JPH08319943A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式圧縮機

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Publication number
JPH08319943A
JPH08319943A JP7125314A JP12531495A JPH08319943A JP H08319943 A JPH08319943 A JP H08319943A JP 7125314 A JP7125314 A JP 7125314A JP 12531495 A JP12531495 A JP 12531495A JP H08319943 A JPH08319943 A JP H08319943A
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JP
Japan
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swash plate
rotary shaft
hole
hinge mechanism
torque
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Pending
Application number
JP7125314A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Ota
太田  雅樹
Hisakazu Kobayashi
久和 小林
Masaru Hamazaki
勝 濱崎
Yoichi Okatome
洋一 岡留
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機の重量増を伴うことなく、ヒンジ機構
とトルク伝達機構との機能的な大別を可能とした可変容
量型斜板式圧縮機を提供すること。 【構成】 斜板8は貫通孔8αを有し、斜板8は同貫通
孔8αにおいて回転軸6に嵌挿されている。同貫通孔8
αは平面部10βを有し、回転軸6は同貫通孔8αの平
面部10βに係合される平面部10αを有する。従っ
て、回転軸6から斜板8への回転トルクの伝達は、この
平面係合部10α,βを介して行われる。また、一組の
ガイドピン17α及びガイド孔18αからなるヒンジ機
構9は、ラグプレート7と斜板8との間に介在されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板の傾角を調整する
ことにより、吐出容量が変更される可変容量型斜板式圧
縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機として、例えば、図4
(a)に示すようなものが存在する。すなわち、ラグプ
レート21が回転軸22に止着され、同回転軸22と一
体回転される。斜板23は貫通孔23αを有し、同貫通
孔23αにおいて斜板23が前記回転軸22に支持され
ている。同貫通孔23αは、斜板23が回転軸22の軸
線L方向にスライド移動及び傾動されることを許容する
形状をなしている。
【0003】一対の支持アーム24は前記ラグプレート
21の外周側に形成され、それらの支持アーム24には
ガイド孔24αが形成されている。一対の連結片25は
斜板23に止着され、それらの連結片25がそれぞれ有
する一対のガイドピン25αは前記支持アーム24のガ
イド孔24αに係合されている。従って、斜板23は、
このガイドピン25αとガイド孔24αとで構成された
ヒンジ機構により、軸線L方向へのスライド移動及び傾
動が案内されるとともに、同ヒンジ機構を介して回転軸
22と一体回転される。片頭ピストン26は斜板23に
シュー27を介して係留されている。その結果、回転軸
22の回転に従って前後方向に揺動される斜板23によ
り片頭ピストン26が往復動されてガスの圧縮が行われ
る。
【0004】ここで、図4(b)に示すように、回転軸
22は横断面真円状をなし、貫通孔23αの内周面と回
転軸22の外周面とは線当たりである。従って、貫通孔
23αと回転軸22との接触部においては、回転軸22
の軸線Lと直交する面内における、斜板23の移動を規
制するのみで、回転軸22から斜板23に対するトルク
伝達は行われない。つまり、ヒンジ機構が本来のヒンジ
動作の案内機能に加えて、回転軸22から斜板23への
回転トルクの伝達をも行っている。従って、同ヒンジ機
構に対し回転トルクが作用されることにより、曲げモー
メントが生じてガイドピン25αとガイド孔24αとが
こじれ、耐久性が低下されるおそれがあった。また、こ
のこじれにより斜板23の傾動、つまり、圧縮機の吐出
容量の変更がスムーズに行われないという問題も生じて
いた。
【0005】また、この種の技術として、例えば、特開
昭52−96407号公報及び米国特許第442583
7号のものが存在する。先ず、特開昭52−96407
号公報は、所謂、ワッブル型圧縮機に具体化されたもの
であり、図5に示すように、斜板28には揺動板29が
重合されると共に、同揺動板29には片頭ピストン30
が連結されている。そして、回転される斜板28の前後
方向への揺動に従って、同斜板28に摺接された揺動板
29が前後に揺動されることにより、片頭ピストン30
が往復動される。
【0006】同公報の圧縮機において回転軸31から斜
板28への回転トルクの伝達は、ドライブプレート32
と結合された一対のフランジ33を介して、斜板28の
ラグ28αへ直接行われるようになっている。そして、
斜板28の傾動を案内するヒンジ機構のリンク34は、
その一端部が斜板28のラグ28αに連結され、また、
他端部は前記フランジ33に連結されている。このよう
な構成を採ることにより、回転軸31から斜板28への
回転トルクの伝達に、リンク34が殆ど関与されないよ
うになっている。
【0007】また、米国特許第4425837号におい
ては、図6に示すように、ガイド溝36αが回転軸36
にその軸線L方向に形成されており、斜板37の貫通孔
37α内周面に配設された第1のピン37βは、同ガイ
ド溝36αに案内される。また、斜板37の偏心位置に
配設された第2のピン37γは、回転軸36に形成され
たスロット部36βのガイド孔36γに案内される。こ
の斜板37に設けられた第1及び第2のピン37β,γ
と、回転軸36に形成されたガイド溝36α及びガイド
孔36γとの係合により、斜板37を軸線L方向にスラ
イド移動可能かつ傾動可能に案内するヒンジ機構が構成
されている。また、回転軸36の周面及び斜板の貫通孔
37αには、それぞれ平面部38α、βが設けられ、両
者はこの平面部38α、βにて係合されており、回転軸
36から斜板37へのトルク伝達は、主としてこの平面
係合部分38α、βを介して行われるようになってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭52
−96407号公報の技術においては、回転軸31から
斜板28への回転トルクは、ドライブプレート32と結
合されたフランジ33から、斜板28のラグ28αへ伝
達されるようになっている。従って、回転軸31の偏心
位置に配置される同フランジ33分の重量バランスを回
転軸31の周りで調整するために、図示しないカウンタ
ウエイトが重くなり、圧縮機の重量増につながってい
た。
【0009】また、リンク34を、斜板28のラグ28
α及びフランジ33へ連結するためのピンを二本必要と
し、ヒンジ機構を構成する部品点数が多くなり構造が複
雑になって、組付が面倒であった。
【0010】米国特許第4425837号においては、
第1のピン37βに、回転トルクの伝達による曲げモー
メントと、斜板37の傾動による応力とが作用されるこ
とになり、同第1のピン37βに過大な負担が掛かっ
て、ヒンジ機構の耐久性低下につながっていた。
【0011】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、圧縮機
の重量増を伴うことなく、ヒンジ機構とトルク伝達機構
との機能的な大別を可能とした可変容量型斜板式圧縮機
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、回転軸にはトルク伝達部位が形
成されるとともに、前記斜板の貫通孔には被トルク伝達
部位が形成されてなり、同トルク伝達部位と被トルク伝
達部位との係合により、斜板が回転軸と一体回転される
ように構成された可変容量型斜板式圧縮機である。
【0013】請求項2の発明では、前記トルク伝達部位
及び被トルク伝達部位は、前記回転軸及び斜板の貫通孔
に設けられた一対の平面部である。請求項3の発明で
は、前記ヒンジ機構は、球面部を備えたガイドピンを斜
板或いは回転支持体の一方に設けると共に、前記球面部
を案内するガイド孔を他方に設けることにより構成され
たものである。
【0014】請求項4の発明では、前記ヒンジ機構は単
数の前記ガイドピンにより構成される。請求項5の発明
では、前記ヒンジ機構は、斜板上の上死点対応部位と回
転軸の軸線とを含む平面上に配置されたものである。
【0015】
【作用】上記構成の請求項1の発明においては、回転軸
の回転駆動による斜板の揺動により、ピストンが往復直
線運動に変換されてガスの圧縮が行われる。また、吐出
容量の変更は、斜板の傾角を調整することによりピスト
ンのストローク量を変化させることでなされる。
【0016】ここで、前記回転軸から斜板への回転トル
クの伝達は、同回転軸に設けられたトルク伝達部位と斜
板の貫通孔に設けられた被トルク伝達部位との係合部分
を介して行われる。また、斜板の傾動の案内は、回転支
持体と斜板との間に介在されるヒンジ機構により行われ
る。
【0017】そして、ヒンジ機構に回転トルクは殆ど作
用されない。従って、トルク伝達機構とヒンジ機構とを
機能的に大別することができ、トルク伝達に起因するヒ
ンジ機構の耐久性低下を抑え得る。また、回転軸と斜板
間のみでトルク伝達機構を構成できるため、部品点数の
増加を伴わなず、従って、従来のように、同トルク伝達
機構が回転軸から離れた位置に配置されることによる、
重量バランス調整は必要ない。
【0018】請求項2の発明においては、回転軸から斜
板への回転トルクの伝達は、同回転軸に設けられた平面
部と、斜板の貫通孔に設けられた平面部との係合部分を
介して行われる。従って、トルク伝達のために特別な部
材は必要ない。
【0019】請求項3の発明においては、斜板或いは回
転支持体の一方に設けられたガイドピンの球面部と、他
方に設けられたガイド孔とが係合されており、同球面部
とガイド孔とが線接触されることにより、斜板の傾動が
案内される。
【0020】請求項4の発明においては、ヒンジ機構は
単数のガイドピンにより構成される。従って、ヒンジ機
構の部品点数の低減及び構造の複雑化を抑え得る。これ
により、回転軸の偏心位置に配置されるヒンジ機構の重
量を減らすことができるため、同回転軸周りでの重量バ
ランスを調整するための、例えば、カウンタウエイトを
軽量化できる。
【0021】請求項5の発明においては、前記ヒンジ機
構を斜板上の上死点対応部位と回転軸の軸線とを含む平
面上に配置した。従って、斜板等の左右両回転方向に対
するバランスが均衡され、回転軸の回転方向は規定され
ない。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例について
説明する。なお、図面において左側を前部、右側を後部
とする。
【0023】図1に示すように、フロントハウジング1
は、シリンダブロック2の前部に接合固定されている。
リヤハウジング3は、バルブプレート19を介して前記
シリンダブロック2の後部に接合固定されている。リヤ
ハウジング3には吸入室3α及び吐出室3βが区画形成
されている。バルブプレート19には吸入弁19α及び
吐出弁19βが設けられている。前記フロントハウジン
グ1とシリンダブロック2とにより形成された閉空間は
クランク室4をなし、同クランク室4内には回転軸6が
フロントハウジング1とシリンダブロック2とにより、
ベアリング5を介して回転可能に架設支持されている。
【0024】回転支持体としてのラグプレート7は前記
回転軸6に止着されている。また、斜板8はその中央部
に貫通孔8αを有し、前記回転軸6が同貫通孔8αに挿
通されることにより、同回転軸6の軸線L方向へ傾動可
能かつスライド移動可能に配置されている。そして、斜
板8は後述するヒンジ機構9を介してラグプレート7に
連結され、同ヒンジ機構9により斜板8の軸線L方向へ
のスライド移動及び傾動が案内される。また、斜板8の
貫通孔8αと回転軸6とは後述するトルク伝達機構10
を介して係合されており、同斜板8は回転軸6と一体回
転可能である。なお、図1において11は、ヒンジ機構
9等による軸線L周りでの重量バランスを調整するため
に、ラグプレート7上に設けられたカウンタウエイトで
ある。
【0025】シリンダボア2αは前記シリンダブロック
2に形成されている。片頭ピストン12は前記シリンダ
ボア2α内に収容されている。そして、前記斜板8は、
片頭ピストン12の基端部に形成された凹部12α内に
進入した状態で、前後一対のシュー13を介して片頭ピ
ストン12を係留している。従って、斜板8の回転運動
がシュー13を介して片頭ピストン12の往復直線運動
に変換され、同片頭ピストン12がシリンダボア2α内
を前後動される。これにより吸入室3αから吸入弁19
αを介してシリンダボア2α内へ吸入された冷媒ガスが
圧縮されつつ、吐出弁19βを介して吐出室3βへ吐出
される。
【0026】圧力供給通路14は、吐出室3βとクラン
ク室4とを接続し、電磁バルブ15は同圧力供給通路上
14に介在されている。同電磁バルブ15のソレノイド
15αが励磁されることにより、スプール15βがポー
ト15γを閉鎖する。また、ソレノイド15αが消磁さ
れることにより、スプール15βがポート15γを開放
する。
【0027】そして、前記片頭ピストン12の前後に作
用されるクランク室4内の圧力とシリンダボア2α内の
圧力との差圧を調整して、斜板8の傾斜角を制御してピ
ストン12のストロークを変更することにより、吐出容
量が調整されるようになっている。このクランク室4内
の圧力は、電磁バルブ15の励磁・消磁による圧力供給
通路14の閉・開動作により制御される。つまり、圧力
供給通路14が閉鎖された状態においてクランク室4内
の圧力は、放圧孔16を介して吸入室3αに放圧される
のみで、従って、同吸入室3αの低圧力に近づいてい
く。よって、斜板8の傾角が最大傾角に保持され、吐出
容量は大きくなる。また、圧力供給通路14が開放され
た状態においては、吐出室3β内の高圧力がクランク室
4に導入され、同クランク室4内の圧力上昇により、斜
板8の傾角が最小傾角に移行される。従って、吐出容量
は小さくなる。
【0028】なお、上記斜板8の最大傾角は、同斜板8
に設けられたストッパ8γとラグプレート7との当接に
より規定され、また、最小傾角は、斜板8と回転軸6に
装着されたリング20との当接により規定される。
【0029】次に、前記ヒンジ機構9及びトルク伝達機
構10について説明する。先ず、トルク伝達機構10に
ついて説明すると、図3(c)に示すように、斜板8の
貫通孔8αは、回転されるリーマ等の加工工具Kの回転
中心線Rを特定の角度範囲で揺動させながら、さらに、
この加工工具Kを斜板8の直径方向に移動させることに
より形成される。従って、図3(a)〜(c)に示すよ
うに貫通孔8αの内周面は、両開口側から中心部に向け
て狭径となるテーパ周面をなし、さらに、断面長穴状に
形成された同貫通孔8αの内周面には、互いに平行な被
トルク伝達部位としての一対の平面部10αが形成され
ている。また、前記回転軸6には、この貫通孔8αの平
面部10αに係合される互いに平行なトルク伝達部位と
しての一対の平面部10βが形成されている。そして、
斜板8は同貫通孔8αにおいて回転軸6に挿通され、貫
通孔8αの平面部10αは回転軸6の平面部10βに係
合され、回転軸6から斜板8への回転トルクの伝達は、
この平面係合部10α,β(図3(b)においては網点
線で示す)を介して直接的に行われる。
【0030】ここで、前記斜板8の回転及び傾動が安定
的に行われるためには、同斜板8は回転軸6に対して少
なくとも三点で支持されていなければならない。上記の
ように、斜板8は二組の平面係合部10α,βを介して
回転軸6に係合されており、この平面係合部10α,β
による斜板8の支持は、その回転方向及び傾動方向に対
して二点支持である。これに加えて支持部8pの支持に
より上述の三点支持が達成されている。このため、本実
施例においては、ヒンジ機構9による斜板8の案内を一
点支持構成とすることができる。
【0031】そこで、ヒンジ機構9の構成を説明する。
図1及び図2に示すように、連結片17は斜板8の背面
に設けられており、同連結片17は1本のガイドピン1
7αを有する。ガイド孔18αを有する1本の支持アー
ム18は、前記ラグプレート7の正面に設けられてい
る。そして、ガイドピン17αの球面部17βがガイド
孔18αに係合され、同球面部17βとガイド孔18α
とが線接触されることにより、斜板8の軸線L方向への
スライド移動及び傾動が案内される。このガイドピン1
7αの球面部17βとガイド孔18αとの係合位置は、
回転軸6から離れた位置にあって、また、斜板8上の上
死点対応部位8βと前記軸線Lとを含む平面F上となる
ように設定されており、ヒンジ機構9による斜板8のス
ムーズな容量変更動作が達成される。
【0032】上記構成の本実施例において、回転軸6か
ら斜板8への回転トルクの伝達は、主として同斜板8の
貫通孔8αと回転軸6との間に介在された平面係合部1
0α,βを介して行われる。また、斜板8の軸線L方向
へのスライド移動及び傾動の案内は、回転軸6からその
係合位置17β、18αが離されたヒンジ機構9により
行われる。従って、次のような効果を奏することができ
る。
【0033】ヒンジ機構9には回転トルクが殆ど作用
されず、同ヒンジ機構9とトルク伝達機構10とを機能
的に大別できる。従って、同ヒンジ機構9に回転トルク
による曲げモーメントは殆ど生じず、同ヒンジ機構9の
耐久性が向上される。また、ヒンジ機構9に曲げモーメ
ントが作用されないので、斜板8のスムーズな傾動、つ
まり、スムーズな容量変更動作を行い得る。さらに、円
周方向における球面部17βとガイド孔18αとのクリ
アランス精度がそれ程要求されず、加工が容易となる。
しかも、貫通孔8αと回転軸6とが面当たりとなるた
め、両者6、8αの摺接磨耗を抑制することができる。
【0034】平面構成によりトルク伝達機構10を構
成しているため、例えば、特開昭52−96407号公
報の技術とは異なり、トルク伝達機構のためにフランジ
33等を設けることにより部品点数が増加される等の問
題は生じない。さらに、同公報の技術とは異なり、トル
ク伝達機構33分の重量を回転軸6の軸線Lの周りで調
整する必要がなく、従って、カウンタウエイト11を軽
量化でき、ひいては、圧縮機が軽量化される。
【0035】斜板8は回転軸6に対して三点で支持さ
れる構成であり、同斜板8を安定的に支持することがで
きる。従って、ガイドピン17αとガイド孔18αは一
組で良く、部品点数の低減及びヒンジ機構9の簡素化、
及び組付の容易化に貢献される。このことは、回転軸6
の軸線Lに対する偏心位置に配置される部品点数の低減
につながり、ラグプレート7のカウンタウエイト11を
軽量化して、圧縮機のさらなる軽量化をなし得る。
【0036】前述したように、回転トルクが平面係合
部10α,βを介して伝達される構成であるため、ヒン
ジ機構9は、その配置位置の制約が緩くなり、本実施例
のように、同ヒンジ機構9の係合位置17β、18α
を、片頭ピストン12を上死点位置に配置する斜板8上
の上死点対応部位8βと回転軸6の軸線Lとを含む平面
F上に配した構成を採ることが可能となる。従って、斜
板8及びラグプレート7全体の回転方向におけるバラン
スが均衡され、回転軸6の回転方向が規定されない。
【0037】つまり、ガイドピン17α及びガイド孔1
8αが一組の場合は、それらを図2において二点鎖線で
示すように配置する必要がある。すなわち、斜板8に作
用される圧縮反力の合力を同ヒンジ機構9において適正
に受け止めるために、そのヒンジ機構9の係合位置17
β、18αを、斜板8上の上死点対応部位8βと回転軸
6の軸線Lとを含む平面Fから圧縮行程側(二点鎖線矢
印で示す)にずらす必要がある。このような構成である
と、仮に、回転軸6が逆方向へ回転された場合には対応
できなくなり、一方向回転専用の圧縮機となってしま
う。このため、エンジンが異なると、圧縮機のマウント
方向を狭いエンジンルーム内で反転させることが必要と
なり、場合によっては、スペース的にこの反転が許容さ
れずに、装着不可能となることがある。しかし、回転軸
6の回転方向が規定されない本実施例においては、いず
れの回転方向のエンジンに対してもマウント方向を変更
することなしに容易に対応できる。
【0038】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、以下の態様でも実施できる。 (1)本発明をワッブル型圧縮機、つまり、図5に示す
タイプの圧縮機において具体化すること。 (2)ガイドピン17α及びガイド孔18αを二組以上
設けること。 (3)ガイドピン17α及びガイド孔18α構成を、複
数節リンク機構に変更しても良い。 (4)ラグプレート7側にガイドピン17αを、斜板8
側にガイド孔18αを設けること。
【0039】上記実施例から把握できる技術的思想につ
いて記載する。 (1)前記斜板8にはピストン12がシュー13を介し
て係留されている請求項1〜4のいずれかに記載の可変
容量型斜板式圧縮機。
【0040】このようにすれば、圧縮機の重量増を伴う
ことなく、トルク伝達機構10とヒンジ機構9とを機能
的に大別することができ、ヒンジ機構9の耐久性が向上
される。 (2)斜板には揺動板が対向されており、同揺動板に摺
接された斜板の揺動により、揺動板に連結されたピスト
ンが往復直線運動される構成の請求項1〜4のいずれか
に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
【0041】このようにすれば、圧縮機の重量増を伴う
ことなく、トルク伝達機構とヒンジ機構とを機能的に大
別することができ、ヒンジ機構の耐久性が向上される。
【0042】
【発明の効果】上記構成の請求項1の発明によれば、圧
縮機の重量増を伴うことなく、トルク伝達機構とヒンジ
機構とを機能的に大別することができ、ヒンジ機構の耐
久性が向上される。
【0043】請求項2の発明によれば、平面構成により
トルク伝達機構が構成されているため、同トルク伝達機
構のために部品点数が増加される等の問題は生じない。
請求項3の発明によれば、ガイドピンの球面部とガイド
孔とは、常に線接触に保たれるので異常磨耗を抑制する
ことができ、両者の耐久性が向上される。
【0044】請求項4の発明によれば、ヒンジ機構の部
品点数低減及び簡素化をなし得る。また、圧縮機の軽量
化に貢献される。請求項5の発明によれば、回転軸の回
転方向が規定されず、回転方向の異なるエンジンに対し
て容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変容量型斜板式圧縮機の縦断面図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 (a)図1のB−B線断面図、(b)図1の
要部拡大図、(c)貫通孔の加工工程を示す説明図。
【図4】 (a)従来技術を示す要部拡大断面図、
(b)貫通孔付近の横断面拡大図。
【図5】 特開昭52−96407号公報の技術を示す
要部拡大断面図。
【図6】 米国特許第4425837号の技術を示す要
部拡大断面図。
【符号の説明】
4…クランク室、6…回転軸、7…回転支持体としての
ラグプレート、8…斜板、8α…貫通孔、9…ヒンジ機
構、10α…被トルク伝達部位としての貫通孔に設けら
れた平面部、10β…トルク伝達部位としての回転軸に
設けられた平面部。
フロントページの続き (72)発明者 岡留 洋一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、貫通孔を有し、同貫通孔にお
    いて前記回転軸に傾動可能に支持された斜板と、前記回
    転軸に止着された回転支持体と、同回転支持体と前記斜
    板との間に介在され、斜板の傾動を案内するヒンジ機構
    とを備え、斜板の傾角を調整することにより吐出容量を
    変化させる可変容量型斜板式圧縮機において、 前記回転軸にはトルク伝達部位が形成されるとともに、
    前記斜板の貫通孔には被トルク伝達部位が形成されてな
    り、同トルク伝達部位と被トルク伝達部位との係合によ
    り、斜板が回転軸と一体回転されるように構成された可
    変容量型斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記トルク伝達部位及び被トルク伝達部
    位は、前記回転軸及び斜板の貫通孔に設けられた一対の
    平面部である請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 前記ヒンジ機構は、球面部を備えたガイ
    ドピンを斜板或いは回転支持体の一方に設けると共に、
    前記球面部を案内するガイド孔を他方に設けることによ
    り構成された請求項1又は2のいずれかに記載の可変容
    量型斜板式圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ヒンジ機構は単数の前記ガイドピン
    により構成される請求項3に記載の可変容量型斜板式圧
    縮機。
  5. 【請求項5】 前記ヒンジ機構は、斜板上の上死点対応
    部位と回転軸の軸線とを含む平面上に配置された請求項
    3又は4に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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