JPH082979A - 多孔質炭素材およびその製造方法 - Google Patents

多孔質炭素材およびその製造方法

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JPH082979A
JPH082979A JP6292150A JP29215094A JPH082979A JP H082979 A JPH082979 A JP H082979A JP 6292150 A JP6292150 A JP 6292150A JP 29215094 A JP29215094 A JP 29215094A JP H082979 A JPH082979 A JP H082979A
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resin
composite sheet
sheet
porous composite
producing
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JP6292150A
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Hiroyuki Tajiri
博幸 田尻
Yoshiteru Nakagawa
喜照 中川
Yoshiaki Iwaya
嘉昭 岩屋
Yoshiharu Tanaka
良晴 田中
Keiichi Asami
圭一 浅見
Shinji Okumura
新司 奥村
Katsuyuki Toma
克行 當麻
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Osaka Gas Co Ltd
Unitika Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
Unitika Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均質性、ガス透過性、電気伝導性、熱伝導性
及び機械的強度の高い多孔質炭素材を得る上で有用な多
孔質複合シートを得る。 【構成】 炭素繊維化可能な繊維や炭素繊維100重量
部に対して、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂10〜
300重量部を含むスラリーを抄紙し、抄紙構造を有す
る抄紙体1を作製する。抄紙体はピッチや有機粒状物質
を含んでいてもよい。抄紙体1を一対のベルト2a,2
b間で挾圧し、熱硬化性樹脂の硬化を抑制しつつ加熱加
圧成形し、成形シート4を作製する。この成形シート4
を、凸部6が形成された金型5a,5b内にクリアラン
スを有するように配置し、前記樹脂の溶融温度以上に再
加熱して膨脹・完全硬化させ、溝8が形成された多孔質
複合シート7を得る。この多孔質複合シートを炭化又は
黒鉛化することにより、燃料電池用電極基板などとして
有用な多孔質炭素材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸型燃料電池用電
極基板、電磁シールド材、導電性シート、炭素質クッシ
ョン材、高温真空炉壁断熱材などとして使用できる多孔
質炭素材、この炭素材を得る上で有用な多孔質複合シー
トの製造方法、および前記多孔質炭素材の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料は、耐熱性、耐蝕性、導電性や
機械的強度などに優れるため、燃料電池用電極材料、電
磁シールド材料などとして広く利用されている。炭素材
料のうち、フィルム又はシート状の炭素材、例えば、黒
鉛シートは、壁面などに貼合せることにより、耐熱性、
耐蝕性、電磁シールド性などを付与できる。
【0003】しかし、黒鉛シートは、天然リン状黒鉛を
酸処理及び熱処理し、結合剤と混合してシート又はフィ
ルム状に加圧成形して得られるので、非多孔質であると
共に、未だ、導電性、熱伝導性、機械的強度、緩衝性が
低く、その利用が大きく制限される。
【0004】一方、板状の炭素材は、炭化又は黒鉛化可
能な繊維及び/又は炭素繊維と、炭化又は黒鉛化可能な
粉粒状結合剤とを混合し、板状に加熱加圧成形し、炭化
又は黒鉛化処理することにより得ることもできる。この
ような板状の炭素材は、例えば、燃料電池の電極基板と
して利用できる。
【0005】前記燃料電池は、他の発電装置と異なり、
SOx 、NOx 及び粉塵などの公害物質の発生が極めて
少なく、騒音発生源も少ないなどの特徴を有している。
このような燃料電池のうちリン酸型燃料電池は、電解液
の両側にポーラスな負極と正極を設けて単位セルを構成
し、各単位セルをセパレータを介して積層した構造を有
する。前記負極および正極の表面には、通常、ガス流路
を形成するため、切削加工により溝が形成されている。
【0006】前記負極および正極には、電気エネルギー
への変換効率を高めるため、細孔分布を任意にコントロ
ールでき、ガス透過性が高いことが要求される。さら
に、電気伝導性、熱伝導性、機械的強度および作動温度
における耐リン酸液性などが要求される。
【0007】特公平1−36670号公報には、燃料電
池電極板の製造方法に関し、フェノール樹脂などの結合
剤と、炭素繊維と、粉粒状の熱可塑性樹脂とを乾式混合
し、混合物を熱ロールや熱プレスによりシート状に加圧
成形し、炭化又は黒鉛化処理する方法が開示されてい
る。
【0008】しかし、この方法では、炭素繊維と、結合
剤及び熱可塑性樹脂とが、混合性の悪い繊維状と粉粒状
であるため、乾式混合により、炭素繊維と結合剤及び熱
可塑性樹脂とが偏析し易いだけでなく、粉末状混合物の
加圧成形において、偏析した結合剤及び熱可塑性樹脂が
凝集し、成形物がさらに不均質となる。さらに、炭化又
は黒鉛化処理する際にも、偏析した熱可塑性樹脂が再び
軟化する。そのため、結合剤及び熱可塑性樹脂の偏析
と、熱可塑性樹脂の二度に亘る軟化とにより、電極基板
の均質性が低下する。そして、この不均質性に起因する
ためか、得られた電極基板は、熱伝導率が小さいだけで
なく、曲げ強度、圧縮強度およびガス透過性も電極基板
の部位によって変動する。また、結合剤及び熱可塑性樹
脂の偏析に起因して、電極基板の細孔径分布が不均一と
なる。特に厚みの薄い電極板を得る場合には、均質な細
孔を形成させるのが困難である。
【0009】特開平3−174359号公報には、炭素
繊維とバインダー粒子とを混合し、抄紙して得られたシ
ート状物を加圧成形した後、炭化又は黒鉛化する方法が
開示されている。しかし、この方法では、気孔率60〜
80%を確保するためには、加圧加熱成形時に低圧で成
形する必要がある。一方、低圧で成形すると繊維同志の
接合強度が低下し、焼成により得られる電極材の曲げ強
度が1kgf/mm2以下、圧縮強度が0.4kgf/
mm2 以下に低下し、リン酸型燃料電池用電極材の要求
性能を充足できない。また、電極基板の厚み方向の体積
抵抗率も大きく、熱伝導率も小さい。
【0010】特開平3−76821号公報には、炭素繊
維製造用の有機繊維とパルプとバインダーとしての有機
高分子物質などを混合し、抄紙した得られたシートを成
形した後、焼成し、電極材を得る方法が開示されてい
る。しかし、焼成時における有機繊維の炭化収率(残炭
率)が10〜30%と小さい。そのため、得られた電極
材は、成形体に比べて著しく収縮し、厚み1〜3mm、
大きさ1m角の電極板を製造しても、割れ、反り、捩れ
などが生じ、均一性に乏しい。また、厚み方向の収縮率
が大きいため、ガス透過性、体積抵抗率が電極材の部位
によって変動し、不均質となる。
【0011】さらに、これらの先行文献の方法により得
られた電極基板の表面に溝状のガス流路を形成するため
には、いずれも切削加工を必要とする。そのため、電極
基板の製造作業性が煩雑化する。しかも、炭素質の電極
基板が硬質であるため、溝状のガス流路を高い精度で効
率よく形成するのが困難であるとともに、切削加工によ
り電極基板にクラックなどが生じる場合があるので、電
極基板の生産効率が低下する。
【0012】なお、炭素材を軽量化するためには、炭素
材を多孔質化することが有用である。しかし、軽量化す
ると、炭素材の機械的強度が大きく低下する。
【0013】多孔質複合シートに関し、特公平4−55
618号公報には、高い曲げ強度と曲げ剛性を有する軽
量樹脂シートとして有用な低密度繊維強化可塑性複合体
が開示されている。この複合体は、熱可塑性合成樹脂と
補強用繊維とを含む圧縮繊維強化複合体を加熱して膨脹
させることにより得られる。特公平5−17249号公
報には、ポリエステル繊維の不織布などの強化繊維に特
定のフェノール樹脂を含浸させ、乾燥した後、加圧加熱
してフェノール樹脂を硬化させることにより、連続気孔
を有し、機械的特性の大きな多孔性複合シートの製造方
法が開示されている。
【0014】しかし、これらの先行文献には、炭化又は
黒鉛化については何ら考慮されていない。また、これら
の複合体を炭化又は黒鉛化したとしても、炭化収率が小
さく、熱伝導性、導電性および機械的強度が小さく、電
極基板としての特性が十分でないだけでなく、炭化又は
黒鉛化後に、切削加工により溝状のガス流路を形成する
必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、軽量であっても機械的強度が高く、均質性、熱伝導
性、ガス透過性などに優れる多孔質炭素材およびその製
造方法を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、溝状のガス流路が精
度よく形成された多孔質炭素材およびその製造方法を提
供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、熱伝導性が高
く、電極基板として有用な多孔質炭素材およびその製造
方法を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、燃料電池の炭素電極
として有用な多孔質炭素材およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、前記の如き多
孔質炭素材を得る上で有用な多孔質複合シートを簡単な
操作で製造できる方法を提供することにある。
【0020】本発明のさらに別の目的は、切削加工する
ことなく、多孔質炭素材に溝状のガス流路を精度よく形
成できる多孔質複合シートを効率よく製造できる方法を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、(1)炭素繊維と熱硬
化性樹脂とを含む抄紙構造の抄紙体を、樹脂の硬化を抑
制しつつ加熱加圧してシート状に成形し、前記樹脂の溶
融溶融温度以上に成形シートを加熱すると、内部応力の
解放によりシートが膨脹して多孔質化すること、(2)
凸部を有する金型内にクリアランスを有するように前記
成形シートを配置して加熱すると、シートの膨脹に伴な
って、前記金型に対応する溝状のガス流路が形成される
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0022】すなわち、本発明の多孔質炭素材は、圧縮
弾性率5.0kgf/mm2 以上、厚み方向の熱伝導率
2.0kcal/m・hr・℃以上、ガス透過率850
ml・mm/hr・cm2 ・mmAq以上、および嵩密
度0.55〜0.75g/cm3 という特性を有する。
【0023】本発明の方法では、炭素繊維化可能な繊維
及び/又は炭素繊維と、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性
樹脂とを含む抄紙構造の抄紙体を、前記樹脂の硬化を抑
制しつつシート状に加熱加圧成形し、得られた成形シー
トを、前記樹脂の溶融温度以上に再加熱して膨脹させる
とともに樹脂を完全硬化させることにより、多孔質複合
シートを製造する。この方法において、無加圧下で、成
形シートを再加熱して膨脹させるとともに完全樹脂を硬
化させてもよく、金型内に、クリアランスを有するよう
に成形シートを配置し、前記樹脂の溶融温度以上に再加
熱して膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させてもよ
い。前記金型としては、対向面が平滑面で構成された金
型、少なくとも一方の面に凸部が形成された金型などを
用いることができる。また、一方の面に溝状凹部を有す
る金型を用いて、熱硬化性樹脂の硬化を抑制しつつ前記
成形シートをプレス成形し、得られたリブ付き成形シー
トを、一方の面に溝状凹部が形成された金型内にクリア
ランスを有するように配置し、前記樹脂の溶融温度以上
に再加熱して膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させる
ことにより、多孔質複合シートを得てもよい。
【0024】前記抄紙体は、炭素繊維化可能な繊維及び
/又は炭素繊維、熱硬化性樹脂、およびピッチで構成し
てもよい。抄紙体は、さらに気孔形成剤として機能する
有機粒状物質を含んでいてもよい。
【0025】さらに、本発明の他の方法では、前記多孔
質複合シートを炭化又は黒鉛化処理することにより、多
孔質炭素材を製造する。この多孔質炭素材は、種々の用
途、例えば、燃料電池の電極基板などとして利用でき
る。
【0026】なお、本明細書において、完全硬化とは、
架橋した熱硬化性樹脂中の未反応部分の量が5重量%未
満の状態を言う。炭化とは、炭素化可能な成分を、例え
ば、450〜1500℃程度の温度で焼成処理すること
を言う。黒鉛化とは、例えば、1500〜3000℃程
度の温度で焼成することを言い、黒鉛の結晶構造を有し
ていないときでも黒鉛化の概念に含める。また、炭化収
率とは、炭素化可能な成分を炭化又は黒鉛化したときの
残炭率を言う。
【0027】炭素繊維とは炭化又は黒鉛化された繊維を
言う。耐炎化処理とは、ピッチ系繊維以外の繊維を、例
えば、酸素存在下、200〜450℃程度の温度で加熱
して表面に耐熱層を形成し、焼成時の溶融を防止する処
理を言う。不融化処理とは、例えば、ピッチ系繊維を、
酸素存在下、200〜450℃程度の温度で加熱して表
面に耐熱層を形成し、焼成時の溶融を防止する処理を言
う。
【0028】以下、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ、本発明をより詳細に説明する。
【0029】本発明の多孔質炭素材は、軽量であっても
優れた特性を有するという特色がある。多孔質炭素材
は、炭化又は黒鉛化した炭素繊維と、樹脂などの炭化又
は黒鉛化物とで構成された多孔質材であり、下記のよう
な特性を有している。
【0030】(1)圧縮弾性率(kgf/mm2 ):
5.0以上、好ましくは6.0以上 (2)熱伝導率(kcal/m・hr・℃):2.0以
上、好ましくは3.0〜10.0程度 (3)ガス透過率(ml・mm/hr・cm2 ・mmA
q):850以上、好ましくは1000〜4000程
度、さらに好ましくは1500〜3500程度 (4)嵩密度(g/cm3 ):0.55〜0.75、好
ましくは0.6〜0.7程度 また、多孔質炭素材の曲げ強度(kg/cm2 )は13
0以上、好ましくは150〜400程度、圧縮強度(k
g/cm2 )は50以上、好ましくは50〜200程度
である場合が多い。
【0031】さらに、多孔質炭素材の厚み方向の熱伝導
率(kcal/m・hr・℃)は2.0以上、好ましく
は3.0〜10.0程度である。
【0032】前記多孔質炭素材は、用途に応じて種々の
形状に形成できるが、平板状である場合が多い。また、
平板状の多孔質炭素材の少なくとも一方の面には、用途
に応じて溝状凹部、格子状凹部などが形成されていても
よい。
【0033】本発明の多孔質炭素材を得る上で有用な予
備成形体としての多孔質複合シートの製造方法は、抄紙
体を加熱加圧してシート状に成形する加熱加圧工程
(A)と、成形シートを再加熱し、膨脹させるとともに
樹脂を完全硬化させる膨脹硬化工程(B)とを含んでい
る。
【0034】前記抄紙体は、炭素繊維化可能な繊維及び
/又は炭素繊維と、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂
とを含んでいる。
【0035】前記炭素繊維化可能な繊維としては、炭素
繊維の素材となり得る種々の繊維、例えば、ポリアクリ
ロニトリル繊維、フェノール樹脂繊維、再生セルロース
繊維(例えばレーヨン、ポリノジック繊維など)、セル
ロース系繊維などの有機繊維、ピッチ系繊維、レーヨン
パルプなどが挙げられる。炭素繊維化可能な繊維は、耐
炎化処理又は不融化処理されていてもよい。炭素繊維化
可能な繊維は、一種又は二種以上使用できる。
【0036】炭素繊維化可能な繊維の繊維直径は、例え
ば、5〜150μm、好ましくは10〜50μm、さら
に好ましくは15〜45μm程度である。繊維径が5μ
m未満であると、ガス透過性が低下し易く、150μm
を越えると、多孔質炭素材の気孔径が大きくなり、リン
酸型燃料電池などの電極基板として使用したとき、リン
酸などの電解液が気孔を塞ぎ、ガス透過性が低下し易
い。
【0037】なお、炭素繊維化可能な繊維の炭化収率
は、例えば、10〜50%程度である。そのため、炭化
又は黒鉛化に伴なって、繊維は、補強材として機能する
炭素繊維となると共に、例えば30〜70%程度の体積
収縮に伴なって、炭化又は黒鉛化した熱硬化性樹脂のマ
トリックス内に間隙が生成し、ガス透過性が向上する。
【0038】炭素繊維としては、前記炭素繊維化可能な
繊維を炭化又は黒鉛化した繊維が挙げられる。炭素繊維
も、一種又は二種以上使用できる。炭素繊維の平均繊維
径は、例えば、2〜100μm、好ましくは5〜50μ
m、さらに好ましくは5〜30μm程度であり、実際的
には10〜25μm程度である。繊維径が2μm未満で
あるとガス透過性が低下し易く、100μmを越えると
多孔質炭素材の気孔径が大きくなり易い。なお、電極基
板として使用する場合、多孔質炭素材における平均気孔
径は、例えば、10〜40μm程度であるのが好まし
い。
【0039】前記炭素繊維は、多孔質炭素材の曲げ強
度、圧縮強度を向上させる補強材として機能すると共
に、炭化又は黒鉛化に伴なって多孔質炭素材が面方向に
収縮するのを抑制する。
【0040】炭素繊維化可能な繊維および炭素繊維とし
ては、通常、短繊維が用いられる。短繊維の繊維長は、
例えば0.05mm〜20mm(例えば、0.1〜10
mm)、好ましくは1〜10mm(例えば0.5mm〜
3mm)程度である。炭素繊維の繊維長は、多孔質炭素
材の曲げ強度、電気伝導性や熱伝導度に大きく寄与す
る。繊維長が20mmを越えると熱膨張が抑制され、細
孔径分布をコントロールしにくくなり、0.05mm未
満では熱膨張度が小さく、強度なども低下し易い。
【0041】炭素繊維化可能な繊維と炭素繊維とは単独
で用いてもよいが、少なくとも炭素繊維を含むのが好ま
しい。また、炭素繊維化可能な繊維と炭素繊維とを併用
すると、ガス透過性および強度が向上する。炭素繊維化
可能な繊維と炭素繊維との割合は、多孔質炭素材の強度
や導電性などに応じて選択でき、例えば、炭素繊維化可
能な繊維/炭素繊維=10〜90/90〜10(重量
%)、好ましくは25〜75/75〜25(重量%)、
さらに好ましくは30〜70/70〜30(重量%)程
度である。炭素繊維の割合が10重量%未満では、多孔
質炭素材の機械的強度が低下すると共に、収縮が大きく
なる傾向を示し、90重量%を越えると、ガス透過性が
低下し易い。
【0042】炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラー
ル又はフラン樹脂変性フェノール樹脂、芳香族アルデヒ
ドと、芳香族炭化水素またはヒドロキシル基を有する芳
香族化合物との反応により得られるコプナ樹脂などが挙
げられる。フェノール樹脂には、フェノール類とアルデ
ヒド類との反応により得られる熱硬化性フェノール樹
脂、フェノール類とアルデヒド類と含窒素化合物との反
応により得られる熱硬化性含窒素フェノール樹脂などが
含まれる。これらの熱硬化性樹脂のうち、特にフェノー
ル樹脂が好ましい。これらの熱硬化性樹脂は、粉粒状や
水分散液として使用する場合が多く、少なくとも一種使
用できる。
【0043】前記熱硬化性樹脂の炭化収率は、多孔質炭
素材の機械的強度の低下を防止し、気孔率を調整するた
め、40〜75重量%、好ましくは50〜75重量%程
度である。なお、前記フェノール樹脂の炭化収率は、通
常65〜75重量%程度と大きい。
【0044】熱硬化性樹脂の割合は、多孔質炭素材の強
度などに応じて適当に選択でき、例えば、前記炭素繊維
化可能な繊維および炭素繊維で構成された繊維100重
量部に対して、10〜300重量部(例えば、15〜2
75重量部)、好ましくは20〜250重量部(例え
ば、25〜200重量部)程度である。熱硬化性樹脂の
割合が10重量部未満であると、多孔質炭素材の機械的
強度が低下し易く、300重量部を越えるとガス透過性
が低下し易い。
【0045】前記抄紙体はピッチを含んでいてもよい。
このピッチにより、多孔質炭素材の熱伝導性が著しく向
上する。ピッチは、圧縮成形された炭素質予備成形体の
焼成時に、軟化しマトリックス内で溶融すると共に、空
隙部に流入し、発生する分解ガスにより、炭素繊維化可
能な繊維と熱硬化性樹脂との間に生成した空隙部や流路
を通じて外部と連通し、連続気泡を形成するようであ
る。また、ピッチ成分が前記空隙部の内面で硬化し、炭
化又は黒鉛化するものと推測される。そのため、ピッチ
を用いない多孔質炭素材に比べて、多孔質炭素材のガス
透過性、厚み方向の熱伝導率および電気伝導率が顕著に
向上する。
【0046】ピッチは、石油系及び石炭系のいずれであ
ってもよい。ピッチには、等方性ピッチおよび異方性ピ
ッチ(メソフェーズピッチ)のいずれも使用できる。ピ
ッチとしては、例えば、炭化収率50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上のピッチが使用できる。炭化収率
が50重量%未満では多孔質炭素材の熱伝導性を高める
のが困難である。
【0047】また、ピッチは、前記熱硬化性樹脂の軟化
又は硬化温度で、軟化又はガスを発生せず、熱硬化性樹
脂のマトリックス中に残存する軟化点を有するものが使
用できる。そのため、ピッチの軟化点は、熱硬化性樹脂
の種類によって異なるが、通常、150〜400℃程度
の範囲で選択できる。メソフェーズピッチの軟化点は、
150〜400℃、好ましくは200〜400℃程度、
等方性ピッチの軟化点は、150〜350℃、好ましく
は200〜325℃程度である場合が多い。なお、前記
炭素繊維化可能な繊維を用いる場合、前記炭素繊維化可
能な繊維よりも約25〜100℃以上高い軟化点を有す
るピッチを用いる場合が多い。
【0048】等方性ピッチのトルエン不溶分は、例え
ば、40〜85重量%(好ましくは50〜80重量%)
程度、キノリン不溶分は、例えば、10〜50重量%
(好ましくは20〜50重量%)程度であり、アセトン
可溶分は1〜25重量%(好ましくは5〜20重量%)
程度である。
【0049】ピッチの使用量は、熱伝導性を高めること
ができる範囲、例えば、前記繊維100重量部に対し
て、10〜300重量部(例えば、15〜275重量
部)、好ましくは20〜250重量部(例えば、25〜
200重量部)程度である。ピッチの割合が10重量部
未満であると、多孔質炭素材の熱伝導率、気孔率および
ガス透過性が低下し易く、300重量部を越えると、ピ
ッチの分解ガスによる膨れや割れが生じ易く、気孔とそ
の分布が不均一となり易い。
【0050】ピッチは、通常、粉粒状、例えば、100
μm以下の粉末状で使用できる。ピッチの粒径が100
μmを越えると、焼成に伴なって、多孔質炭素材の表面
に焼け、膨れなどの欠陥が生じ易い。
【0051】前記抄紙体は、さらに有機粒状物質を含ん
でいてもよい。有機粒状物質としては、例えば、炭化収
率30重量%以下の有機粒状物質を用いてもよい。炭化
収率が30%を越えると、微細で均一な気孔の形成や気
孔率の調整が困難である場合が多い。なお、有機粒状物
質の軟化点は、100℃以上であるのが好ましく、前記
ピッチよりも約25〜100℃低い場合が多い。
【0052】このような有機粒状物質としては、例え
ば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリ
ア樹脂及びポリウレタンなどの熱硬化性樹脂の粉粒体
や、熱硬化性樹脂の硬化物からなる粉粒体;ポリ酢酸ビ
ニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニル、アクリル系ポリマー、ポリエ
ステル、ナイロン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、スチレン−アクリル共重合体などのスチレン
系ポリマー、ポリカーボネート、ポリアセタールなどの
合成樹脂、ロジンなどの天然物とその誘導体などの熱可
塑性樹脂の粉粒体などが挙げられる。
【0053】なお、前記フェノール樹脂としては、前記
熱硬化性樹脂と異なり、炭化収率30%以下のものが使
用される。これらの有機粒状物質は一種又は二種以上混
合して使用できる。
【0054】これらの有機粒状物質は、炭素材に細孔を
生成させる気孔形成剤として機能する。有機粒状物質
は、熱硬化性樹脂の硬化物からなる粉粒体であるのが好
ましい。熱硬化性樹脂の硬化物からなる粉粒体を用いる
と、気孔率及び細孔径を精度よくコントロールできる。
すなわち、熱硬化性樹脂の硬化物からなる粉粒体は加熱
により軟化しないため、硬化物の粒径とその量に対応す
る細孔径の気孔が形成される。そのため、細孔径とその
分布を任意にコントロールでき、シャープ又はブロード
な細孔径分布を有する炭素材が得られる。また、同様な
理由から、均質で、ガス透過性、電気伝導度および機械
強度の優れた多孔質炭素材を得ることができる。
【0055】さらに、前記硬化物の粉粒体が加熱加圧成
形時に軟化しないため、厚みが1mm以下と薄く、大き
な面積であっても、脱型時などに反り及び膨れが発生せ
ず、均一性及び寸法安定性の優れた多孔質炭素材が得ら
れる。また、炭化又は黒鉛化処理時にも気孔形成剤は再
軟化しないため、多孔質炭素材の反り、膨れ、割れ等が
発生せず製造工程での歩留まりが高い。
【0056】さらに好ましい有機粒状物質には、ピッチ
を含む有機粒状物質、特に前記等方性ピッチやメソフェ
ーズピッチを含む有機粒状物質が含まれる。なかでも、
等方性ピッチやメソフェーズピッチを含む熱硬化性樹脂
(例えば、ピッチと熱硬化性樹脂の硬化物とで構成され
た粒状物)が好ましい。有機粒状物質におけるピッチの
含有量は、10〜75重量%、好ましくは25〜60重
量%程度である。
【0057】上記粒状物質の粒径は、所望する細孔径な
どに応じて選択できるが、通常、平均粒径0.1〜50
0μm程度、好ましくは50〜300μm程度である。
【0058】有機粒状物質の割合は、所望する気孔率な
どに応じて適当に選択でき、例えば、前記繊維100重
量部に対して10〜500重量部、好ましくは25〜3
00重量部程度である。有機粒状物質の割合が、前記範
囲を外れると、多孔質炭素材の気孔率及び曲げ強度のい
ずれか一方の特性が低下し易い。
【0059】前記抄紙体は、湿式複合化された抄紙構造
を有する。抄紙構造とは、洋紙や和紙の如く、繊維がラ
ンダムに配向している構造を意味する。このような抄紙
体は、慣用の方法、例えば、抄紙法、吸引成形法、手す
きなどにより得ることができる。抄紙体の製造方法に関
しては、水中に炭素繊維などの成分を分散させ、複合化
してシート化する方法、例えば、米国特許第44264
70号明細書に記載されている方法を参照できる。
【0060】なお、スラリーの調製に際しては、炭素繊
維化可能な繊維及び/又は炭素繊維を叩解し、前記短繊
維としてもよい。スラリーの固形分濃度は、抄紙性を損
わない範囲で選択でき、例えば、0.1〜2重量%程度
である。また、スラリーには、前記繊維、熱硬化性樹脂
などを均一に分散させるため、分散剤、安定剤、粘度調
整剤、沈降防止剤などを添加してもよく、増粘剤、紙力
増強剤、凝集作用を有する界面活性剤、特に高分子凝集
剤や歩留り向上剤などの種々の添加剤を添加してもよ
い。抄紙した湿潤状態の抄紙体は、常圧又は減圧下、熱
硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度、例えば、50〜
130℃程度の温度で加熱乾燥することができる。
【0061】前記のような抄紙法によると、従来の乾式
混合法では均一に混合することが困難な繊維状物質と粉
粒状物質などを用いても、偏析のない均質な抄紙体が得
られる。また、繁雑な乾式混合の工程が不要であるた
め、抄紙体を簡易に製造できる。また、抄紙体を圧縮成
形しても、成形体の均質性は維持される。従って、有機
粒状物質として熱により軟化する熱可塑性樹脂を用いて
も、可塑性樹脂の偏析に起因して加熱加圧成形及び焼成
時に生じる成形体や多孔質炭素材の反りや膨れを著しく
抑制でき、成形体や多孔質炭素材の均一性を高めること
ができる。
【0062】また、抄紙体を圧縮成形する場合には、厚
みが1mm未満であっても組成、密度及び厚みが均質な
成形体が得られる。
【0063】特に、前記熱硬化性樹脂を含むので、抄紙
体はプリプレグとして機能する。このプリプレグとして
の抄紙体は、ロール状に巻き取り、加熱加圧成形工程に
連続的に供してもよい。
【0064】図1は本発明の多孔質複合シートの製造方
法を示す工程図である。
【0065】前記加熱加圧工程(A)では、抄紙により
湿式複合化されたシート状抄紙体1を、前記熱硬化性樹
脂の硬化を抑制しつつシート状に加熱加圧成形する。こ
の例では、複数の前記抄紙体1を繰出し、上流側の加熱
ゾーンと下流側の冷却ゾーンとを有する一対のエンドレ
スベルト2a,2b間に供給して挾圧し、前記樹脂の硬
化を抑制しつつシート状に連続的に加熱加圧成形し、未
硬化の熱硬化性樹脂を含む成形シート4を作製してい
る。この成形シート4は、高密度プリプレグシートを構
成する。なお、エンドレスベルトにおいては、少なくと
も1つの抄紙体1を挾圧すればよい。
【0066】各エンドレスベルト2a,2b内の対向面
側には、対向するエンドレスベルト2a,2b間の距離
を保つため、複数のローラ3a,3bが回転可能に配設
されているとともに、上流側には加熱手段としてのヒー
ターが配設され、下流側には冷却手段としてのファンが
配設されている。
【0067】なお、抄紙体1の進行方向に行くに従っ
て、対向する複数のローラ間の距離は順次小さくしても
よい。このようにすると、一対のエンドレスベルト2
a,2b間で抄紙体1を挾圧しながら搬送することによ
り、前記抄紙体1を連続的かつ効率よく加圧でき、均一
な高密度プリプレグを調製できる。
【0068】前記加熱ゾーンの温度は、熱硬化性樹脂の
硬化を抑制し、かつ溶融可能な温度、例えば、70〜1
70℃、好ましくは100〜160℃(例えば、100
〜150℃)、さらに好ましくは110〜150℃(例
えば、110〜140℃)程度に設定できる。また、ベ
ルト2a,2bによる加圧力は、高密度プリプレグの密
度に応じて、プリプレグの均一性などを損わない範囲で
選択でき、例えば、2〜50kg/cm2 、好ましくは
3〜30kg/cm2 、さらに好ましくは5〜20kg
/cm2 程度である。なお、ベルト2a,2bによる搬
送速度は、成形効率や生産効率を考慮して適当に選択で
きる。
【0069】このような方法で抄紙体1を加熱加圧成形
すると、従来のように粉粒状の混合物を金型内に均一に
装填することなく、熱硬化性樹脂の硬化を抑制しつつ、
高密度、例えば、0.7〜1.7g/cm3 、好ましく
は0.8〜1.5g/cm3、さらに好ましくは1.0
〜1.4g/cm3 程度のシート状プリプレグを連続的
に製造できる。得られた成形シート4の空隙率は、例え
ば、0〜40%程度である。
【0070】なお、加熱加圧工程(A)では、前記一対
のエンドレスベルトに限らず、一対の平板状成形型など
により、熱硬化性樹脂の硬化を抑制しつつ、抄紙体をシ
ート状に加熱加圧成形し高密度化してもよい。1又は複
数の抄紙体を重ねて積層し、成形金型によりプレス成形
する場合、加熱温度は、熱硬化性樹脂の種類に応じて選
択でき、例えば、80〜250℃、好ましくは80〜2
00℃、さらに好ましくは90〜150℃(例えば、1
00〜150℃)程度である。また、プレス成形の圧力
は、例えば、10〜1000kg/cm2 、好ましくは
50〜500kg/cm2 程度である。なお、プレス時
間は、温度及び圧力に応じて選択でき、例えば、5〜2
00秒、好ましくは10〜60秒程度である場合が多
い。
【0071】加熱加圧工程(A)では、未硬化の熱硬化
性樹脂またはBステージの熱硬化性樹脂が生成する。B
ステージとは、熱硬化性樹脂の硬化反応の中間段階を意
味し、Bステージの熱硬化性樹脂は、加熱により軟化す
るものの溶融流動化しない。
【0072】得られた成形シート4は、熱硬化性樹脂が
未硬化であるため、熱硬化性樹脂の溶融温度よりも高い
温度で再加熱すると、熱硬化性樹脂の溶融に伴なって、
内部応力の解放により膨脹(ロフト)する性質を有して
いる。すなわち、熱硬化性樹脂の溶融・軟化に伴なっ
て、複合体中で折曲げられた繊維が、その弾性回復力に
より、伸長した複合体全体が膨脹する。
【0073】本発明では、このような膨脹力を有効に利
用して多孔質複合シートを得るため、成形シート4を膨
脹硬化工程(B)に供する。すなわち、成形シート4
を、対向面が平滑面で構成された複数対の板状成形型内
に、それぞれクリアランスをもって配置し、前記熱硬化
性樹脂の溶融温度以上に再加熱している。
【0074】図示する例では、複数対の板状成形型は、
両面に成形面としての平坦面を有し、互いに所定間隔を
隔てて固定された第1〜第3の平板状成形型5a,5
b,5cで構成されている。また、前記各成形型5a,
5b,5c間には、それぞれ、成形シート4がスペーサ
ーなどにより所定のクリアランスを有するように配設さ
れている。そのため、複数の成形シート4を成形型5
a,5b,5c間に介在させた積層状態で膨脹・完全硬
化させることができる。
【0075】このような膨脹硬化工程(B)では、主に
厚み方向への膨脹(ロフト)に伴なって、成形シート4
が多孔質化すると共に、成形型面に成形シート4が密着
し、成形型5a,5b,5cの平滑面に対応して表面が
平滑な多孔質複合シート6が得られる。また、熱硬化性
樹脂の硬化に伴なって、一体化した複数の多孔質複合シ
ート6が得られる。
【0076】加熱温度は、熱硬化性樹脂の溶融温度およ
び硬化温度に応じて適当に選択できるが、通常、150
〜250℃(例えば、160〜230℃)、好ましくは
160〜200℃程度である。加熱時間は、適当に選択
でき、例えば、5〜120分、好ましくは10〜60分
程度である。再加熱による成形シート4の膨脹倍率は、
例えば1.2〜5倍、好ましくは1.5〜3倍程度であ
る。成形型5a,5b,5cと成形シート4とのクリア
ランスは、成形シートの膨脹度に応じて選択できるが、
例えば、成形シート4の厚みの0.1〜4倍、好ましく
は0.3〜2.5倍程度である。
【0077】熱硬化性樹脂を完全硬化させた後、冷却
し、成形型で構成された金型から取出すことにより、多
孔質複合シート6が得られる。
【0078】図2は本発明の多孔質複合シートの他の製
造方法を示す工程図である。なお、前記図1に示される
要素と同一の要素については同一の符号を付して説明す
る。
【0079】この例では、前記と同様の加熱加圧工程
(A)により得られた成形シート4を、一方の面に凸部
16が形成された複数対の板状成形型内に、それぞれク
リアランスをもって配置し、前記熱硬化性樹脂の溶融温
度以上に再加熱している。すなわち、複数対の板状成形
型は、平坦面を有する第1の平板状成形型15aと、こ
の第1の平板状成形型と対向する面に凸部16が形成さ
れた第2の平板状成形型15cと、第1及び第2の平板
状成形型15a,15c間に所定間隔毎に順次配設さ
れ、かつ第1の平板状成形型15aの平坦面と対向する
面に凸部16が形成され、第2の平板状成形型15cの
凸部16と対向する他方の面が平坦に形成された複数の
成形型15bとで構成されている。すなわち、図2に示
す成形型15bにおいて、一方の面を、対向する一方の
成形型との成形面として利用し、他方の面を、他方の成
形型との成形面として利用している。また、各成形型1
5a,15b,15cは所定間隔を隔てて固定され、前
記各成形型15a,15b,15c間には、それぞれ、
成形シート4が配設されている。そのため、複数の成形
シート4を積層状態で膨脹・完全硬化させることができ
る。
【0080】このような膨脹硬化工程(B)では、主に
厚み方向への膨脹(ロフト)に伴なって、成形シート4
が多孔質化すると共に、成形型面に成形シート4が密着
し、成形型15b,15cの凸部6に対応して多孔質複
合シート17に溝18が精度よく形成される。また、熱
硬化性樹脂の硬化に伴なって、一体化した複数の多孔質
複合シート17が得られる。
【0081】再加熱温度、成形シートの膨脹倍率、及び
成形型と成形シートとのクリアランスは、前記と同様の
範囲から選択できる。熱硬化性樹脂を硬化させた後、冷
却し、成形型で構成された金型から取出すことにより、
溝18が形成された多孔質複合シート17が得られる。
【0082】なお、金型内で成形シートを膨脹硬化させ
る場合、一対の金型内にクリアランスをもって成形シー
トを配置して、熱硬化性樹脂の溶融温度以上に再加熱す
ればよい。図1に示す膨脹硬化工程(B)において、成
形型は、対向する面に平滑面を有していればよく、多孔
質炭素材の用途によっては、成形面を平滑な湾曲面で構
成してもよい。平板状の多孔質炭素材を得る場合には、
通常、成形型の対向する面を平面で構成する場合が多
い。また、図2に示す膨脹硬化工程(B)において、対
向する成形型の少なくとも一方の面に、溝を形成するた
めの凸部が形成されていればよく、一対の成形型の対向
面の双方に前記凸部が形成されていてもよい。さらに、
図1及び図2に示す膨脹硬化工程(B)において、複数
の成形型を用いる必要はなく、少なくとも一対の成形型
を構成する金型を用いればよく、成形型は板状である必
要はない。
【0083】なお、前記のように成形シートは加熱によ
り膨脹する性質を有している。そのため、本発明の他の
態様では、無加圧下、荷重を作用させることなく、前記
成形シートを前記熱硬化性樹脂の溶融温度以上に再加熱
して膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させることによ
り、多孔質複合シートを得ることもできる。金型を用い
ることなく、無加圧下で成形シートを加熱して膨脹硬化
させると、成形シートの膨脹度を精度よくコントロール
できない場合がある。
【0084】このような場合、加熱加圧工程(A)おけ
る抄紙体の加熱温度により、成形シートの膨脹度をコン
トロールできる。すなわち、熱硬化性樹脂の硬化を抑制
できる条件のうち、高温側の温度、例えば、100〜2
80℃(例えば、150〜270℃)、好ましくは17
0〜280℃(例えば、170〜250℃、好ましくは
200〜250℃)、さらに好ましくは200〜270
℃程度で抄紙体を短時間加熱して加圧成形すると、熱硬
化性樹脂が若干硬化したBステージの熱硬化性樹脂を生
成させることができる。そして、Bステージの熱硬化性
樹脂は一部が硬化または架橋しているため、膨脹硬化工
程(B)において熱硬化性樹脂の溶融温度よりも高い温
度に再加熱し、樹脂を軟化させても、成形シードが過大
に膨脹するのを抑制できる。なお、加熱加圧工程(A)
における加熱時間は、加熱温度に応じて選択でき、例え
ば、1〜5分、好ましくは2〜3分程度の短時間である
場合が多い。
【0085】得られた成形シート(シート状プリプレ
グ)の嵩密度は、例えば、0.5〜1.5g/cm
3 (例えば、0.6〜1.0g/cm3 )程度である。
【0086】このような方法では、金型を用いることな
く、多孔質炭素材を得る上で有用な多孔質複合シートを
簡便な操作で得ることができる。
【0087】本発明のさらに他の態様では、溝状のガス
流路を精度よく形成するため、一方の面に溝状凹部又は
凸部が形成された第1の金型を用いて、抄紙体又は複数
の抄紙体を積層したシートをプレス成形し、得られたリ
ブ付き成形シートを、一方の面に溝状凹部又は凸部が形
成された第2の金型内に、クリアランスを有するように
配置し、再加熱して膨脹させるとともに樹脂を硬化させ
ることにより、多孔質複合シートを製造できる。
【0088】前記第1の金型によりリブ付き成形シート
を作製するのに先立って、抄紙体をプレス成形してもよ
い。すなわち、抄紙により湿式複合化したシートを乾燥
した後、熱硬化性樹脂を硬化させることなく、1又は複
数の抄紙体を重ねて積層し、加熱プレスして冷却するこ
とによりシートを得ることができる。加熱プレス温度
は、熱硬化性樹脂の種類により選択できるが、通常、8
0〜250℃、好ましくは100〜200℃(例えば、
100〜150℃)程度である。圧力は、例えば、3〜
100kg/cm2 、好ましくは3〜50kg/c
2 、さらに好ましくは3〜30kg/cm2 程度であ
る。加熱プレス時間は、温度および圧力に応じて適当に
選択でき、例えば、0.5〜10分、好ましくは1〜5
分程度の範囲から選択される。さらに、1又は複数の抄
紙体を加熱プレスした後、冷却することによりシートを
得ることができる。前記冷却は、前記圧力で加圧しつ
つ、温度10〜50℃程度で1〜5分間程度冷却プレス
により行なうことができる。このような成形操作により
得られるシートは、厚み0.5〜5mm程度、重量20
0〜3000g/m2 程度である場合が多い。
【0089】前記シートは第1の成形金型を用いてリブ
付き成形シートに成形される。図3は第1の金型を示す
概略断面図である。この金型は、平坦面を有する下型2
1と、一方の成形面に溝状凹部22a又は凸部22bが
形成された上型22とで構成されている。このような一
対の上下型21,22間に前記シートを配置し、加熱し
て熱硬化性樹脂を軟化及び流動させ、加圧してプレス成
形することにより、リブ付き成形シート(未硬化シー
ト)が得られる。前記プレス成形は、前記成形金型を用
いて抄紙体をプレス成形して成形シートを得るための条
件と同様に、例えば、加熱温度80〜250℃、好まし
くは80〜200℃、さらに好ましくは90〜150℃
(例えば、100〜150℃)程度、圧力10〜100
0kg/cm2 、好ましくは50〜500kg/cm2
程度で行なうことができ、プレス時間は、例えば、5〜
200秒、好ましくは10〜60秒程度である場合が多
い。
【0090】このようにして得られたリブ付き成形シー
ト(未硬化シート)は、熱硬化性樹脂が未硬化であるた
め、前記のように再加熱により膨脹する性質を有してい
る。本発明では、均一な多孔質複合シートを得るため、
前記リブ付き成形シートを第2の金型内に、クリアラン
スを有するように配置し、再加熱により膨脹させるとと
もに完全硬化させる。図4は第2の金型による成形過程
を示す概略断面図である。この金型は、前記第1の金型
と同じく、平坦面を有する下型31と、一方の成形面に
隣接して溝状凹部32a又は凸部32bが形成された上
型32とで構成されている。第2の金型内には、凸部3
3a及び溝状凹部33bを有するリブ付き成形シート3
3が配設されているとともに、下型31と上型32の側
部には、金型とリブ付き成形シート33との間にクリア
ランスを形成するため、スペーサー34が配設されてい
る。
【0091】なお、リブ付き成形シート33のリブ33
aも前記上型32の溝状凹部32aにクリアランスを有
するように収容されている。すなわち、リブ33aに対
応する前記第1の金型の溝状凹部22aよりも、第2の
金型の溝状凹部32aは幅及び深さが大きく形成されて
いる。
【0092】そして、熱硬化性樹脂の溶融温度よりも高
い温度に再加熱することにより、リブ付き成形シート3
3を膨脹させるとともに、完全硬化させる。加熱温度お
よび加熱時間は、前記膨脹硬化工程(B)の条件が採用
できる。このような加熱により、炭素繊維の弾性により
膨脹が生じ、リブ付き多孔質硬化シートが得られる。
【0093】このような方法では、リブ部も含めて多孔
質複合シートを全体に亘り均一に膨脹できるので、多孔
質複合シートのリブ部と非リブ部との密度差が小さく均
質度の高い多孔質複合シートおよび多孔質炭素材を得る
ことができるという利点がある。
【0094】このようにして得られた多孔質複合シート
は、軽量で圧縮弾性率などの機械的強度が大きく、熱伝
導率、ガス透過率の大きな板状の多孔質炭素材を製造す
る上で有用である。また、溝状凹部が形成された多孔質
複合シートは、燃料電池用電極基板などの多孔質炭素材
を製造する上で有用である。前記多孔質炭素材は、前記
多孔質複合シートを炭化又は黒鉛化する焼成工程に供す
ることにより製造できる。
【0095】焼成温度は、800℃以上、好ましくは1
000〜3300℃程度、さらに好ましくは1500〜
3000℃程度であり、2000〜3000℃程度で焼
成する場合が多い。焼成は、真空下、不活性ガス雰囲気
中、一酸化炭素又は二酸化炭素ガス雰囲気中で行われ
る。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンな
どが使用できる。
【0096】このような方法では、熱硬化性樹脂が硬化
した前記多孔質複合シートを炭化又は黒鉛化するので、
厚みが1mm未満であっても、圧縮弾性率などの機械的
強度が大きく、優れたガス透過性、導電性および熱伝導
性を有する多孔質炭素材を製造できる。また、溝状凹部
が形成された多孔質複合シートを炭化又は黒鉛化する
と、切削加工による繊維の切断がなく、機械的強度も大
きいリブ付き多孔質炭素材を製造できる。特に、ピッチ
を含む前記組成の多孔質複合シートを用いて得られた多
孔質炭素材は、熱伝導性に優れている。また、生成した
多孔質炭素材は、炭素繊維により補強された均質な構造
を有する。しかも、炭素繊維により多孔質炭素材の面方
向及び厚み方向に収縮するのを抑制でき、均一な多孔質
炭素材を得ることができる。
【0097】なお、得られた多孔質炭素材は、燃料電池
を含めて種々の電極基板、電磁シールド材、導電性シー
ト、炭素質クッション材、高温真空炉用炉壁断熱材など
の広い用途に利用できる。多孔質炭素材は、燃料電池、
例えば、リン酸型燃料電池の負極および正極として有用
である。
【0098】前記リン酸型燃料電池は、例えば、図5に
示されるように、電解液を含浸した電解液層41と、こ
の電解液層の両側の触媒担持層42a,42bを介して
配設された負極44および正極45とで単位セル46が
構成され、各単位セル46がセパレータ47a,47b
を介して積層された構造を有する。なお、触媒担持層の
触媒としては白金などの遷移金属を使用する場合が多
い。前記負極44および正極45は、ポーラスで、かつ
溝状ガス流路44a,45bを備えた前記電極基板(リ
ブ付き多孔質炭素材)で構成されている。また、図示す
る燃料電池のセルにおいては、前記負極44のガス流路
44aには水素ガスが供給され、正極45のガス流路4
5aには酸素が供給されている。
【0099】なお、平板状の多孔質炭素材(例えば、対
向する成形面が平滑面で構成された金型を用いて得られ
た多孔質炭素材)を用いて負極及び正極を構成する場
合、溝状ガス流路を、切削加工により形成する必要があ
る。本発明の多孔質炭素材は均質であるため、切削加工
により溝状ガス流路を比較的精度よく形成できる。
【0100】
【発明の効果】本発明の多孔質炭素材は、軽量であって
も機械的強度が高く、均質性、電気伝導性、熱伝導性、
ガス透過性などに優れている。また、溝状のガス流路が
形成されている多孔質炭素材においては、ガス流路の寸
法精度が高い。さらに、ピッチを含む抄紙体を用いて得
られる多孔質炭素材は、熱伝導性が高く、電極基板、例
えば、燃料電池の炭素電極として有用である。
【0101】本発明の方法では、加熱加圧成形された成
形シートを加熱膨脹させるという簡単な操作で、前記の
如き多孔質炭素材を得る上で有用な多孔質複合シートを
効率よく製造できる。また、金型内で成形シートを加熱
膨脹させる場合には、多孔質複合シートの膨脹度および
多孔質化の程度を容易にコントロールできるとともに、
寸法精度を高めることができる。また、凸部を有する金
型を用いる場合には、溝状のガス流路を効率よく形成で
きるととも、成形シートの膨脹力を利用して成形するの
で、切削加工することなく、溝状のガス流路を精度よく
形成できる。
【0102】本発明の製造方法では、前記多孔質複合シ
ートの焼成により、前記の如き優れた特性を有する多孔
質炭素材を生産性よく製造できる。溝状凹部または凸部
(リブ)が形成された多孔質複合シートの焼成により、
溝状のガス流路が精度よく形成され、均質性、ガス透過
性、電気伝導性、熱伝導性および機械的強度に優れる多
孔質炭素材を生産性よく製造できる。
【0103】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0104】実施例1〜15 表1および表2に示す割合で、下記の成分を含む抄紙体
(嵩密度0.05g/cm3 )を140℃で加熱しなが
ら加圧し、フェノール樹脂を溶融させて、厚み1mmお
よび嵩密度1.2g/cm3 の成形シートを作製した。
【0105】炭素繊維:ピッチ系炭素繊維((株)ドナ
ック製、ドナカーボS−331) レーヨン繊維:大和紡績(株)製、15デニール×繊維
長さ3mm アクリル繊維:東邦レーヨン(株)製、パイロメックス
(直径12μm) フェノール樹脂:鐘紡(株)製、ベルパールS−895 メソフェーズピッチ粉:大阪瓦斯(株)製、軟化点32
0℃、200メッシュ粉砕品、炭化収率80重量% 等方性ピッチ粉:大阪瓦斯(株)製、軟化点285℃、
200メッシュ粉砕品、炭化収率80重量% 有機粒状物質:不飽和ポリエステル樹脂の硬化物[武田
薬品工業(株)製、ポリマール9802の粉末(50〜
300μm)の硬化物] なお、実施例15においては、上記メソフェーズピッチ
50重量%と不飽和ポリエステル樹脂50重量%との混
合物を硬化し、50〜300μmに粉砕した粉粒過体を
有機粒状物質として用いた。
【0106】成形シートを、両面に平坦面を有する2つ
の平板状成形型で構成された金型内にクリアランス1.
8mmで配置し、170℃で30分間加熱膨脹させると
共に完全硬化させ、多孔質シートを得た。多孔質シート
を、不活性ガス雰囲気下、2400℃で黒鉛化処理した
ところ、反りや歪のない多孔質の黒鉛化炭素板が得られ
た。得られた平板状の炭素板の特性を測定したところ、
表1および表2に示す結果を得た。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】 比較例1〜15 実施例1〜15と同様の組成の抄紙体(嵩密度0.05
g/cm3 )を170℃で1時間加熱加圧してフェノー
ル樹脂を完全硬化させ、得られた平板状シートを、不活
性ガス雰囲気下、2400℃で黒鉛化処理し、黒鉛化炭
素板を得た。得られた炭素板の特性を測定したところ、
表3および表4に示す結果を得た。
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】 表1及び表2と、表3及び表4との対比から明らかなよ
うに、実施例1〜15で得られた炭素板は、嵩密度が小
さいにも拘らず、比較例1〜15の炭素板に比べて、圧
縮弾性率、ガス透過率、熱電導度に優れている。
【0111】実施例16 実施例1で用いた繊維長3mmのピッチ系炭素繊維
((株)ドナック製、ドナカーボS−331、繊維系1
3μm)とフェノール樹脂(鐘紡(株)製、ベルパール
S−895)とを、前者/後者=40/60(重量部)
の割合で含む抄紙体(嵩密度0.05g/cm3 )を2
50℃で加熱しながら2分間加圧し、フェノール樹脂を
溶融させて、厚み2.3mmおよび嵩密度0.67g/
cm3 の成形シートを作製した。この成形シートを、金
型を用いることなく、無加圧下、解放系で170℃で3
0分間再度加熱膨脹させると共に硬化させ、多孔質シー
トを得た。多孔質シートを、不活性ガス雰囲気下、24
00℃で黒鉛化処理したところ、反りや歪のない多孔質
の黒鉛化炭素板が得られた。得られた平板状の炭素板の
特性を測定したところ、次のような特性を示した。
【0112】 嵩密度 :0.62g/cm3 ガス透過率 :1100ml・mm/hr・c
2 ・mmAq 厚み方向の熱伝導率 :4.2kcal/m・hr・℃ 曲げ強度 :175kg/cm2 圧縮強度 :70kg/cm2 圧縮弾性率 :650kgf/cm2 厚み方向の電気抵抗率:30mΩ・cm 実施例17 炭素繊維とフェノール樹脂とを前者/後者=30/70
(重量部)の割合で含む抄紙体を用いる以外、実施例1
6と同様にして多孔質の黒鉛化炭素板を得た。得られた
平板状の炭素板の特性を測定したところ、次のような特
性を示した。
【0113】 嵩密度 :0.64g/cm3 ガス透過率 :1000ml・mm/hr・c
2 ・mmAq 厚み方向の熱伝導率 :4.0kcal/m・hr・℃ 曲げ強度 :190kg/cm2 圧縮強度 :75kg/cm2 圧縮弾性率 :570kgf/cm2 厚み方向の電気抵抗率:32mΩ・cm 実施例18〜32 表5および表6に示す割合で、前記実施例1〜15で用
いた成分を含む抄紙体(嵩密度0.05g/cm3 )を
140℃で加熱しながら加圧し、フェノール樹脂を溶融
させて、厚み1mmおよび嵩密度1.2g/cm3 の成
形シートを作製した。
【0114】なお、実施例32においては、上記メソフ
ェーズピッチ50重量%と不飽和ポリエステル樹脂50
重量%との混合物を硬化し、50〜300μmに粉砕し
た粉粒過体を有機粒状物質として用いた。
【0115】成形シートを、一方の面に凸部を有する平
板状成形型(凸部の高さ1.5mm、溝の深さ0.7m
m、溝のピッチ1.0mm)と、平板状成形型とで構成
された金型内にクリアランス2mmで配置し、170℃
で30分間再度加熱膨脹させると共に完全硬化させ、多
孔質シートを得た。多孔質シートを、不活性ガス雰囲気
下、2400℃で黒鉛化処理したところ、黒鉛化電極板
には反りや歪がなく、溝部も精度よく形成できた。
【0116】黒鉛化電極板の凸部をスライス加工し、得
られた平板状の電極板の特性を測定したところ、表5お
よび表6に示す結果を得た。
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】 表5及び表6と、表3及び表4との対比から明らかなよ
うに、実施例18〜32で得られた電極板は、比較例1
〜15の電極板に比べて、ガス透過率、熱電導度、機械
的強度に優れている。
【0119】実施例33 実施例1で用いた繊維長3mmのピッチ系炭素繊維
((株)ドナック製、ドナカーボS−331、繊維径1
3μm)とフェノール樹脂(鐘紡(株)製、ベルパール
S−895)とを、前者/後者=40/60(重量部)
の割合で、米国特許第4426470号明細書に記載の
方法でそれぞれ、水中に分散させ、水性スラリーを得
た。得られた水性スラリーを用いて、抄紙法により炭素
繊維含有量40重量%の炭素繊維強化複合シート(坪量
400g/m2 )を得た。
【0120】この複合シート5枚を、米国特許第314
8269号明細書に記載の連続二重ベルトラミネーター
を用いて重ねるとともに、約2000KPaの圧力下、
125℃の温度で2分間加熱して積層した後、40℃で
2分間加圧冷却し、厚み3.1mmのシート(嵩密度
0.65g/cm3 )を得た。
【0121】得られたシートを、一方の面に溝状凹部が
形成された第1の金型(リブの幅1.5mm、溝幅1.
5mm、リブの高さ1.1mm、溝の深さ0.5mm、
サイズ170mm×170mm)内に配置し、金型温度
を90℃に保ちつつ、100kg/cm2 の圧力で30
秒間プレスすることにより、リブ付き未硬化シート(リ
ブ部の密度1.2g/cm3 、非リブ部の密度1.4g
/cm3 )を得た。
【0122】リブ付き未硬化シートを、一方の面に溝状
凹部が形成された第2の金型(リブの幅1.4mm、溝
幅1.6mm、リブの高さ2.0mm)内に、厚み1.
75mmのスペーサを介して配置し、170℃に加熱さ
れた熱風循環式オーブン中で40分間再加熱し、室温に
冷却することにより、リブ付き多孔質硬化シート(リブ
部の密度0.65g/cm3 、非リブ部の密度0.68
g/cm3 )を得た。
【0123】そして、リブ付き多孔質硬化シートを、真
空焼成炉を用いて900℃で炭化処理した後、2700
℃で黒鉛化処理することにより、反りや歪のないリブ付
き多孔質炭素材を得た。
【0124】多孔質炭素材のリブ部(凸部)をスライス
加工し、得られた平板状の電極板の特性を評価したとこ
ろ、次のような結果が得られた。
【0125】 嵩密度 :0.68g/cm3 ガス透過率 :1000ml・mm/hr・c
2 ・mmAq 厚み方向の熱伝導率 :3.6kcal/m・hr・℃ 曲げ強度 :190kg/cm2 圧縮強度 :65kg/cm2 圧縮弾性率 :600kgf/cm2 厚み方向の電気抵抗率:28mΩ・cm 気孔率 :65% 実施例34 平均繊維長3mmのピッチ系炭素繊維(クレハ化学
(株)製、クレカ C−103S、繊維系14.5μ
m)とフェノール樹脂(鐘紡(株)製、ベルパールS−
895)とを、前者/後者=30/70(重量部)の割
合で、米国特許第4426470号明細書に記載の方法
でそれぞれ、水中に分散させ、水性スラリーを得た。得
られた水性スラリーを用いて、抄紙法により炭素繊維含
有量30重量%の炭素繊維強化複合シート(坪量400
g/m2 )を得た。
【0126】この複合シート6枚を、米国特許第314
8269号明細書に記載の連続二重ベルトラミネーター
を用いて重ねるとともに、約2000KPaの圧力下、
120℃の温度で2分間加熱して積層した後、35℃で
3分間加圧冷却し、厚み2.7mmのシート(嵩密度
0.88g/cm3 )を得た。
【0127】得られたシートを、実施例33で用いた第
1の金型内に配置し、金型温度を80℃に保ちつつ、2
00kg/cm2 の圧力で30秒間プレスすることによ
り、リブ付き未硬化シート(リブ部の密度1.1g/c
3 、非リブ部の密度1.2g/cm3 )を得た。
【0128】リブ付き未硬化シートを、実施例33で用
いた第2の金型内に、厚み1.80mmのスペーサを介
して配置し、170℃に加熱された熱風循環式オーブン
中で40分間再加熱し、室温に冷却することにより、リ
ブ付き多孔質硬化シート(リブ部の密度0.63g/c
3 、非リブ部の密度0.64g/cm3 )を得た。
【0129】そして、リブ付き多孔質硬化シートを、窒
素ガス雰囲気下、1000℃で炭化処理した後、280
0℃で黒鉛化処理することにより、反りや歪のないリブ
付き多孔質炭素材を得た。
【0130】多孔質炭素材のリブ部(凸部)をスライス
加工し、得られた平板状の電極板の特性を評価したとこ
ろ、次のような結果が得られた。
【0131】 嵩密度 :0.64g/cm3 ガス透過率 :1000ml・mm/hr・c
2 ・mmAq 厚み方向の熱伝導率 :2.8kcal/m・hr・℃ 曲げ強度 :230kg/cm2 圧縮強度 :60kg/cm2 圧縮弾性率 :580kgf/cm2 厚み方向の電気抵抗率:35mΩ・cm 気孔率 :69%
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の多孔質複合シートの製造方法を
示す工程図である。
【図2】図2は本発明の多孔質複合シートの他の製造方
法を示す工程図である。
【図3】図3は第1の金型を示す概略断面図である。
【図4】図4は第2の金型による成形過程を示す概略断
面図である。
【図5】図5はリン酸型燃料電池の構造を示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
1…抄紙体 2a,2b…エンドレスベルト 4,14…成形シート 5a〜5c,15a〜15c…金型 16…凸部 17…多孔質複合シート 18…溝 21,31…下型 22a,32a…溝状凹部 22b,32b…凸部 22,32…上型 33…リブ付き成形シート 34…スペーサー 44…負極 45…正極 44a,45a…溝状ガス流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/52 H01M 4/88 C 4/96 Z // B32B 5/28 A 9349−4F D01F 9/12 (72)発明者 岩屋 嘉昭 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 田中 良晴 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 浅見 圭一 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 奥村 新司 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 當麻 克行 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮弾性率5.0kgf/mm2 以上、
    厚み方向の熱伝導率2.0kcal/m・hr・℃以
    上、ガス透過率850ml・mm/hr・cm2 ・mm
    Aq以上、および嵩密度0.55〜0.75g/cm3
    である多孔質炭素材。
  2. 【請求項2】 曲げ強度130kg/cm2 以上および
    圧縮強度50kg/cm2 以上である請求項1記載の多
    孔質炭素材。
  3. 【請求項3】 厚み方向の電気抵抗率が10〜40mΩ
    ・cmである請求項1記載の多孔質炭素材。
  4. 【請求項4】 圧縮弾性率6.0kgf/mm2 以上、
    厚み方向の熱伝導率3.0〜10.0kcal/m・h
    r・℃、ガス透過率1000〜4000ml・mm/h
    r・cm2 ・mmAq、および嵩密度0.6〜0.7g
    /cm3 である請求項1記載の多孔質炭素材。
  5. 【請求項5】 炭素繊維化可能な繊維及び/又は炭素繊
    維と、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂とを含む抄紙
    構造の抄紙体を、前記樹脂の硬化を抑制しつつシート状
    に加熱加圧成形し、得られた成形シートを、前記樹脂の
    溶融温度以上に加熱して膨脹させるとともに樹脂を完全
    硬化させる多孔質複合シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 1枚以上の抄紙体を積層して70〜28
    0℃で樹脂を完全硬化させることなく加熱加圧成形し、
    得られた成形シートを、150〜250℃に再加熱して
    膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させる請求項5記載
    の多孔質複合シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 一対のエンドレスベルトを用いて抄紙体
    を加熱加圧成形する請求項5記載の多孔質複合シートの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 抄紙体を温度70〜170℃、および圧
    力2〜50kg/cm2 で加熱加圧成形し、嵩密度0.
    8〜1.5g/cm3 の成形シートを得る請求項6記載
    の多孔質複合シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 抄紙体を温度170〜280℃、および
    圧力2〜50kg/cm2 で加熱加圧成形し、嵩密度
    0.6〜1.0g/cm3 の成形シートを得る請求項5
    記載の多孔質複合シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 成形シートを、金型内にクリアランス
    を有するように配置し、熱硬化性樹脂の溶融温度以上に
    加熱して膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させる請求
    項8記載の多孔質複合シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 対向面が平滑面からなる金型内に、ク
    リアランスを有するように成形シートを配置し、150
    〜250℃で加熱して膨脹させるとともに樹脂を完全硬
    化させる請求項8記載の多孔質複合シートの製造方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも一方の面に凸部が形成され
    た金型内に、クリアランスを有するように成形シートを
    配置し、150〜250℃で加熱して膨脹させるととも
    に樹脂を完全硬化させる請求項8記載の多孔質複合シー
    トの製造方法。
  13. 【請求項13】 一方の面に溝状凹部が形成された第1
    の金型内に、抄紙体を配置し、80〜200℃でプレス
    成形し、得られたリブ付き成形シートを、前記第1の金
    型の溝状凹部よりも大きな溝状凹部が一方の面に形成さ
    れた第2の金型内に、クリアランスを有するように配置
    し、150〜250℃で加熱して膨脹させるとともに樹
    脂を完全硬化させる多孔質複合シートの製造方法。
  14. 【請求項14】 成形シートの厚みの0.1〜4倍のク
    リアランスを有するように、成形シートを金型内に配置
    する請求項10記載の多孔質複合シートの製造方法。
  15. 【請求項15】 金型内の成形シートを150〜250
    ℃で加熱し、膨脹させるとともに完全硬化させる請求項
    10記載の多孔質複合シートの製造方法。
  16. 【請求項16】 炭素繊維化可能な繊維及び炭素繊維の
    うち、少なくとも炭素繊維を含む抄紙体を用いる請求項
    5記載の多孔質複合シートの製造方法。
  17. 【請求項17】 炭素繊維化可能な繊維と炭素繊維と
    を、前者/後者=10/90〜90/10(重量%)の
    割合で含む抄紙体を用いる請求項5記載の多孔質複合シ
    ートの製造方法。
  18. 【請求項18】 熱硬化性樹脂が、炭化収率40〜75
    重量%の樹脂である請求項5記載の多孔質複合シートの
    製造方法。
  19. 【請求項19】 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂である
    請求項5記載の多孔質複合シートの製造方法。
  20. 【請求項20】 炭素繊維化可能な繊維及び/又は炭素
    繊維、炭化収率40〜75重量%の熱硬化性樹脂、およ
    びピッチを含む抄紙体を加熱加圧成形する請求項5記載
    の多孔質複合シートの製造方法。
  21. 【請求項21】 繊維100重量部に対して、熱硬化性
    樹脂10〜300重量部、およびピッチ10〜300重
    量部を含む抄紙体を加熱加圧成形する請求項5記載の多
    孔質複合シートの製造方法。
  22. 【請求項22】 軟化点150〜400℃のピッチを含
    む抄紙体を加熱加圧成形する請求項20記載の多孔質複
    合シートの製造方法。
  23. 【請求項23】 さらに、気孔形成剤としての有機粒状
    物質を含む抄紙体を加熱加圧成形する請求項5記載の多
    孔質複合シートの製造方法。
  24. 【請求項24】 熱硬化性樹脂の硬化物からなる有機粒
    状物質を含む抄紙体を加熱加圧成形する請求項23記載
    の多孔質複合シートの製造方法。
  25. 【請求項25】 ピッチと、炭化収率30重量%以下の
    樹脂とで構成された有機粒状物質を含む抄紙体を加熱加
    圧成形する請求項23記載の多孔質複合シートの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 有機粒状物質全体に対するピッチの割
    合が10〜75重量%である請求項25記載の多孔質複
    合シートの製造方法。
  27. 【請求項27】 繊維100重量部に対して、有機粒状
    物質10〜500重量部を含む抄紙体を加熱加圧成形す
    る請求項23記載の多孔質複合シートの製造方法。
  28. 【請求項28】 炭素繊維化可能な繊維及び炭素繊維の
    うち少なくとも炭素繊維を含む繊維100重量部に対し
    て、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂20〜250重
    量部、軟化点200〜400℃のピッチ0〜250重量
    部、および気孔形成剤としての有機粒状物質0〜300
    重量部を含む抄紙構造の抄紙体を、一対のエンドレスベ
    ルトを用い70〜280℃で樹脂を完全硬化させること
    なくシート状に加熱加圧成形し、予備成形シートを得る
    ための加熱加圧工程と、予備成形シートを150〜25
    0℃に加熱して膨脹させるとともに樹脂を完全硬化させ
    るための膨脹硬化工程とを含む請求項5記載の多孔質複
    合シートの製造方法。
  29. 【請求項29】 加熱加圧工程において、抄紙体を17
    0〜280℃で樹脂を完全硬化させることなく加熱加圧
    成形し、膨脹硬化工程において、得られた予備成形シー
    トを、荷重を作用させることなく、150〜250℃で
    加熱し膨脹・完全硬化させる請求項28記載の多孔質複
    合シートの製造方法。
  30. 【請求項30】 加熱加圧工程において、一方の面に溝
    状凹部を有していてもよい金型を用いて、抄紙体を温度
    80〜200℃、圧力2〜1000kg/cm2 で樹脂
    を完全硬化させることなく加熱加圧成形し、膨脹硬化工
    程において、得られた予備成形シートを、一方の面に溝
    状凹部を有していてもよい金型内に、クリアランスを有
    するように配置し、150〜250℃で加熱して膨脹・
    完全硬化させる請求項28記載の多孔質複合シートの製
    造方法。
  31. 【請求項31】 炭素繊維化可能な繊維及び/又は炭素
    繊維と、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂とを含む抄
    紙構造の抄紙体の少なくとも1枚を積層して、前記樹脂
    の硬化を抑制しつつシート状に加熱加圧成形し、得られ
    た成形シートを、前記樹脂の溶融温度以上に加熱して膨
    脹させるとともに樹脂を完全硬化させ、得られた多孔質
    複合シートを炭化又は黒鉛化する多孔質炭素材の製造方
    法。
  32. 【請求項32】 多孔質複合シートを1000〜330
    0℃で焼成する請求項31記載の多孔質炭素材の製造方
    法。
  33. 【請求項33】 炭素繊維化可能な繊維及び/又は炭素
    繊維で構成された繊維100重量部に対して、炭化収率
    50〜75重量%の炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂
    15〜275重量部、炭化収率50重量%以上のピッチ
    0〜250重量部、および平均粒径0.1〜500μm
    の有機粒状物質0〜250重量部を含む抄紙構造の抄紙
    体の1枚以上を積層して、前記樹脂の硬化を抑制しつつ
    シート状に加熱加圧成形する工程、得られた成形シート
    を、前記樹脂の溶融温度以上に加熱して膨脹させるとと
    もに樹脂を完全硬化させる工程、得られた多孔質複合シ
    ートを炭化又は黒鉛化する工程を含む多孔質炭素材の製
    造方法。
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