JPH08310366A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents
車輌の挙動制御装置Info
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- JPH08310366A JPH08310366A JP7142475A JP14247595A JPH08310366A JP H08310366 A JPH08310366 A JP H08310366A JP 7142475 A JP7142475 A JP 7142475A JP 14247595 A JP14247595 A JP 14247595A JP H08310366 A JPH08310366 A JP H08310366A
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Abstract
メント及び目標前後力を求めることにより車輌の挙動を
効果的に且効率的に制御する。 【構成】 車輌の挙動がスピン状態かドリフトアウト状
態かを判別し(ステップ30、110)、車輌の挙動が
スピン状態であるときには車輌の挙動が主としてアンチ
スピンモーメントにより制御されるよう目標ヨーモーメ
ントMt 及び目標前後力Fx を決定すると共に、これら
に基づき各輪の目標制動力を決定し(ステップ70〜9
0)、車輌の挙動がドリフトアウト状態であるときには
車輌の挙動が主として前後力(減速)により制御される
よう目標ヨーモーメント及び目標前後力を決定すると共
に、これらに基づき各輪の目標制動力を決定する(ステ
ップ150〜170)。
Description
時に於けるドリフトアウトやスピンの如き好ましからざ
る挙動を抑制し低減する挙動制御装置に係る。
制御する装置の一つとして、例えば特開平3−1127
54号公報に記載されている如く、車速が限界車速を越
える場合には実ヨーレートが限界ヨーレートになるよう
な態様にて限界車速まで低下するよう自動ブレーキ手段
を制御するよう構成された挙動制御装置が従来より知ら
れており、特に車速と限界車速との偏差に応じた目標減
速度及び実ヨーレートと限界ヨーレートとの偏差に応じ
た目標ヨーモーメントが達成されるよう各輪の制動力が
決定されるよう構成された挙動制御装置が従来より知ら
れている。
車輪のグリップ域内にて走行させることにより旋回時に
於けるスピンやドリフトアウトの如き好ましからざる挙
動を防止することができ、また車輌の回頭性を向上させ
ることができる。
挙動を安定化させるための最適なヨーモーメントの大き
さ及び減速度の大きさは車輌の挙動状態、即ちオーバス
テア状態(スピン状態)かアンダステア状態(ドリフト
アウト状態)かによって異なる。しかるに上記公報に記
載された従来の挙動制御装置に於ては、目標ヨーモーメ
ント及び目標減速度を決定するに際し車輌の挙動状態が
考慮されておらず、そのため車輌の挙動状態に応じた最
適のヨーモーメント及び前後力を発生させることができ
ず、従って必しも効果的に且効率的に挙動を制御するこ
とができないという問題がある。
述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主
要な課題は、車輌の挙動状態に応じて最適の目標ヨーモ
ーメント及び目標前後力を求めることにより、車輌の挙
動を効果的に且効率的に制御することである。
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の挙動
を検出する手段と、車輌の目標挙動を設定する目標挙動
設定手段と、車輌の挙動が前記目標挙動となるよう各輪
の制動力を制御する制動力制御手段とを有し、前記制動
力制御手段は車輌の挙動に基づいて車輌の目標ヨーモー
メントを求める目標ヨーモーメント決定手段と、車輌の
挙動に基づいて車輌の目標前後力を求める目標前後力決
定手段とを含む車輌の挙動制御装置に於て、車輌の挙動
がアンダステア状態かオーバステア状態かを判別する挙
動状態判別手段と、前記挙動状態判別手段の判別結果に
基づいて前記目標ヨーモーメント決定手段による目標ヨ
ーモーメントの決定態様及び前記目標前後力決定手段に
よる目標前後力の決定態様を変更する変更手段とを有し
ていることを特徴とする車輌の挙動制御装置によって達
成される。
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於て、前記変更
手段は前記挙動状態判別手段により車輌の挙動がオーバ
ステア状態であると判別されるときには車輌の挙動が主
としてヨーモーメントにより制御されるよう前記目標ヨ
ーモーメント及び前記目標前後力の決定態様を変更し、
前記挙動状態判別手段により車輌の挙動がアンダステア
状態であると判別されるときには車輌の挙動が主として
前後力により制御されるよう前記目標ヨーモーメント及
び前記目標前後力の決定態様を変更するよう構成される
(請求項2の構成)。
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於て、前
記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を
有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメント及
び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力の大き
さを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制動力配
分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の挙動が
オーバステア状態であると判別される場合に於て少なく
とも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを
越えるときには前記目標ヨーモーメントの達成を優先し
て左右輪の制動力の大きさを配分するよう構成される
(請求項3の構成)。
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於て、前
記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を
有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメント及
び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力の大き
さを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制動力配
分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の挙動が
アンダステア状態であると判別される場合に於て少なく
とも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを
越えるときには前記目標前後力の達成を優先して左右輪
の制動力の大きさを配分するよう構成される(請求項4
の構成)。
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於て、前
記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を
有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメント及
び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力の大き
さを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制動力配
分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の挙動が
オーバステア状態であると判別されるときには、後輪の
摩擦円の大きさ及び車輌の諸元より求められる「後輪の
制動力によって発生するヨーモーメントが後輪の横力が
低下することにより減少するヨーモーメントより大きく
なる最大制動力」と前輪の摩擦円の大きさ内に於ける最
大制動力との比に基づいて前後輪の制動力の大きさを配
分するよう構成される(請求項5の構成)。
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於て、前
記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を
有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメント及
び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力の大き
さを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制動力配
分決定手段は前記挙動判別手段により車輌の挙動がアン
ダステア状態であると判別されるときには、前輪及び後
輪の摩擦円の大きさの比に基づいて前後輪の制動力の大
きさを配分するよう構成される(請求項6の構成)。
メント決定手段による目標ヨーモーメントの決定態様及
び目標前後力決定手段による目標前後力の決定態様が挙
動状態判別手段の判別結果に基づいて変更手段によって
変更され、これにより車輌の挙動がアンダステア状態で
あるかオーバステア状態であるかに応じて目標ヨーモー
メント及び目標前後力が最適に決定されるので、アンダ
ステア状態又はオーバステア状態の挙動を制御するため
に最適のヨーモーメント及び前後力が発生され、これに
より車輌の挙動が効果的に且効率的に制御される。
の挙動がオーバステア状態であるときには車輌の挙動が
主としてヨーモーメントにより制御されるよう目標ヨー
モーメント及び目標前後力が求められ、これにより車輌
の挙動が主としてアンチスピンモーメントによって制御
されるので、車輌の減速をできるだけ回避しつつ車輌の
挙動が効果的に制御され、また車輌の挙動がアンダステ
ア状態であるときには車輌の挙動が主として前後力によ
り制御されるよう目標ヨーモーメント及び目標前後力が
求められ、これにより車輌の挙動が主として減速によっ
て制御されるので、スピンの誘発を招来することなく車
輌の挙動が効果的に制御される。
の挙動がオーバステア状態である場合に於て少なくとも
一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを越え
るときには、制動力配分決定手段により目標ヨーモーメ
ントの達成を優先して左右輪の制動力の大きさの配分が
決定され、これによりアンチスピンモーメントが効果的
に且つ効率的に発生されるので、車輌のスピン状態が効
果的に且つ効率的に抑制される。
の挙動がアンダステア状態である場合に於て少なくとも
一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを越え
るとときには、制動力配分決定手段により目標前後力の
達成を優先して左右輪の制動力の大きさの配分が決定さ
れ、これにより車輌が効果的に且つ効率的に減速される
ので、車輌のドリフトアウト状態が効果的に且つ効率的
に抑制される。
の挙動がオーバステア状態であるときには、後輪の摩擦
円の大きさ及び車輌の諸元より求められる「後輪の制動
力によって発生するヨーモーメントが後輪の横力が低下
することにより減少するヨーモーメントより大きくなる
最大制動力」と前輪の摩擦円の大きさ内に於ける最大制
動力との比に基づいて制動力配分決定手段により前後輪
の制動力の大きさが配分されるので、前後輪の制動力の
大きさが最も効果的なアンチスピンモーメントを発生す
るよう設定され、これにより車輌のスピン状態が効果的
に且つ効率的に抑制される。
の挙動がアンダステア状態であるときには、制動力配分
決定手段により前輪及び後輪の摩擦円の大きさの比に基
づいて前後輪の制動力の大きさが配分されるので、前後
輪の制動力の大きさが最適に設定され、これにより車輌
のドリフトアウト状態が効果的に且つ効率的に抑制され
る。
によれば、車輌の挙動がアンダステア状態かオーバステ
ア状態かを判別する挙動状態判別手段は、車輌の横すべ
りを表す物理量に基づき車輌の挙動がアンダステア状態
か否かを判別し、車輌のヨーレートを表す物理量に基づ
き車輌の挙動がオーバステア状態か否かを判別するよう
構成される。
はアンダステア状態に於ける車輌の挙動に比して不安定
であるので、本発明の他の一つの好ましい実施態様によ
れば、挙動状態判別手段はまず車輌の挙動がオーバステ
ア状態か否かを判別し、これが否定判別のときには車輌
の挙動がアンダステア状態か否かを判別するよう構成さ
れる。
態様によれば、左右前輪は操舵輪であると共に駆動輪で
あり、制動力配分決定手段は挙動状態判別手段により車
輌の挙動がオーバステア状態であると判別される場合に
於て少なくとも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円
の大きさを越えるときには、左右前輪の駆動力を考慮し
目標ヨーモーメントの達成を優先して左右輪の制動力の
大きさを配分するよう構成される。
上述の請求項1又は2の構成に於て、挙動制御装置は各
輪の摩擦円の大きさを求める手段を有し、制動力制御手
段は目標ヨーモーメント及び目標前後力を達成するため
の各輪の制動力の大きさを演算する制動力配分決定手段
を含み、制動力配分決定手段は挙動状態判別手段により
車輌の挙動がオーバステア状態であると判別される場合
に於て少なくとも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦
円の大きさを越えるときには目標ヨーモーメントの達成
を優先して左右輪の制動力の大きさを配分し、挙動状態
判別手段により車輌の挙動がアンダステア状態であると
判別される場合に於て少なくとも一輪の制動力の大きさ
が該車輪の摩擦円の大きさを越えるときには目標前後力
の達成を優先して左右輪の制動力の大きさを配分するよ
う構成される。
ば、上述の請求項1又は2の構成に於て、挙動制御装置
は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を有し、制動力制
御手段は目標ヨーモーメント及び目標前後力を達成する
ための各輪の制動力の大きさを演算する制動力配分決定
手段を含み、制動力配分決定手段は挙動状態判別手段に
より車輌の挙動がオーバステア状態であると判別される
場合に於て少なくとも一輪の制動力の大きさが該車輪の
摩擦円の大きさを越えるときには目標ヨーモーメントの
達成を優先して左右輪の制動力の大きさを配分し、挙動
状態判別手段により車輌の挙動がオーバステア状態であ
ると判別される場合に於て全ての車輪の制動力の大きさ
が対応する車輪の摩擦円の大きさ以下であるときには後
輪の摩擦円の大きさ及び車輌の諸元より求められる「後
輪の制動力によって発生するヨーモーメントが後輪の横
力が低下することにより減少するヨーモーメントより大
きくなる最大制動力」と前輪の摩擦円の大きさ内に於け
る最大制動力との比に基づいて前後輪の制動力の大きさ
を配分するよう構成される。
よれば、上述の請求項1又は2の構成に於て、挙動制御
装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を有し、制動
力制御手段は目標ヨーモーメント及び目標前後力を達成
するための各輪の制動力の大きさを演算する制動力配分
決定手段を含み、制動力配分決定手段は挙動状態判別手
段により車輌の挙動がアンダステア状態であると判別さ
れる場合に於て少なくとも一輪の制動力の大きさが該車
輪の摩擦円の大きさを越えるときには目標前後力の達成
を優先して左右輪の制動力の大きさを配分し、前記挙動
判別手段により車輌の挙動がアンダステア状態であると
判別される場合に於て全ての車輪の制動力の大きさが対
応する車輪の摩擦円の大きさ以下であるときには前輪及
び後輪の摩擦円の大きさの比に基づいて前後輪の制動力
の大きさを配分するよう構成される。
よれば、上述の請求項1又は2の構成に於て、挙動制御
装置は各輪の摩擦円の大きさを求める手段を有し、制動
力制御手段は目標ヨーモーメント及び目標前後力を達成
するための各輪の制動力の大きさを演算する制動力配分
決定手段を含み、制動力配分決定手段は挙動状態判別手
段により車輌の挙動がオーバステア状態であると判別さ
れる場合に於て少なくとも一輪の制動力の大きさが該車
輪の摩擦円の大きさを越えるときには目標ヨーモーメン
トの達成を優先して左右輪の制動力の大きさを配分し、
挙動状態判別手段により車輌の挙動がアンダステア状態
であると判別される場合に於て少なくとも一輪の制動力
の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを越えるときには目
標前後力の達成を優先して左右輪の制動力の大きさを配
分し、挙動状態判別手段により車輌の挙動がオーバステ
ア状態であると判別される場合に於て全ての車輪の制動
力の大きさが対応する車輪の摩擦円の大きさ以下である
ときには後輪の摩擦円の大きさ及び車輌の諸元より求め
られる「後輪の制動力によって発生するヨーモーメント
が後輪の横力が低下することにより減少するヨーモーメ
ントより大きくなる最大制動力」と前輪の摩擦円の大き
さ内に於ける最大制動力との比に基づいて前後輪の制動
力の大きさを配分し、挙動判別手段により車輌の挙動が
アンダステア状態であると判別される場合に於て全ての
車輪の制動力の大きさが対応する車輪の摩擦円の大きさ
以下であるときには前輪及び後輪の摩擦円の大きさの比
に基づいて前後輪の制動力の大きさを配分するよう構成
される。
理解が容易になるよう、本発明に於ける左右輪及び前後
輪への制動力の配分方法について説明する。 (1)左右輪への配分 図8に示されている如く、ホイールベースが0にされた
左右二輪の車輌モデルが横加速度Gy にて左旋回してい
る状態を考えると、荷重移動により外輪100out の摩
擦円102out は内輪100inの摩擦円102inよりも
大きい。特に車輌の質量をmとし、重力加速度をgと
し、車輌の重心Oの高さをhとし、トレッドをtとする
と、内輪及び外輪の摩擦円半径Finmax 及びFoutmaxは
それぞれ下記の数1及び数2にて表される。
ーメントMを取り縦軸に前後力Fxを取ると、制動力の
みにより車輌に与え得るヨーモーメント及び前後力は図
8に於て実線のハッチングが施された矩形の領域(制御
可能範囲)になる。特に目標ヨーモーメントMt 及び目
標前後力Fx が上記制御可能範囲内にあるときには、目
標ヨーモーメント及び目標前後力を座標とする点より内
輪制動力の軸及び外輪制動力の軸に下した垂線の足の値
として内輪及び外輪の目標制動力が一義的に求められ
る。
標前後力Fx が上記制御可能範囲外にあるときには、内
輪及び外輪の目標制動力を如何に決定するかが問題とな
る。一般に車輌の挙動がオーバステア状態(スピン状
態)である場合に於て車輌の挙動を安定化させるために
は、車輌にアンチスピンモーメントを与えることが効果
的であるので、本発明によれば目標ヨーモーメントMt
の達成を優先させて制動力の左右輪への配分が決定され
る。
すると、目標ヨーモーメントMt 及び目標前後力Fx が
四角形P1−P4−P6−P7の領域(以下「スピン領
域」という)にあるときには、目標ヨーモーメント及び
目標前後力を座標とする点を前後力の軸に平行に外輪制
動力の軸上へ移動した点の座標として内輪の目標制動力
(=0)及び外輪の目標制動力が決定される。
(ドリフトアウト状態)である場合に於て車輌の挙動を
安定化させるためには、減速(減速による荷重移動(旋
回を補助する方向のモーメントが発生する)及び車速低
下)が効果的であるので、本発明によれば目標前後力F
x の達成を優先させて制動力の左右輪への配分が決定さ
れる。
が点P2、P3を通りモーメントMの軸に平行な二つの
直線の間であり且つ点P5と点P3とを結ぶ直線より下
方の領域(以下「ドリフトアウト領域」という)にある
ときには、目標ヨーモーメント及び目標前後力を座標と
する点をモーメントの軸に平行に線分P2P3上へ移動
した点の座標として内輪及び外輪の目標制動力が決定さ
れる。
ントMt 及び目標前後力Fx は上記制御可能範囲、スピ
ン領域、ドリフトアウト領域以外の領域の値には演算さ
れないが、目標ヨーモーメント及び目標前後力が制御可
能範囲、スピン領域、ドリフトアウト領域以外の領域の
値に演算される場合には、その値の座標に実質的に最も
近い制御可能範囲の境界上の点に対応する目標制動力に
決定される。
が点P6と点P7とを結ぶ直線より下方であって外輪制
動力の軸より上方であり且つ線分P6P4より左方の領
域にあるときには、内輪及び外輪の目標制動力は点P4
の座標に決定され、目標ヨーモーメント及び目標前後力
が外輪制動力の軸より下方であり点P5と点P3とを結
ぶ直線より上方であり且つ点P3と点P4とを結ぶ直線
より下方の領域であるときには、目標ヨーモーメント及
び目標前後力を座標とする点を外輪制動力の軸に平行に
線分P3P4上へ移動した点の座標として内輪及び外輪
の目標制動力が決定される。
三角形P1P2P5の領域にあるときには、それらを座
標とする点を外輪制動力の軸に平行に内輪制動力の軸上
へ移動した点の座標として内輪の目標制動力及び外輪の
目標制動力(=0)が決定され、目標ヨーモーメント及
び目標前後力が点P2を通りモーメントの軸に平行な直
線より上方であって点P5と点P3と結ぶ直線より下方
の領域にあるときは、点P2の座標として内輪及び外輪
の目標制動力が決定され、目標ヨーモーメント及び目標
前後力が点P3を通りモーメントの軸に平行な直線より
下方であり且つ点P5と点P3とを結ぶ直線より下方の
領域にあるときには、点P3の座標として内輪及び外輪
の目標制動力が決定される。
合には制動力の付与による横力の減少が問題となるの
で、例えば図10に示されている如く内輪及び外輪の制
動力は対応する車輪の摩擦円半径の1/3以下に設定さ
れることが好ましく、制動力が摩擦円半径の1/3であ
れば横力の減少は5%程度に抑えられる。
舵輪としての前輪に駆動力が与えられる場合には、車輌
に与え得るヨーモーメント及び前後力は図11に於て実
線のハッチングが施された領域になり、制御可能範囲は
制動力のみによる場合の制御可能範囲よりも拡大する。
アンダステア状態の車輌挙動に対しては車輪の駆動力を
用いても意味がないが、オーバステア状態の車輌挙動に
対しては車輪の駆動力を用いることにより車輌により大
きいアンチスピンモーメントを与えしかも車輌の減速度
を低減することが可能になる。 (2)前後輪への配分 オーバステア状態に対する挙動制御に於ては、旋回外側
前輪の制動力が大きければ大きいほど車輌に与えられる
アンチスピンモーメントが大きくなるので、前輪の前後
力(制動力)の最大値Fxfmax は図12に示されている
如くその車輪の摩擦円半径となり、前輪についての路面
の摩擦係数をμf とし前輪の荷重をWfとすると下記の
数3にて表される。
制動力によって与えられるモーメントと横力が低下する
ことによって減少するモーメントとの両方を考慮して制
動力を決定する必要がある。換言すれば、図12に示さ
れている如く、制動力Fxrmax と横力Fy との合力Fr
の作用方向が車輌の上方より見て車輌の重心Oと後輪の
接地点Pとを結ぶ直線に対し垂直な方向であり、しかも
合力Fr の大きさが後輪の摩擦円半径に等しくなるよう
後輪の制動力の最大値Fxrmax が決定されなければなら
ず、従って重心Oと後輪の回転軸線との間の車輌前後方
向の距離をBとし、後輪についての路面の摩擦係数をμ
r とし、後輪の荷重をWr とすると、後輪の制動力の最
大値は下記の数4にて表され、制動力は前後輪の制動力
の最大値Fxfmax 及びFxrmax の比に応じて配分され
る。
t2 /4)1/2
制動力は前後輪の摩擦円半径に比例する割合にて配分さ
れる。
例について詳細に説明する。
る挙動制御装置の一つの実施例を示す概略構成図、図2
は図1に示された実施例の制動装置を電気式制御装置と
共に示す概略構成図である。
れぞれ左右前輪及び左右後輪を示しており、これらの車
輪の制動力は制動装置10の油圧回路3によりホイール
シリンダ38FL、38FR、38RL、38RRの制動圧が制
御されることによって制御されるようになっている。後
に詳細に説明する如く、油圧回路3はブレーキペダル1
2の踏み込み操作に応じて又は電気式制御装置50のマ
イクロコンピュータ52によって制御されることよりホ
イールシリンダ38FL、38FR、38RL、38RRの制動
圧を制御する。
及び2FRは、図には示されていないステアリングホイー
ルの回転に応じて操舵され、またエンジン4の出力がト
ランスミッション5を介して駆動軸6FL及び6FRへ伝達
されることによって駆動される。エンジン4の出力はア
クセルペダル7の踏み込み量に応じてマイクロコンピュ
ータ52によりスロットルバルブ8を駆動するスロット
ルアクチュエータ9が制御されることによって制御さ
れ、これにより左右前輪2FL及び2FRの駆動力が制御さ
れる。
10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作
に応答してブレーキオイルを第一及び第二のポートより
圧送するマスタシリンダ14を有し、第一のポートは前
輪用のブレーキ油圧制御導管16により左右前輪用のブ
レーキ油圧制御装置18及び20に接続され、第二のポ
ートは途中にプロポーショナルバルブ22を有する後輪
用のブレーキ油圧制御導管24により左右後輪用のブレ
ーキ油圧制御装置26及び28に接続されている。また
制動装置10はリザーバ30に貯容されたブレーキオイ
ルを汲み上げ高圧のオイルとして高圧導管32へ供給す
るオイルポンプ34を有している。高圧導管32は各ブ
レーキ油圧制御装置18、20、26、28に接続さ
れ、またその途中にはアキュムレータ36が接続されて
いる。
6、28はそれぞれ対応する車輪に対する制動力を制御
するホイールシリンダ38FL、38FR、38RL、38RR
と、3ポート2位置切換え型の電磁式の制御弁40FL、
40FR、40RL、40RRと、リザーバ30に接続された
低圧導管42と高圧導管32との間に設けられた常開型
の電磁式の開閉弁44FL、44FR、44RL、44RR及び
常閉型の電磁式の開閉弁46FL、46FR、46RL、46
RRとを有している。それぞれ開閉弁44FL、44FR、4
4RL、44RRと開閉弁46FL、46FR、46RL、46RR
との間の高圧導管32は接続導管48FL、48FR、48
RL、48RRにより制御弁40FL、40FR、40RL、40
RRに接続されている。
のブレーキ油圧制御導管16とホイールシリンダ38FL
及び38FRとを連通接続し且つホイールシリンダ38FL
及び38FRと接続導管48FL及び48FRとの連通を遮断
する図示の第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管16と
ホイールシリンダ38FL及び38FRとの連通を遮断し且
つホイールシリンダ38FL及び38FRと接続導管48FL
及び48FRとを連通接続する第二の位置とに切替わるよ
うになっている。同様に40RL及び40RRはそれぞれ後
輪用のブレーキ油圧制御導管24とホイールシリンダ3
8RL及び38RRとを連通接続し且つホイールシリンダ3
8RL及び38RRと接続導管48RL及び48RRとの連通を
遮断する図示の第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管2
4とホイールシリンダ38RL及び38RRとの連通を遮断
し且つホイールシリンダ38RL及び38RRと接続導管4
8RL及び48RRとを連通接続する第二の位置とに切替わ
るようになっている。
第二の位置にある状況に於て開閉弁44FL、44FR、4
4RL、44RR及び開閉弁46FL、46FR、46RL、46
RRが図示の状態に制御されると、ホイールシリンダ38
FL、38FR、38RL、38RRは制御弁40FL、40FR、
40RL、40RR及び接続導管48FL、48FR、48RL、
48RRを介して高圧導管32と連通接続され、これによ
りホイールシリンダ内の圧力が増圧される。逆に制御弁
が第二の位置にある状況に於て開閉弁44FL、44FR、
44RL、44RRが閉弁され開閉弁46FL、46FR、46
RL、46RRが開弁されると、ホイールシリンダは制御弁
及び接続導管を介して低圧導管42と連通接続され、こ
れによりホイールシリンダ内の圧力が減圧される。更に
制御弁が第二の位置にある状況に於て開閉弁44FL、4
4FR、44RL、44RR及び開閉弁46FL、46FR、46
RL、46RRが閉弁されると、ホイールシリンダは高圧導
管32及び低圧導管42の何れとも遮断され、これによ
りホイールシリンダ内の圧力がそのまま保持される。
40FR、40RL、40RRが第一の位置にあるときにはホ
イールシリンダ38FL、38FR、38RL、38RRにより
運転者によるブレーキペダル12の踏み込み量に応じた
制動力を発生し、制御弁40FL、40FR、40RL、40
RRの何れかが第二の位置にあるときには当該車輪の開閉
弁44FL、44FR、44RL、44RR及び開閉弁46FL、
46FR、46RL、46RRを開閉制御することにより、ブ
レーキペダル12の踏み込み量及び他の車輪の制動力に
拘わりなくその車輪の制動力を制御し得るようになって
いる。
開閉弁44FL、44FR、44RL、44RR及び開閉弁46
FL、46FR、46RL、46RRは後に詳細に説明する如く
電気式制御装置50により制御される。電気式制御装置
50はマイクロコンピュータ52と駆動回路54とより
なっており、マイクロコンピュータ52は図1及び図2
には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニット
(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置と
を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接
続された一般的な構成のものであってよい。
装置には車速センサ56より車速Vを示す信号、実質的
に車体の重心に設けられた横加速度センサ58より車体
の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセンサ60より
車体のヨーレートγを示す信号、操舵角センサ62より
操舵角θを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた
前後加速度センサ64より車体の前後加速度Gx を示す
信号、アクセルペダルセンサ66よりアクセルペダル7
の踏み込み量Accp を示す信号、回転数センサ68より
エンジン回転数Ne を示す信号、シフトポジションセン
サ70よりトランスミッション5の変速段(変速比Rt
)を示す信号、圧力センサ72FL、72FR、72RL、
72RRよりホイールシリンダ38FL、38FR、38RL、
38RR内の圧力(制動圧)PFL、PFR、PRL、PRRを示
す信号が入力されるようになっている。尚横加速度セン
サ58等は車輌の左旋回方向を正として横加速度等を検
出するようになっている。
後述の如く種々の制御フロー及びマップを記憶してお
り、CPUは上述の種々のセンサにより検出されたパラ
メータに基づき後述の如く種々の演算を行って車輌の挙
動がアンダステア状態又はオーバステア状態であるか否
かを判別し、その判別結果に応じて車輌の目標ヨーモー
メントMt 及び目標前後力Ft を演算し、これらに基づ
き車輌の旋回挙動を安定化させるための各輪の制動力を
演算し、その演算結果に基づき各輪の制動力を制御して
車輌の旋回挙動を安定化させるようになっている。
トを参照して図示の実施例による車輌の旋回挙動制御の
概要について説明する。尚図3に示されたフローチャー
トによる制御は図には示されていないイグニッションス
イッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実
行される。
により検出された車速Vを示す信号等の読込みが行わ
れ、ステップ20に於ては横加速度Gy と車速V及びヨ
ーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*γとして横加
速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算さ
れ、横加速度の偏差Vydが積分されることにより車体の
横すべり速度Vy が演算され、車体の前後速度Vx (=
車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比Vy /V
x として車体のスリップ角βが演算される。また車体の
スリップ角βの微分値として車体のスリップ角速度βd
が演算される。
れ正の定数として車体のスリップ角β及びスリップ角速
度βd の線形和a*β+b*βd の絶対値が基準値βc
(正の定数)を越えているか否かの判別、即ち車輌がス
ピン状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ100へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ40へ進む。
あるか否かの判別、即ち車輌が左旋回状態にあるか否か
の判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ
50に於てCspinを正の定数として下記の数5の係数C
s が−Cspinに設定され、否定判別が行われたときには
ステップ60に於て係数Cs がCspinに設定される。ス
テップ70に於ては目標ヨーモーメントMt が下記の数
5に従って演算されると共に、目標前後力Ft がFtc
(定数)に設定される。
に従って内輪及び外輪の摩擦円半径Finmax 及びFoutm
axが演算されることにより、図11に対応する図6のマ
ップの点P2〜P5が決定され、またアクセルペダル7
の踏み込み量Accp 及びエンジン回転数Ne に基づき図
には示されていないマップよりエンジン4の出力トルク
Te が演算され、出力トルクTe 及びトランスミッショ
ン5の変速段、即ち変速比Rt に基づき図には示されて
いないマップより内輪及び外輪の駆動力Fdin及びFdou
tが演算されることにより、点P1′、P4′、P6′
が決定され、かくして決定された図6のマップに基づき
前述の要領にて外輪の制動力Fout が決定される。ステ
ップ90に於ては図4に示されたルーチンに従って外輪
の制動力Fout が前後輪に配分され、これにより旋回外
輪側の前後輪の目標制動力が演算される。
ィファクタとし、Lをホイールベースとして下記の数6
に従って基準ヨーレートγc が演算されると共に、Tを
時定数としsをラプラス演算子として下記の数7に従っ
て目標ヨーレートγt が演算される。
t の絶対値と車輌の実ヨーレートγの絶対値との偏差|
γt |−|γ|が基準値γc (正の定数)を越えている
か否かの判別、即ち車輌がドリフトアウト状態にあるか
否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステ
ップ10へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ
120へ進む。
であるか否かの判別、即ち車輌が左旋回状態にあるか否
かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステッ
プ130に於て後述の係数Kが1に設定され、否定判別
が行われたときにはステップ140に於て係数Kが−1
に設定される。ステップ150に於ては目標ヨーモーメ
ントMt がMtcを定数としてK*Mtcに設定されると共
に、目標前後力Ft が下記の数8に従って演算される。
2に従って内輪及び外輪の摩擦円半径Finmax 及びFou
tmaxが演算され、これらの摩擦円半径の1/3の値に基
づき図10に対応する図7のマップの点P2′〜P6′
が決定され、かくして決定された図7のマップに基づき
前述の要領にて内輪及び外輪の制動力Fin及びFoutが
決定される。ステップ170に於ては図5に示されたル
ーチンに従って内輪の制動力Fin及び外輪の制動力Fou
t がそれぞれ前後輪に配分され、これにより各輪の目標
制動力が演算される。
170に於て演算された各輪の目標制動力に基づき各輪
のホイールシリンダ38i(i=FL、FR、RL、RR)の目
標制動圧Ptiが図には示されていないマップより演算さ
れ、またデューティ比Driが下記の数9に従って演算さ
れる。尚下記の数9に於て、Kp 及びKd は制動圧のフ
ィードバック制御に於ける比例項及び微分項の比例定数
である。
−Pti)/dt
されるべき車輪の制御弁40i に対し制御信号が出力さ
れることによってその制御弁が第二の位置に切換え設定
されると共に、その車輪の旋回外輪の開閉弁に対しデュ
ーティ比Driに対応する制御信号が出力されることによ
りホイールシリンダ38iに対するアキュームレータ圧
の給排が制御され、これにより制動圧が増減されること
によって制動力が目標制動力に制御される。
と正の基準値との間の値であるときには上流側の開閉弁
が第二の位置に切換え設定され且つ下流側の開閉弁が第
一の位置に保持されることにより、対応するホイールシ
リンダ内の圧力が保持され、デューティ比が正の基準値
以上のときには旋回外輪の上流側及び下流側の開閉弁が
図1に示された位置に制御されることにより、対応する
ホイールシリンダへアキュームレータ圧が供給されるこ
とによって該ホイールシリンダ内の圧力が増圧され、デ
ューティ比が負の基準値以下であるときには旋回外輪の
上流側及び下流側の開閉弁が第二の位置に切換え設定さ
れることにより、対応するホイールシリンダ内のブレー
キオイルが低圧導管42へ排出され、これにより該ホイ
ールシリンダ内の圧力が減圧される。
トを参照してそれぞれスピン制御及びドリフトアウト制
御の場合の前後輪への制動力の配分ルーチンについて説
明する。
ぞれ車輌の前輪側及び後輪側の質量とし車輌のCfrを前
輪のロール剛性配分として前後加速度Gx 及び横加速度
Gyに基づき下記の数10及び数11に従ってそれぞれ
旋回内輪側の前輪及び後輪の荷重Wfin 及びWrin が演
算されると共に、前後加速度Gx 及び横加速度Gy に基
づき下記の数12び数13に従ってそれぞれ旋回外輪側
の前輪及び後輪の荷重Wfout及びWroutが演算される。
*m*Gy *h/t
−Cfr)m*Gy *h/t
*m*Gy *h/t
−Cfr)m*Gy *h/t
それぞれ旋回内輪側の前輪及び後輪についての路面の摩
擦係数として前述の数3及び数4に対応する下記の数1
4及び数15に従ってそれぞれ旋回内輪側の前輪及び後
輪に発生させ得る制動力の最大値Finfmax 及びFinrm
ax が演算されると共に、μoutf及びμoutrをそれぞれ
旋回外輪側の前輪及び後輪についての路面の摩擦係数と
して前述の数3及び数4に対応する下記の数16及び数
17に従ってそれぞれ旋回外輪側の前輪及び後輪に発生
させ得る制動力の最大値Foutfmax 及びFoutrmax が演
算される。
(B2 +t2 /4)1/2
19に従って制動力の最大値Finfmax及びFinrmaxに比
例する割合にて内輪の制動力Finが配分されることによ
り旋回内輪側の前輪及び後輪の目標制動力Finf 及びF
inr が演算されると共に、下記の数20及び数21に従
って制動力の最大値Foutfmax 及びFoutrmax に比例す
る割合にて外輪の制動力Fout が配分されることにより
旋回外輪側の前輪及び後輪の目標制動力Foutf及びFou
trが演算される。
+Foutrmax )
+Foutrmax )
述のステップ92〜96と同様に実行されるが、ステッ
プ174に於ては旋回内輪側の後輪に発生させ得る制動
力の最大値Finrmax は下記の数22に従って演算され
る。
20に於て車体のスリップ角β及びスリップ角速度βd
が演算され、ステップ30に於てこれらに基づき車輌が
スピン状態あるか否かの判別が行われ、車輌がスピン状
態にはないときにはステップ100に於て目標ヨーレー
トγt が演算され、ステップ110に於て車輌がドリフ
トアウト状態にあるか否かの判別が行われ、車輌がドリ
フトアウト状態にはないときにはステップ10へ戻る。
従ってこの場合にはステップ40〜90又はステップ1
20〜180は実行されず、これにより各車輪の制動圧
がマスタシリンダ圧、従ってブレーキペダル12の踏込
み量に応じて制御される。
テップ30に於て肯定判別が行われ、ステップ70に於
てスピン状態に応じて目標ヨーモーメントMt が演算さ
れると共に目標前後力Ft が一定値に設定され、ステッ
プ80に於て目標ヨーモーメントMt の達成が優先され
るよう目標ヨーモーメント及び目標前後力に基づき旋回
外輪の制動力が決定され、ステップ90に於てアンチス
ピンモーメントが最も効果的に且つ効率的に発生される
よう旋回外輪の制動力が旋回外輪側の前後輪に配分さ
れ、ステップ180に於て旋回外輪側の前後輪の制動力
が目標制動力に制御され、これにより車輌のスピン状態
が効果的に且つ効率的に制御される。
ステップ110に於て肯定判別が行われ、ステップ15
0に於て目標ヨーモーメントMt が一定値に設定される
と共に目標前後力Ft がドリフトアウト状態に応じて設
定され、ステップ160に於て目標前後力の達成が優先
されるよう目標ヨーモーメント及び目標前後力に応じて
旋回内輪及び外輪の制動力が決定され、ステップ170
に於て旋回内輪及び外輪の制動力がそれぞれ前後輪の摩
擦円半径の比率に応じて配分され、ステップ180に於
て各輪の制動力が目標制動力に制御され、これにより車
輌のドリフトアウト状態が効果的に且つ効率的に制御さ
れる。
車であり、車輌の挙動がスピン状態であるときには、前
輪の駆動力を考慮して図11に示されたグラスに対応す
るマップより目標ヨーモーメントMt 及び目標前後力F
x が演算されるようになっているが、車輌が後輪駆動車
である場合には、車輌の挙動がスピン状態である場合に
於ける目標ヨーモーメント及び目標前後力は図9に示さ
れたグラフに対応するマップより演算される。
スピン状態であるときには旋回外輪側の前後輪にのみ制
動力が与えられるようになっているが、旋回内輪側の車
輪にも制動力が与えられ、内輪の制動力と外輪の制動力
との差により車輌にアンチスピンモーメントが与えられ
てもよい。
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
がドリフトアウト状態であるときには、図10に示され
ている如く制御可能範囲は内輪及び外輪の摩擦円半径の
1/3に基づき設定されるようになっているが、摩擦円
半径に対する補正係数は1/3以外の値であってもよ
い。
の摩擦係数μoutf、μoutr、μinf、μinr は定数であ
るが、路面の状況に拘らず各輪に発生させ得る制動力の
大きさが正確に演算されるよう、例えば車輌の横加速度
の大きさ等より車輌全体としての摩擦係数μが演算さ
れ、この摩擦係数μに基づき各輪についての摩擦係数が
補正されてもよい。
明の請求項1の構成によれば、車輌の挙動がアンダステ
ア状態であるかオーバステア状態であるかに応じて目標
ヨーモーメント及び目標前後力が最適に決定され、アン
ダステア状態又はオーバステア状態の挙動を制御するた
めに最適のヨーモーメント及び前後力が発生されるの
で、車輌の挙動を効果的に且つ効率的に制御することが
できる。
がオーバステア状態であるときには車輌の挙動が主とし
てアンチスピンモーメントによって制御されるので、車
輌の減速をできるだけ回避しつつ車輌の挙動を効果的に
制御することができ、また車輌の挙動がアンダステア状
態であるときには車輌の挙動が主として減速によって制
御されるので、スピンの誘発を招来することなく車輌の
挙動を効果的に制御することができる。
がオーバステア状態である場合に於て少なくとも一輪の
制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを越えるとき
には、目標ヨーモーメントの達成が優先されるよう左右
輪の制動力の大きさの配分が決定され、これによりアン
チスピンモーメントが効果的に且つ効率的に発生される
ので、車輌のスピン状態を効果的に且つ効率的に抑制す
ることができる。
がアンダステア状態である場合に於て少なくとも一輪の
制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大きさを越えるとと
きには、目標前後力の達成が優先されるよう左右輪の制
動力の大きさの配分が決定され、これにより車輌が効果
的に且つ効率的に減速されるので、車輌のドリフトアウ
ト状態を効果的に且つ効率的に抑制することができる。
がオーバステア状態であるときには前後輪の制動力の大
きさが最も効果的なアンチスピンモーメントを発生する
よう設定されるので、車輌のスピン状態を効果的に且つ
効率的に抑制することができる。
がアンダステア状態であるときには前輪及び後輪の摩擦
円の大きさの比に基づいて前後輪の制動力の大きさが配
分され、前後輪の制動力の大きさが最適に設定されるの
で、車輌のドリフトアウト状態を効果的に且つ効率的に
抑制することができる。
装置の一つの実施例を示す概略構成図である。
装置と共に示す概略構成図である。
フローチャートである。
ップ90に於ける制動力の前後輪への配分ルーチンを示
すフローチャートである。
ップ170に於ける制動力の前後輪への配分ルーチンを
示すフローチャートである。
いてモーメントM及び前後力Fx と内輪及び外輪の制動
力Fin、Fout との間の関係及び実施例に於ける外輪の
制動力の求め方を示すグラフである。
いてモーメントM及び前後力Fx と内輪及び外輪の制動
力Fin、Fout との間の関係及び実施例に於ける内輪及
び外輪の制動力の求め方を示すグラフである。
説明図である。
いてモーメントM及び前後力Fx と内輪及び外輪の制動
力Fin、Fout との間の関係及び本発明に於ける内輪及
び外輪の制動力の求め方を示すグラフである。
ついてモーメントM及び前後力Fx と内輪及び外輪の制
動力Fin、Fout との間の関係及び本発明に於ける内輪
及び外輪の制動力の求め方を示すグラフである。
状態である場合についてモーメントM及び前後力Fx と
内輪及び外輪の制動力Fin、Fout との間の関係及び本
発明に於ける内輪及び外輪の制動力の求め方を示すグラ
フである。
ついて制動力の前後輪への配分要領を示す説明図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】車輌の挙動を検出する手段と、車輌の目標
挙動を設定する目標挙動設定手段と、車輌の挙動が前記
目標挙動となるよう各輪の制動力を制御する制動力制御
手段とを有し、前記制動力制御手段は車輌の挙動に基づ
いて車輌の目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモーメ
ント決定手段と、車輌の挙動に基づいて車輌の目標前後
力を求める目標前後力決定手段とを含む車輌の挙動制御
装置に於て、車輌の挙動がアンダステア状態かオーバス
テア状態かを判別する挙動状態判別手段と、前記挙動状
態判別手段の判別結果に基づいて前記目標ヨーモーメン
ト決定手段による目標ヨーモーメントの決定態様及び前
記目標前後力決定手段による目標前後力の決定態様を変
更する変更手段とを有していることを特徴とする車輌の
挙動制御装置。 - 【請求項2】請求項1の車輌の挙動制御装置に於て、前
記変更手段は前記挙動状態判別手段により車輌の挙動が
オーバステア状態であると判別されるときには車輌の挙
動が主としてヨーモーメントにより制御されるよう前記
目標ヨーモーメント及び前記目標前後力の決定態様を変
更し、前記挙動状態判別手段により車輌の挙動がアンダ
ステア状態であると判別されるときには車輌の挙動が主
として前後力により制御されるよう前記目標ヨーモーメ
ント及び前記目標前後力の決定態様を変更することを特
徴とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項3】請求項1又は2の車輌の挙動制御装置に於
て、前記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める
手段を有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメ
ント及び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力
の大きさを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制
動力配分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の
挙動がオーバステア状態であると判別される場合に於て
少なくとも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大
きさを越えるときには前記目標ヨーモーメントの達成を
優先して左右輪の制動力の大きさを配分することを特徴
とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項4】請求項1又は2の車輌の挙動制御装置に於
て、前記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める
手段を有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメ
ント及び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力
の大きさを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制
動力配分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の
挙動がアンダステア状態であると判別される場合に於て
少なくとも一輪の制動力の大きさが該車輪の摩擦円の大
きさを越えるときには前記目標前後力の達成を優先して
左右輪の制動力の大きさを配分することを特徴とする車
輌の挙動制御装置。 - 【請求項5】請求項1又は2の車輌の挙動制御装置に於
て、前記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める
手段を有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメ
ント及び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力
の大きさを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制
動力配分決定手段は前記挙動状態判別手段により車輌の
挙動がオーバステア状態であると判別されるときには、
後輪の摩擦円の大きさ及び車輌の諸元より求められる
「後輪の制動力によって発生するヨーモーメントが後輪
の横力が低下することにより減少するヨーモーメントよ
り大きくなる最大制動力」と前輪の摩擦円の大きさ内に
於ける最大制動力との比に基づいて前後輪の制動力の大
きさを配分することを特徴とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項6】請求項1又は2の車輌の挙動制御装置に於
て、前記挙動制御装置は各輪の摩擦円の大きさを求める
手段を有し、前記制動力制御手段は前記目標ヨーモーメ
ント及び前記目標前後力を達成するための各輪の制動力
の大きさを演算する制動力配分決定手段を含み、前記制
動力配分決定手段は前記挙動判別手段により車輌の挙動
がアンダステア状態であると判別されるときには、前輪
及び後輪の摩擦円の大きさの比に基づいて前後輪の制動
力の大きさを配分することを特徴とする車輌の挙動制御
装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP14247595A JP3303605B2 (ja) | 1995-05-17 | 1995-05-17 | 車輌の挙動制御装置 |
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JPH08310366A true JPH08310366A (ja) | 1996-11-26 |
JP3303605B2 JP3303605B2 (ja) | 2002-07-22 |
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