラン(40mL)及び水
素止アルミニウムリチウム(0.30g, 7.83mmol)から、表題化合物(1.29g)が淡
褐色固体(mp 166-169℃)として調製される。1H NMR(DMSO-d6)δ11.02(1H,b
s), 7.61(1H, d, J=7.9Hz), 7.29(7H, m), 6.93(1H, d, J=7.5Hz). 5.62
(1H. bs),4.75(2H, s), 3.61(2H, bd), 3.49(2H, bd), 3.25(4H, m),
2.68(2H, t, J=7.7Hz), 2.10(2H, m); 13C NMR(DMSO-d6)δ146.62, 146
.06, 140.48, 140.24, 133.23, 128.40, 128.21, 126.09, 124.58, 117.73, 117
.56, 112.52, 58.89, 55.19, 51.19, 48.29, 32.05, 24.71; IR(KBr) 1454,
1014, 959, 699cm-1; Cl/MS(CH4) 349(100%), 367(98%).
IC50 = 1.8 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 23(2) nM (5HT1D結合親和性)
分析:C22H26N2OS・HClの計算値:C, 65.57; H, 6.77;N, 6.95. 測定値:C. 6
5.48; H, 6.84; N, 6.80.
実施例16
4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-
ニトリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:乾燥ジクロロメタン(100mL)を乾燥塩化アンモニウム
(0.820g, 15.3mmol)に加え、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液、7.8m
L, 15.3mmol)で処理する。30分後、乾燥ジクロロメタン(19mL)中のエチル-4-
[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カル
ボキシレート(2.09g, 5.12mmol,実施例14で調製)の溶液を反応物に加え、
還流下に19時間加熱する。冷却後、反応物を水(200mL)中に注意深く注ぎ、ジ
クロロメタン(4×100mL)で抽出する。有機抽出液を一緒にし、塩水(100mL)
で洗い、無水硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃
縮する。生ずる混合物から、フラッ
シュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC Rf=0.4)によっ
て遊離塩基を分離すると、0.69gを生ずる。遊離塩基をエタノール(25mL)に溶
解し、1M塩酸(2mL)で処理し、真空下に濃縮する。固体をエーテル(30mL)で
すり砕き、吸引濾過によって集めると、表題化合物(0.73g)をオフホワイト色
の固体として生ずる。mp 241-245℃(分解);1H NMR(DMSO-d6)11.19(1H, bs
), 8.48(1H, s), 7.81(1H, d, J=8.2Hz), 7.55(1H, t, J=7.9Hz), 7.28
(5H. m), 7.08(1H, d, J=7.6Hz), 3.55(4H,m), 3.21(6H, m), 2.69(2H
, t, J=7.8Hz), 2.10(2H, m); 13C NMR(DMSO-d6)δ148.07, 142.47, 140.
53, 134.77, 131.46, 129.22, 128.40, 128.22, 126.09, 117.50, 114.73, 113.
95, 107.08, 55.19, 51.06, 48.52, 32.06, 24.72; IR(KBr) 2969, 2231, 22
20, 1461,1455 cm-1; Cl/MS(CH4) 362(100%).
IC50 = 21 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 173 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C22H23N3S・HClの計算値:C, 66.40; H, 6.09;N, 10.56. 測定値:C, 6
6.35; H, 6.14; N, 10.60.
実施例17
4-[4-(3-フェニルプロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-
カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基は実施例16の反応からもつくら
れ、これをフラツシユ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC
Rf=0.1)によって混合物から分離すると、1.10gを生ずる。遊離塩基をエタノー
ル(50mL)に溶解し、1M塩酸(3mL)で処理し、真空下に濃縮する。固体をエー
テル(50mL)ですり砕き、吸引濾過によって集めると、表題化合物(1.08g)を
白色固体として生ずる。mp 194-196℃(分解)。1H NMR(DMSO-d6)δ11.12(1H
. bs), 8.37(1H, s),8.17(1H, s), 7.67(2H, d, J=8.2Hz), 7.31(5H, m
), 6.97(1H, d. J=7.6Hz), 3.64(2H, bd), 3.57(2H, d), 3.27(6H. m)
, 2.69(2H, t, J=7.7Hz), 2.12(2H, m); 13CNMR(DMSO-d6)δ163.18, 147
.58, 141.98, 140.49, 139.14, 133.15, 128.42, 128.23, 126.97, 126.12, 123
.13,117.50, 112.75, 55.16, 51.24, 48.32, 32.07, 24.79; IR(KBr) 1658,
1605, 1390 cm-1; Cl/MS(CH4) 380
(100%).
IC50 = 1 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 4.5(2) nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.78 (5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:(C22H25N3OS・HCl・0.25H2Oの計算値:C, 62.84;H, 6.37; N, 9.99.
測定値:C, 62.62; H. 6.33; N, 9.95.
実施例18
エチル-4-[4-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路11、段階A:実施例6と同様な方法で、エチル-4-(1-ピペラジニル
)-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩(4.63g, 14.2mmol、実
施例5で調製)、4-クロロフェネチルプロマイド(3.27g, 14.9mmol)、重炭酸
ナトリウム(2.44g, 29.1mmol)、及び乾燥
ジメチルスルホキシド(75mL)から、表題化合物(0.56g)は白色固体として調
製される。mp 263-266℃(分解)。表題化合物をメタノール(35mL)及びアセト
ニトリル(35mL)から再結晶化させる。1H NMR(DMSO-d6)δ10.76(1H, s), 8
.10(1H, s), 7.77(1H, d, J=8.0Hz), 7.44(5H, m), 7.08(1H, d, J=7.8H
z). 4.37(2H, q, J=7.0Hz)3.64(4H, m), 3.56(8H, m), 3.13(2H, m),
1.34(3H,t,J=7.1Hz),; 13C NMR(DMSO-d6)δ162.42, 151.71, 143.15, 132.
82, 130.94, 128.95, 128.86, 128.63, 128.34,117.59, 113.66, 113.59,61.97,
52.66, 51.40, 31.20, 24.06, 14.47; IR(KBr) 1714, 1448, 1282, 1246,75
4 cm-1; Cl/MS(CH4) 429(100%).
IC50 = 53 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 411 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 6.51 (5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C23H25ClN2O2S・HClの計算値:C, 59.36; H, 5.64; N, 6.02. 測定値:
C, 59.02; H, 5.59; N,5.96.
実施例19
4-[4-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チ
オフェン-2-メタノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-クロ
ロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[-]チオフェン-2-カルボキシ
レート(1.20g,2.80mmol、実施例18で調製)及び水素化アルミニウムリチウ
ム(0.21g, 5.6mmol)から、表題化合物(0.89g)が白色固体(mp 248-249℃)
として調製される。表題化合物をメタノール(25mL)とアセトニトリル(10mL)
から再結晶化させる。1H NMR(DMSO-d6)δ7.58(1H, d,J=8.8Hz),7.37(5H,
m),7.28(1H, t, J=7.9Hz),7.00(1H,d,J=7.8Hz).4.87(2H,s),4.07(
9H,m),3.15(3H, m);13C NMR(DMSO-d6)δ 147.91 . 147.51 , 143.38,136
.81, 135.92, 134.81, 132.01, 130.62, 126.45, 119.92, 119.85, 114.46, 61.
25. 59.20, 54.33, 51.01.31.17; 1R(KBr)3319. 2584, 1462, 1446. 958, 779
cm-1: Cl/MS (CH4)387(100%).
lC50 = 2 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 10 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C21H23ClN2OS+HClの計算値:C,59.58; H, 5.73: N,6.61.測定値:C,
59.59; H, 5.76; N, 6.58.
実施例20
4-[4-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チ
オフェン-2-ニトリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例3と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-クロ
ロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキ
シレート(1.60g,3.73mmol、実施例18で調製)、乾燥塩化アンモニウム(0.60
g, 11.2mmol)及びトルエン中の2Mトリメチルアルミニウム(5.6mL, 11.2mmol)
から、表題化合物(0.39g)は白色固体(mp 267-269℃)として調製される。
表題化合物の遊離塩基は、フラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサ
ン、50:50、TLC 酢酸エチル/ヘキサン(40:60)中Rf=0.4)によって単離される
。1H NM
R (DMSO-d6)δ 11.35(1H, bs),8.50(1H. s).7.82(1H,d, J=8.2Hz),7
.57(1H, t,J=8.0Hz),7.45(2H, d, J=8.4Hz).7.36(2H, d, J=8.4Hz).7.
10(1H. d, J=7.6Hz).3.63(4H, m).3.37(6H, m),3.17(2H, m):13C N
MR(DMSO-d6)δ148.02, 142.47. 136.12, 134.77. 131.45. 131.41, 130.58. 1
29.21. 128.58, 117.53, 114.72, 113.99. 107.10, 55.75, 51.10.48.53, 28.6
1; 1R (KBr)2430, 2218. 1458.958 cm-1;Cl/MS(CH4)382(100%).
lC50 = 13 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 31 nm(5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.37(34%)(5-HTI様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C21H20ClN3S+HClの計算値:C, 60.29; H, 5.07; N, 10.04.測定値
:C, 60.14; H, 5.05; N, 9.80.
実施例21
4-[4-[2-(4-クロロフュニル)エチル]-1-ビペラジニル]-ベンゾ[h]チ
オフェン-2-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基を実施例20の分離段階中に、フ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC Rf=0.1)に
よって分離すると、0.86gを生ずる。遊離塩基をジクロロメタン(15mL)とエタ
ノール(50mL)に溶解する。1M塩酸(2.1mL)を加え、真空下に濃縮する。固体
を温かいアセトニトリル(30mL)とメタノール(25mL)から再結晶させると、表
題化合物(0.84g)を淡褐色色固体として生ずる。mp 263.5-264.5℃。1H NMR (
DMSO-d6)δ11.36(1H, bs),8.39(1H, bs),8.19(1H, s),7.68(2H,d,J=
8.1Hz),7.40(5H, m),6.99(1H, d,J=7.5Hz),3.65(4H, m),3.38(6H,m
),3.17(2H, m);13C NMR (DMSO-d6)δ163.19. 147.56. 141.97, 139.13,
136.09, 133.11,131.47, 130.58, 128.59, 126.95. 123.10, 117.51, 112.78.
55.72,51.24, 48.30, 28.66; 1R(KBr)3340,1655, 1604, 1462, 1388 cm-1; C
l/MS (CH4)400(100%).
lC50 = 2 nM(5HT1A結合親和性)
lC50 = 14 nM(5HT1D結含親和性)
分析: C21H22ClN3OS+HClの計算値:C, 57.80; H, 5.32: N, 9.63.測定値:C
. 57.64:H, 5.31: N, 9.58.
実施例22
エチル 4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベン
ゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路II、段階A:実施例6と同様な方法で、エチル-4-(1-ピペラシニル
)-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩(5.5 g, 16.8 mmol、
実施例5で調製)、4-フルオロフエネチルブロマイド(3.42g, 16.8mmol)、重
炭酸ナトリウム(2.83g, 33.7mmol)、及ひ゛N,N-ジメチルホルムアミド(85mL
)から、表題化合物(0.83g、メタノール27mLとアセトニトリル15mLから再結晶化
)は白色固体として調製される。mp 265-270℃(分解)。1HNMR(DMSO-d6)δ11
.33(1H, bs).8.10(1H. s).7.76(1H,d,J=8.2Hz),7.50(1H, t, J=7.9Hz
),7.37(2H,m),7.20(2H. m),7.08(1H, d, J=7.6Hz),4.37(2H, q, J=
7.1Hz),3.69(2H,m),3.58(2H, m).3.37(6H, bm),3.15(2H, m),1.3
4(3H. t, J=7.1Hz):13C NMR (DMSO-d6)δ162.77, 161.87. 148.21, 142.83
, 132.63, 132.00,
130.59, 128.34, 127.83, 118.04, 115.56, 115.27, 113.73, 61.51, 56.16, 51
.14, 48.82, 28.46, 14.17; 19F NMR(DMSO-d6)δ -115.65: 1R (KBr) 1716
, 1512, 1446, 1282, 1246, 754 cm-1: CI/MS (CH4) 413 (100%).
lC50 = 7.4 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 120 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.53 (0%)(5-HTI様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C23H25FN2O2・HClの計算値:C, 61.53; H, 5.85; N, 6.24.測定値:C
, 61.40; H, 5.82; N, 6.18.
実施例23
4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ペンゾ[b]
チオフェン-2-メタノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-フル
オロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボ
キシレート(2.00g, 4.85mmol、実施例22で調製)及び水素化アルミニ
ウムリチウム(0.37g, 9.7mmol)から、表題化合物(1.67g、メタノール(20mL
)とアセトニトリル(8mL)から再結晶化)が白色固体(mp 238-240℃)として
調製される。1H NMR(DMSO-d6)δ11.38(1H, bs),7.62(1H,d,J=7.9Hz),7.
37-7.17(2H, s),3.66(2H, bm),3.51(2H,bm),3.34(6H. bm),3.16(2
H, bm);13C NMR (DMSO-d6)δ162.76, 159.54, 146.67, 146.10, 140.28, 13
3.25,130.59, 124.61, 117.67, 115.55, 115.27, 112.58, 58.92, 56.18, 51.
24, 48.36,28.48: 19F NMR (DMSO-d6)δ -155.65; 1R (KBr)3313, 1510, 1
462, 1219, 958 cm-1; Cl/MS(CH4)371 (100%),353 (96%),261(85%
).
lC50 = 3(2)nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 3 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C21H23FN2OS・HClの計算値:C, 61.98;H,5.96; N, 6.88.測定値:C, 62
.04; H, 6.02; N,6.86.
実施例24
4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]
チオフェン-2-ニトリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例3と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-フル
オロフュニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボ
キシレート(3.00g, 7.27mmol、実施例22で調製)、トリメチルアルミニウム
(トルエン中の2M溶液11.0mL, 21.8mmol)、乾燥塩化アンモニウム(1.17g, 21.
8mmol)及び無水ジクロロメタン(142mL)から、表題化合物(0.64g、メタノー
ル15mLとアセトニトリル6mLから再結晶化)は白色固体(mp 265℃、分解)とし
て調製される。遊離塩基は、フラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキ
サン、40:60、TLC Rf=0.4)によって単離される。1H NMR(DMSO-d6)δ11.54(1H
, bs),8.51(1H. s),7.82(1H, d, J=8.2Hz),7.57(1H, t, J=8.0Hz),
7.37(2H, m), 7.21(2H,m),7.10(1H, d,J=7.6Hz),3.64(4H, bm),3.
67(6H,bm), 3.16(2H, bm); 13C NMR (DMSO-d6)δ 162.73, 159.51, 148
.03, 142.46, 134.77, 133.24, 131.41, 130.55,129.20, 117.51. 115.52. 115.
23, 114.72, 113.96,107.09, 56.02. 51.04, 48.45. 28.40; 19F NMR (DMSO-d6
)δ -115.65: |R (KBr) 2551. 1510, 1454, 1446 cm-1: C|/MS (CH4)
366 (100%).
|C50 = 10 nM (5HT1A結合親和性)
|C50 = 21nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 8.17(9%)(5-HT1様のもので媒介された犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C21H20FN3S・HClの計算値:C, 62.76; H, 5.28;N, 10.45.測定値:C,
62.61; H, 5.38; N, 10.39.
実施例25
4-[4-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-1-ピペラシニル]-ペンゾ[b]
チオフェン-2-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基を実施例24の分離段階中に、フ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC Rf=0.1)に
よって分離すると、1.90gを生ずる。遊離塩基をエタノール(50mL)に溶解し、1
M塩酸(5mL)を加え、真空下に濃縮する。固体をメタノール(35mL)とアセトニ
トリル(20mL)から再結晶化させると、表題化合物(1.83g)を白色固体として
生ずる。mp 286-292℃(分解)。1HNMR (DMSO-d6)δ 11.43(1H, bs), 8.4
2(1H. s), 8.20(1H,
s),7.68(2H, d, J=8.1Hz), 7.42-7.34(3H. m), 7.24-7.18(2H,m),6.
99(1H,d,J=7.6Hz), 3.67(4H, bm),3.38(6H, bm), 3.17(2H, bm); 1 3
C NMR (DMSO-d6)δ 163.21, 162.77, 159.54, 147.59, 141.99, 139.15, 13
3.19,130.59, 126.97, 123.15, 117.53, 115.56, 115.27,112.79, 55.98, 51.24
,48.33, 28.53; 19F NMR(DMSO-d6)δ -115.61; |R (KBr) 3331, 1653,
1601, 1510, 1458,1392, 1222 cm-1: |C/MS (CH4) 384 (100%).
|C50 = 0.8 (2) nM (5HT1A結合親和性)
|C50 = 6 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C21H23FN3OS・HClの計算値:C, 60.07; H, 5.53; N, 10.00.測定値
:C,60.18; H,5.58;H,10.01.
実施例26
エチル-4-[4-[2-(4-メチルフエニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[
b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩の訓製
反応経路II、段階A:実施例6と同様な方法で、エチ
ル-4-(1-ピペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸
塩(4.63g, 14.2mmol、実施例5で調製)、4-メチルフェネチルアロマイト (0
.77g, 3.9mmol)、及び重炭酸ナトリウム(0.65g, 7.7mmol)から、表題化合物
(0.97g)が調製される。mp 267-270℃(分解)。表題化合物をアセトニトリル
/メタノールから再結晶化させた。1H NMR (DMSO-d6)δ 10.70(1H, bs),
8.10(1H,s),7.76(1H, d, J=7.9Hz),7.50(1H, t, J=7.9Hz),7.19(4H,
m), 7.08(1H, d, J:7.8Hz), 4.18(2H. q, J=7.0Hz), 3.69-3.56(4H,
bm), 3.07(2H, bm),2.29(3H, s),1.34(3H, t, J=7.0Hz): 13C NMR
(DMSO-d6)δ 161.89,148.20, 142.83, 135.89, 133.80, 132.62, 132.00, 12
9.20. 128.54. 128.34, 127.84. 118.06, 113.73, 61.50, 56.33, 51.19. 48.92
, 28.93, 20.61, 14.18: lR (KBr) 1711, 1282, 1246, 754 cm; Cl/MS (C
H4) 409 (100%).
分析: C24H28N2O2S・HClの計算値:C, 64.78;H, 6.58; N,6.29.測定
値:C, 64.68; H,6.66; N, 6.20.
実施例27
4-[4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チ
オフェン-2-メタノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-メチル
フェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシ
レート(1.20g,2.80mmol、実施例26で調製)及び水素化アルミニウムリチウ
ム(0.24g, 6.4mmol)から、表題化合物(1.02g)が白色針晶として調製される
。mp 243-245℃(分解)。表題化合物はメタノール(25mL)とアセトニトリル(
5mL)から再結晶化される。1H NMR (DMSO-d6)δ 10.76(1H, bs), 7.62(1H
, d, J=7.8Hz), 7.23(6H, m), 6.95(1H, d, J:7.8Hz), 5.66(1H, bs)
. 4.76(2H, d, J=4.5Hz), 3.69(2H, m),3.54(2H,m), 3.37(4H,m),
3.21(2H,m),3.07(2H, m), 2.29(3H, s); 13C NMR (DMSO-d6)δ 14
6.64, 146.04, 140.23, 135.87, 133.23, 129.18,128.53. 124.59, 117.71, 117
.61, 117.63, 112.58, 58.90, 56.30, 51.26, 48.42.28.95,20.59; lR(KBr)
2578, 1462. 959. 777 cm-1: Cl/MS (CH4) 367 (100%),349 (83%).
lC50 = 3 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 1 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C22H26N2OS・HClの計算値:C, 65.57; H, 6.77; N, 6.95. 測定値
:C, 65.31; H, 6.72; N,7.03.
実施例28
4-[4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]-1-ピペラシニル]-ベンゾ[b]チ
オフェン-2-ニトリル一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:実施例3と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-メチ
ルフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキ
シレート(1.30g,3.l8mmol、実施例26で調製)、乾燥塩化アンモニウム(0.5
1g, 9.6mmol)、及びトリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液4.8mL, 9.6mmo
l)から、表題化合物(0.28g)は白色固体(mp 260.5-264.0℃)として調製され
る。表題化合物の遊離塩基は、フラッシュ・クロマ
トグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン(40:60)、TLC Rf=0.4)によって単離され
る。1H NMR (DMSO-d6)δ 11.48(lH, bs), 8.51(1H, s). 7.82(1H, d,
J=8.2Hz),7.56(1H,t, J=7.9Hz), 7.19(4H,m),7.10(1H, d, J=7.6Hz)
,3.65(4H,m),3.45(6H,m).3.11(2H,m),2.29(3H,s);13C NMR (DMSO
-d6)δ 148.03, 142.47, 135.82, 134.78,133.93, 131.41, 129.17, 128.52,
117.51, 114.72,113.96, 107.09, 56.20, 51.03,48.47, 28.83,20.59;lR (KBr
) 2539, 2448, 1564, 1458, 959 cm-1; Cl/ MS(CH4) 362 (100%).
lC50 = 4 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 56 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C22H23N3S・HCIの計算値:C, 66.40; H, 6.09;N, 10.56.測定値:C,
66.15; H, 6.06; N, 10.58.
実施例29
4-[4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]-1-ビペラジニル]-ペンゾ[bコチ
オフェン-2-カルボキサミド一塩酸塩の調製
反応経路I、段階E:表題化合物の遊離塩基を実施例28の分離段階中に、フ
ラッシュ・クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン、40:60、TLC Rf=0.4)によ
って分離すると、0.63gを生ずる。遊離塩基をシクロロメタン(10mL)とエタノ
ール(50mL)に溶解する。1M塩酸(1.1mL)で処理し、真空下に濃縮する。固体
をエーテルですり砕くと、表題化合物(0.77g)を淡褐色色固体として生ずる。m
p>260℃(分解)。1H NMR (DMSO-d6)δ11.32(1H, bs), 8.40(1H, bs),
8.19(1H, s), 7.67(2H,d, J=8.2Hz), 7.39(1H, t, j=7.9Hz), 7.19(
4H, m),6.99(1H, d, J=7.5Hz). 3.67(4H, m), 3.37(6H, m), 3.11(
2H, m), 2.29(3H, s): 13C NMR (DMSO-d6)δ 163.18,147.56, 141.96,
139.13, 135.85. 133.86, 133.11, 129.19, 128.52. 126.95, 123.10, 117.49,
112.76, 56.17,51.20, 48.32, 28.93, 20.59; IR(KBr) 3162, 1661,1605, 1
395 cm-1; Cl/MS (CH4)380 (100%).
lC50 = 1 nM(5HT1A結合親和性)
lC50 = 3 nM(5HT1D結合親和性)
分析: C22H25N3OS・HCI・0.32CH30H・0.57H2Oの計算値:C, 61.42; H,6.56
; N, 9.63.測定値:C, 61.72; H,6.53; N, 9.72.
実施例30
エチル-4-[4-[2-(4-メトキシフエニル)エチル]-1-ビペラジニル]-ベン
ゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩の調製
反応経路II「段階A:実施例6と同様な方法で、エチル-4-(1-ピペラジニル
)-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート一塩酸塩(5.04g, 15.4mmol、
実施例5で調製)、4-メチルフェネチルアロマイド(3.45g,16.2mmol)、及び
重炭酸ナトリウム(2.59g, 30.8mmol)から、表題化合物(0.56g、メタノール1
0mLとアセトニトリル50mLから再結晶化)が白色固体として調製される。mp 249-
251℃。 1H NMR (DMSO-d6)δ 11.26(1H, bs), 8.11(1H,s), 7.76(1H,
d, J=8.1Hz), 7.50(1H, t, J=7.9Hz),7.23(1H, d, J=8.5Hz). 7.08(1
H, d. J=7.6Hz). 6.93(1H,d, J=8.7Hz), 4.37(2H, q, J=7.1Hz), 3.7
5(3H, s),3.62(4H, m), 3.36(6H,m), 3.09(2H,m), 1.35(3H, t, J
=7.1Hz): 13C NMR (DMSO-d6) 161.86, 158.11, 148.24,142.80, 132.5
9, 131.95, 129.67, 128.76, 128.32,1
27.80, 117.96, 114.06, 113.66, 61.47, 56.48, 55.02,51.05, 48.79
, 28.41, 14.14; IR(KBr) 1709, 1515,1449, 1284, 1246 cm-1; Cl/M
S (CH4) 425 (100%).
lC50 = 74 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 73 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C24H28N2O3S・HCI・0.25H2Oの計算値:C, 61.92;H, 6.40; N, 6.
02, 測定値:C, 62.07; H, 6.37; N, 6.15.
実施例31
4-[4-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]
チオフェン-2-メタノール一塩酸塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-[2-(4-メト
キシフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボ
キシレート(1.30g, 3.06mmol、「実施例30で調製)及び水素化アルミニウム
リチウム(0.23g, 6.12mmol)から、表題化合物(0.69g、メタノーノル(25mL
)とアセトニトリル(5mL)から
再結晶化)がかすかな青緑色の結晶(mp 236.5-238℃)として調製される。1H N
MR (DMSO-d6)δ 11.01(1H, bs),7.62(1H, d, J=7.9Hz), 7.27(4H, m)
, 6.90(3H, m),5.67(1H,m), 4.76(2H,s),3.75(3H, s),3.68(2H,
m),3.58(2H, m), 3.31(6H, m), 3.07(2H, m); 13C NMR (DMSO-d6)
δ 158.14, 146.66, 146.09, 140.26, 133.24, 129.71, 124.60, 117.12
, 117.61, 114.09, 112.58, 58.91, 56.49, 55.06, 51.28, 48.38, 28.
49; IR (KBr) 1514, 1463, 1258, 1250, 1033 cm-1; CI/MS (CH4) 383
(95%), 365 (100%).
lC50 = 1 nM (5HT1A結合親和性)
lC50 = 2 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C22H26N2O2S・HCIの計算値:C, 63.07; H, 6.51; N, 6.68.測
定値:C, 62.84; H, 6.52; N, 6.79.
実施例32
エチル-4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフ
ェン-3-メチル-2-カルボキシレートの調製
反応経路I、段階A:実施例1、段階Aと同様な方法で、2,6-シフルオロアセ
トフエノン(6.91g, 32.0mmol)、1-ベンジルピペラジン(6.63mL, 38.4mmol
)、炭酸カリウム(5.3g,38.4mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(9 mL)か
ら、4-(2-フェニルエチル)-1-(3-フルオロ-2-アセチル-1-フェニル)ビペラ
ジン(4.60g)が黄色結晶として得られる。mp 89-90℃ 。 1H NMR (CDCl3)δ
7.34-7.19(6H,m), 6.87(1H. d,J=8.2Hz), 6.78(1H,t,J=8.0Hz),
3.04(4H,m), 2.86-2.80(2H,m), 2.68-2.62(6H,m), 2.58(3H,s)
; 13C NMR (CDCl3)δ201.31, 160.43,157.14,151.67,151.58,140.12,1
31.11,130.97,128.66,128.40,126.10,114.97,114.92,110.63,110.33,
60.32,53.36,52.89,33.59, 31.53; 19F NMR (CDCl3)δ-117.139(bt,J=3
7Hz);IR (KBr) 2812,1690,1607,1455,1257,1133,992,795,758,708
cm-1; Cl/MS (CH4)327(100%),235(67%).
分析:C20H23FN20の計算値:C,73.59;H,7.10:N,8.58.測定値:C,73.46
;H,7.19;N,8.61.
反応経路I、段階B:実施例1、段階Bと同様な方法で、4-(2-フェニルエチ
ル)-1-(3-フルオロ-2-アセチル-1-フェニル)ピペラジン(4.83g,14.8mmol)
、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)、エチル2-メルカブトアセテート(
2.76mL,23.0mmol)及び水素化ナトリウム(60%油中懸濁液0.92g,23mmol)か
ら、表題化合物(1.
0lg)は黄色固体として調製される。mp92.5-94.5℃。1H NMR(CDCl3)δ7.52(1
H,dd,J=1.0,7.9Hz),7.38-7.19(6H),7.08(1H,dd,J=0.7,7.7Hz),4.
38(2H,q,J=7.1Hz),3.15(2H,m),3.12(3H,s),3.02(4H,m),2.51
(2H,m),1.41(3H,t,J=7.1Hz);13C NMR(CDCl3)δ163.59,152.29,142
.66,142.61,140.25,134.09,128.78,128.76,128.71,128.42,127.43,126
.09,125.94,118.36,115.07,60.97,60.53,53.69,53.11,33.71,15.99,1
4.34;Cl/MS(CH4)409(100%),317(62%).
分析:C24H28N2O2S2の計算値:C,70.56;H,6.91;N,6.86.測定値:C,70.
75;H,7.18;N,6.56.
実施例33
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-べンゾ[b]チオフェン-3-メ
チル-2-メタノール一塩酸塩半水塩の調製
反応経路I、段階D:実施例2と同様な方法で、エチル-4-[4-(2-フェニル
エチル)-1-ピペラジニル]−べンゾ
[b]チオフェン-3-メチル-2-カルボキシレート(950mg,2.33mmol、実施例32
で調製)及び水素化アルミニウムリチウム(177mg,4.6mmol)から、表題化合物
(0.75g)が白色結晶(mp254-256℃)として調製される。1H NMR(DMSO-d6)δ1
1.42(1H,bs),7.67(1H,d,J=7.8Hz),7.39-7.23(6H),7.09(1H,d,J=
7.5Hz),5.62(1H,bs),4.73(2H,s),3.65(2H,m),3.43-3.20(1OH),
3.18-3.12(2H,m),2.61(3H,s);13C NMR(DMSO-d6)δ148.03,140.85,1
39.89,137.14,134.30,128.62,126.74,126.12,124.04,119.27,115.03,5
7.13,56.35,51.02.29.29,13.72;1R(KBr)3376,1456,1153,957,746,70
2cm-1;Cl/MS(CH4)367(85%),349(100%),275(60%).
lC50=9nM(5HT1A結合親和性)
lC50=31 nM(5HT1D結合親和性)
分析:C22H26N2OS・HCl・0.5H2Oの計算値:C,64.15;H,6.87;N,6.80.測
定値:C,63.81;H,6.85;N,6.68.
実施例34
エチル4-[(4-プロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カル
ボキシレート塩酸塩
乾燥ジメチルホルムアミド中の4-(1-ピペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン
-2-カルボキシレート塩酸塩(3.27g,10.0mmol)のかきまぜた溶液に、窒素下に
、重炭酸ナトリウム(1.68g,20.0mmol)と1-ブロモプロパン(1.
36mL,15mmol)を加える。20℃で24時間後、反応物を60℃で4時間加熱し、冷却
し、水(75mL)で処理し、エーテル(2×100mL)で抽出する。一緒にした抽出液
を水(50mL)、次に塩水(50mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで
乾燥し、真空中で濃縮する。クロマトグラフィ(酢酸エチル)により、放置して
おくと固化する黄オレンジ色の油(2.85g)として、Rf=0.2の成分を生ずる。1H
NMR(CDCl3):8.12(1H,d.J=0.7Hz),7.48(1H,dd,J=0.8,8.1Hz),7.36
(1H,app.t,J=7.9Hz),6.89(1H,dd,J=0.7,7.5Hz),4.41(2H,q,J=7.1
Hz),3.20(4H,m),2.71(4H,m),2.45-2.40(2H,m),1.62-1.54(2H,m
),1.42(3H,t,J=7.1Hz),0.95(3H,t,J=7.1Hz)ppm.13C NMR(CDCl3)
:162.91,150.20,143.75,133.33,131.87,128.61,127.87,116.79,112.64
,61.48,60.71,53.47,52.37,20.05,14.33,11.97ppm.IR (KBr):2959,171
3,1252,1235,1180,1155,1070,754 cm-1,CIMS(メタン):333(100%),
332(71%).
分析:C18H24N2O2Sの計算値:C,65.03;H,7.28;N,8.43,測定値:C,65.2
8;H,7.23;N,8.56,融点:57-61℃
一部(0.50g,1,5mmol)をエタノール(20mL)に溶解し、1.0M塩酸水溶液(0.
55mL)で処理し、真空中で薄い黄色の固体まで濃縮する。これをアセトニトリル
ですり砕き、真空中で乾燥すると、表題化合物(0.43g)を生
ずる。1H NMR(DMSO-d6):11.14(1H,bs),8.10(1H,s),7.76(1H,d,J=
8.1Hz),7.50(1H,app.t,J=8.0Hz),7.06(1H,d,J=7.5Hz),4.37(2H,q
,J=7.OHz),3.61-3.51(4H),3.34(8H,m),3.10(2H,m),1.79(2H,m
),1.35(3H,t,J=7.lHz),0.95(3H,t,J=7.3Hz)ppm,13CNMR(DMSO-d6)
:161.88,148.27,142.81,132.60,131.95,128.34,127.85,117.97,113.63
,61.50,57.01,50.94,48.71,16.58,14.17,10.97ppm. IR(KBr):3428,2
969,2582,2515,1717,1462,1251,754 cm-1.Cl/MS(CH4):333(100%),
332(71%).
lC50=104 nM (5HT1A結合親和性)
lC50=416 nM (5HT1D結合親和性)
pA2=6.78(12%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C18H24N2O2S・HClの計算値:C,58.60;H,6.83;N,7.59. 測定値:C,
58.56;H,6.94;N,7.47.融点:242-244℃(分解)
実施例35
4-[(4-プロピル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メタノール
塩酸塩
無水テトラヒドロフラン(33mL)中の4-[(4-プロピル)-1-ピペラジニル]
−ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.10g, 3.30mmol、実施例34
)の磁気かきまぜ溶液に、窒素下に、水素化アルミニウムリチウム(0.15
0g,3.96mmol)を加える。20℃で3時間後、水(0.15mL)、10%水酸化ナトリウ
ム(0.22mL)、及び水(0.45mL)で注意深く、次々に反応物を処理する。目の荒
い濾紙に通して濾過し、濾液を水(50mL)で処理し、2-プロパノール/ジクロロ
メタンの20:80混合物(3×50mL)で抽出する。抽出液を乾燥(MgSO4)し、真空
中で湿った固体まで濃縮し、これをアセトニトリルですり砕くと、オフホワイト
色の固体(0.72g)を生ずる。この固体をエタノール(20mL)に溶解し、1.0M塩
酸水溶液で処理し、真空中で濃縮し、エタノール(20mL)、次に4:1アセトニト
リル/エタノール(20mL)から再結晶化させ、生ずる固体をアセトニトリルです
り砕くと、表題化合物を白色固体(0.73g)として生ずる。1H NMR(DMSO-d6):
11.12(1H,bs),7.62(1H,d,J=8.0Hz),7.31(1H,s),7.27(1H,d,J=7
.8Hz),6.93(1H,d,J=7.6Hz),5.70(1H,bs),4.75(2H,s),3.59(2H
,bd,J=8.6Hz),3.50(2H,bd,J=8.6Hz),3.27(4H,m),3.11(2H,m).
1.79(2H,m),0.96(3H,t,J=7.2Hz)ppm.13C NMR(DMSO-d6):146.63,14
6.10,140.27,133.23,124.61,117.77,117.60,112.52,58.84,56.94,51.0
8,48.27,16.60,10.98ppm.lR(KBr):3250,1570,1462,1418,1012,964,
777cm-1.Cl/MS(CH4):291(83%),290(100%),273(100%),261(60
%).
lC50=34 nM(5HT1A結合親和性)
lC50=66 nM(5HT1D結合親和性)
分析:C16H22N20S・HClの計算値:C,58.79;H,7.09;N,8.57.測定値:C,5
8.85;H,7.14;N,8.56.融点:221-223℃.
実施例36
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラシニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-(
N-エチル)カルボキサミド塩酸塩
実施例10の手順と規模に従って、但しアミンとしてエチルアミンを使用して
、表題化合物をつくった。酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにより、Rf=0
.4(ストリーキング)の成分が得られ、これをやや黄色の固体(1.l7g)として
単離した。これをエタノール(50mL)に溶解し、1.0M塩酸水溶液で処理し、真空
中で濃縮し、次にアセトニトリル(3×50mL)から再濃縮して、表題化合物を沈
殿させることにより、塩酸塩に転化した。生成物を60℃で8時間真空乾燥した(
1.21g)。1H NMR (DMS0-d6):11.32(1H,bs),9.03(1H,m),8.19(1H,s
),7.68(1H,d,J=8.1Hz),7.42-7.26(6H),7.00(1H,d,J=7.6Hz),3.
73(2H,m),3.63(2H,bd),3.47-3.31(9H),3.17(2H,m),1.17(3H,t
,1=7.2Hz)ppm. 13C NMR (DMSO-d6):161.13,147.54,141.61,139.18,
137.02,133.16,128.67,126.85,126.82,122.15,117.56,112.92,56.08,
51.27,48.39,34.01,29.38,14.92 ppm. IR(KBr):3432,3271,2378,164
7,1458,1439,1283,9
59,752 cm-1.Cl/MS(CH4):394(100%),302(45%).
分析:C23H27N3OS・HClの計算値:C,64.25;H,6.56;N,9.77.測定値:C,64
.05;H,6.70;N,9.63.
実施例37
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラシニル]−ベンゾ[b]チオフェン-2-
(0-メチル)-メタノール塩酸塩
乾燥ジメチルホルムアミド(10mL)中の4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペ
ラシニル]-ベンゾ[b]チオフュン-2-メタノール(725mg,2.06mmol)のかきま
ぜた溶液に、窒素下に、水素化ナトリウム(60%油中懸濁液、未洗浄、124mg,3
.1mmol)を加える。10分後、ヨウ化メチル(0.145mL,2.3mmol)を加える。30分
後、反応物を水(80mL)に添加して停止さ仕、エーテル(1.0mL)で抽出する。
抽出液を水(50mL)、次に塩水(50mL)で洗い、次に硫酸マグネシウム/硫酸ナ
トリウムで乾燥し、真空中で固体まで濃縮する。クロマトグラフィ(酢酸エチル
/ヘキサン)により、ややガラス状の固体(630mg)として単離されるRf=0.5の
成分を生ずる。この生成物600mgのエタノール(20mL)及U1.0M塩酸水溶液(1.9
mL)中の溶液を真空中で濃縮することによって、これを塩酸塩に転化する。アセ
トニトリルから再結晶化させると、薄い黄色固体(455mg)として表題化合物を
生ずる。1H NMR(DMSO-d6):11.44(1H,bs),7.62(1H,d,J=8.1Hz),7.43
(1H,d,J=0.6Hz),7.40-7.28(7H),6.97(1H,d,J=7.2
Hz),4.71(2H,d,J=0.6Hz),3.70(2H,bd),3.55(2H,bd),3.43-3.27
(9H),3.17(2H,m)ppm. 13C NMR(DMSO-d6):146.35,141.33,140.74,1
37.06,132.93,128.67,128.65,126.80,125.14,120.49,117.60,112.74,6
8.85.57.41,56.12,51.13,48.36,29.28ppm. IR(KBr):3437,2434,1464
,1370,1132,1092,963,702cm-1.Cl/MS(メタン):367(100%),366(74
%),335(86%),275(86%).
lC50=5 nM (5HT1A結合親和性)
lC50=9 nM (5HT1D結合親和性)
pA2=8.03(0%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C22H26N2OS・HClの計算値:C,65.57;H,6.75;N,6.95. 測定値:C,6
5.84;H,6.73; N,7.07.融点:235-237℃。
実施例38
4-[4-ブロビル-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-[N-メチル]-
カルボキサミド塩酸塩0.4水塩
実施例10の手順と規模(エステル3.3mmol)に従って、表題化合物をつくる
が、但しアミンとしてメチルアミン塩酸塩、及び出発エステルとしてエチル4-[
(4-プロピル)-1-ピベラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート
を使用する。抽出の仕上げは2-ブロパノール/シクロロメタン(20:80)を使用
して行なわれる。エ
タノール/酢酸エチル(20:80)を使用するクロマトグラフィにより、Rf=0.2(
ストリーキング)の成分を生じ、これをやや黄色の固体(0.96g)として単離す
る。これをエタノール(50mL)に溶解し、1.1当量の1.0M塩酸水溶液で処理し、
真空中で濃縮し、次にアセトニトリル(3×50mL)から再濃縮することにより、
塩酸塩に転化する。エタノール/アセトニトリルから再結晶化し、アセトニトリ
ルですり砕き、真空中70℃で8時間乾燥すると、表題生成物を白色結晶(1.03g
)として生ずる。1H NMR(DMSO-d6):10.96(1H,b),8.98(1H,m),8.19(
1H,m),7.67(1H,d,J=8.0Hz),7.39(1H,d,J=7.8Hz),6.98(1H,d,J=
7.7Hz),3.61(4H,appt. J=12Hz),3.37-3.24(4H),3.14(2H,m),2.83
(3H,m),1.80(2H,m),0.96(3H,t,J=7.4Hz)ppm.13C NMR(DMSO-d6
):161.77,161.69,147.50,141.55,138.87,138.81,133.09,126.85,122.
27,117.50,112.80,56.92,51.20,26.20,16.67,10.97ppm. IR (KBr):34
41,3270,1640,1626,1551,972cm-1. Cl/MS(CH4):318(100%),317(4
0%).
分折:C17H23N30S・HCl・0.4H2Oの計算値:C,56.54;H,6.92;N,11.64.測
定値:C,56.71;H,7.05;N,11.55.
実施例39
4-[4-メチル-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-
2-メタノール塩酸塩
乾燥テトラヒドロフラン(32mL)中のエチル4-[4-メチル-1-ピペラジニル]-
ペンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.04g,3.20mmol)のかきまぜた
溶液を、窒素下に、水素化アルミニウムリチウム(242mg,6.4mmol)で処理する
。1時間後、水(30mL)、塩化ナトリウム及び20:80 2-ブロパノール/シクロ
ロメタン(60mL)を加え、反応物を1時間かきまぜる。反応物を更に2回分の2-
プロパノール/ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。
0:50:50、次に5:50:50のジエチルアミン/エタノール/酢酸エチルでのクロ
マトグラフィにより油を生じ、一夜で固化する(0.75g)。エタノールから数回
再濃縮し、続いてエタノール(30mL)に溶解し、1.0M塩酸(3mL)で処理し、真
空中で濃縮すると表題化合物を生ずる。アセトニトリル/メタノールから再結晶
化させると白色固体(0.66g)を生ずる。1HNMR(DMSO-d6):11.19(1H,bs),
7.62(1H,d,J=8.0Hz),7.31(1H,d,J=0.9Hz),7.26(1H,t,J=7.9Hz),
6.94(1H,dd,J=0.7,7.6Hz),5.70(1H,bm),4.75(31,s),3.54-3.15(
8H),2.85(3H,s)ppm.13C NMR(DMSO-d6):146.60,146.08,140.25,133.
25,124.59,117.75,117.59,112.60,58.85,52.69,48.37,42.02ppm. IR
(KBr):3327,2444,1570,1456,1248,1014,781cm-1. Cl/MS(CH4):263
(62%),262(70%),245(100%).
lC50=16 nM (5HT1D結合親和性)
分析:C14H18N2OS・HClの計算値:C,56.27;H,6.41;N,9.37.測定値:C,
56.15;H,6.43;N,9.34.融点:204-205℃。
実施例40
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-(
N-メチル-N-メトキシ)-カルボキサミド塩酸塩
実施例10の手順と規模に従って、表題化合物をつくるが、但しアミンとして
5当量のN,0-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、及び5当量のトリメチルアル
ミニウム、また溶媒としてテトラヒドロフランを使用する。反応物を約20℃で22
時間かきまぜる。ヘキサン/酢酸エチル(50:50、次に0:100)を使用するクロ
マトグラフィにより、Rf=0.4(酢酸エチル)の成分を生じ、これをやや黄色の固
体(0.88g)として単離する。1H NMR(CDCl3):8.33(1H,d,J=0.7Hz),7.51
(1H,d,J=8.1Hz),7.37(1H,t,J=7.8Hz),7.35-7.20(5H),6.91(1H,d
d,J=0.7,7.7Hz),3.84(3H,s),3.44(3H,s),3.26(4H,m),2.92-2.
71(8H)ppm.13C NMR(CDCl3):162.61,149.83,144.30,132.35,131.07,1
29.70,128.68,128.38,127.52,126.04,116.34,112.32,61.85,60.48,53.
43,52.27,33.60,33.13 ppm.IR(KBr):3009,2940.2824,1620,1454,13
83 cm-1. CI/MS (CH4):410(10
0%),318(48%).
分析:C23H27N3O2Sの計算値:C,67.45;H,6.65;N,10.26.測定値:C,67.
05;H,6.62;N,10.12.触点:130-131℃。
これは、エタノールに溶解し、1.0M塩酸水溶液で処理し、真空中で濃縮し、次
に窒素流下の緩慢な濃縮によって熱いエターノールから再濃縮することにより、
塩酸塩に転化され、白色固体(0.83g)を生ずる。1H NMR (DMSO-d6):11.45(
1H,bs),8.13(1H,bs),7.73(1H,d,J=8.1Hz),7.46(1H,t,J=7.9Hz
),7.41-7.26(5H),7.05(1H,d,J=7.5Hz),3.84(3H,s),3.72(2H,bd
,J=11.1Hz),3.59(2H,bd,J=11.2Hz),3.47-3.28(9H),3.17(2H,m)pp
m.13C NMR(CDCl3):161.09,147.81,143.24,137.10,132.24,131.75,128
.66,127.91,127.75,126.79,117.49,113.18,61.81,56.23,51.06,48.77
,32.85,29.27 ppm. IR (KBr):3437,2934,2425,1632,1458,1379,966
cm-1. Cl/MS (CH4):410(100%),380(40%),18(40%),
lC50=2.4 nM (5HT1A結合親和性)
lC50=16 nM(5HT1D結合親和性)
pA2=8.50(3%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C23H27N3O2S・HClの計算値:C,61.94;H,6.33;N,9.42.測定値:C
,62.03;H,6.41;N,9.43.融点
:250-252℃(分解)
実施例41
2-[4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-
2-イル]-(2-プロパノール)塩酸塩半水塩
無水テトラヒドロフラン(15mL)中の4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ビペラ
ジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.24g,3.14mmol)のか
きまぜた溶液に、0℃で窒素下に、テトラヒドロフラン(2.2mL)中の3M塩化メチ
ルマグネシウム(2.2mL)を加える。5分後、反応物を約20℃に暖める。6時間
後、水(100mL)を添加し、反応物をジクロロメタン(2×100mL)抽出する。抽
出液を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で油まで濃縮し、50:50酢酸エチル/
ヘキサンでのクロマトグラフィにかける。塩酸塩は、アセトニトリル(50mL)に
溶解し、1.1当量の1.0M塩酸で処理することによって形成され、塩酸塩は白色固
体(0.865g)として沈殿する。1HNMR(DMSO-d6):11.37(1H,bs)7.58(1H,
d,J=8.0Hz),7.40-7.19(7H),6.95(1H,d,J=7.7Hz),5.65(1H,s),3.
69(2H,bm),3.54-3.12(1OH),1.59(s,6H)ppm.13C NMR(CDCl3):156.
56,146.01,139.69,137.11,133.63,128.68,128.65,126.77,124.33,117.
49,115.13,112.50,70.46,56.22,51.22,48.41,39.51,32.17 ppm. IR (
KBr):3389,2972,2558,1570,1456,95
9cm-1,C1/MS(CH4):381(100%),363(100%),289(75%).
IC50:4nM(5HT1A結合親和性)
lC50=16nM (5HTLD結合親和性)
pA2:7.44(16%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C23H28N20S・HCI-0.5H20の計算値:C,64.72;H,7.08;N,6.56.測定
値:C,64.84;H,7.05;N,6.50.融点:193-195℃。
実施例42
1-[4-(4-フェネチルービベラシン-1−イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イ
ル)-エタノン塩酸塩
乾燥テトラヒドロフラン(25mL)中の4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラ
ジニル]−ベンゾ[b]チオフェン-2-(N-メチル-N-メトキシ)-カルボキザミド
(実施例40、2.15g,5.25mmol)のかきまぜた溶液に、0℃で窒素下に、テトラ
ヒドロフラシ(3.5mL)中の3M塩化メチルマグネシウムを加える。淡褐色沈殿物
が形成される。0.5時間後、冷却浴を除去する。計3時間後、反応物を1.0M塩酸
水溶液で酸性1し、0.33時間かきまぜ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性に
し、ジクロロメクン(2x100mL)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中
で濃縮後、黄色の生成物を50:50、次に100:0酢酸エチル/ヘキサンでのクロマ
トグラフィにかけ、第一系でRf=0.3の成分を
単離する。この黄色固体は表題化合物の遊離アミン(1.90g)である。Cl/MS(CH4
):365(100%),273(43%).
分析:C22H24N2OSの計算値:C,72.49;H,6.64;N,7.69.測定値:C,72.22
;H,6.70;N,7.58.融点:131-132℃。
上の0.94gの量をエタノール(50mL)に溶解し、1.0M塩酸水溶液(2.3mL)で処
理し、真空中で濃縮し、アセトニトリル(2x50mL)から再濃縮し、70℃で9時間
真空乾燥すると、表題化合物(0.98g)を生ずる。1H NMR(DMS0-d6):11.19(
1H,bs),8.22(1H,s),7.74(1H,d.J=8.1H2),7.49(1H,t,J=8.0Hz
),7.41-7.26(5H),7.07(1H,d,J=7.5Hz),3.74-3.62(4H),3.51-3.27
(6H),3.17(2H,m),2.71(3H,s)ppm.13C NMR(DMSO-d6):192.45,
148.69, 143.19, 142.49, 137.01, 133.12,128.69,128.34, 126.83, 11
7.99, 113.53, 56.14, 51,12, 48.67, 29.34, 26.66 PPm.IR (KBr):
3435, 2922, 2668,1460, 1277, 962 cm-1. Cl/MS(CH4):365(100%),
273 (32%).
lC50=22nM(5HTID結合親和性)
pA2=7.87(1%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析:C22H24N20S・HCIの計算値:C,65.90;H,6.28;N,6.99.測定値:C,6
5.79;H,6.31:N,7.34.融点:269-272℃(分解)。
実施例43
1-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-エタノール塩酸塩
メタノール(70mL)に部分的に溶解された1-[4-(4-フェネチル・ピペラジ
ン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-エタノン塩酸塩(0.92g.2.5mmo
l、実施例42からの生成物)に、水素化ホウ素ナトリウム(0.l9g,5.0mmol)
を加える。0.33時間後、反応物は透明、均質である。水(10mL)中に注ぎ、ジク
ロロメタン(3x75mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した抽出液を真空中で濃
縮することにより、反応物を2時間後に比上げる。生成物(酢酸エチル中Rf 0.
3)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、1.0M塩酸(2.5mL)で処理し、真空中で
濃縮し、次にアセトニトリル/メタノールから再濃縮すると、白色固体を生ずる
。70℃で9時間真空乾燥後、表題化合物は白色固体(0.865g)として単離される
。1H NMR (DMSOーd6):11.48(1H,bs),7.61(1H,d,J=8.0Hz).7.40-7.23
(7H),6.95(1H,d,J=7.6Hz),5.76(1H,bs),5.07(1H,q,J=6.2Hz),
3.69(2H,bd,J=10.6H2),3.53(2H,m),3.45-3.25(6H),3.17(2H,m)
,1.50(3H,d,J=6.4H2)ppm. 13C NMR (DMSO-d6):152.13,146.05,139
.74.137.10, 133.35, 128.67, 126.79, 124.47, 117.62,116.20, 112.
54, 64.86, 56.19,51.18, 48.45, 48.24,29.29, 25.68 ppm. IR (KBr
):3351, 2575, 2554, 2446,1
570 cm-1 Cl/MS(CH4):367(92%),349(100%),275 (82%).
IC50:0.5nM(5HT1A結合親和性)
lC50=3nM(5HT1D結合親和性)
分析:C22H26N2OS・HCIの計算値:C.65.57;H,6.75;N,6.95.測定値:C,65
.33; H,6.81; N,6.87.融点:165-157℃。
実施例44
4-[4−フェニルメチル-1-]ピペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-メト
キシメチル塩酸塩
乾燥シメチルスルホキシド(30mL)中の4-[4-フェニルメチル-1-ピペラジニ
ル)-べンゾ[b]チオフェン-2-メタノール(2.33g,6.88mmol、実施例2から)
の溶液に、窒素下に、油中分散液中の60%水素化ナトリウム(0.413g,10.3mmol
)を加える。0.16時間後、ヨウ化メチル(0.57mL,8.31mmol)を加える。1時間
後、水(100mL)を加え、反応物をエーテル(2x100mL)で抽出する。エーテル抽
出液を一緒にし、水、次に塩水(各50mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、
真空中で粘性油まで濃縮する。クロマトグラフィ(50:50酢酸エチル/ヘキサン
)により、Rf 0.6の成分を油(1.84g)として生ずる。油をアセトニトリル(50m
L)に溶解し、1.0M塩酸(2.5mL)で処理し、真空中で濃縮し、次にアセトニトリ
ル(50mL)から再濃縮すると、表題化合物をオフホワイト色
の固体(0.94g)として生ずる。1H NMR(DMSO-d6):11.57(1H,bs),7.74-7.
71(2H).7.63(1H,d,J=8.2Hz),7.51-7.46(3H),7.42(1H,s),7.28
(1H,t.J=7.9Hz),6.93(1H,d,J=7.7Hz),4.70(2H,s).4.42(2H,bd
,J=5.3Hz),3.52(2H,bd,J=9.6Hz),3.43-3.24(6H),3.30(3H,s) p
pm. 13C NMR (DMSO-d6):146.37,141.26,140.74, 132.87, 131.58, 1
29.60, 129.46, 128.73,125.11120.57, 117.54, 112.65,68.83, 58.53,
57.38, 50.84, 48.15 ppm. IR (KBr):3432,3924, 2532, 2452, 11
26,954 cm-1.Cl/MS(CH4):353(100%),352(99%).321(87%).
分析:C21H24N2OS-HClの計算値:C, 64.85; H, 6.48;N, 7.20.測定値:C, 65
.05;H, 6.51; N,7.36.融点:216-218℃。
実施例45
4-(1-ピペラジニル)-べンゾ[b]チオフェン-2-メトキシメチル塩酸塩半水塩
反応は、出発材料とし,て実施例44で使用された4-[4-フェニルメチル-1-ピ
ペラジニル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-メタノール1.0gを使用して、実施例5
のとおりにN-脱ベンジル化によって行なわれる。粗生成物を35:65酢酸エチル/
ヘキサンですり砕き、次に還流下にアセトニトリル/メタノール1:1混合物(30m
L)と共に加熱し、不溶性材料を除くために濾過する。冷却し、窒素流下に約
10mLまで濃縮し、アセトニトリル(20mL)を加えると、淡褐色の固体を生じた。
70℃で4時間真空乾燥後、オフホワイト色の固体が残った(0.77g)。1H NMR(D
MSO-d6):9.55(2H, bs), 7.63(1H,d, J=8.0Hz), 7.48(1H,d,J=0.7Hz), 7.29(1
H, t,J=7.9Hz),6.94(1H,dd, J=0.7,8.0Hz), 5.49(1H, bs),4.71(2H, bs),3.
33(3H,s),3.29(8H, bs) ppm. 13C NMR (DMSO-d6): 146.92,141.29, 140.77
, 133.04, 125.14, 120.75, 117.53, 112.65,68.85, 57.40, 48.46. 43.07 ppm.
IR (KBr): 3434,2930, 2818, 2795, 2712. 1454, 1375, 1253, 1136, 959cm-1.
Cl/MS (CH4): 263 (95%),262 (70%),231 (100%).
IC50 = 4 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C14H18N2OS・HCl・0.5H2Oの計算値:C, 54.62; H,6.55; N, 9.10.測定
値:C, 54.50; H, 6.29; N, 9.06.融点:246-254℃(〉230℃で暗色化)
実施例46
4-[4-(2-(4-フルオロフェニル)エチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チ
オフェン-2-メトキシメチル塩酸塩0.2水塩
化合物を実施例44のとおりに調製するが、但し出発材料として4-[4-(2-(4-
フルオロフェニル)エチル)-1-ピペラジニル]−ベンゾ[b]チオフェン-2-メ
タノール(1.48g, 4mmol)を使用する。粗生成物を50:50酢酸エチル/
ヘキサン(Rf=0.6)でのクロマトグラフィにかけると、黄色固体(1.10g)を生
じ、その一部(1.02g)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、1.0M塩酸(2.9mL
)で処理し、真空中で濃縮し、真空乾燥(70℃、9時間)すると白色固体(1.08
g)を生ずる。1H NMR (DMSO-d6):11.56(1H, bs),7.65(1H, d, J=8.0Hz), 7.4
4(1H,s), 7.39-7.32(2H), 7.30(1H, t, J=7.7Hz), 7.20(2H. t, J=8.8H2),
6.97(1H,d, J=7.7Hz),4.71(2H, s),4.11(1H.bs),3.68(2H, bd, J=11.2Hz),3
.55(2H, bd, J=10.7Hz),3.44-3.25(6H), 3.33(3H, s),3.17(2H, m) ppm. 13
C NMR(DMSO-d6):162.75, 159.53, 146.37. 141.33, 140.75,133.29, 133.25, 1
32.93, 130.63, 130.52, 125.14.120.49, 117.60, 115.54, 115.27, 112.74, 68
.86,57.41, 56.10, 51.15, 48.33, 28.43 ppm(フッ素結合による例外的なピー
クを含む). 19F NMR (DMSO-d6):-115.66 ppm. IR (KBr): 3434, 2928,2542
, 2442, 1510, 1462, 1223, 1086, 959 cm-1・CI/MS(CH4):385 (100%),384 (52
%),353 (90%),275 (50%).
IC50 = 4 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 17 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 7.98 (5%)(5-HT1様のもので媒介ざれる犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C22H25N2OS・HCl・0.2H2Oの計算値:C, 62.24; H,6.27; N, 6.60.測定
値:C, 62.23;H, 6.18; N, 6.63.
融点:211-213℃。
実施例47
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェシ-2-カ
ルボキサルデヒド
氷浴中で冷却された乾燥チトラヒドロフラン(15mL)中の4-[4-(2-フェニル
エチル)-1-ピペラジニル]−ベンゾ[b]チオフェン-2-(N-メチル-N-メトキシ
)カルボキサミド(1.81g,4.42mmol、実施例40から)のかきまぜた溶液に、窒
素下に、水素化アルミニウムリチウム(0.338g, 8.9mmol)を加える。2.5時間
後、反応物を1.0M硫酸水素カリウム水溶液(20mL)、次に水(20mL)、及び飽和
重炭酸ナトリウム(塩基性になるまで、>30mL)で注意深く処理する。生成物を
エーテル(2×50mL)で抽出し、一緒にしたエーテル層を塩水(20mL)で洗い、
硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮する。クロマトグラフィ(40:60、次
に60:40、次に100:0の酢酸エチル/ヘキサン)は第二の溶媒系でRf 0.35の明る
い黄オレンジ色の化合物(1.01g)を与える。これを少量のジクロロメタンを伴
ったヘキサンから、緩慢な蒸発によって再結晶化させると、オレンジ色の固体(
0.67g)を生ずる。1H NMR(CDCl3):10.10(1H. s), 8.11(1H, d, J=0.8Hz),7.
54(1H, d, J=8.1Hz), 7.43(1H, d, J=8.0Hz), 7.35-7.20(5H), 6.94(1H, dd,
J=0.8, 7.6Hz), 3.26(4H, m), 2.92-2.71(8H) ppm. 13C NMR(CDCl3) :184.
48, 150.87,
144.43, 141.68, 140.17, 133.33, 132.76, 129.30,128.70, 128.45, 126.14, 1
17.38, 113.08, 60.48, 53.43, 52.47, 33.66 ppm. IR(CHCl3溶液):2824, 16
74, 1564, 1456, 1136 cm-1. CI/MS (CH4):351 (100%),259 (34%).
分析: C21H22N2OSの計算値:C, 71.97; H, 6.33; N,7.99.測定値:C, 71.
80;H, 6.27; N, 8.26.融点:99-100℃。
実施例48
4-[4-(4-フェニルカ.ルバモイ.ルーブチル)-ビペラジン-1-イル]-ベンゾ
[b]チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル塩酸塩
乾燥N,N-ジメチノしホルムアミド(31mL)中の、実施例5で調製されたエチル
-4-(1-ピペラジニル)-べンゾ[b]チオフェン−2−カルボキシレート一塩酸
塩(2.00g, 6.12mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(1.03g, 12.2mmol)と
5-ヨード-N-フェニルペンタfナミド(1.86g,6.12mmol)を加える。混合物を8
0℃で窒素下に24時間加熱し、20℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50m
L)と水(100mL)で処理し、2:1エーテル/ジクロロメタン(4×75mL)で抽出す
る。一緒にした抽出液をエタノール(50mL)で希釈し、水(50mL)、塩水(50mL
)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮
する。20:80エタノール/酢酸エチルを使
用して粗生成物をクロマトグラフィにかけて、Rf約0.5の成分(2.20g)を単離す
る。5:2エタノール/ジクロロメタン中の生成物(0.20g)の溶液を1.0M塩酸1当
量で処理し、真空中で濃縮する。3:2メタノール/アセトニトリル(10mL)から
再結晶させると、表題化合物を白色固体(0.19g)として生ずる。
分析: C26H31N3O3S・HClの計算値:C, 62.20;H, 6.44; N, 8.37.測定値:C,
62.22; H, 6.32; N, 8.31. IR(KBr):1709, 1678, 1443, 1254 cm-1. CI/MS (C
H4):466 (100%).融点: 246-248℃(分解)。
実施例49
4-(1-ピペラジニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-(N-メチル)カルボキサミド
二塩酸塩水和物
無水1,4-シオキサン(20mL)中の4-[4-(2,2-ジメチルエチルカルボキシレー
ト)-1-ピペラジニル]ベンゾ[b]チオフェン-2-(N-メチル)カルボキサミド
(0.81g,2.2mmol)の溶液を4N塩酸/1,4-ジオキサンで処理し、30分かきまぜる
。反応物をアセトニトリルで希釈し、真空中で固体まで濃縮する。固体をエーテ
ルを加えたメタノール(10mL)とアセトニトリル(5mL)から再結晶化した。綿
毛状の固体を吸引濾過すると、生成物(0.2380g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6)
:9.61(1H, bs),9.53(1H,bs), 9.07(1H, bd, J=3.8Hz),8.27(1H, s),7.67(1
H,d,J=7.6Hz), 7.37(1H, t, J=7.6Hz), 6.98(1H, d. J=7.6
Hz),5.02(2H. bs), 3.34(8H, bs), 2.84-2.83(3H) ppm. 13C NMR (DNSO-d6)
: 161.82. 148.14, 141.58, 139.05,133.43, 126.89, 122.33, 117.52, 112.84
, 48.56, 43.18, 25.96 ppm. IR (KBr): 3451, 3422, 1632, 1553 cm-1.CI/MS
(CH4): 276 (100%).融点: 291-294℃(分解).
IC50 = 8.4 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C14H17N3OS・0.5H2Oの計算値:C,47.19; H, 5.66; N, 11.79.測定値:
C,47.48; H, 5.74; N, 11.75.
実施例50
4-[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオ
フェン-2-メタノール塩酸塩
無水テトラヒドロフラン(25mL)中の実施例52のエステル生成物(1.10g, 2.5
0mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.095g, 2.50mmol)を加えた
。反応物を室温で窒素下に0.5時間かきまぜた。追加テトラヒドロフラン(25mL
)を加え、かきまぜを2時間続けた。反応物を水(0.95mL)、次に10%水酸化ナ
トリウム水溶液(1.5mL)、次に追加の水(3mL)で処理し、{水(0.95mL)、次
に10%水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)、次に追加の水(3mL)で希釈し、}水
(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。一緒にした抽出液
を塩水(50mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、
真空中で濃縮した。粗生成物を、50:50酢酸エチル/ヘキサン、次に酢酸エチル
を使
用するクロマトグラフィにかけた。酢酸エチル中でRf 0.8をもつ成分を単離した
。エタノール(50mL)とジクロロメタン(20mL)の混合物中の生成物(0.43g, 1
.08mmol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(1.3mL)で処理し、真空中で濃縮した。生
ずる固体をメタノール(8mL)とアセトニトリル(15mL)の混合物から再結晶化
させると、黄色結晶(0.42g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6): 11.69(1H, bs), 8.
26(2H, d, J=8.9Hz), 7.63(3H, m),7.32(1H,s), 7.27(1H, t, J=7.9Hz), 6.96(1
H, d, J=7.6Hz),5.69(1H, bs), 4.76(2H, s),3.70(2H, bm),3.53(4H, bm),3.32(
6H, bm) ppm. 13C NMR (DMSO-d6):146.56, 145.99, 145.20, 140.24, 133.22,
130.08, 124.56, 123.70,119.27, 117.61, 112.62, 58.82, 55.19, 51.28, 48.3
3, 29.08 ppm. IR (KBr): 3266, 2373, 1516, 1343 cm-1. CI/MS (CH4):397 (
30%),380 (55%), 261 (100%).
IC50 = 1 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 6 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C21H23N3O3S・HClの計算値:C, 58.13; H, 5.59; N, 9.68.測定値:C
, 58.20; H, 5.59; N, 9.57.融点: 237-240℃(分解)。
実施例51
4-(1-ピペラジニル)ベンゾ[b]チオフェン-2-メタノール塩酸塩
4-[4-(2,2-ジメチルエチルカルボキシレート)-1-ピペ
ラジニル]ベンゾ[b]チオフェン-2-メタノール(2.48g,7.12mmol)に、1.4-ジ
オキサン(20mL)中の4N塩酸を窒素下に加え、3時間かきまぜた。反応物を真空
中で濃縮した。再結晶化を数回試みたが、分析的に純粋な材料が得られなかった
。最終生成物は薄い黄色であった(0.64g)。1H NMR (DMSO-d6):9.54(1H. bd),
7.61(1H, d, J=8.0Hz),7.35(1H, s), 7.25(1H, t, J=8.0Hz),6.93(1H, d, J=8.
0Hz), 4.76(2H,s), 4.14(2H, bs),3.29(8H,s) ppm. 13C NMR (DNSO-d6):146.6
2, 140.29, 133.36,124.61, 117.97, 117.54, 112.50,58.59,48.42, 43.07 ppm
. IR (KBr): 2940, 2826, 2797, 2716, 1456 cm-1. CI/NS (CH4):249(65%),
231 (100%).融点:>300℃〈分解)。
実施例52
エチル4-[4-[2-(4-ニトロフェニル)エチル]-1-ピペラジニル]ベンゾ[b]
チオフェン-2-カルボキシレート塩酸塩
無水N,N-ジメチルホルムアミド(90mL)中のエチル4-(1-ピペラジニル)べン
ゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(実施例5) (6.00g, 18.4mmol)の溶
液に、重炭酸ナトリウム(3.08g, 36.7mmol)と2-(4-ニトロフェニル)エチル
ブロマイド(4.22g, 18.4mmol)を加え、80℃で窒素下に24.5時間加熱した。反
応物を室温で64時間かきまぜた。なおも2-(4-ニトロフェニル)エチルブロマイ
ド(4.22g, 18.4mmol)を反応物に加え、80℃で8時間加熱した。反応物を室温
に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(400mL)で処理し、水(800mL)で希釈
し、エーテル(5×200mL)で抽出した。一緒にした抽出液を水(200mL)、塩水
(200mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空
中で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにかけた。
20:80エクノール/酢酸エチル中でRf約0.9をもつ成分を単離した(4.57g)。エ
タノール(10mL)とジクロロメタン(10mL)の混合物中の生成物(0.10g,0.23mm
ol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(0.25mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる
固体をメタノール(5mL)とアセトニトリル(3mL)の混合物から再結晶化させる
と、淡褐色固体(98mg)を生じた。1H NMR (DMSO-d6):11.5(1H, bs),8.26(1H,
d, J=8.7Hz),8.10(1H, s), 7.77(1H, d, J=8.2Hz), 7.64(2H, d, J=8.6Hz)
, 7.50(1H,t,J=8.0Hz), 7.09(1H, d, J=7.7Hz), 4.37(2H, q, J=7.2Hz), 3.
71(2H, bm), 3.59(2H, bm), 3.55-3.20(8H),1.35(3H, t, J=7.2Hz) ppm. 13
C NMR (DMSO-d6):161.86,148.22, 146.49, 145.33, 142.81, 132.60, 131.96,
130.08, 128.33, 127.81, 123.75, 117.99, 113.69, 61.48, 55.28, 51.11, 48.
77, 29.05, 14.15 ppm. IR (KBr): 1711, 1522, 1348, 1256, 1246 cm-1. CI
/MS (eE=70eV): 303 (100%).
分析: C23H25N3O4S・HClの計算値:C, 58.04; H, 5.52; N, 8.83.測定値:C
, 57.99; H, 5.43; N, 8.70.融点: 252-254℃。
実施例53
5-[4-(2-ヒドロキシメチル-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-ピペラジン-1-
イル]-ペンタン酸フェニルアミド塩酸塩
乾燥テトラヒドロフラン中の4-[4-(4-フェニルカルバモイル-ブチル)-ピペ
ラジン-1-イル]ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(1.20g,
2.58mmol、実施例48)の懸濁液を1モル当量の水素化アルミニウムリチウムで、
窒素下に室温で18時間処理し、水(0.10mL)、10%水酸化ナトリウム水溶液(0.
15mL)及び水(0.3mL)で次々に処理した。反応物を濾過し、真空中で濃縮し、0
:100、次に20:80エタノール/酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにかけて
、後の系で約0.4のRfをもった成分を単離すると、0.93g (2.20mmol)を生じた
。これを5:2エタノール/ジクロロメタン(70mL)に溶解し、1.0M塩酸(2.3mL)
で処理し、真空中で濃縮し、メタノール/アセトニトリルから再結晶化させると
、表題化合物を暗い淡褐色の固体(0.86g)として生ずる。
分析: C24H29N3O2S・HCl・0.4H2Oの計算値:C, 61.70;H, 6.64; N, 8.99.測
定値:C, 61.91; H,6.64; N,9.00.
IR (KBr): 3408, 1599, 1541, 1443 cm-1. CIMS (メタン):424 (100%)
.融点: 118-121℃(分解)。
実施例54
2-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメ
チル]-イソインドール-1,3-ジオン塩酸塩
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メ
タノール(3.20g, 9.08mmol)、トリフェニルホスフィン(2.50g, 9.53mmol)及
びフタルイミド(1.40g, 9.53mmol)を含有するフラスコに、無水テトラヒドロ
フラン(30mL)を加えた。氷浴中で反応物を0℃に冷却し、ジエチルアゾジカル
ボキシレート(1.5mL,9.53mmol)を3分間に添加した。窒素下に20分かきまぜ
た後、浴を取り除き、室温で15.5時間かきまぜた。反応物を真空中で濃縮し、粗
生成物を、40:60酢酸エチル/ヘキサンを使用するクロマトグラフィにかけた。
約0.4のRfをもつ成分を単離した。副生物を除くために、95:5ジクロロメタン/
アセトン、次に5:95酢酸/酢酸エチルを使用して、比合物を再クロマトグラフィ
処理した。酢酸とともに、約0.3のRfをもった成分が単離された。化合物をシク
ロロメタン(75mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗い、硫
酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した(2.80g
)。エタノール(50mL)とジクロロメタン(50m
L)の混合物中の生成物(1.00g, 2.08mmol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(2.10mL
)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノール(50mL)、ジクロロメ
タン(80mL)及び水(8滴)の混合物から再結晶化させると、表題化合物(0.87
g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6 + CD3OD+ D2O):7.85(4H, m), 7.54(1H, d, J
=7.8Hz), 7.45(1H, s), 7.31(6H, m), 6.96(1H, d, J=7.8Hz), 5.04(2H.s)
, 3.60-3.10(10H), 3.01(2H, m) ppm. 13C NMR (DMSO-d6 + CD3OD + D2O):1
68.56, 147.08, 141.37, 139.90. 135.89, 133.75, 131.94, 129.64, 127.93, 1
26.53,124.35, 122.11, 118.74, 114.07, 57.78, 52.51, 49.74, 37.49, 30.53
ppm. IR (KBr): 2456, 2434, 1769,1719, 1427, 1393, 1356 cm-1・ CI/MS (C
H4):482 (100%).
分析: C29H27N3O2S・HClの計算値:C, 67.24; H,5.46; N, 8.11.測定値:C,
67.01; H, 5.48; N, 7.93.融点: 297-300℃(分解)。
実施例55
4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-メ
タナミン二塩酸塩
エタノール(16mL)中の2-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[
b]チオフェン-2-イルメチル]-イソインドール-1,3-ジオン(実施例54)(1.
80g, 3.74mmol)の懸濁液に、ヒドラジン一水塩(0.58mL, 12mmol)
を加えた。反応物を窒素下に30分加熱還流させた。追加のエタノール(16mL)を
加え、還流を45分続けた。反応物を室温で15時間かきまぜ、次に還流を6時間続
けた。反応物を室温に冷却し、エーテル(100mL)で希釈し、エーテル洗浄液で
吸引濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗生成物を、酢酸エチル、次に20:80エ
タノール/酢酸エチル、次に50:50エタノール/酢酸エチルを使用するクロマト
グラフィにかけた。第一溶媒系で約0.1のRfをもった成分を単離した。エタノー
ル(50mL)とジクロロメタン(50mL)の混合物中の生成物(1.23g, 3.50mmol)
の溶液を、1.0M塩酸水溶液(7.0mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる油状
固体をアセトニトリルから再結晶化させ、加熱しながら真空乾燥すると、淡褐色
固体(1.12g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6):11.66(1H, bs),8.88(2H, bs), 7.
78(1H, s),7.68(1H, d, J=8.0Hz),7.62(6H, m), 6.98(1H. d. J=8.0Hz), 4.
33(2H. s), 3.64(4H. bm), 3.50-3.20(7H), 3.17(2H, m) ppm. 13C NMR (DM
SO-d6):146.44, 140.87, 137.11, 135.17,132.73, 128.64, 126.76, 125.63,
123.52, 117.39, 112.71,56.01, 51.22, 48.24, 37.39, 29.35 ppm. IR (KBr)
:3426, 2930, 2899, 2874, 2839, 1456 cm-1. CI/MS(CH4): 352 (76%), 260
(100%).
IC50 = 3 nM (5HT1A結合親和性)
IC50 = 12 nM (5HT1D結合親和性)
分析: C21H25N3S・HCl・0.7H2Oの計算値:C, 57.72; H.6.55; N, 9.61.測定
傾:C, 57.61; H, 6.38; N, 9.54.融点: 189-193℃(分解)
実施例56
[4-(4-フェネチル-ビベラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル]-
ピペリジン-1-イルメタノン塩酸塩
無水トルエン(40mL)中のピペリジン(1.13mL, 1.41mmol)の溶液に、トルエ
ン中の2.0Mトリメチルアルミニウム(6.0mL, 11.41mmol)を加えた。反応を5分
間かきまぜ、次に実施例6からのエチル-4-[4-(2-フェニルエチル)-1-ピペラ
ジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.50g. 3.80mmol)を加
え、60℃で窒素下に23時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(150mL)中に
注ぎ、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出した。一緒にした抽出液を塩水(100m
L)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃
縮した。粗生成物を、酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにかけた。Rf約0.
9をもつ成分を単離した。エタノール(50mL)とジクロロメタン(10mL)の混合
物中の生成物(1.57g. 3.62mmol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(3.65mL)で処理
し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノール(15mL)とアセトニトリル(10
mL)の混合物から再結晶化させると、オフホワイト色の固体(1.47g)を生じた
。1H NMR (DMSO-d6):11.24(H, bs), 7.72(1H, d,
J=7.9Hz),7.63(1H.s),7.36(6H, m),7.04(1H, d,J=7.9Hz), 3.62(8H, m),3.
50-3.20(6H),3.15(2H,m),1.65(2H, m), 1.57(4H, m)ppm. 13C NMR (DMSO-d6):
162.34, 147.28, 140.54, 137.04, 136.05, 132.36, 128.74, 128.67, 126.80,
126.59, 122.26, 117.53, 113.24,56.13, 51.12, 48.57. 29.29, 25.72, 25.63
, 23.96 ppm. IR (KBr): 1618, 1452, 1433, 1267, 1258 cm-1.Cl/MS (CH4):43
4 (100%).
lC50 = 135 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 6.95 (2%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C26H31N3OS・HClの計算値:C. 66.43; H, 6.88;N, 8.94.測定値:C,
66.48; H, 6.73; N, 8.92.融点:248-252℃(分解).
実施例57
[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル]-
ピロリジシ-1-イルメタノン塩酸塩
無水トルエン(40mL)中のピロリジン(1.0mL, 11.4mmol)の溶液に、トルエ
ン中の2.0Mトリメチルアルミニウム(6.0mL, 12.0mmol)を窒素下に加え、室温
で15分間かきまぜた。この溶液に、実施例6からのエチル-4-[4-(2-フェニル
エチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1.5g
, 3.8mmol)を加えた。反応を60℃で窒素下に26.5時間加熱した。反応物を
室温に冷却し、水(150mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出した
。一緒にした抽出液を塩水(100mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチルを使用するク
ロマトグラフィにかけた。約0.5のRfをもつ成分を単離した。エタノール(50mL
)とジクロロメタン(10mL)の混合物中の生成物(1.52g, 3.62mmol)の溶液を
、1.0M塩酸水溶液(3.65mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノ
ール(20mL)とアセトニトリル(20mL)の混合物から再結晶化させると、オフホ
ワイト色の固体(1.56g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6): 10.71(1H, bs), 7.82(
1H,s), 7.71(1H, d, J=8.5Hz),7.35(6H, m), 7.04(1H. d, J=8.5Hz). 3.84(2H,
t, J=5.8Hz), 3.64(6H, m), 3.50-3.05(8H), 2.48(4H, m)ppm. 13C NMR (DMSO-d6
):160.95, 147.57, 141.04, 136.94, 132.92, 128.68, 127.00, 126.85, 123.2
5, 117.51,113.19, 56.18, 51.23, 48.71, 47.18, 29.23, 26.23,23.64 ppm. IR
(KBr): 1603, 1522, 1452, 1418cm-1.Cl/MS (CH4):420 (100%).
lC50 = 25 nM (5HT1D結合親和性)
pA2 = 8.37 (0%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C25H29N3OS・HClの計算値:C, 65.84; H, 6.65;N, 9.21.測定値:C,
65.82; H, 6.87; N, 9.36.融点
:269-275℃(分解)。
実施例58
3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-アクリル酸エチルエステル塩酸塩室温で窒素下に、無水テトラヒドロフラン
(4.0mL)中の水素化ナトリウム(0.11g, 2.85mmol)の懸濁液に、トリエチルホ
スホノアセテート(0.57mL, 2.85mmol)を加えた。30分かきまぜた後、4-[4-(
2-フェニルエチル)-1-ピペラジニル]-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキサル
デヒド(実施例47、1.00g, 2.85mmol)を加えた。追加のテトラヒドロフラン
(4.0mL)を加え、反応物を還流下に17時間加熱し、水(100mL)中に注ぎ、エ
ーテル(3×100mL)で抽出した。一緒にした抽出液を塩水(100mL)で洗い、硫
酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成
物を、30:70酢酸エチル/ヘキサンを使用するクロマトグラフィにかけた。約
のRf(40:60酢酸エチル/ヘキサン)をもつ成分を単離した(0.71g)。エタノー
ル(50mL)とジクロロメタン(10mL)の混合物中の生成物(0.71g, 1.69mmol)
の溶液を、1.0M塩酸水溶液(1.75mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体
をメタノールとシクロロメタンの混合物から再結晶化させると、表題化合物を黄
色固体(0.55g)として生じた。1H NMR (DMSO-d6): 11.30(1H, bs), 8.02(1H, s
).7.97(1H. d, J=15.6Hz), 7.
66(1H, d, J=7.8Hz). 7.42-7.26(6H). 6.99(1H, d, J=7.7Hz), 6.33(1H. d, J=1
5.6Hz), 4.21(2H. q. J=7.2Hz),3.77-3.56(4H), 3.52-3.21(6H).3.21-3.10(2H),
1.27(3H, t, J=7.2Hz) ppm. 13C NMR (DMSO-d6):165.63,147.26, 141.16, 13
7.69, 137.52, 137.06, 133.05, 128.69, 127.98, 127.45, 126.81, 118.58, 11
7.43, 113.17,60.23, 56.11, 51.16, 48.35, 29.34, 14.16 ppm. IR(KBr): 1079
, 1624, 1458, 1262, 1165 cm-1. Cl/MS (CH4):421 (100%).
分析: C25H28N2O2S・ HClの計算値:C, 65.70; H, 6.41; N, 6.31.測定値
:C, 65.42; H, 6.53; N, 6.14.
実施例59
3-[4-(4-フェネチル−ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-ブロブ-2-エン-1-オール塩酸塩
3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-アクリル酸エチルエステル(実施例58、1.25g, 2.97mmol)を78℃に冷却さ
れたシクロロメタン(30mL)中の水素化ジイソプチルアルミニウム(1.0Mトルエ
ン溶液15mL, 15.0mmol)の溶液に添加した。反応物を1.75時間かきまぜ、メタノ
ール(30mL)で停止させ、室温に暖めた。反応物をエーテルで希釈し、セライト
に通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を、40:60酢酸エチル/ヘ
キサン、次に酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにかけた。約0.1のRf(40:
60
酢酸エチル/ヘキサン)をもつ成分を単離した。エタノール(50mL)とジクロロ
メタン(1.0mL)中の生成物(0.878, 2.30mmol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(2.
40mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノールから再結晶化させ
ると、固体(0.86g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6): 10.90(1H, bs), 7.59(1H, d
, J=8.0Hz),7.43-7.25(7H), 6.91(2H, m), 6.25(1H,dt, J=15.8,4.8Hz), 5.02(1
H, bs), 4.15(2H, bs), 3.75-3.51(4H),3.51-3.27(4H), 3.27-3.08(4H) ppm. 13
C NMR (DMSO-d6): 146.23, 141.14, 139.26, 137.10, 133.61, 133.50,128.65,
128.63, 126.76, 125.43, 122.23, 120.27, 117.32, 112.90, 60.85, 56.19, 5
1.18, 48.31, 29.32 ppm. IR (KBr): 3395, 2581, 1568, 1458, 959 cm-1. Cl/M
S (CH4):379 (100%),361 (75%), 287 (92%).融点:201-204℃(分解)。pA2
= 9.26 (0%)(5-HT1様のもので媒介される犬伏在静脈の収縮の遮断)
分析: C23H26N2OS-HClの計算値:C, 66.57; H, 6.57;N, 6.75.測定値:C,
66.42; H, 6.51; N, 6.70.
実施例60
A) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イ
ル]-アクリロニトリル塩酸塩
B) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イ
ル]-アクリルアミド塩酸塩水和物
塩化アンモニウム(0.61g, 11.41mmol)に無水シクロ
ロメタン(95mL)とトルエン中2.0Mトリメチルアルミニウム(5.7mL, 11.4m
mol)を加えた。15分かきまぜた後、3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル
)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル]-アクリル酸エチルエステル(実施例58、
1.60g, 3.80mmol)を加えた。反応物を窒素下に21.5時間加熱還流させた。反応
物を室温に冷却し、水(200mL)中に注ぎ、ジクロロノタン(4×100mL)で抽出
した。一緒にした抽出液を塩水(100mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナト
リウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、60:40酢酸エチル/
ヘキサン、次に酢酸エチル、次に20:80エタノール/酢酸エチルを使用するクロ
マトグラフィにかけた。A(40:60酢酸エチル/ヘキサン中でRf約0.4)とB(40
:60酢酸エチル//ヘキサシ中でRf約0.1)の2成分を単離した。
エタノール(50mL)とジクロロメタン(10mL)中の成分A(0.14g, 0.37mmol
)の溶液を1.0M塩酸水溶液(0.40mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体
をメタノールとジクロロメタンから再結晶化させると、表題化合物Aを黄色結晶
(0.13g)として生じた。1H NMR (DMSO-d6):11.30(1H, bs), 7.92(2H, d, J=16.
7Hz), 7.69(1H, d, J=8.0Hz), 7.44-7.25(6H),7.01(1H, d, J=7.8Hz), 6.24(1H,
d, J=16.5Hz), 3.78-3.65(2H). 3.65-3.52(2H), 3.51-3.21(6H), 3.21-3.09(2H
) ppm. 13C NMR(DMSO-d6): 147.50, 143.51, 141.24, 137.09, 132.89,
128.68, 127.77, 127.56, 126.81, 118.37, 117.58,113.44, 97.19, 56.14, 51.
14, 48.46, 29.38 ppm. IR(KBr): 2212, 1607, 1456, 959 cm-1. Cl/MS (CH4)
:374 (100%).融点:285-289℃(分解)。
分析: C23H23N3S・HClの計算値:C, 67.37;H, 5.91;N, 10.25.測定値:C, 6
7.27; H, 5.96; N, 10.31.
エタノール(50mL)とシクロロメタン(25mL)中の成分B(1.12g, 2.86mmol
)の溶液を1.0M塩酸水溶液(3.0mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体
をメタノールとジクロロメタンから再結晶化させると、表題化合物Bを黄色固体
(0.85g)として生じた。1H NMR (DMSO-d6):11.18(1H, bs),7.82(1H, s).7.74(1
H, d, J=15.4Hz), 7.6(1H, s), 7.64(1H, d, J=8.2Hz),7.40-7.27(6H), 7.17(1H
, s), 6.98(1H, d, J=7.6Hz). 6.44(1H.d, J=15.4Hz), 3.75-3.65(2H), 3.65-3.
55(H), 3.49-3.21(9H), 3.19-3.10(3H) ppm. 13C NMR (DMSO-d6):165.91, 146.
91, 140.31, 138.76, 137.04, 133.26, 132.82,128.68, 126.86, 126.80, 126.2
3, 126.42, 117.4, 113.12, 56.13, 51.18, 48.37, 29.35 ppm. IR (KBr): 166
7, 1622, 1601, 1458, 1381 cm-1. Cl/MS (CH4): 392(100%).融点: 165-170
℃(分解)。
分析: C23H25N3OS・HClの計算値:C, 61.94; H. 6.34;N, 9.42.測定値:C,
62.18; H, 6.29; N, 9.35.
実施例61
3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-べンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-プロピオン酸エチルエステル塩酸塩
3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-アクリル酸エチルエステル(実施例58、4.60g, 10.94mmol)と塩化ニッケ
ル(ll)六水塩酸塩(5.20g, 21.88mmol)のエタノール(100mL)中の懸濁液に
、亜鉛末(5.72g, 87.51mmol)を加えた。反応物を窒素下に、21時間加熱還流さ
せた。反応物を室温に冷却し、エーテル洗浄液でセライトに通して濾過し、濾液
を真空中で濃縮した。粗生成物を、40:60酢酸エチル/ヘキサン、次に酢酸エチ
ルを使用するクロマトグラフィにかけた。約0.5のRf(40:60酢酸エチル/ヘキサ
ン)をもつ成分を単離すると、表題化合物の遊離アミン(3.39g)を生じた。エ
ーテル(50mL)中の生成物(0.89g,2.11mmol)の溶液を1.0M塩酸水溶液(2.2mL
)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノールとエーテルから再結晶
化させると白色同体(0.68g)を生じた。1HNMR (DMSO-d6):11.38(1H,bs), 7.59(
1H, d. J=8.1Hz).7.41-7.22(7H), 6.94(1H,d, J=7.6Hz), 4.09(2H, q,J=7.1Hz),
3.75-3.64(2H),3.58-3.48(2H), 3.47-3.23(10H), 3.23-3.10(2H),2.76(2H, t,
J=7.3Hz), 1.18(3H, t, J=7.1Hz) ppm. 13C NMR (DMSO-d6): 171.71, 145.80,
143.30, 139.97, 137.09, 133.44, 128.67, 126.80,
124.52, 119.14, 117.38, 112.65, 60.04, 56.17, 51.20, 48.28, 34.82, 29.32
, 25.43, 14.07 ppm. IR(KBr): 1732, 1456, 1250, 1202, 1118 cm-1. Cl/MS
(CH4):423 (100%),331 (70%).融点: 175-178℃(分解)。
分析: C25H30N2O2S・HClの計算値:C, 65.41; H, 6.82; N, 6.10.測定値:
C, 65.51;H, 6.91; N, 6.12.
実施例62
3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル
]-プロパン-1-オール塩酸塩
無水テトラヒドロフラン(28mL)中の3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イ
ル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル]-プロピオン酸エチルエステル(実施例6
1、1.20g, 2.84mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.22g,5.68mmo
l)を加えた。反応物を室温で窒素下に1.5時間かきまぜた。反応物を水(0.22mL
)、10%水酸化ナトリウム水溶液(0.33mL)、追加の水(0.66mL)で処理し、次
に水(50mL)で希釈し、エーテル(3×100mL)で希釈した。一緒にした抽出液を
塩水(100mL)で洗い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、
真空中で濃縮した。粗生成物を、60:40酢酸エチル/ヘキサンを使用するクロマ
トグラフィにかけた。40:60酢酸エチル/ヘキサン中でRf約0.1の成分を単離した
。エタノール(50mL)とジクロロメタン(10mL)中の生成物(1.03g, 2.71mmol
)の溶液を1.0M塩酸水溶液(2.75mL)で
処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体をメタノールとエーテルから再結晶化さ
せると、白色結晶(0.95g)を生じた。1H NMR (DMSO-d6):11.35(1H, bs), 7.58(
1H,d, J=8.4Hz), 7.39-7.19(7H), 6.93(1H,d, J=7.6Hz),4.60(1H, bs), 3.75-3.
60(2H), 3.59-3.09(12H), 2.95(2H, t, J=7.5Hz), 1.84(2H, m) ppm. 13C NMR
(DMSO-d6):145.69, 145.33, 139.87, 137.09, 133.64, 128.68,126.80, 124.29,
118.58, 117.41, 112.64, 59.75, 56.20, 51.22, 48.34, 34.11, 29.30, 26.76
ppm. IR(KBr):3364, 2924, 2581, 1462, 1420, 959 cm-1. Cl/MS(CH4):381
(100%).融点: 227-229℃(分解)。
分析:C23H28N2OS・HClの計算値:C, 66.25; H, 7.02;N, 6.72.測定値:C, 6
6.44; H, 7.12; N, 6.76.
実施例63
A) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イ
ル]-プロピオニトリル塩酸塩
B) 3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イ
ル]-プロピオンアミド塩酸塩
塩化アンモニウム(0.49g, 9.23mmol)にジクロロメタン(75mL)とトルエン
中2.0Mトリメチルアルミニウム(4.6mL, 9.23mmol)を加えた。窒素下に15分か
きまぜた後、3-[4-(4-フェネチル-ピペラジン-1-イル)-ベンゾ[b]チオフェ
ン-2-イル]-プロピオン酸エチルエステル(実施例61、1.30g, 3.08mmol)を
加え、反応物を21
時間加熱還流させた。反応物を室温に冷却し、エーテル(200mL)中に注ぎ、ジ
クロロメタン(4×100mL)で抽出した。一緒にした抽出液を塩水(100mL)で洗
い、硫酸マグネシウム/硫酸ナトリウムて乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。
粗生成物を、40:60酢酸エチル/ヘキサン、次に酢酸エチル、次に20:80エタノー
ル/酢酸エチルを使用するクロマトグラフィにかけた。A(40:60酢酸エチル/
ヘキサン中でRf約0.4)とB(Rf約0.1)の2成分を単離した。成分Bは5:95エタ
ノール:酢酸エチルを用いて再度クロマトグラフィにかけた。
エタノール(50mL)とジクロロメタン(10mL)中の成分A(0.33g, 0.88mmol
)の溶液を1.0M塩酸水溶液(0.9mL)で処理し、真空中で濃縮した。生ずる固体
をメタノールとアセトニトリルから再結晶化させると、第一の表題化合物を淡褐
色固体(0.31g)として生じた。1H NMR(DMSO-d6):11.40(1H, bs),7.63(1H, d, J
=7.9Hz).7.40-7.26(7H), 6.97(1H, d, J=7.5Hz), 3.75-3.64(2H),3.61-3.50(2H)
, 3.48-3.09(10H), 2.98(2H, t, J=7.1Hz)ppm. 13C NMR (DMSO-d6):145.99, 1
41.28, 140.21, 137.10, 133.29, 128.67, 126.80, 124.85, 120.16, 119.88, 1
17.54, 112.76, 56.16, 51.17, 48.29, 29.33, 25.93, 18.37 ppm. IR (KBr):
3434, 2415, 1454, 1248, 957, 779 cm-1. Cl/MS (CH4):376 (100%)。融点
: 196-198℃(分解)。
分析: C23H25N3S・HClの計算値:C. 67.07; H, 6.38;N, 10.20.測定値:C,
67.25; H, 6.38; N, 9.96.
エタノール(50mL)とジクロロメタン(40mL)中の再クロマトグラフィ処理さ
れた成分B(0.71g, 1.8mmol)の溶液を、1.0M塩酸水溶液(1.85mL)で処理し、
真空中で濃縮した。生ずる固体をノタノールとアセトニトリルから再結晶化させ
ると、第二の表題化合物をオフホワイト色の固体(0.56g)として生じた。1H NM
R (DMSO-d6): 11.32(1H, bs), 7.58(1H,d, J=8.0Hz), 7.43-7.22(8H),6.94(1H,
d. J=7.5Hz), 6.87(1H, bs), 3.75-3.64(2H), 3.59-3.48(2H), 3.47-3.20(8H),
3.20-3.07(4H),2.53-2.48(2H) ppm. 13C NMR(DMSO-d6):172.74, 145.72, 144.4
4, 140.00, 137.08, 133.49, 128.69, 126.81,124.38, 118.81, 117.38, 112.61
, 56.20, 51.22, 48.32, 36.28, 29.32, 25.99 ppm. IR (KBr): 3416, 1670,14
56, 1422, 1404 cm-1. Cl/MS (CH4):394(100%).融点:211-213℃(分解)。
式I化合物類はセロトニン5HT1A受容体剤であり、従って不安、高血圧、及び
うつ病の処置に有用である。5HT1A受容体に対する化合物類の親和性は、ゴズラ
ン(Gozlan)らが、Nature, 305巻140-142頁(1983年)に記述しているような
受容体結合検定手順によって立証できる。European Journal of Pharmacology 1
54巻255-261頁(1988年)に報告されたスレイト(Sleight)らの手順は、
この親和性が受容体への作用効果をもたらすことを示すために利用できる。
化合物類は、中枢神経系(CNS)で5HT1A受容体の最高密度の一つを含有する背
面縫線核(dorsal raphe nucleus)でニューロンの発熱(firing)を鈍化させる
。細胞発熱の抑制は、背面縫線から入力を受ける脳の領域で放出されるセロトニ
ン量の低下をもたらし、それによって系のセロトニンのトーン(tone)を変える
。発熱速度の鈍化は、背面縫線を含有するげっし類の脳のスライスに化合物類を
適用し、個々のニューロンの活性を測定することにより立証できる。この手順は
、スブラウズ(Sprouse)らがEuropean Journal of Pharmacology 167巻375-383
頁(1989年)に記述している。バスピロンのようなその他の5HT1A作用剤は、縫
線細胞の発熱を抑制することが示され、明らかにこの薬理学的部類の全成員に共
通の効果である[ヴァンダーミーレン(Vandermaelen)ら、European Journal o
f Pharmacology 129巻123-130頁(1986年)] 。
5HT1A受容体剤がうつ病の処置に有効であることが報告された。5HT1A作用剤の
8-ヒドロキシ-2-(ジ-N-プロピルアミノ)テトラリン(8-OHDPAT)は、げっし類
モデルでうつ病に対する有効性が示された。セルー(Ceroo)ら、European Jour
nal of Pharmacology 114巻223-229頁(1987年)、及びセルーら、European Jou
rnal of Ph
armacology 158巻53-59頁(1988年)。シュウェイザー(Schweizer)らは、部分
的5HT1A作用剤のバスピロンがうつ病の処置に有用であることを報告した。Pharm
acology Bulletin 22巻(1号)(1986年)。本発明化合物類は5HT1A受容体剤で
あるから、これらはうつ病の処置に有用であろう。
抗うつ効果を示すために、化合物類を有効量で患者に投与する必要がある。こ
れらの化合物類がこの抗うつ効果を示す適量範囲は、患者のうつの程度、投与さ
れる特定の化合物、投与経路、他の治療剤の共同投与、及び他の根底的な病状の
存在によって広く変わる。典型的には、化合物類は1日当たり0.5mg/kg〜約100m
g/kgの適量範囲で投与されよう。毎日の反復投与が望ましく、上述の条件によっ
て変わろう。しかし、典型的には、化合物類は1日1-4回投与される。
患者がうつ状態にある場合は、式I化合物類は患者のムードを高め、患者が経
験している肉体的な苦痛を軽減しよう。
上記のように、式I化合物類はセロトニン5HT1A作用剤である。5HT1A受容体で
この効果を生ずる化合物は、不安解消性状も示すことがわかった。グローサー(
Gloser)、European Journal of Pharmacology 88巻137-138頁(1983年)、及び
グラシート(Glaseat)、Drugs of the Future 13巻429-329頁(1988年)。バス
ピロンとし
て知られる5HT1A部分作用剤は.、現在、不安解消剤として市販されている。本
発明化合物類は5HT1A作用剤であるから、これらは不安の処置に有用である。
ラットの子で苦痛の声を遮断する能力によって、これらの化合物類の不安解消
活性を示すことができる。この試験は、ラットの子が同腹の子らから離された時
に超音波の声を出す現象に基づいている。不安解消剤はこれらの発声を遮断する
ことが発見された。ガードナー・シー・アール(Gardner, C.R.)ら、「ラット
の子の苦痛発声:簡単な不安解消薬選定法」J. Pharmacol. Methods14巻181-187
9頁(1985年)、及びインセル(Insel)ら、「ラットの子の超音波隔離呼び声:
ベンゾジアゼピン受容体錯体による可能な媒介」Pharmacol. Biochem. Behav. 2
4巻1263-1267頁(1986年)。
その代わりに、次の方法を利用して、それらの有用性を示すことができる。ヒ
ッチコック(Hitchcock)とデービス(Davis)(1991年)に報告された方法の変
法で、涙で増強された(恐れで増強された)驚きについて動物を訓練し試験した
。要約すると、始めにラットに30回の驚かす刺激からなる釣合い期問を与えた。
このデータを用いて、類似の基本線の驚きの振幅をもった群にラットを分けた。
訓練期間はその1−2日後で、視覚で条件づけられる刺激(光)の直後に条件づ
けのない剌激(足ショック)からなる10対の試験をラットに与えた。試験期間
はその2日後に行なった。実施例15の生成物をわき腹に皮下投与し、15分後、
条件づけ刺激の不在下に驚き刺激を与え(基線の驚き測定、ノイズのみの試験)
又は条件づけ刺激の存在下に驚き剌激を与えた(恐れで増強された驚きの剌激、
光とノイズの試験)。恐れの加わった驚きとは、条件づけた恐れの刺激の存在下
に経験する、その不在下よりも高い驚きとして定義された。
統計分析は、ノイズのみと光ノイズ試験での平均的な驚きの振幅と、平均的な
差の点数(光ノイズからノイズのみを差引いた平均値)によって実施された。分
散量の一方向分析は差の点数とノイズのみ点数によって行なった。反復比較試験
(Fisher PLSD)は各投与群を付形剤対照群と比較するのに使用された。以下の
結果が得られた。
(ここで図1参照)
図1の脚注:恐れで増強された驚きに対する化合物の効果。グラフはビヒクル
又は比合物(皮下投与)の種々の投与量での処置後、相乗化平均値(光ノイズ及
びノイズのみの平均驚き振幅の差)を示す。*Fisher PLSDによるビヒクル群か
らの有意の差(p<0.05)。
この化合物は、恐れの加わった驚き試験で、有意の不安解消活性を示した。こ
れは条件づけられた恐れの尺度
であって、前もってショックと関連づけられた合図の存在下に、強化された驚き
の音響反射を示す。恐れて増強された驚き試験は、5HT1A部分作用剤とベンゾジ
アゼピン作用剤双方の不安解消性状に感受性がある。この化合物は、2.5、20.0
、及び40.0 mg/kg(皮下)の投与量で、統計的に有意の効果によって、恐れの加
わった驚きを低下させた。化合物は基線の驚き反射を低下させず、これは筋肉弛
緩活性をもたないことを示す。
この不安解消効果を明示するために、化合物を有効量で患者に投与する必要が
ある。これらの化合物がこの不安解消効果を示す適量範囲は、患者の不安の程度
、投与される特定の化合物、投与経路、他の治療剤の共同投与、及び他の根底的
な病状の存在によって広く変わる。典型的には、化合物類は1日当たり0.5mg/kg
〜約100mg/kgの適量範囲で投与されよう。毎日の反復投与が望ましく、上述の条
件によって変わろう。しかし、典型的には、化合物類は1日1-4回投与される。
式I化合物類は血圧低下効果を示し、従って高血圧の処置に有用である。8-OH
-DPAT及びフレシノキサンのような他の5HT1A作用剤は、げっし類モデルで高血圧
の処置に有効であることが示された。European Journal of Pharmacolgy 180巻3
39-349頁(1990年)及びEuropean Journal of Pharmacology 182巻63-72頁(199
0年)。また、自然発生高血圧ラットのようなげっし類モデルを使
用して、これらの化合物の抗高血圧効果を示すこともできる。このモデルで、ビ
ヒクルをラットに経口又は静脈内投与し、基線の血圧を確定する。次に試験化合
物を同じ経路で投与し、血圧低下を記録する。式I化合物類は血圧低下効果を生
ずる。
抗高血圧効果を生ずるためには、化合物を有効量で患者に投与する必要がある
。これらの化合物がこの血圧低下効果を示す適量範囲は、患者の高血圧の程度、
投与される特定の化合物、投与経路、他の治療剤の共同投与、及び他の根底的な
病状の存在によって広く変わる。典型的には、比合物類は1日当たり0.5mg/kg
〜約100mg/kgの適量範囲で投与されよう。毎日の反復投与が望ましく、上述の
条件によって変わろう。しかし、典型的には、化合物類は1日1−4回投与され
る。
8-OH DPATのようなセロトニン5HT1A作用剤は、鎮痛剤として有効であること
が示された。エイド(Eide)、Neuropharm.31巻541頁(1992年)。この作用に
ついて文献の手順のほか、式I化合物類は、この技術で知られた生体内モデルで
、鎮痛効果を示す。一つのこのようなモデルは、酢酸苦悶試験である。この試験
で、ハツカネズミ5-10匹のl群に化合物を皮下投与する。試験化合物の投与30分
後、ハツカネズミに酢酸を腹膜内投与する(0.25% v/v、0.4ml)。ハツカネ
ズミのもかきと苦悶を観察する。鎮痛剤はこのもがきと苦悶を遮断する。以下の
結
果が得られる。
化合物は、不安について上に述べた同じ投与量で、この鎮痛効果を示す。
本発明化合物類が狭心症の処置に有用であることも観察された。複合的な冠動
脈損傷部をもつ患者の冠静脈洞で5-HTの濃度増加が見られた。不安定な狭心症で
、冠血流の一次的な低下が反復的な虚血発作を起こす。この血流低下は偏心形状
の冠動脈の狭窄位置における定期的な血小板凝集、血栓形成又はその両方によっ
て、また内皮の機能不全によって起こる。血小板凝集は5-HTを放出させ、これが
更に凝集と血管収縮を加速する。5-HT1(5HT
1D
)と5-HT2受容体が、ヒト冠動脈の血管収縮を媒介することが報告された。5-H
Tはまた、正常な冠動脈で、5HT1D受容体を経由する内皮依存性の血管拡張を剌激
する。しかし、内皮の傷ついた冠動脈では、5-HTは無抵抗の血管収縮効果をもっ
ている。従って、5HT1D[サゼナ・ピー・アール(Saxena, P.R.)及びヴィラロ
ン・シー・エム(Villalon, C.M.)、「5-ヒドロキシトリブタミン:心臓内のカ
メレオン」Trends in Pharmacological Science 12巻223-227頁(1991年)]及
び5-HT2受容体拮抗作用をもつ化合物類は、狭心症の処置に有益であろう。特異
的な5-HT2受容体拮抗剤はすでに入手できるため、この研究は5HT1D受容体拮抗剤
のみに焦点を当てている。
我々は5HT1D受容体の研究に犬伏在静脈を利用した。これはヒト冠動脈5HT1D受
容体と、まったく同じというわけではないが似ている。[ハンフリー・ピー・ピ
ー・エイ(Humphrey, P.P.A)、フェニアク・ダブリュー(Feniuk, W.)、ペレ
ン・エム・ジェイ(Perren, M.J.)、コナー・エッチ・イー(Connor. H.E.)、
オクスフォード・エイ・ダブリュー(Oxford, A.W.)、コーテス・アイ・エッチ
(Coates. I.H.)、及びブティナ・ディー(Butina, D.):「GR43175- -犬の単
離された伏在静脈での5-HT1様の受容体に対する選択的な作用剤」Br. J.Pharmac
ol. 94巻1123-1132頁(1988年);カウマン・エイ・ジエイ(Kaumann. A.J.)
「ヒト心臓の5-HT受容体
類」セロトニンに関する第二回国際シンポジウム、細胞生理学から薬理学と治療
法まで、1992年9月15-18日、ヒユーストン]
〔方法〕体重12-18kgの雑種犬をペントバルビクールナトリウムの過剰投与量
の静脈内注射によって屠殺した。伏在静脈を単離して取り出し、周囲の結合組織
を除き、クレブス=ヘンセライト溶液を含有する皿内で、らせん形の細片に切断
した。これはmMで以下の組成をもっていた。NaCl. 110.0; KCl, 4.8; CaCl2, 2
.5; KH2PO4, 1.2;EDTA(NaEDTA), 0.027。また、95%O2-5%CO2を絶えず吹き込
んだ。他に特定がなければ、頸動脈内皮を金属棒でこすって取り除いた。機能的
な内皮の無傷の状態と不在は、フェニルエフリンで収縮させた組織でのアセチル
コリン(10-5M)の弛緩効果の存在又は不在によって検討した。[フアーチゴッ
ト・アール・エフ(Furchgott, R.F.)及びザワドツキー・ジェイ・ヴィ(Zawad
zki. J.V.):「アセチルコリンによる動脈平滑筋の弛緩における内皮細胞の義
務的な役割」Nature 288巻373-376頁(1980年)を参照。]各筋肉細片(3×30mm
)を37℃の組織浴中で設定し、2グラムの張力を負荷した。組織の収縮性をグラ
スFT03変力トランスデューサで等張的に測定し、ストリップチャート記録装置で
記録した。実験開始前に組織を2時間安定化し、この間に組織を繰り返し洗った
。組織を条件づけるために、3.162×10-6Mフェニルエフリ
ンと40mM KClで収縮させると、最大収縮応答の60-70%を生じた。5-HT投与量応
答実験を行なった。次に、第二の5-HT投与量応答実験を行なう前に、試験化合物
類を組繊と一緒に培養した。データはpA2値として表わされ、これは5-HT投与量
応答曲線のED50値での2倍シフトをもたらした拮抗剤のモル濃度の負の対数であ
る。[ヴァン・ロッサム・ジェイ・エム(Van Rossum. J.M.):「累積的な投与
量−応答曲線:単離された器官の投与量−応答曲線をつくる手法、及び薬剤パラ
メータの評価」Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 143巻299-330頁(1963年)を参
照。]
本発明化合物類は、種々の経路から投与できる。経口投与の場合も有効である
。化合物類の非経口的に(すなわち、皮下、静脈内、筋肉内、又は腹膜内に)投
与できる。
本出願で使用される用詔について。
a) 用語「患者」は、例えばモルモット、ハツカネズミ、ラット、猫、ウサ
ギ、犬、猿、チンパンジー、及びヒトのような温血動物を指す。
b) 用語「処置」は、患者の病状の進行を軽減ないし鈍化する化合物類の能
力を指す。
c) 用語「不安」は、気づかない心の葛藤から明らかに生ずる非現実的な、
又は想像上の危険の予想に対する心理生理学的な応答からなる不快な感情状態を
指す。生
理学的な関与は心拍数増加、呼吸速度の変化、発汗、ふるえ、体の弱さ、疲労を
含む。心理学的な関与は差迫った危険の感情、無力さ、心配、及び緊張を含む。
d) 用語「うつ病」は、医学専門家が重い(major)うつ病、内因性うつ病
、精神病的うつ病、退行期うつ病、退行期メランコリー等として言及している病
状を包含するものと考えるべきである。これらの病状は、患者が典型的には、強
い悲しみと絶望、精神の鈍化、集中力の喪失、厭世的な懸念、絶望、及び動揺を
経験するような病状を述べるのに使用される。患者はしばしば、不眠、食欲不振
、精力低下、性衝動の低下等の肉体的愁訴を経験する。
セロトニン5HT1A作用剤はまた、卒中の処置に有用であることが示された。こ
れらの化合物が神経保護効果を示し、卒中に典型的に伴う中枢神経系の損傷を軽
減ないし抑制することが発見された。この神経保護効果は、興奮性神経伝達への
セロトニンの抑制効果のためであると考えられる。例えば、ビーレンバーグ(Bi
elenberg)らは、5HT1A作用剤の8-OH-DPAT、バスピロン、ジェピロン、イブサピ
ロン、及びベイR1531が、げっし類の卒中モデルで神経の破壊を抑制又は低減化
することを示した。stroke Supplement IV、21巻12号(1990年12月)。式I化合
物類はセロトニン5HT1A作用剤であるから、これらは卒中の処置に有用であろう
。
この神経保護効果を示すために、化合物を有効量で患者に投与する必要がある
。これらの化合物がこの効果を示す適量範囲は、患者の病状の程度、投与される
特定の化合物、投与経路、曲の治療剤の共同投与、及び他の根底的な病状の存在
によって広く変わる。典型的には、化合物類は1日当たり0.01mg/kg〜約100mg/k
gの適量範囲で投与されよう。毎日の反復投与が望ましく、上述の条件によって
変わろう。しかし、典型的には、比合物類は1日1-4回、又は持続的な静脈内注
入として投与される。
卒中は、脳への損傷が虚血性又は出血性病変のために生ずる病状である。また
これは、脳血管事故として一般に言及される。式I化合物類はこれらの任意の病
状を処置するために使用できる。本明細書で使用される「卒中の処置」という語
句は、卒中に典型的に伴う中枢神経系の損傷を抑制又は低減化する化合物類の能
力を指す。
当業者に自明のように、式I化合物類は脳血管系事故の結果としてすでに生じ
たCNS損傷を正すものではない。化合物類は、脳血管事故の開始時に、又は広範
囲のCNS損傷の発生直後、又はそれに先立っで投与すべきである。
式I化合物類はセロトニン5HT1D受容体剤でもある。5HT1D位置に対する化合物
類の親和性は、European Journal of Pharmacology 63巻133-166頁(1989年)に
ペルートカ(Peroutka)らによって記載されたような結合手順で立証できる。
5HT1D作用剤が片頭痛の処置に有効であることが報告された。5HT1D作用剤のス
マトリブタンは、動物モデルで抗片頭痛様の効果を生じ、早期の臨床試験で急性
片頭痛発作を停止させることが示された。前掲ペルートカら、;サゼナら、TIPS
-、10巻200頁(1989年5月);及びハメル(Hamel)ら、Br. J. Pharmacol. (19
91年) 102巻227-223頁。式I化合物類はセロトニン5HT1D作用剤であるから、こ
れらを片頭痛発作の停止に利用できる。
片頭痛発作は、脳外の頭蓋脈管系の過度の拡張に関連している。セロトニン5H
T1D作用剤はこれらの脈管を収縮させるため、これが片頭痛発作を抑えるメカニ
ズムであると、現在考えられる。これらの脳外頭蓋脈管の収縮をもたらす式I化
合物類の能力は、ボーア(Boer)ら、Br. J. Pharmacol.(1991年)102巻323-3
30頁の方法を用いて立証できる。
急性片頭痛発作を抑えるほか、化合物類は片頭痛発作を予防するための予防基
盤で投与できる。これらの抗片頭痛効果を生ずるために、化合物を有効量で患者
に投与する必要がある。これらの化合物がこの抗片頭痛効果を示す適量範囲は、
患者の片頭痛の程度、投与される特定の化合物、段与経路、他の治療剤の共同投
与、及び他の根底的な病状の存在によって広く変わる。典型的には、化合物類は
1日当たり0.5mg/kg〜約100mg/kgの適量範囲で投与されよう。毎日の反復投与が
望ましく、上述の条
件によって変わろう。しかし、典型的には、化合物類は1日1-4回投与される。
製剤組成物類はこの技術で知られた手法を利用して製造できる。典型的には、
抗うつ量、不安解消剤量、抗高血圧量、抗卒中量、又は抗片頭痛量の化合物を製
薬上受け入れられる担体と混合できる。
経口投与には、化合物類をカプセル剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ剤、溶融剤、散
剤、懸濁液、又は乳濁液のような固体又は液体製剤に処方できる。固体単位適量
形式はカプセル剤でありうる。これは通常の硬殻又は軟殻ゼラチン型のもので、
例えば表面活性剤、潤滑剤、及び乳糖、庶糖、及びトウモロコシ澱粉のような不
活性充填剤を含有しているか、又はこれらは徐放性製剤でありうる。別の態様で
は、式I化合物を乳糖、庶糖、及びトウモロコシ澱粉のような慣用の錠剤基剤と
一緒にし、アラビアゴム、トウモロコシ澱粉、又はゼラチンのような結合剤;バ
レイショ澱粉やアルギン酸のような崩壊剤、及びステアリン酸やステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤と組み合わせて錠剤化できる。液体製剤は、この技術
で知られたとおりに、懸濁剤、甘み剤、風味剤、及び防腐剤をも含有する製薬上
受け入れられる水性又は非水性溶媒中に活性成分を溶解することによって調製さ
れる。
非経口投与には、化合物を生理的に受け入れられる製薬担体中に溶解し、溶液
又は懸濁液として投与できる。
適当な製薬担体の例は、水、食塩水、デキストロース溶液、果糖溶液、エタノー
ル、又は動植物や合成起源の油類である。製薬担体は、この技術で知られるとお
りに、防腐剤、緩衝剤等を含有できる。
本発明化合物類は局所的にも投与できる。これは、好ましくは経皮吸収を促進
することが知られているエタノールやジメチルスルホキシド(DNSO)のような溶
媒を使用して、またその他の付形剤を伴って、又は伴わずに、単に投与化合物の
溶液をつくることによって達成できる。局所投与は、貯液型と多孔膜型の、又は
固体基材型のパッチを使用して達成するのが好ましい。
幾つかの適当な経皮装置は、米国特許第3,742,951号、第3,797,494号、第3,99
6,934号、及び第4,031,894号に記載されている。これらの装置は一般に、その表
面の一方をなしている裏張り材、他方の表面をなしている活性剤透過性接着剤層
、及び両表面間にはさまれた、活性剤を含有する少なくとも一つの貯液層を含有
している。その代わりに、透過性接着剤層全体に分布する複数のミクロカプセル
中に活性剤を含有することができる。いずれの場合も、活性剤は貯液層又はミク
ロカプセルから、膜を通して活性剤透過性接着剤層へ持続的に運ばれる。この接
着剤層は受容者の皮膚又は粘膜に接触している。活性剤が皮膚を通して吸収され
る場合、活性剤の制御された所定の流れが受容者に投与される。ミクロカプセル
の
場合、カプセル化剤は膜としても機能しうる。
本発明に従って化合物類を経皮投与する別の装置では、製薬活性化合物は基材
の中に含有され、ここから化合物は所望の緩慢な、一定の制御された速度で運ば
れる。基材は拡散又は多孔性の流れによる化合物の放出に対して透過性である。
放出は速度調節的である。膜を必要としないこのような系は、米国特許第3,921,
636号に記載されている。少なくとも2種の放出がこれらの系で可能である。拡
散による放出は、基材が非多孔性の時に生ずる。製薬上有効な化合物は基材自体
の中に溶解し、拡散する。ミクロ多孔性の流れによる放出は、薬学的に有効な化
合物が基材の多孔中の液相を通して運ばれる時に生ずる。
本発明は特定的な態様と関連して記載されたが、一般的に本発明の原則に従っ
て本発明を更に変更でき、かつ本出願が発明の任意の変化、使用、又は適応を包
含し、また本開示からのそのような逸脱を、当業者の既知の、又は慣習的な実地
要領に含まれるものとして包含する意図があることは理解されよう。
式I化合物類を任意の不活性担体と混合し、この技術で知られたとおりに、患
者の尿、血清等の中の化合物の濃度を測定するために、実験室での検定に利用で
きる。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年10月19日
【補正内容】
明細書
発明の名称 セトロニン受容体剤
本発明は、現在放棄されている1992年9月17日出願の米国特許出願番号第07/94
7,007号の継続出願であった、1993年6月16日出願の米国特許出願番号第08/079,6
92号の一部継続出願である。
本発明は、アゴニストでもあり拮抗剤でもある新しい類のセロトニン5HT1A及
び5HT1D受容体剤と、不安、うつ病、片頭痛、卒中、狭心症、及び高血圧の処置
へのそれらの用途、並びにそれらを含有する製剤組成物類と診断用組成物類に関
する。
ヨーロッパ出願 A 189 612は、向精神薬として有用な、ヘテロアリールピペ
ラジン誘導体を開示している。
本発明に従って、新しい類のセロトニン5HT1A、及び5HT1D受容体剤が発見され
、これらは次式によって記載される。
式中、Yは水素又はC1-3アルキルを表わし、Rは水素、
C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、-CF3、 -OCF3、及び-OHからなる
群から選ばれる置換基を表わし;R1は水素、シクロアルキル、C1-6アルキル、
置換されることもあり得るフェニル、
但しnが0か、Xが-CH=CHX1の時には、X1はOH、OR2、又はNR2R3でないことを
条件とする。〕
2.R1がフェニルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
3.YがHを表わす、請求項2に記載の化合物。
4.XがCH2OHを表わす、請求項3に記載の化合物。
5.XがCONR2R3で表わされ、ここでR2とR3が各々独立にH又はC1-4アルキ
ルを表わす、請求項2に記載の化合物。
6.活性製薬物質として使用するための請求項1に記載の化合物。
7.欝病の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の用途。
8.不安の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の用途。
9.5HT1A又は5HT1D受容体に於てアゴニスト効果をつくり出す製薬組成物を製
造する請求項1に記載の化合物の用途。
10.高血圧の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の用途。
11.片頭痛の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の用途。
12.鎮痛効果をつくり出す製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の
用途。
13.卒中の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合物の用途。
14.狭心症(angina)の処置用製薬組成物を製造する請求項1に記載の化合
物の用途。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年11月30日
【補正内容】
フェニルアルキル、又はフェニルアミトアルキルを表わし; Xは 水素、 -
(CH2)nX1、 -CH=CHX1、 又は-CHX2-(CH2)q-CH3を表わし;nは整数0-2であり
;qは整数0又は1であり;X1は -OH、 -OR2、 -NR2R3、 -CO2R2、-CONR2R
3、 -CN、 CH2OH、又は-COR2を表わし;R2とR3は各々独立に水素、C1-4アル
キル、置換されることもあり得るフェニル、フェニルアルキルであるか、又はR2
とR3は一緒に(CH2)mシクロアルキルを形成し、ここでm = 2-6であり:X2は
-OR4又は-NR4R5であって、ここでR4とR5は各々独立に水素、又はC1-4アルキ
ルである。または、これらのは製薬上受け入れられるその付加塩類によって記載
される。但しnが0か、Xが-CH=CHX1の時には、X1はOH、 OR2、又はNR2R3でな
いことを条件としている。
これらのベンゾチオフェン誘導体類は、5HT1A及び5HT1D受容体でセロトニンの
効果をまねるか、又は遮断する。これらは不安、うつ病、片頭痛、卒中、狭心症
、及び高血圧の処置に有用である。
本出願で使用される用語について。
a) 用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、又は臭素を指す。
b) 用語「低級アルキル基及びC1-4アルキル」は、1-4個の炭素原子を含有
する分枝鎖又は直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプ
ロピル、n-
ブチル、イソブチル等を指す。
c) 用語「低級アルコキシ及びC1-4アルコキシ」は1-4個の炭素原子を含有
する直鎖又は分枝鎖アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ
、イソプロポキシ、n−アトキシ、イソブトキシ等を指す。
d) 用語「置換されることもあり得るフェニル」は、3個までの置換基で置
換できるフェニル部分(C6H5)を指し、各置換基は独立にハロゲン、C1-4アル
キル、C1-4アルコキシ、
請求の範囲
1.次式の化合物、又は製薬上受け入れられるその付加塩類:
〔式中、Yは水素又はC1-3アルキルを表わし、Rは水素、C1-4アルキル、C1- 4
アルコキシ、ハロゲン、 -CF3、-OCF3、及び-OHからなる群から選ばれる置換基
を表わし:R1は水素、シクロアルキル、C1-6アルキル、置換されている場合も
あるフェニル、フェニルアルキル、又はフェニルアミドアルキルを表わし; X
は -(CH2)nX1、 -CH=CHX1、又は-CHX2-(CH2)q-CH3を表わし;nは整数0〜2であ
り;qは整数0又は1であり;X1は-OH、 -OR2、 -NR2R3、-CO2R2、-CONR2R3、
-CN、又は-COR2を表わし;R2とR3は各々独立に水素、C1-4アルキル、置換さ
れている場合もあるフェニル、フェニルアルキルであるか、又はR2とR3は一緒
に(CH2)mシクロアルキルを形成し、ここでm=2〜6であり:X2は-OR4又は-NR4
R5であって、ここでR4とR5は各々独立に水素、又はC1-4ア
ルキルであるが、
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/495 ABS
ABU
AEN
C07D 333/56 9455−4C
333/58 9455−4C
333/60 9455−4C
333/64 9455−4C
333/66 9455−4C
333/68 9455−4C
333/70 9455−4C
(31)優先権主張番号 08/119,791
(32)優先日 1993年9月15日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,HU,J
P,KR,NO,NZ
(72)発明者 スブルース,ジェフリー エス.
アメリカ合衆国 06378 コネチカット州
ストニングトン スクール ストリート
16
(72)発明者 チェン,シェン シー.
アメリカ合衆国 45246 オハイオ州 シ
ンシナチ キャントレル ドライブ
12079