JPH093125A - 耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法

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JPH093125A
JPH093125A JP12274896A JP12274896A JPH093125A JP H093125 A JPH093125 A JP H093125A JP 12274896 A JP12274896 A JP 12274896A JP 12274896 A JP12274896 A JP 12274896A JP H093125 A JPH093125 A JP H093125A
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JP
Japan
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copolymer
methacrylic acid
acrylic acid
methyl methacrylate
thermoplastic resin
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JP12274896A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Akiyama
和彦 秋山
Yoshifumi Murata
好史 村田
Mitsuo Otani
三夫 大谷
Motohiro Fukuda
始弘 福田
Yukiatsu Furumiya
行淳 古宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、溶融混合性に優れた熱可塑性樹脂の
工業的に有利な製造方法を提供する。 【解決手段】 メタクリル酸および/またはアクリル酸
単位を含むビニル単量体単位からなる共重合体を熱処理
して六員環酸無水物単位を含有する耐熱性熱可塑性樹脂
を製造するに際し、共重合体にホスホニウム塩0.00
1〜1重量%を存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れた熱
可塑性樹脂の製造方法に関し、さらに詳しくは、弱電部
品や工業部品、樹脂改質剤などの用途に好適な、六員環
酸無水物単位を含有し耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にメタクリル樹脂、ス
チレン樹脂あるいはメタクリル酸メチル/スチレン共重
合樹脂等は、その透明性、成形加工性などに優れている
ため、グレージング(はめ込み窓など)、灯光用カバ
ー、装飾品等として、屋内外を問わず自動車関連分野、
照明器具関連分野などの幅広い分野で使用されている。
しかしながら、自動車関連分野、照明器具関連分野など
では、更に熱変形温度が高く、透明性、機械的性質のよ
い樹脂材料の要求が高くなってきている。この要求を満
たすための多くの検討がなされ、例えば、メタクリル酸
とメタクリル酸メチルおよび/またはスチレンとの共重
合によって耐熱性の優れた材料が製造できることは既に
知られている。しかし、一般にこの方法で得られるメタ
クリル酸を共重合された樹脂は吸水性が高くなるため、
吸水による耐熱性の低下がみられるとともに成形加工中
の脱水により揮発性物質が発生して成形品の外観が劣る
ものとなり実用化されていない。
【0003】これを改良するため、例えば特開昭49−
85184号公報には、共重合したエチレン系不飽和カ
ルボン酸基のある量をカルボン酸無水物基に転化するこ
とによって成形品の表面にスプラッシュの発生なしに耐
熱変形性の優れた熱可塑性共重合体を製造できることが
記載されている。しかしながら、この方法では、カルボ
ン酸基の十分な量を無水物に転化するためには共重合体
を押出機に繰り返し通すことが必要であって、工業プロ
セスとしては生産性が悪いという問題があり実用上使用
しにくい方法となっている。また、特開昭60−120
707号公報には、メタクリル酸メチル単位とアクリル
酸又はメタクリル酸単位を含む共重合体を溶媒存在下で
連続的に反応を行い、次いで共重合体溶液を高温真空室
へ供給して未反応物の除去および溶剤の除去を行い、六
員環酸無水物単位が形成された無色透明な耐熱性共重合
体の製造方法が開示されている。しかし、この方法で六
員環酸無水物の生成を行うには高温真空室中で共重合体
の滞留時間を長くとる必要があるため、生成ポリマーの
着色などの問題がでてくるといった問題がある。
【0004】一方、耐熱変形性の優れた熱可塑性共重合
体を製造するために閉環促進剤を使用する方法があり、
例えば閉環促進剤として塩基性化合物を用いる方法(特
開昭61−254608号公報)、あるいは有機カルボ
ン酸塩及び/又は炭酸塩から選ばれる化合物を用いる方
法(特開昭61−261303号公報)などが提案され
ているが、これらの方法で得られた熱可塑性共重合体に
は閉環促進剤として使用した触媒が残存しているため、
六員環酸無水物含有熱可塑性共重合体の物性の特徴を利
用し、他の樹脂と溶融混合して新規な物性を有する熱可
塑性樹脂を得る目的に使用した場合、閉環促進剤の触媒
の影響で改質樹脂の分子量が低下し強度を下げる原因と
なったり、成形加工時に加熱により着色を促進したりす
るなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、工業的に有利に実施可能であり、耐熱性、溶融
混合性に優れた熱可塑性樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、工業的に
実施可能で、他の樹脂と溶融混合に適した六員環酸無水
物単位を含有する熱可塑性共重合体の製造方法について
鋭意研究を重ねた結果、改質樹脂の分子量の低下を起こ
さず、成形加工時に加熱により着色を起こさない六員環
酸無水物単位を含有する熱可塑性共重合体を製造する方
法を見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至っ
た。即ち、上記目的は本発明によれば、メタクリル酸お
よび/またはアクリル酸単位を含むビニル単量体単位か
らなる共重合体を熱処理して六員環酸無水物単位を含有
する耐熱性熱可塑性樹脂を製造するに際し、共重合体に
下記一般式(1)
【0007】
【化2】 [R4 P]+- (1) (式中、Rはアルキル基またはフェニル基であり、また
Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
【0008】で表されるホスホニウム塩0.001〜1
重量%を存在させることを特徴とする耐熱性に優れた熱
可塑性樹脂の製造方法により達成することができる。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法に用いるメタクリル酸および/またはアクリル酸単
位を含むビニル単量体単位からなる共重合体は、メタク
リル酸および/またはアクリル酸と、これと共重合可能
な他のビニル単量体とからなる共重合体であれば特に制
限がないが、メタクリル酸メチル単位および/またはス
チレン単位を主体とし、これらと、メタクリル酸および
/またはアクリル酸単位と、所望により共重合可能な他
のビニル単量体単位とからなる共重合体が好ましい。こ
れらの中で、透明性、耐候性などの観点から、メタクリ
ル酸メチル単位を主体とし、メタクリル酸および/また
はアクリル酸単位、所望により共重合可能な他のビニル
単量体単位とからなる共重合体が特に好ましい。該共重
合体におけるメタクリル酸および/またはアクリル酸単
位の含有量は、特に制限はないが、共重合体の3〜50
重量%、好ましくは10〜40重量%であることが望ま
しい。
【0010】メタクリル酸およびアクリル酸と共重合可
能な他のビニル単量体としては、一般に汎用熱可塑性樹
脂の単量体として用いられているものが適用でき、例え
ば、不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香族ビニル
化合物、塩化ビニル、アクリロニトリルなどが挙げられ
る。なかでも不飽和カルボン酸アルキルエステル、芳香
族ビニル化合物から選ばれた1種又は2種以上が好まし
く使用される。上記不飽和カルボン酸アルキルエステル
としては、例えばメタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステルであり、具体的にはメタクリル酸メチル、メタク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリ
ル酸n−ボルニル、メタクリル酸イソボロニル、メタク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられ、メタクリル酸
メチルが好ましく用いられる。また芳香族ビニル化合物
としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ
るが、スチレンが好ましく用いられる。本発明の製造に
用いる上記共重合体は、前述の単量体を公知の懸濁重
合、塊状重合、乳化重合、溶液重合等の重合方法により
製造することができるが、透明性などの点で懸濁重合
法、塊状重合法が特に好ましく採用される。
【0011】本発明の方法に閉環促進剤として用いるホ
スホニウム塩としては、下記一般式(1)
【0012】
【化3】 [R4 P]+- (1) (式中、Rはアルキル基またはフェニル基であり、また
Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
【0013】で表されるホスホニウム塩であり、上記R
の炭素数については特に制限はないが、Rが炭素数1〜
20程度の分岐していてもよいアルキル基、炭素数6〜
20程度の置換していてもよいシクロアルキル基、また
は置換していてもよいフェニル基であるものが好まし
い。上記ホスホニウム塩の具体例としては、臭化テトラ
メチルホスホニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、
臭化テトラプロピルホスホニウム、臭化テトラブチルホ
スホニウム、臭化ヘキシルトリメチルホスホニウム、臭
化ドデシルトリメチルホスホニウム、臭化ヘキサデシル
トリブチルホスホニウム、臭化テトラデシルトリメチル
ホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、
臭化プロピルトリフェニルホスホニウム、臭化ブチルト
リフェニルホスホニウム、臭化アミルトリフェニルホス
ホニウム、臭化ヘキシルトリフェニルホスホニウム、臭
化ヘプチルトリフェニルホスホニウム、臭化テトラフェ
ニルホスホニウム等;これら化合物の臭素原子が塩素原
子またはヨウ素原子に置き代わった化合物等が挙げられ
るが、これらの化合物中、臭化テトラブチルホスホニウ
ム、臭化ブチルトリフェニルホスホニウム、臭化ヘキサ
デシルトリブチルホスホニウムまたは臭化テトラフェニ
ルホスホニウムなどが樹脂の熱安定性などの点で好まし
く用いられる。
【0014】上記ホスホニウム塩の形態としては固体、
水溶液、有機溶剤溶液のいずれであっても良いが、取扱
い性などの点で固体粉末状のものが好ましく用いられ
る。これを共重合体に存在させる方法としては、特に制
限はなく、例えば、単量体の重合時に単量体に一部ある
いは全量添加しても良いし、または共重合体に添加し混
合機を用いて混合してもよい。またその添加量は、共重
合体とホスホニウム塩の総量に対して0.001〜1重
量%であり、好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。添加量が0.001重量%未満の場合には、メタク
リル酸またはアクリル酸の分子内環化反応が遅く、特に
押出機中での短時間熱処理において六員環酸無水物へ変
換する割合が少なくなるため好ましくない。一方1重量
%を越える場合には、添加量に見合った分子内環化反応
が促進されず、また分子間反応が進行して架橋物が発生
しやすくなるため好ましくない。
【0015】本発明の方法における熱処理を実施する方
法については特に制限はなく、例えば、揮発成分除去の
ための真空機能を有する加熱炉、押出機等を用いる方法
が好ましく採用される。また熱処理の温度は150〜3
50℃、好ましくは200〜350℃の範囲で行うのが
好ましい。
【0016】本発明は、上記メタクリル酸および/また
はアクリル酸単位を含むビニル単量体単位からなる共重
合体に上記ホスホニウム塩を0.001〜1重量%存在
させて熱処理して六員環酸無水物単位を含有する耐熱性
熱可塑性樹脂を製造する方法であり、一軸または多軸ス
クリューのベント付き押出機を用いる好ましい態様とし
て、例えば、共重合体に所望量の上記ホスホニウム塩を
添加したものを該押出機に供給し、200〜350℃、
好ましくは260〜320℃の温度範囲で熱処理され
る。この場合、押出機中の滞留時間は0.5〜5分間の
範囲であることが好ましい。また熱処理時の圧力として
は、常圧下でも分子内環化反応は進行し六員環酸無水物
への変換を行うことができるが、減圧下、好ましくは1
00Torr以下で行うことにより、十分に分子内環化反応
が完結でき六員環酸無水物へほぼ完全に変換することが
できるのでより好ましい。
【0017】
【実施例】以下、実施例でさらに詳しく説明する。な
お、実施例、比較例で用いた評価・測定方法は次のとお
りである。 (1)六員環酸無水物の定量方法 撹拌機の備わった300mlオートクレーブを用い、六
員環酸無水物単位を含有する熱可塑性樹脂15gをエタ
ノール100ml中に仕込み、120℃に加熱し無水物
をカルボン酸とエチルエステルの半エステルに変換した
後、室温までポリマー溶液を冷却して、60℃で減圧乾
燥した。このサンプルを核磁気共鳴測定装置(日本電子
製GX270MHz)を用い六員環酸無水物からのエチ
ルエステルに基づく4ppmのメチレンプロトンピー
ク、メタクリル酸メチルのメチルエステルに基づく3.
6ppmのメチルプロトンピーク、メタクリル酸のカル
ボン酸に基づく12.2ppmのピークの積分強度をも
とに六員環酸無水物およびメタクリル酸メチル、メタク
リル酸の定量を行った。 (2)熱変形温度の測定方法 ASTM D−648に基づいて測定した。 (3)溶融混合性評価 他の樹脂としてポリカーボネート重合体(出光石油化学
製タフロンI−2200)を用い、これと得られたペレ
ットとの溶融混合物のアイゾット衝撃値により評価を行
った。 (4)アイゾット衝撃強度の測定方法 ASTM D−256に基づいて測定した。
【0018】実施例1 撹拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、6.8kgのメタクリル酸、15.9k
gのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカプタ
ンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加え、こ
の混合物を窒素雰囲気下で攪拌し内温を60℃に昇温し
て重合を行った。4時間後に温度を100℃に上げ、更
に1.5時間重合を行い反応を完結させた。その後重合
物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗浄の後8
0℃で乾燥を行った。このビーズの組成は、NMR分析
の結果30mol%のメタクリル酸、70mol%のメ
タクリル酸メチルであった。このビーズに臭化テトラブ
チルホスホニウム0.1重量%をミキサーにより混合し
た後、これをベント付き30φ二軸押出機(池貝製PC
M−30型L/D=33.5)を用い、押出温度280
℃、スクリュー回転数90rpmで押し出し、造粒し
た。得られたペレットのポリマー組成は六員環無水物の
定量方法によりNMR測定から分析したところ、六員環
酸無水物が21mol%,メタクリル酸が9mol%,
メタクリル酸メチルが70mol%であった。熱変形温
度(以下、HDTと略記する)は135℃であった。ま
た、六員環無水物を含有する上記ペレットとポリカーボ
ネートとを重量比5/95の比率で二軸押出機で溶融混
練を行い、射出成形機(日本製鋼所製N70A型)を用
いて成形温度280℃、金型温度80℃の条件で所定の
試験片を作製した。この試験片のアイゾット衝撃値は1
2.9kg・cm/cm と良好な値を示した。
【0019】実施例2 撹拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4.54kgのメタクリル酸と18.1
6kgのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカ
プタンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加
え、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌し、内温を62℃
に昇温して重合を行った。4時間後に温度を100℃に
上げ、更に1.5時間重合を行い反応を完結させた。そ
の後重合物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗
浄の後80℃で乾燥を行った。得られたビーズの組成
は、NMR分析の結果20mol%のメタクリル酸、8
0mol%のメタクリル酸メチルであった。このビーズ
に臭化テトラブチルホスホニウム0.1重量%をミキサ
ーにより混合して、ベント付き30φ二軸押出機(池貝
製PCM−30L/D=33.5)を用い、押出温度2
80℃、スクリュー回転数90ppmで押し出し、造粒
した。このペレットのポリマー組成は、六員環無水物の
定量方法によりNMR測定から分析したところ、六員環
酸無水物が15mol%,メタクリル酸が5mol%,
メタクリル酸メチルが80mol%であった。HDTは
123℃であった。また、他の樹脂との溶融混合性を実
施例1と同様に評価したところ、アイゾット衝撃値は1
0.4kg・cm/cm と良好な値を示した。
【0020】実施例3 撹拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4.54kgのメタクリル酸、4.54
kgのスチレン、13.62kgのメタクリル酸メチ
ル、90gのオクチルメルカプタンおよび80gのラウ
ロイルパーオキサイドを加え、この混合物を窒素雰囲気
下で攪拌し、内温を70℃に昇温して重合を行った。4
時間後に温度を100℃に上げ、更に1.5時間重合を
行い反応を完結させた。その後重合物を冷却して取り出
し、遠心分離を行い、水洗浄の後80℃で乾燥を行っ
た。得られたビーズの組成は、NMR分析の結果20m
ol%のメタクリル酸、20mol%のスチレン、60
mol%のメタクリル酸メチルであった。このビーズに
臭化テトラブチルホスホニウム0.1重量%をミキサー
により混合して、ベント付き30φ二軸押出機(池貝製
PCM−30L/D=33.5)を用い、押出温度28
0℃、スクリュー回転数90ppmで押し出し、造粒し
た。このペレットのポリマー組成は、六員環無水物の定
量方法によりNMR測定から分析したところ、六員環酸
無水物が15mol%、メタクリル酸が5mol%、ス
チレン20mol%、メタクリル酸メチルが60mol
%であった。HDTは120℃であった。また、他の樹
脂との溶融混合性を実施例1と同様に評価したところ、
アイゾット衝撃値は10.0kg・cm/cm と良好な値を示
した。
【0021】比較例1 撹拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、4.54kgのメタクリル酸、18.1
6kgのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカ
プタンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加
え、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌し、内温を62℃
に昇温して重合を行った。4時間後に温度を100℃に
上げ、更に1.5時間重合を行い反応を完結させた。そ
の後重合物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗
浄の後80℃で乾燥を行った。得られたビーズの組成
は、NMR分析の結果20mol%のメタクリル酸、8
0mol%のメタクリル酸メチルであった。このビーズ
に酢酸カリウム0.1重量%をミキサーにより混合し
て、これをベント付き30φ二軸押出機(池貝製PCM
−30型L/D=33.5)を用い、押出温度280
℃、スクリュー回転数90rpmで押し出し、造粒し
た。得られたペレットのポリマー組成は、六員環無水物
の定量方法によりNMR測定から分析したところ、六員
環酸無水物が15mol%、メタクリル酸が5mol
%、メタクリル酸メチルが80mol%であった。HD
Tは122℃であった。また、他の樹脂との溶融混合性
を実施例1と同様に評価したところ、アイゾット衝撃値
は5.2kg・cm/cm とかなり低い値を示した。また試験
片は黄色に着色していた。
【0022】比較例2 比較例1で得られたビ−ズにナトリウムメチラ−ト0.
1重量%を、比較例1と同様にして、混合、次いで押し
出しし、造粒した。得られたペレットのポリマー組成
は、六員環無水物の定量方法によりNMR測定から分析
したところ、六員環酸無水物が15mol%、メタクリ
ル酸が5mol%、メタクリル酸メチルが80mol%
であった。HDTは122℃であった。また、他の樹脂
との溶融混合性を実施例1と同様に評価したところ、ア
イゾット衝撃値は4.0kg・cm/cm とかなり低い値を示
した。また試験片はかなり濃い黄色に着色していた。
【0023】実施例4〜6 ビ−ズに混合する臭化テトラブチルホスホニウムを臭化
テトラフェニルホスホニウムに代えるほかは実施例1〜
3と同様にして、それぞれペレットを得た。得られたペ
レットのポリマー組成、HDTおよび他の樹脂との溶融
混合性を測定・評価した結果、それぞれ実施例1〜3と
同様の結果を得た。
【0024】実施例7 撹拌機の備わった75リットルオートクレーブに31.
3リットルの水と50gのヒドロキシセルロースを仕込
み溶解した後、5.68kgのメタクリル酸、17.0
3kgのメタクリル酸メチル、90gのオクチルメルカ
プタンおよび80gのラウロイルパーオキサイドを加
え、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌し内温を60℃に
昇温して重合を行った。4時間後に温度を100℃に上
げ、更に1.5時間重合を行い反応を完結させた。その
後重合物を冷却して取り出し、遠心分離を行い、水洗浄
の後80℃で乾燥を行った。このビーズの組成は、NM
R分析の結果25mol%のメタクリル酸、75mol
%のメタクリル酸メチルであった。このビーズに臭化ト
リブチルヘキサデシルホスホニウム0.1重量%をミキ
サーにより混合した後、これをベント付き30φ二軸押
出機(池貝製PCM−30型L/D=33.5)を用
い、押出温度280℃、スクリュー回転数90rpmで
押し出し、造粒した。得られたペレットのポリマー組成
は六員環無水物の定量方法によりNMR測定から分析し
たところ、六員環酸無水物が21mol%,メタクリル
酸が5mol%,メタクリル酸メチルが74mol%で
あった。HDTは132℃であった。また、六員環無水
物を含有する上記ペレットとポリカーボネートとを重量
比5/95の比率で二軸押出機で溶融混練を行い、射出
成形機(日本製鋼所製N70A型)を用いて成形温度2
80℃、金型温度80℃の条件で所定の試験片を作製し
た。この試験片のアイゾット衝撃値は11kg・cm/cm と
良好な値を示した。
【0025】実施例8 実施例7で得られたビ−ズに臭化ブチルトリフェニルホ
スホニウム0.1重量%を、実施例7と同様にして、混
合、次いで押し出しし、造粒した。得られたペレットの
ポリマー組成は、六員環無水物の定量方法によりNMR
測定から分析したところ、六員環酸無水物が22mol
%、メタクリル酸が3mol%、メタクリル酸メチルが
75mol%であった。HDTは136℃であった。ま
た、他の樹脂との溶融混合性を実施例1と同様に評価し
たところ、アイゾット衝撃値は11.5kg・cm/cm と良
好な値を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、押出機などを用
いて極めて短時間に六員環酸無水物単位を含有する熱可
塑性共重合体を製造でき、工業的に有利である。この六
員環酸無水物単位を含有する熱可塑性樹脂は、透明性、
耐熱性、溶融混合性等に優れているため、弱電部品や工
業部品、樹脂改質剤などの各用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 始弘 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 古宮 行淳 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸および/またはアクリル酸
    単位を含むビニル単量体単位からなる共重合体を熱処理
    して六員環酸無水物単位を含有する耐熱性熱可塑性樹脂
    を製造するに際し、共重合体に下記一般式(1) 【化1】 [R4 P]+- (1) (式中、Rはアルキル基またはフェニル基であり、また
    Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で
    表されるホスホニウム塩0.001〜1重量%を存在さ
    せることを特徴とする耐熱性に優れた熱可塑性樹脂の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 共重合体が、メタクリル酸メチル単位を
    主体とし、共重合体中のメタクリル酸および/またはア
    クリル酸単位の含有量が3〜50重量%である請求項1
    項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 押出機中200〜350℃の温度で熱処
    理することを特徴とする請求項1または2記載の製造方
    法。
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