JPH08309947A - ポリエステル積層フィルムまたはシート - Google Patents

ポリエステル積層フィルムまたはシート

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JPH08309947A
JPH08309947A JP8047327A JP4732796A JPH08309947A JP H08309947 A JPH08309947 A JP H08309947A JP 8047327 A JP8047327 A JP 8047327A JP 4732796 A JP4732796 A JP 4732796A JP H08309947 A JPH08309947 A JP H08309947A
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晴雄 林田
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裕二 重松
Fumio Ishibashi
文男 石橋
Hiroaki Takahata
弘明 高畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカーコート剤の裏回り現象に起因するブ
ロッキングの問題が全く生じないポリエステル積層フィ
ルムまたはシートを提供する。 【解決手段】 ポリエステル系フィルム基材及び一層以
上の押出ラミネート用樹脂からなるポリエステル積層フ
ィルムまたはシートであって、ポリエステル系フィルム
基材と直接接する層を形成する押出ラミネート用樹脂
が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチ
レン−ビニルエステル系共重合体樹脂及びエチレン−
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂からなる群
から選ばれる一種であり、ポリエステル積層フィルムま
たはシートが、アンカーコート処理を行わず、かつ特定
の表面酸化処理工程、特定のオゾン処理工程及び特定の
圧着工程を含む押出ラミネート方法により得られるポリ
エステル積層フィルムまたはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル積層
フィルムまたはシートに関する。さらに詳しくは、ポリ
エステル系フィルム基材及び一層以上の押出ラミネート
用樹脂からなる強固に層間接着したポリエステル積層フ
ィルムまたはシートであって、押出ラミネート用樹脂を
該ポリエステル系フィルム基材に押出コーティングする
際に、アンカーコート処理を行わないため、アンカーコ
ート剤の裏回りに起因するブロッキングの問題が全く生
じないポリエステル積層フィルムまたはシートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系フィルム基材に、異種材
料のフィルム状成型物を貼り合わせて単独では有し得な
い特性、例えば強度、ガスバリヤー性、耐水性、防湿
性、ヒートシール性、外観などを補った積層フィルムま
たはシートを製造することは一般に行われており、こう
して得られる製品は主に包装材料などに広く使用されて
いる。
【0003】このような積層フィルムまたはシートを製
造する方法としては、例えば押出ラミネート法、ドライ
ラミネート法、ウェットラミネート法、ホットラミネー
ト法などがあり、これらはその特徴に応じて適用されて
いる。包装材料などにおいて、基材にヒートシール層を
形成する方法としては、コスト面で有利さをもつ押出ラ
ミネート法が広く用いられている。
【0004】押出ラミネート法で積層される樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合
体などのポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂など
が用いられるのが一般的であり、一層あるいは二層以上
が押出コーティングされる。中でもポリエチレンは広範
かつ多量に使用されている。
【0005】一般的に、表面が平坦なポリエステル系フ
ィルム基材に押出ラミネート加工する場合、インライン
で基材表面にアンカーコート剤を塗布、乾燥後、その上
にこれら樹脂がラミネートされる。アンカーコート剤
は、基材との接着性を促進するために用いられており、
通常有機チタネート系、イソシアネート系(ウレタン
系)、ポリエチレンイミン系などが接着剤として使用さ
れている。これらの接着剤は、通常トルエン、メタノー
ル、ヘキサン、酢酸エチル等の有機溶剤で希釈して使用
される。
【0006】アンカーコート剤を基材へ塗布する方法
は、ダイレクトグラビア方式、オフセットグラビア方
式、リバース方式等の数多くの方法があるが、一般的に
は、コーティングロールとプレスロールの間を通過させ
ることにより、基材のコーティングロール側にアンカー
コート剤を塗布する方式が広く採用されている。通常、
コーティングロールは駆動され、その表面は平滑鏡面仕
上げされたものが使用されているが、グラビア彫刻され
たものも一部用いられている。また、プレスロールは駆
動されておらず表面にシリコン、ポリウレタン、ネオプ
レンゴムなどがライニングされ、その硬度も比較的柔ら
かいものが多く用いられている。
【0007】プレスロールは、通過するフィルム基材の
片面にアンカーコート剤が均一に塗布されるように、ア
ンカーコート剤が塗られたコーティングロールにフィル
ム基材を押付けて密着させるためのものであるが、フィ
ルム基材端部の両外側においてはコーティングロールと
適度に密着して、余分なアンカーコート剤をしごき落と
す役割も有している。フィルム基材とコーティングロー
ルの密着が悪いと塗工ムラが発生するため好ましくない
が、フィルム基材が密着している場合でも、フィルム基
材端部の両外側におけるプレスロールとコーティングロ
ールとの密着が悪いと、表面張力によりその間隙に余分
なアンカーコート剤が溜まり、場合によっては裏回りし
てフィルム基材のプレスロール側の面に付着する現象が
発生する。裏回りが発生すると、得られた製品がブロッ
キングするため問題である。
【0008】一般に、フィルム基材の膜厚が薄手の場合
は特に問題とならないが、フィルム基材の膜厚が厚くな
るとプレスロールとコーティングロールの間隙を広げる
方向となり、フィルム基材端部の両外側におけるプレス
ロールとコーティングロールの密着が悪くなることか
ら、その間隙にアンカーコート剤の溜まりが発生して裏
回りが起こりやすくなる。
【0009】このような、アンカーコート剤の裏回りに
起因するブロッキングが問題となっているポリエステル
積層フィルムまたはシートとしては、例えば、膜厚30
〜300μのポリエステル系フィルム基材に、ポリオレ
フィン系樹脂やアイオノマー樹脂を、膜厚20〜200
μ、通常一層ないし三層が押出ラミネート加工された、
カードラミ用のポリエステル積層フィルムまたはシート
が挙げられる。カードラミとは、定期券、身分証明書、
免許証、写真、飲食店のメニュー、ポスター等の掲示物
などの、通常紙を基体とした印刷物、筆記物等の表面ま
たは全体の保護のために使用され、該ポリエステル積層
フィルムまたはシートの間に被保護体を挟み、サーマル
ラミネートして用いられるのが一般的である。押出ラミ
ネート加工されるヒートシール層には、被保護体並びに
該ポリエステル積層フィルムまたはシート同士の接着性
向上のため、多くは接着性樹脂が用いられている。
【0010】また、一般にアンカーコート剤を用いるこ
れらの方法は、高価なアンカーコート剤を使用すること
による製造コストの上昇の問題、アンカーコート剤の塗
布及び乾燥という煩雑な工程を必要とする問題、アンカ
ーコート剤に含まれる有機溶剤の蒸発乾燥工程時に人体
に有害な有機溶剤が飛散することによる作業環境及びそ
の周辺環境の衛生上の問題、引火性の有機溶剤の使用に
伴う火災の発生の心配、あるいは、有機溶剤などのアン
カーコート成分が最終製品である積層フィルムまたはシ
ートに残留し、それに起因する臭気のため、該製品の食
品包装用途などへの適用を制限するという問題などを有
する。
【0011】また、これらアンカーコート剤を用いない
方法として、エチレン−α−オレフィン共重合体を、公
知のオゾン処理機を用い、延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(O−PET)基材との接着面をオゾン処
理し、基材上にアンカーコート剤を塗布することなく圧
着ラミネートして積層体が製造される方法や、不飽和カ
ルボン酸などをポリオレフィン系樹脂にグラフト変成し
た接着性樹脂を用い、共押出ラミネート装置との組合わ
せでO−PET基材にノーアンカーで圧着ラミネートし
て積層体を製造する方法が報告されている(コンバーテ
ック(8)、第36頁、1991年)。しかし、これら
の方法で得られた積層フィルムまたはシートのポリエス
テル系フィルム基材とラミネート樹脂との接着強度は十
分とはいえず、その適用範囲は制約を受ける。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、厚手のポリエステル系
フィルム基材に、押出ラミネート用樹脂を押出コーティ
ングして積層フィルムまたはシートを製造する際に、ア
ンカーコート剤の塗布工程を不要とすることで、アンカ
ーコート剤の裏回り現象に起因する製品のブロッキング
の問題が全くなく、かつ、アンカーコート剤を使用しな
くとも、強固に層間接着されたポリエステル積層フィル
ムまたはシートを提供する点に存するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、ポリエステル系フィルム基材に対す
る、アンカーコート剤を使用しない押出ラミネート方法
について鋭意検討した結果、該フィルム基材に押出ラミ
ネート用樹脂を押出コーティングする際に、アンカーコ
ート剤を使用せずとも、特定の加工工程を含むことで強
固に層間接着した積層フィルムまたはシートが得られる
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0014】すなわち、本発明は、ポリエステル系フィ
ルム基材及び一層以上の押出ラミネート用樹脂からなる
ポリエステル積層フィルムまたはシートであって、ポリ
エステル系フィルム基材と直接接する層を形成する押出
ラミネート用樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂
及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
樹脂からなる群から選ばれる一種であり、ポリエステル
積層フィルムまたはシートが、アンカーコート処理を行
わず、かつ下記(1)〜(3)の工程を含む押出ラミネ
ート方法により得られるポリエステル積層フィルムまた
はシートを提供するものである。 工程: (1)ポリエステル系フィルム基材の少なくとも一面に
表面酸化処理を施す工程。 (2)押出ラミネート樹脂をダイ直下樹脂温度180〜
340℃の温度においてフィルム状に溶融押出し、該フ
ィルムの少なくとも一面にオゾン処理を施す工程。 (3)工程(1)で得られたポリエステル系フィルム基
材の表面酸化処理面と工程(2)で得られたフィルムの
オゾン処理面とを接触させ、圧着する工程。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
系フィルム基材とは、ポリエステル系樹脂を用いて、公
知の方法で成形加工されたものであって、未延伸フィル
ム基材であってもよく、また二軸延伸フィルム基材であ
ってもよい。さらに、接着面がこれらポリエステル系フ
ィルム基材からなり、他の材料と積層されたフィルム、
またはシートであってもよい。ここで、ポリエステル系
樹脂とは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸のような芳香族ジカルボン酸とエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールのような脂肪族グリコールとを重縮合させて
得られるポリマーからなる樹脂である。該ポリマーの代
表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)などが例示される。また、該ポリマーはホモポリマ
ーの他に、20モル%以下の第三成分を含有したコポリ
マーであってもよい。この場合、ジカルボン酸成分とし
て、例えば、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸及びオキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香
酸など)の一種または二種以上を用いることができる。
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどの一種
または二種以上を用いることができる。
【0016】本発明に用いられるポリエステル系フィル
ム基材の膜厚は、該基材へのアンカーコート処理時にア
ンカーコート剤の裏回り現象が発生することにより、得
られたポリエステル積層フィルムまたはシートのブロッ
キングが問題となる、通常30〜300μである。
【0017】本発明のポリエステル積層フィルムまたは
シートは、ポリエステル系フィルム基材と一層以上の押
出ラミネート用樹脂からなり、ポリエステル系フィルム
基材と直接接する層を形成する押出ラミネート用樹脂と
しては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂及びエチレン
−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂からなる
群から選ばれる一種であり、これらを単独または二種以
上の混合物として用いることができる。さらに必要に応
じて、他の樹脂を50重量%未満の範囲で混合してもよ
い。
【0018】ポリエチレン系樹脂の製法は限定されるも
のではなく、例えばラジカル重合法またはイオン重合法
で製造することができる。ポリエチレン系樹脂として
は、例えば、高圧ラジカル重合法で製造される低密度ポ
リエチレン、イオン重合法で製造される高密度ポリエチ
レン、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られ
るエチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ
る。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、オクテン−1、デセン−1、オクタデセン
−1などの炭素数3〜18のα−オレフィンが用いら
れ、これらα−オレフィンは、一種のみならず二種以上
用いてもよい。
【0019】ポリプロピレン系樹脂の製法は限定される
ものではなく、例えばイオン重合法で製造することがで
きる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピ
レンのホモポリマー、プロピレンとエチレンとの共重合
体やプロピレンとブテン−1との共重合体など、プロピ
レンとα−オレフィンの共重合体が挙げられる。なお、
プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種のみ
ならず二種以上用いてもよい。
【0020】エチレン−ビニルエステル系共重合体樹脂
及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
樹脂は、ラジカル重合法で製造でき、エチレンとラジカ
ル重合し得るコモノマーを共重合して得られる。
【0021】エチレン−ビニルエステル系共重合体のビ
ニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ネオ酸ビニルなどが挙げられる。エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の(メタ)アク
リル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル
酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸イソブチルなどのアクリル酸エス
テルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸イソブチルなどのメタクリル酸エステルであっ
て、炭素数4〜8の不飽和カルボン酸のエステル化物等
が挙げられる。これらのコモノマーは、一種のみならず
二種以上用いてもよい。
【0022】エチレン−ビニルエステル系共重合体及び
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に含
まれるコモノマー成分の含有量は、好ましくは30重量
%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。
【0023】尚、得られるポリエステル積層フィルムま
たはシートの偏肉を防止するための加工適性上の観点か
ら、ポリエチレン系樹脂、エチレン−ビニルエステル系
共重合体樹脂及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体樹脂については、190℃におけるメルト
フローレート(MFR)が1〜100g/10分の範囲
にあることが好ましく、また、ポリプロピレン系樹脂に
ついては、230℃におけるMFRが1〜100g/1
0分の範囲にあることが好ましい。
【0024】本発明に用いられるポリエステル系フィル
ム基材と直接接しない層を形成する押出ラミネート用樹
脂は、特に限定されるものではないが、上記のポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−ビニル
エステル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体樹脂はもちろんのこと、用途に応
じて、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合
体、エチレン−不飽和多塩基酸系共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−不飽和多塩基酸系共重合
体、エチレン−ビニルエステル−不飽和多塩基酸系共重
合体等のエチレン系酸共重合体樹脂、及びそれからなる
アイオノマー樹脂、あるいは、不飽和多塩基酸グラフト
変性ポリオレフィン系樹脂、炭素数4〜10のα−オレ
フィン(共)重合体樹脂等を、単独または二種以上の混
合物として用いることができる。
【0025】ここで、不飽和多塩基酸とは、例えば、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無
水ハイミック酸、無水メチルハイミック酸及びこれらの
誘導体などを挙げることがでる。
【0026】また、本発明で用いる押出ラミネート用樹
脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の添加
剤、例えば、抗酸化剤、アンチブロッキング剤、耐候
剤、中和剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、分散
剤、顔料、有機または無機の充填剤などを併用してもよ
い。
【0027】本発明の押出ラミネート方法における工程
(1)〜(3)は、アンカーコート処理を行わずに、強
固に層間接着したポリエステル積層フィルムまたはシー
トを得るための工程である。
【0028】工程(1):ポリエステル系フィルム基材
の少なくとも一面に表面酸化処理を施す工程において、
表面酸化処理は、ポリエステル系フィルムの接着面に一
定レベル以上の酸化活性化点を発生させるため、例え
ば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ
処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等の公知の方法
により行うことができる。ただし表面酸化処理後は、で
きるだけ早いうちに、好ましくは1時間以内に工程
(3)の圧着を完了することが望ましい。表面酸化処理
を行わない場合や、表面酸化処理後1日以上経過した後
では、十分強固な層間接着強度が得られないことがあ
る。
【0029】コロナ放電処理は、例えば公知のコロナ放
電処理機を用い、発生させたコロナ雰囲気にポリエステ
ル系フィルム基材を通過させることにより行われる。こ
こで、層間接着強度を高水準に維持するという観点から
は、コロナ放電密度は、通常10w・分/m2 以上、好
ましくは40w・分/m2 以上、更に好ましくは50w
・分/m2 以上である。コロナ放電密度の上限は特に限
定されないが、経済性の観点から通常300w・分/m
2 以下が好ましい。
【0030】プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ク
リプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、空気などの
単体または混合気体をプラズマジェットで電子的に励起
せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励
起不活性ガスを、ポリエステル系フィルム基材の表面に
吹付けることにより実施できる。
【0031】フレームプラズマ処理は、天然ガスやプロ
パンを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラ
ズマを、ポリエステル系フィルム基材の表面に吹付ける
ことにより実施できる。
【0032】電子線照射処理は、ポリエステル系フィル
ム基材の表面に、電子線加速器により発生させた電子線
を照射することにより行われる。電子線照射装置として
は、例えば、線状のフィラメントからカーテン状に均一
な電子線を照射できる装置「エレクトロンカーテン」
(商品名)を使用することができる。
【0033】紫外線照射処理は、例えば200〜400
mμの波長の紫外線を、ポリエステル系フィルム基材の
表面に照射することにより実施できる。
【0034】ところで、市販のポリエステル系フィルム
基材には、表面への印刷性の改良や、アンカーコート剤
との接着性の改良のため、コロナ放電処理などの表面酸
化処理が施されているものもあるが、かかる市販品につ
いて、本発明の表面酸化処理を実施することなく用いた
場合には、本発明が目的とする十分に強固な接着力を得
ることができない。
【0035】工程(2):押出ラミネート用樹脂をダイ
直下樹脂温度180〜340℃の温度においてフィルム
状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも一面にオゾン
処理を施す工程において、オゾン処理は、例えばTダイ
下エアーギャップ間に設けたノズルまたはスリット状の
吹出し口から、オゾンを含ませた気体(空気など)を、
溶融フィルムに連続的に吹付けることにより行われる。
この際、吹付けられたオゾンを含ませた気体が特定の部
分に滞留することなく、また、溶融フィルムのポリエス
テル系フィルム基材と接触する側の面全体に吹付けられ
るようにするのが好ましい。尚、オゾンノズルがダイ下
に設置できない場合は、圧着ラミネートする直前のポリ
エステル系フィルム基材上に吹付けてもよい。
【0036】吹付けるオゾンの量は溶融フィルムの通過
単位面積に対し、通常1〜30mg/m2 、また、低臭
性が問題となる場合は、通常1〜12mg/m2 であ
る。オゾン処理を行わない場合は、ポリエステル系フィ
ルム基材への層間接着強度が充分得られないので好まし
くない。また、必要以上に多量のオゾン処理を行うこと
は、得られたポリエステル積層フィルムまたはシートの
臭気を悪化させることがあるので好ましくない。
【0037】尚、押出ラミネート用樹脂をフィルム状に
溶融押出しする際のダイ直下樹脂温度は180〜340
℃、好ましくは200〜325℃、より好ましくは22
0〜310℃である。該温度が180℃未満では、樹脂
の延展性が不良となり、肉厚が均一な溶融膜を得ること
が困難であるばかりか、ポリエステル系フィルム基材と
の層間接着が不十分となるので好ましくない。一方、3
40℃を越えると、溶融樹脂の劣化が生じることや、溶
融膜表面の酸化が多くなって、得られたポリエステル積
層フィルムまたはシートのヒートシール性や臭気が悪化
するため好ましくない。
【0038】工程(3):工程(1)で得られたポリエ
ステル系フィルム基材の表面酸化処理面と工程(2)で
得られたフィルムのオゾン処理面を接触させ、該ポリエ
ステル系フィルム基材と該フィルムを圧着する工程にお
いて、圧着工程は、公知の押出ラミネーターを使用で
き、例えば、冷却ロールとニップロールの間で圧着する
ことを含む。
【0039】このとき、工程(3)に付すポリエステル
系フィルム基材の表面酸化処理面について、下記式で表
される関係が成立することが好ましい。 Δ(O/C)≧0.08 より好ましくは、下記式の通りである。 Δ(O/C)≧0.10 ただし、Δ(O/C)=(O/C)* −(O/C)0
あり、ここで(O/C)0 は表面酸化処理を行わない面
のポリエステル系フィルム基材表面について、ESCA
法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を
表し、(O/C)* は表面酸化処理を行った面のポリエ
ステル系フィルム基材表面について、ESCA法により
測定した酸素原子と炭素原子の各原子比を表す。
【0040】尚、(O/C)* は、本発明の樹脂をポリ
エステル系フィルム基材に押出ラミネートし、貼合後3
0分経過時の測定値である。ただし、実際の測定は、貼
合しないポリエステル系フィルム基材を別に準備してお
き、その基材を貼合に付す基材と同様に表面酸化処理
し、その表面について行った。
【0041】ここで、ESCAとはElectron
Spectroscopy forChemical
Analysisを意味し、(O/C)* 及び(O/
C) 0 は次の通り求める。即ち、O1S及びC1Sのそれぞ
れのピーク強度面積に各ピークの相対感度をかけた値の
比から酸素と炭素の存在比(O/C)を求める(詳細
は、例えば、筏 義人編、「高分子表面の基礎と応用
(上)」、化学同人発行、1986年、第4章 参
照。)。
【0042】Δ(O/C)値は、工程(1)の表面酸化
処理により発生するポリエステル系フィルム基材表面の
酸化活性化点のレベルを示すものであり、表面酸化処理
後は経時により低下する傾向にある。Δ(O/C)の値
が過小な場合は、得られたポリエステル積層フィルムま
たはシートの層間接着が充分でないことがある。
【0043】本発明では工程(1)の表面酸化処理工程
後のポリエステル系フィルム基材を直ちに工程(3)の
圧着工程に付すことが好ましい。このことにより、より
高水準の層間接着強度が発現される。
【0044】本発明においては、ポリエステル系フィル
ム基材の繰出し工程、表面酸化処理工程、圧着工程及び
製品巻取り工程がポリエステル系フィルム基材の流れの
方向に沿って同一ライン上に順次設置された装置を用
い、これらの工程を速やかに一連の作業で行うことが好
ましい。なお、本発明は、サンドイッチラミネート法
で、サンド繰出機から繰出されるポリエステル系フィル
ム基材についても適用できる。
【0045】また本発明においては、ポリエステル積層
フィルムまたはシートの層間接着をより強固なものにさ
せる観点から、圧着工程の後に、圧着工程で得られる積
層フィルムまたはシートを、保温下、熟成する工程を設
けてもよい。熟成温度は通常30〜50℃、好ましくは
40〜45℃である。
【0046】熟成時間は、通常1〜120時間、好まし
くは10〜80時間である。熟成時間が短かすぎる場合
は層間接着強度の改善が不十分であることがあり、一方
長過ぎる場合は、コーティングした樹脂が変質すること
があり、また生産性の点で不利である。熟成工程を実施
するには、通常のオーブンまたは温度調整が可能な部屋
を用いればよい。
【0047】また、本発明においては、ポリエステル積
層フィルムまたはシートの層間接着をより強固なものに
させる観点から、工程(1)の表面酸化処理工程の前
に、表面酸化処理工程に付すべきポリエステル系フィル
ム基材の表面温度を、通常40℃以上かつポリエステル
系フィルム基材の融点以下、好ましくは60℃以上かつ
ポリエステル系フィルム基材の融点より30℃低い温度
以下で加熱する工程を含んでいてもよい。ポリエステル
系フィルム基材の加熱は、遠赤外線ヒーターや加熱ロー
ルなどを用いることにより行われる。例えば、ポリエス
テル系フィルム基材を工程(1)の表面酸化処理工程へ
搬送する過程で、遠赤外線ヒーターの下を通過させれば
よい。
【0048】また本発明のポリエステル積層フィルムま
たはシートのヒートシール層には、必要に応じてコロナ
放電処理等の表面処理を行ってもよい。
【0049】上記各工程を含み、かつ、アンカーコート
処理を行わない押出ラミネート方法により製造されたポ
リエステル積層フィルムまたはシートは、アンカーコー
ト剤の裏回りに起因するブロッキングの問題が全く生じ
ないので、ラミネート加工時のトラブルが回避でき、か
つ層間の接着力が強いため包装材料、工業用材料等に好
適に用いることができる。特に、厚手のポリエステル系
フィルム基材が主に使用されるカードラミ用材料として
好適に用いることができる。
【0050】
【実施例】次に本発明を、実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で行う測定及び評価方法は下記の通り
である。 (1)層間接着強度 巾15mm、長さ150mmに切出したポリエステル積
層フィルムの試験片を作成し、この試験片のポリエステ
ル系フィルム基材と押出ラミネート樹脂の接着界面を長
さ方向に50mmにわたって剥離した後、東洋精機
(株)製オートストレイン型引張試験機を使用して、2
00mm/分の引張速度で180度剥離した時の剥離強
度を測定し、層間接着強度を評価した。 (2)ヒートシール強度 巾150mm、長さ100mmに切出したポリエステル
積層フィルムの試験片2枚を作成し、この試験片同士
を、押出ラミネート用樹脂層同士が接触するようにし
て、ヒートシール温度160℃、シール時間1秒、シー
ル圧力1kg/cm 2 の条件でヒートシールした後、ヒ
ートシール巾15mmの試験片を作成し、ショッパー型
引張試験機を使用して、200mm/分の引張速度で1
80度方向に剥離したときの強度を測定し、ヒートシー
ル強度を評価した。 (3)ブロッキング官能試験 紙管に巻き取られた状態のポリエステル積層フィルム
を、平坦な地面に垂直に立て、巻外末端のフィルム上端
部を手で摘んで紙管が動かないように注意しながら一周
めくり取る際の抵抗感を判定した。その際の抵抗感の判
定は2ランク評価とした。 ブロッキング官能試験の記号は以下の判定を表す。 「○」:抵抗感はほとんど感じられない。 「×」:抵抗感が感じられる。
【0051】実施例1 ポリエステル系フィルム基材として膜厚50μの二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、該
ポリエステル系フィルム基材と直接接する層を形成する
押出ラミネート用樹脂として高圧法低密度ポリエチレン
(LDPE;MFR7g/10分、密度0.919g/
cm3 )、ヒートシール層を形成する押出ラミネート用
樹脂としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMA
A;MFR10g/10分、メタクリル酸含有量9重量
%)を用い、口径65mmφの押出機2台で該押出ラミ
ネート用樹脂を溶融混練し、マルチスロット型共押出ダ
イから、基材と直接接する層はダイ直下樹脂温度310
℃、コート巾480mm、コート厚み30μ、ヒートシ
ール層はダイ直下樹脂温度290℃、フィルム巾450
mm、コート厚み30μ、また、エアーギャップ160
mm、引取速度120m/分となる条件で押出し、次い
で、基材と直接接する層の溶融膜の基材と接触する側の
面に、ダイ下30mmの位置に設けたノズルから、オゾ
ン処理量が12mg/m2 となる条件でオゾンを含む空
気を吹付け、次いでポリエステル系フィルム基材の表面
酸化処理として押出ラミネーターのインラインに設けた
コロナ放電装置により、コロナ放電密度が69W・分/
2 となる条件でコロナ放電処理を施した該ポリエステ
ル系フィルム基材の面に押出コーティングを行い、次い
で温度20℃の冷却ロールとニップロールの間を通過さ
せることにより圧着し、ポリエステル積層フィルムを得
た。さらに得られた積層フィルムはオーブンを用い、空
気雰囲気下、45℃で48時間熟成させた。加工条件及
び評価結果を表1に示す。
【0052】比較例1 オゾン処理を行わないこと以外は、実施例1と同様に行
った。加工条件及び評価結果を表1に示す。
【0053】比較例2 コロナ放電処理を行わないこと、オゾン処理量を24m
g/m2 としたこと、及び、熟成処理を行わないこと以
外は、実施例1と同様に行った。加工条件及び評価結果
を表1に示す。
【0054】比較例3 コロナ放電処理及びオゾン処理を行わないこと、及び、
アンカーコート処理として、酢酸エチルに希釈したアン
カーコート剤(ポリウレタン系)を、ダイレクトグラビ
ア方式でポリエステル系フィルム基材に塗布し、80℃
の乾燥装置を通過させ溶剤を蒸散させた後、押出コーテ
ィングを行ったこと以外は、実施例1と同様に行った。
加工条件及び評価結果を表1に示す。
【0055】実施例2 ポリエステル系フィルム基材と直接接する層を形成する
LDPEのコート厚みを20μとしたこと、及び、ヒー
トシール層を形成する押出ラミネート用樹脂としてエチ
レン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂(IO
N;MFR10g/10分、亜鉛イオンタイプ)を用い
たこと以外は、実施例1と同様に行った。加工条件及び
評価結果を表1に示す。
【0056】比較例4 コロナ放電処理及びオゾン処理を行わないこと、及び、
アンカーコート処理として、酢酸エチルに希釈したアン
カーコート剤(ポリウレタン系)を、ダイレクトグラビ
ア方式でポリエステル系フィルム基材に塗布し、80℃
の乾燥装置を通過させ溶剤を蒸散させた後、押出コーテ
ィングを行ったこと以外は、実施例2と同様に行った。
加工条件及び評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 ─────────────────────────────────── 実施例 比 較 例 1 2 1 2 3 4 ポリエステル系フィルム基材 PET PET PET PET PET PET 基材の膜厚 (μ) 50 50 50 50 50 50 押出ラミネート用樹脂 基材と直接接する層(層1) LDPE LDPE LDPE LDPE LDPE LDPE ヒートシール層 (層2) EMAA ION EMAA EMAA EMAA ION 加工条件 ダイ直下樹脂温度 層1 (℃) 310 310 310 310 310 310 層2 (℃) 290 290 290 290 290 290 引取速度 (m/ 分) 120 120 120 120 120 120 厚み 層1 (μ) 30 20 30 30 30 20 層2 (μ) 30 30 30 30 30 30 コロナ放電処理密度(w・分/m2) 69 69 69 − − − (O/C)* 0.55 0.55 0.55 0.47 − − (O/C)0 0.40 0.40 0.40 0.40 − − Δ(O/C) 0.15 0.15 0.15 0.07 − − オゾン処理量 (mg/m2) 12 12 − 24 − − アンカーコート処理 無 無 無 無 有 有 熟成処理 温度 (℃) 45 45 45 − 45 45 期間 (Hr) 48 48 48 − 48 48 評価 層間接着強度 (g/15mm巾) 720 810 280 260 740 830 ヒートシール強度(kg/15mm巾) 4.2 4.9 3.1 2.9 4.3 4.7 ブロッキング官能試験 ○ ○ ○ ○ × × ───────────────────────────────────
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のポリエステ
ル積層フィルムまたはシートは、特定の表面酸化処理工
程、特定のオゾン処理工程及び特定の圧着工程を含む押
出ラミネート方法により製造されるため、アンカーコー
ト剤を使用しないにも拘わらず、強固な層間接着を有す
る。また、本発明のポリエステル積層フィルムまたはシ
ートは、ポリエステル系フィルム基材に、押出ラミネー
ト用樹脂を押出コーティングして積層フィルムまたはシ
ートを製造する際に、アンカーコート剤の塗布工程が不
要となるために、アンカーコート剤の裏回り現象に起因
するポリエステル積層フィルムまたはシートのブロッキ
ングが問題となることが全くない。また、本発明のポリ
エステル積層フィルムまたはシートは、カードラミ用材
料として好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/16 B32B 27/16 27/28 101 27/28 101 27/32 27/32 C 31/12 7148−4F 31/12 31/20 7148−4F 31/20 31/30 7148−4F 31/30 C08J 7/00 C08J 7/00 A 303 303 // B29L 9:00 (72)発明者 高畑 弘明 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系フィルム基材及び一層以上
    の押出ラミネート用樹脂からなるポリエステル積層フィ
    ルムまたはシートであって、ポリエステル系フィルム基
    材と直接接する層を形成する押出ラミネート用樹脂が、
    ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン
    −ビニルエステル系共重合体樹脂及びエチレン−(メ
    タ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂からなる群から
    選ばれる一種であり、ポリエステル積層フィルムまたは
    シートが、アンカーコート処理を行わず、かつ下記
    (1)〜(3)の工程を含む押出ラミネート方法により
    得られるポリエステル積層フィルムまたはシート。 工程: (1)ポリエステル系フィルム基材の少なくとも一面に
    表面酸化処理を施す工程。 (2)押出ラミネート用樹脂をダイ直下樹脂温度180
    〜340℃の温度においてフィルム状に溶融押出し、該
    フィルムの少なくとも一面にオゾン処理を施す工程。 (3)工程(1)で得られたポリエステル系フィルム基
    材の表面酸化処理面と工程(2)で得られたフィルムの
    オゾン処理面とを接触させ、圧着する工程。
  2. 【請求項2】ポリエステル系フィルム基材の膜厚が、3
    0〜300μである請求項1記載のポリエステル積層フ
    ィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】工程(3)の圧着に付すポリエステル系フ
    ィルム基材の表面酸化処理面について、下記式で表され
    る関係が成立する請求項1記載のポリエステル積層フィ
    ルムまたはシート。 Δ(O/C)≧0.08 ただし、Δ(O/C)=(O/C)* −(O/C)0
    あり、ここで(O/C)0 は表面酸化処理を行わない面
    のポリエステル系フィルム基材表面について、ESCA
    法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を
    表し、(O/C)* は表面酸化処理を行った面のポリエ
    ステル系フィルム基材表面について、ESCA法により
    測定した酸素原子と炭素原子の各原子比を表す。
  4. 【請求項4】工程(3)の圧着に付すポリエステル系フ
    ィルム基材の表面酸化処理面について、下記式で表され
    る関係が成立する請求項1記載のポリエステル積層フィ
    ルムまたはシート。 Δ(O/C)≧0.10 ただし、Δ(O/C)=(O/C)* −(O/C)0
    あり、ここで(O/C)0 は表面酸化処理を行わない面
    のポリエステル系フィルム基材表面について、ESCA
    法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を
    表し、(O/C)* は表面酸化処理を行った面のポリエ
    ステル系フィルム基材表面について、ESCA法により
    測定した酸素原子と炭素原子の各原子比を表す。
  5. 【請求項5】請求項1記載の押出ラミネート方法が、工
    程(1)の表面酸化処理工程及び工程(3)の圧着工程
    をインラインに設け、表面酸化処理工程後のポリエステ
    ル系フィルム基材を直ちに圧着工程に付す工程を含む請
    求項1記載のポリエステル積層フィルムまたはシート。
  6. 【請求項6】工程(3)の圧着工程の後に、下記工程
    (4)を経て製造される請求項1記載のポリエステル積
    層フィルムまたはシート。 (4)圧着工程で得られるポリエステル積層フィルムま
    たはシートを、保温下、熟成する工程。
  7. 【請求項7】工程(1)の表面酸化処理が、コロナ放電
    密度10w・分/m2 以上のコロナ放電処理である請求
    項1記載のポリエステル積層フィルムまたはシート。
  8. 【請求項8】工程(1)の表面酸化処理が、コロナ放電
    密度40w・分/m2 以上のコロナ放電処理である請求
    項1記載のポリエステル積層フィルムまたはシート。
  9. 【請求項9】ポリエステル積層フィルムまたはシート
    が、カードラミ用である請求項1記載のポリエステル積
    層フィルムまたはシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998015407A1 (en) * 1996-10-08 1998-04-16 H.B. Fuller Licensing & Financing, Inc. Laminating method and hot melt adhesive
JP2005516800A (ja) * 2002-02-06 2005-06-09 イーストマン ケミカル カンパニー ポリエステル若しくはコポリエステル/ポリオレフィン積層構造及びその製造方法
JP2006069847A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Kawamura Sangyo Kk 積層ガラス及びその製造方法
JP2006247847A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Toppan Printing Co Ltd 透明蒸着フィルムおよびそれを用いたレトルト包材
JP2007119539A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Pacral:Kk 蓄光塗料保護皮膜の接着方法及び蓄光塗料板

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