JPH08294872A - 研磨体 - Google Patents

研磨体

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JPH08294872A
JPH08294872A JP7103930A JP10393095A JPH08294872A JP H08294872 A JPH08294872 A JP H08294872A JP 7103930 A JP7103930 A JP 7103930A JP 10393095 A JP10393095 A JP 10393095A JP H08294872 A JPH08294872 A JP H08294872A
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JP
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polishing
resin
acid
layer
binder
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JP7103930A
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English (en)
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24DTOOLS FOR GRINDING, BUFFING OR SHARPENING
    • B24D11/00Constructional features of flexible abrasive materials; Special features in the manufacture of such materials
    • B24D11/001Manufacture of flexible abrasive materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24DTOOLS FOR GRINDING, BUFFING OR SHARPENING
    • B24D3/00Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents
    • B24D3/02Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent
    • B24D3/20Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent and being essentially organic
    • B24D3/28Resins or natural or synthetic macromolecular compounds

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨層による被研磨物の研磨の課程において
無機塩が生じ、被研磨物に錆等が発生して耐久性等が低
下するのを、研磨剤の選択により防止する。 【構成】 研磨剤21とバインダー22からなる研磨層20を
支持体10上に有してなる研磨体において、研磨剤21は、
研磨剤微粉末中のナトリウム分のNaO換算含有率が
0.1wt%以下、α結晶粒径が5μm以下の酸化アル
ミニウムを含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研磨剤をバインダーに
分散してなる研磨層を支持体上に設けてなる研磨体にお
いて、これを構成する材料の内、研磨剤とその分散に供
せられるバインダーに関し、特に磁気ヘッド、光ファイ
バー端子、電動機や発電機の整流子、ガラス等セラミッ
ク、ハードディスク基板等の産業用材料の被研磨物の研
磨表面における中心線平均表面粗さRa(JIS−B0
601−1982)が100μm以下に要求される精密
研磨テープ等の研磨体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録ビデオテープレコーダー等に用
いられる磁気ヘッド、光ファイバー端子、電動機や発電
機の整流子、ガラス等セラミック、ハードディスク基
板、液晶用カラーフィルター、IC関連基板等の被研磨
物に対し、その鏡面化、形状操作、突起除去のために、
その表面を研磨テープ、研磨ディスク等の研磨体を用い
て研磨している。
【0003】通常、上記研磨処理は、その製造工程で研
磨体により被研磨物の所定部分の研磨を行い所望の表面
性を得て完成させるが、研磨体の研磨層に無機塩もしく
は無機塩の前駆体が存在すると、研磨後におけるこれら
製品の耐久性等の品質を損なう場合があった。とくに研
磨剤(研磨粉体)をバインダーに分散させるについて、
その分散性を高めるために有効である酸性官能基を有す
るバインダーとは特に無機塩が生成しやすいという問題
があった。
【0004】即ち、研磨剤やバインダーに無機塩やその
前駆体が存在すると、これらは研磨体の表層上で自己発
生型無機塩として、また被研磨物との反応により無機塩
として結晶化し、被研磨物へ傷(スクラッチ)を与えた
り、被研磨物の腐食の原因となる可能性があった。この
ため原材料の無機塩成分を極力低下させる試みがなされ
たが充分ではなく、単に原材料の純度を向上させても無
機塩を除去するのは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであって、原材料の無機塩
成分の低減ではなく、異なる原材料から発生し無機塩を
構成するような成分を低減し、被研磨物や研磨体におけ
る無機塩の生成を阻害し除去することにより、研磨体を
使用して研磨処理を行った被研磨物の傷、錆等の発生を
防止し、製品の品質を高めることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の研磨体は、研磨剤とバインダーからなる研磨層を支
持体上に有してなり、前記研磨剤は、研磨剤微粉末中の
ナトリウム分のNaO換算含有率が0.1wt%以下、
α結晶粒径が5μm以下である酸化アルミニウムを含有
していることを特徴とするものである。
【0007】上記研磨剤、即ち、ナトリウム分のNaO
換算含有率が0.1wt%以下、α結晶粒径が5μm以
下である酸化アルミニウム(低ソーダアルミナ)は、ボ
ーキサイトを苛性ソーダで溶解し不要物除去のあと析出
濃縮させ、この工程を複数回行うことによりNa分の含
有率を低減させた水酸化アルミニウムを、ロータリーキ
ルンで加熱脱水した後、粒径を選別調整することなどに
よって得られる。
【0008】また、前記研磨層のバインダーが、カルボ
キシル基、スルフォン酸基、燐酸基の少なくとも一つの
官能基を有する素材で構成するのが望ましい。これは、
被研磨物にスクラッチを与える研磨体上の異物や突起
は、研磨剤のバインダーに対する分散性を向上させるこ
とにより防止できるが、このためには酸性官能基を含有
するバインダーを用いることが特に好ましい。しかし、
この酸性官能基は塩基性化合物と反応し、不必要な生成
物を生じさせるため、樹脂、研磨剤等の研磨体原材料か
ら無機塩を除去するのは勿論、対イオンをも除去するこ
とが望ましいためである。
【0009】本発明における研磨体の構造を、図1に概
略的に示す。この研磨体は、支持体10上に研磨層20が形
成されたものであり、該研磨層20は微粉末粒子状の研磨
剤21とバインダー22を主体とし、バインダー22中に研磨
剤21が分散固定されたものである。
【0010】上記支持体は、素材としてポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエス
テル類、ポリプロピレン等ポリオレフイン類、セルロー
ストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセル
ロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホ
ン、ポリフェニルスルホン、ポリベンゾオキサゾール等
のプラスチックのほかにアルミニウム、銅等の金属、ガ
ラス等のセラミックス等も使用出来る。これらの支持体
は塗布に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下
塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処理、アルカリ
処理を行ってもよい。これら支持体に関しては例えば、
西独特許3338854A、特開昭59−116926
号、特開昭61−129731号公報、米国特許明細書
4388368号;三石幸夫著、『繊維と工業』31巻
p50〜55、1975年などに記載されている。
【0011】研磨テープ等の場合、これら支持体の中心
線平均表面粗さRaは0.001〜1.5μm(カット
オフ値0.25mm)が好ましい。支持体の厚みは、
2.5〜500μmが望ましく、3〜75μmがさらに
望ましい。また支持体の長手もしくは幅方向のいずれか
のヤング率が400Kg/mm2 以上であることが望ま
しい。
【0012】上記研磨層の研磨剤としては、ナトリウム
分のNaO換算含有率が0.1wt%以下、α結晶粒径
が5μm以下である酸化アルミニウムを使用するもので
あり、その平均粒子径は0.05〜1μmが好適であ
り、α−アルミナ、α,γ−アルミナ、熔融アルミナが
用いられ、特に焼結アルミナが好ましい。この酸化アル
ミニウムによる研磨剤は、酸化クロム、炭化硅素、ダイ
ヤモンド、人工ダイヤモンドなどのモース硬度7以上の
研磨剤と混合使用しても良いが、併用する研磨剤のNa
分を低減するため、前記酸化アルミニウムによる研磨剤
と同等以下のNa分である必要がある。酸化アルミニウ
ム以外の研磨剤の混合比率は50%以下が好ましい。
【0013】上記バインダーとしては、無機塩が0.1
wt%以下のものを使用するのが望ましい。このバイン
ダーとしては塩ビ系樹脂、ウレタン樹脂及びポリイソシ
アネートが好適であるが、それ以外に従来公知の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹
脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂、防黴樹脂
やこれらの混合物を使用することができる。
【0014】上記熱可塑性樹脂としては、軟化温度が1
50℃以下、平均分子量が10000〜300000、
重合度が約50〜2000程度のものでより好ましくは
200〜700程度であり、例えば、アクリル酸エステ
ルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化
ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重
合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合
体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メ
タクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラス
トマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース
−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデン
アクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、
セルロースダイアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エ
チルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロー
ス、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ク
ロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミ
ノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの
混合物等が使用される。
【0015】特に塩ビ系樹脂としては、例えば塩化ビニ
ル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体等が挙げ
られ、中でも、塩化ビニルの共重合体である−(CHC
lCH2 n −(CHXCH2 m −(Xは、−SO3
Na、−SO3 H、−PO4 H等の極性基)を基本単位
とするものが研磨層の強度および研磨剤粒子の分散性の
面で望ましい。この塩ビ系樹脂の中でも特に望ましいの
は、分散性、塗布膜強度の点から日本ゼオン社製のMR
110、400X110A等である。
【0016】また上記熱硬化性樹脂あるいは反応型樹脂
としては、塗布液の状態では200000以下の分子量
であり、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮
合、付加等の反応により分子量は無限大となるものが好
適に用いられる。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が
熱分解するまでの間に軟化または溶融しないものが好ま
しい。具体的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド
樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエ
ステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メ
タクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマー
の混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネー
トとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グ
リコール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリ
イソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン
樹脂及びこれらの混合物等である。
【0017】上記ウレタン系樹脂としては、特に制限さ
れず従来よりバインダー樹脂として公知のものを使用す
ることができる。例えば、100%モジュラスが50〜
300Kg/mm2 、ガラス転移温度(Tg )が−30
〜50℃であるものが研磨剤を研磨層に保持する性能、
また塗膜に適度の弾性を付与するので望ましい。具体的
には大日本インキ(株)社製のC−7209、パンデッ
クス、日本ポリウレタン(株)社製のN−2301、N
−2302、N−2304、N−3107、東洋紡
(株)社製のUR−8200、UR−8300、UR−
8600等が挙げられ、中でも研磨剤粒子の分散を促進
させるための極性基を分子内に有するものが好ましい。
【0018】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、前記した本発明の官能基以外の官能基とし
て、カルボン酸(COOM)、スルフィン酸、スルフェ
ン酸、スルホン酸(SO3 M)、燐酸(PO(OM)
(OM))、ホスホン酸、硫酸(OSO3 M)、及びこ
れらのエステル基等の酸性基(MはH、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノ
スルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エス
テル類、スルフォベタイン、ホスホベタイン、アルキル
ベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イミド
基、アミド基等また、水酸基、アルコキシル基、チオー
ル基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F、Cl、Br、
I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ基、イソシア
ナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ基、アクリル
基、フォスフィン基を通常1種以上6種以内含んでも良
い。そして各々の官能基は、樹脂1gあたり1×10-6
eq〜1×10-2eq含むことが研磨剤粒子の分散の促
進、研磨層塗布膜の強度の向上のために望ましい。
【0019】前記研磨層の研磨剤とバインダー樹脂との
混合割合は、重量比で研磨剤100重量部に対してバイ
ンダー樹脂が5〜700重量部の範囲で使用される。
【0020】さらに、上記ポリイソシアネートとして
は、特に制限されず従来よりバインダー樹脂として公知
のものを使用することができる。例えば、トリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ
ート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート
類、また当該イソシアネート類とポリアルコールとの生
成物、またイソシアネート類の縮合によって生成した2
〜10量体のポリイソシアネート、またポリイソシアネ
ートとポリウレタンとの生成物で末端官能基がイソシア
ネートであるもの等が挙げられ、中でもイソシアネート
基(−NCO)を1分子内中に3個以上あるものが架橋
が三次元的になされるので望ましい。これらポリイソシ
アネート類の平均分子量は100〜20000のものが
好適である。
【0021】これらポリイソシアネートの市販されてい
る商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コ
ロネート2030、コロネート2031、ミリオネート
MR、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン株製)、
タケネートD−102、タケネートD−110N、タケ
ネートD−200、タケネートD−202、タケネート
300S、タケネート500(武田薬品株製)、スミジ
ュールT−80、スミジュール44S、スミジュールP
F、スミジュールL、スミジュールN、デスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール1
5、デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジ
ュールSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独もしくは硬化反応性の差
を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって
使用することができる。
【0022】また、硬化反応を促進する目的で、水酸基
(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子量が100
0〜10000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
等)を有する化合物や、金属酸化物の触媒や鉄アセチル
アセトネート等の触媒を併用することもできる。これら
の水酸基やアミノ基を有する化合物は、多官能であるこ
とが望ましい。上記のポリイソシアネートの中でも特に
望ましいのは、3次元的架橋密度を促進向上させるた
め、3官能ポリイソシアネートが好ましく、例えば日本
ポリウレタン社製のコロネート3040等が挙げられ
る。
【0023】その他、前記研磨層中には各種の機能を持
った化合物が、必要に応じて添加剤として添加される。
例えば、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防
黴剤、着色剤、溶剤等が加えられる。
【0024】上記分散剤、分散助剤は、バインダーへの
研磨剤の分散を助ける目的で添加される。この分散剤、
分散助剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステ
アロール酸、ベヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素
数2〜40個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数1
〜39個のアルキル基、フェニル基、アラルキル基)、
前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K、NH4
+ 等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba
等)、Cu、Pb等からなる金属石鹸(オレイン酸
銅)、脂肪酸アミド;レシチン(大豆油レシチン)等が
使用される。この他に炭素数4〜40の高級アルコー
ル、(ブタノール、オクチルアルコール、ミリスチルア
ルコール、ステアリルアルコール)及びこれらの硫酸エ
ステル、スルホン酸、フェニルスルホン酸、アルキルス
ルホン酸、スルホン酸エステル、燐酸モノエステル、燐
酸ジエステル、燐酸トリエステル、アルキルホスホン
酸、フェニルホスホン酸、アミン化合物等も使用可能で
ある。また、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キサイド、スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸金属塩、スルホ
琥珀酸エステル等も使用可能である。これらの分散剤は
通常一種類以上で用いられ、一種類の分散剤はバインダ
ー100重量部に対して0.005〜20重量部の範囲
で添加される。これら分散剤の使用方法は、強磁性微粉
末や非磁性微粉末の表面に予め被着させても良く、また
分散途中で添加してもよい。
【0025】上記潤滑剤(粉末状潤滑剤)としては、グ
ラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、弗化黒鉛、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化タングステン等の無機微
粉末、アクリルスチレン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミ
ン系樹脂微粉末、メラミン系樹脂微粉末、ポリオレフィ
ン系樹脂微粉末、ポリエステル系樹脂微粉末、ポリアミ
ド系樹脂微粉末、ポリイミド系樹脂微粉末、ポリフッカ
エチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等がある。
【0026】さらに摩擦係数の低減、塗布膜の弾性のコ
ントロールという効果を期待して以下のような有機化合
物系潤滑剤を添加することもできる。その際の添加量と
しては、研磨剤粒子に対して重量百分比で0.01〜1
0重量%、望ましくは0.05〜5重量%である。この
有機化合物系潤滑剤としては、シリコンオイル(ジアル
キルポリシロキサン、ジアルコキシポリシロキサン、フ
ェニルポリシロキサン、フルオロアルキルポリシロキサ
ン(信越化学製KF96、KF69等))、脂肪酸変性
シリコンオイル、フッ素アルコール、ポリオレフィン
(ポリエチレンワックス、ポリプロピレン等)、ポリグ
リコール(エチレングリコール、ポリエチレンオキシド
ワックス等)、テトラフルオロエチレンオキシドワック
ス、ポリテトラフルオログリコール、パーフルオロアル
キルエーテル、パーフルオロ脂肪酸、パーフルオロ脂肪
酸エステル、パーフルオロアルキル硫酸エステル、パー
フルオロアルキルスルホン酸エステル、パーフルオロア
ルキルベンゼンスルホン酸エステル、パーフルオロアル
キル燐酸エステル等の弗素や珪素を導入した化合物、ア
ルキル硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、ア
ルキルホスホン酸トリエステル、アルキルホスホン酸モ
ノエステル、アルキルホスホン酸ジエステル、アルキル
燐酸エステル、琥珀酸エステル等の有機酸および有機酸
エステル化合物、トリアザインドリジン、テトラアザイ
ンデン、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、ベン
ゾジアゾール、EDTA等の窒素・硫黄を含む複素(ヘ
テロ)環化合物、炭素数10〜40の一塩基性脂肪酸と
炭素数2〜40個の一価のアルコールもしくは二価のア
ルコール、三価のアルコール、四価のアルコール、六価
のアルコールのいずれか1つもしくは2つ以上とからな
る脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩基性脂肪
酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜70個
となる一価〜六価のアルコールからなる脂肪酸エステル
類、炭素数8〜40の脂肪酸或いは脂肪酸アミド類、脂
肪酸アルキルアミド類、脂肪族アルコール類も使用でき
る。
【0027】これら潤滑剤化合物の具体的な例として
は、カプリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン
酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミ
リスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸
オクチル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン
酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチ
ル、パルミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチ
ル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ス
テアリン酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシル、
ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ステア
リン酸2エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシ
ル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキ
シエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、ア
ンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビ
タントリステアレート、アンヒドロソルビタンテトラス
テアレート、オレイルオレート、オレイルアルコール、
ラウリルアルコール、モンタンワックス、カルナウバワ
ックス等があり単独若しくは組み合わせて添加される。
【0028】上記帯電防止剤は、被研磨物との間で発生
する静電気による静電破壊を防止する目的で添加され、
カーボンブラックの使用が好ましい。カーボンブラック
としては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー
用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができ
る。このカーボンブラックは、帯電防止剤のほか、遮光
剤、摩擦係数調節剤、耐久性向上剤としても用いられ
る。カーボンブラックの米国における略称の具体例を示
すと、SAF、ISAF、IISAF、T、HAF、S
PF、FF、FEF、HMF、GPF、APF、SR
F、MPF、ECF、SCF、CF、FT、MT、HC
C、HCF、MCF、LFF、RCF等があり、米国の
ASTM規格のD−1765−82aに分類されている
ものを使用することができる。これらのカーボンブラッ
クの中、本発明の目的を有効に達成するためには、上記
の中でも粒径が下記の条件に適合するファーネスブラッ
クが望ましい。
【0029】本発明に使用されるこれらカーボンブラッ
クの平均粒子径は、5〜100nm(電子顕微鏡)、窒
素吸着法比表面積は10〜800m2 /g、pHは4〜
11(JIS規格K−6221−1982法)、ジブチ
ルフタレート(DBP)吸油量は10〜800ml/1
00g(JIS規格K−6221−1982法)であ
る。本発明に使用されるカーボンブラックの平均粒子径
は、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的で5〜100n
mのカーボンブラックを、また塗布膜の強度を制御する
ときに50〜1000nmのカーボンブラックを用い
る。
【0030】また、カーボンブラックの種類と添加量は
研磨体の目的に応じて使い分けられる。また、これらの
カーボンブラックを、前述の分散剤などで表面処理した
り、樹脂でグラフト化して使用してもよい。また、カー
ボンブラックを製造するときの炉の温度を2000℃以
上で処理して表面の一部をグラファイト化したものも使
用できる。また、特殊なカーボンブラックとして中空カ
ーボンブラックを使用することもできる。これらのカー
ボンブラックは研磨層の場合、無機粉末100重量部に
対して0.1〜100重量部の範囲で用いることが望ま
しい。また支持体の裏面に摩擦低減用に設けるバック層
の場合、樹脂100重量部に対して20〜400重量部
で用いることが望ましい。本発明に使用出来るカーボン
ブラックは、例えば『カーボンブラック便覧』、カーボ
ンブラック協会編、(昭和46年発行)を参考にするこ
とが出来る。
【0031】なお、本発明で使用する研磨剤(酸化アル
ミニウム)以外の粉体についても、各々の粉体は、Na
分のNaO換算含有率が0.1wt%以下であることが
好ましい。
【0032】またカーボンブラック以外の帯電防止剤と
してはグラファイト、変成グラファイト、カーボンブラ
ックグラフトポリマー、酸化錫−酸化アンチモン、酸化
錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン等の導電性粉
末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキサイ
ド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アルコー
ル、多価アルコールエステル、アルキルフェノールEO
付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類
等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、ホ
スホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エステ
ル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型
等の両性界面活性剤等が使用される。
【0033】これら帯電防止剤として使用し得る界面活
性剤化合物例の一部は、小田良平他著『界面活性剤の合
成とその応用』(槙書店1972年版);A.W.ベイ
リ著『サーフェス アクティブ エージェンツ』(イン
ターサイエンス パブリケーション コーポレイテッド
1985年版);T.P.シスリー著『エンサイクロペ
ディア オブ サーフェスアクティブ エージェンツ、
第2巻』(ケミカルパブリシュカンパニー1964年
版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社、
昭和41年12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』
幸書房(1968)等の図書に記載されている。これら
の界面活性剤は単独または混合して添加しても良い。こ
れらは帯電防止剤として用いられるものであるが、時と
してそのほかの目的、例えば分散、潤滑性の改良、塗布
助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として適用され
る場合もある。
【0034】上記酸化防止剤としては、一般的に防錆剤
としてしられているアルキルフェノール、ベンゾトリア
ジン、テトラアザインデン、スルファミド、グアニジ
ン、核酸、ピリジン、アミン、ヒドロキノン、EDTA
等の金属キレート剤、錆どめ剤であるナフテン酸、アル
ケニルコハク酸、燐酸、ジラウリルフォスフェート等、
油性剤として知られているナタネ油、ラウリルアルコー
ル等、極圧剤であるジベンジルスルフィド、トリクレジ
ルフォスフェート、トリブチルホスファイト等が用いら
れる。これらは清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降
下剤、泡どめ剤等としても用いられる。これらの潤滑剤
はバインダー100重量部に対して0.01〜30重量
部の範囲で添加される。
【0035】上記防黴材としては、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタルイミド、10,10’−オキシビス
フェノキサルシン、2,4,5,6テトラクロロイソフ
タロニトリル、P−トリルジヨードメチルスルホン、ト
リヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト酸、フェニ
ルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル錫)、サルチ
ルアニライド等がある。このようなものは、例えば「微
生物災害と防止技術」1972年工学図書、「化学と工
業」32、904(1979)等に示されている。
【0036】上記着色剤としては、フタロシアニン色
素、シアニン色素、キレート色素など染料や顔料に用い
る工業用色素を用いることが出来る。
【0037】上記溶剤は分散、混練、塗布の際に任意の
比率で使用される。この溶剤としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン
系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチル
エーテル等のエステル系;ジエチルエーテル、グリコー
ルジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、
ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレンなどの
タール系(芳香族炭化水素);メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水
素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘキサン、水
等が使用できる。またこれら溶媒は通常任意の比率で2
種以上で用いる。また1重量%以下の量で微量の不純物
(その溶媒自身の重合物、水分、原料成分等)を含んで
もよい。
【0038】これらの溶剤は、塗布液合計固形分100
重量部に対して100〜20000重量部で用いられ
る。好ましい塗布液の固形分率は1〜70重量%であ
る。
【0039】前記研磨体の形成は、上記の研磨剤、バイ
ンダー、添加剤等を任意の組成に組合せて溶剤に溶解
し、混練、分散して研磨層塗布液とし、この塗布液を支
持体上に塗布し、乾燥して研磨層を設けた後、所定の形
状例えばテープ状に裁断し、表面をクリーニングしてな
る。
【0040】上記の溶解、分散、混練の方法には特に制
限はなく、また各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑
剤、溶媒等)、溶解、分散・混練中の添加位置、分散温
度(0〜80℃)などは適宜設定することができる。前
記塗布液(研磨塗料)の調製には通常の撹拌機、分散
機、混練機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミ
ル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラ
インダー、ツェグバリ(Szegvari)アトライタ
ー、高速インペラー、高速ストーンミル、高速度衝撃ミ
ル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレ
ンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラ
ー、ブレンダー、ディスパーザー、ホモジナイザー、単
軸スクリュー押出し機、二軸スクリュー押出し機、及び
超音波分散機などを用いることができる。通常溶解、分
散・混練にはこれらの機械を複数備え、連続的に処理を
行う。混練、分散に関する技術の詳細は、T.C.パッ
トン著『ペイント フロー アンド ピグメント ディ
スパージョン』1964年(ジョン ウイリー & サ
ンズ社発行);田中信一著『工業材料』25巻37(1
977)などや当該書籍の引用文献に記載されている。
これら分散、混練の補助材料として分散・混練を効率よ
く進めるため、球相当径で10cmφ〜0.05mmφ
の径のスチールボール、スチールビーズ、セラミックビ
ーズ、ガラスビーズ、有機ポリマービーズを用いること
が出来る。またこれら材料は球形に限らない。また、米
国特許第2581414号及び同第2855156号な
どの明細書にも記載がある。本発明においても上記の書
籍や当該書籍の引用文献などに記載された方法に準じて
混練分散を行い研磨層塗料およびバック層塗料を調製す
ることができる。
【0041】支持体上へ研磨層用塗布液を設ける方法と
しては、塗布、噴霧などがある。塗布の場合、塗布液の
粘度を1〜20000センチストークス(25℃)に調
整し、エアードクターコーター、ブレードコーター、エ
アナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、
リバースロールコーター、トランスファーロールコータ
ー、グラビアコーター、キスコーター、キヤストコータ
ー、スプレイコーター、ロッドコーター、正回転ロール
コーター、カーテンコーター、押出コーター、バーコー
ター、リップコーター等が利用出来、その他の方法も可
能であり、これらの具体的説明は朝倉書店発行の『コー
ティング工学』253頁〜277頁(昭和46.3.2
0.発行)等に詳細に記載されている。また所望の液の
塗布の前に下塗り層あるいは支持体との密着力向上のた
めにコロナ放電処理等を行っても良い。また研磨層を多
層で構成したいときは、同時多層塗布、逐次多層塗布等
を行ってもよい。これらは、例えば、特開昭57−12
3532号公報、特公昭62−37451号公報、特開
昭59−142741号公報、特開昭59−16523
9号公報の明細書等に示されている。
【0042】このような方法により支持体上に約1〜1
000μmほどで研磨層を設けた後、直ちに20〜13
0℃で乾燥させる処理を施したのち、形成した研磨層を
0.1〜100μm厚みに乾燥する。このときの支持体
の搬送速度は、通常10m/分〜900m/分で行わ
れ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20℃〜130℃で
制御し塗布膜の残留溶剤量を0.1〜40mg/m2
する。また必要により同様の手順でその余の層を設けて
もよく、引き続き表面平滑化加工を施したりして、所望
の形状に裁断し本発明の研磨体を製造する。これらの製
造方法は、研磨剤等の粉体の予備処理・表面処理、混練
・分散、塗布・配向・乾燥、平滑処理、熱処理、EB処
理、表面クリーニング処理、裁断、巻き取り(研磨テー
プの場合所望のプラスチックや金属のリールに巻き取
る)の工程を連続して行うことが望ましい。
【0043】前記の研磨体は、最終工程ないしはそれ以
前の工程において、その研磨層、バック層、エッジ端
面、ベース面等をバーニッシュおよび(または)クリー
ニングすることが望ましい。バーニッシュは研磨体の表
面粗度と研磨力を制御するために施し、具体的にはサフ
ァイア刃、剃刀刃、超硬材料刃、ダイアモンド刃、セラ
ミックス刃のような硬い材料により研磨体表面の突起部
分をそぎ落とし均一にもしくは平滑にする。これら材料
のモース硬度は8以上が好ましいが、特に制限はなく突
起を除去できるものであれば良い。これら材料の形状は
特に刃である必要はなく、角型、丸型、ホイール(回転
する円筒形状の周囲にこれらの材質を付与したもの)の
ような形状でも使用できる。また研磨体のクリーニング
は、表面の汚れや余分な潤滑剤を除去する目的で研磨体
表層を不織布などで研磨層面、バック層面、エッジ端
面、バック側のベース面をワイピングすることにより行
う。このようなワイピングの材料としては例えば日本バ
イリーン製の各種バイリーンや東レ製のトレシー、エク
セーヌ、商品名キムワイプ、また不織布はナイロン製不
織布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織布、アク
リロニトリル製不織布、混紡不織布、ティッシュペーパ
ー等が使用できる。
【0044】本発明の研磨体の層構成は基本的に支持体
上に研磨層を設けるものであるが、その他に、バック
層、中間層、各層間の剥離防止層即ち下塗層を設けても
よく、バック層、中間層、下塗層は、摩擦や弾性、密着
強度のコントロールのために設けられる。バック層は、
支持体を挟む研磨層の裏面に、中間層は支持体と研磨層
の間に研磨剤を含まない層で形成され、下塗層は2層間
の密着強度を増すために設けられる。各々の層は上述し
た研磨層と同様の原料を使用することが出来る。また研
磨剤のサイズや種類の異なる2種以上を厚みを変えて多
層構成とすることもできる。
【0045】本発明の研磨体の製法に関しては、更に特
公昭56−26890号等に記載されている磁気記録媒
体のものを参考にできる。
【0046】
【実施例】以下に本発明を研磨テープの実施例により具
体的に説明する。なお、以下に示す成分、割合、操作順
序等は本発明の精神から逸脱しない範囲において変更し
うるものであることは当業者にとっては容易に理解され
ることであり、本発明が下記の実施例に制限されないこ
とは勿論である。なお実施例中の「部」は、いずれも
「重量部」を表すものである。
【0047】<実施例1,2>この実施例は、厚さ25
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)による支
持体上に、ポリエステルポリウレタン樹脂からなる下塗
層を0.1μm厚に塗布し、その上に下記の組成で調整
した研磨層用塗布液を、乾燥後の厚さが5μmとなるよ
うにバーコート塗布で塗布し、乾燥することにより研磨
テープのサンプルを作成した。上記研磨層におけるNa
分のNaO換算含有率を、実施例1として0.05wt
%のものを、実施例2として0.1wt%のものを得
た。
【0048】また、このNaO換算含有率の高い研磨剤
を使用した研磨テープを同様に作成した。比較例1の含
有率は0.3wt%、比較例2の含有率は0.5wt
%、比較例3の含有率は1.0wt%、比較例4の含有
率は2.0wt%である。
【0049】上記のように作成した本発明の実施例1お
よび2による研磨テープと、比較例1ないし4による研
磨テープとを使用したテスト結果を表1に示す。このテ
ストは、前記各研磨テープによって鋼球を研磨(研削)
し、その研磨により生じた生成物(研磨糟)を使用した
腐食テストであり、この腐食テストは上記研磨生成物を
液晶用の透明電極として使用されるITO膜(インジウ
ム・錫酸化物)に載置し、温度30℃、湿度90%の雰
囲気に1ヶ月保存して、ITO膜の錆の発生状態を観察
することで腐食性を観察したものであり、前記研磨生成
物内における無機塩とくにナトリウム塩の生成程度を求
めている。その評価は、○が変化なし、△がやや変色し
たもので、×が茶色に変色して明らかに腐食即ち錆が発
生した場合である。なお、表中の研削力とは、鋼球の相
対磨耗量を示している。
【0050】 〔塗布液組成〕 研磨剤粒子(アルミナ、平均粒径 0.2μm、 α結晶粒径 0.2μm、モース硬度9): 100部 バインダー樹脂(ポリエステル樹脂): 10部 バインダー樹脂(ポリウレタン、スルホン酸ナトリウム1×10-3 当量/g樹脂含有、Mw70000 ): 5部 ポリイソシアネート(トリメチロールプロパン(1モル)の TDI(3モル)付加物): 2部 潤滑剤(オレイン酸/オレイン酸オレイル): 0.1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 200部 希釈剤(トルエン/MIBK): 150部 添加剤(カーボンブラック): 3部
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から、研磨剤のNaO換算含有
率が0.1wt%以下の本発明実施例1および実施例2
のものでは錆が発生しておらず、研磨の課程においては
無機塩の発生が少ないものである。これに対して、Na
O換算含有率が0.3wt%以上の比較例1ないし4の
ものでは、その含有率が大きいものほど錆の発生があ
り、研磨の課程で生じた無機塩(ナトリウム塩)により
腐食が生じている。このITO膜の腐食は、研磨テープ
で研磨処理を行った後、液晶に組み込まれたITO膜に
錆が生じて製品の耐久性が低下する原因となる。
【0053】<実施例3〜5>この実施例は、厚さ50
μmのポリエチレンナフタレート(PEN)による支持
体上に、ポリエステルポリウレタン樹脂からなる下塗り
層を0.1μm厚に塗布し、その上に下記の組成で調整
した研磨層用塗布液を、乾燥後の厚さが10μmとなる
ようにバーコート塗布で塗布し、乾燥することにより研
磨テープのサンプルを作成した。上記研磨層におけるα
結晶粒径を、実施例3として0.3μm(平均粒子サイ
ズ0.5μm)のものを、実施例4として0.5μm
(平均粒子サイズ2μm)のものを、実施例5として
2.2μm(平均粒子サイズ5μm)のものをそれぞれ
得た。なお上記実施例3〜5における研磨剤のNaO換
算含有率は0.1wt%である。
【0054】また、上記α結晶粒径が6μm(平均粒子
サイズ7.5μm)と大きい比較例5の研磨テープを同
様に作成した。なおこの比較例5のNaO換算含有率は
0.3wt%と高いものである。
【0055】上記のように作成した本発明の実施例3〜
5による研磨テープと、比較例5による研磨テープとを
使用したテスト結果を表2に示す。このテストは、前記
各研磨テープによって鋼球を研磨(研削)した後に、該
鋼球の研磨面のスクラッチ傷の数を測定するとともに、
前記と同様にその研磨により生じた生成物(研磨糟)を
使用した腐食テスト(前記と同一条件、同一評価法)を
行った。
【0056】 〔塗布液組成〕 研磨剤粒子(アルミナ、モース硬度9): 100部 バインダー樹脂(ポリエステル樹脂): 5部 バインダー樹脂(ポリウレタン、スルホン酸ナトリウム1×10-3 当量/g樹脂含有、Mw70000 ): 2部 ポリイソシアネート(トリメチロールプロパン(1モル)の TDI(3モル)付加物): 2部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 200部 希釈剤(トルエン/MIBK): 150部
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から、研磨剤のα結晶粒径が5
μm以下と小さい本発明実施例3〜5のものではスクラ
ッチ傷は発生しておらず、良好な研磨面が得られてい
る。これに対して、α結晶粒径が大きい比較例5のもの
では、多数のスクラッチ傷が発生している。また、腐食
テストの結果は、本発明実施例3〜5のものでは錆が発
生しておらず、これに対して、NaO換算含有率が0.
3wt%以上の比較例5のものでは錆の発生が見られ
た。
【0059】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、研磨層の
研磨剤に研磨剤微粉末中のナトリウム分のNaO換算含
有率が0.1wt%以下、α結晶粒径が5μm以下であ
る酸化アルミニウムを使用していることにより、無機塩
を構成するナトリウム分を低減して被研磨物や研磨体に
おける無機塩の生成を抑制することができ、さらにα結
晶粒径の上限を規定して研磨処理を行った被研磨物の
傷、錆等の発生を防止し、製品の品質を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨体の構造を示す概略図
【符号の説明】
10 支持体 20 研磨層 21 研磨剤 22 バインダー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨剤とバインダーからなる研磨層を支
    持体上に有してなる研磨体において、 前記研磨剤は、研磨剤微粉末中のナトリウム分のNaO
    換算含有率が0.1wt%以下、α結晶粒径が5μm以
    下の酸化アルミニウムを含有することを特徴とする研磨
    体。
  2. 【請求項2】 前記バインダーが、カルボキシル基、ス
    ルフォン酸基、燐酸基の少なくとも一つの官能基を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の研磨体。
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