JPH08338362A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式圧縮機

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JPH08338362A
JPH08338362A JP7142096A JP14209695A JPH08338362A JP H08338362 A JPH08338362 A JP H08338362A JP 7142096 A JP7142096 A JP 7142096A JP 14209695 A JP14209695 A JP 14209695A JP H08338362 A JPH08338362 A JP H08338362A
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JP
Japan
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swash plate
hole
hinge mechanism
inner peripheral
peripheral surface
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Application number
JP7142096A
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English (en)
Inventor
Masaki Ota
太田  雅樹
Yoichi Okatome
洋一 岡留
Hisakazu Kobayashi
久和 小林
Masaru Hamazaki
勝 濱崎
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to DE19622869A priority patent/DE19622869A1/de
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/1054Actuating elements
    • F04B27/1072Pivot mechanisms
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜板の貫通孔を簡単に加工でき、しかも、斜
板を安定して支持することが可能な可変容量型斜板式圧
縮機を提供すること。 【構成】 回転軸6は斜板9の貫通孔10に挿通され
て、同斜板9を軸線L方向にスライド移動可能かつ傾動
可能に支持する。貫通孔10は2つの円錐A,Bに沿う
円錐面10α,βを有し、両円錐面10α,βの接続部
位Kにはエッジ部10γが形成されている。従って、回
転軸6に対して斜板9は、エッジ部10γによる一点で
支持されている。また、回転軸6に対するヒンジ機構1
1を介しての斜板9の支持は、二組のガイドピン19α
及びガイド孔20αの係合による二点支持構成となって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板の傾角を調整する
ことにより吐出容量が変更される可変容量型斜板式圧縮
機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機においては、例えば、特
開昭63−205470号公報及び特公平4−4411
1号公報に開示されているように、回転支持体が回転軸
に止着され、同回転軸と一体回転される。斜板は貫通孔
を有し、同貫通孔には前記回転軸が挿通されている。ヒ
ンジ機構は回転支持体と斜板との間に介在されて、同斜
板の軸線方向へのスライドを伴う傾動を案内するととも
に、回転軸と一体回転可能としている。揺動板は斜板に
相対回転可能に重合されている。よって、回転軸の回転
に従って前後方向に揺動される斜板により、同斜板に摺
接された揺動板が揺動され、同揺動板に連結された片頭
ピストンが往復動されてガスの圧縮が行われる。そし
て、クランク室内の圧力と吸入圧とのピストンを介した
差圧に応じて斜板の傾角を調整することにより、吐出容
量が変更される。
【0003】ここで、前記貫通孔は、斜板の回転軸に対
する半径方向への移動を規制すると共に、同斜板が回転
軸の軸線方向にスライドを伴って傾動されることを許容
する形状をなしている。このような形状とするために、
例えば、特開昭63−205470号公報に開示された
圧縮機においては、リーマ等の加工工具を特定の角度範
囲で首振り状に移動させる加工方法が採られている。
【0004】ところが、加工工具を回転させつつ特定の
角度範囲で移動させる方法では、貫通孔を精度良く加工
しようとすると、工具の移動角度の調整に複雑な制御が
必要であり、加工コスト高となっていた。
【0005】このような問題を解決すべく、特公平4−
44111号公報に開示された技術が存在する。同公報
において貫通孔は、その両開口側からそれぞれ中心部に
向けて狭径となる円錐に沿った二つの内面を有し、両内
面が回転軸の中心軸に対して直交した面上で互いに接続
されるように構成されている。
【0006】このように、二つの内面を円錐に沿った形
状とすることにより、加工工具を回転される斜板ワーク
の回転軸線に対して傾斜する方向に移動させることなく
貫通孔を加工できるため、加工に複雑な制御等が必要な
く簡単に貫通孔を形成することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特公平4−
44111号公報の圧縮機においてヒンジ機構は、斜板
に設けられた一つのブラケットが有するピンと、回転支
持体に設けられた一つのタブが有する長穴とが係合され
ることにより、同斜板を案内するようになっている。つ
まり、このヒンジ機構を介する斜板の支持は、一組のピ
ンと長穴との係合による一点支持構成である。
【0008】ここで、回転軸に対する斜板の回転及び傾
動が安定的に行われるためには、ヒンジ機構により一点
で支持される場合には、同斜板が少なくとも回転軸に対
して三点で支持される必要がある。そのことを考慮する
と、貫通孔の内周面には、ヒンジ機構とは回転軸の軸線
を介して反対側の一点(回転軸と斜板との角度変更支
点)に加えて、斜板のガタツキを抑えるため、回転軸の
直径と同一間隔の2つの対向する当接部位が必要であ
る。従って、同公報の技術においても、前述した特開昭
63−205470号の技術と同様に、貫通孔の内周面
全体に精度が要求されることには変わりはなく、例え、
リーマ等を用いた加工と比較して簡単な旋盤等による加
工方法を採ることができたとしても、精度が求められる
加工は、相対的に面倒な加工となることは容易に想像さ
れる。
【0009】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、斜板の
貫通孔を簡単に加工でき、しかも、斜板を安定して支持
することが可能な可変容量型斜板式圧縮機を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、回転軸に対して斜板は、ヒンジ
機構を介して二点以上で支持されるとともに、貫通孔の
内周面の一点で支持された可変容量型斜板式圧縮機であ
る。
【0011】請求項2の発明では、前記貫通孔は、一方
の開口側から中心部に向けて狭径となる円錐面よりなる
第1の内周面と、同じく他方の開口側から中心部に向け
て狭径となる円錐面よりなる第2の内周面とにより構成
され、両内周面の接続部分に形成されたエッジ部が回転
軸に当接されることにより斜板の一点支持がなされるも
のである。
【0012】請求項3の発明では、第1の内周面が沿う
円錐と、第2の内周面が沿う円錐とは合同である。請求
項4の発明では、前記エッジ部は曲面状をなすものであ
る。
【0013】請求項5の発明では、前記ヒンジ機構は斜
板の上死点対応部位近傍に設けられており、前記エッジ
部はヒンジ機構とは回転軸の軸線を介して反対側に形成
されたものである。
【0014】請求項6の発明では、前記ヒンジ機構は、
斜板の上死点対応部位と回転軸の軸線とを含む平面の両
側に配置されている。請求項7の発明では、前記ヒンジ
機構は、少なくとも2本のガイドピンと、同ガイドピン
が有する球面部にそれぞれ係合される同数のガイド孔と
により構成されたものである。
【0015】
【作用】上記構成の請求項1の発明においては、回転軸
の回転駆動による斜板の揺動により、ピストンが往復直
線運動されてガスの圧縮が行われる。また、吐出容量の
変更は、斜板の傾角を調整することによりピストンのス
トローク量を変化させることでなされる。
【0016】前記回転軸に対して斜板は、ヒンジ機構を
介して二点以上で支持されている。ここで、回転軸に対
する斜板の回転及び傾動が安定的に行われるためには、
同斜板が少なくとも回転軸に対して三点で支持される必
要があるが、ヒンジ機構を介して二点以上で支持される
場合には、斜板のガタツキが同ヒンジ機構により抑えら
れるため、同斜板が回転軸に対して三点で支持される必
要はなくなる。そこで、本発明においては、回転軸に対
する斜板の貫通孔を介する支持を一点支持構成としてい
る。従って、回転軸に対して一点で当接されれば良い貫
通孔の内部形状は、この一点においてヒンジ機構に対し
て位置関係を適正に設定するための精度のみが要求され
る。このため、同貫通孔の加工が容易となる。
【0017】請求項2の発明において貫通孔は、一方の
開口側から中心部に向けて狭径となる円錐に沿った第1
の内周面と、同じく他方の開口側から中心部に向けて狭
径となる円錐に沿った第2の内周面とにより構成され、
両内周面の接続部分に形成されたエッジ部が回転軸に当
接されることにより斜板の一点支持がなされるものであ
る。従って、円錐に沿った内周面は、リーマ等による揺
動加工を採らなくとも、例えば、旋盤等を使用して簡単
に加工でき、さらに貫通孔の加工が容易となる。
【0018】請求項3の発明においては、第1の内周面
と第2の内周面とが合同な円錐に沿う形状をなすため、
貫通孔を加工するための加工工具の制御が簡単となる。
請求項4の発明においては、前記エッジ部は曲面状をな
す。従って、エッジ部と回転軸との当接部の面圧が低下
し、それらの当接部の磨耗を防止できる。
【0019】請求項5の発明においては、斜板の上死点
対応部位近傍に設けられたヒンジ機構は、圧縮反力を適
正に受け止める。また、ヒンジ機構とは回転軸の軸線を
介して反対側に形成されたエッジ部は、前記圧縮反力の
分力により半径方向へずれようとする斜板の移動を確実
に規制する。
【0020】請求項6の発明においては、ヒンジ機構が
斜板の上死点対応部位と回転軸の軸線とを含む平面の両
側に配置されているため、前記圧縮反力が好適に支持さ
れ、斜板の回転軸に対する傾き、即ちガタツキが防止さ
れる。
【0021】請求項7の発明においては、少なくとも2
本のガイドピンの球面部と、同ガイドピンと同数のガイ
ド孔との係合により、回転軸に対する斜板の、ヒンジ機
構を介する二点以上での支持がなされる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例について
説明する。なお、図面において左側を前部、右側を後部
とする。
【0023】図1に示すように、フロントハウジング1
は、シリンダブロック2の前部に接合固定されている。
リヤハウジング3は、バルブプレート4を介して前記シ
リンダブロック2の後部に接合固定されている。リヤハ
ウジング3には吸入室3α及び吐出室3βが区画形成さ
れている。バルブプレート4には吸入弁4α及び吐出弁
4βが設けられている。前記フロントハウジング1とシ
リンダブロック2とにより形成された閉空間はクランク
室5をなし、同クランク室5内には回転軸6がフロント
ハウジング1とシリンダブロック2とにより、ベアリン
グ7を介して回転可能に架設支持されている。
【0024】回転支持体としてのラグプレート8は前記
回転軸6に止着されている。また、斜板9はその中央部
に貫通孔10を有し、前記回転軸6が同貫通孔10に挿
通されることにより、同斜板9は回転軸6の軸線L方向
へスライド移動可能かつ傾動可能に配置されている。そ
して、斜板9は、後述するヒンジ機構11を介してラグ
プレート8に連結され、同ヒンジ機構11により軸線L
方向へのスライド移動及び傾動が案内されるとともに、
回転軸6と一体回転される。また、後述するが、前記貫
通孔10は斜板9の軸線L方向へのスライド移動及び傾
動を許容する形状をなしている。
【0025】シリンダボア2αは前記シリンダブロック
2に形成されている。片頭ピストン12は前記シリンダ
ボア2α内に収容されている。そして、前記斜板9は、
片頭ピストン12の基端部に形成された凹部12α内に
進入した状態で、前後一対のシュー13を介して片頭ピ
ストン12を係留している。従って、斜板9の回転運動
がシュー13を介して片頭ピストン12の往復直線運動
に変換され、同片頭ピストン12がシリンダボア2α内
を前後動される。これにより吸入室3αから吸入弁4α
を介してシリンダボア2α内へ吸入された冷媒ガスが圧
縮されつつ、吐出弁4βを介して吐出室3βへ吐出され
る。
【0026】圧力供給通路14は、吐出室3βとクラン
ク室5とを接続し、電磁バルブ15は同圧力供給通路1
4上に介在されている。同電磁バルブ15のソレノイド
15αが励磁されることにより、スプール15βがポー
ト15γを閉鎖する。また、ソレノイド15αが消磁さ
れることにより、スプール15βがポート15γを開放
する。
【0027】そして、前記片頭ピストン12の前後に作
用されるクランク室5内の圧力とシリンダボア2α内の
圧力との差圧を調整して、斜板9の傾斜角を制御してピ
ストン12のストロークを変更することにより、吐出容
量が調整されるようになっている。このクランク室5内
の圧力は、電磁バルブ15の励磁・消磁による圧力供給
通路14の閉・開動作により制御される。つまり、圧力
供給通路14が閉鎖された状態においてクランク室5内
の圧力は、放圧通路16及び放圧孔17を介して吸入室
3αに放圧されるのみで、従って、同吸入室3αの低圧
力に近づいていく。よって、図1及び図3(二点鎖線)
に示すように、斜板9の傾角が最大傾角に保持され、吐
出容量は大きくなる。また、圧力供給通路14が開放さ
れた状態においては、吐出室3β内の高圧力がクランク
室5に導入され、同クランク室5内の圧力上昇により、
図3に示すように、斜板9の傾角が最小傾角に移行され
る。従って、吐出容量は小さくなる。
【0028】なお、上記斜板9の最大傾角は、同斜板9
に設けられたストッパ9αとラグプレート8との当接に
より規定され、また、最小傾角は、斜板9と回転軸6に
装着されたリング18との当接により規定される。
【0029】そして、本実施例においては、回転軸6に
対して斜板9は、ヒンジ機構11を介して二点で、ま
た、貫通孔10を介して一点でそれぞれ支持される構成
を採っている。ここで、前記回転軸6に対する斜板9の
回転及び傾動が安定的に行われるためには、回転軸6に
対して斜板9が少なくとも三点で支持されていなければ
ならないが、同斜板9の回転軸6に対する傾き、即ちガ
タツキはヒンジ機構11の二点支持により抑えられるた
め、回転軸6に対する斜板9の支持は一点でも問題はな
い。
【0030】図2に示すように、それぞれガイドピン1
9αを有する一対の支持アーム19は、斜板9の前面に
おいて同斜板9の上死点対応部位9βと軸線Lとを含む
平面Fを跨いで両側に対設されている。一対のガイド孔
20αを有する連結片20は、前記支持アーム19に対
応するようにして、ラグプレート8の後面に設けられて
いる。そして、ガイドピン19αの球面部19βがそれ
ぞれガイド孔20αに係合されることにより、斜板9の
軸線L方向へのスライド移動及び傾動が案内される。
【0031】また、図3〜図5に示すように貫通孔10
は、両開口側からそれぞれ中心部に向けて狭径となると
ともに、その軸線が前記軸線Lと一致する合同な二つの
円錐A,Bに沿った内周面(以下、円錐面とする)10
α,βを有し、両円錐面10α,βの接続部分は環状領
域Kをなしている。特に、本実施例においては、ヒンジ
機構11と軸線Lを介した反対側に位置される環状領域
Kの部位をエッジ部10γとしている。同エッジ部10
γは図3の拡大円中に示すように、曲面状に処理がなさ
れている。そして、エッジ部10γを含む環状領域Kの
径は図3〜図5において誇張して示すように、回転軸6
より若干大径となっている。また、円錐A,B間の頂角
は、図3及び図5に示すように、斜板9の最小傾角と最
大傾角との間の移動において、エッジ部10γ以外は回
転軸6に当接されない角度に設定されている。
【0032】そして、前記貫通孔10の形成は、図5に
示すように、斜板ワーク9Aを図示しないチャック等で
保持し、同ワーク9Aを回転中心Rを中心として回転さ
せながら、バイト等の加工工具Gを回転中心R方向に対
して傾斜する方向へ移動させる方法が採られている。
【0033】以上のように、回転軸6に対して斜板9
は、二組のガイドピン19α及びガイド孔20αにより
構成されたヒンジ機構11を介する二点と、貫通孔10
に形成されたエッジ部10γを介する一点の合計三点に
より支持される。従って、同斜板9の回転及び傾動が安
定的に行われる。
【0034】上記構成の本実施例においては、次のよう
な効果を奏することができる。 貫通孔10の内周面において加工精度が必要なのは、
斜板9及びヒンジ機構11に対するエッジ部10γの位
置関係だけである。従って、他の内周面部位は斜板9の
スライド移動及び傾動を妨げない範囲内で形成されれば
良く、内周面全体に精度が要求される従来技術と比べ
て、遙かに貫通孔10の加工が簡単となる。また、特
に、本実施例のように貫通孔10を2つの円錐A,Bの
組み合わせ形状とすることにより、旋盤を用いた切削加
工等の簡単な加工方法を用いることができ、貫通孔10
の加工がさらに簡単となる。さらに、2つの円錐A,B
を合同としたため、例えば、NC旋盤においてバイトG
を制御する数値は、一方の円錐面10αを加工するため
の数値の符号を反転させる程度の変更で、他方の円錐面
10βの加工に対応でき、プログラムが簡単となる。以
上のことは、圧縮機全体の加工コスト低減につながる。
【0035】エッジ部10γは曲面状に処理がなされ
ている。従って、同エッジ部10γの回転軸6に対する
当接における面圧が低下し、同エッジ部10γと回転軸
6との当接によるそれらの磨耗を抑えることができる。
【0036】ヒンジ機構11は斜板9の上死点対応部
位9βの両側に配置され、エッジ部10γは軸線Lを介
してヒンジ機構11と反対側に形成されている。従っ
て、片頭ピストン12を介して斜板9に作用される圧縮
反力は、同ヒンジ機構11において適正に受け止めら
れ、斜板9のひねりなどが防止される。また、同圧縮反
力の分力により軸線Lから上死点対応部位9β方向へ移
動されようとする斜板9は、エッジ部10γによって確
実に規制される。従って、斜板9の傾動動作は定められ
た範囲内においてひねり等を生じることなく行われ、確
実な容量変更を得ることができる。
【0037】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 (1)図6に示すように、貫通孔10内周面においてエ
ッジ部10γ以外を円筒面とすること。 (2)本発明をワッブル型圧縮機、つまり、斜板には揺
動板が対向されており、同揺動板に摺接された斜板の揺
動により、揺動板に連結されたピストンが往復直線運動
されるタイプの圧縮機において具体化すること。 (3)貫通孔10をリーマ等で揺動加工すること。本発
明においては、貫通孔10に殆ど精度が不要であるた
め、旋盤加工等と比較して面倒なリーマ加工でも、同リ
ーマの微妙な角度制御が不要であり、面倒なく貫通孔1
0を加工できる。 (4)ラグプレート8側にガイドピン19αを、斜板9
側にガイド孔20αを設けること。或いは、1つのガイ
ドピン19α及びガイド孔20αを斜板9側に設け、そ
れらに係合される他方のガイドピン19α及びガイド孔
20αをラグプレート8側に設けること。さらに、三組
以上のガイドピン19α及びガイド孔20α構成、つま
り、ヒンジ機構11を介する斜板9の支持を三点支持以
上の構成とすること。 (5)ヒンジ機構11を、例えば、ピンを有するブラケ
ットを斜板9側に設け、長穴を有するタブをラグプレー
ト8側に設け、そして、ピンと長穴との係合により斜板
9を案内するように構成すること。
【0038】上記実施例から把握できる技術的思想につ
いて記載する。 (1)斜板9にはシュー13を介してピストン12が係
留されている請求項1〜7のいずれかに記載の可変容量
型斜板式圧縮機。
【0039】このようにすれば、揺動板が不要となる。 (2)斜板には揺動板が対向されており、同揺動板に摺
接された斜板の揺動により、揺動板に連結されたピスト
ンが往復直線運動される構成の請求項1〜7のいずれか
に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
【0040】このようにしても、貫通孔を面倒なく加工
できる。
【0041】
【発明の効果】上記構成の請求項1又は7の発明によれ
ば、貫通孔の加工が簡単となり、ひいては圧縮機全体の
加工コストの低減につながる。
【0042】請求項2の発明によれば、さらに加工コス
トを低減できる。請求項3の発明によれば、加工工具の
制御が簡単となり、さらに加工コストを低減できる。
【0043】請求項4の発明によれば、エッジ部の磨耗
劣化を抑制することができ、貫通孔の耐久性が向上され
る。請求項5又は6の発明によれば、斜板の支持がさら
に安定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量型斜板式圧縮機の縦断面図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 一部を誇張して描く、要部拡大断面図。
【図4】 図3のB−B線断面図。
【図5】 貫通孔の加工方法を示す説明図。
【図6】 別例を示す図であり、(a)は貫通孔付近の
拡大縦断面図、(b)は貫通孔の正面図。
【符号の説明】
6…回転軸、8…回転支持体としてのラグプレート、9
…斜板、10…貫通孔、10γ…一点支持構成をなすエ
ッジ部、11…ヒンジ機構、12…片頭ピストン、19
…二点支持構成をなす支持アーム、20…同じく連結
片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱崎 勝 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、貫通孔を有し、同貫通孔にお
    いて前記回転軸に傾動可能に支持された斜板と、前記回
    転軸に止着された回転支持体と、同回転支持体と前記斜
    板との間に介在され、斜板の傾動を案内するヒンジ機構
    とを備え、斜板の傾角を調整することにより吐出容量を
    変化させる可変容量型斜板式圧縮機において、 前記回転軸に対して斜板は、ヒンジ機構を介して二点以
    上で支持されるとともに、貫通孔の内周面の一点で支持
    された可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔は、一方の開口側から中心部
    に向けて狭径となる円錐面よりなる第1の内周面と、同
    じく他方の開口側から中心部に向けて狭径となる円錐面
    よりなる第2の内周面とにより構成され、両内周面の接
    続部分に形成されたエッジ部が回転軸に当接されること
    により斜板の一点支持がなされる請求項1に記載の可変
    容量型斜板式圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記第1の内周面が沿う円錐と、第2の
    内周面が沿う円錐とは合同である請求項2に記載の可変
    容量型斜板式圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記エッジ部は曲面状をなす請求項1〜
    3のいずれかに記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記ヒンジ機構は斜板の上死点対応部位
    近傍に設けられており、前記エッジ部はヒンジ機構とは
    回転軸の軸線を介して反対側に形成されている請求項1
    〜4のいずれかに記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記ヒンジ機構は、斜板の上死点対応部
    位と回転軸の軸線とを含む平面の両側に配置されている
    請求項1〜5のいずれかに記載の可変容量型斜板式圧縮
    機。
  7. 【請求項7】 前記ヒンジ機構は、少なくとも2本のガ
    イドピンと、同ガイドピンが有する球面部にそれぞれ係
    合される同数のガイド孔とにより構成された請求項1〜
    6のいずれかに記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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