JPH08325056A - フェライト材料 - Google Patents

フェライト材料

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JPH08325056A
JPH08325056A JP7337503A JP33750395A JPH08325056A JP H08325056 A JPH08325056 A JP H08325056A JP 7337503 A JP7337503 A JP 7337503A JP 33750395 A JP33750395 A JP 33750395A JP H08325056 A JPH08325056 A JP H08325056A
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    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4

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Abstract

(57)【要約】 【課題】Ni−Zn系フェライト材料において、荷重が
加わった時のインダクタンスの変動を極めて小さくし、
しかも高周波でのQ値を高くする。 【解決手段】主成分の組成比が、酸化物換算で50.1
〜56モル%のFe2 3 と、30.1〜35モル%の
ZnOと、6モル%以下のCuOと、4モル%以下のM
nOと、残部がNiOからなり、これら主成分100重
量部に対して0.61〜2重量部のCoOと0.5〜2
重量部のBi2 3 を添加したフェライト材料でフェラ
イトコア1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ni−Zn系のフ
ェライト材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェライト材料はインダクター素子等と
して広く使用されている。例えば、Fe2 3 −ZnO
−NiOを主成分とするNi−Zn系フェライト材料を
用いてフェライトコアを製造し、この巻線部にコイル線
を巻回してコイル線接続用のリードピンをフェライトコ
アに取り付けて半田付けし、エポキシ樹脂でモールドし
た構造のインダクター素子が使用されている。
【0003】そして、このNi−Zn系フェライトにお
いて、耐熱衝撃性や、磁気特性を向上させるためにさま
ざまな提案がなされている。例えば特開平1−2281
08号、1−103953号公報には、フェライトの結
晶粒界にMnO、Bi2 3、SiO2 からなる粒界相
を形成し、この粒界相によって応力を緩和し耐熱衝撃性
を高めたフェライト材料が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のNi
−Zn系フェライト材料からなるフェライトコアにおい
て、樹脂モールドした場合に、樹脂の硬化時や硬化温度
から室温への冷却時等に樹脂の収縮による圧縮応力が加
わり、この圧縮応力のためにフェライトコアのインダク
タンスが低下してしまうという問題点があった。そのた
め、このインダクター素子を用いた回路は信頼性が低い
という不都合があった。
【0005】なお、インダクタンスの低下率が常に一定
であれば予め調整ができるが、樹脂モールド時の圧力が
ばらつくために、インダクタンスの低下率もばらついて
しまう。そのため、圧縮応力に対してインダクタンス低
下率の小さい材料が望まれていた。特にQ値が高く、透
磁率が60以下であるような材料において、この要望が
顕著であった。
【0006】そこで、この問題点を解決するために、特
開平3−218962号公報には、Ni−Zn−Cu系
フェライト材料に対し、0.05〜0.60重量%のC
34 と、3〜5重量%のBi2 3 と、0.10〜
2.0重量%のSiO2 を添加することが提案されてい
る。
【0007】しかし、上記特開平3−218962号公
報に記載されたフェライト材料は、Co3 4 量が少な
く、またBi2 3 量が多いために1MHz以上の高周
波でのQ値が低下してしまうだけでなく、SiO2 を含
むために透磁率が低く、焼成温度が高くなってしまうと
いう問題点があった。
【0008】そこで、本発明は、樹脂モールド時に圧縮
応力を受けてもインダクタンスの変動が小さく、かつ1
MHz以上の高周波でのQ値の低下がなく、しかも低温
で焼成可能なフェライト材料を得ることを目的とする。
【0009】具体的には、一軸荷重0.2〜8kgf/
mm2 を加えても、インダクタンス変化率(ΔL/L×
100)が±2%以下であり、かつQ値の高い特性を持
つフェライト材料を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、N
i−Zn系フェライトの主成分の組成比が、酸化物換算
で50.1〜56モル%のFe2 3 と、30.1〜3
5モル%のZnOと、6モル%以下のCuOと、4モル
%以下のMnOと、残部がNiOからなり、これら主成
分100重量部に対して0.61〜2重量部のCoOと
0.5〜2重量部のBi2 3 を添加したことを特徴と
する。
【0011】即ち、第1発明は、Ni−Zn系フェライ
トに対して、所定量のCoOとBi2 3 を添加するこ
とによって、樹脂モールド時に圧縮応力が加わってもイ
ンダクタンス変動を小さくできるようにしたものであ
る。
【0012】また、上記添加成分は、CoOが0.61
〜2重量部、Bi2 3 が0.5〜2重量部の範囲で添
加することが重要である。これは、CoOが0.61重
量部未満又はBi2 3 が0.5重量部未満では、1M
Hz以上の高周波でのQ値が低下してしまい、一方Co
Oが2重量部を超えると圧縮応力が加わった際のインダ
クタンス変動が大きくなってしまい、またBi2 3
2重量部を超えると焼成時の粒成長により高周波でのQ
値が低下してしまうためである。
【0013】さらに、Ni−Zn系フェライトの主成分
の組成比を上記範囲とした理由は、Fe2 3 が50.
1モル%未満又はZnOが30.1モル%未満では透磁
率が低下し、Fe2 3 が56モル%を超えるとQ値が
低下し、ZnOが35モル%を超えるとキュリー点が低
くなるためである。
【0014】また、CuOとMnOの含有量を上記範囲
としたのは、CuOが6モル%を超えるか又はMnOが
4モル%を超えると焼結体中に液相が生成して粒成長が
起こりやすくなりQ値が低下してしまうためである。な
お、CuOとMnOは必須成分ではないが、応力緩和効
果を高め、耐熱衝撃性を高くするためには、それぞれ
0.01モル%以上含有することが好ましい。
【0015】さらに、上記第1発明においては、これら
の成分以外の不純物を1重量%以下の範囲で含んでいて
も良いが、SiO2 については0.03重量%以下とす
ることが好ましい。これはSiO2 が0.03重量%を
超えると透磁率が低くなり焼成温度が高くなるためであ
る。
【0016】次に、第2発明は、Ni−Zn系フェライ
トの主成分の組成比が、酸化物換算で40〜46モル%
のFe2 3 と、25〜30モル%のZnOと、10モ
ル%以下のCuOと、4モル%以下のMnOと、残部が
NiOからなり、これら主成分100重量部に対して1
〜3重量部のCoOと、0.1〜1重量部のBi2 3
と、0.5〜3重量部のSiO2 を添加したことを特徴
とする。
【0017】即ち、第2発明は、Ni−Zn系フェライ
トに対して、所定量のCoOとBi2 3 とSiO2
添加することによって、樹脂モールド時に圧縮応力が加
わってもインダクタンス変動を小さくできるようにした
ものである。
【0018】また、上記添加成分は、CoOが1〜3重
量部、Bi2 3 が0.1〜1重量部の範囲で添加する
ことが重要である。これは、CoOが1重量部未満又は
Bi2 3 が0.1重量部未満では、1MHz以上の高
周波でのQ値が低下してしまい、一方CoOが3重量部
を超えると圧縮応力が加わった際のインダクタンス変動
が大きくなってしまい、またBi2 3 が1重量部を超
えるとインダクタンス値が急激に低下するためである。
【0019】なお、SiO2 を0.5〜3重量部とした
のは、0.5重量部未満であると圧縮応力が加わったと
きのインダクタンス変動が大きく、また3重量部を超え
るとインダクタンス値が大きく低下するためである。
【0020】さらに、Ni−Zn系フェライトの主成分
の組成比を上記範囲とした理由は、Fe2 3 が40モ
ル%未満又はZnOが25モル%未満では透磁率が低下
し、Fe2 3 が46モル%を超えるとQ値が低下し、
ZnOが30モル%を超えると圧縮応力が加わった際の
インダクタンス変動が大きくなるためである。
【0021】キュリー点が低くなるためである。
【0022】このように、第2発明の主成分の組成は、
前記した第1発明の組成に比べてFe2 3 とZnOの
量を少なくし、NiO量を多くしており、そのために高
周波でのQ値を高くすることができる。この場合磁歪が
悪くなる傾向があるが、上記のようにSiO2 を添加す
ることによって磁歪の改善を行っている。なお、第2発
明の組成ではSiO2 を添加しても透磁率の低下などの
不都合はない。
【0023】また、CuOとMnOの含有量を上記範囲
としたのは、CuOが10モル%を超えるか又はMnO
が4モル%を超えると焼結体中に液相が生成して粒成長
が起こりやすくなりQ値が低下してしまうためである。
なお、CuOとMnOは必須成分ではないが、応力緩和
効果を高め、耐熱衝撃性を高くするためには、それぞれ
0.01モル%以上含有することが好ましい。
【0024】さらに、第2発明においては、これらの成
分以外の不純物として、Al2 3、MgO、CaO、
2 O、S等の成分を合計0.5重量%以下の範囲で含
んでいても良い。
【0025】次に、第3発明は、Ni−Zn系フェライ
トの主成分の組成比が、酸化物換算で40〜55モル%
のFe2 3 と、10〜50モル%のNiOと、0〜2
5モル%のZnOと、10モル%以下のCuOからな
り、これら主成分100重量部に対して0〜0.25重
量部のCoOと、1〜12重量部のBi2 3 と、2.
1〜10重量部のSiO2 を添加したことを特徴とす
る。
【0026】即ち、第3発明は、Ni−Zn系フェライ
トに対して、所定量のSiO2 を添加することによっ
て、樹脂モールド時に圧縮応力が加わってもインダクタ
ンス変動を小さくできるようにしたものである。SiO
2 の添加量は、NiOの量が増すにつれて増やす必要が
ある。しかし、10重量部を超えると焼結性が悪くな
り、磁歪が正(+)方向に大きくなり過ぎることから
2.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0027】また、Bi2 3 は、SiO2 の添加量が
多くなると焼結性が悪くなるため、焼結性の改善のため
に添加する。したがって、Bi2 3 の最適添加量はS
iO2 の必要添加量に関連し、1〜12重量部の範囲で
定める。
【0028】さらにCoOは、上記添加剤の影響による
Q値の低下を改善するために添加される。しかし、添加
量が多すぎると温度特性が悪くなり、磁歪が負(−)方
向となるため、0〜0.25重量%の範囲が好ましい。
【0029】また、第3発明の組成は、前記した第2発
明の組成に比べてZnOの量を少なくして透磁率を低く
したものである。即ち、前記の第2発明は透磁率が55
以上のフェライト材料であるのに対し、第3発明は透磁
率が55以下のフェライト材料に関するものである。
【0030】さらに、第3発明においては、これらの成
分以外の不純物として、MgO、MnO、CaO、Cr
2 3 等の成分を合計2.6重量%以下の範囲で含んで
いても良い。
【0031】以上の本発明によって、荷重が加わった時
のインダクタンス変動を小さくできる理由は以下の通り
である。即ち、一般にNi−Zn系フェライトに荷重を
加えると、インダクタンスは小さくなる傾向があり、こ
れを磁歪が負(−)であるという。しかし、上記のよう
な添加剤を加えることによって、磁歪を正(+)にする
ことができるが、この場合でも荷重を大きくするとつい
には負(−)になる。したがって、例えば±2%の許容
範囲で磁歪が正(+)となるように調整しておけば、さ
らに荷重が加わって磁歪が負(−)となっても充分に許
容範囲内とすることができ、その結果幅広い荷重に耐え
るフェライト材料とできるのである。
【0032】以上のような第1〜第3発明のフェライト
材料の製造方法は、上記組成範囲となるように各原料を
調合し、ボールミル等で粉砕混合した後、スプレードラ
イヤー等で造粒し、得られた粉体をプレス成形によって
所定形状に成形し、必要に応じて切削加工を施した後、
900〜1300℃の範囲で焼成することによって得る
ことができる。
【0033】そして、上記本発明のフェライト材料によ
り例えばドラム型のフェライトコアを製造すれば、樹脂
モールド時に圧縮応力を受けてもインダクタンスの変動
を±2%以下に小さくすることができる。
【0034】なお、本発明のフェライト材料は、フェラ
イトコアに限らずさまざまな用途に用いることができ
る。例えば、各種電子部品を搭載したり、分割して電子
部品とするためのフェライト基板や、電磁波を吸収して
磁気ヘッド等をシールドしたり、発熱したりするための
電磁波吸収部材等として用いることができる。
【0035】
【実施例】以下第1発明の実施例を説明する。
【0036】実施例1 51モル%のFe2 3 と、14モル%のNiOと、3
0.1モル%のZnOと、4.5モル%のCuOと、
0.4モル%のMnOからなるフェライト粉末100重
量部に対し、CoOとBi2 3 の添加量を表1に示す
ように種々に変化させて各原料を調合した。
【0037】得られた原料を振動ミルで混合した後、8
00〜900℃で仮焼し、この仮焼粉体をボールミルに
て粉砕し、所定のバインダを加えて造粒した後、圧縮成
形して円柱体に成形した。この成形体を乾燥した後、切
削加工し、1050℃で焼成することによって図1に示
すような中央の巻線部1aと両端のフランジ部1bを有
するドラム型のフェライトコア1を得た。なお、寸法は
全長1.8mm、フランジ部1bの外径1.5mmと
し、このフェライトコア1に線径0.04mmの被膜銅
線を40回巻いてインダクター素子を構成した。
【0038】各インダクター素子について、20MHz
におけるインダクタンスLとQ値を測定した後、それぞ
れ軸方向に0〜3kgの荷重を加えた時のインダクタン
スLの変化率ΔL/Lの最大値を求めた。
【0039】結果は表1に示す通りであり、また荷重と
インダクタンス変化率との関係は図2に示す。この結果
より明らかに、CoOとBi2 3 の添加量が第1発明
の範囲外であるNo.4〜7では、荷重を加えた時のイ
ンダクタンスLの変化率ΔL/Lが3%以上と大きく、
またQ値も30未満と低いものであった。
【0040】これに対し、第1発明実施例であるNo.
1〜3では、荷重を加えた時のインダクタンスLの変化
率ΔL/Lが0.5〜0.6%と小さく、またQ値が5
0以上と高いことが確認された。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 次に、51モル%のFe2 3 と、12モル%のNiO
と、31モル%のZnOと、5.5モル%のCuOと、
0.5モル%のMnOからなるフェライト粉末100重
量部に対し、CoOとBi2 3 の添加量を表2に示す
ように種々に変化させて各原料を調合した。それぞれ、
上記実施例1と同様にしてフェライトコアを作製し、イ
ンダクター素子を構成した後、インダクタンスLとQ値
を測定し、0〜3kgの荷重を加えた時のインダクタン
スLの変化率ΔL/Lの最大値を求めた。
【0043】結果は表2に示す通りである。この結果よ
り明らかに、CoOとBi2 3 の添加量が第1発明の
範囲外であるNo.11、12では、荷重を加えた時の
インダクタンスLの変化率ΔL/Lが3%以上と大き
く、またQ値も30未満と低いものであった。
【0044】これに対し、第1発明実施例であるNo.
8〜10では、荷重を加えた時のインダクタンスLの変
化率ΔL/Lが0.5〜0.8%と小さく、またQ値が
50以上と高いことが確認された。
【0045】
【表2】
【0046】次に第2発明の実施例を説明する。
【0047】実施例3 43.4モル%のFe2 3 と、20モル%のNiO
と、27.2モル%のZnOと、9モル%のCuOと、
0.4モル%のMnOからなる主成分を振動ミルにて混
合し、800〜900℃にて仮焼し、この仮焼粉体10
0重量部に対し、CoO、Bi2 3 、SiO2 を表3
に示す添加量で加え、ボールミルにて粉砕し、バインダ
ーを加えて造粒し、トロイダルコア及び角柱状コアを成
形し、950〜1050℃で焼成した。なお、角柱状コ
アは研削加工して3×3×15mmの寸法とした。
【0048】得られたトロイダルコアに、直径0.2m
mの被膜銅線を7回巻いて周波数30MHzにおける透
磁率μとQ値を測定した。また、角柱状コアに被膜銅線
を20回巻いて、軸方向に8kgの荷重を加えた時のイ
ンダクタンスLの変化率(ΔL/L×100)の最大値
を求めた。
【0049】結果は表3に示す通りである。この結果よ
り明らかに、CoO、Bi2 3 、SiO2 の添加量が
第2発明の範囲外であるNo.4〜10では、Q値が4
0以下又は透磁率が30以下と低いものであった。
【0050】これに対し、第2発明実施例であるNo.
1〜3では、荷重を加えた時のインダクタンスLの変化
率(ΔL/L×100)が−0.5〜0.3%と小さ
く、またQ値が50以上、透磁率μが60以上と高いこ
とが確認された。
【0051】
【表3】
【0052】実施例4 次に、主成分の組成比を45モル%のFe2 3 、30
モル%のZnO、18モル%のNiO、6.5モル%の
CuO、0.5モル%のMnOとし、上記実施例3と同
様の実験を行った。
【0053】結果は表4に示す通りである。この結果よ
り明らかに、CoO、Bi2 3 、SiO2 の添加量が
第2発明の範囲外であるNo.14〜20では、Q値が
40以下又は透磁率が30以下と低いものであった。
【0054】これに対し、第2発明実施例であるNo.
11〜13では、荷重を加えた時のインダクタンスLの
変化率(ΔL/L×100)が−0.4〜0.4%と小
さく、またQ値が49以上、透磁率μが60以上と高い
ことが確認された。
【0055】
【表4】
【0056】実施例5 次に、添加物の量をCoO2重量部、Bi2 3 0.5
重量部、SiO2 1.5重量部とし、主成分の組成比を
変化させて、上記と同様の実験を行った。
【0057】結果は表5に示す通りである。この結果よ
り明らかに、主成分の組成比が第2発明の範囲外である
No.23、24では、Q値が40以下又は透磁率μが
30以下と低いものであった。
【0058】これに対し、第2発明実施例であるNo.
21、22では、荷重を加えた時のインダクタンスLの
変化率(ΔL/L×100)が−0.2〜−0.1%と
小さく、またQ値が50以上、透磁率μが60以上と高
いことが確認された。
【0059】
【表5】
【0060】次に第3発明の実施例を説明する。
【0061】実施例6 Fe2 3 、NiO、ZnO、CuOの主成分を表6に
示す組成比となるように調合し、残部がMgO、Mn
O、CaO、Cr2 3 からなる原料を振動ミルにて混
合し、800〜900℃で仮焼した。この仮焼粉体10
0重量部に対し、CoO、Bi2 3 、SiO2 を表6
に示す割合で添加し、ボールミルにて粉砕し、バインダ
ーを加えて造粒した後、トロイダルコア及び角柱状コア
を成形し、950〜1150℃で焼成した。なお、角柱
状コアは研削加工して3×3×15mmの寸法とした。
【0062】得られたトロイダルコアに、直径0.2m
mの被膜銅線を巻いて、透磁率μ、10〜30MHzに
おけるtanδ/μ、透磁率の温度係数(Δμ/μ・Δ
T)、5kgf/mm2 の荷重を加えた時のインダクタ
ンスの変化率(磁歪:ΔL/L×100)を測定した。
なお、tanδはQ値の逆数であり、tanδ/μが小
さいほどQ値が大きく損失が少ないことを意味する。ま
た透磁率の温度係数は、−20〜20℃及び20〜80
℃の間で測定した。
【0063】結果は表7に示す通りである。この結果よ
り明らかに、第3発明の範囲外のものは、インダクタン
ス変化率(磁歪)が±2%から外れるか、あるいはta
nδ/μが大きすぎて高周波用途には使用できないもの
であった。
【0064】これに対し、第3発明の範囲内のものは、
透磁率μがほぼ55以下と求める範囲内のものが得ら
れ、インダクタンス変化率(磁歪)が±2%以内と小さ
く、tanδ/μや透磁率の温度係数も実用的な範囲内
であった。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】実施例7 主成分を成すFe2 3 、NiO、ZnO、CuO、及
び添加するCoO、Bi2 3 、SiO2 を表8に示す
割合で調合し、他は全て実施例6と同様の実験を行っ
た。
【0068】結果は表9に示す通りである。この結果よ
り明らかに、第3発明の範囲外のものは、インダクタン
ス変化率(磁歪)が±2%から外れるか、あるいはta
nδ/μが大きすぎて高周波用途には使用できないもの
であった。
【0069】これに対し、第3発明の範囲内のものは、
透磁率μが55以下と求める範囲内のものが得られ、イ
ンダクタンス変化率(磁歪)が±2%以内と小さく、t
anδ/μや透磁率の温度係数も実用的な範囲内であっ
た。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
【発明の効果】以上のように、第1発明によれば、主成
分の組成比が、酸化物換算で50.1〜56モル%のF
2 3 と、30.1〜35モル%のZnOと、6モル
%以下のCuOと、4モル%以下のMnOと、残部がN
iOからなり、これら主成分100重量部に対して0.
61〜2重量部のCoOと0.5〜2重量部のBi2
3 を添加してフェライト材料を構成したことによって、
荷重が加わった時のインダクタンスの変動を極めて小さ
くし、しかも高周波でのQ値を高くすることができる。
【0073】また、第2発明によれば、主成分の組成比
が、酸化物換算で40〜46モル%のFe2 3 と、2
5〜30モル%のZnOと、10モル%以下のCuO
と、4モル%以下のMnOと、残部がNiOからなり、
これら主成分100重量部に対して1〜3重量部のCo
Oと0.1〜1重量部のBi2 3 と、0.5〜3重量
部のSiO2 を添加してフェライト材料を構成したこと
によって、荷重が加わった時のインダクタンスの変動を
極めて小さくし、しかも高周波でのQ値を高くすること
ができる。
【0074】さらに第3発明によれば、主成分の組成比
が、酸化物換算で40〜55モル%のFe2 3 と、1
0〜50モル%のNiOと、0〜25モル%のZnO
と、10モル%以下のCuOからなり、これら主成分1
00重量部に対して0〜0.25重量部のCoOと、1
〜12重量部のBi2 3 と、2.1〜10重量部のS
iO2 を添加してフェライト材料を構成したことによっ
て、荷重が加わった時のインダクタンスの変動を極めて
小さくし、しかも高周波でのQ値を高くすることができ
る。
【0075】そのため、本発明のフェライト材料でフェ
ライトコアを形成すれば、樹脂モールド時に圧縮応力が
加わってもインダクタンスの変動が小さく、また高周波
でのQ値が高いことから誘電損失の小さい高信頼性のフ
ェライトコアを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のフェライトコアを示す斜視図で
ある。
【図2】本発明のフェライトコアにおける荷重とインダ
クタンス変化率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 :フェライトコア 1a:巻線部 1b:フランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 千里 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分の組成比が、酸化物換算で50.1
    〜56モル%のFe2 3 と、30.1〜35モル%の
    ZnOと、6モル%以下のCuOと、4モル%以下のM
    nOと、残部がNiOからなり、これら主成分100重
    量部に対して0.61〜2重量部のCoOと、0.5〜
    2重量部のBi2 3 を添加してなるフェライト材料。
  2. 【請求項2】主成分の組成比が、酸化物換算で40〜4
    6モル%のFe2 3 と、25〜30モル%のZnO
    と、10モル%以下のCuOと、4モル%以下のMnO
    と、残部がNiOからなり、これら主成分100重量部
    に対して1〜3重量部のCoOと、0.1〜1重量部の
    Bi2 3 と、0.5〜3重量部のSiO2 を添加して
    なるフェライト材料。
  3. 【請求項3】主成分の組成比が、酸化物換算で40〜5
    5モル%のFe2 3 と、10〜50モル%のNiO
    と、0〜25モル%のZnOと、10モル%以下のCu
    Oからなり、これら主成分100重量部に対して0〜
    0.25重量部のCoOと、1〜12重量部のBi2
    3 と、2.1〜10重量部のSiO2 を添加してなるフ
    ェライト材料。
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