JPH0834585A - エスカレータトラスの搬出入方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の特徴は、エスカレータの上下出入口
部にそれぞれ設置した門型構造巻き上げ手段４ａ、４ｂ
から伸長されるロープ３５を所定長の分割トラスの長手
方向に、それぞれ装着させ、搬出入する分割トラスに、
転動するローラ５が長手方向に配設される分割トラスが
据え付られた分割トラス上の上を走り、前記ロープ５を
牽引して前記分割トラスを運搬し、このローラ５が前記
据え付けられた分割トラスのローラ受け部穴６に落ちる
ことにより位置決めするようにした点にある。 【効果】 本発明によれば、分割トラス運搬上部に揚重
移動空間作ることなく搬出入作業が行えるので、作業短
工期化と作業低減ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エスカレータトラスの
搬出入方法に係り、特に、既設の建物のエスカレータの
撤去新設時のトラス運搬に好適なエスカレータトラスの
搬出入方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータの据え付けは、エス
カレータのトラスを分割して据え付け現場に搬入し、こ
の分割されたトラスをワイヤロープとクレーンで揚重、
移動して上部階床支持梁と下部階床支持梁の間に据え付
けたり、分割されたトラスを現地で組み立てた、この現
地組立トラスをワイヤロープとクレーンで揚重、移動し
て上部階床支持梁と下部階床支持梁の間に据え付ける技
術が、実公昭６１−４３８１９号公報に記載されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、既設
の建物のエスカレータの撤去新設の場合、建物の中にク
レーンが入らない問題や、撤去新設するエスカレータの
上方に梁がなく重量物を揚重することができない問題
や、また、天井を一旦取り外してエスカレータの設置が
完了してから再度天井を取り付けるという面倒な作業を
行わなければならなく、建物構造に合致した作業を選択
する必要が有り、また、エスカレータの撤去新設に要す
る段取り作業手配の統一が図られない。そのために、撤
去新設の費用も現場によって大幅に異なっていた。

【０００４】本発明の目的は、エスカレータの撤去新設
時のエスカレータトラスの搬出入を、既設建物の構造に
制約されず、容易に行えるエスカレータトラスの搬出入
方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、エスカレー
タトラスを複数に分割して分割トラスとなし、これら分
割トラスを通路に搬出入するようにしたエスカレータト
ラスの搬出入方法において、エスカレータの上下出入口
部にそれぞれ設置した門型構造巻き上げ手段から伸長さ
れるロープを所定長の分割トラスの長手方向に、それぞ
れ装着させ、搬出入する分割トラスに、転動するローラ
が長手方向に配設される分割トラスが前記据え付けられ
た分割トラス上を走り、前記ロープを牽引して前記分割
トラスを運搬し、このローラが前記据え付けられた分割
トラスのローラ受け部穴に落ちることにより位置決めさ
れることにより、達成される。

【０００６】

【作用】このように構成されているので、既設トラスと
この上に乗せた分割トラスの間に介在されるローラ支持
体と、エスカレータの上下出入口部にそれぞれ設置さ
れ、所定長の分割トラスの長手方向にそれぞれ装着して
牽引するロープを有する門型構造巻き上げ手段とを組合
せて分割したトラスを搬出入することが可能となり、分
割トラス運搬上部に揚重移動空間を作ることなく搬出入
作業が行えるので、作業短工期化と作業低減ができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

【０００８】図６は、エスカレータトラスを建屋据え付
け場所に全て取り付けた図を示しており、この作業環境
の構成は、エスカレータトラスの据え付け頭上状況が空
調ダクト等の設置による吊り点を確保する場所の障害
や、また、強度のない天井１などが配置されている。ま
た、床２から天井１までの高さが低いなどといった環境
から分割トラスを搬出するための搬出空間３である。床
２は、エスカレータの乗り降りをする下部乗降口床２
ａ、上部乗降口床２ｂとエスカレータトラス下の下部水
平床、傾斜部床、上部水平床である下部ピット２ｃ、シ
ャフト２ｄ、上部ピット２ｅとからなっている。また、
シャフト２ｄの各箇所には、エスカレータトラスを支持
する中間支持部２４が配置されている。

【０００９】本実施例では、下部乗降口床２ａにボルト
で締結する門型構造物４ａと上部乗降口床２ｂに同様の
ボルトで締結する門型構造物４ｂを支持とし、この２つ
の門型構造物４ａ、４ｂに分割トラスを引き、緩めを行
う巻き揚げ手段を設け、しかも、既設トラス上を走り分
割トラスが移動するためのローラ５を搬出入する分割ト
ラスに設けることにより、搬出空間３内を天井１に吊り
点を設けず、分割トラスを搬出入することを可能にした
ものである。

【００１０】この門型構造物４ａは、図９に示すように
Ｈ鋼材である柱７ａを下部乗降口床２ａにボルト締結に
よって４本立設させ、この４本の柱７ａにＨ鋼の上部
で、Ｕ鋼が締結させ、四方側面から見て門型形状にな
る。この門型構造物４ａの構造を倒さず補強する補強材
８ａが各門型の柱７ａにボルトで締結する。この門型構
造物４ａの門型の上部にエスカレータの前後方向で分割
トラスを引き、緩めをする巻き上げ機９ａを支持し、ま
たエスカレータ前後方向に移動できるレールの役目を行
う支持レール１０ａが設けられる。この巻き上げ機９ａ
を支持レール１０ａ上を移動させ、また、巻き上げ機９
ａのロープを巻き、緩める操作のできるスイッチが柱７
ａに設置されているところの操作ボックス２１ａにあ
る。巻き上げ機９ａは、ワイヤロープ２２ａを巻き、緩
め、この先には、分割トラスに引っかける玉掛け用フッ
ク２３ａが設けられている。また、上部乗降口床２ｂに
も同様の構造である門型構造物４ｂがあり、門型構造物
４ａと同じ番号でａがｂになったものである。

【００１１】また、各分割トラスの接続面３０ａは、据
え付けた時に水平な面になるような形状になっており、
接続面３０ａと接続されるもう一方の接続面３０ｂも据
え付けた時に水平な面になるような形状であり、移動す
る時、分割トラスが滑らかに移動できる状態になってい
る。この分割トラスの据え付け時に下部を向く接続面３
０ａのトラス鋼材面には、据え付け済みのトラス上をス
ムーズに移動できるローラ５が備わっている。また、分
割トラスの据え付け時に上部を向く接続面３０ｂのトラ
ス鋼材面には、移動してきた分割トラスのローラ５が丁
度据え付けられる位置に配置するローラ受け部穴６が加
工されており、このローラ受け部穴６に移動してきた分
割トラスのローラ５がはまり込み位置決めされ据え付け
が完了する。

【００１２】次に、この装置により、エスカレータトラ
ス搬入組立の一連動作方法を操作順に説明する。

【００１３】（１）エスカレータ設置場所の上部上部乗
降口床２ｂと下部乗降口床２ａにそれぞれ門型構造物４
ｂ、４ａを設置させ、この門型構造物４ｂ、４ａに巻き
上げ機９ｂ、９ａを設置する。

【００１４】（２）下部乗降口床２ａから下部折点分割
トラス３２を、図示しない台車で運び、ここから揚重用
の玉掛けワイヤロープ３５ａを下部折点分割トラス３２
に巻き付け、この玉掛けワイヤロープ３５ａに巻き上げ
機９ａのフック２３ａを取り付け、これと同様に揚重用
の玉掛けワイヤロープ３５ｂも巻き付け、この玉掛けワ
イヤロープ３５ｂに巻き上げ機９ｂのフック２３ｂを掛
ける。

【００１５】（３）上部と下部の両方の巻き上げ機９
ａ、９ｂによるワイヤロープの巻き取りと緩めにより、
下部折点分割トラス３２を据え付け位置に取り付ける。

【００１６】（４）下部乗降口床２ａから次に据え付け
る傾斜部水平分割トラス３１に揚重用の玉掛けワイヤロ
ープ３５ａを巻き付け、この玉掛けワイヤロープ３５ａ
に巻き上げ機９ａのフック２３ａと同様に揚重用の玉掛
けワイヤロープ３５ｂを巻き付け、この玉掛けワイヤロ
ープ３５ｂに巻き上げ機９ｂのフック２３ｂを掛ける。

【００１７】（５）傾斜部水平分割トラス３１のローラ
５を地に付く走る基点とし、上部と下部の両方の巻き上
げ機９ａ、９ｂによるワイヤロープ巻き取りと緩めによ
り、下部折点分割トラス３２上を傾斜部水平分割トラス
３１が走り、下部折点分割トラス３２の接続面３０ａ上
に乗せる。

【００１８】（６）下部折点分割トラス３２の接続面３
０ａ上を傾斜部水平分割トラス３１の接続面３０ｂ上の
ローラ５が転がり、下部折点分割トラス３２のローラ受
け部穴６にローラ５がはまり込み、据え付け位置に傾斜
部水平分割トラス３１が設置される。

【００１９】（７）この下部折点分割トラス３２の接続
面３０ａと傾斜部水平分割トラス３１の接続面３０ｂを
ボルトまたは、溶接により締結して取り付ける。

【００２０】（８）下部乗降口床２ａから次に据え付け
る上部折点分割トラス３０に玉掛けワイヤロープ３５ａ
を巻き付け、この玉掛けワイヤロープ３５ａに巻き上げ
機９ａのフック２３ａを掛けるとともに、揚重用の玉掛
けワイヤロープ３５ｂを上部折点分割トラス３０に巻き
付け、この玉掛けワイヤロープ３５ｂに巻き上げ機９ｂ
のフック２３ｂを掛ける。

【００２１】（９）次に、上部と下部の両方の巻き上げ
機９ａ、９ｂによるワイヤロープの巻き取りと緩めによ
り、据え付け済みの下部折点分割トラス３２上と傾斜部
水平分割トラス３１上を上部水平分割トラス３０が走
り、傾斜部水平分割トラス３１の接続面３０ａ上に乗せ
る。

【００２２】（１０）傾斜部水平分割トラス３１の接続
面３０ａ上を上部水平分割トラス３０の接続面３０ｂ上
のローラ５が転がり、傾斜部水平分割トラス３１のロー
ラ受け部穴６にローラ５がはまり込み、据え付け位置に
上部水平分割トラス３０が設置される。

【００２３】（１１）この傾斜部水平分割トラス３１の
接続面３０ａと上部水平分割トラス３０の接続面３０ｂ
をボルトまたは、溶接により締結して取り付ける。

【００２４】前記の（４）において次の分割トラスであ
る傾斜部水平分割トラス３１が本実施例では、１つであ
ったが、エスカレータ階高が高くなると傾斜部水平分割
トラスの数が増えてくる。その場合は、前記の（４）〜
（７）の工程と同様に行い、搬入する。

【００２５】このように構成した実施例にあっては、エ
スカレータ設置箇所上の天井や壁等の制約環境で吊り点
を用いることなくエスカレータの据え付けを行う作業が
行える。

【００２６】解体時の分割トラスを搬出するときは、上
記の方法を逆に行うことができるので説明を省略する。
また、解体時の分割トラスを搬出するとき、上部折点分
割トラス３０から搬出していくが、下部折点分割トラス
３２上を移動するとき、折点分割トラス同士のために搬
出空間３よりスペースが広がり通らない場合は、上部折
点分割トラス３０を最初に搬出するのではなく、先ず、
上部乗降口床２ｂに上部折点分割トラス３０の水平部分
を乗せ、動かないように固定し、次に搬出する傾斜部水
平分割トラス３１から順に下部折点分割トラス３２まで
搬出した後、広がった搬出空間３を使い上部折点分割ト
ラス３０を最後に搬出する。また、分割トラスにローラ
を設けることにより、トラス同士の摩擦を減らし、巻き
上げ機の動力を少なくさせ、小形、軽量化することがで
きる。このように構成した実施例にあっては、エスカレ
ータ設置箇所上の天井や壁等の制約環境で吊り点を用い
ることなくエスカレータの据え付けを行う作業が行え
る。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、既設トラスとこの上に
乗せた分割トラスに取り付けられたローラと、エスカレ
ータの上下出入口部にそれぞれ設置され、所定長の分割
トラスの長手方向にそれぞれ装着して牽引するロープを
有する門型構造巻き上げ手段とを組合せて分割したトラ
スを搬出入することが可能となるため、分割トラス運搬
上部に揚重移動空間を作ることなく搬出入作業が行える
ので、作業短工期化と作業低減ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】エスカレータトラスを搬入する前の建屋据え付
け場所を示す図である。

【図２】初めに搬入する下部折点分割トラスを搬入して
いる状態を示す図である。

【図３】図２で設置した下部折点分割トラス上を次に設
置する傾斜部水平分割トラスが走っている状態を示す図
である。

【図４】傾斜部水平分割トラスが下部折点分割トラスの
上に乗り、据え付け位置にセットされた状態を示す図で
ある。

【図５】上部折点分割トラスが既設傾斜部水平分割トラ
スの上を走り、据え付け位置まで移動する図である。

【図６】エスカレータトラスを建屋据え付け場所に全て
取り付けた状態を示す図である。

【図７】分割トラスの接続部に取り付けたローラ部分を
示す斜視図である。

【図８】図７の分割トラスのローラ部分を受ける穴を設
けた傾斜部水平分割トラスの接続部を示す傾斜図であ
る。

【図９】エスカレータトラスの搬出入を行う巻き上げ手
段装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 天井 ２ 床 ３ 搬出空間 ４ａ、４ｂ 門型構造物 ５ ローラ ６ ローラ受け部穴 ７ 柱 ９ａ、９ｂ 巻き上げ機 ２４ 中間支持部 ３５ 玉掛けワイヤロープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤谷 健一 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 山本 諭 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレータトラスを複数に分割して分
   割トラスとなし、これら分割トラスを通路に搬出入する
   ようにしたエスカレータトラスの搬出入方法において、
   エスカレータの上下出入口部にそれぞれ設置した門型構
   造巻き上げ手段から伸長されるロープを所定長の分割ト
   ラスの長手方向に、それぞれ装着させ、搬出入する分割
   トラスに、転動するローラが長手方向に配設される分割
   トラスが前記据え付けられた分割トラス上を走り、前記
   ロープを牽引して前記分割トラスを運搬し、このローラ
   が前記据え付けられた分割トラスのローラ受け部穴に落
   ちることにより位置決めしてなることを特徴とするエス
   カレータトラスの搬出入方法。