JPH08337670A - 発泡性ポリオルガノシロキサン組成物および難燃性発泡体 - Google Patents

発泡性ポリオルガノシロキサン組成物および難燃性発泡体

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JPH08337670A
JPH08337670A JP7144356A JP14435695A JPH08337670A JP H08337670 A JPH08337670 A JP H08337670A JP 7144356 A JP7144356 A JP 7144356A JP 14435695 A JP14435695 A JP 14435695A JP H08337670 A JPH08337670 A JP H08337670A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ケイ素原子に結合したフェニル基を有するア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン、白金系触媒、アルコール、
カーボンブラックおよび二酸化チタンを含むことを特徴
とし、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン中のケイ
素原子に結合した水素原子1個に対するアルコール中の
水酸基が0.01〜10個である発泡性ポリオルガノシ
ロキサン組成物。 【効果】 優れた難燃性と、細かくて均一な気泡を有す
る、高い発泡倍率で低密度の発泡体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な発泡性ポリオル
ガノシロキサン組成物に関し、さらに詳しくは、整泡性
に優れ、発泡倍率が高く、見掛密度が低く、そのうえ優
れた難燃性を有する発泡体を形成しうる発泡性ポリオル
ガノシロキサン組成物に関する。また、本発明は、その
ような組成物を発泡、硬化させて得られる難燃性発泡体
に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡性の液状ポリオルガノシロキサン組
成物については、すでに各種のものが知られている。そ
れらの発泡機構は、硬化の際に脱水素反応を伴う硬化機
構のポリオルガノシロキサン組成物を硬化させて、その
際に発生する水素ガスを系中に取り込んでスポンジ状の
硬化物を得るものであって、発泡剤を別途配合しないの
で組成が単純であり、発泡剤を用いる場合のように、有
毒な分解生成物を生じないなど、多くの利点を有してい
る。そのため、ポリシロキサン固有の耐熱性、耐寒性お
よび耐候性に加えて、取扱いやすいこと、容易に難燃性
のものが得られやすいことから、とくにゴム状弾性を有
する発泡体として、耐火気密シール、断熱材、吸音材、
防振材などに広く用いられている。
【0003】このような発泡性の液状ポリオルガノシロ
キサン組成物にとして、次のようなものが公知である。
【0004】特開昭51−46352号公報には、シラ
ノール基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンとを白金系触媒で硬化させて、
その際に生成する水素ガスによって発泡体を形成する機
構の発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されて
いる。さらに、この発泡機構を改良した提案がなされて
いる。すなわち、特開平4−88034号公報には、上
記のシラノール基含有ポリオルガノシロキサンとして、
両末端のケイ素原子にヒドロキシル基が結合した直鎖
状ポリオルガノシロキサン、中間のケイ素原子のみに
ヒドロキシル基が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサ
ンおよびシラノール基含有分岐状ポリオルガノシロキ
サンを用いる発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開
示され、特開平5−1169号公報には、上記のおよ
びをアルコールと併用するポリオルガノシロキサン組
成物が開示されている。
【0005】特開昭54−135865号公報には、ア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒の存在下にヒ
ドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾
性体を得る際に、水を共存させて、該ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンと水との反応で発生した水素ガス
によって発泡体を形成させる、発泡性ポリオルガノシロ
キサン組成物が開示されている。この発泡機構を改良し
たものとして、特開平5−70692号公報には、水の
代わりに液状アルコールを用い、フッ素化シリコーン気
泡安定剤を配合する発泡性ポリオルガノシロキサン組成
物が開示されている。
【0006】特開昭57−180641号公報には、シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンおよびアミノキシ化合物を含
む発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されてい
る。
【0007】これらの発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物では、いずれも、発生した水素ガスを取り込んだ泡
が大きくなって整泡性が悪く、また、得られた発泡体の
見掛密度を下げるために水素ガスを多く発生させると、
発生したガスを取り込みきれずに破泡しやすく、低密度
の均一に発泡した発泡体が得られないという問題があ
る。さらに、難燃性が十分ではないので、航空機、車輌
などのクッション材、ならびに住宅における高い難燃性
を必要とする部分の断熱材、吸音材などとして使用する
うえで制約がある。
【0008】白金系触媒を用いることにより、硬化後に
残存する該触媒の存在によって、シリコーンゴムに難燃
性を生ずることは知られている。また、シリコーンゴム
に難燃性を付与するために、酸化鉄、水酸化アルミニウ
ム、炭酸マンガン、炭酸亜鉛、カーボンブラック、アゾ
化合物、トリアゾール化合物などの難燃化剤を用いるこ
とも知られている。しかし、このような難燃化剤を付加
反応型ポリオルガノシロキサン組成物から得られる発泡
体に適用しても、満足できる難燃性発泡体を得るには至
っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、整泡
性に優れ、高い発泡倍率で、見掛密度が低く、そのうえ
優れた難燃性を有する発泡体が得られる発泡性ポリオル
ガノシロキサン組成物を提供することである。本発明の
もうひとつの目的は、そのような組成物を発泡、硬化さ
せて得られる、低密度で整泡性に優れ、難燃性を有する
ポリオルガノシロキサン発泡体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、ヒドロシリル化
反応にアルコールを共存させる発泡機構において、ベー
スポリマーであるアルケニル基含有ポリオルガノシロキ
サンに、ケイ素原子に結合したフェニル基を存在させる
とともに、充填剤を兼ねる難燃化剤として、カーボンブ
ラックと酸化チタンを選択し、その特定量を併用するこ
とにより、その目的を達成しうることを見出して、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の発泡性ポリオルガノシ
ロキサン組成物は、 (A)一般式:
【化3】 (式中、R1 はアルケニル基を表し、R2 はたがいに同
一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有し
ない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、aは
1または2の整数を表し、bは0〜2の整数を表し、a
+bは1〜3の整数である)で示される単位を分子中に
少なくとも2個有し、かつ、ケイ素原子に結合したフェ
ニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル基含
有ポリオルガノシロキサン; (B)一般式:
【化4】 (式中、、R3 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
く、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1
価の炭化水素基を表し、cは0〜2の整数を表し、dは
1または2の整数を表し、c+dは1〜3の整数であ
る)で示される単位を分子中に少なくとも3個有するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分のア
ルケニル基1個に対するケイ素原子に結合した水素原子
の量が3〜1,000個になる量; (C)白金または白金化合物から選ばれた触媒、(A)
成分に対して白金原子が0.1〜1,000重量ppm に
なる量; (D)脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜12
の1価または多価アルコール、(B)成分のケイ素原子
に結合した水素原子1個に対する水酸基の数が0.01
〜10個になる量; (E)カーボンブラック0.1〜20重量部;および (F)二酸化チタン0.1〜20重量部 を含むことを特徴とする。
【0012】本発明に用いられる(A)成分は、一般
式:
【化5】 (式中、R1 、R2 、aおよびbは前述のとおり)で示
される単位を分子中に少なくとも2個有し、かつ、ケイ
素原子に結合したフェニル基を分子中に少なくとも1個
有するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンであ
る。該(A)成分は本発明の組成物のベースポリマーで
あり、ケイ素原子に結合したアルケニル基が、(B)成
分中のケイ素原子に結合した水素原子とのヒドロシリル
化反応により架橋を行うとともに、他の成分との連携に
より発泡体に強度を付与する成分である。
【0013】この(A)成分は、上記の(I)式で表さ
れる単位を分子中に少なくとも2個と、ケイ素原子に結
合したフェニル基を分子中に少なくとも1個有するアル
ケニル基含有ポリオルガノシロキサンであれば、その分
子構造に特に制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロ
キサン骨格を有するものが使用されうるが、合成のしや
すさ、および組成物に優れたゴム弾性と機械的性質を付
与する点から、直鎖状のものか、直鎖状と分岐状のアル
ケニル基含有ポリオルガノシロキサンを併用することが
好ましい。重合度はとくに限定されないが、10〜3,
000が好ましく、50〜2,000がさらに好まし
い。重合度が10未満では、硬化によって得られた発泡
体の機械的性質が十分でなく、3,000を越えると、
未硬化状態における取扱いが困難となる。
【0014】R1 としてはビニル、アリル、ブテニルな
どが例示され、合成が容易なことからビニル基が好まし
い。R2 としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル
などのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキ
ル基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなど
のアラルキル基;フェニルなどのアリール基;ならびに
クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ク
ロロフェニルなどの置換された1価の炭化水素基が例示
され、合成が容易なことから、後述のフェニル基以外は
メチル基であることが好ましい。a、bはそれぞれ前述
のとおりであり、合成の容易なことから、aが1である
ことが好ましい。
【0015】このような(I)式で表される単位は、分
子末端、分子中間のいずれに存在してもよいが、硬化し
て得られる発泡体に良好な機械的性質を付与するには、
少なくともその一部は分子末端に、たとえばR12 2
iO1/2 単位のような形式で存在することが好ましい。
【0016】(A)成分中の(I)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R2
として例示したものと同様の1価の置換または非置換の
炭化水素基が例示され、合成が容易なことと、耐熱性、
耐寒性などのポリオルガノシロキサンの特徴を硬化した
発泡体に付与することから、後述のフェニル基を除き、
メチル基であることが好ましい。
【0017】ケイ素原子に結合したフェニル基が存在す
ることにより、(A)成分の表面張力が高くなり、発生
した水素ガスを系中に保持して、破泡することなく、多
量の細かくて均一な気泡を有する低密度の発泡体の形成
を可能にする。このようなフェニル基は、(A)成分の
1分子中に少なくとも1個存在し、ケイ素原子に結合し
た全有機基中、好ましくは0.1〜30モル%、さらに
好ましくは1〜15モル%を占める。このようなフェニ
ル基は、(I)式で表される単位、その他の単位のいず
れに存在しても、あるいは両方に存在してもよいが、合
成の容易なことから、その他の単位として、(CH3
(C65 )SiO単位および/または(C652
SiO単位を構成して存在することが好ましい。フェニ
ル基の量が0.1モル%未満では、大きな発泡倍率の細
かくて均一な泡の発泡体が得られず、30モル%を越え
ると、(A)成分として使用するポリシロキサンの合成
が困難になるうえ、後述の(B)成分との相溶性が悪く
なるため、発生した泡が粗くなり、発泡倍率もかえって
低下する。
【0018】本発明に用いられる(B)成分は、一般
式:
【化6】 (式中、R3 、cおよびdは前述のとおり)で表される
単位を1分子中に少なくとも3個有するポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンであり、ケイ素原子に結合した
水素原子が、(A)成分中のアルケニル基とのヒドロシ
リル反応を行う架橋剤として寄与するとともに、(D)
成分中の水酸基と反応して水素ガスを発生するという機
能を有する。
【0019】この(B)成分は、1分子中にケイ素原子
に直接結合した水素原子を3個以上有するものであれ
ば、その分子構造に特に制限はなく、直鎖状、環状、分
岐状のシロキサン骨格を有するものが使用されうるが、
合成のしやすさから、直鎖状のもの、またはR3 2HSi
1/2 単位とSiO2 単位からるポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンが好ましい。
【0020】R3 は、たがいに同一でも相異なっていて
もよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換
の1価の炭化水素基であり、このような基としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシルのようなアルキル基;シクロヘキ
シルのようなシクロアルキル基;フェニルのようなアリ
ール基;ならびにクロロメチル、3,3,3−トリフル
オロプロピル、クロロフェニルのような置換された1価
の炭化水素基が挙げられ、合成のしやすさから、メチル
基であることが好ましい。
【0021】(B)成分中の(II)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R3
と同様なものが例示され、合成のしやすさから、メチル
基であることが好ましい。
【0022】(B)成分の配合量は、(A)成分のアル
ケニル基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子
3〜1,000個になる量であり、好ましくは5〜10
0個になる量である。水素原子が3個未満では、発生す
る水素ガス量が少なく、また架橋が少なくて機械的強度
が弱くなり、1,000個を越えると硬化後の物性(と
くに耐熱性)の変化が大きくなるからである。
【0023】本発明に用いられる(C)成分は、(A)
成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子との間のヒドロシリル化反応により、本
発明の組成物を硬化させるとともに、該水素原子と
(D)成分中の水酸基との間の脱水素縮合反応を起こさ
せるために用いられる触媒である。これには、塩化白金
酸、アルコールと塩化白金酸から得られる錯体、白金オ
レフィン錯体、白金ケトン錯体、白金ビニルシロキサン
錯体のような白金化合物;およびアルミナ、シリカ担体
に担持された白金、白金黒などで例示される形状の白金
単体が使用できる。この(C)成分は、触媒としての必
要量が用いられ、この量は(A)成分に対して、白金原
子に換算して0.1〜1,000ppm となる量であり、
好ましくは0.5〜200ppm になる量である。0.1
ppm 未満では、触媒濃度が低いため、発泡および硬化が
不十分となる。また1,000ppm を越えて配合して
も、それ以上の効果はなく、(C)成分が貴金属を含
み、一般に高価であるために、経済的に好ましくない。
【0024】本発明に用いられる(D)成分は、脂肪族
不飽和結合を有しない炭素原子数1〜12のアルコール
であり、1価でも多価でもよく、炭素鎖は直鎖状でも分
岐状でもよく、水酸基が直接結合していない芳香環を有
していてもよい。このようなアルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノ
ール、n−オクタノール、ベンジルアルコールのような
1価アルコール;ならびにエチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン
のような多価アルコールが例示され、水酸基当量が大き
くて、少量の添加で有効であり、硬化した発泡体の耐熱
性や耐候性への影響が少ないことから、炭素原子数1〜
4の1価のアルコール、または炭素原子数2〜4の2価
アルコールが好ましい。
【0025】(D)成分の配合量は、(B)成分中のケ
イ素原子に結合した水素原子1個に対して、(D)成分
中の水酸基が0.01〜10個になる量であり、好まし
くは0.1〜5個になる量である。水酸基が0.01個
未満では発生する水素の量が少なく、低密度の発泡体が
得られない。また10個を越えると、(B)成分中のケ
イ素原子に結合した水素原子のうち、(A)成分と
(B)成分の間の架橋反応に寄与する分が相対的に減少
して、硬化して得られる発泡体の機械的強度が低くなっ
たり、発泡中に破泡現象を生じたりする。
【0026】本発明に用いられる(E)成分は、充填剤
として寄与するとともに、(F)成分と併用することに
より、本発明の組成分を発泡、硬化させて得られる発泡
体に難燃性を付与する成分である。(E)成分としては
カーボンブラックが用いられる。カーボンブラックとし
ては、製造法により、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、サーマルブラックなどが例示され、出発材料
の相違により、ガスブラック、オイルブラック、アセチ
レンブラックなどが例示されるが、そのいずれも本発明
に使用することができる。分散性が良好で、発泡体表面
の平滑性を保ち、難燃化効果が良好なことから、粒径は
1μm 以下が好ましく、難燃化効果と経済性を考慮し
て、1〜100nmがさらに好ましい。
【0027】(E)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは
1.0〜10重量部である。0.1重量部未満では、発
泡体に優れた難燃性を付与することができない。また2
0重量部を越えて配合しても、難燃性をそれ以上向上さ
せる効果はなく、かつ(C)成分を被毒させて硬化性を
損ねる傾向が出るので、好ましくない。
【0028】本発明に用いられる(F)成分は、充填剤
として寄与するとともに、(E)成分と併用することに
より、本発明の組成分を発泡、硬化させて得られる発泡
体に難燃性を付与する成分である。(F)成分として
は、二酸化チタンが用いられる。二酸化チタンには、結
晶構造の相違によってルチル型とアナタース型があり、
製造方法も硫酸法、塩素法などがあるが、分散性が良好
で、発泡体表面の平滑性を保ち、難燃化効果が良好なこ
とから、粒径10μm 以下の粉末が好ましく、1μm 以
下がさらに好ましく、難燃化効果と経済性を考慮して、
1〜100nmが特に好ましい。この範囲の二酸化チタン
粉末であれば、いずれの結晶構造のものでも、また、ど
のような製造法によるものでも、本発明に使用すること
ができる。なお、(E)成分か(F)成分の一方のみを
配合しても、得られた発泡体は、優れた難燃性を示さな
い。
【0029】(F)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは
1.0〜10重量部である。0.1重量部未満では、発
泡体に優れた難燃性を付与することができない。また2
0重量部を越えて配合しても、難燃性をそれ以上向上さ
せる効果がない。
【0030】本発明の発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物に、本発明の目的を損なわないかぎり、必要に応じ
て、希釈剤として、(A)成分や(B)成分に該当しな
い、末端トリオルガノシリル基やシラノール基で閉塞さ
れたポリオルガノシロキサンを配合することができる。
また、必要に応じて、(E)成分、(F)成分以外の、
1種または2種以上の充填剤や顔料、すなわち、煙霧質
シリカ、沈降法シリカ、石英粉末、けいそう土、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、マイ
カ、クレイ、炭酸カルシウム、金属粉、グラファイトの
1種または2種以上を配合することができる。さらに、
炭酸亜鉛、炭酸マンガンのような(E)成分、(F)成
分以外の難燃化剤;水酸化セリウムのような耐熱性向上
剤などを配合することができる。
【0031】本発明の発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物は、第1の実施態様として、(A)成分、(C)成
分および(D)成分を含む第1の包装と、(B)成分を
含む第2の包装からなる2包装形態を調製して保存して
おき、使用の際に混合、撹拌して反応させ、硬化と発泡
を同時に進行させてよい。また、第2の実施態様とし
て、上記の第2の包装の代りに、(A)成分の一部と
(B)成分を含む第2の包装を調製して用いてもよい。
(E)成分、(F)成分およびその他の充填剤などの添
加剤を配合するときは、一般に第1の包装に配合する
が、使用の際に別途添加してもよく、上記の第2の実施
態様においては、保存中に反応が進行するおそれがない
限り、第2の包装に配合してもよい。混合温度は、
(D)成分が揮発しない範囲であればとくに限定されな
いが、作業性などを考慮して、一般に0〜60℃におい
て混合を行う。
【0032】
【発明の効果】本発明の発泡性ポリオルガノシロキサン
組成物を用いて、硬化と発泡を同時に行うことにより、
優れた整泡効果を呈して、優れた難燃性を有し、かつ細
かくて均一な気泡を有する、高い発泡倍率で低密度のゴ
ム状発泡体が得られる。
【0033】このようにして得られた本発明の難燃性発
泡体は、シリコーンの耐熱性、耐寒性、耐湿性、触感、
安全性などの特徴を生かした、低密度で高機能の断熱
材、吸音材、防振剤、クッション剤、パッキン、ガスケ
ット、パッド、気密シール材などの用途、とりわけ、優
れた難燃性を必要とする建築用の断熱材や配管封止材、
家庭電器の部品などに好適である。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに説明する。これらの例において、部はすべて重
量部を表し、粘度は25℃における粘度を表す。なお、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0035】本発明の実施例および比較例に、(A)成
分および(B)成分として、下記の平均構造式および粘
度を有する鎖状ポリシロキサン(A−1〜A−4および
B−1)を用いた。なお、複数の中間シロキサン単位を
有する構造式は、いずれもブロック共重量体を表すもの
ではなく、単にシロキサン単位の数を示したものであ
り、これらのポリシロキサンはランダム共重合体であ
る。また、式中、次の略号を用いた。 Me:メチル基; Vi:ビニル基; Ph:フェニル
【0036】A−1:α,ω−ジビニルポリメチルフェ
ニルシロキサン
【化7】 粘度:3,000cP; A−2:α,ω−ジビニルポリメチルフェニルシロキサ
【化8】 粘度:3,500cP; A−3:α,ω−ジビニルポリメチルフェニルシロキサ
【化9】 粘度:2,500cP; A−4:α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン
【化10】 粘度:3,000cP; B−1:ポリメチルハイドロジェンシロキサン
【化11】 粘度:25cSt 。
【0037】また、(C)成分として、塩化白金酸とポ
リメチルビニルシロキサンより得られた、1重量%の白
金原子を含有する白金ビニルシロキサン錯体(C−1)
を用いた。
【0038】(D)成分としては、メタノール、n−プ
ロパノールまたは2−ブタノールを用いた。
【0039】(E)成分として用いたカーボンブラック
は、比表面積36m2/g、一次粒子径50nm、かさ密度1
60g/L のアセチレンブラックである。
【0040】(F)成分として用いた二酸化チタンは、
比表面積50m2/g、一次粒子径21nm、かさ密度130
g/L のルチル型煙霧質二酸化チタンである。
【0041】実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示す配合比により、各成分を混合して、それぞれ
の組成物を調製した。すなわち、(A)成分として、実
施例1〜5では、フェニル基を有するアルケニル基含有
ポリオルガノシロキサンを用い、比較例1、2では、フ
ェニル基を有しないアルケニル基含有ポリオルガノシロ
キサンを用いた。比較例3、4では、(A)成分として
は実施例1〜3と同じフェニル基を有するアルケニル基
含有ポリオルガノシロキサンA−1を用いたが、(E)
成分か(F)成分の一方のみを、実施例における(E)
成分と(F)成分の合計量に相当する量配合した。組成
物中のOH/H比とH/Vi比を表1に示す。ただし、
OHは配合したアルコールの水酸基、HおよびViはそ
れぞれ配合したポリシロキサン中のケイ素原子に結合し
た水素原子およびビニル基を表す。
【0042】混合により、室温において発泡と硬化が進
行し、30分間放置した後に、比較例1以外は、ゴム弾
性を有する発泡体が得られた。このようにして得られた
発泡体の発泡倍率と泡(セル)の大きさを測定した。ま
た、厚さ10mmの発泡体を用い、UL94で規定される
難燃性試験法(鉛直法)に準拠して、発泡体の難燃性を
評価した。その結果は、表1に示すとおりであった。
【0043】
【表1】
【0044】本発明による実施例1〜5は、いずれにお
いても優れた難燃性を有し、しかも発泡倍率が高く、細
かくて均一な気泡を有する優れた発泡体が得られた。そ
れに対して、比較例1では、実施例1と同じOH/H比
を用いたところ、発泡しても硬化の途中で破泡してしま
い、発泡体が得られなかった。比較例2では、OH/H
比を下げて発泡体が得られ、その難燃性が優れていたも
のの、実施例1〜5で得られた発泡体に比べて発泡倍率
が低く、セルサイズの粗いものであった。比較例3およ
び4では、発泡倍率が高く、細かくて均一な気泡を有す
る発泡体が得られたが、優れた難燃性は得られなかっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 (式中、R1 はアルケニル基を表し、R2 はたがいに同
    一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有し
    ない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、aは
    1または2の整数を表し、bは0〜2の整数を表し、a
    +bは1〜3の整数である)で示される単位を分子中に
    少なくとも2個有し、かつ、ケイ素原子に結合したフェ
    ニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル基含
    有ポリオルガノシロキサン100重量部; (B)一般式: 【化2】 (式中、R3 はたがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1
    価の炭化水素基を表し、cは0〜2の整数を表し、dは
    1または2の整数を表し、c+dは1〜3の整数であ
    る)で示される単位を分子中に少なくとも3個有するポ
    リオルガノハイドロジェンシロキサン、(A)成分のア
    ルケニル基1個に対するケイ素原子に結合した水素原子
    の量が3〜1,000個になる量; (C)白金または白金化合物から選ばれた触媒、(A)
    成分に対して白金原子が0.1〜1,000重量ppm に
    なる量; (D)脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜12
    の1価または多価アルコール、(B)成分のケイ素原子
    に結合した水素原子1個に対する水酸基の数が0.01
    〜10個になる量; (E)カーボンブラック0.1〜20重量部;および (F)二酸化チタン0.1〜20重量部 を含むことを特徴とする発泡性ポリオルガノシロキサン
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発泡性ポリオルガノシ
    ロキサン組成物を発泡、硬化させて得られる難燃性発泡
    体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999024509A1 (fr) * 1997-11-06 1999-05-20 Kaneka Corporation Durcisseur, composition reticulable et composition de resine expansible contenant toutes deux ledit durcisseur, mousse fabriquee a partir de ladite composition de resine expansible et procede de fabrication correspondant
JP2001220510A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンゴム組成物
JP2009256426A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Jsp Corp スチレン系樹脂押出発泡板
JP2021070725A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 信越化学工業株式会社 液状シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ
CN113462166A (zh) * 2021-07-08 2021-10-01 湖北祥源新材科技股份有限公司 一种电子产品用有机硅发泡片材及其制备方法

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