JPH08301931A - 耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造法 - Google Patents

耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造法

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JPH08301931A
JPH08301931A JP7137241A JP13724195A JPH08301931A JP H08301931 A JPH08301931 A JP H08301931A JP 7137241 A JP7137241 A JP 7137241A JP 13724195 A JP13724195 A JP 13724195A JP H08301931 A JPH08301931 A JP H08301931A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に有利に実施可能であり、耐熱性、溶
融混合性に優れた熱可塑性樹脂の製造法を提供すること
にある。 【構成】 メタクリル酸および/またはアクリル酸単位
を含むビニル単量体単位からなる共重合体を熱処理して
六員環酸無水物単位を含有する耐熱性熱可塑性樹脂を製
造するに際し、共重合体にテトラアルキルアンモニウム
塩0.001〜2重量%を存在させることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れた熱可塑
性樹脂の製造法に関し、さらに詳しくは、弱電部品や工
業部品、樹脂改質剤などの用途に好適な、六員環酸無水
物単位を含有し耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にメタクリル樹脂、ス
チレン樹脂あるいはメタクリル酸メチル/スチレン共重
合樹脂等は、その透明性、成形加工性などに優れている
ため、グレージング(はめ込み窓など)、灯光用カバ
ー、装飾品等として、屋内外を問わず自動車関連分野、
照明器具関連分野などの幅広い分野で使用されている。
【0003】しかしながら、自動車関連分野、照明器具
関連分野などでは、更に熱変形温度が高く、透明性、機
械的性質のよい樹脂材料の要求が高くなってきている。
この要求を満たすための多くの検討がなされ、例えば、
メタクリル酸とメタクリル酸メチルおよび/またはスチ
レンとの共重合によって耐熱性の優れた材料が製造でき
ることは既に知られている。しかし、一般にこの方法で
得られるメタクリル酸を共重合された樹脂は吸水性が高
くなるため、吸水による耐熱性の低下がみられるととも
に成形加工中に脱水により揮発性物質が発生して成形品
の外観が劣るものとなり実用化されていない。
【0004】これを改良するため、例えば特開昭49−
85184号公報には、共重合したエチレン系不飽和カ
ルボン酸基のある量をカルボン酸無水物基に転化するこ
とによって成形品の表面にスプラッシュの発生なしに耐
熱変形性の優れた熱可塑性共重合体を製造できることが
記載されている。しかしながら、この方法では、カルボ
ン酸基の十分な量を無水物に転化するためには共重合体
を押出機に繰り返し通すことが必要であって、工業プロ
セスとしては生産性が悪いという問題があり実用上使用
しにくい方法となっている。
【0005】また、特開昭60−120707号公報に
は、メタクリル酸メチル単位とアクリル酸又はメタクリ
ル酸単位を含む共重合体を溶媒存在下で連続的に反応を
行い、次いで共重合体溶液を高温真空室へ供給して未反
応物の除去および溶剤の除去を行い、六員環酸無水物単
位が形成された無色透明な耐熱性共重合体の製造方法が
開示されている。しかし、この方法で六員環酸無水物の
生成を行うには高温真空室中で共重合体の滞留時間を長
くとる必要があるため、生成ポリマーの着色などの問題
がでてくるといった問題がある。
【0006】一方、耐熱変形性の優れた熱可塑性共重合
体を製造するために閉環促進剤を使用する方法があり、
例えば閉環促進剤として塩基性化合物を用いる方法(特
開昭61−254608号公報)、あるいは有機カルボ
ン酸塩及び/又は炭酸塩から選ばれる化合物を用いる方
法(特開昭61−261303号公報)などが提案され
ているが、これらの方法で得られた熱可塑性共重合体に
は閉環促進剤として使用した触媒が残存しているため、
六員環酸無水物含有熱可塑性共重合体の物性の特徴を利
用し、他の樹脂と溶融混合して新規な物性を有する熱可
塑性樹脂を得る目的に使用した場合、閉環促進剤の触媒
の影響で改質樹脂の分子量が低下し強度を下げる原因と
なったり、成形加工時に加熱により着色を促進したりす
るなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、工業的に有利に実施可能であり、耐熱性、溶融
混合性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、工業的に
実施可能で、他の樹脂と溶融混合に適した六員環酸無水
物単位を含有する熱可塑性共重合体の製造方法を鋭意研
究を重ねた結果、改質樹脂の分子量の低下を起こさず、
成形加工時に加熱により着色を起こさない六員環酸無水
物単位を含有する熱可塑性共重合体を製造する方法を見
出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0009】即ち、上記目的は本発明によれば、メタク
リル酸および/またはアクリル酸単位を含むビニル単量
体単位からなる共重合体を熱処理して六員環酸無水物単
位を含有する耐熱性熱可塑性樹脂を製造するに際し、共
重合体に下記一般式(1)
【0010】
【化2】 [R4 N]+ - (1) (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6
〜14のシクロアルキル基であり、またXは塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
【0011】で表されるテトラアルキルアンモニウム塩
0.001〜2重量%を存在させることを特徴とする耐
熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法により達成でき
る。
【0012】本発明の方法に用いるメタクリル酸および
/またはアクリル酸単位を含むビニル単量体単位からな
る共重合体は、メタクリル酸および/またはアクリル酸
と、これと共重合可能な他のビニル単量体とからなる共
重合体であれば特に制限がないが、メタクリル酸メチル
単位および/またはスチレン単位を主体とし、これら
と、メタクリル酸および/またはアクリル酸単位と、所
望により共重合可能な他のビニル単量体単位とからなる
共重合体が好ましい。これらの中で、透明性、耐候性な
どの観点から、メタクリル酸メチル単位を主体とし、メ
タクリル酸および/またはアクリル酸単位、所望により
共重合可能な他のビニル単量体単位とからなる共重合体
が特に好ましい。
【0013】該共重合体におけるメタクリル酸および/
またはアクリル酸単位の含有量は、特に制限はないが、
共重合体の3〜50重量%、好ましくは3〜40重量%
であることが望ましい。メタクリル酸および/またはア
クリル酸単位の含有量が3重量%未満であると、他の樹
脂と溶融混合してこの六員環酸無水物単位の化学反応を
利用して新規な物性を有する熱可塑性樹脂を得る目的に
使用した場合、六員環酸無水物単位の量が少ないため、
新規な物性を有する熱可塑性樹脂が得られにくく好まし
くない。一方、含有量が50重量%を越えると、押出機
中でこの共重合体を六員環酸無水物単位を含有する熱可
塑性共重合体に変換し製造する際、ポリマー鎖間でカル
ボン酸による分子間架橋が発生して溶融押し出しが難し
くなる場合があり好ましくない。
【0014】メタクリル酸およびアクリル酸と共重合可
能な他のビニル単量体としては、一般に汎用熱可塑性樹
脂の単量体として用いられているものが適用でき、例え
ば、不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香族ビニル
化合物、塩化ビニル、アクリロニトリルなどが挙げられ
る。なかでも不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香
族ビニル化合物から選ばれた1種又は2種以上が好まし
く使用される。
【0015】上記不飽和カルボン酸アルキルエステルと
しては、例えばメタクリル酸エステル、アクリル酸エス
テルであり、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸n−ボルニル、メタクリル酸イソボロニル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル等が挙げられ、メタクリル酸メ
チルが最も好ましく用いられる。
【0016】また芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等が挙げられるが、スチレンが
最も好ましく用いられる。本発明の製造に用いる上記共
重合体は、前述の単量体を公知の懸濁重合、塊状重合、
乳化重合、溶液重合等の重合方法により製造することが
できるが、透明性の点で懸濁重合法、塊状重合法が特に
好ましく採用される。
【0017】本発明の方法に閉環促進剤として用いられ
るテトラアルキルアンモニウム塩を下記一般式(1)
【0018】
【化3】 [R4 N]+ - (1) (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6
〜14のシクロアルキル基であり、またXは塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
【0019】に示すが、具体的には、臭化テトラメチル
アンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テ
トラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニ
ウム、臭化テトラペンチルアンモニウム、臭化テトラヘ
キシルアンモニウム、臭化テトラヘプチルアンモニウ
ム、臭化テトラオクチルアンモニウム、臭化テトラシク
ロヘキシルアンモニウム、臭化テトラシクロオクチルア
ンモニウム、臭化テトラシクロデシルアンモニウム、臭
化テトラシクロドデシルアンモニウム、塩化テトラメチ
ルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化
テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモ
ニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラ
ヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモニウ
ム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラシク
ロヘキシルアンモニウム、塩化テトラシクロオクチルア
ンモニウム、塩化テトラシクロデシルアンモニウム、塩
化テトラシクロドデシルアンモニウム、ヨウ化テトラメ
チルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、
ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチ
ルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨ
ウ化テトラペンチルアンモニウム、ヨウ化テトラヘキシ
ルアンモニウム、ヨウ化テトラヘプチルアンモニウム、
ヨウ化テトラオクチルアンモニウム、ヨウ化テトラシク
ロヘキシルアンモニウム、ヨウ化テトラシクロオクチル
アンモニウム、ヨウ化テトラシクロデシルアンモニウ
ム、ヨウ化テトラシクロドデシルアンモニウムなどが挙
げられるが、樹脂の熱安定性などの点で特に臭化テトラ
エチルアンモニウムが好ましく用いられる。
【0020】これらのテトラアルキルアンモニウム塩の
形態としては固体、水溶液、有機溶剤溶液のいずれであ
っても良いが、取扱い性などの点で固体粉末状のものが
好ましく用いられる。その添加方法は、単量体の重合時
に単量体に一部あるいは全量添加しても良いし、または
共重合体に添加し混合機を用いて混合してもよい。また
その添加量は、共重合体とテトラアルキルアンモニウム
塩の総量に対して0.001〜2重量%であり、好まし
くは0.01〜1.0重量%である。添加量が0.00
1重量%未満の場合には、メタクリル酸またはアクリル
酸の分子内環化反応が遅く、特に押出機中での短時間熱
処理において六員環酸無水物へ変換する割合が少なくな
るため好ましくない。一方1重量%を越える場合には、
添加量に見合った分子内環化反応が促進されず、また分
子間反応が進行して架橋物が発生しやすくなるため好ま
しくない。
【0021】本発明の方法における熱処理を実施する方
法については公知の方法を用いることができ、例えば、
揮発成分除去のための真空機能を有する加熱炉、押出機
等を用いる方法が好ましく採用される。また熱処理の温
度は150〜350℃、好ましくは200〜350℃の
範囲で行うのが好ましい。
【0022】本発明は、上記メタクリル酸および/また
はアクリル酸単位を含むビニル単量体単位からなる共重
合体に上記テトラアルキルアンモニウム塩を0.001
〜2重量%存在させて熱処理して六員環酸無水物単位を
含有する耐熱性熱可塑性樹脂を製造する方法であり、一
軸または多軸スクリューのベント付き押出機を用いる好
ましい態様として、例えば、共重合体に所望量のテトラ
アルキルアンモニウム塩を添加したものを該押出機に供
給し、200〜350℃、好ましくは260〜320℃
の温度範囲で熱処理される。この場合、押出機中の滞留
時間は0.5〜5分間の範囲であることが好ましい。ま
た熱処理時の圧力としては、常圧下でも分子内環化反応
は進行し六員環酸無水物への変換を行うことができる
が、減圧下、好ましくは100Torr以下で行うことによ
り、十分に分子内環化反応が完結でき六員環酸無水物へ
完全に変換することができるのでより好ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例でさらに詳しく説明する。な
お、実施例、比較例で用いた評価・測定方法は次のとお
りである。 (1)六員環酸無水物の定量方法 攪拌機の備わった300mlオートクレーブを用い、六
員環酸無水物単位を含有する熱可塑性樹脂15gをエタ
ノール100ml中に仕込み、120℃に加熱し無水物
をカルボン酸とエチルエステルの半エステルに完全に変
換した後、室温までポリマー溶液を冷却して、60℃で
減圧乾燥した。
【0024】このサンプルを核磁気共鳴測定装置(日本
電子製GX270MHz)を用い六員環酸無水物からの
エチルエステルに基づく4ppmのメチレンプロトンピ
ーク、メタクリル酸メチルのメチルエステルに基づく
3.6ppmのメチルプロトンピーク、メタクリル酸の
カルボン酸に基づく12.2ppmのピークの積分強度
をもとに六員環酸無水物およびメタクリル酸メチル、メ
タクリル酸の定量を行った。
【0025】(2)熱変形温度の測定方法 ASTM D−648に基づいて測定した。 (3)溶融混合性評価 他の樹脂としてポリカーボネート重合体(出光石油化学
製タフロンI−2200)を用い、これと得られたペレ
ットとの溶融混合物のアイゾット衝撃値により評価を行
った。 (4)アイゾット衝撃強度の測定方法 ASTM D−256に基づいて測定した。
【0026】実施例1 攪拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、6800gのメタクリル酸、15900
gのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカプタ
ンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加え、こ
の混合物を窒素雰囲気下で撹拌し内温を60℃に昇温し
て重合を行った。4時間後に温度を100℃に上げ、更
に1.5時間重合を行い反応を完結させた。その後重合
物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗浄の後8
0℃で乾燥を行った。このビーズの組成は、NMR分析
の結果30mol%のメタクリル酸、70mol%のメ
タクリル酸メチルであった。
【0027】このビーズに臭化テトラエチルアンモニウ
ム0.6重量%をミキサーにより混合した後、これをベ
ント付き30φ二軸押出機(池貝製PCM−30型L/
D=33.5)を用い、押出温度280℃、スクリュー
回転数90rpmで押し出し、造粒した。得られたペレ
ットのポリマー組成は六員環無水物の定量方法によりN
MR測定から分析したところ、六員環酸無水物が21m
ol%,メタクリル酸が9mol%,メタクリル酸メチ
ルが70mol%であった。熱変形温度(以下、HDT
と略記する)は135℃であった。
【0028】また、六員環無水物を含有する上記ペレッ
トとポリカーボネートとを重量比5/95の比率で二軸
押出機で溶融混練を行い、射出成形機(日本製鋼所製N
70A型)を用いて成形温度280℃、金型温度80℃
の条件で所定の試験片を作成した。この試験片のアイゾ
ット衝撃値は15kg・cm/cm で良好な値を示した。
【0029】実施例2 攪拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4540gのメタクリル酸と18160
gのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカプタ
ンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加え、こ
の混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、内温を62℃に昇温
して重合を行った。4時間後に温度を100℃に上げ、
更に1.5時間重合を行い反応を完結させた。その後重
合物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗浄の後
80℃で乾燥を行った。得られたビーズの組成は、NM
R分析の結果20mol%のメタクリル酸、80mol
%のメタクリル酸メチルであった。
【0030】このビーズに臭化テトラエチルアンモニウ
ム0.6重量%をミキサーにより混合して、ベント付き
30φ二軸押出機(池貝製PCM−30L/D=33.
5)を用い、押出温度280℃、スクリュー回転数90
ppmで押し出し、造粒した。このペレットのポリマー
組成は、六員環無水物の定量方法によりNMR測定から
分析したところ、六員環酸無水物が15mol%,メタ
クリル酸が5mol%,メタクリル酸メチルが80mo
l%であった。HDTは123℃であった。また、他の
樹脂との溶融混合性を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、アイゾット衝撃値は13kg・cm/cm で良好な値を示
した。
【0031】実施例3 攪拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4540gのメタクリル酸、4540g
のスチレン、13620gのメタクリル酸メチル、90
gのオクチルメルカプタンおよび80gのラウロイルパ
ーオキサイドを加え、この混合物を窒素雰囲気下で撹拌
し、内温を70℃に昇温して重合を行った。4時間後に
温度を110℃に上げ、更に1.5時間重合を行い反応
を完結させた。その後重合物を冷却して取り出し、遠心
分離を行い、水洗浄の後80℃で乾燥を行った。得られ
たビーズの組成は、NMR分析の結果20mol%のメ
タクリル酸、20mol%のスチレン、60mol%の
メタクリル酸メチルであった。
【0032】このビーズに臭化テトラエチルアンモニウ
ム0.6重量%をミキサーにより混合して、ベント付き
30φ二軸押出機(池貝製PCM−30L/D=33.
5)を用い、押出温度280℃、スクリュー回転数90
ppmで押し出し、造粒した。このペレットのポリマー
組成は、六員環無水物の定量方法によりNMR測定から
分析したところ、グルタル酸無水物が15mol%、メ
タクリル酸が5mol%、スチレン20mol%、メタ
クリル酸メチルが60mol%であった。HDTは12
0℃であった。また、他の樹脂との溶融混合性を実施例
1と同様に評価したところ、アイゾット衝撃値は12.
5kg・cm/cm で良好な値を示した。
【0033】比較例1 攪拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4540gのメタクリル酸、18160
gのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカプタ
ンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加え、こ
の混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、内温を62℃に昇温
して重合を行った。4時間後に温度を100℃に上げ、
更に1.5時間重合を行い反応を完結させた。その後重
合物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗浄の後
80℃で乾燥を行った。得られたビーズの組成は、NM
R分析の結果20mol%のメタクリル酸、80mol
%のメタクリル酸メチルであった。
【0034】このビーズに酢酸カリウム0.6重量%を
ミキサーにより混合して、これをベント付き30φ二軸
押出機(池貝製PCM−30型L/D=33.5)を用
い、押出温度280℃、スクリュー回転数90rpmで
押し出し、造粒した。得られたペレットのポリマー組成
は、六員環無水物の定量方法によりNMR測定から分析
したところ、グルタル酸無水物が15mol%、メタク
リル酸が5mol%、メタクリル酸メチルが80mol
%であった。HDTは122℃であった。また、他の樹
脂との溶融混合性を実施例1と同様に評価したところ、
アイゾット衝撃値は4kg・cm/cm でかなり衝撃値が低下
した。また試験片は黄色に着色していた。
【0035】比較例2 比較例1で得られたビ−ズにナトリウムメチラ−ト0.
6重量%を、比較例1と同様にして、混合、次いで押し
出しし、造粒した。得られたペレットのポリマー組成
は、六員環無水物の定量方法によりNMR測定から分析
したところ、六員環酸無水物が15mol%、メタクリ
ル酸が5mol%、メタクリル酸メチルが80mol%
であった。HDTは122℃であった。また、他の樹脂
との溶融混合性を実施例1と同様に評価したところ、ア
イゾット衝撃値は3.5kg・cm/cm でかなり衝撃値が低
下した。また試験片はかなり濃い黄色に着色していた。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、工業的に有利に
押出機などを用いて、極めて短時間に六員環酸無水物単
位を含有する熱可塑性共重合体を製造できる。この六員
環酸無水物単位を含有する熱可塑性樹脂は、透明性、耐
熱性、溶融混合性等に優れているため、弱電部品や工業
部品、樹脂改質剤などの各用途に好適に用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸および/またはアクリル酸
    単位を含むビニル単量体単位からなる共重合体を熱処理
    して六員環酸無水物単位を含有する耐熱性熱可塑性樹脂
    を製造するに際し、共重合体に下記一般式(1) 【化1】 [R4 N]+ - (1) (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6
    〜14のシクロアルキル基であり、またXは塩素原子、
    臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表されるテトラ
    アルキルアンモニウム塩0.001〜2重量%を存在さ
    せることを特徴とする耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製
    造法。
  2. 【請求項2】 共重合体が、メタクリル酸メチル単位を
    主体とし、共重合体中のメタクリル酸および/またはア
    クリル酸単位の含有量が3〜50重量%である請求項1
    項記載の製造法。
  3. 【請求項3】 押出機中200〜350℃の温度で熱処
    理することを特徴とする請求項1または2記載の製造
    法。
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Cited By (5)

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