JP3539004B2 - 押出成形用樹脂組成物、該組成物を用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法 - Google Patents
押出成形用樹脂組成物、該組成物を用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンカーコート剤
を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物、該組成物を
用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法に
関するものである。さらに詳しくは、プラスチック基
材、アルミニウム箔等の被着体への接着性が著しく高め
られたアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用
樹脂組成物、該組成物を押出ラミネート用樹脂として用
いる場合に、アンカーコート剤を使用することなく基材
と強固に接着された積層フィルムまたは積層シート、及
びその製法に関するものである。
を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物、該組成物を
用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法に
関するものである。さらに詳しくは、プラスチック基
材、アルミニウム箔等の被着体への接着性が著しく高め
られたアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用
樹脂組成物、該組成物を押出ラミネート用樹脂として用
いる場合に、アンカーコート剤を使用することなく基材
と強固に接着された積層フィルムまたは積層シート、及
びその製法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】プラスチック、紙、金属箔などの異種材
料のフィルム状成形物を貼り合わせて単独では有し得な
い特性、例えば強度、ガスバリヤー性、防湿性、ヒート
シール性、外観などを補った積層フィルム又は積層シー
トを製造することは一般に行われており、こうして得ら
れる製品は主に包装材料などに広く使用されている。こ
のような積層フィルム又は積層シートを製造する方法と
しては、例えばドライラミネーション法、ウェットラミ
ネーション法、ホットラミネーション法、押出ラミネー
ション法などがあり、これらはその特徴に応じて適用さ
れている。包装材料などにおいて、基材にヒートシール
層を形成する方法としては、コスト面で有利さをもつ押
出ラミネーション法が広く用いられている。
料のフィルム状成形物を貼り合わせて単独では有し得な
い特性、例えば強度、ガスバリヤー性、防湿性、ヒート
シール性、外観などを補った積層フィルム又は積層シー
トを製造することは一般に行われており、こうして得ら
れる製品は主に包装材料などに広く使用されている。こ
のような積層フィルム又は積層シートを製造する方法と
しては、例えばドライラミネーション法、ウェットラミ
ネーション法、ホットラミネーション法、押出ラミネー
ション法などがあり、これらはその特徴に応じて適用さ
れている。包装材料などにおいて、基材にヒートシール
層を形成する方法としては、コスト面で有利さをもつ押
出ラミネーション法が広く用いられている。
【０００３】押出ラミネーション法でコーティングされ
る押出ラミネート用樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン系共重合体、アイオノマー樹脂な
どのポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的であ
り、一層又は二層以上が押出ラミネートされる。これら
の中でもポリエチレンが、広範かつ多量に使用されてい
る。
る押出ラミネート用樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン系共重合体、アイオノマー樹脂な
どのポリオレフィン系樹脂が用いられるのが一般的であ
り、一層又は二層以上が押出ラミネートされる。これら
の中でもポリエチレンが、広範かつ多量に使用されてい
る。
【０００４】これらの樹脂は、基材との接着性を促進す
るために、予め基材上にアンカーコート剤を塗布した
後、その基材との接着面に溶融押出しされるのが一般的
である。ポリエチレン系樹脂を基材に押出ラミネートす
る場合、アンカーコート処理を行わないと層間接着が不
十分となるため、得られた積層フィルムまたは積層シー
トは品質上問題がある。アンカーコート剤としては、例
えば有機チタネート系、有機イソシアネート系、ポリエ
チレンイミン系などの接着剤が挙げられる。これらの接
着剤は、通常トルエン、酢酸エチル、メタノール、ヘキ
サン等の有機溶剤で希釈して用いられている。
るために、予め基材上にアンカーコート剤を塗布した
後、その基材との接着面に溶融押出しされるのが一般的
である。ポリエチレン系樹脂を基材に押出ラミネートす
る場合、アンカーコート処理を行わないと層間接着が不
十分となるため、得られた積層フィルムまたは積層シー
トは品質上問題がある。アンカーコート剤としては、例
えば有機チタネート系、有機イソシアネート系、ポリエ
チレンイミン系などの接着剤が挙げられる。これらの接
着剤は、通常トルエン、酢酸エチル、メタノール、ヘキ
サン等の有機溶剤で希釈して用いられている。
【０００５】しかしながら、これらアンカーコート剤を
用いる方法は、アンカーコート剤の塗布及び乾燥という
煩雑な工程を必要とすること、有機溶剤を使用すること
により作業環境及び周辺環境が汚染されること、引火性
の有機溶剤の使用に伴う火災発生の危険性を有するこ
と、さらに、有機溶剤などのアンカーコート剤成分が最
終製品である積層フィルム等に残留して臭気の原因にな
ることなど、コスト、作業性、安全衛生面、品質面で多
くの問題を有している。
用いる方法は、アンカーコート剤の塗布及び乾燥という
煩雑な工程を必要とすること、有機溶剤を使用すること
により作業環境及び周辺環境が汚染されること、引火性
の有機溶剤の使用に伴う火災発生の危険性を有するこ
と、さらに、有機溶剤などのアンカーコート剤成分が最
終製品である積層フィルム等に残留して臭気の原因にな
ることなど、コスト、作業性、安全衛生面、品質面で多
くの問題を有している。
【０００６】また、これらアンカーコート剤を用いない
方法としては、（ａ）エチレンと、（ｂ）不飽和多塩基
酸と、（ｃ）アクリル酸低級アルキルエステル、メタク
リル酸低級アルキルエステル、ビニルエステルより選ば
れた不飽和単量体を共重合して得られたエチレン系共重
合体を溶融混練し、１５０〜３３０℃の温度でフィルム
状に押出し、ついで該フィルムをオゾン処理した後、こ
のオゾン処理面を接着面として基材に圧着ラミネートし
て積層体を製造する方法が報告されている（特開平４−
３６８８４５号公報）。しかし、これら不飽和多塩基酸
をコモノマー成分に用いた接着性の機能をもつエチレン
系共重合体を用いる方法でも、ポリエステル系基材に対
する接着性は十分とは言えない。
方法としては、（ａ）エチレンと、（ｂ）不飽和多塩基
酸と、（ｃ）アクリル酸低級アルキルエステル、メタク
リル酸低級アルキルエステル、ビニルエステルより選ば
れた不飽和単量体を共重合して得られたエチレン系共重
合体を溶融混練し、１５０〜３３０℃の温度でフィルム
状に押出し、ついで該フィルムをオゾン処理した後、こ
のオゾン処理面を接着面として基材に圧着ラミネートし
て積層体を製造する方法が報告されている（特開平４−
３６８８４５号公報）。しかし、これら不飽和多塩基酸
をコモノマー成分に用いた接着性の機能をもつエチレン
系共重合体を用いる方法でも、ポリエステル系基材に対
する接着性は十分とは言えない。
【０００７】また、特公平４−１１１００号公報には、
ポリエチレンテレフタレートもしくは延伸ポリプロピレ
ンのいずれかからなる単体フィルムまたは前記いずれか
のフィルムを接合面に設けた積層フィルムに、該基材フ
ィルムの接合面にはアンカー処理を施すことなく、３０
０℃前後の温度で溶融押出したポリエチレン系フィルム
の少なくとも接合面に、１０ｇ／ｍ3 以上オゾンを含有
する空気を用い、１．４×１０-2ｇ／ｍ2 以上のオゾン
を吹き付けるオゾン処理を施した後、積層、圧着する、
ラミネート物の製造方法が開示されている。しかし、低
密度ポリエチレンを用いた場合、オゾンを吹き付けるこ
とで得られる基材との接着強度は十分なものとなってい
ない。
ポリエチレンテレフタレートもしくは延伸ポリプロピレ
ンのいずれかからなる単体フィルムまたは前記いずれか
のフィルムを接合面に設けた積層フィルムに、該基材フ
ィルムの接合面にはアンカー処理を施すことなく、３０
０℃前後の温度で溶融押出したポリエチレン系フィルム
の少なくとも接合面に、１０ｇ／ｍ3 以上オゾンを含有
する空気を用い、１．４×１０-2ｇ／ｍ2 以上のオゾン
を吹き付けるオゾン処理を施した後、積層、圧着する、
ラミネート物の製造方法が開示されている。しかし、低
密度ポリエチレンを用いた場合、オゾンを吹き付けるこ
とで得られる基材との接着強度は十分なものとなってい
ない。
【０００８】さらに、特開平７−１２５１６１号公報に
は、基材にエチレン系共重合体を押し出しラミネートす
るに際し、エチレン系重合体の溶融膜をオゾン処理し、
このオゾン処理面をコロナ処理した直後の基材に圧着す
ることを特徴とする積層体の製造方法が開示されてい
る。具体例として、コロナ処理した直後の二軸延伸ポリ
エステルフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルム基材
に対して、オゾン処理したエチレン・メタクリル酸共重
合体、あるいはその亜鉛アイオノマー、または低密度ポ
リエチレンの溶融膜を圧着することにより、大きい層間
接着強度が得られることが示されている。しかしなが
ら、エチレン系共重合体として低密度ポリエチレンを用
いた場合では、接着強度は十分なものとなっていない。
また、コロナ処理及び／またはオゾン処理を行わない場
合には、その効果が十分得られていないことも同時に示
されている。
は、基材にエチレン系共重合体を押し出しラミネートす
るに際し、エチレン系重合体の溶融膜をオゾン処理し、
このオゾン処理面をコロナ処理した直後の基材に圧着す
ることを特徴とする積層体の製造方法が開示されてい
る。具体例として、コロナ処理した直後の二軸延伸ポリ
エステルフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルム基材
に対して、オゾン処理したエチレン・メタクリル酸共重
合体、あるいはその亜鉛アイオノマー、または低密度ポ
リエチレンの溶融膜を圧着することにより、大きい層間
接着強度が得られることが示されている。しかしなが
ら、エチレン系共重合体として低密度ポリエチレンを用
いた場合では、接着強度は十分なものとなっていない。
また、コロナ処理及び／またはオゾン処理を行わない場
合には、その効果が十分得られていないことも同時に示
されている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、積層フィルムまたは積
層シートを製造する際に、上記のような多くの問題を伴
うアンカーコート剤を使用することなく、かつ、強固に
層間接着された積層フィルムまたは積層シートを得るた
めに好適に用いられるアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物、該組成物を積層してなる積
層フィルムまたは積層シート、及びその製法を提供する
点に存するものである。
発明が解決しようとする課題は、積層フィルムまたは積
層シートを製造する際に、上記のような多くの問題を伴
うアンカーコート剤を使用することなく、かつ、強固に
層間接着された積層フィルムまたは積層シートを得るた
めに好適に用いられるアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物、該組成物を積層してなる積
層フィルムまたは積層シート、及びその製法を提供する
点に存するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、基材（特にポリエステル系樹脂基
材）に対するアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート方法及びそれに適した押出成形用樹脂組成物につい
て鋭意検討した結果、エポキシ基含有エチレン共重合体
を含有する特定のポリエチレン系樹脂組成物を用いるこ
とで、アンカーコート剤を使用せずとも強固に層間接着
した積層フィルムまたは積層シートが得られることを見
出し、本発明を完成させた。
を解決するために、基材（特にポリエステル系樹脂基
材）に対するアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート方法及びそれに適した押出成形用樹脂組成物につい
て鋭意検討した結果、エポキシ基含有エチレン共重合体
を含有する特定のポリエチレン系樹脂組成物を用いるこ
とで、アンカーコート剤を使用せずとも強固に層間接着
した積層フィルムまたは積層シートが得られることを見
出し、本発明を完成させた。
【００１１】すなわち、本発明は、ポリエチレン系樹脂
（Ａ）９９．９〜８０重量部及びエポキシ基含有エチレ
ン共重合体（Ｂ）０．１〜２０重量部を含有する樹脂組
成物であって、該エポキシ基含有エチレン共重合体
（Ｂ）が、エチレンとエポキシ基含有不飽和単量体との
２成分共重合体であり、該エポキシ基含有不飽和単量体
が、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、アリルグリシジルエーテルまたは２−メチルアリル
グリシジルエーテルであり、該エポキシ基含有エチレン
共重合体（Ｂ）におけるエポキシ基含有不飽和単量体の
含有量が０．１〜４モル％であり、該樹脂組成物のメル
トフローレートが０．５〜５０ｇ／１０分であるアンカ
ーコート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物提
供するものである。また、本発明は上記のアンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラ
ミネート用樹脂として使用し、該押出ラミネート用樹脂
を、アンカーコート剤を使用しないで基材に積層してな
る積層フィルムまたは積層シートを提供するものであ
る。さらに、本発明は、上記のアンカーコート剤を使用
しない押出ラミネート用樹脂組成物を基材に積層してな
る積層フィルムまたは積層シートの製造方法であって、
下記（１）〜（２）の工程を含み、かつ、アンカーコー
ト剤を使用しない積層フィルムまたは積層シートの製法
を提供するものである。 （１）上記のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート用樹脂組成物をダイ直下樹脂温度２６０〜３４０℃
の温度においてフィルム状に溶融押出する工程。 （２）工程（１）で溶融押出されたフィルムと、基材と
を接触させ、圧着する工程。以下、本発明を詳細に説明
する。
（Ａ）９９．９〜８０重量部及びエポキシ基含有エチレ
ン共重合体（Ｂ）０．１〜２０重量部を含有する樹脂組
成物であって、該エポキシ基含有エチレン共重合体
（Ｂ）が、エチレンとエポキシ基含有不飽和単量体との
２成分共重合体であり、該エポキシ基含有不飽和単量体
が、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、アリルグリシジルエーテルまたは２−メチルアリル
グリシジルエーテルであり、該エポキシ基含有エチレン
共重合体（Ｂ）におけるエポキシ基含有不飽和単量体の
含有量が０．１〜４モル％であり、該樹脂組成物のメル
トフローレートが０．５〜５０ｇ／１０分であるアンカ
ーコート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物提
供するものである。また、本発明は上記のアンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラ
ミネート用樹脂として使用し、該押出ラミネート用樹脂
を、アンカーコート剤を使用しないで基材に積層してな
る積層フィルムまたは積層シートを提供するものであ
る。さらに、本発明は、上記のアンカーコート剤を使用
しない押出ラミネート用樹脂組成物を基材に積層してな
る積層フィルムまたは積層シートの製造方法であって、
下記（１）〜（２）の工程を含み、かつ、アンカーコー
ト剤を使用しない積層フィルムまたは積層シートの製法
を提供するものである。 （１）上記のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート用樹脂組成物をダイ直下樹脂温度２６０〜３４０℃
の温度においてフィルム状に溶融押出する工程。 （２）工程（１）で溶融押出されたフィルムと、基材と
を接触させ、圧着する工程。以下、本発明を詳細に説明
する。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリエチレン系
樹脂（Ａ）としては、例えば高圧ラジカル重合法で製造
される低密度ポリエチレン、イオン重合法で製造される
高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数３〜１８のα−
オレフィンとの共重合体、またはそれらの混合物等が挙
げられる。また、必要に応じて他の樹脂を５０％未満の
範囲で混合したものでもよい。
樹脂（Ａ）としては、例えば高圧ラジカル重合法で製造
される低密度ポリエチレン、イオン重合法で製造される
高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数３〜１８のα−
オレフィンとの共重合体、またはそれらの混合物等が挙
げられる。また、必要に応じて他の樹脂を５０％未満の
範囲で混合したものでもよい。
【００１３】本発明で使用するポリエチレン系樹脂
（Ａ）は、ＪＩＳ Ｋ７２１０に従って１９０℃，２．
１６ｋｇ荷重の条件下で測定されるメルトフローレート
（ＭＦＲ）が、０．１〜１００ｇ／１０分のものが好ま
しい。ＭＦＲが高いと、押出ラミネート時のネックイン
が大きくなるばかりでなく、強度低下を招く恐れがあ
り、また低すぎても押出加工性を悪くする恐れがある。
（Ａ）は、ＪＩＳ Ｋ７２１０に従って１９０℃，２．
１６ｋｇ荷重の条件下で測定されるメルトフローレート
（ＭＦＲ）が、０．１〜１００ｇ／１０分のものが好ま
しい。ＭＦＲが高いと、押出ラミネート時のネックイン
が大きくなるばかりでなく、強度低下を招く恐れがあ
り、また低すぎても押出加工性を悪くする恐れがある。
【００１４】本発明で使用するエポキシ基含有エチレン
共重合体（Ｂ）は、エチレンとエポキシ基含有不飽和単
量体との２成分共重合体であり、該エポキシ基含有不飽
和単量体は、グリシジルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、アリルグリシジルエーテルまたは２−メチ
ルアリルグリシジルエーテルである。
共重合体（Ｂ）は、エチレンとエポキシ基含有不飽和単
量体との２成分共重合体であり、該エポキシ基含有不飽
和単量体は、グリシジルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、アリルグリシジルエーテルまたは２−メチ
ルアリルグリシジルエーテルである。
【００１５】該エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）
におけるエポキシ基含有不飽和単量体の含有量は、０．
１〜４モル％である。
におけるエポキシ基含有不飽和単量体の含有量は、０．
１〜４モル％である。
【００１６】エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）
は、高圧ラジカル重合法、溶液重合法、乳化重合法など
の公知の方法で、エチレンとエポキシ基含有不飽和単量
体とを共重合することによって得られることができ、さ
らに該エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）は、ポリ
エチレンに前述のエポキシ基含有不飽和単量体をグラフ
ト変性させることによっても製造することができる。
は、高圧ラジカル重合法、溶液重合法、乳化重合法など
の公知の方法で、エチレンとエポキシ基含有不飽和単量
体とを共重合することによって得られることができ、さ
らに該エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）は、ポリ
エチレンに前述のエポキシ基含有不飽和単量体をグラフ
ト変性させることによっても製造することができる。
【００１７】
【００１８】本発明のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物の各成分の割合は、ポリエチ
レン系樹脂（Ａ）が９９．９〜８０重量部、好ましくは
９９．８〜９０重量部、より好ましくは９９．７〜９３
重量部、エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）が０．
１〜２０重量部、好ましくは０．２〜１０重量部、より
好ましくは０．３〜７重量部である。エポキシ基含有エ
チレン共重合体（Ｂ）の割合が０．１重量部未満では、
接着性の改良効果が十分得られないので好ましくない。
一方、２０重量部を超えて多い場合は、押出成形時にゲ
ル状物が発生しやすくなるため好ましくない。
出ラミネート用樹脂組成物の各成分の割合は、ポリエチ
レン系樹脂（Ａ）が９９．９〜８０重量部、好ましくは
９９．８〜９０重量部、より好ましくは９９．７〜９３
重量部、エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）が０．
１〜２０重量部、好ましくは０．２〜１０重量部、より
好ましくは０．３〜７重量部である。エポキシ基含有エ
チレン共重合体（Ｂ）の割合が０．１重量部未満では、
接着性の改良効果が十分得られないので好ましくない。
一方、２０重量部を超えて多い場合は、押出成形時にゲ
ル状物が発生しやすくなるため好ましくない。
【００１９】本発明のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂
（Ａ）とエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）を、所
定の割合で通常のポリオレフィン系樹脂を混練する際に
用いられる装置、例えば、バンバリーミキサー、ロー
ル、各種の押出機などを利用して溶融混合することによ
り製造することができ、場合によっては、例えば押出ラ
ミネーター等の押出成形機に付属の押出機で溶融混合す
ることも含む。
出ラミネート用樹脂組成物は、ポリエチレン系樹脂
（Ａ）とエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）を、所
定の割合で通常のポリオレフィン系樹脂を混練する際に
用いられる装置、例えば、バンバリーミキサー、ロー
ル、各種の押出機などを利用して溶融混合することによ
り製造することができ、場合によっては、例えば押出ラ
ミネーター等の押出成形機に付属の押出機で溶融混合す
ることも含む。
【００２０】本発明のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物は、得られる積層フィルムま
たは積層シートの偏肉を防止するための加工適性上の観
点から、ＪＩＳ Ｋ７２１０に従って１９０℃，２．１
６ｋｇ荷重の条件下で測定されるＭＦＲが、０．５〜５
０ｇ／１０分、好ましくは１〜３０ｇ／１０分、より好
ましくは２〜２０ｇ／１０分である。
出ラミネート用樹脂組成物は、得られる積層フィルムま
たは積層シートの偏肉を防止するための加工適性上の観
点から、ＪＩＳ Ｋ７２１０に従って１９０℃，２．１
６ｋｇ荷重の条件下で測定されるＭＦＲが、０．５〜５
０ｇ／１０分、好ましくは１〜３０ｇ／１０分、より好
ましくは２〜２０ｇ／１０分である。
【００２１】また、本発明のアンカーコート剤を使用し
ない押出ラミネート用樹脂組成物には、本発明の効果を
阻害しない範囲で、公知の添加剤、例えば、抗酸化剤、
アンチブロッキング剤、耐候剤、中和剤、難燃剤、帯電
防止剤、防曇剤、滑剤、分散剤、顔料、有機または無機
の充填剤などを併用してもよい。添加剤の合計添加量
は、本発明のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート用樹脂組成物１００重量部に対し、通常５重量部以
下、好ましくは３重量部以下がよい。
ない押出ラミネート用樹脂組成物には、本発明の効果を
阻害しない範囲で、公知の添加剤、例えば、抗酸化剤、
アンチブロッキング剤、耐候剤、中和剤、難燃剤、帯電
防止剤、防曇剤、滑剤、分散剤、顔料、有機または無機
の充填剤などを併用してもよい。添加剤の合計添加量
は、本発明のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネ
ート用樹脂組成物１００重量部に対し、通常５重量部以
下、好ましくは３重量部以下がよい。
【００２２】押出ラミネーション法で積層フィルムまた
は積層シートを製造する際に、本発明のアンカーコート
剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラミ
ネート用樹脂として使用し、該押出ラミネート用樹脂を
基材に積層してなる積層フィルムまたは積層シートする
と、アンカーコート剤を使用せずとも強固に層間接着し
た積層フィルムまたは積層シートが製造できるので好適
である。
は積層シートを製造する際に、本発明のアンカーコート
剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラミ
ネート用樹脂として使用し、該押出ラミネート用樹脂を
基材に積層してなる積層フィルムまたは積層シートする
と、アンカーコート剤を使用せずとも強固に層間接着し
た積層フィルムまたは積層シートが製造できるので好適
である。
【００２３】本発明において、積層フィルムまたは積層
シートの製造の際に用いる基材としては、例えばポリエ
ステル系樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン−ビニルアル
コール共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体の
鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、セロハン、セルロース系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウ
レタン、フッソ樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリブテ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂などの樹
脂の単体及びこれらの積層フィルム、更にその延伸物、
塗工物、織物等のプラスチック基材の他、アルミニウム
等の金属箔、紙、金属や無機酸化物等の蒸着膜を表面に
有する基材等が挙げられる。また、更にこれら基材の貼
合品である積層体などが用いられる。
シートの製造の際に用いる基材としては、例えばポリエ
ステル系樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン−ビニルアル
コール共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体の
鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、セロハン、セルロース系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウ
レタン、フッソ樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリブテ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂などの樹
脂の単体及びこれらの積層フィルム、更にその延伸物、
塗工物、織物等のプラスチック基材の他、アルミニウム
等の金属箔、紙、金属や無機酸化物等の蒸着膜を表面に
有する基材等が挙げられる。また、更にこれら基材の貼
合品である積層体などが用いられる。
【００２４】これら基材は、必要に応じて予めその表面
がコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面
処理が施されていてもよいし、また予め印刷が施されて
いてもよい。基材の肉厚は、押出ラミネート加工が可能
であれば特に制約を受けるものではないが、好ましくは
１〜１００００μ、更に好ましくは５〜５００μの範囲
がよい。
がコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面
処理が施されていてもよいし、また予め印刷が施されて
いてもよい。基材の肉厚は、押出ラミネート加工が可能
であれば特に制約を受けるものではないが、好ましくは
１〜１００００μ、更に好ましくは５〜５００μの範囲
がよい。
【００２５】本発明において、本発明のアンカーコート
剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を上記基材
に対しアンカーコート処理を行うことなく積層してなる
積層フィルムまたは積層シートの製法は、少なくとも工
程（１）〜（２）を含むものである。
剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物を上記基材
に対しアンカーコート処理を行うことなく積層してなる
積層フィルムまたは積層シートの製法は、少なくとも工
程（１）〜（２）を含むものである。
【００２６】本発明のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物をダイ直下樹脂温度２６０〜
３４０℃の温度においてフィルム状に溶融押出する工程
（１）、及び、工程（１）で溶融押出されたフィルム
と、基材とを接触させ、圧着する工程（２）は、押出機
を用いて本発明のアンカーコート剤を使用しない押出ラ
ミネート用樹脂組成物を加熱、溶融し、ダイスからフィ
ルム状に溶融押出して、基材上に積層し、成形と貼合せ
を同時に行う工程である。工程（１）及び工程（２）
は、公知の押出ラミネーターを使用することで実施でき
る。
出ラミネート用樹脂組成物をダイ直下樹脂温度２６０〜
３４０℃の温度においてフィルム状に溶融押出する工程
（１）、及び、工程（１）で溶融押出されたフィルム
と、基材とを接触させ、圧着する工程（２）は、押出機
を用いて本発明のアンカーコート剤を使用しない押出ラ
ミネート用樹脂組成物を加熱、溶融し、ダイスからフィ
ルム状に溶融押出して、基材上に積層し、成形と貼合せ
を同時に行う工程である。工程（１）及び工程（２）
は、公知の押出ラミネーターを使用することで実施でき
る。
【００２７】ここで、本発明のアンカーコート剤を使用
しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラミネートす
る際のダイ直下樹脂温度は、２６０〜３４０℃、好まし
くは２６５〜３３０℃、より好ましくは２７０〜３２０
℃である。２６０℃未満であると、該組成物の延展性が
不良となり、肉厚が均一な溶融膜を得ることが困難であ
るため好ましくない。一方、３４０℃を超えて高い場合
は、該組成物の酸化劣化が著しくなり、強度低下や臭気
の悪化をもたらすため好ましくない。
しない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラミネートす
る際のダイ直下樹脂温度は、２６０〜３４０℃、好まし
くは２６５〜３３０℃、より好ましくは２７０〜３２０
℃である。２６０℃未満であると、該組成物の延展性が
不良となり、肉厚が均一な溶融膜を得ることが困難であ
るため好ましくない。一方、３４０℃を超えて高い場合
は、該組成物の酸化劣化が著しくなり、強度低下や臭気
の悪化をもたらすため好ましくない。
【００２８】また、ゲル状物の発生を防止する観点か
ら、本発明の積層フィルムまたは積層シートを製造する
際に用いる本発明のアンカーコート剤を使用しない押出
ラミネート用樹脂組成物は、エポキシ基含有エチレン共
重合体（Ｂ）の含有量（Ｗ）が、下記（式１）を満足し
ていることが好ましい。 Ｗ（重量部）≦−０．１×Ｔ＋３７ （式１） また、下記（式２）を満足していることがより好まし
い。 Ｗ（重量部）≦−０．１×Ｔ＋３６ （式２） ただし、Ｗはエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）の
含有量（重量部）及びＴは溶融押出する該アンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物のダイ直
下樹脂温度（℃）を表わす。
ら、本発明の積層フィルムまたは積層シートを製造する
際に用いる本発明のアンカーコート剤を使用しない押出
ラミネート用樹脂組成物は、エポキシ基含有エチレン共
重合体（Ｂ）の含有量（Ｗ）が、下記（式１）を満足し
ていることが好ましい。 Ｗ（重量部）≦−０．１×Ｔ＋３７ （式１） また、下記（式２）を満足していることがより好まし
い。 Ｗ（重量部）≦−０．１×Ｔ＋３６ （式２） ただし、Ｗはエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）の
含有量（重量部）及びＴは溶融押出する該アンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物のダイ直
下樹脂温度（℃）を表わす。
【００２９】本発明の積層フィルムまたは積層シートの
製法においては、層間接着強度を一層向上させる観点か
ら、工程（１）で溶融押出されたフィルムの、少なくと
も基材と接触する側の面にオゾン処理を施す工程（３）
を含むことが好ましい。オゾン処理は、例えばＴダイ下
エアーギャップ間に設けたノズル又はスリット状の吹出
し口からオゾンを含ませた気体（空気など）を、溶融押
出されたフィルムに吹き付けることにより行われる。な
お、オゾンノズルがＴダイ下に設置できない場合は、圧
着ラミネートする直前の基材上に吹き付けてもよい。
製法においては、層間接着強度を一層向上させる観点か
ら、工程（１）で溶融押出されたフィルムの、少なくと
も基材と接触する側の面にオゾン処理を施す工程（３）
を含むことが好ましい。オゾン処理は、例えばＴダイ下
エアーギャップ間に設けたノズル又はスリット状の吹出
し口からオゾンを含ませた気体（空気など）を、溶融押
出されたフィルムに吹き付けることにより行われる。な
お、オゾンノズルがＴダイ下に設置できない場合は、圧
着ラミネートする直前の基材上に吹き付けてもよい。
【００３０】吹き付けるオゾンの量は、溶融フィルムの
通過単位面積に対し、通常１〜３０ｍｇ／ｍ2 、また、
低臭性が問題となる場合は、通常１〜１２ｍｇ／ｍ2 で
ある。必要以上に多量のオゾン処理を行うことは、得ら
れた積層フィルムまたは積層シートの臭気を悪化させる
ことがあるので好ましくない。
通過単位面積に対し、通常１〜３０ｍｇ／ｍ2 、また、
低臭性が問題となる場合は、通常１〜１２ｍｇ／ｍ2 で
ある。必要以上に多量のオゾン処理を行うことは、得ら
れた積層フィルムまたは積層シートの臭気を悪化させる
ことがあるので好ましくない。
【００３１】また本発明の積層フィルムまたは積層シー
トの製法においては、同様に層間接着強度を一層向上さ
せる観点から、工程（２）で圧着に付す基材の、少なく
とも工程（１）で溶融押出された本発明のアンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物と接触す
る側の面に表面酸化処理を施す工程（４）を含んでもよ
い。表面酸化処理は、例えば、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射処理、紫外
線照射処理等の公知の方法により行うことができる。
トの製法においては、同様に層間接着強度を一層向上さ
せる観点から、工程（２）で圧着に付す基材の、少なく
とも工程（１）で溶融押出された本発明のアンカーコー
ト剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物と接触す
る側の面に表面酸化処理を施す工程（４）を含んでもよ
い。表面酸化処理は、例えば、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射処理、紫外
線照射処理等の公知の方法により行うことができる。
【００３２】コロナ放電処理は、例えば公知のコロナ放
電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気に基材を通過
させることにより行われる。コロナ放電密度は、通常１
０Ｗ・分／ｍ2 以上、好ましくは４０Ｗ・分／ｍ2 以
上、更に好ましくは５０Ｗ・分／ｍ2 以上で処理され
る。コロナ放電密度の上限は特に限定されないが、経済
性の観点から通常３００Ｗ・分／ｍ2 以下が好ましい。
電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気に基材を通過
させることにより行われる。コロナ放電密度は、通常１
０Ｗ・分／ｍ2 以上、好ましくは４０Ｗ・分／ｍ2 以
上、更に好ましくは５０Ｗ・分／ｍ2 以上で処理され
る。コロナ放電密度の上限は特に限定されないが、経済
性の観点から通常３００Ｗ・分／ｍ2 以下が好ましい。
【００３３】プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ク
リプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、空気などの
単体または混合気体をプラズマジェットで電子的に励起
せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励
起不活性ガスを、基材の表面に吹付けることにより実施
できる。
リプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、空気などの
単体または混合気体をプラズマジェットで電子的に励起
せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励
起不活性ガスを、基材の表面に吹付けることにより実施
できる。
【００３４】フレームプラズマ処理は、天然ガスやプロ
パンを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラ
ズマを、基材の表面に吹付けることにより実施できる。
パンを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラ
ズマを、基材の表面に吹付けることにより実施できる。
【００３５】電子線照射処理は、基材の表面に、電子線
加速器により発生させた電子線を照射することにより行
われる。電子線照射装置としては、例えば、線状のフィ
ラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる装
置「エレクトロカーテン」（商品名）を使用することが
できる。
加速器により発生させた電子線を照射することにより行
われる。電子線照射装置としては、例えば、線状のフィ
ラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる装
置「エレクトロカーテン」（商品名）を使用することが
できる。
【００３６】紫外線照射処理は、例えば２００〜４００
ｍμの波長の紫外線を、基材の表面に照射することによ
り実施できる。
ｍμの波長の紫外線を、基材の表面に照射することによ
り実施できる。
【００３７】工程（４）の表面酸化処理を行う場合は、
処理装置をインラインに設け、表面酸化処理工程後の基
材を直ちに工程（２）の圧着工程に付すことが好まし
い。すなわち、基材の繰出し工程、表面酸化処理工程、
圧着工程及び製品巻取り工程が基材の流れの方向に沿っ
て同一ライン上に順次設置された装置を用い、これらの
工程を速やかに一連の作業で行うことが好ましい。
処理装置をインラインに設け、表面酸化処理工程後の基
材を直ちに工程（２）の圧着工程に付すことが好まし
い。すなわち、基材の繰出し工程、表面酸化処理工程、
圧着工程及び製品巻取り工程が基材の流れの方向に沿っ
て同一ライン上に順次設置された装置を用い、これらの
工程を速やかに一連の作業で行うことが好ましい。
【００３８】また本発明においては、積層フィルムまた
は積層シートの層間接着をより強固なものにさせる観点
から、工程（２）の圧着工程の後に、圧着工程で得られ
る積層フィルムまたは積層シートを、保温下、熟成する
工程（５）を設けてもよい。熟成温度は通常３０〜５０
℃、好ましくは４０〜４５℃である。
は積層シートの層間接着をより強固なものにさせる観点
から、工程（２）の圧着工程の後に、圧着工程で得られ
る積層フィルムまたは積層シートを、保温下、熟成する
工程（５）を設けてもよい。熟成温度は通常３０〜５０
℃、好ましくは４０〜４５℃である。
【００３９】熟成時間は、通常１〜１２０時間、好まし
くは１０〜８０時間である。熟成時間が短かすぎる場合
は層間接着強度の改善が不十分であることがあり、一方
長過ぎる場合は、得られた積層フィルムまたは積層シー
トが変質することがあり、また生産性の点で不利であ
る。熟成工程を実施するには、通常のオーブンまたは温
度調整が可能な部屋を用いればよい。
くは１０〜８０時間である。熟成時間が短かすぎる場合
は層間接着強度の改善が不十分であることがあり、一方
長過ぎる場合は、得られた積層フィルムまたは積層シー
トが変質することがあり、また生産性の点で不利であ
る。熟成工程を実施するには、通常のオーブンまたは温
度調整が可能な部屋を用いればよい。
【００４０】本発明においては、基材上に押出ラミネー
トしたアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用
樹脂組成物を積層フィルムまたは積層シートのヒートシ
ール層に適用することや、また積層フィルムまたは積層
シートの中間層に適用することもできる。また、本発明
は、サンドイッチ押出ラミネーション法においても適用
できる。
トしたアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用
樹脂組成物を積層フィルムまたは積層シートのヒートシ
ール層に適用することや、また積層フィルムまたは積層
シートの中間層に適用することもできる。また、本発明
は、サンドイッチ押出ラミネーション法においても適用
できる。
【００４１】本発明のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物を積層してなる積層フィルム
または積層シートは、各種包装用材料、工業用材料、産
業資材等に使用できる。
出ラミネート用樹脂組成物を積層してなる積層フィルム
または積層シートは、各種包装用材料、工業用材料、産
業資材等に使用できる。
【００４２】
【実施例】次に本発明を、実施例に基づき説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施
例及び比較例で行う測定及び評価方法は下記の通りであ
る。 （１）層間接着強度 巾１５ｍｍ、長さ１５０ｍｍに切出した積層フィルムの
試験片を作成し、この試験片の基材と押出ラミネート樹
脂の接着界面を長さ方向に５０ｍｍにわたって剥離した
後、東洋精機（株）製オートストレイン型引張試験機を
使用して、２００ｍｍ／分の引張速度で１８０度剥離し
た時の剥離強度を測定し、層間接着強度を評価した。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施
例及び比較例で行う測定及び評価方法は下記の通りであ
る。 （１）層間接着強度 巾１５ｍｍ、長さ１５０ｍｍに切出した積層フィルムの
試験片を作成し、この試験片の基材と押出ラミネート樹
脂の接着界面を長さ方向に５０ｍｍにわたって剥離した
後、東洋精機（株）製オートストレイン型引張試験機を
使用して、２００ｍｍ／分の引張速度で１８０度剥離し
た時の剥離強度を測定し、層間接着強度を評価した。
【００４３】実施例１
ポリエチレン系樹脂（Ａ）として住友化学工業（株）製
スミカセンＣＥ４００９（高圧法低密度ポリエチレン
［ＬＤＰＥ］；ＭＦＲ７ｇ／１０分）９５重量部、エポ
キシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）として住友化学工業
（株）製ボンドファースト（エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体［Ｅ−ＧＭＡ］；ＭＦＲ３ｇ／１０
分、ＧＭＡ含有量２．７モル％）５重量部を、ヘンシェ
ルミキサーを使って５分間ドライブレンドした後、直径
４０ｍｍの押出機を用い、１６５℃で溶融混練して、ペ
レット状の押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）を製造した。
得られた押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）のＭＦＲは６．
５ｇ／１０分であった。次いで、基材として東洋紡績
（株）製二軸延伸ポリエステル（ＰＥＴ；Ｅ５１００タ
イプ、２５μ、巻内面コロナ処理有り）、基材と直接接
する層（中間層）を形成する押出ラミネート用樹脂とし
て押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）を用い、ヒートシール
層を形成する押出ラミネート用樹脂として住友化学工業
（株）製スミカセンＬ ＣＬ８０７１（ＭＦＲ１０ｇ／
１０分、密度０．９１５ｇ／ｃｍ3）を用い、口径６５
ｍｍφの押出機２台で押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）と
ＣＬ８０７１をそれぞれ溶融混練し、マルチスロット型
共押出ダイから、ダイ直下樹脂温度各３００℃、エアー
ギャップ各１５０ｍｍ、フィルム巾各４５０ｍｍ、コー
ティング層の厚み各２０μ、引取速度１００ｍ／分とな
る条件で溶融押出し、該ＰＥＴ基材の巻内面に押出コー
ティングを行い、次いで温度２０℃の冷却ロールとニッ
プロールの間を通過させることにより圧着し、積層フィ
ルムを得た。得られた積層フィルムはオーブンを用い、
空気雰囲気下、４５℃で４８時間熟成させた。加工条件
及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表１に示
す。
スミカセンＣＥ４００９（高圧法低密度ポリエチレン
［ＬＤＰＥ］；ＭＦＲ７ｇ／１０分）９５重量部、エポ
キシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）として住友化学工業
（株）製ボンドファースト（エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体［Ｅ−ＧＭＡ］；ＭＦＲ３ｇ／１０
分、ＧＭＡ含有量２．７モル％）５重量部を、ヘンシェ
ルミキサーを使って５分間ドライブレンドした後、直径
４０ｍｍの押出機を用い、１６５℃で溶融混練して、ペ
レット状の押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）を製造した。
得られた押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）のＭＦＲは６．
５ｇ／１０分であった。次いで、基材として東洋紡績
（株）製二軸延伸ポリエステル（ＰＥＴ；Ｅ５１００タ
イプ、２５μ、巻内面コロナ処理有り）、基材と直接接
する層（中間層）を形成する押出ラミネート用樹脂とし
て押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）を用い、ヒートシール
層を形成する押出ラミネート用樹脂として住友化学工業
（株）製スミカセンＬ ＣＬ８０７１（ＭＦＲ１０ｇ／
１０分、密度０．９１５ｇ／ｃｍ3）を用い、口径６５
ｍｍφの押出機２台で押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）と
ＣＬ８０７１をそれぞれ溶融混練し、マルチスロット型
共押出ダイから、ダイ直下樹脂温度各３００℃、エアー
ギャップ各１５０ｍｍ、フィルム巾各４５０ｍｍ、コー
ティング層の厚み各２０μ、引取速度１００ｍ／分とな
る条件で溶融押出し、該ＰＥＴ基材の巻内面に押出コー
ティングを行い、次いで温度２０℃の冷却ロールとニッ
プロールの間を通過させることにより圧着し、積層フィ
ルムを得た。得られた積層フィルムはオーブンを用い、
空気雰囲気下、４５℃で４８時間熟成させた。加工条件
及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表１に示
す。
【００４４】実施例２
溶融押出した押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）のＰＥＴ基
材と接触する側の溶融フィルム面に、ダイ下３０ｍｍの
位置に設けたノズルから、オゾン処理量が１１ｍｇ／ｍ
2 となる条件でオゾンを含む空気を吹付けることによ
り、オゾン処理を施した。該オゾン処理工程を追加した
こと以外は実施例１と同様に行った。加工条件及び得ら
れた積層フィルムの層間接着強度を表１に示す。
材と接触する側の溶融フィルム面に、ダイ下３０ｍｍの
位置に設けたノズルから、オゾン処理量が１１ｍｇ／ｍ
2 となる条件でオゾンを含む空気を吹付けることによ
り、オゾン処理を施した。該オゾン処理工程を追加した
こと以外は実施例１と同様に行った。加工条件及び得ら
れた積層フィルムの層間接着強度を表１に示す。
【００４５】実施例３
ＰＥＴ基材の表面酸化処理として、圧着に付す直前であ
るＰＥＴ基材の押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）と接触す
る側の面に、押出ラミネーターのインラインに設けたコ
ロナ放電処理装置により、該ＰＥＴ基材表面が８２Ｗ・
分／ｍ2 となる条件でコロナ放電処理を施した。該表面
酸化処理工程を追加したこと以外は実施例１と同様に行
った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強
度を表１に示す。
るＰＥＴ基材の押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）と接触す
る側の面に、押出ラミネーターのインラインに設けたコ
ロナ放電処理装置により、該ＰＥＴ基材表面が８２Ｗ・
分／ｍ2 となる条件でコロナ放電処理を施した。該表面
酸化処理工程を追加したこと以外は実施例１と同様に行
った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強
度を表１に示す。
【００４６】実施例４
実施例２のオゾン処理工程、並びに、実施例３の表面酸
化処理工程を同時に追加したこと以外は実施例１と同様
に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接
着強度を表１に示す。
化処理工程を同時に追加したこと以外は実施例１と同様
に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接
着強度を表１に示す。
【００４７】実施例５
ポリエチレン系樹脂（Ａ）として住友化学工業（株）製
スミカセンＣＥ４００９（高圧法低密度ポリエチレン
［ＬＤＰＥ］；ＭＦＲ７ｇ／１０分）９５重量部、エポ
キシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）として住友化学工業
（株）製ボンドファースト（エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体［Ｅ−ＧＭＡ］；ＭＦＲ３４０ｇ／
１０分、ＧＭＡ含有量４モル％）５重量部を、ヘンシェ
ルミキサーを使って５分間ドライブレンドした後、直径
４０ｍｍの押出機を用い、１６５℃で溶融混練して、ペ
レット状の押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）を製造した。
得られた押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）のＭＦＲは８．
３ｇ／１０分であった。積層フィルムの製造は、基材と
直接接する層（中間層）を形成する押出ラミネート用樹
脂として、押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）の代わりに、
押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）を用いたこと以外は実施
例１と同様に行った。加工条件及び得られた積層フィル
ムの層間接着強度を表２に示す。
スミカセンＣＥ４００９（高圧法低密度ポリエチレン
［ＬＤＰＥ］；ＭＦＲ７ｇ／１０分）９５重量部、エポ
キシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）として住友化学工業
（株）製ボンドファースト（エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体［Ｅ−ＧＭＡ］；ＭＦＲ３４０ｇ／
１０分、ＧＭＡ含有量４モル％）５重量部を、ヘンシェ
ルミキサーを使って５分間ドライブレンドした後、直径
４０ｍｍの押出機を用い、１６５℃で溶融混練して、ペ
レット状の押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）を製造した。
得られた押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）のＭＦＲは８．
３ｇ／１０分であった。積層フィルムの製造は、基材と
直接接する層（中間層）を形成する押出ラミネート用樹
脂として、押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）の代わりに、
押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）を用いたこと以外は実施
例１と同様に行った。加工条件及び得られた積層フィル
ムの層間接着強度を表２に示す。
【００４８】実施例６
溶融押出した押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）のＰＥＴ基
材と接触する側の溶融フィルム面に、ダイ下３０ｍｍの
位置に設けたノズルから、オゾン処理量が１１ｍｇ／ｍ
2 となる条件でオゾンを含む空気を吹付けることによ
り、オゾン処理を施した。該オゾン処理工程を追加した
こと以外は実施例５と同様に行った。加工条件及び得ら
れた積層フィルムの層間接着強度を表２に示す。
材と接触する側の溶融フィルム面に、ダイ下３０ｍｍの
位置に設けたノズルから、オゾン処理量が１１ｍｇ／ｍ
2 となる条件でオゾンを含む空気を吹付けることによ
り、オゾン処理を施した。該オゾン処理工程を追加した
こと以外は実施例５と同様に行った。加工条件及び得ら
れた積層フィルムの層間接着強度を表２に示す。
【００４９】実施例７
ＰＥＴ基材の表面酸化処理として、圧着に付す直前であ
るＰＥＴ基材の押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）と接触す
る側の面に、押出ラミネーターのインラインに設けたコ
ロナ放電処理装置により、該ＰＥＴ基材表面が８２Ｗ・
分／ｍ2 となる条件でコロナ放電処理を施した。該表面
酸化処理工程を追加したこと、及び、熟成を行わないこ
と以外は実施例５と同様に行った。加工条件及び得られ
た積層フィルムの層間接着強度を表２に示す。
るＰＥＴ基材の押出成形用樹脂組成物（Ｃ２）と接触す
る側の面に、押出ラミネーターのインラインに設けたコ
ロナ放電処理装置により、該ＰＥＴ基材表面が８２Ｗ・
分／ｍ2 となる条件でコロナ放電処理を施した。該表面
酸化処理工程を追加したこと、及び、熟成を行わないこ
と以外は実施例５と同様に行った。加工条件及び得られ
た積層フィルムの層間接着強度を表２に示す。
【００５０】実施例８
実施例６のオゾン処理工程、並びに、実施例７の表面酸
化処理工程を同時に追加したこと以外は実施例５と同様
に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接
着強度を表２に示す。
化処理工程を同時に追加したこと以外は実施例５と同様
に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間接
着強度を表２に示す。
【００５１】実施例９
基材としてユニチカ（株）社製二軸延伸ナイロン（ＯＮ
ｙ；エンブレムＯＮタイプ、１５μ、巻内面コロナ処理
有り）を使用した以外は、実施例６と同様に行った。加
工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表３
に示す。
ｙ；エンブレムＯＮタイプ、１５μ、巻内面コロナ処理
有り）を使用した以外は、実施例６と同様に行った。加
工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表３
に示す。
【００５２】比較例１〜３
基材と直接接する層（中間層）を形成する押出ラミネー
ト用樹脂として、押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）の代わ
りに、実施例１でポリエチレン系樹脂（Ａ）として使用
したＣＥ４００９を用いたこと以外は実施例１〜３と同
様に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間
接着強度を表３に示す。
ト用樹脂として、押出成形用樹脂組成物（Ｃ１）の代わ
りに、実施例１でポリエチレン系樹脂（Ａ）として使用
したＣＥ４００９を用いたこと以外は実施例１〜３と同
様に行った。加工条件及び得られた積層フィルムの層間
接着強度を表３に示す。
【００５３】比較例４
基材としてユニチカ（株）製二軸延伸ナイロン（ＯＮ
ｙ；エンブレムＯＮタイプ、１５μ、巻内面コロナ処理
有り）を使用した以外は、比較例２と同様に行った。加
工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表４
に示す。
ｙ；エンブレムＯＮタイプ、１５μ、巻内面コロナ処理
有り）を使用した以外は、比較例２と同様に行った。加
工条件及び得られた積層フィルムの層間接着強度を表４
に示す。
【００５４】
【表１】
───────────────────────────────────
実 施 例
１ ２ ３ ４
───────────────────────────────────
基材 PET PET PET PET
基材の膜圧 (μ) 25 25 25 25
押出ラミネート用樹脂〔中間層〕 C1 C1 C1 C1
エポキシ基含有
エチレン共重合体の含有量 (重量部) 5 5 5 5
ＭＦＲ (g/10分) 6.5 6.5 6.5 6.5
中間層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
押出ラミネート用樹脂〔ヒートシール層〕CL8071 CL8071 CL8071 CL8071
ヒートシール層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
ダイ直下樹脂温度
中間層 (℃) 300 300 300 300
ヒートシール層 (℃) 300 300 300 300
オゾン処理 (mg/m2) − 11 − 11
コロナ放電処理 (W・分/m2) − − 82 82
熟成処理
温度 (℃) 45 45 45 45
時間 (hr) 48 48 48 48
層間接着強度 (g/15mm幅) 450 480 470 490
───────────────────────────────────
【００５５】
【表２】
───────────────────────────────────
実 施 例
５ ６ ７ ８
───────────────────────────────────
基材 PET PET PET PET
基材の膜圧 (μ) 25 25 25 25
押出ラミネート用樹脂〔中間層〕 C2 C2 C2 C2
エポキシ基含有
エチレン共重合体の含有量 (重量部) 5 5 5 5
ＭＦＲ (g/10分) 8.3 8.3 8.3 8.3
中間層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
押出ラミネート用樹脂〔ヒートシール層〕CL8071 CL8071 CL8071 CL8071
ヒートシール層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
ダイ直下樹脂温度
中間層 (℃) 300 300 300 300
ヒートシール層 (℃) 300 300 300 300
オゾン処理 (mg/m2) − 11 − 11
コロナ放電処理 (W・分/m2) − − 82 82
熟成処理
温度 (℃) 45 45 − 45
時間 (hr) 48 48 − 48
層間接着強度 (g/15mm幅) 460 540 440 530
───────────────────────────────────
【００５６】
【表３】
───────────────────────────────────
実施例 比 較 例
９ １ ２ ３
───────────────────────────────────
基材 ONy PET PET PET
基材の膜圧 (μ) 15 25 25 25
押出ラミネート用樹脂〔中間層〕 C2 CE4009 CE4009 CE4009
エポキシ基含有
エチレン共重合体の含有量 (重量部) 5 5 5 5
ＭＦＲ (g/10分) 8.3 7.0 7.0 7.0
中間層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
押出ラミネート用樹脂〔ヒートシール層〕CL8071 CL8071 CL8071 CL8071
ヒートシール層の膜圧 (μ) 20 20 20 20
ダイ直下樹脂温度
中間層 (℃) 300 300 300 300
ヒートシール層 (℃) 300 300 300 300
オゾン処理 (mg/m2) 11 − 11 −
コロナ放電処理 (W・分/m2) − − − 82
熟成処理
温度 (℃) 45 45 45 45
時間 (hr) 48 48 48 48
層間接着強度 (g/15mm幅) 510 50 300 200
───────────────────────────────────
【００５７】
【表４】
【００５８】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のアンカーコ
ート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物は、プ
ラスチック基材、アルミニウム箔等の被着体への接着性
が著しく高められた樹脂組成物を提供することができ
た。また、本発明により得られた積層フィルムまたは積
層シートは、アンカーコート剤を使用することなく、上
記アンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂
組成物を、特定の溶融押出工程及び圧着工程を含む押出
ラミネート方法により基材へ直接積層することにより、
強固な層間接着性を有する積層フィルムまたは積層シー
トを提供することができた。さらに、本発明は、アンカ
ーコート剤を使用する必要がないため、従来に比べてコ
スト、作業性、安全衛生面、品質面で優れている。
ート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂組成物は、プ
ラスチック基材、アルミニウム箔等の被着体への接着性
が著しく高められた樹脂組成物を提供することができ
た。また、本発明により得られた積層フィルムまたは積
層シートは、アンカーコート剤を使用することなく、上
記アンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂
組成物を、特定の溶融押出工程及び圧着工程を含む押出
ラミネート方法により基材へ直接積層することにより、
強固な層間接着性を有する積層フィルムまたは積層シー
トを提供することができた。さらに、本発明は、アンカ
ーコート剤を使用する必要がないため、従来に比べてコ
スト、作業性、安全衛生面、品質面で優れている。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 高畑 弘明
千葉県市原市姉崎海岸５の１ 住友化学
工業株式会社内
(56)参考文献 特開 平６−207062（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C08L 23/00 - 23/36
B32B 27/00 - 27/42
Claims (14)
- 【請求項１】ポリエチレン系樹脂（Ａ）９９．９〜８０
重量部及びエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）０．
１〜２０重量部を含有する樹脂組成物であって、該エポ
キシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）が、エチレンとエポ
キシ基含有不飽和単量体との２成分共重合体であり、該
エポキシ基含有不飽和単量体が、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエー
テルまたは２−メチルアリルグリシジルエーテルであ
り、該エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）における
エポキシ基含有不飽和単量体の含有量が０．１〜４モル
％であり、該樹脂組成物のメルトフローレートが０．５
〜５０ｇ／１０分であるアンカーコート剤を使用しない
押出ラミネート用樹脂組成物。 - 【請求項２】ポリエチレン系樹脂（Ａ）が高圧法低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数
３〜１８のα−オレフィンとの共重合体、またはそれら
の混合物である請求項１記載のアンカーコート剤を使用
しない押出ラミネート用樹脂組成物。 - 【請求項３】請求項１記載のアンカーコート剤を使用し
ない押出ラミネート用樹脂組成物を押出ラミネート用樹
脂として使用し、該アンカーコート剤を使用しない押出
ラミネート用樹脂を、アンカーコート剤を使用しないで
基材に積層してなる積層フィルムまたは積層シート。 - 【請求項４】請求項１記載のアンカーコート剤を使用し
ない押出ラミネート用樹脂組成物を基材に積層してなる
積層フィルムまたは積層シートの製造方法であって、下
記（１）〜（２）の工程を含み、かつ、アンカーコート
剤を使用しない積層フィルムまたは積層シートの製法。 （１）請求項１記載のアンカーコート剤を使用しない押
出ラミネート用樹脂組成物をダイ直下樹脂温度２６０〜
３４０℃の温度においてフィルム状に溶融押出する工
程。 （２）工程（１）で溶融押出されたフィルムと、基材と
を接触させ、圧着する工程。 - 【請求項５】エポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）の
含有量（Ｗ）が、下記（式１）を満足する請求項１記載
のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート用樹脂
組成物を用いる請求項４記載の積層フィルムまたは積層
シートの製法。 Ｗ（重量部）≦−０．１×Ｔ＋３７ （式１） ただし、Ｗはエポキシ基含有エチレン共重合体（Ｂ）の
含有量（重量部）及びＴは溶融押出する該押出成形用樹
脂組成物のダイ直下樹脂温度（℃）を表わす。 - 【請求項６】下記（３）の工程を含む請求項４記載の積
層フィルムまたは積層シートの製法。 （３）工程（１）で溶融押出されたフィルムの、少なく
とも基材と接触する側の面にオゾン処理を施す工程。 - 【請求項７】下記（４）の工程を含む請求項４記載の積
層フィルムまたは積層シートの製法。 （４）工程（２）で圧着に付す基材の少なくとも請求項
１記載のアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート
用樹脂組成物と接触する側の面に表面酸化処理を施す工
程。 - 【請求項８】工程（４）の表面酸化処理工程をインライ
ンに設け、表面酸化処理工程後の基材を直ちに工程
（２）の圧着に付す工程を含む請求項７記載の積層フィ
ルムまたは積層シートの製法。 - 【請求項９】工程（２）の圧着工程の後に、下記工程
（５）を有する請求項４記載の積層フィルムまたは積層
シートの製法。 （５）工程（２）の圧着工程で得られる積層フィルムま
たは積層シートを、保温下、熟成する工程。 - 【請求項１０】工程（５）の熟成工程における熟成温度
が、３０〜５０℃である請求項９記載の積層フィルムま
たは積層シートの製法。 - 【請求項１１】工程（４）の表面酸化処理がコロナ放電
処理である請求項７記載の積層フィルムまたは積層シー
トの製法。 - 【請求項１２】コロナ放電処理工程におけるコロナ放電
密度が４０Ｗ・分／ｍ2 以上である請求項１１記載の積
層フィルムまたは積層シートの製法。 - 【請求項１３】基材がプラスチック基材である請求項４
記載の積層フィルムまたは積層シートの製法。 - 【請求項１４】プラスチック基材がポリエステル系樹脂
である請求項１３記載の積層フィルムまたは積層シート
の製法。
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|---|---|---|---|
| JP26598395A JP3539004B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 押出成形用樹脂組成物、該組成物を用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26598395A JP3539004B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 押出成形用樹脂組成物、該組成物を用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09111062A JPH09111062A (ja) | 1997-04-28 |
| JP3539004B2 true JP3539004B2 (ja) | 2004-06-14 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26598395A Expired - Fee Related JP3539004B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 押出成形用樹脂組成物、該組成物を用いた積層フィルムまたは積層シート、及びその製法 |
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| JP (1) | JP3539004B2 (ja) |
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| EP1063260A4 (en) * | 1998-03-05 | 2001-11-07 | Nippon Petrochemicals Co Ltd | POLYOLEFIN RESIN COMPOSITION, LAMINATE THEREOF AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF |
| JP5386309B2 (ja) * | 2009-11-09 | 2014-01-15 | 藤森工業株式会社 | 積層体の製造方法及び積層体、それを用いた包装容器 |
-
1995
- 1995-10-13 JP JP26598395A patent/JP3539004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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