JP2000202810A - 複合フィルム被覆木質化粧材およびその製造方法 - Google Patents

複合フィルム被覆木質化粧材およびその製造方法

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JP2000202810A JP11009132A JP913299A JP2000202810A JP 2000202810 A JP2000202810 A JP 2000202810A JP 11009132 A JP11009132 A JP 11009132A JP 913299 A JP913299 A JP 913299A JP 2000202810 A JP2000202810 A JP 2000202810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築用化粧合板や化粧張り集成材
等に用いられる化粧材に耐熱性、対湿寸法安定性を付与
し、かつラッピングやVカット等の折り曲げを伴う二次
加工性を付与する。 【解決手段】 繊維質シートおよび金属箔によっ
て裏打ちされた木質単板シートの表面に、熱接着性樹脂
層を介して耐熱耐傷付き性フィルム層が接合されてお
り、熱接着性樹脂層と耐熱耐傷付き性フィルム層とから
なる複合フィルム層の透湿度を100(g/m2・24hr)以下
とした複合フィルム被覆木質化粧材であって、またこの
化粧材は、裏打ちされた木質単板シートの表面に複合フ
ィルムを加熱圧着して製造することができる。この耐熱
耐傷付き性フィルム層の外表面側にハードコート層を設
けて表面硬度を高めると、化粧材としての実用性が一層
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合フィルムで表
面被覆された木質化粧材に関し、より詳細には、建築用
化粧合板や化粧張り集成材等の化粧材として用いられる
耐熱性、対湿寸法安定性、曲げ加工性に秀でた木質化粧
材に関する。
【0002】
【従来技術の背景】従来より建築内装材、造作部材、建
具、あるいは家具などの表面材として、天然木や人工木
を薄くスライスした突板と呼ばれる木質単板シートが広
く利用されている。この木質単板シートは、脆くて割れ
やすいために、その裏面に不織布や和紙などの繊維質シ
ートを裏打ちして強度と作業性を改良し、その後合板、
パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)などの木
質基材に粘着剤を用いて貼り合わせたり、あるいは各種
の造作部材へラッピングするなどして実際に使用されて
いる。通常は、さらに単板シート表面に塗装を施し、外
観を見映えよくすると共に、表面保護を図っている。
【0003】ところでこの木質の単板シートは、環境湿
度によって寸法変化を引き起こしやすい。例えば、単板
シートを壁面に互いに隣接するように粘着剤で貼着する
と、長い時間の経過と共に乾燥収縮で隙間が発生した
り、逆に吸湿膨張で角突き合わせて盛り上がってしまう
現象が起こる。
【0004】このような吸放湿による単板シートの寸法
変化を改良するために、いくつかの提案がなされてい
る。特開平9−169004号公報によると、単板シー
トの裏面に合成樹脂層または金属箔からなる防湿層を設
け、環境水分によるソリの防止を図っている。また、特
開平8−142268号公報によると、単板シートの裏
面に環状オレフィンコポリマーの層を設け、可撓性と対
湿寸法安定性の向上を図っている。しかし、これらの対
策は、単板シートの裏面側からの改良であって、表面側
からの吸放湿に対しては従来通りの塗装に頼っており、
対湿寸法安定性の向上を図るにはさらに改良の余地が残
されている。
【0005】また、従来の単板シートを耐熱性の観点か
ら評価すると、例えば火の着いたタバコを木質単板シー
ト上に放置した場合、裏面が金属箔、繊維シート、ある
いは合成樹脂層で裏打ちされていても、表面には焦げ跡
が残ってしまう。その原因は、単板シート表面上の数ミ
クロン程度の薄い塗膜では、熱が容易に木質単板シート
の本体へと伝わり、表面温度が短時間に上昇してしまう
ためと考えている。たとえ良好な熱伝導体である金属箔
でその裏面が裏打ちされていても、表面塗膜から単板シ
ートへと伝導する熱量の方が、単板シートから金属箔へ
伝導する熱量よりも多いため、やはり単板シート表面に
焦げ跡が生じる。
【0006】そこで単板シート表面への塗装を繰り返し
て厚塗りすることが考えられるが、塗装作業に時間と手
間がかかり、またコスト高になると共に、硬く厚い塗膜
のためにラッピングやVカット等の二次加工が難しくな
り、根本的な解決策とは云い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、対湿
寸法安定性、耐熱性に優れた木質化粧材の提供を目的と
する。また本発明は、ラッピングやVカット等の折り曲
げを伴う二次加工適性に優れた木質化粧材の提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、繊維
質シートおよび金属箔によって裏打ちされた木質単板シ
ートの表面に、熱接着性樹脂層を介して耐熱耐傷付き性
フィルム層が接合されており、熱接着性樹脂層と耐熱耐
傷付き性フィルム層とからなる複合フィルム層の透湿度
が100(g/m2・24hr)以下である複合フィルム被覆木質
化粧材に関するものであって、寸法安定性および耐熱性
に優れ、二次加工適性を有している。。
【0009】この木質化粧材において、耐熱耐傷付き性
フィルム層としては、層を形成する樹脂の融点またはガ
ラス転移点が150℃以上であることが好ましく、また
樹脂の硬度がショアD55以上で、ロックウエルR12
5以下であることが好ましい。そのような耐熱耐傷付き
性フィルム層として、二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二
軸延伸ナイロンフィルム等が好適である。
【0010】また、熱接着性樹脂層としては、その樹脂
の融点または軟化温度が150℃以下であることが好ま
しく、特にポリオレフィン、オレフィン系共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アク
リル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体、およびエチレン-(メタ)アクリ
ル酸共重合体の部分金属中和物等の樹脂が好適である。
これらの樹脂に粘着付与剤を配合し組成物として使用す
ると、木質単板シートとの接着が強固となり、一層好ま
しい熱接着性樹脂層となる。
【0011】さらにこの木質化粧材は、耐熱耐傷付き性
フィルム層の外表面側にハードコート層を設けることに
よって表面硬度を高めると、化粧材としての実用性が一
層向上する。特に紫外線硬化コート剤を用いた塗膜形成
が好ましい。
【0012】また本発明は、繊維質シートおよび金属箔
によって裏打ちされた木質単板シートの表面に、熱接着
性樹脂フィルム層と耐熱耐傷付き性フィルム層とからな
る複合フィルムを加熱圧着する複合フィルム被覆木質化
粧材の製造方法に関するものである。
【0013】
【発明の具体的な説明】本発明に係わる木質化粧材は、
その裏面が繊維質シートおよび金属箔で裏打ちされた木
質単板シートの表面を耐熱耐傷付き性フィルムで被覆し
た基本構成をとっており、その具体的な構成およびその
製造方法について次に説明する。
【0014】裏打ちされた木質単板シート 図1は、裏打ちされた木質単板シート10の断面図であ
る。木質単板シート1は、その裏面側に繊維質シート2
および金属箔3がこの順に接合されている。木質単板シ
ート1は、天然木あるいは人工木を薄くスライスしたシ
ート状をなしている。繊維質シート2は、不織布、和
紙、洋紙、レーヨン紙などであって、木質単板シート1
の、脆くて割れやすい性質を改良するために、補強目的
で接合するものであり、同時に二次加工時の作業性も向
上する。木質単板シート1と繊維質シート2とは、酢酸
ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル系共重合体接着
剤、ビニルウレタン系接着剤などの接着剤層4によって
接合されている。
【0015】金属箔3としては、アルミニウム、銅、
鉄、ステンレスなどの箔が通常使用され、繊維質シート
2と金属箔3とは接着剤層5によって接合されている。
この金属箔3は、その優れた水蒸気遮断性によって、木
質単板シート1の裏面側からの吸放湿による寸法変化や
ソリの発生を防止し、また良好な熱伝導性によって木質
単板シート1に加わった熱の拡散が促進される。金属箔
の厚さは、通常7〜100μm、好ましくは9〜50μ
mであって、箔の厚さがこの範囲にあると、ピンホール
の存在による水蒸気遮断性の低下が避けられ、裏打ち材
としての機械強度も十分であり、また二次加工時におけ
る折り曲げ性を妨げない。
【0016】繊維質シート2と金属箔3との接合には、
酢酸ビニル系、塩化ビニル系、フェノール系、エポキシ
系、ゴム系等の溶剤型、あるいは無溶剤型の接着剤が使
用でき、また熱可塑性接着性樹脂フィルムによっても容
易に接合することができる。
【0017】その熱可塑性接着性樹脂としては、例え
ば、オレフィン重合体にアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸などのα、β−不飽和カルボ
ン酸をグラフト共重合した樹脂や、エチレンと前記した
α、β−不飽和カルボン酸との共重合体樹脂、あるいは
この共重合体をNa+、K+、Ca++、Zn++、Mg++
の金属イオンで部分中和した樹脂等を挙げることができ
る。
【0018】この熱可塑性接着性樹脂フィルムを用いて
繊維質シート面と金属箔とを接着する方法としては、予
め成形した接着性樹脂フィルムを繊維質シート面と金属
箔との間に介在させてからフィルムの融点以上で加熱プ
レスしても、あるいは加熱ロールを用いて熱ラミネート
してもよい。また、接着性樹脂を押出機で溶融させ、T
ダイからフィルム状に押出し、繊維質シート面と金属箔
との間に挿入させ、冷却ロールで加圧するいわゆる押出
コーティング法によってもよい。
【0019】このように木質単板シート1が繊維質シー
ト2および金属箔3で裏打ちされていることによって、
木質単板シート1は強度的に補強され、かつ耐湿性や耐
熱性が向上する。なお、金属箔3の裏面に、さらに繊維
質シートを積層すると、その化粧材を被覆する基材との
接合がより容易になる。
【0020】複合フィルム層 図2は、木質単板シート1の表面側に複合フィルム層2
0を接合した状況を示す断面図である。複合フィルム層
20は、耐熱耐傷付き性フィルム6と熱接着性樹脂層7
とから構成され、木質単板シート1は熱接着性樹脂層7
を介して耐熱耐傷付き性フィルム6と一体的に接合され
ている。
【0021】ここで使用する耐熱耐傷付き性フィルム6
は、次の物性を有していることが好ましい。 (1)その耐熱性の指標となる樹脂フィルムの融点また
はガラス転移点は、DSCで測定したその値が、150
℃以上、好ましくは170℃以上である。 (2)耐傷付き性の指標となる樹脂フィルムの硬度が、
ショアD55以上で、ロックウエルR125以下、好ま
しくはショアD65以上で、ロックウエルR120以
下、さらに好ましくはショアD85以上で、ロックウエ
ルR120以下である。この範囲にあると、実用上十分
な引っ掻き硬度を有している。
【0022】また、耐熱耐傷付き性フィルム6は、木質
単板シートの吸放湿による寸法変化を防ぐために、JI
S K7129に準拠し、40℃、90%RHの条件で
測定した透湿度が200(g/m2・24hr)以下、好ましくは
100(g/m2・24hr)以下であることが望ましい。
【0023】前記の条件を満たすフィルムであれば、本
発明に係わる耐熱耐傷付き性フィルム6としていずれも
使用することができ、その形態は無延伸フィルムであっ
ても、一軸ないし二軸延伸フィルムであってもよく、ま
た透明フィルムであっても半透明フィルムであってもよ
い。さらに必要に応じて光沢、半光沢、マット仕上げ、
透明着色等の外観仕上げが施されていてもよい。フィル
ム厚は、通常10〜100μm、好ましくは12〜50
μmであり、この範囲にあると耐傷付き性、耐熱性、防
湿性にすぐれ、また木質単板シートに十分な強度を付与
する。
【0024】このような耐熱耐傷付き性フィルム6は、
次に例示する樹脂から製造することができる。すなわ
ち、(1)ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペン
テンなどのポリオレフィン、(2)ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル、
(3)ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミ
ド、(4)ポリカーボネート、(5)ポリフェニレンサ
ルファイド、(6)これらの樹脂を主成分とするポリマ
ーアロイ、
【0025】(7)テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−
エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレ−エチレ
ン共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素
系樹脂。
【0026】これらの中でも二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、二軸延伸ナイロンフィルムが好ましい。また、圧縮
成形によって製造されたビレットをスカイヴィングによ
ってフィルム化したテトラフルオロエチレン、流延法で
フィルム化したポリビニルフルオライドも好ましく使用
できる。
【0027】次に熱接着性樹脂層7は、前記した耐熱耐
傷付き性フィルム6と木質単板シート1とを十分な接着
強度で貼り合わす役割を担っており、そのために接着性
以外に次の条件を備えていることが望ましい。すなわ
ち、(1)透明ないし半透明であること、(2)DSC
で測定した融点またはJIS K7206に準拠して測
定したビカット軟化点が、150℃以下、好ましくは4
0〜150℃であること、(3)押出成形によって安定
したフィルムが成形可能なことである。
【0028】前記の条件を満たす熱接着性樹脂として、
次の樹脂を例示することができ、またそれらを二種以上
組み合わせて使用することもできる。 (1)ポリオレフィンおよびオレフィン系共重合体。例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテ
ン−1、デセン−1等のα−オレフィンの相互共重合
体、さらにオレフィン重合体へのアクリル酸、メタクリ
ル酸、無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート等の
グラフト共重合体等。
【0029】(2)エチレンと、酢酸ビニルやプロピオ
ン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルとの共重合体、お
よびそのケン化物。 (3)エチレンと、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル等のα、β−不飽和カルボン酸
アルキルエステルとの共重合体。 (4)エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸等のα、
β−不飽和カルボン酸との共重合体、およびその部分金
属中和物。 (5)エチレン−α、β−不飽和カルボン酸−α、β−
不飽和カルボン酸アルキルエステル三元共重合体および
その部分金属中和物。
【0030】(6)ジカルボン酸と多価アルコールとの
低結晶性または非晶性共重合ポリエステル。具体例とし
ては、テレフタル酸、セバチン酸、エチレングリコール
との三元共重合体、テレフタル酸、アジピン酸、エチレ
ングリコールとの三元共重合体、テレフタル酸、イソフ
タル酸、エチレングリコールとの三元共重合体、テレフ
タル酸、イソフタル酸、1,4−ブタンジオールとの三
元共重合体等を挙げることができる。 (7)低結晶性または非晶性共重合ポリアミド。例え
ば、ε−カプロラクタム、アジピン酸ヘキサメチレンジ
アミン、ラウロラクタムとの三元共重合体、ε−カプロ
ラクタム、セバチン酸ヘキサメチレンジアミン、ラウロ
ラクタムとの三元共重合体等を挙げることができる。
【0031】これらの熱接着性樹脂は、先に例示した樹
脂をそのまま使用することができるし、またそれらを2
種類以上混合して使用することもできる。さらに、その
接着力を高めるために粘着付与剤を配合した組成物とし
て使用することもでき、その様な組成物は一層好まし
い。この際粘着付与剤は、熱接着性樹脂100重量部に
対して0.001〜80重量部、好ましくは1〜60重
量部の量割合で配合される。この配合範囲であれば、適
度な溶融粘度を示すためにフィルム成形性がよく、また
適度な粘着力を示すために木質単板シートへの貼り合わ
せ作業性がよい。熱接着性樹脂組成物とした場合にも、
組成物の融点または軟化点が150℃以下、好ましくは
40〜150℃であることが望ましい。
【0032】配合に適した粘着付与剤としては、(1)
ガムロジン、ウッドロジンなどのロジン類、(2)水添
ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン
などの変性ロジン、(3)ロジングリセリンエステル、
水添ロジングリセリンエステルなどのロジンエステル
類、
【0033】(4)α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、
ジペンテン樹脂などのテルペン樹脂、(5)芳香族炭化
水素変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石
油樹脂、(6)スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、イソプロペニルトルエンなどをそれぞれ主成
分とするスチレン系樹脂等々を例示することができる。
これらは単独で用いても、あるいは組み合わせて使用し
てもよい。
【0034】またこの熱接着性樹脂には、スリップ剤や
アンチブロッキング剤を必要に応じて配合し、フィルム
成形時および成形後の作業性を改良することができる。
スリップ剤としては、炭素数8〜22の高級脂肪酸、そ
の金属塩、炭素数8〜18の直鎖脂肪族1価アルコー
ル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アミド、エチレンビス
脂肪酸アミドなどを使用することができる。またアンチ
ブロッキング剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、水
酸化マグネシウム、クレー、タルク、マイカなどを使用
することができる。その他、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤などの添加剤を必要に応じて
適宜配合することができる。
【0035】熱接着性樹脂またはその組成物は、そのメ
ルトフローレート(MFR)が、ASTM D−123
8に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定した
値が1〜500(g/10分)、好ましくは2〜200
(g/10分)であることが望ましい。この範囲内である
と、木質単板シートへの濡れとしみこみに適切であって
接着作業性がよく、またフィルム成形時の押出成形性が
良く、フィルムの外観も肌荒れ等を起こさず良好であ
る。
【0036】また、熱接着性樹脂またはその組成物層7
の厚さは、10〜100μm、好ましくは20〜100
μmであることが望ましく、この厚さ範囲であると木質
単板シートと耐熱耐傷付き性フィルム層とを十分な強度
で接着させることができる。
【0037】本発明においては、耐熱耐傷付き性フィル
ム層6と熱接着性樹脂層7とからなる複合フィルム層2
0の透湿度を100(g/m2・24hr)以下にすることが必要
である。それによって、木質単板シート1の表面側から
の水分の吸放出を最小限にコントロールすることがで
き、化粧材の寸法安定性を高く保つことができる。ま
た、この複合フィルム層20の透湿度が100(g/m2・24
hr)以下になるように、耐熱耐傷付き性フィルム層6の
種類と厚さ、および熱接着性樹脂層7の種類と厚さを前
記した範囲内で適宜選択する。なお、ここで透湿度は、
JIS K7129に準拠して、40℃、90%RHの
条件下で測定された値である。
【0038】複合フィルム20は、例えば次の方法で製
造することができる。 (1)耐熱耐傷付き性フィルムを形成する樹脂と熱接着
性樹脂とを共押出成形によって直接複合フィルムとす
る。
【0039】(2)耐熱耐傷付き性フィルムの表面に熱
接着性樹脂を押出コーティングして複合フィルムとす
る。この際、必要に応じて、耐熱耐傷付き性フィルム表
面にイソシアネート系またはポリエステル系などのアン
カーコート剤を予め塗布しておいてもよい。
【0040】(3)耐熱耐傷付き性フィルムと熱接着性
樹脂フィルムとをエポキシ系、イソシアネート系、ある
いはポリエステル系などの反応型接着剤を用いてドライ
ラミネーションして複合フィルムとする。
【0041】(4)耐熱耐傷付き性フィルムと熱接着性
樹脂フィルムとの間に溶融ポリエチレンの様な接着性樹
脂を押出しコーティングして複合フィルムとする。この
際、必要に応じて、耐熱耐傷付き性フィルム表面にイソ
シアネート系またはポリエステル系などのアンカーコー
ト剤を予め塗布しておいてもよい。
【0042】(5)耐熱耐傷付き性フィルムおよび熱接
着性樹脂フィルムの双方に親和性を有する樹脂層を両樹
脂層間に配置して3層の共押出複合フィルムとする。例
えば、耐熱耐傷付き性フィルム層がポリエチレンテレフ
タレート、ナイロン-6、ナイロン-66、またはポリカ
ーボネートの層であり、熱接着性樹脂層がポリオレフィ
ンまたはポリオレフィンと粘着付与剤との組成物の層で
ある場合、オレフィン重合体にアクリル酸、メタクリル
酸、あるいは無水マレイン酸等のα、β−不飽和カルボ
ン酸をグラフト共重合した樹脂を2〜50μm厚の中間
層として配置して押出成形し、3層複合フィルムとす
る。
【0043】木 質 化 粧 材 本発明に係わる複合フィルム被覆木質化粧材は、図3に
その一実施例を示したように、繊維質シート2および金
属箔3で裏打ちされた木質単板シート1の表面に耐熱耐
傷付き性フィルム層6が熱接着性樹脂層7を介して接合
された積層構造体30をとっている。
【0044】このような構成の木質化粧材30は、裏打
ちされた木質単板シート1の表面に熱接着性樹脂層7お
よび耐熱耐傷付き性フィルム層6を順次積層する一般的
な方法によっても製造できるが、好ましくは予め熱接着
性樹脂層7と耐熱耐傷付き性フィルム層6との複合フィ
ルム20を製造しておき、その後複合フィルム20を木
質単板シート1上へ加熱圧着手段を加えて積層する方法
によってより効率的に製造することができる。
【0045】化粧材は、その用途から高い表面硬度が要
求され、表面保護性の点から鉛筆硬度がH〜8H、特に
3H〜8Hであることが望ましい。本発明に係わる前記
した耐熱耐傷付き性フィルム層6のみでは、用途によっ
ては十分な鉛筆硬度を示さない場合には、図3に示した
ように、耐熱耐傷付き性フィルム層6の表面にハードコ
ート層8を設けることができる。ハードコート層8とし
ては、加熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等のコ
ート剤をコーティングすることによって形成することが
でき、中でも紫外線硬化型のコート剤は、塗膜特性や設
備面から好適である。
【0046】紫外線硬化型コーティング剤としては、不
飽和ポリエステル系樹脂、エポキシアクリレート系樹
脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリ
レート系樹脂、ポリブタジエンアクリレート系樹脂、シ
リコンアクリレート系樹脂、アミノ樹脂アクリレート系
樹脂等のコーティング剤を例示することができる。その
コーティング塗膜の厚さは、化粧材の二次加工性を考慮
して2〜25μm、好ましくは3〜20μmに調整され
る。このコート剤には、必要に応じて、つや消しのため
のマット剤を添加してもよい。
【0047】このハードコート層8は、耐熱耐傷付き性
フィルム層6の外表面に予めコーティング形成してか
ら、その複合フィルム層を木質単板シート1と接合して
化粧材としてもよいし、また既に製造した化粧材の耐熱
耐傷付き性フィルム層6上に最終仕上げとしてハードコ
ート層8を新たに形成してもよい。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれ等の実施例に限定されるものではない。
【0049】(実施例1)人工突板用フリッチより0.
25mm厚さに突いた木質単板シートの裏側に酢酸ビニ
ル系接着剤を用いてナイロン系不織布(坪量30g/m
2)を貼り合わせた。その裏側に接着剤として厚さ30
μmの無水マレイン酸グラフトポリエチレンの押出成形
フィルムおよび厚さ20μmのアルミニウム箔を重ね合
わせ、150℃に昇温した熱ロールを用いて加熱圧着す
ることによって、熱接着し一体化した。
【0050】一方、次の材料をドライブレンドし、同方
向に回転する二軸押出機(直径37mm、スクリューL
/D=42)を用いて樹脂温度210℃でペレットと
し、熱接着性樹脂組成物とした。この樹脂のMFR(1
90℃)は8(g/10分)であり、またビカット軟化
温度は73℃であった。
【0051】(1)ポリプロピレンランダム共重合体:
29.5重量% エチレン含量約1モル%、1−ブテン含量約2モル% MFR(230℃);20(g/10分) 密度;0.91(g/cm3) (2)低密度ポリエチレン:25重量% MFR(190℃);7(g/10分) 密度;0.92(g/cm3
【0052】(3)エチレン−1−ブテン共重合体:2
5重量% 1−ブテン含有量約10モル% MFR(190℃);3(g/10分) 密度;0.88(g/cm3) (4)脂環族炭化水素系粘着付与剤(水添石油樹脂):
20重量% 環球法軟化温度;115℃ (5)シリカ:0.5重量%
【0053】この熱接着性樹脂組成物を押出機(直径5
0mm、スクリューL/D=28)より樹脂温度240
℃で押出し、一方ポリプロピレン((MFR(230
℃);6.0(g/10分)、密度;0.91(g/c
3))を押出機(直径40mm、スクリューL/D=
25)より樹脂温度260℃で押出し、両者を幅400
mmの共押出Tダイ内で合流させて、速度20(m/
分)で引き取り、総厚さ50μm(各層の厚さ25μ
m)の二層接着性樹脂フィルムを得た。その後、ポリプ
ロピレンフィルム面に濡れ張力向上のためにコロナ放電
処理を施した。
【0054】次に、耐熱耐傷付き性フィルムとして、融
点256℃、ロックウエル硬度R111のポリエステル
樹脂の二軸延伸フィルム(厚さ19μm)を選び、イソ
シアネート系接着剤を用いて二層接着性樹脂フィルムと
接合して、複合フィルムを得た。複合フィルムの層構成
は、ポリエステル二軸延伸フィルム/ポリプロピレンフ
ィルム/熱接着性樹脂組成物フィルムであって、その透
湿度は(40℃、90%RH)9.3(g/m2・24
hr)であった。
【0055】次に、複合フィルムの熱接着性樹脂組成物
フィルム面を裏打ちした木質単板シートの表面側に重ね
合わせ、150℃に加熱した金属ロールとゴムロールと
の間に導入し、5m/分の速度で加熱加圧して熱ラミネ
ートし、積層体を得た。
【0056】この積層体は、各層間で強固な接着強度を
示し、耐久性の点で最も重要な複合フィルム層と木質単
板シートとの間の接着強度は1750(g/15mm)
を示し、凝集破壊であった。なお、接着強度は、幅15
mmの試験片を用い、剥離速度300mm/分で、18
0度方向に剥離し、その剥離強度をもって接着強度とし
て表現した。
【0057】また、この積層体を60℃、90%RHの
恒温恒湿槽に14日間放置した後、幅方向の寸法変化を
測定し、またその時のカールの有無を調べたところ、結
果は表1の通りであって、優れた対湿寸法安定性を有し
ていた。さらに、この積層体の表面に火の着いたタバコ
を放置したが、10分後でも表面に焼け焦げは発生しな
かった。
【0058】この積層体を用いて、縦30mm、横60
mmの長方形断面を有し、コーナー部が0.5mmRで
ある合板製角材へのラッピング加工を施したところ、積
層体は平面部、コーナー部共に良好な密着性を示し、ま
たコーナー部に割れの発生も認められなかった。
【0059】(実施例2)実施例1で使用したと同様の
裏打ち木質単板シートを用意した。また、次の材料をド
ライブレンドし、同方向に回転する二軸押出機(直径4
0mm、スクリューL/D=28)を用いて樹脂温度1
80℃でペレットとし、熱接着性樹脂組成物とした。こ
の樹脂のMFR(190℃)は35(g/10分)であ
り、またビカット軟化温度は46℃であった。
【0060】(1)エチレン-メタクリル酸共重合体:
25重量% メタクリル酸含量約15重量% MFR(190℃);60(g/10分) (2)エチレン-アクリル酸エチル共重合体:54.8
重量% アクリル酸エチル含量19重量% MFR(190℃);5(g/10分)
【0061】(3)水添ロジンエステル:20重量% (4)エルカ酸アミド:0.2重量%
【0062】この熱接着性樹脂組成物を単軸押出機(直
径50mm、スクリューL/D=28)より樹脂温度2
00℃で幅400mmのTダイから押出し、速度20
(m/分)で引き取り、厚さ30μmの接着性樹脂フィ
ルムを得た。
【0063】次に、耐熱耐傷付き性フィルムとして、融
点256℃、ロックウエル硬度R111のポリエステル
樹脂の二軸延伸フィルム(厚さ25μm)を使用し、こ
の片面にマット剤として微粉状シリカを分散させたウレ
タンアクリレート樹脂系の紫外線硬化型コート剤を塗布
し、硬化後に5μm厚の塗膜を形成させた。表面硬度は
3Hであった。
【0064】ポリエステル二軸延伸フィルムの他方の面
には、コロナ放電処理を施し、さらにイソシアネート系
のアンカーコート剤を塗布し、先に成形した接着性樹脂
フィルムと向かい合わせ、その間に押出機(直径65m
m、スクリューL/D=32)より低密度ポリエチレン
(MFR(190℃);7.5(g/10分)、密度;
0.917(g/cm3)を樹脂温度310℃でTダイ
より厚さ20μmで押出し、三層複合フィルムを40m
/分の速度で引き取った。
【0065】複合フィルムの層構成は、表面コートポリ
エステル二軸延伸フィルム/低密度ポリエチレンフィル
ム/熱接着性樹脂組成物フィルムであって、その透湿度
は(40℃、90%RH)8.0(g/m2・24h
r)であった。
【0066】次に、複合フィルムの熱接着性樹脂組成物
フィルム面を裏打ちした木質単板シートの表面に重ね合
わせ、150℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの
間に導入し、5m/分の速度で加熱加圧して熱ラミネー
トし、積層体を得た。
【0067】この積層体は、各層間で強固な接着強度を
示し、耐久性の点で最も重要な複合フィルム層と木質単
板シートとの間の接着強度は1850(g/15mm)
を示し、凝集破壊であった。また、この積層体の物性測
定を実施例1と同様にして行い、その結果を表1に示し
たが、木質化粧材として優れたものであった。
【0068】(実施例3)耐熱耐傷付き性フィルムとし
て、融点168℃、ロックウエル硬度R110、ショア
硬度D80のポリプロピレン樹脂の二軸延伸フィルム
(厚さ25μm)を用いた以外は実施例2と同様に行
い、積層体を製造した。
【0069】この積層体は、各層間で強固な接着強度を
示し、複合フィルム層と木質単板シートとの間の接着強
度は1720(g/15mm)を示し、凝集破壊であっ
た。また、この積層体の物性測定を実施例1と同様にし
て行い、その結果を表1に示したが、木質化粧材として
優れたものであった。
【0070】(実施例4)耐熱耐傷付き性フィルムとし
て、融点220℃、ロックウエル硬度R120のナイロ
ン6樹脂の二軸延伸フィルム(厚さ15μm)を用いた
以外は実施例1と同様に行い、積層体を製造した。
【0071】この積層体は、各層間で強固な接着強度を
示し、複合フィルム層と木質単板シートとの間の接着強
度は1600(g/15mm)を示し、凝集破壊であっ
た。また、この積層体を実施例1と同様にして物性測定
を行い、その結果を表1に示したが、木質化粧材として
優れたものであった。
【0072】(比較例1)実施例1と同様の裏打ちされ
た木質単板シートを準備し、次にこの木質単板シートの
表面に紫外線硬化型不飽和ポリエステル樹脂コーティン
グ剤を塗布し、硬化後に厚さ5μmの塗膜を形成させ
た。
【0073】この積層体を60℃、90%RHの恒温恒
湿槽に14日間放置した後、幅方向の寸法変化を測定
し、またカールの有無を調べたところ、表1に記載した
結果が得られた。寸法変化は+0.125%で表面化粧
材としては問題なかったが、表面側からの吸湿のため、
アルミニウム箔を積層した裏面側が内側になる形でカー
ルを起こした。さらに、この積層体の表面に火の着いた
タバコを放置し、10分経過後にそのタバコを取り去っ
たところ、表面に焼け焦げが発生していた。さらに、こ
の積層体を用いて、実施例1と同様にしてラッピング加
工を施したところ、コーナー部の一部に割れの発生が認
められた。
【0074】(比較例2)実施例1と同様の裏打ちされ
た木質単板シートを用意し、その木質単板シートの表面
側に透湿度(40℃、90%RH)が350(g/m2
・24hr)のポリビニルアルコールフィルム(厚さ3
0μm)をエポキシ系接着剤を用いて積層した。
【0075】この積層体を60℃、90%RHの恒温恒
湿槽に14日間放置した後、幅方向の寸法変化を測定
し、またカールの有無を調べたところ、表1に記載した
結果が得られた。寸法変化は+0.125%で表面化粧
材としては問題なかったが、表面側からの吸湿のため、
アルミニウム箔を積層した裏面側が内側になる形でカー
ルを起こした。さらに、この積層体の表面に火の着いた
タバコを放置し、10分経過後にそのタバコを取り去っ
たところ、表面に焼け焦げは発生しなかったが、タバコ
を置いた直下のフィルムに波状のシワが発生していた。
さらに、この積層体を用いて、実施例1と同様にしてラ
ッピング加工を施したところ、ラッピング特性は良好で
あった。
【0076】(比較例3)0.25mm厚さに突いた木
質単板シートの裏面に酢酸ビニール系接着剤を用いてナ
イロン不織布(坪量30g/m2)を貼り合わせた。こ
の木質単板シートの表面側に実施例1と全く同様の方法
で複合フィルムを熱ラミネートした。
【0077】この積層体の複合フィルムと木質単板シー
トとの接着強度は、1700(g/15mm)で、単板
の凝集破壊であった。この積層体を60℃、90%RH
の恒温恒湿槽に14日間放置した後、幅方向の寸法変化
を測定し、またカールの有無を調べたところ、表1に記
載した結果が得られた。寸法変化は+0.850%と大
きく、また裏面側からの吸湿のため、複合フィルムを積
層した表面側が内側になる形でカールを起こした。さら
に、この積層体の表面に火の着いたタバコを放置したと
ころ、1分後にすでに表面に焼け焦げが発生していた。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明に係わる木質化粧材は、木質単板
シートの持つ木目模様が表面フィルム層を通して直接見
ることができ、かつ硬度の高い表面フィルム層を用いて
いるので傷付きにくく、天然木材の質感と風合いを呈し
た化粧材となっており、自然志向の建築内装材用化粧材
に適している。
【0080】またこの木質化粧材は、表面側および裏面
側からの水分の吸放出が少なく、かつ経時変化も少ない
ことから、長期間に亘って寸法安定性を保つことができ
る。従ってカールが発生しにくく、また複数のこの化粧
材を互いに隣り合うように貼り合わせた場合にも、隣接
間に隙間が発生したり、逆に盛り上がったりすることも
ない。それ故に、広い面積に亘って貼着される内外装材
の化粧材としての用途に適している。
【0081】さらにこの木質化粧材は、表面側の複合フ
ィルムによる断熱効果と、裏面側の金属箔による高い熱
拡散効果の相乗作用によって、その上に火のついたタバ
コを置いても木質単板シート表面の温度は一定以上には
上昇しないので、焦げ跡が発生せず、すこぶる耐熱性が
よく、家具や床材用の化粧材として適している。
【0082】この木質化粧材は、多層の積層構造をとっ
ていながらも高い可撓性を保持し、優れた折り曲げ加工
性を有している。例えば、この化粧材を従来から一般的
に使われているユリア樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポ
リ酢酸ビニル系樹脂等の接着剤を使用して合板や集成材
の表面に貼り合わせた場合、その合板部にV字形のノッ
チを入れ、その後直角に折り曲げる、いわゆるVカット
加工も容易に行うことができる。また、この化粧材を合
板、集成材、中密度繊維板(MDF)等から作られた建
築部材に対して、ラッピング加工することも可能であ
り、その際にコーナー部に割れやしわの発生もなく、密
着性がよく、優れた外観を呈している。
【0083】さらに、この化粧材の裏面に接着剤を塗布
すると、良好な粘着施工性を持たせることができ、壁
紙、天井材、間仕切り材、家具や什器の外面化粧材、自
動車の内装材、電気機器や楽器の化粧材としても利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 裏打ちされた木質単板シートの断面図であ
る。
【図2】 木質単板シートの表面側に複合フィルム層が
接合された状態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係わる複合フィルム被覆木質化粧材
の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・木質単板シート 2・・・・繊維質シート 3・・・・金属箔 6・・・・耐熱耐傷付き性フィルム層 7・・・・熱接着性樹脂層 10・・・裏打ちされた木質単板シート 20・・・複合フィルム層 30・・・複合フィルム被覆木質化粧材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤井 透 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 (72)発明者 渡辺 和幸 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 (72)発明者 武石 一路 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 Fターム(参考) 2B002 AA01 AA03 AA12 BA01 BB06 DA01 DA02 DA03 DA04 DA06 2B250 AA01 AA05 AA06 AA13 AA17 AA21 AA31 BA03 BA05 CA11 DA04 EA02 EA13 FA21 FA28 FA31 FA37 GA03 HA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質シートおよび金属箔によって裏打ち
    された木質単板シートの表面に、熱接着性樹脂層を介し
    て耐熱耐傷付き性フィルム層が接合されており、熱接着
    性樹脂層と耐熱耐傷付き性フィルム層とからなる複合フ
    ィルム層の透湿度が100(g/m2・24hr)以下であること
    を特徴とする複合フィルム被覆木質化粧材。
  2. 【請求項2】前記の耐熱耐傷付き性フィルム層を形成す
    る樹脂の融点またはガラス転移点が150℃以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の複合フィルム被覆木質
    化粧材。
  3. 【請求項3】前記の耐熱耐傷付き性フィルム層を形成す
    る樹脂の硬度が、ショアD55以上でロックウエルR1
    25以下であることを特徴とする請求項1または2記載
    の複合フィルム被覆木質化粧材。
  4. 【請求項4】前記の耐熱耐傷付き性フィルム層が、二軸
    延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテ
    レフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムから
    なる群から選ばれるいずれかのフィルムであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルム
    被覆木質化粧材。
  5. 【請求項5】前記の熱接着性樹脂層を形成する樹脂の融
    点または軟化温度が150℃以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の複合フィルム被覆木質化粧材。
  6. 【請求項6】前記の熱接着性樹脂層を構成する樹脂が、
    ポリオレフィンおよび/またはオレフィン系共重合体で
    あることを特徴とする請求項1または5記載の複合フィ
    ルム被覆木質化粧材。
  7. 【請求項7】前記の熱接着性樹脂層を構成する樹脂が、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)ア
    クリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸アル
    キルエステル共重合体、およびエチレン-(メタ)アク
    リル酸共重合体の部分金属中和物からなる群から選ばれ
    る少なくとも一種類の樹脂からなることを特徴とする請
    求項1または5記載の複合フィルム被覆木質化粧材。
  8. 【請求項8】前記の熱接着性樹脂層を構成する樹脂が、
    熱接着性樹脂に粘着付与剤を配合した組成物からなるこ
    とを特徴とする請求項1および5〜7のいずれかに記載
    の複合フィルム被覆木質化粧材。
  9. 【請求項9】前記の熱接着性樹脂層を構成する組成物
    が、熱接着性樹脂100重量部当たり粘着付与剤が0.
    001〜80重量部配合されてなることを特徴とする請
    求項8記載の複合フィルム被覆木質化粧材。
  10. 【請求項10】前記の粘着付与剤が、ロジン、変性ロジ
    ン、ロジンエステル、テルペン樹脂、石油樹脂、および
    スチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種
    類であることを特徴とする請求項9記載の複合フィルム
    被覆木質化粧材。
  11. 【請求項11】前記の熱接着性樹脂層のメルトフローレ
    ートが、190℃、2.16kg荷重下で測定された値
    が1〜500(g/10分)であることを特徴とする請
    求項1および5〜10のいずれかに記載の複合フィルム
    被覆木質化粧材。
  12. 【請求項12】耐熱耐傷付き性フィルム層のさらに外表
    面上に、ハードコート層が設けられていることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれかに記載の複合フィルム被
    覆木質化粧材。
  13. 【請求項13】前記のハードコート層が、紫外線硬化コ
    ーティング剤によって形成されていることを特徴とする
    請求項12記載の複合フィルム被覆木質化粧材。
  14. 【請求項14】繊維質シートおよび金属箔によって裏打
    ちされた木質単板シートの表面に、熱接着性樹脂フィル
    ム層と耐熱耐傷付き性フィルム層とからなる複合フィル
    ムを加熱圧着することを特徴とする複合フィルム被覆木
    質化粧材の製造方法。
  15. 【請求項15】前記の複合フィルムが、熱接着性樹脂フ
    ィルム層と耐熱耐傷付き性フィルム層との間に両層に接
    着性を有する樹脂層を配置した3層構成のフィルムであ
    ることを特徴とする請求項14に記載の複合フィルム被
    覆木質化粧材の製造方法。
  16. 【請求項16】前記の耐熱耐傷付き性フィルム層の外表
    面側にハードコート層を形成させた後、複合フィルム層
    を木質単板シートに接合することを特徴とする請求項1
    4または15に記載の複合フィルム被覆木質化粧材の製
    造方法。
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