JPH08294869A - 研磨体 - Google Patents

研磨体

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JPH08294869A
JPH08294869A JP10392995A JP10392995A JPH08294869A JP H08294869 A JPH08294869 A JP H08294869A JP 10392995 A JP10392995 A JP 10392995A JP 10392995 A JP10392995 A JP 10392995A JP H08294869 A JPH08294869 A JP H08294869A
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polishing
acid
resin
layer
abrasive
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JP10392995A
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English (en)
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス等のセラミックに対し遊離砥粒方式に
よらずに高い研磨力によって研磨できるような研磨体を
得る。 【構成】 研磨剤21とバインダー22からなる研磨層20を
支持体10上に有してなり、研磨層20は酸化セリウムによ
る研磨剤21とアルキルスルフォ琥珀酸ナトリウムエステ
ルによる湿潤剤を含有し、水雰囲気で研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研磨剤を結合剤に分散
してなる研磨層を支持体上に設けてなり、磁気記録再生
装置の磁気ヘッド、ガラス等のセラミックなどの硬脆材
料の研磨、クリーニング、ポリッシュ、バーニッシュ、
テクスチャー等に用いられる研磨テープ、研磨ディスク
等の研磨体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス等の硬脆材料である各
種セラミックの研磨、クリーニング等を行う方法の一例
として、遊離砥粒方式が知られている。これはモース硬
度が5以上の砥粒(研磨剤)を水溶液中に懸濁させてお
き、この懸濁液を供給しつつ被研磨物をパッドなどの柔
構造材料で磨くものである。
【0003】この遊離砥粒方式を用いる目的にはいろい
ろあるが、研磨時の熱の影響を取り除くことから、また
砥粒の刃先が固定されていないため深い傷が入りにくい
ことなどが考えられる。他方、懸濁液を使用することか
ら被研磨物および研磨装置が汚れるとともに多量の廃液
が生じ、さらに装置の隙間に砥粒が入り込み故障の発生
原因となるなどの問題を有している。
【0004】特に、セラミックのうちでもガラスを研磨
するについては、遊離砥粒方式で研磨砥粒として酸化セ
リウムを使用すると優れた研磨特性が得られることが知
られている。これは酸化セリウムはモース硬度で表され
る硬さはそれほど大きくないが、水分が介在すると大き
な研削力が発揮されるものであり、その理由としては酸
化セリウムと水とガラスとの間で、化学的な作用により
研磨力が増すと考えられている。
【0005】しかし、上記のような遊離砥粒方式の研磨
では、懸濁液の使用により前述したような汚れと廃液の
問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであって、遊離砥粒方式に
よらないでガラス等に対する高い研磨特性を得るように
した研磨体を提供することを目的とするものである。
【0007】さらに、本発明では、酸化セリウムを固定
砥粒方式とした場合に、水に対する濡れ性を改善してよ
り一層高い研磨特性を得ることを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の研磨体は、研磨剤と湿潤剤と結合剤からなる研磨層
を支持体上に有してなり、前記研磨剤が酸化セリウムで
あり、水雰囲気で使用することを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明における研磨体の構造を、図1に概
略的に示す。この研磨体は、支持体10上に研磨層20が形
成されたものであり、該研磨層20は微粉末粒子状の研磨
剤21と結合剤22を主体とし、結合剤22中に研磨剤21が分
散固定されたものである。
【0010】本発明の研磨体の層構成は、基本的に支持
体10上に研磨層20を設けるものであるが、その他にバッ
ク層、中間層、各層間の剥離防止層すなわち下塗層を設
けてもよく、バック層、中間層、下塗層は、摩擦や弾
性、密着強度のコントロールのために設けられる。バッ
ク層は支持体の研磨層と反対側裏面に摩擦低減用に、中
間層は支持体と研磨層の間に研磨剤を含まない層で構成
され、下塗層は2層間の密着強度を増すために設けられ
る。
【0011】本発明における研磨層20の研磨剤21として
は、粉末状の酸化セリウムを用いる。この酸化セリウム
は、平均粒子サイズが0.01〜10μmのものが望ま
しい。研磨剤としては、上記酸化セリウムのほかに第2
成分として、平均粒子サイズが0.05μmから1μm
の酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化
鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α,γ−アルミナ、
熔融アルミナ、コランダム、人造ダイヤモンド、ザクロ
石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、ガーネ
ット、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデン、炭
化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイド等を、9
0重量%未満の割合で使用できる。これらの研磨剤は研
磨層の主たる構成物質として用いられる。
【0012】さらに、前記研磨層20には、湿潤剤として
アルキルスルフォ琥珀酸ナトリウムエステルを含むのが
望ましい。このアルキルスルフォ琥珀酸ナトリウムエス
テルは下記構造であり、アルキル基Rの炭素数は3〜1
8が好ましい。また、アルキルスルフォ琥珀酸ナトリウ
ムエステルはジアルキルであることが好ましく、そのア
ルキル基は分岐していてもよい。アルキル基は、イソプ
ロピル、2エチルヘキシル、イソブチル、2エチルヘプ
チル、2ヘキサデシルでもよい。
【0013】
【化1】
【0014】上記アルキルスルフォ琥珀酸ナトリウムエ
ステルによる湿潤剤の添加量は、研磨剤に対し0.01
〜10重量%の範囲が望ましい。研磨層に対する配合量
としては、1平方メートルあたりに0.01g以上ある
ことが望ましく、配合量が多ければそれだけ表面張力が
低くなり濡れ性(親水性)が向上する。
【0015】特に、前記研磨剤としての酸化セリウム
と、湿潤剤としてのアルキルスルフォ琥珀酸ナトリウム
エステルと、結合剤とからなる研磨層を有する研磨体
は、水に対する濡れ性が著しく向上し、この水が酸化セ
リウムと接することによりガラス等に対して著しい研削
力を示す。
【0016】一方、前記支持体10は、3〜75μmのポ
リエステルで構成するのが好適である。特に、研磨テー
プを構成する場合には支持体の厚みは2.5〜500μ
mに形成可能であるが、好ましくは前記の3〜75μm
の範囲である。また支持体の長手もしくは幅方向のいず
れかのヤング率が400Kg/mm2 以上であることが
望ましい。
【0017】上記支持体10の素材としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル類のほか、ポリプロピレン等ポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテ
ート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル
系樹脂類、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリベンゾ
オキサゾール等のプラスチックのほかに、アルミニウ
ム、銅等の金属、ガラス等のセラミックス等も使用出来
る。このなかで特にポリエチレンナフタレートもしくは
ポリアミドが好ましい。これらの支持体は研磨層の塗設
に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処
理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処理、アルカリ処理
を行ってもよい。これら支持体に関しては、例えば西独
特許3338854A、特開昭59−116926号、
特開昭61−129731号、米国特許4388368
号;三石幸夫著、『繊維と工業』31巻(p50〜5
5、1975年)などに記載されている。研磨テープ等
の場合これら支持体の中心線平均表面粗さRaは0.0
01〜1.5μm(カットオフ値0.25mm)が好ま
しい。
【0018】研磨層20に使用される結合剤22としては、
従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、
電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型
樹脂、ポリイソシアネートやこれらの混合物が使用され
る。
【0019】上記熱可塑性樹脂としては軟化温度が15
0℃以下、平均分子量が10000〜300000、重
合度が約50〜2000程度のものでより好ましくは2
00〜700程度であり、例えば、塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニ
ルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化
ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重
合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合
体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メ
タクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラス
トマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース
−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデン
アクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、
セルロースダイアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エ
チルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロー
ス、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ク
ロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミ
ノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの
混合物等が使用される。
【0020】また上記熱硬化性樹脂あるいは反応型樹脂
としては、塗布液の状態では200000以下の分子量
であり、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮
合、付加等の反応により分子量は無限大となるものが好
適に用いられる。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が
熱分解するまでの間に軟化または溶融しないものが好ま
しい。具体的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル
系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド
樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエ
ステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メ
タクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマー
の混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネー
トとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グ
リコール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリ
イソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン
樹脂及びこれらの混合物等である。
【0021】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基として、カルボ
ン酸(COOM)、スルフィン酸、スルフェン酸、スル
ホン酸(SO3 M)、燐酸(PO(OM)(OM))、
ホスホン酸、硫酸(OSO3M)、及びこれらのエステ
ル基等の酸性基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、ス
ルフォベタイン、ホスホベタイン、アルキルベタイン型
等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド
基等また、水酸基、アルコキシル基、チオール基、アル
キルチオ基、ハロゲン基(F、Cl、Br、I)、シリ
ル基、シロキサン基、エポキシ基、イソシアナト基、シ
アノ基、ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフ
ィン基を通常1種以上6種以内含んでもよい。そして各
々の官能基は、樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×1
−2eq含むことが好ましい。
【0022】これらのバインダー樹脂は単独または組合
わされたものが使用され、ほかに添加剤が加えられる。
研磨層の研磨剤および(もしくは)強磁性微粉末とバイ
ンダーとの混合割合は重量比で研磨剤および(もしく
は)強磁性微粉末との合計100重量部に対してバイン
ダー樹脂が5〜70重量部の範囲で使用される。バック
層の微粉末とバインダー樹脂の混合割合は重量比で微粉
末100重量部に対してバインダー樹脂が8〜400重
量部の範囲で使用される。
【0023】上記ポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネ
ート類、また当該イソシアネート類とポリアルコールと
の生成物、またイソシアネート類の縮合によって生成し
た2〜10量体のポリイソシアネート、またポリイソシ
アネートとポリウレタンとの生成物で末端官能基がイソ
シアネートであるもの等を使用することができる。これ
らポリイソシアネート類の平均分子量は100〜200
00のものが好適である。
【0024】これらポリイソシアネートの市販されてい
る商品名としては、コロネートL、コロネートHL、コ
ロネート2030、コロネート2031、ミリオネート
MR、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン株製)、
タケネートD−102、タケネートD−110N、タケ
ネートD−200、タケネートD−202、タケネート
300S、タケネート500(武田薬品株製)、スミジ
ュールT−80、スミジュール44S、スミジュールP
F、スミジュールL、スミジュールN、デスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール1
5、デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジ
ュールSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独若しくは硬化反応性の差
を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって
使用することができる。
【0025】また、硬化反応を促進する目的で、水酸基
(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子量が100
0〜10000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン
等)を有する化合物や、金属酸化物の触媒や鉄アセチル
アセトネート等の触媒を併用することも出来る。これら
の水酸基やアミノ基を有する化合物は、多官能であるこ
とが望ましい。上記のポリイソシアネートは研磨層、バ
ック層ともバインダー樹脂とポリイソシアネートの総量
100重量部あたり2〜70重量部で使用することが好
ましく、より好ましくは5〜50重量部の範囲である。
【0026】その他、前記研磨層中には各種の機能を持
った添加剤が添加される。例えば、分散剤、潤滑剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等が加え
られる。
【0027】上記分散剤、分散助剤は結合剤への研磨剤
の分散を助ける目的で添加され、例えば、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ステアロール酸、ベヘン酸、マレイ
ン酸、フタル酸等の炭素数2〜40個の脂肪酸(R
COOH、R1 は炭素数1〜39個のアルキル基、フェ
ニル基、アラルキル基)、前記の脂肪酸のアルカリ金属
(Li,Na,K,NH4 + 等)またはアルカリ土類金
属(Mg,Ca,Ba等)、Cu、Pb等から成る金属
石鹸(オレイン酸銅)、脂肪酸アミド;レシチン(大豆
油レシチン)等が使用される。この他に炭素数4〜40
の高級アルコール、(ブタノール、オクチルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール)及
びこれらの硫酸エステル、スルホン酸、フェニルスルホ
ン酸、アルキルスルホン酸、スルホン酸エステル、燐酸
モノエステル、燐酸ジエステル、燐酸トリエステル、ア
ルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、アミン化合物
等も使用可能である。また、ポリエチレングリコール、
ポリエチレンオキサイド等も使用可能である。これらの
分散剤は通常一種類以上で用いられ、一種類の分散剤は
バインダー100重量部に対して0.005〜20重量
部の範囲で添加される。これら分散剤の使用方法は、強
磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め被着させても良
く、また分散途中で添加してもよい。
【0028】上記潤滑剤(粉末状潤滑剤)としては、グ
ラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、弗化黒鉛、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化タングステン等の無機微
粉末、アクリルスチレン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミ
ン系樹脂微粉末、メラミン系樹脂微粉末、ポリオレフイ
ン系樹脂微粉末、ポリエステル系樹脂微粉末、ポリアミ
ド系樹脂微粉末、ポリイミド系樹脂微粉末、ポリフッカ
エチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等がある。
【0029】また有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン、ジアルコキシポ
リシロキサン、フェニルポリシロキサン、フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学製KF96、KF69
等))、脂肪酸変性シリコンオイル、フッ素アルコー
ル、ポリオレフィン(ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレン等)、ポリグリコール(エチレングリコール、ポ
リエチレンオキシドワックス等)、テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス、ポリテトラフルオログリコー
ル、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロ脂肪
酸、パーフルオロ脂肪酸エステル、パーフルオロアルキ
ル硫酸エステル、パーフルオロアルキルスルホン酸エス
テル、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル、パーフルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルス
ルホン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、
アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸
ジエステル、アルキル燐酸エステル等の有機酸および有
機酸エステル化合物、トリアザインドリジン、テトラア
ザインデン、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、
ベンゾジアゾール、EDTA等の窒素・硫黄を含む複素
(ヘテロ)環化合物、炭素数10〜40の一塩基性脂肪
酸と炭素数2〜40個の一価のアルコールもしくは二価
のアルコール、三価のアルコール、四価のアルコール、
六価のアルコールのいずれか1つもしくは2つ以上とか
らなる脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩基性
脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜7
0個となる一価〜六価のアルコールからなる脂肪酸エス
テル類、炭素数8〜40の脂肪酸或いは脂肪酸アミド
類、脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族アルコール類も使
用できる。
【0030】これら潤滑剤化合物の具体的な例として
は、カプリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン
酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミ
リスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチ酸オ
クチル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸
エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、
パルミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチル、
ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシル、ステ
アリン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン
酸2エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、
ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ス
テアリン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチ
ル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒド
ロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタント
リステアレート、アンヒドロソルビタンテトラステアレ
ート、オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリ
ルアルコール、モンタンワックス、カルナウバワックス
等があり単独若しくは組み合わせて添加される。
【0031】上記潤滑剤としては、潤滑油添加剤も単独
若しくは組合せで使用でき、防錆剤として知られている
酸化防止剤(アルキルフェノール、ベンゾトリアジン、
テトラアザインデン、スルファミド、グアニジン、核
酸、ピリジン、アミン、ヒドロキノン、EDTA等の金
属キレート剤)、錆どめ剤(ナフテン酸、アルケニルコ
ハク酸、燐酸、ジラウリルフォスフェート等)、油性剤
(ナタネ油、ラウリルアルコール等)、極圧剤(ジベン
ジルスルフィド、トリクレジルフォスフェート、トリブ
チルホスファイト等)、清浄分散剤、粘度指数向上剤、
流動点降下剤、泡どめ剤等がある。これらの潤滑剤はバ
インダー100重量部に対して0.01〜30重量部の
範囲で添加される。これらについては、『アイビーエム
テクニカル ディスクロジャー ブリテン』Vol.
9,No7,p779(1966年12月)、『エレク
トロニク』1961年No12,p380、『化学便
覧』応用編(p954−967,1980年丸善株発
行)等に開示されている化合物を参照できる。
【0032】帯電防止剤等として研磨層に使用されるカ
ーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サ
ーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用
いることができる。これらカーボンブラックは帯電防止
剤のほか、遮光剤、摩擦係数調節剤、耐久性向上剤とし
ても使用される。カーボンブラックの米国における略称
の具体例を示すと、SAF、ISAF、IISAF、
T、HAF、SPF、FF、FEF、HMF、GPF、
APF、SRF、MPF、ECF、SCF、CF、F
T、MT、HCC、HCF、MCF、LFF、RCF等
があり、米国のASTM規格のD−1765−82aに
分類されているものを使用することができる。
【0033】本発明に使用されるこれらカーボンブラッ
クの平均粒子サイズは、5〜1000nm(電子顕微
鏡)、窒素吸着法比表面積は1〜800m2 /g、p
Hは4〜11(JIS規格K−6221−1982
法)、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は10〜8
00ml/100g(JIS規格K−6221−198
2法)である。本発明に使用されるカーボンブラックの
平均粒子サイズは、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的
で5〜100nmのカーボンブラックを、また塗布膜の
強度を制御するときに50〜1000nmのカーボンブ
ラックを用いる。
【0034】また塗布膜の表面粗さを制御する目的で、
スペーシングロス減少のための平滑化のためにより微粒
子のカーボンブラック(100nm未満)を、粗面化し
て摩擦係数を下げる目的で粗粒子のカーボンブラック
(100nm以上)を用いてもよい。このようにカーボ
ンブラックの種類と添加量は研磨体(研磨テープもしく
はクリーニングテープ等)に要求される目的に応じて使
い分けられる。また、これらのカーボンブラックを、分
散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用
してもよい。また、カーボンブラックを製造するときの
炉の温度を2000℃以上で処理して表面の一部をグラ
ファイト化したものも使用できる。また、特殊なカーボ
ンブラックとして中空カーボンブラックを使用すること
もできる。
【0035】これらのカーボンブラックは研磨層の場
合、研磨剤および(もしくは)強磁性微粉末の合計10
0重量部に対して0.1〜100重量部で用いることが
望ましい。またバック層の場合、樹脂100重量部に対
して20〜400重量部で用いることが望ましい。本発
明に使用出来るカーボンブラックは例えば『カーボンブ
ラック便覧』(カーボンブラック協会編、昭和46年発
行)を参考にすることが出来る。
【0036】またカーボンブラック以外の帯電防止剤と
してはグラファイト、変成グラファイト、カーボンブラ
ックグラフトポリマー、酸化錫−酸化アンチモン、酸化
錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン等の導電性粉
末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキサイ
ド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アルコー
ル、多価アルコールエステル、アルキルフェノールEO
付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類
等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、ホ
スホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エステ
ル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型
等の両性界面活性剤等が使用される。
【0037】これら帯電防止剤として使用し得る界面活
性剤化合物例の一部は、小田良平他著『界面活性剤の合
成とその応用』(槙書店1972年版);A.W.ベイ
リ著『サーフエス アクティブ エージェンツ』(イン
ターサイエンス パブリケーション コーポレイテッド
1985年版);T.P.シスリー著『エンサイクロペ
ディア オブ サーフエスアクティブ エージェンツ,
第2巻』(ケミカルパブリシュカンパニー1964年
版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社、
昭和41年12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』
幸書房(1968)等の図書に記載されている。これら
の界面活性剤は単独または混合して添加しても良い。研
磨層におけるこれらの界面活性剤の使用量は、研磨剤お
よび(もしくは)強磁性微粉末の合計100重量部当た
り0.01〜10重量部である。またバック層での使用
量はバインダー100重量部当たり0.01〜30重量
部である。これらは帯電防止剤として用いられるもので
あるが、時としてそのほかの目的、例えば分散、潤滑性
の改良、塗布助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤と
して適用される場合もある。
【0038】本発明に用いる防黴剤としては2−(4−
チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジ
クロロメチルチオ)−フタルイミド、10,10’−オ
キシビスフェノキサルシン、2,4,5,6テトラクロ
ロイソフタロニトリル、P−トリルジヨードメチルスル
ホン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト
酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル
錫)、サルチルアニライド等がある。このようなもの
は、例えば「微生物災害と防止技術」1972年工学図
書、「化学と工業」32,904(1979)等に示さ
れている。
【0039】前記溶剤は分散、混練、塗布の際に任意の
比率で使用される。この溶剤(有機溶媒)としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラ
ン等のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピル
アルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコー
ル系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコー
ルモノエチルエーテル等のエステル系;ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾー
ル、クロルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジ
メチルホルムアルデヒド、ヘキサン等のものが使用でき
る。またこれら溶媒は通常任意の比率で2種以上で用い
る。また1重量%以下の量で微量の不純物(その溶媒自
身の重合物、水分、原料成分等)を含んでもよい。
【0040】これらの溶剤は、研磨層塗布液もしくはバ
ック液、下塗液の合計固形分100重量部に対して10
0〜20000重量部で用いられる。好ましい塗布液の
固形分率は1〜40重量%である。またバック液の好ま
しい固形分率は1〜20重量%である。有機溶媒の代わ
りに水系溶媒(水、アルコール、アセトン等)を使用す
ることもできる。
【0041】前記研磨層の形成は、上記の研磨剤、結合
剤、添加剤等を任意の組成に組合せて溶剤に溶解し、混
練、分散して塗布溶液とし、この塗布液を支持体上に塗
布し、乾燥して研磨層を設けた後、所定の形状例えばテ
ープ状に裁断し、表面をクリーニングしてなる。
【0042】上記の分散、混練の方法には特に制限はな
く、また各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒
等)、分散、混練中の添加位置、分散温度(0〜80
℃)などは適宜設定することができる。研磨層塗布液お
よびバック層塗布液の調製には通常の混練機、例えば、
二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブル
ミル、トロンミル、サンドグラインダー、ツェグバリ
(Szegvari)アトライター、高速インペラー、
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニ
ーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダ
ー、ディスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー
押出し機、二軸スクリュー押出し機、及び超音波分散機
などを用いることができる。通常の分散、混練にはこれ
らの機械を複数備え、連続的に処理を行う。混練、分散
に関する技術の詳細は、T.C.パットン著『ペイント
フロー アンド ピグメント ディスパージョン』1
964年(ジョン ウイリー&サンズ社発行)、田中信
一著『工業材料』25巻37(1977)などや当該書
籍の引用文献に記載されている。これら分散、混練の補
助材料として分散、混練を効率よく進めるため、球相当
径で10cmφ〜0.05mmφの径のスチールボー
ル、スチールビーズ、セラミツクビーズ、ガラスビー
ズ、有機ポリマービーズを用いることが出来る。またこ
れら材料は球形に限らない。また、米国特許第2581
414号及び同第2855156号などの明細書にも記
載がある。本発明においても上記の書籍や当該書籍の引
用文献などに記載された方法に準じて混練分散を行い研
磨層塗布液およびバック層塗布液を調製することができ
る。
【0043】支持体上へ前記の研磨層用塗布液を塗布す
る方法としては、塗布液の粘度を1〜20000センチ
ストークス(25℃)に調整し、エアードクターコータ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズ
コーター、含浸コーター、リバースロールコーター、ト
ランスファーロールコーター、グラビアコーター、キス
コーター、キヤストコーター、スプレイコーター、ロッ
ドコーター、正回転ロールコーター、カーテンコータ
ー、押出コーター、バーコーター、リップコータ等が利
用でき、その他の方法も可能であり、これらの具体的説
明は朝倉書店発行の『コーティング工学』253頁〜2
77頁(昭和46.3.20発行)等に詳細に記載され
ている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選択でき、
また所望の液の塗布の前に下塗層あるいは支持体との密
着力向上のためにコロナ放電処理等を行っても良い。ま
た研磨層もしくはバック層を多層で構成したいときは、
同時多層塗布、逐次多層塗布等を行ってもよい。これら
は、例えば、特開昭57−123532号公報、特公昭
62−37451号公報、特開昭59−142741号
公報、特開昭59−165239号公報の明細書等に示
されている。
【0044】このような方法により、支持体上に約1〜
100μmほどで塗布された研磨層塗布液は、直ちに2
0〜130℃で多段階で乾燥させる処理を施したのち、
形成した研磨層を0.1〜10μmの厚みに乾燥する。
このときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜90
0m/分で行われ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20
℃〜130℃で制御し塗布膜の残留溶剤量を0.1〜4
0mg/m2 とする。また必要により同様の手順でバッ
ク層を設けてもよく、引き続き表面平滑化加工を施し、
研磨層もしくはバック層の中心線平均表面粗さを0.0
01〜0.3μm(カットオフ0.25mm)とし、所
望の形状に裁断したりして、本発明の研磨テープ等の研
磨体を製造する。これらの製造方法は研磨剤等の粉体の
予備処理・表面処理、混練・分散、塗布・乾燥、平滑処
理、熱処理、EB処理、表面クリーニング処理、裁断、
巻き取り(研磨テープの場合所望のプラスチックや金属
のリールに巻き取る)の工程を連続して行うことが望ま
しい。
【0045】前記研磨体は、最終工程ないしはそれ以前
の工程において、その研磨層、バック層、エッジ端面、
ベース面等をバーニッシュおよび(または)クリーニン
グすることが望ましい。バーニッシュは研磨体の表面粗
度と研磨力を制御するために施し、具体的にはサファイ
ア刃、剃刀刃、超硬材料刃、ダイアモンド刃、セラミッ
クス刃のような硬い材料により研磨体表面の突起部分を
そぎ落とし均一にもしくは平滑にする。これら材料のモ
ース硬度は8以上が好ましいが、特に制限はなく突起を
除去できるものであれば良い。これら材料の形状は特に
刃である必要はなく、角型、丸型、ホイール(回転する
円筒形状の周囲にこれらの材質を付与したもの)のよう
な形状でも使用できる。また研磨体のクリーニングは、
表面の汚れや余分な潤滑剤を除去する目的で研磨体表層
を不織布などで研磨層面、バック層面、エッジ端面、バ
ック側のベース面をワイピングすることにより行う。こ
のようなワイピングの材料としては例えば日本バイリー
ン製の各種バイリーンや東レ製のトレシー、エクセー
ヌ、商品名キムワイプ、また不織布はナイロン製不織
布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織布、アクリ
ロニトリル製不織布、混紡不織布など、ティッシュペー
パー等が使用できる。
【0046】本発明に使用される研磨剤、結合剤、添加
剤(潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理剤、カーボ
ンブラック、遮光剤、酸化防止剤、防黴剤等)、溶剤及
び支持体(下塗層、バック層、バック下塗層を有しても
よい)或いはその製法に関しては、特公昭56−268
90号等に記載されている磁気記録媒体のものを参考に
できる。
【0047】
【発明の作用及び効果】上記のような本発明によれば、
湿潤剤を含有する研磨層の研磨材に酸化セリウムを使用
し、水雰囲気で被研磨物を研磨するようにしたことによ
り、水分の介在で酸化セリウムの研磨性を十分に発揮さ
せることができるとともに、懸濁液を使用しないことで
被研磨物および研磨装置を汚すことなく、故障の発生も
低減させつつガラス等のセラミックに対し高い研磨力を
得、被研磨物の表面を均一に高効率で研磨できるもので
ある。
【0048】また、特に研磨層に湿潤剤としてアルキル
スルフォ琥珀酸ナトリウムエステルを配合した研磨体で
は、研磨層表面の濡れ性(親水性)が向上して、簡易な
水雰囲気で十分な水分を介在させることができ、この水
分が酸化セリウムと接することにより特にガラスに対す
る高い研磨特性を発現させることができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を研磨テープの実施例により具
体的に説明する。なお、以下に示す成分、割合、操作順
序等は本発明の精神から逸脱しない範囲において変更し
うるものであることは当業者にとっては容易に理解され
ることであり、本発明が下記の実施例に制限されないこ
とは勿論である。なお実施例中の「部」は、いずれも
「重量部」を表すものである。
【0050】<実施例1〜8>この実施例は、厚さ25
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)による支
持体上に、ポリエステル樹脂からなる下塗層を0.1μ
m厚に塗布し、その上に下記の組成を調整した研磨層用
塗布液を、乾燥後の厚さが10μmとなるようにバーコ
ートで塗布し、乾燥することにより研磨テープのサンプ
ルを作成した。
【0051】上記研磨層における研磨剤としては平均粒
子サイズが1μmの酸化セリウム粉末を使用し、この研
磨層における湿潤剤としてのジ2エチルヘキシルスルフ
ォ琥珀酸ナトリウムエステルの配合量(X重量部)を変
更し、実施例1〜8に0.1〜15.0重量部と配合量
を増大している。作成したテープは60℃で24時間エ
ージングした後、1/2インチ幅に裁断した。
【0052】上記研磨テープによる研磨特性をテストし
た結果を表1に示す。このテストは、ガラス球を研磨機
を使用して研磨したものであり、比較例の研磨テストも
行っている。このテストにおける「接触角」とは、10
μLの蒸留水をテープ表面に滴下し、その水滴の接触角
度を測定したものであり、その値が小さい程濡れ性が高
いものである。「ウエット」とは、研磨時にクーラント
液を毎分1Lで用いたものを「あり」とし、クーラント
液未使用のドライ研磨を「なし」としている。
【0053】「研磨量」とは、ガラス球の摩耗量を相対
値で表示した。比較例としては、湿潤剤を含有していな
いもの、本発明実施例と同じ研磨テープでドライ研磨を
行ったものなどである。
【0054】 〔塗布液組成〕 研磨剤(酸化セリウム 1μm) 100部 結合剤(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸ナトリウム 2×10-3当量/g樹脂含有、Mw70000、 エポキシ基1×10-5当量/g樹脂) 5部 結合剤(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン(1モル) のTDI(3モル)付加物) 5部 分散剤(オレイン酸銅/フタロシアニン=1/1) 0.1部 潤滑剤(ステアリン酸/ステアリン酸ブチル) 0.1部 湿潤剤(ジ2エチルヘキシルスルフォ琥珀酸ナトリウムエステル) X部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1) 200部 希釈剤(トルエン/MIBK) 150部 添加剤(カーボンブラック) 10部
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果から、実施例1〜8では比較例
に対して10倍以上の研磨量が得られ、酸化セリウムと
ジアルキルスルフォ琥珀酸ナトリウムエステルを研磨層
に使用し、ウエット研削したときの摩耗量増大は顕著で
あることが分かる。
【0057】<実施例9>この実施例は、厚さ50μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)による支持体
上に、ポリエステル樹脂からなる下塗層を0.1μm厚
に塗布し、その上に下記の組成で調整した研磨層用塗布
液を、乾燥後の厚さが10μmとなるようにバーコート
で塗布し、乾燥した後、60℃で24時間エージングす
ることにより研磨テープのサンプルを作成した。上記研
磨層における研磨剤として本発明実施例9では酸化セリ
ウムを使用し、比較例7〜15では、異なる研磨材の研
磨テープを作成し前記と同様のガラス球の研磨テストを
行った。その結果を表2に示す。なお、比較例8および
9の酸化クロムの粒子サイズは0.5μmであり、その
他の研磨剤の粒子サイズは2μmである。
【0058】 〔塗布液組成〕 研磨剤(各種、2μm) 90部 研磨剤(ダイアモンド) 10部 結合剤(ポリエステルポリウレタン、UR8300東洋紡製) 8部 結合剤(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン(1モル) のTDI(3モル)付加物) 5部 分散剤(オレイン酸銅/フタロシアニン=1/1) 0.1部 潤滑剤(パルミチン酸/パルミチン酸ブチル) 0.5部 湿潤剤(ジ2エチルヘキシルスルフォ琥珀酸 ナトリウムエステル) 1.0部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1) 200部 希釈剤(トルエン/MIBK) 150部
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果から、比較例で各種の研磨材を
使用しているが、酸化セリウムと湿潤剤とを配合した研
磨テープでウェット研磨を行った本発明実施例9が、比
較例より10倍以上の研磨力を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨体の構造を示す概略図
【符号の説明】
10 支持体 20 研磨層 21 研磨剤 22 結合剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨剤と湿潤剤と結合剤からなる研磨層
    を支持体上に有してなる研磨体において、前記研磨剤が
    酸化セリウムであり水雰囲気で使用することを特徴とす
    る研磨体。
  2. 【請求項2】 前記酸化セリウムは、粒子サイズが0.
    01〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載
    の研磨体。
  3. 【請求項3】 前記研磨層が、湿潤剤としてアルキルス
    ルフォ琥珀酸ナトリウムエステルを含有することを特徴
    とする請求項1に記載の研磨体。
  4. 【請求項4】 前記アルキルスルフォ琥珀酸ナトリウム
    エステルを、研磨剤に対し0.01〜15重量%含むこ
    とを特徴とする請求項3に記載の研磨体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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