JPH08309802A - スリー・プレート金型構造 - Google Patents

スリー・プレート金型構造

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JPH08309802A
JPH08309802A JP13890795A JP13890795A JPH08309802A JP H08309802 A JPH08309802 A JP H08309802A JP 13890795 A JP13890795 A JP 13890795A JP 13890795 A JP13890795 A JP 13890795A JP H08309802 A JPH08309802 A JP H08309802A
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JP
Japan
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plate
mold
gate
runner
ejector
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Application number
JP13890795A
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English (en)
Inventor
Kikuo Watanabe
菊夫 渡邊
Koji Senda
浩司 千田
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな製品の1個取り射出成形作業に対処で
きる金型構造の提供。 【構成】 Lランナ20の採用によりキャビティ9をモ
ールドベースの中央に配備し、型開き力のばらつきによ
る部分的な型開きで生じるバリを防止する。Lランナ2
0とキャビティ9をピンポイントゲートよりも断面の大
きなサイドゲート10で連絡し、樹脂充填の円滑化と保
圧力の伝達を確保する。サイドゲート10の位置にゲー
トカットピン5を設け、ゲートカットピン5の作動によ
り型開き開始前にゲート10を切断することで、型開き
時における製品の固定側残留と製品部の毟れを防止し、
大きな製品の1個取り射出成形作業に対処する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形金型の改良、
特に、スリー・プレート金型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】サイドゲートまたはダイレクトゲートを
使用したツー・プレート金型構造、Lランナとピンポイ
ントゲートとを組み合わせたスリー・プレート金型構造
等が公知である。
【0003】サイドゲートを使用したツー・プレート金
型構造はランナ形状の設計に任意性があるため、多数個
取りの金型に利用することが容易であり、また、ゲート
幅およびゲート深さにもある程度の余裕があるため、比
較的大きな製品の成形にも対応することができる。しか
し、金型の中心に位置するスプルーの周りにキャビティ
を配備しなければならないので、特殊な形状の製品を除
けば、金型パーティング面の有効面積の1/2以上の大
きさの製品を成形することは事実上不可能である。ま
た、金型の中心に位置するスプルーの周りにキャビティ
を配備する関係上、パーティング面における型開き力の
ばらつきに起因する部分的な型開きによって生じるバリ
の発生等を防止するためには、スプルーの周りに2以上
のキャビティを対称に配備して樹脂反力を釣り合わせる
ことが望ましいが、製品の大きさと金型の大きさとの関
係や、製品の投影面積の総和と射出保圧圧力との積およ
び射出成形機の型締め力との関係等の点で制限があるの
で、必ずしも、スプルーの周りに複数のキャビティを対
称に配備できるというわけではない。
【0004】例えば、金型パーティング面の有効面積の
1/2以上の大きさのキャビティを金型上に2以上配備
することは物理的に不可能であるし、また、製品自体の
大きさが金型面積の1/2以下ではあっても、これを金
型上に2以上配備することによって全体の投影面積が増
えると全体の投影面積と射出保圧圧力との積が型締め力
を越えてしまうといった場合がある。このような場合、
図3(a)および図3(b)に示すように、スプルー1
00の一方の側にのみキャビティ101を1個のみ配備
しなければならなくなるいといった事情があり、キャビ
ティ101に収まる製品102の投影面積がある程度以
上に大きいと、型開き力のばらつきによって固定側型板
103と可動側型板104との間に部分的な型開きが生
じ、バリが発生するといった危険がある。
【0005】なお、図3(b)はサイドゲートを使用し
たツー・プレート金型構造の概略を示す断面図、また、
図3(a)は金型のパーティングラインに沿って製品1
02の外観を示す正面図であり、図3(b)の例では、
型開き力のばらつきにより製品102の上側にバリの発
生する危険が大きい。
【0006】また、サイドゲートに代えてサブマリンゲ
ート(トンネルゲート)を使用したツー・プレート金型
構造を適用すれば、型開き動作によって製品とランナの
自動切断作業を行わせることができるが、ゲート径がサ
イドゲートに比べて小さくなるため、保圧圧力等の伝達
が不十分となって大きな製品の成形に適さなくなる場合
がある。
【0007】一方、ダイレクトゲートを使用したツー・
プレート金型構造の場合では、格別のランナやゲートと
いったものがなく、金型のスプルーそれ自体をキャビテ
ィに直接連絡するようにしているので、金型の中心部に
キャビティを配備することが可能となる。しかも、ゲー
トに相当する部分の径も大きく、保圧圧力等をキャビテ
ィ内に直接伝達することができるので、大きな製品の成
形にも適するが、製品とスプルーとの自動切断ができ
ず、また、後加工によってスプルーを切除した場合、そ
の跡が製品面に汚く残るといった欠点がある。
【0008】そこで、このような問題を解消するため、
図4(a)および図4(b)に示すように、Lランナ1
05とピンポイントゲート106とを組み合わせたスリ
ー・プレート金型構造が提案されている。この構造は、
固定側型板103に重合させてランナ形成用プレート1
07を設けることによりキャビティ101を金型の中央
部に配備し、かつ、Lランナ105の取出しを可能とし
たものであり、この結果、大きな製品102のためのキ
ャビティ101を配備するときの中心位置からのずれに
よって生じる型開き力のばらつきは解消され、また、L
ランナ105先端のピンポイントゲート106が十分に
縮径化されているため、製品102とランナ105の自
動切断も型開き動作によって容易に実施することができ
る。
【0009】なお、一般的な型開き動作としては、ま
ず、製品102をキャビティ101に内嵌したまま可動
側型板104が固定側型板103から離間してピンポイ
ントゲート106の部分でLランナ105と製品102
とを切断し、更に、可動側型板104と固定側型板10
3とが所定量離間した時点で、ランナ形成用プレート1
07の側にLランナ105を残したまま固定側型板10
3が可動側型板104と一体的に移動を開始し、固定側
型板103とランナ形成用プレート107との離間距離
がLランナ105の取り出しに十分な幅に達した時点
で、各プレートの動作を停止して型開きを完了させるよ
うにするのが普通である。最終的に、製品102は可動
側型板104の側に設けられたエジェクタピン等により
突き落とされて回収され、Lランナ105およびスプル
ー100はロボットハンド等によってランナ形成用プレ
ート107から一体的に取り出されるか、または、ラン
ナ形成用プレート107の側に設けられたランナ・スト
リッパプレート等により引き剥がされて捨てられること
になる。
【0010】このようなスリー・プレート金型構造によ
れば、型開き力のばらつきと製品切断部の傷が解消さ
れ、製品とランナとの切断も容易に行うことができる
が、径の小さなピンポイントゲート106を使用してい
るため、保圧圧力等の伝達等が不十分となり、大きな製
品の成形に適さなくなるといった弊害が生じる。無論、
ピンポイントゲート106の径自体を単純に拡径するこ
とは可能であるが、その場合、型開き時において製品1
02をLランナ105から強引に毟り取るかたちとなる
ので、製品102の切断面が損傷を受けたり、製品10
2自体がキャビティ101から外れて固定側に残留する
といった問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、型開き力のばらつき
によるバリの発生やゲートの縮径化による保圧不良を生
じることなく大きな製品の成形作業に対処でき、しか
も、製品とランナの切断作業を自動的に行うことのでき
るスリー・プレート金型構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定側型板と
可動側型板とランナ形成用プレートとを備えた射出成形
機のスリー・プレート金型構造において、サイドゲート
を備えたキャビティを固定側型板と可動側型板との間の
モールドベース中央部に配備すると共に、前記サイドゲ
ートの幅に相当するゲートカットピンを可動側型板に貫
通させて摺動可能に設け、スプルーと前記サイドゲート
とを連絡するLランナを固定側型板またはランナ形成用
プレート内に配備したことを特徴とする構成により前記
目的を達成した。
【0013】更に、前記ゲートカットピンをエジェクタ
ピンと共にエジェクタプレートに取り付け、エジェクタ
プレートとエジェクタピンとの間に差動機構を設けた簡
単な構成により、製品とランナの切断作業を自動的に行
えるようにした。
【0014】
【作用】キャビティがモールドベース中央部に配備され
ているため、投影面積が大きなキャビティを1つのみ配
備する場合でも型開き力の不釣合による部分的な型開き
が生じず、バリの発生等が未然に防止される。
【0015】Lランナとキャビティとを連絡するゲート
がピンポイントゲートよりも太いサイドゲートによって
形成されているため、溶融樹脂の充填および保圧作業を
確実に行って保圧不良によるヒケの発生等を防止するこ
とができ、大型の製品の成形にも適する。
【0016】サイドゲートの幅に相当するゲートカット
ピンによりゲートの切断作業を行ってから型開きを開始
することができるので、製品とLランナとが太いゲート
で連絡されているにも関わらず固定側残留を生じること
なく型開きを行うことができ、しかも、製品とLランナ
とを綺麗に切断することができる。
【0017】更に、エジェクタプレートとエジェクタピ
ンとの間には差動機構が設けられているので、エジェク
タプレートの駆動により、エジェクタピンを固定したま
まゲートカットピンのみを突出させることができる。エ
ジェクタピンの駆動源とゲートカットピンの駆動源との
共用化により装置全体のコストダウンが図れる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例のスリー・プレート
金型構造1を型締め状態で示す断面図、また、図2
(a)は同スリー・プレート金型構造1を型開き完了状
態で示す断面図である。
【0019】図1に示すように、本実施例のスリー・プ
レート金型構造1は、概略において、固定側型板2と可
動側型板3、および、固定側型板2に重合して設けられ
たランナ形成用プレート4と、可動側型板3に対して摺
動可能に設けられたゲートカットピン5、ならびに、エ
ジェクタプレート6とエジェクタピン8との間に設けら
れた差動機構7により構成される。
【0020】可動側型板3の中央部には投影面積の大き
なキャビティ9がパーティング面の側から彫り込まれて
一体的に形成され、更に、キャビティ9の側部にはサイ
ドゲート10がタブ状に突出して設けられている。少な
くともその先端部が角ピンによって形成されるゲートカ
ットピン5は、サイドゲート10の位置を貫通するよう
にして可動側型板3内に摺動自在に設けられ、その基部
がエジェクタプレート6に固着されている。サイドゲー
ト10のゲート幅は紙面厚み方向のゲートカットピン5
の幅に、サイドゲート10のゲート深さは図1に示す復
帰位置のゲートカットピン5の先端からパーティング面
までの距離に、サイドゲート10のゲートランドは紙面
上下方向のゲートカットピン5の厚みに相当する。
【0021】エジェクタプレート6はリターンスプリン
グ11により可動側型板3から離間する方向に常時付勢
され、スペーサブロック12を介して可動側型板3に固
着された可動側金型取付板13により、その復帰位置を
図1の状態に規制されている。可動側金型取付板13の
外形は可動側型板3等に比べて或る程度大きく、その四
隅にクランプ等を取り付けることにより、射出成形機の
ムービングプラテン14に固定されるようになってい
る。可動側金型取付板13の中央部には従来と同様に貫
通口が設けられ、ムービングプラテン14側のエジェク
タロッド15の突出動作によりエジェクタプレート6が
前進駆動されるようになっている。
【0022】エジェクタピン8は、その先端側から大部
分を占める小径部8aと基部側の大径部8bおよびその
連絡部分に位置する鍔部8cにより構成される。エジェ
クタプレート6の表裏には、エジェクタピン8の小径部
8aを通すための孔16と大径部8bを通すための孔1
7とが穿設され、更に、孔16と孔17との間にはエジ
ェクタピン8の鍔部8cの外径に見合った柱状空間18
が形成されている。柱状空間18の軸方向長さはエジェ
クタピン8の鍔部8cの肉厚に比べてxだけ長く(但
し、x>ゲート深さ)、また、図1に示すように、エジ
ェクタプレート6およびエジェクタピン8が復帰位置に
ある状態で、鍔部8cの右端面が、柱状空間18に臨む
孔16の左端面と当接するようになっている。従って、
図1に示す復帰位置では、鍔部8cの左端面と柱状空間
18に臨む孔17の右端面との間に距離xの間隙が形成
されることになり、この位置からエジェクタプレート6
を距離x以上前進させない限り、エジェクタピン8の突
出動作は開始されない。これが、エジェクタプレート6
とエジェクタピン8との間の差動機構7である。エジェ
クタピン8は製品の離型特性等に合わせてキャビティ9
の任意位置に配備すればよい。
【0023】なお、エジェクタプレート6は表裏2枚の
プレート材をボルト等で締結して一体化したものであ
り、エジェクタピン8やゲートカットピン5の取り付
け、および、柱状空間18の彫込み作業には何らの問題
もない。また、大径部8bをエジェクタピン8と分離し
て可動側金型取付板13の側にサポータとして固設する
ことも可能である。更に、エジェクタプレート6および
エジェクタピン8が復帰位置にある状態で、鍔部8cの
右端面が柱状空間18に臨む孔16の左端面と完全に当
接せず、エジェクタピン8に軸方向のガタツキが或る程
度残るとしても、最終的には、射出時の樹脂圧力によっ
てエジェクタピン8を所定位置にまで後退させることが
可能であり、或る程度のガタツキは問題とならない。
【0024】可動側型板3と固定側型板2とは各々の型
板に固着されたピン22,23と、ピン22,23に係
合する長穴を中心部に備えた型開き用リンク21とを介
して接続されており、従来と同様、可動側型板3が固定
側型板2から型開き用リンク21の長穴の全長に匹敵す
る分だけ離間して初めてランナ形成用プレート4に対す
る固定側型板2の離間動作が開始されるようになってい
る。
【0025】固定側型板2の内部には、ランナ形成用プ
レート4側のスプルー19と可動側型板3側のサイドゲ
ート10とを連絡するLランナ20が設けられ、射出成
形機の射出シリンダ22から送り込まれる溶融樹脂が、
スプルー19,Lランナ20,サイドゲート10を介し
てキャビティ9内に充填されるようになっている。な
お、図4(b)に示した従来例ではLランナ105の一
部をランナ形成用プレート107の側に刻設しているの
に対し、本実施例においてはLランナ20の全てを固定
側型板2の側に刻設しているが、この点に関しては格別
の意味はなく、無論、図4(b)の例に倣ってもよい。
Lランナ20の全てを固定側型板2の側に刻設する場合
では固定側型板2に対するランナの食い付きが激しくな
って型開き時にランナが固定側型板2に持って行かれる
危険があるので、ランナ形成用プレート4側のランナ対
応位置に逆擂鉢形状等の適当な彫込みを設ける場合があ
る。
【0026】固定側金型取付板を兼ねるランナ形成用プ
レート4の外形は、可動側金型取付板13の場合と同
様、固定側型板2等に比べて或る程度大きく、その四隅
にクランプ等を取り付けることにより、射出成形機のス
テーショナリープラテン23に固定されるようになって
いる。ランナ形成用プレート4に対する固定側型板2の
接離動作をガイドするロッド24はランナ形成用プレー
ト4の側に固設されて固定側型板2を摺動自在に保持し
ている。
【0027】また、図2(b)に示すように、ランナ形
成用プレート4の表面にランナ・ストリッパプレート2
5を接離自在に設け、固定側型板2とランナ・ストリッ
パプレート25とを型開き用リンク21と同様の構成を
有するリンク26で接続して型開き動作に応動してLラ
ンナ20およびスプルー19の離型操作を行わせる場合
もある。なお、ランナ形成用プレート4とランナ・スト
リッパプレート25とはスタッド状に形成されたストッ
パボルト27およびその両端に螺合されたナットにより
接離自在に固定されており、ランナ・ストリッパプレー
ト25がガイドロッド24から完全に抜け落ちることは
ない。ストッパボルト27に螺合されたナットの一方は
ランナ・ストリッパプレート25に埋設して固定されて
おり、このナットとストッパボルト27がランナ・スト
リッパプレート25と一体となってランナ形成用プレー
ト4に対して接離するので、ストッパボルト27の丸棒
部分とこれを通す孔との間に遊びがあっても、このナッ
トが型締時にランナ・ストリッパプレート25の表面か
ら突出して径方向にずれてその縁がランナ・ストリッパ
プレート25と固定側型板2との間に挟み込まれるとい
うことはない。
【0028】以下、射出成形動作に対応して各部の動作
を説明する。
【0029】まず、図1に示されるような型締め状態で
射出を開始すると、射出成形機の射出シリンダ22から
送り込まれる溶融樹脂がスプルー19,Lランナ20,
サイドゲート10を介してキャビティ9内に充填され
る。サイドゲート10の断面は図4(b)に示されるよ
うな従来型のピンポイントゲート106に比べて遥かに
大きく流動抵抗が小さいため、溶融樹脂の充填を円滑に
行うことができ、また、短時間でゲートがシールされる
こともないので、キャビティ9に充填された樹脂を適確
に保圧してヒケ等を防止することができる。また、Lラ
ンナ20を用いたスリー・プレート金型構造によりモー
ルドベースの中央部にキャビティ9を配備するようにし
ているので、固定側型板2と可動側型板3との間の各部
で作用する樹脂反力で生じる型開き力が均一となり、型
開き力のばらつきによって生じる部分的な型開きによっ
て製品にバリ等が発生するといった事故も防止すること
ができる。
【0030】そして、キャビティへの樹脂の充填が始ま
ってから型開きまでの任意の時期に、射出成形機のエジ
ェクタロッド15を距離Xの範囲内で所定量突出させて
エジェクタプレート6を前進させると、エジェクタピン
8を図1の復帰位置に残したままゲートカットピン5の
みが前進し、パーティング面にまで突出するゲートカッ
トピン5の先端によりサイドゲート10内の樹脂が剪断
されて、製品とLランナ20の樹脂とが分割される。
【0031】次に、ムービングプラテン14をステーシ
ョナリープラテン23から離間させて型開きを開始する
と、まず、固定側型板2をステーショナリープラテン2
3の側に残したまま可動側型板3のみがムービングプラ
テン14と共に移動し、可動側型板3と固定側型板2と
が離間することになる。ピンポイントゲートを利用した
従来型のスリー・プレート金型とは相違し、本実施例の
スリー・プレート金型構造においては、この段階で既に
ゲートの切断が完了しているので、ゲートの接続部によ
って製品が固定側型板2に引かれることはなく、従っ
て、製品の固定側残留といった問題も発生しない。ま
た、ピンポイントゲートを利用した従来型のスリー・プ
レート金型とは相違し、引張り力によってゲート部分の
樹脂を強制的に破断させて製品とランナとを分割する構
成ではないから、ゲートの断面が大きくても、製品部の
表面に破断による毟れやササクレ等が発生することがな
い。
【0032】そして、型開き用リンク21の長穴の全長
に匹敵する分だけ可動側型板3が固定側型板2から離間
すると、Lランナ20の樹脂をランナ形成用プレート4
の側に残したまま固定側型板2が可動側型板3と共に移
動を開始し、固定側型板2がランナ形成用プレート4か
ら離れて行く。そして、図2(a)に示されるように、
この間隙がLランナ20の樹脂の取出しに必要とされる
距離に達した段階でムービングプラテン14の移動を停
止させる。なお、ランナ形成用プレート4の表面にラン
ナ・ストリッパプレート25を配備してLランナ20の
樹脂の離型操作を行わせる場合には、この状態からムー
ビングプラテン14を更に移動させ、ランナ・ストリッ
パプレート25をランナ形成用プレート4から離間させ
てLランナ20の樹脂をランナ形成用プレート4から引
き剥がすことになる。
【0033】次に、図2(a)に示されるような型開き
状態で射出成形機のエジェクタロッド15を更に突出さ
せ、距離xを越えてエジェクタプレート6を前進させる
と、エジェクタプレート6の柱状空間18に臨む孔17
の右端面がエジェクタピン8の鍔部8cの左端面に衝接
し、エジェクタピン8がエジェクタプレート6と一体と
なって前進し、その先端がキャビティ9内の製品を押圧
して離型操作が行われる。なお、エジェクタピン8の突
出動作を繰り返し行う場合には、エジェクタプレート6
の柱状空間18に臨む孔16の左端面をエジェクタピン
8の鍔部8cの右端面に当ててエジェクタピン8を引き
戻す必要上、少なくとも、エジェクタプレート6と可動
側金型取付板13との離間距離がx未満となるまでエジ
ェクタロッド15を後退させてから次の離型操作を開始
する必要がある。
【0034】そして、最終的な離型操作が完了してエジ
ェクタロッド15の先端をムービングプラテン14の表
面から退避させると、リターンスプリング11の復元力
により、エジェクタプレート6とゲートカットピン5、
および、孔16の左端面で鍔部8cの右端面を押される
エジェクタピン8が共に図1に示されるような復帰位置
にまで自動復帰する。
【0035】また、Lランナ20の樹脂は、従来と同
様、ロボットハンド等によりランナ形成用プレート4か
ら剥離されて取り除かれ、次の成形作業のための型閉じ
動作の開始が許容されることとなる。なお、次の型閉じ
動作では、ムービングプラテン14の移動に応動して、
まず、最初に可動側型板3が固定側型板2に接触する位
置まで移動し、その後、可動側型板3と固定側型板2と
が一体となって型締め方向に移動し、固定側型板2がラ
ンナ形成用プレート4に接触した図1の状態で型締めが
開始される。
【0036】以上、一実施例としてゲートカットピン5
をエジェクタピン8と共にエジェクタプレート6に取り
付け、射出成形機のエジェクタロッド15を駆動源とし
てゲートカットピン5を駆動するようにしたものについ
て説明したが、ゲートカットピン5をエジェクタプレー
ト6と独立させて別の駆動源によって作動させるように
してもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明のスリー・プレート金型構造は、
Lランナを採用したスリー・プレート金型構造を適用す
ることでモールドベース中央部にキャビティを配備でき
るようにしたので、樹脂反力のばらつきで生じる部分的
な型開きによるバリの発生を確実に防止することができ
る。
【0038】また、Lランナからキャビティへの溶融樹
脂の供給は、ピンポイントゲートに比べて遥かに断面積
の大きなサイドゲートを介して行われるので、溶融樹脂
の充填および保圧作業が容易となり、保圧不良によるヒ
ケの発生等を確実に防止することができる。
【0039】しかも、製品とランナとを接続するゲート
部分の切断は、型開き開始前の段階でゲートカットピン
を作動させることによって簡単に行うことができるの
で、従来型のピンポイントゲート式スリー・プレート金
型の場合とは相違し、可動側型板と固定側型板の各々に
製品およびランナを食い付かせておいて型開き動作によ
ってゲート部分の強制破断を行うといった必要は全くな
く、この結果、ゲート断面が大きいにも関わらず、製品
の固定側残留や、ゲートの破断による製品表面の毟れ、
および、ササクレの発生といった問題は一切発生しな
い。
【0040】特に、本発明は、大きな投影面積を有する
製品の1個取り射出成形作業に対して有効であり、キャ
ビティの中央配置とゲートの拡径化およびゲートカット
ピンによるゲートの自動切断作業とにより、従来のサイ
ドゲート式ツー・プレート金型やダイレクトゲート式ツ
ー・プレート金型およびピンポイントゲート式スリー・
プレート金型では解消が困難であるとされていた部分的
な型開きによるバリの発生、ゲートの自動切断、ゲート
の縮径化による保圧不良の発生等を全て解消して、大投
影面積を有する製品の1個取り射出成形作業に確実に対
処することができる。
【0041】更に、エジェクタプレートとエジェクタピ
ンとの間に設けた簡単な差動機構により、エジェクタピ
ンとゲートカットピンとを単一の駆動源で実質的に独立
させて駆動するようにしているので、新規機構であるゲ
ートカットピンのための駆動源を改めて設ける必要もな
く、製造コスト上の問題も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスリー・プレート金型構造
を型締め状態で示す断面図である。
【図2】同実施例のスリー・プレート金型構造およびラ
ンナ・ストリッパプレートを取り付けた別の実施例のス
リー・プレート金型構造を型開き状態で示す断面図であ
る。
【図3】サイドゲートを使用したツー・プレート金型構
造の概略(従来例)を示す断面図である。
【図4】Lランナとピンポイントゲートとを組み合わせ
たスリー・プレート金型構造の概略(従来例)を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 スリー・プレート金型構造 2 固定側型板 3 可動側型板 4 ランナ形成用プレート 5 ゲートカットピン 6 エジェクタプレート 7 差動機構 8 エジェクタピン 8a 小径部 8b 大径部 8c 鍔部 9 キャビティ 10 サイドゲート 11 リターンスプリング 12 スペーサブロック 13 可動側金型取付板 14 ムービングプラテン 15 エジェクタロッド 16 孔 17 孔 18 柱状空間 19 スプルー 20 Lランナ 21 型開き用リンク 22 射出シリンダ 23 ステーショナリープラテン 24 ガイドロッド 25 ランナ・ストリッパプレート 26 型開き用リンク 27 ストッパボルト 100 スプルー 101 キャビティ 102 製品 103 固定側型板 104 可動側型板 105 Lランナ 106 ピンポイントゲート 107 ランナ形成用プレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側型板と可動側型板とランナ形成用
    プレートとを備えた射出成形機のスリー・プレート金型
    構造において、サイドゲートを備えたキャビティを固定
    側型板と可動側型板との間のモールドベース中央部に配
    備すると共に、前記サイドゲートの幅に相当するゲート
    カットピンを可動側型板に貫通させて摺動可能に設け、
    スプルーと前記サイドゲートとを連絡するLランナを固
    定側型板またはランナ形成用プレート内に配備したこと
    を特徴とするスリー・プレート金型構造。
  2. 【請求項2】 前記ゲートカットピンをエジェクタピン
    と共にエジェクタプレートに取り付けると共に、前記エ
    ジェクタプレートとエジェクタピンとの間に差動機構を
    設け、エジェクタプレートが所定量可動側型板に接近し
    てからエジェクタピンの突出動作が開始されるようにし
    た請求項1記載のスリー・プレート金型構造。
JP13890795A 1995-05-15 1995-05-15 スリー・プレート金型構造 Pending JPH08309802A (ja)

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