JPH08334694A - ズームレンズ - Google Patents
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- JPH08334694A JPH08334694A JP7161490A JP16149095A JPH08334694A JP H08334694 A JPH08334694 A JP H08334694A JP 7161490 A JP7161490 A JP 7161490A JP 16149095 A JP16149095 A JP 16149095A JP H08334694 A JPH08334694 A JP H08334694A
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Abstract
なく小型で、低コスト化が実現可能で、量産性に優れた
ズームレンズを提供すること。 【構成】 本発明では、負・正2群を有するズームレン
ズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像
側に凹面を向けた第1負メニスカスレンズ成分L11と、
第2負レンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた第3正
レンズ成分L13とを有し、第2レンズ群G2は、物体側
から順にそれぞれ分離された、第1正レンズ成分L21
と、第2正レンズ成分L22と、第3負レンズ成分L23
と、第4正レンズ成分L24とを有し、第1レンズ群G1
中の第1負メニスカスレンズ成分L11および第2負レン
ズ成分L12のレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ
面は非球面状に形成され、所定の条件式を満足する。
Description
に小型で高変倍比を有する広角ズームレンズに関する。
の交換レンズにおける超広角ズームレンズおよび広角ズ
ームレンズは、小型化および高倍率化の一途をたどって
いる。特に、安価な広角ズームレンズおよび超広角ズー
ムレンズを実現するには、いわゆる負正2群構成のズー
ムレンズや、基本的には負正2群ズームタイプの構成を
有し像側に非常に弱い屈折力の第3レンズ群を付加した
3群ズームレンズ等が適している。そして、これらのズ
ームタイプについて、種々の提案がなされている。これ
らのズームタイプとして、たとえば本出願人の出願によ
る特開平5−249373号公報や特開平5−2493
74号公報に開示のズームレンズが知られている。
9373号公報に開示されたズームレンズでは、第1レ
ンズ群が2枚の負メニスカスレンズと1枚の正レンズと
からなり、構成枚数が少なく薄肉化が図られている。ま
た、特開平5−249374号公報に開示されたズーム
レンズでは、第1レンズ群が負メニスカスレンズと正メ
ニスカスレンズとの2枚からなり、色消しが可能な最小
構成枚数で構成されている。
ズームレンズでは、広角端の画角がともに2ω=84°
程度であり、且つ変倍比も1.96程度と比較的小さ
い。今後の広角ズームレンズおよび超広角ズームレンズ
としては、さらなる高画角化、高変倍化およびコンパク
ト化が必要である。
のであり、高画角および高変倍比を有し、構成枚数が少
なく小型で、低コスト化が実現可能で、量産性に優れた
ズームレンズを提供することを目的とする。
に、本発明においては、物体側から順に、全体として負
の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として正の
屈折力を有する第2レンズ群G2とを備え、前記第1レ
ンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気間隔を変化
させることによって変倍を行うズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側に凹面
を向けた第1負メニスカスレンズ成分L11と、第2負レ
ンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた第3正レンズ成
分L13とを有し、前記第2レンズ群G2は、物体側から
順にそれぞれ分離された、第1正レンズ成分L21と、第
2正レンズ成分L22と、第3負レンズ成分L23と、第4
正レンズ成分L24とを有し、前記第1レンズ群G1中の
前記第1負メニスカスレンズ成分L11および前記第2負
レンズ成分L12のレンズ面のうち、少なくとも1つのレ
ンズ面は非球面状に形成され、前記第1レンズ群G1の
焦点距離をfI とし、広角端におけるレンズ系全体の焦
点距離をfwとし、望遠端におけるレンズ系全体の焦点
距離をftとし、前記第2レンズ群G2の変倍に際する
最大移動量をXIIとし、前記第1レンズ群G1中の前記
第2負レンズ成分L12の最も物体側の面の曲率半径をr
1とし、前記第2負レンズ成分L12の最も像側の面の曲
率半径をr2としたとき、 0.6≦|fI |/(fw・ft)1/2 ≦1.1 1.2≦XII/fw≦2.5 −1≦(r2+r1)/(r2−r1)≦2 の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供
する。
レンズ群G2中の前記第4正レンズ成分L24の最も物体
側の面の曲率半径をraとし、前記第4正レンズ成分L
24の最も像側の面の曲率半径をrbとしたとき、 −3<(rb+ra)/(rb−ra)<1 の条件を満足する。
1のレンズ構成について説明する。本発明において、第
1レンズ群G1は、物体側から順に、第1負メニスカス
レンズ成分L11と、第2負レンズ成分L12と、第3正レ
ンズ成分L13とを有する。このように、第1レンズ群G
1は基本的に3枚構成で、第1負メニスカスレンズ成分
L11および第2負レンズ成分L12のレンズ面のうち、少
なくとも1つのレンズ面が非球面状に形成されている。
することにより、特に広角端における下方コマ収差およ
び非点収差等の補正がさらに有利になる。なお、第2負
レンズ成分L12も物体側に凸面を向けたメニスカス形状
にした場合、上述の収差等の補正には有利となる。しか
しながら、本発明のように広角端で最大2ω=95.5
°を有するような超広角域を含むズームレンズの場合、
前玉径の増大を招き、さらに第1レンズ群G1の大型化
および厚肉化につながってしまう。また、最大変倍比が
2.83倍という本発明のような高倍率コンパクトズー
ムレンズを実現しようとする場合、特に望遠側において
下方コマ収差および球面収差の補正自由度が不足し、良
好の収差補正することが難しくなる。したがって、本発
明では、第2負レンズ成分L12の形状が物体側に凸面を
向けたメニスカス形状ではなく、後述する条件式(3)
を満たすように構成している。
レンズ成分L12のうち少なくともいずれか一方に少なく
とも1つの非球面を導入することにより、下方コマ収
差、歪曲収差、および望遠側における球面収差の補正を
さらに補う効果がある。さらに付け加えるならば、非球
面は、近軸光線高hと近軸主光線高h’との関係によ
り、導入する位置によってその効果が異なるが、本発明
においては、広角側の下方コマ収差、非点収差、歪曲収
差の補正と、望遠側の下方コマ収差の補正とを極力バラ
ンス良くするために、より効果的であるように第1レン
ズ群G1の2枚の負レンズ成分L11およびL12の少なく
ともいずれか一方に非球面を導入している。本発明の実
施例においては、さらに最も効果が高い例として、第1
負レンズ成分L11の像側の面に非球面を導入した例を示
している。
用して非球面の設計を行なうことにより、10次以上の
非球面高次項をコントロールするのと同様かそれ以上
に、高次収差まできめ細かい収差補正を可能にして、そ
の結果、第1レンズ群G1において比較的物体側に非球
面を導入しても、望遠側の収差補正の自由度も増加し、
好ましいバランスで収差補正が可能になる。
球面の上述の使用方法とによって、第1レンズ群G1の
屈折力を比較的強めることができ、小型化およびフィル
ターサイズの小径化が可能になる。したがって、本発明
のような超広角域を含む高倍率コンパクトズームレンズ
を実現する場合、第1レンズ群G1を少なくとも負負正
の3成分を有する構成とし、各レンズ成分の適切な形状
および非球面の導入が必要である。
全長(第1レンズ群G1の最も物体側の面から像面まで
の距離)との関係について説明する。一般に、負・正の
2群ズームレンズを例にとると、広角端におけるレンズ
系全体の焦点距離をfwとし、望遠端におけるレンズ系
全体の焦点距離をftとし、第1レンズ群G1の焦点距
離をfI とすると、次の式(a)で示す関係が成立した
場合に広角端におけるレンズ全長と望遠端におけるレン
ズ全長とが等しくなり、変倍によるレンズの全長変化が
最小になる。 fI =−(fw・ft)1/2 (a)
逸脱するように第1レンズ群G1の焦点距離fI を選定
することは、変倍によるレンズの全長変化が大きくなり
すぎて好ましくない。また、収斂レンズ群である第2レ
ンズ群G2の望遠端における倍率をβtとしたとき、次
の式(b)に示す関係が成立する。 ft=fI ・βt (b)
図るには、第2レンズ群G2を望遠端において等倍を越
えた倍率で使用する必要がある。さらに、コンパクトで
良好な収差補正を行いつつ、上述の式(a)および
(b)の関係を満足するには、各レンズ群を比較的強い
屈折力で使用することになる。したがって、従来のズー
ムレンズでは、各レンズ群を多くのレンズ枚数で構成す
る傾向があった。その結果、ともすれば各レンズ群が厚
肉化し、小型化の効果が薄められてしまっていた。
は、従来技術とは異なり、第1レンズ群G1を負・負・
正の3つのレンズ成分で構成し、且つ上述の2つの式
(a)および(b)の関係を考慮することによって、小
型化に適した屈折力配置を設定している。さらに、フィ
ルターサイズを小さくするとともに、特に近距離合焦時
の周辺光量を増加させるため、合焦時の第1レンズ群G
1の移動量を減少させるように、(a)式における第1
レンズ群G1の焦点距離fI を従来技術より比較的小さ
く設定している。
も変倍によるレンズ全長変化が小さく、フィルターサイ
ズが小さいながらも充分な周辺光量を有し、合焦時にお
ける合焦レンズ群の移動量が少なく、低コストな高倍率
超広角ズームレンズを実現することができる。
る。本発明のズームレンズでは、次の条件式(1)乃至
(3)を満足する。 0.6≦|fI |/(fw・ft)1/2 ≦1.1 (1) 1.2≦XII/fw≦2.5 (2) −1≦(r2+r1)/(r2−r1)≦2 (3)
径 r2:第2負レンズ成分L12の最も像側の面の曲率半径
成分L12が非球面レンズである場合、曲率半径r1およ
びr2として近軸曲率半径を用いる。また、第2負レン
ズ成分L12がいわゆる複合型非球面レンズ(プラスチッ
ク材料とガラス材料とのコンパウンドタイプによる非球
面レンズ)である場合、プラスチック材料部分だけでは
独立に光学部材として存在することができないため、曲
率半径r1およびr2として下地のガラス材料部分の曲
率半径を用いる。また、第2負レンズ成分L12が接合レ
ンズである場合、曲率半径r1およびr2としてレンズ
成分全体における最も物体側の面の曲率半径および最も
像側の面の曲率半径を用いる。なお、第2レンズ群G2
の変倍に際する最大移動量XIIの符号は、物体側への方
向を正とする。
たように、変倍の全域におけるレンズ全長変化に関する
式である。この式(1)の値が1.0を上回った場合、
広角端におけるレンズ全長が最大になることを意味し、
条件式(1)の値が1.0を下回った場合、望遠端にお
けるレンズ全長が最大になることを意味する。
ると、広角端におけるレンズ全長が最も長くなる。した
がって、特に広角端における斜光線の入射高が著しく高
くなるため、前玉径の増大および周辺光量の不足を招き
好ましくない。また、合焦時の繰り出し量も増大するた
め、至近距離撮影時には特に周辺光量の低下を招くばか
りでなく、主光線の入射高も高くなるため合焦時の繰り
出しにより主光線のいわゆるケラレが生じてしまうので
至近距離をより短くすることが困難になる。
フィルターサイズの小径化および周辺光量の確保には有
利であるが、本発明のような高変倍比を有するズームレ
ンズの場合、特に望遠側において球面収差の補正が困難
になるばかりでなく、下方コマ収差も悪化しより内コマ
傾向になり好ましくない。なお、条件式(1)の下限を
0.7以上にすることによって、結像性能をさらに向上
させることができる。
群G2の移動量について適切な範囲を規定している。条
件式(2)の上限値を上回ると、変倍に際する第2レン
ズ群G2の移動量が大きくなりすぎて、鏡筒設計が困難
になるばかりでなく、本発明の目的に反して逆に大型化
してしまう傾向があり、好ましくない。
動量の増加は、変倍による開放Fナンバーの変化量の増
加を意味するので、結果的に望遠側でFナンバーが大き
くなる(暗くなる)ので好ましくない。なお、条件式
(2)の上限を2以下にすることによって、さらに小型
化を図ることができる。
十分な変倍比を確保することが不可能になり、高倍率を
有しコンパクトで低コストなズームレンズを実現するこ
とができなくなる。また、第2レンズ群G2の屈折力を
より強めて高倍率を実現した場合、変倍による収差変動
が著しく増大する。特に、変倍時における球面収差の変
動および像面湾曲の変動が著しく増大し、好ましくな
い。なお、条件式(2)の下限を1.41以上に、さら
に好ましくは1.51以上に抑えることによって、本発
明の作用効果をさらに確実に発揮することができる。
2負レンズ成分L12の形状因子(シェイプファクター)
について適切な範囲を規定している。この条件式の値が
下限値から上限値まで変化することは、第2負レンズ成
分L12の形状が、物体側に平面を向けた平凹レンズ形状
から、両凹レンズ形状を経て、像側に凸面を向けたメニ
スカス形状に変化することを意味する。この条件式は、
前述したように、本発明のズームレンズのように広角端
における画角が非常に大きい場合、軸外収差を良好に補
正しつつ前玉径を小型化するために必要である。さら
に、本発明のズームレンズのように高倍率化を進めた場
合、望遠側における下方コマ収差、球面収差等の収差補
正を良好に行うために必要である。
ると、第2負レンズ成分L12の形状が著しく像側に凸面
を向けたメニスカス形状となり、第2負レンズ成分L12
の主点がより物体側に移動する。このため、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が著しく小さく
なり、変倍時に第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と
が機械的干渉を生じる。その結果、大きな変倍比を実現
することができなくなってしまう。なお、条件式(3)
の上限を1以下に、さらに好ましくは0.6以下に抑え
ることによって、本発明の作用効果をさらに確実に発揮
することができる。逆に、条件式(3)の下限値を下回
ると、前述したように、前玉径の増大による大型化や望
遠側の性能劣化を招き、好ましくない。
述の諸条件を満足した上で、次の条件式(4)を満足す
るのが好ましい。 −3<(rb+ra)/(rb−ra)<1 (4) ここで、 ra:第4正レンズ成分L24の最も物体側の面の曲率半
径 rb:第4正レンズ成分L24の最も像側の面の曲率半径
第4正レンズ成分L24が非球面レンズである場合、曲率
半径raおよびrbとして近軸曲率半径を用いる。ま
た、第4正レンズ成分L24がいわゆる複合型非球面レン
ズ(プラスチック材料とガラス材料とのコンパウンドタ
イプによる非球面レンズ)である場合、プラスチック材
料部分だけでは独立に光学部材として存在することがで
きないため、曲率半径raおよびrbとして下地のガラ
ス材料部分の曲率半径を用いる。また、第4正レンズ成
分L24が接合レンズである場合、曲率半径raおよびr
bとしてレンズ成分全体における最も物体側の面の曲率
半径および最も像側の面の曲率半径を用いる。
4正レンズ成分L24の全体形状因子(シェイプファクタ
ー)について適切な範囲を規定している。この条件式の
値が下限値から上限値まで変化することは、第4正レン
ズ成分L24の形状が、像側に凸面を向けたメニスカス形
状から、像側に平面を向けた平凸レンズ形状に変化する
ことを意味する。第4正レンズ成分L24の存在およびそ
の形状は、特に上方コマ収差に対して大きな補正能力を
発揮する。したがって、この第4正レンズ成分L24の形
状決定は、全体の収差バランスを良好にする上でも重要
である。
レンズ群G2中の第4正レンズ成分L24は、平凸レンズ
形状を超えて物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
形状になってしまう。その結果、上方コマ収差の補正が
難しくなり好ましくない。なお、条件式(4)の上限を
0.5以下にすると、さらに良好な収差補正が可能にな
る。
合、第2レンズ群G2中の第4正レンズ成分L24は、著
しく像側に凸面を向けた正メニスカスレンズ形状にな
り、変倍比の大きい2群ズームレンズの場合、望遠側の
球面収差の補正が困難になる。なお、条件式(4)の下
限を−1以上に、さらに好ましくは−0.5以上とする
と、さらに良好な収差補正が可能になる。
の条件式(5)を満足するのが好ましい。 1.7≦(n11+n12)/2<2 (5) ここで、 n11:第1負メニスカスレンズ成分L11のd線に対する
屈折率 n12:第2負レンズ成分L12のd線に対する屈折率
つの負レンズ成分L11とL12との平均屈折率について適
切な範囲を規定している。ただし、いわゆる樹脂材料と
ガラス材料との複合からなる複合型非球面レンズの場
合、屈折力という観点から考えると、樹脂材料部分を1
枚のレンズ成分と考えるには無理がある。すなわち、樹
脂材料部分が独立したレンズ部品として存在することが
できないため、複合型非球面レンズをいわゆる接合レン
ズと同様に考えることができない。したがって、樹脂材
料部分は、むしろガラス材料部分に付加された機能とと
らえるべきである。すなわち、第1レンズ群G1中の2
つの負メニスカスレンズの平均屈折率は、母体のガラス
レンズ部分の屈折率のみに基づいて算出されるべきであ
る。したがって、本発明の条件式(5)においても、複
合型非球面を使用した場合は、母体ガラスレンズ部分の
屈折率のみによる平均屈折率に基づき計算する。
折率が大きくなるので各レンズの曲率を緩める(曲率半
径を大きくする)ことができ、収差補正上の自由度が増
大して有利である。しかしながら、現在のガラス材料で
は屈折率を高めると分散が大きくなりすぎて、第1レン
ズ群G1内の色消しが困難になる。また、化学的な観点
から考えると、短波長の光の透過率が著しく低下する傾
向があるため、レンズ全体のカラーバランスが著しく悪
化して好ましくない。
本発明のように第1レンズ群G1が強い屈折力を有する
小型で低コストなズームレンズの場合、各レンズの曲率
が著しく強くなり(曲率半径が小さくなる)、各レンズ
面において各収差が著しく発生し、それらの収差を補正
する自由度が不足してしまう。その結果、像面湾曲、非
点収差および下方コマ収差の補正が困難になり、特に広
角側における周辺性能が著しく低下する。なお、条件式
(5)の下限を1.73以上に抑えることにより、広角
側の周辺性能をさらに向上させ且つさらなる小型化を実
現することができる。
2中の第3負レンズ成分L23は、物体側から順に、正レ
ンズと負レンズとの接合負レンズを有し、以下の条件式
(6)を満足するのが好ましい。 0.1<n3n−n3p<0.5 (6) ここで、 n3p:第3負レンズ成分L23中の接合負レンズ中の正レ
ンズのd線に対する屈折率 n3n:第3負レンズ成分L23中の接合負レンズ中の負レ
ンズのd線に対する屈折率
ズとの接合負レンズを導入する構成は、ペッツバール和
を適切な値に保ち且つ高倍率化によって発生した球面収
差の補正を行うのに有効である。この場合、接合負レン
ズ中の正レンズと負レンズとの間の屈折率の差を適切な
範囲に規定することによってさらに良好な収差補正が可
能になる。したがって、本発明のズームレンズにおい
て、条件式(6)を満足することが望ましい。
バール和が大きくなりすぎて、結果的に像面湾曲が悪化
するので好ましくない。逆に、条件式(6)の下限値を
下回ると、ぺッツバール和が小さくなりすぎて、像面湾
曲が悪化する。特に広角側の像面湾曲の画角による差が
著しく大きくなり、且つ非点収差も増大するので好まし
くない。また、球面収差に対する補正能力も著しく低下
するので好ましくない。なお、条件式(6)の下限を
0.2以上に、さらに好ましくは0.25以上にする
と、さらに良好な収差補正が可能になる。
2中の第4正レンズ成分L24は、物体側から順に、負レ
ンズと正レンズとの接合正レンズを有し、以下の条件式
(7)を満足するのが好ましい。 0.1<n4n−n4p<0.5 (7) ここで、 n4p:第4正レンズ成分L24中の接合正レンズ中の正レ
ンズのd線に対する屈折率 n4n:第4正レンズ成分L24中の接合正レンズ中の負レ
ンズのd線に対する屈折率
ズとの接合正レンズを導入する構成は、ペッツバール和
を適切な値に保つとともに、上方コマ収差および球面収
差の補正並びに倍率色収差の補正に対して有効である。
この場合、接合正レンズ中の負レンズと正レンズとの間
の屈折率の差を適切な範囲に規定することによってさら
に良好な収差補正が可能になる。したがって、本発明の
ズームレンズにおいて、条件式(7)を満足することが
望ましい。
バール和が大きくなりすぎて、結果的に像面湾曲が悪化
するので好ましくない。逆に、条件式(7)の下限値を
下回ると、上述したように、上方コマ収差および球面収
差の補正が困難になるばかりでなく、ぺッツバール和が
小さくなりすぎて像面湾曲も悪化し、結果的に構成枚数
の増大を招くので好ましくない。なお、条件式(7)の
下限を0.2以上に、さらに好ましくは0.25以上に
すると、さらに良好な収差補正が可能になる。
(8)を満足することが好ましい。 1.0<fII/fw<2.5 (8) ここで、 fII:第2レンズ群G2の焦点距離
距離fIIを適切な範囲に規定する条件である。条件式
(8)の下限値を下回った場合、第2レンズ群G2の屈
折力が著しく強くなり、全長変化は小さくなるが、望遠
端における球面収差が著しく悪化し、変倍による球面収
差の変動も増加するので好ましくない。また、この球面
収差の補正をしつつ、他の収差との良好なバランスをと
るためには、第2レンズ群G2の構成枚数の増加につな
がり、厚肉化することによって小型化の効果が薄められ
る結果となり好ましくない。なお、さらに本発明の効果
を高めるには、条件式(8)の下限を1.4以上に設定
すると、球面収差および上方コマ収差の補正がさらに良
好になる。
合、第2レンズ群G2の屈折力が弱くなるためレンズ系
のバックフォーカスが著しく大きい値になり、その結果
全長が長くなりコンパクト化に反するので好ましくな
い。加えて、全長変化が著しく大きくなり、結果的に大
型化してしまうので好ましくない。なお、さらに本発明
の効果を高めるには、条件式(8)の上限を2以下に設
定することにより、さらにコンパクトで、さらに全長変
化の少ない低コストなズームレンズを実現することがで
きる。
いて説明する。本発明の各実施例にかかるズームレンズ
は、物体側から順に、全体として負の屈折力を有する第
1レンズ群G1と、全体として正の屈折力を有する第2
レンズ群G2とを備え、第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2との空気間隔を変化させることによって変倍を行
う。そして、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像
側に凹面を向けた第1負メニスカスレンズ成分L11と、
第2負レンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた第3正
レンズ成分L13とを有する。また、第2レンズ群G2
は、物体側から順にそれぞれ分離された、第1正レンズ
成分L21と、第2正レンズ成分L22と、第3負レンズ成
分L23と、第4正レンズ成分L24とを有する。さらに、
第1レンズ群G1中の第1負メニスカスレンズ成分L11
および第2負レンズ成分L12のレンズ面のうち、少なく
とも1つのレンズ面は非球面状に形成されている。
高さyにおける光軸方向の変位量をS(y)、基準の曲
率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCn と
したとき、以下の数式(c)で表される。
義される。 r=1/(2・C2 +1/R) (d) 各実施例の諸元表中の非球面には、面番号の左側に*印
を付している
にかかるズームレンズのレンズ構成および変倍における
各レンズ群の移動を示す図である。なお、図1におい
て、Wは広角端を、Mは中間焦点距離状態を、Tは望遠
端を示している。図1のズームレンズは、物体側から順
に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11、両凹
レンズL12、および物体側に凸面を向けた正メニスカス
レンズL13からなる第1レンズ群G1と、物体側に凸面
を向けた正メニスカスレンズL21、物体側に凸面を向け
た正メニスカスレンズL22、両凸レンズと両凹レンズと
の接合負レンズL23、および物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL24から
なる第2レンズ群G2とから構成されている。
の周縁光線を有効に遮るために、第2レンズ群G2の後
方(像側)にフレアーストッパーSが配置されている。
フレアーストッパーSは、図1に示すように、変倍中に
おいて第2レンズ群G2とは独立して光軸上を移動し、
上方コマフレアーを有効に遮るようになっている。ま
た、第2レンズ群G2の物体側近傍には、開口絞りAが
設けられている。開口絞りAは、図示のように、変倍に
際して第2レンズ群G2と一体的に移動する。さらに、
第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズL11は、樹脂
材料とガラス材料とからなる複合型非球面レンズであっ
て、その像側の面が非球面状に形成されている。
の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、F
NOはFナンバーを、2ωは画角を表す。さらに、面番号
は物体側からのレンズ面の順序を、屈折率およびアッベ
数はそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を
示している。
2 (7)n4n−n4p2 = 0.255 (8)fII/fw = 1.457
て、図2は広角端(最短焦点距離状態)における諸収差
図であり、図3は中間焦点距離状態における諸収差図で
あり、図4は望遠端(最長焦点距離状態)における諸収
差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、
ωは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、g
はg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。
また、非点収差を示す収差図において実線はサジタル像
面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。さ
らに、球面収差を示す収差図において、破線はサインコ
ンディション(正弦条件)を示している。各収差図から
明らかなように、本実施例では、各焦点距離状態におい
て諸収差が良好に補正されていることがわかる。
にかかるズームレンズのレンズ構成および変倍における
各レンズ群の移動を示す図である。なお、図5におい
て、Wは広角端を、Mは中間焦点距離状態を、Tは望遠
端を示している。図5のズームレンズは、物体側から順
に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11、両凹
レンズL12、および物体側に凸面を向けた正メニスカス
レンズL13からなる第1レンズ群G1と、物体側に凸面
を向けた正メニスカスレンズL21、物体側に凸面を向け
た正メニスカスレンズL22、両凸レンズと両凹レンズと
の接合負レンズL23、および物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズL24から
なる第2レンズ群G2とから構成されている。
の周縁光線を有効に遮るために、第2レンズ群G2の後
方(像側)にフレアーストッパーSが配置されている。
フレアーストッパーSは、図5に示すように、変倍中に
おいて第2レンズ群G2とは独立して光軸上を移動し、
上方コマフレアーを有効に遮るようになっている。ま
た、第2レンズ群G2の物体側近傍には、開口絞りAが
設けられている。開口絞りAは、図示のように、変倍に
際して第2レンズ群G2と一体的に移動する。さらに、
第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズL11は、樹脂
材料とガラス材料とからなる複合型非球面レンズであっ
て、その像側の面が非球面状に形成されている。
の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離を、F
NOはFナンバーを、2ωは画角を表す。さらに、面番号
は物体側からのレンズ面の順序を、屈折率およびアッベ
数はそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を
示している。
て、図6は広角端における諸収差図であり、図7は中間
焦点距離状態における諸収差図であり、図8は望遠端に
おける諸収差図である。各収差図において、FNOはFナ
ンバーを、ωは半画角を、dはd線(λ=587.6n
m)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示
している。また、非点収差を示す収差図において実線は
サジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示し
ている。さらに、球面収差を示す収差図において、破線
はサインコンディション(正弦条件)を示している。各
収差図から明らかなように、本実施例では、各焦点距離
状態において諸収差が良好に補正されていることがわか
る。
にかかるズームレンズのレンズ構成および変倍における
各レンズ群の移動を示す図である。なお、図9におい
て、Wは広角端を、Mは中間焦点距離状態を、Tは望遠
端を示している。図9のズームレンズは、物体側から順
に、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11、両凹
レンズL12、および両凸レンズL13からなる第1レンズ
群G1と、両凸レンズL21、物体側に凸面を向けた正メ
ニスカスレンズL22、両凸レンズと両凹レンズとの接合
負レンズL23、および物体側に凸面を向けた負メニスカ
スレンズと両凸レンズとの接合正レンズL24からなる第
2レンズ群G2とから構成されている。
の周縁光線を有効に遮るために、第2レンズ群G2の後
方(像側)にフレアーストッパーSが配置されている。
フレアーストッパーSは、図9に示すように、変倍中に
おいて第2レンズ群G2とは独立して光軸上を移動し、
上方コマフレアーを有効に遮るようになっている。ま
た、正メニスカスレンズL22と接合負レンズL23との間
には、開口絞りAが設けられている。開口絞りAは、図
示のように、変倍に際して第2レンズ群G2と一体的に
移動する。さらに、第1レンズ群G1中の負メニスカス
レンズL11は、樹脂材料とガラス材料とからなる複合型
非球面レンズであって、その像側の面が非球面状に形成
されている。
の値を掲げる。表(3)において、fは焦点距離を、F
NOはFナンバーを、2ωは画角を表す。さらに、面番号
は物体側からのレンズ面の順序を、屈折率およびアッベ
数はそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を
示している。
あって、図10は広角端における諸収差図であり、図1
1は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図12
は望遠端における諸収差図である。各収差図において、
FNOはFナンバーを、ωは半画角を、dはd線(λ=5
87.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)を
それぞれ示している。また、非点収差を示す収差図にお
いて実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル
像面を示している。さらに、球面収差を示す収差図にお
いて、破線はサインコンディション(正弦条件)を示し
ている。各収差図から明らかなように、本実施例では、
各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されている
ことがわかる。
メニスカスレンズL11の像側のレンズ面に非球面を導入
しているが、第2負レンズL12に、または第1負メニス
カスレンズL11および第2負レンズL12の双方に非球面
を導入してもよい。また、第1負メニスカスレンズL11
および第2負レンズL12以外に、さらに第1レンズ群G
1の正レンズL13中あるいは第2レンズ群G2中に非球
面を導入してもよい。また、開口絞りAを、第2レンズ
群G2の物体側近傍に配置しても、第2レンズ群G2内
の空気間隔の任意の位置に配置してもよい。
差を有効に遮るために第2レンズ群G2の後方にフレア
ーストッパーSを設け、このフレアーストッパーSに第
2レンズ群G2とは異なる移動軌跡を与えているが、上
方コマ収差を有効に遮ることができれば、フレアースト
ッパーSにどのような移動軌跡を与えてもよい。さら
に、本発明に基づいて、弱い屈折力を有する第3レンズ
群を設置したとしても、実質上は本発明の構成を含んで
いる以上、構成が同一であると考えられることから、同
様の効果が得られることはいうまでもない。また、本発
明において、第2レンズ群G2を光軸に対してシフト
(偏心)させることによって、手振れ等に起因する像位
置の変動を補正する、いわゆる防振機能を発揮すること
も可能である。
構成レンズ枚数が非常に少なく、低コストで、変倍比
2.4〜2.83程度で、広角端における画角(2ω)
が82°〜95.5°程度で、良好な結像性能を有する
ズームレンズを実現することができる。
ンズ構成および変倍における各レンズ群の移動を示す図
である。
である。
ンズ構成および変倍における各レンズ群の移動を示す図
である。
である。
ンズ構成および変倍における各レンズ群の移動を示す図
である。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 物体側から順に、全体として負の屈折力
を有する第1レンズ群G1と、全体として正の屈折力を
有する第2レンズ群G2とを備え、前記第1レンズ群G
1と前記第2レンズ群G2との空気間隔を変化させるこ
とによって変倍を行うズームレンズにおいて、 前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側に凹面
を向けた第1負メニスカスレンズ成分L11と、第2負レ
ンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた第3正レンズ成
分L13とを有し、 前記第2レンズ群G2は、物体側から順にそれぞれ分離
された、第1正レンズ成分L21と、第2正レンズ成分L
22と、第3負レンズ成分L23と、第4正レンズ成分L24
とを有し、 前記第1レンズ群G1中の前記第1負メニスカスレンズ
成分L11および前記第2負レンズ成分L12のレンズ面の
うち、少なくとも1つのレンズ面は非球面状に形成さ
れ、 前記第1レンズ群G1の焦点距離をfI とし、広角端に
おけるレンズ系全体の焦点距離をfwとし、望遠端にお
けるレンズ系全体の焦点距離をftとし、前記第2レン
ズ群G2の変倍に際する最大移動量をXIIとし、前記第
1レンズ群G1中の前記第2負レンズ成分L12の最も物
体側の面の曲率半径をr1とし、前記第2負レンズ成分
L12の最も像側の面の曲率半径をr2としたとき、 0.6≦|fI |/(fw・ft)1/2 ≦1.1 1.2≦XII/fw≦2.5 −1≦(r2+r1)/(r2−r1)≦2 の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 【請求項2】 前記第2レンズ群G2中の前記第4正レ
ンズ成分L24の最も物体側の面の曲率半径をraとし、
前記第4正レンズ成分L24の最も像側の面の曲率半径を
rbとしたとき、 −3<(rb+ra)/(rb−ra)<1 の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズ
ームレンズ。 - 【請求項3】 前記第1レンズ群G1中の前記第1負メ
ニスカスレンズ成分L11のd線に対する屈折率をn11と
し、前記第2負レンズL12のd線に対する屈折率をn12
としたとき、 1.7≦(n11+n12)/2<2 の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に
記載のズームレンズ。 - 【請求項4】 前記第2レンズ群G2中の前記第3負レ
ンズ成分L23は、物体側から順に、正レンズと負レンズ
との接合負レンズを有し、該接合負レンズ中の正レンズ
のd線に対する屈折率をn3pとし、前記接合負レンズ中
の負レンズのd線に対する屈折率をn3nとしたとき、 0.1<n3n−n3p<0.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれか1項に記載のズームレンズ。 - 【請求項5】 前記第2レンズ群G2中の前記第4正レ
ンズ成分L24は、物体側から順に、負レンズと正レンズ
との接合正レンズを有し、該接合正レンズ中の正レンズ
のd線に対する屈折率をn4pとし、前記接合正レンズ中
の負レンズのd線に対する屈折率をn4nとしたとき、 0.1<n4n−n4p<0.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のい
ずれか1項に記載のズームレンズ。 - 【請求項6】 前記第2レンズ群G2の焦点距離をfII
とし、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwと
したとき、 1.0<fII/fw<2.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のい
ずれか1項に記載のズームレンズ。 - 【請求項7】 前記第1レンズ群G1中の前記第1負メ
ニスカスレンズ成分L11の像側の面が非球面状に形成さ
れていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1
項に記載のズームレンズ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16149095A JP3528946B2 (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | ズームレンズ |
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---|---|
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ID=15736071
Family Applications (1)
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-
1996
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