JPH083882Y2 - 差し湯付風呂用ガス給湯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、浴槽への給湯と、シャワー、上がり湯の
給湯とを使用することができる差し湯付風呂用ガス給湯
機に関するものである。

［従来の技術］ 現在、風呂の加熱に用いる家庭用ガス器具は、シャワ
ー、上がり湯の給湯を使用可能に構成することが要求さ
れ、給湯機能を付設したものが普及している。また近
年、浴槽に循環パイプを連結して浴槽内の滞留水を自然
対流で加熱する風呂釜に代わって、浴槽に給湯管を接続
して浴槽内へ直接給湯し、浴槽内の滞留水の水温が低下
した場合は、必要に応じて高温水を差し湯して風呂を沸
かすことができるように構成した給湯式の風呂用ガス給
湯機が提供されている。さらに、ガスの燃焼を電気的に
制御し、ファンによって燃焼空気を強制的に供給、排気
して熱交換器の吸熱性を高め、器具の高能力化と小型化
とを実現した強制燃焼式の給湯機が用いられるようにな
っている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、上記のように浴槽に給湯管を接続して浴槽内
へ直接給湯するように構成した差し湯付風呂用ガス給湯
機において、単一の熱交換器で、浴槽への給湯と、シャ
ワーの給湯とを兼用すると、高温水の差し湯を使用した
後にシャワーを使用した場合には、熱交換器の加熱管内
の高温の滞留水が吐出して大変危険である。一方、シャ
ワーから熱湯が吐出する危険を回避するために、例えば
特開平１−142347号に開示されるように、ガス及び給湯
の比例制御を用いて構成したものが提案されている。し
かし、これらは制御部材、制御回路が複雑、高価となり
好ましいものではない。他方、浴槽への給湯に使用する
熱交換器と、シャワー、上がり湯の給湯に使用する熱交
換器とを別個に設け、浴槽への給湯用の熱交換器には高
温の差し湯を使用できるように高負荷のガスバーナーを
組込み、シャワー、上がり湯用の熱交換器には比較的低
負荷のガスバーナーを組込んで構成すると、熱交換器及
びこれを加熱するガスバーナーが二重となって、構造が
複雑で器具が大型となり、限られた設置スペースに取付
けられる差し湯付風呂用ガス給湯機としては、設置上も
好ましいものではなかった。

この考案は、新規構成の差し湯付風呂用ガス給湯機を
提供してこれらの課題を解決することを目的とするもの
で、浴槽への給湯とシャワー、上がり湯の給湯とを使い
分け、それぞれ適温の温水を給湯して安全に使用するこ
とができる差し湯付風呂用ガス給湯機を提供することを
目的とするものである。

また、構成部材を合理的に配設し、小型で低廉に製作
される差し湯付風呂用ガス給湯機を提供することを目的
とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、この考案は、給水路（10）
に第１熱交換器（14）を形成し、当該第１熱交換器（1
4）の下流に切替弁（15）を介設し、シャワー給湯路（2
0）と風呂給湯路（30）とに給水路（10）を分岐し、風
呂給湯路（30）に第２熱交換器（24）を形成し、風呂給
湯路（30）を先端にて浴槽（25）の側壁に接続し、第１
熱交換器（14）を加熱する第１ガスバーナー（41）、第
２熱交換器（24）を加熱する第２ガスバーナー（42）を
別設し、給水路（10）に第１水流スイッチ（50a）を介
設し、風呂給湯路（30）に第２水流スイッチ（50b）を
介設し、水流スイッチ（50a）、（50b）が管内の水流を
検知して、第１水流スイッチ（50a）にて第１ガスバー
ナー（41）を、第２水流スイッチ（50b）にて第２ガス
バーナー（42）の燃焼ガスの開閉を制御するように差し
湯付風呂用ガス給湯機を構成するものである。

そして、第１熱交換器（14）と第２熱交換器（24）と
を器具本体（70）内に前後に縦列させて配設して構成す
るものである。

また、ガスバーナーの給排気路にファン（61）を介設
して燃焼空気を強制給排気して構成することが好まし
い。

以下に、図面の実施例を用いてこの考案の構成、作
用、効果を具体的に説明する。

［実施例］ 図面は、浴室内に設置する差し湯付風呂用ガス給湯機
で、第１図にその全体の構成を示す。

水道管に連結した給水路（10）に、開度を調節して水
量調節の機能を付設した水量調節弁（11）が介設され、
当該水量調節弁（11）の下流に、加熱管部材（12）にフ
ィン（13）を取付けて第１熱交換器（14）が形成されて
いる。当該第１熱交換器（14）の下流に切替弁（15）が
介設され、シャワー給湯路（20）と風呂給湯路（30）と
に給水路（10）が分岐されている。シャワー給湯路（2
0）はその先端に切替式給湯栓（21）が介設され、シャ
ワー管（22）と上がり湯管（23）とが分設され、いずれ
かを選択、開成して使用するように構成されている。風
呂給湯路（30）には加熱管部（22）にフィン（23）を取
付けて第２熱交換器（24）が形成され、風呂給湯路（3
0）は先端にて浴槽（25）の側壁に接続されている。そ
して、第２熱交換器（14）の下流に、逆流を禁止する逆
止弁（26）、管内に負圧が生じた時に作動する真空ブレ
ーカ（27b）が介設され、浴槽内の滞留水が水道管に逆
流することが防止されている。また、器具の異常加熱を
検出するバイメタル（28b）、給湯の異常温度上昇を検
出するサーミスタ（29）が風呂給湯路（30）の適宜の位
置に取付けられ、これらが作動した場合に制御回路を遮
断し、燃焼が停止する安全装置が組込まれている。同様
に、シャワー管（22）に真空ブレーカ（27a）が介設さ
れ、シャワー管（22）を浴槽（25）内の滞留水に水没し
た場合に逆流を防止し、また、給水路（10）に異常加熱
を検出するバイメタル（28a）が取付けられ、安全性を
確保している。

ガス配管に連結したガス供給路（40）は２方向に分岐
され、上記第１熱交換器（14）を加熱する第１ガスバー
ナー（41）が第１ガス供給路（40a）に、上記第２熱交
換器（24）を加熱する第２ガスバーナー（42）が第２ガ
ス供給路（40b）に配設されている。第１ガス供給路（4
0a）、第２ガス供給路（40b）には、安全のため二連と
した電磁弁（43a）、（43b）が夫々に配管され、ガスイ
ンプットを可変とした能力切替ガバナー（45）が第１ガ
ス供給路（40a）に接続され、インプットガス圧を定圧
に保つガバナー（46）が第２ガス供給路（40b）に接続
されている。そして、給水路（10）に第１水流スイッチ
（50a）が介設され、風呂給湯路（30）に第２水流スイ
ッチ（50b）が介設され、これらの水流スイッチ（50
a）、（50b）が管内の水流を検知して、第１水流スイッ
チ（50a）の水流信号にて電磁弁（43a）を、第２水流ス
イッチ（50b）の水流信号にて電磁弁（43b）を開閉制御
し、したがって、第１水流スイッチ（50a）にて第１ガ
スバーナー（41）を、第２水流スイッチ（50b）にて第
２ガスバーナー（42）の燃焼ガスの開閉を制御するよう
に構成されている。ガスバーナーの排気路（60）にファ
ン（61）が介設され、ガスバーナー（41）、（42）の燃
焼空気を強制給排気し、排気路（60）を屋外へ導出して
構成されている。

第２図に示すように、第１熱交換器（14）と第２熱交
換器（24）とは器具本体（70）内に前後に縦列して配設
され、第１ガスバーナー（41）、第２ガスバーナー（4
2）、上記制御部材等を収納して器具本体（70）が構成
される。

［作用］ この考案の作用を実施例の作動について説明する。

まず、浴槽（25）へ給湯を使用するには、制御回路に
電源を投入し、切替弁（15）を操作して風呂給湯路（3
0）を開通し、水量調節弁（11）を開成する。水量調節
弁（11）の開成に伴って、給水路（10）、風呂給湯路
（30）に水流が生じ、第１水流スイッチ（50a）、第２
水流スイッチ（50b）が作動して電磁弁（43a）、（43
b）が開成し、第１ガスバーナー（41）、第２ガスバー
ナー（42）へ燃焼ガスが供給されて適宜の点火手段で着
火され、浴槽（25）へ給湯が開始される。能力切替ガバ
ナー（45）を操作して第１ガスバーナー（41）へのガス
インプットを可変し、給湯温度を設定する。したがっ
て、浴槽（25）内の滞留水の水温が低下した場合は、能
力切替ガバナー（45）を全開とし、直列２段の熱交換器
（14）、（24）で加熱された高温水を給湯して適宜差し
湯を使用することができる。

次に、シャワー、上がり湯の給湯を使用する場合は、
切替弁（15）を操作してシャワー給湯路（20）を開通
し、水量調節弁（11）を開成する。そして、給水路（1
0）に水流が生じて第１水流スイッチ（50a）が作動し、
電磁弁（43a）が開成して第１ガスバーナー（41）のみ
が燃焼し、能力切替ガバナー（45）を操作して給湯温度
を調節し、シャワー、上がり湯の給湯を使用する。

［効果］ この考案の特徴的な効果は次の諸点である。

切替弁（15）を介設してシャワー給湯路（20）と風呂
給湯路（30）とに給水路（10）を分岐し、給水路（10）
に第１熱交換器（14）を形成し、風呂給湯路（30）に第
２熱交換器（24）を形成し、第１熱交換器（14）を加熱
する第１ガスバーナー（41）、第２熱交換器（24）を加
熱する第２ガスバーナー（42）を別設して構成したの
で、浴槽への給湯は、直列２段の熱交換器（14）、（2
4）を加熱して給湯を行い、高温水の差し湯を使用する
ことができるとともに、シャワー、上がり湯の給湯を使
用する場合は、第１ガスバーナー（41）が燃焼して第１
熱交換器（14）のみを加熱し、シャワーに適温の給湯を
使用することができる。したがって、浴槽への給湯とシ
ャワー、上がり湯の給湯とが使い分けられ、それぞれ最
適な温水が給湯され、快適に使用することができるもの
である。

また、高温水の差し湯を使用した後にシャワーを使用
した場合に、第１熱交換器（14）の加熱管（12）内の滞
留水が吐出されても、加熱管（12）内の滞留水は高温で
はないから安全に使用することができるものである。

また、シャワー、上がり湯の給湯を第１熱交換器（1
4）の加熱で、浴槽（25）への給湯を第１熱交換器（1
4）と第２熱交換器（24）の併用で行うので、第１ガス
バーナー（41）、第２ガスバーナー（42）を同等の比較
的小能力に設定することが許容され、浴槽への給湯用に
大能力のガスバーナーを組込む必要がなく、従来と比較
してガスバーナーの設置本数を削減して製作することが
できる。そして、第１ガスバーナー（41）、第２ガスバ
ーナー（42）を同等の比較的小能力に設定し、第１熱交
換器（14）と第２熱交換器（24）とを器具本体（70）内
に前後に縦列させて配設して構成すると、器具本体（7
0）の幅員ｗは極めて小さく設定されて小型、薄型に製
作され、浴室内に設置するのに適するものである。

また、ガスバーナーの給排気路にファン（61）を介設
して燃焼空気を強制給排気して構成し、器具の高能力化
と小型化とを実現することができるものである。

また、燃焼の制御が簡単で、従来のように複雑な制御
部材、制御回路を組込むことが必要とされず、製作コス
トが削減され、安全かつ安価な差し湯付風呂用ガス給湯
機を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例で、第１図は全体構成図、第２
図は器具本体内に熱交換器の配設状態を示す平面図であ
る。 10……給水路、14……第１熱交換器、15……切替弁、20
……シャワー給湯路、24……第２熱交換器、25……浴
槽、30……風呂給湯路、41……第１ガスバーナー、42…
…第２ガスバーナー、50a……第１水流スイッチ、50b…
…第２水流スイッチ、61……ファン、70……器具本体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給水路（10）に第１熱交換器（14）を形成
   し、当該第１熱交換器（14）の下流に切替弁（15）を介
   設し、シャワー給湯路（20）と風呂給湯路（30）とに給
   水路（10）を分岐し、風呂給湯路（30）に第２熱交換器
   （24）を形成し、風呂給湯路（30）を先端にて浴槽（2
   5）の側壁に接続し、第１熱交換器（14）を加熱する第
   １ガスバーナー（41）、第２熱交換器（24）を加熱する
   第２ガスバーナー（42）を別設し、給水路（10）に第１
   水流スイッチ（50a）を介設し、風呂給湯路（30）に第
   ２水流スイッチ（50b）を介設し、水流スイッチ（50
   a）、（50b）が管内の水流を検知して、第１水流スイッ
   チ（50a）にて第１ガスバーナー（41）を、第２水流ス
   イッチ（50b）にて第２ガスバーナー（42）の燃焼ガス
   の開閉を制御するように構成し、第１熱交換器（14）と
   第２熱交換器（24）とを器具本体（70）内に前後に縦列
   させて配設した差し湯付風呂用ガス給湯機。
2. 【請求項２】ガスバーナーの給排気路にファン（61）を
   介設して燃焼空気を強制給排気して構成した請求項１記
   載の差し湯付風呂用ガス給湯機。