JPH09141547A - 超低反射光コネクターフェルールの研磨体 - Google Patents

超低反射光コネクターフェルールの研磨体

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JPH09141547A
JPH09141547A JP7302676A JP30267695A JPH09141547A JP H09141547 A JPH09141547 A JP H09141547A JP 7302676 A JP7302676 A JP 7302676A JP 30267695 A JP30267695 A JP 30267695A JP H09141547 A JPH09141547 A JP H09141547A
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polishing
layer
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abrasive
optical connector
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克己 両毛
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
Tadashi Ishiguro
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックによるフェルールに光ファイバー
を挿入固定してなる光コネクターフェルールの先端を凸
状球面に研磨するのに使用する研磨体であって、表面平
滑性および段差のない研磨を行って低反射による伝達効
率の向上を図る。 【解決手段】 可撓性支持体に研磨剤とバインダーから
なる研磨層を設けてなり、研磨層の中心線平均表面粗さ
Raが0.01〜0.05μmであり、必要に応じて研
磨微粒子を含むクーラント液を供給しつつ研磨を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェルール穴に光
ファイバーを挿入固定してなる光コネクターフェルール
の先端を超低反射特性の凸状球面に仕上げ研磨するのに
使用する研磨シート、研磨ディスク等の研磨体に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】上記のようにフェルール穴に光ファイバー
を挿入固定してなる光コネクターフェルールの先端を凸
状球面に研磨する技術としては、従来より、研磨シート
や遊離砥粒保持膜を用いた各種方法が提案されている。
【0003】一例としては、特開平3−81708号公
報に見られるように、セルローズ系の樹脂フィルムに一
定張力を付与し、この樹脂フィルムの面に光コネクター
フェルールの先端を押圧摺動しつつ、その接触部分にシ
リカ系の研磨剤を有するクーラント液を供給して研磨す
るようにした研磨方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
光コネクターフェルールの研磨においては、フェルール
面と光ファイバー面の平滑性を維持し、かつフェルール
面と光ファイバー面の段差を生じないように研磨し超低
反射特性を得ることが非常に難しかった。
【0005】特に、セラミック素材のフェルールとガラ
ス素材の光ファイバーとは材質差に起因する研磨特性の
差、先端を凸状球面に研磨するために、研磨体を弾性状
態に保持して研磨することなどの原因により、所望の形
状に研磨するのが困難で、研磨条件の管理等が煩雑とな
っている。
【0006】本発明は上記点に鑑みなされたものであっ
て、光コネクターフェルールの先端研磨に好適な研磨体
を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の研磨体は、可撓性支持体に研磨剤とバインダーから
なる研磨層を設けてなり、この研磨層の中心線平均表面
粗さRa(JIS−B−R0601−1982)が0.
01〜0.05μm、好ましくは0.025μm以下で
あることを特徴とするものである。
【0008】上記研磨層の中心線平均表面粗さRaが、
0.01μmより小さくさらに平滑なものでは、研磨力
が低く研磨時間が過大となり、また、0.05μmより
大きく粗いものでは、研磨後の光コネクターフェルール
面の平滑性が不足して光量伝達性が低下したり、光ファ
イバー面とフェルール面とに大きな段差が発生し、所望
の超低反射特性が得られないことになる。
【0009】また、前記可撓性支持体は厚みが25〜1
25μmの範囲のもの、研磨層の研磨剤は平均粒径が
0.1〜1μmの酸化クロムが好適である。
【0010】上記のような研磨体は、その研磨層表面の
中心線平均表面粗さRaが0.01〜0.05μmと、
研磨体としては非常に平滑なものであることから、この
ような表面粗さRaを得るために、可撓性支持体に研磨
層を積層した後にカレンダー成形により表面平滑化を行
うか、研磨層を構成する研磨層塗布液の分散時間を通常
のものに比べて2〜10倍長くして、研磨層の表面を平
滑化するものである。上記カレンダー成形は、例えば、
弾性ロールと加熱金属ロール間に研磨体を挿入し、熱圧
により表面を平滑化するものである。
【0011】本発明による研磨体を使用した光コネクタ
ーフェルール先端の研磨としては、研磨体(研磨シート
等)をゴム等の弾性体による回転台に貼り付け、この研
磨体に光コネクターフェルールの先端を押圧接触させ、
上記回転台を回転させるとともに、光コネクターフェル
ールを遊星運動させて研磨する。
【0012】その際、乾式でもよいが、湿式が好まし
い。湿式はクーラント水溶液を供給するのがよく、この
クーラント液中には研磨微粒子(シリカ、アルミナ等)
を含んでも良い。シリカの場合にはコロイド状シリカが
好適で、その粒子径としては0.005〜0.05μm
程度のものが望ましい。研磨時間は5〜200秒、荷重
は1〜1000gが好ましい。
【0013】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、可撓性支
持体に設けた研磨層の中心線平均表面粗さRaを0.0
1〜0.05μmとしたことにより、光コネクターフェ
ルールの先端を所望の凸状球面に、フェールール面およ
び光ファイバー面の平滑化を確保しつつ段差を生じるこ
となく研磨できて、光コネクターとして超低反射特性が
得られ伝達効率が向上し、その研磨処理も簡易に行え
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の超低反射光コネ
クターフェルールの研磨体の実施の形態を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0015】本例の研磨体(研磨シート)は、厚みが2
5〜125μmの可撓性支持体の片面に研磨剤とバイン
ダー等からなる研磨層を有し、この研磨層の中心線平均
表面粗さRaを0.01〜0.05μmに形成する。ま
た、可撓性支持体と研磨層の間に下塗層を、支持体の裏
面にバック層を設けてもよい。
【0016】前記研磨層で用いられる研磨剤は、一般的
に研磨作用若しくは琢磨作用をもつ材料で、α−アルミ
ナ,γ−アルミナ,α・γ−アルミナ,熔融アルミナ,
炭化珪素,酸化クロム,酸化セリウム,コランダム,人
造ダイヤモンド,ダイヤモンド,α−酸化鉄,ザクロ
石,エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱),ガーネ
ット,珪石,窒化珪素,窒化硼素,炭化モリブデン,炭
化硼素,炭化タングステン,チタンカーバイド,トリポ
リ,ケイソウ土,ドロマイト等で、主としてモース硬度
6以上の材料が1内至4種迄の組み合わせで使用され
る。
【0017】これらの研磨剤は平均粒子サイズが0.1
〜1.0μmの大きさのものが使用され、特に好ましく
は0.1〜0.6μmである。これらの研磨剤は、研磨
層の場合、研磨剤100重量部に対してバインダー0.
1〜50重量部の範囲で用いられる。
【0018】これら研磨剤の具体例としては住友化学社
製のAKP1,AKP15,AKP20,AKP30,
AKP50,AKP80,Hit50,Hit100等
が挙げられる。これらについては特公昭52−2864
2号,特公昭49−39402号,特開昭63−988
28号,米国特許3687725号,米国特許3007
807号,米国特許3041196号,米国特許329
3066号,米国特許3630910号,米国特許38
33412号,米国特許4117190号,英国特許1
145349号,西独特許853211号等に記載され
ている。
【0019】本発明の研磨層に使用されるバインダーと
しては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光
線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。
【0020】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、平均分子量が10000〜300000、重合度
が約50〜2000程度のものでより好ましくは200
〜600程度であり、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体,塩化ビニル共重合体,塩化ビニル酢酸ビニルビニ
ルアルコール共重合体,塩化ビニルビニルアルコール共
重合体,塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体,塩化ビニ
ルアクリロニトリル共重合体,アクリル酸エステルアク
リロニトリル共重合体,アクリル酸エステル塩化ビニリ
デン共重合体,アクリル酸エステルスチレン共重合体,
メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体,メタ
クリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体,メタクリル
酸エステルスチレン共重合体,ウレタンエラストマー,
ナイロン−シリコン系樹脂,ニトロセルロース−ポリア
ミド樹脂,ポリフッカビニル,塩化ビニリデンアクリロ
ニトリル共重合体,ブタジエンアクリロニトリル共重合
体,ポリアミド樹脂,ポリビニルブチラール,セルロー
ス誘導体(セルロースアセテートブチレート,セルロー
スダイアセテート,セルローストリアセテート,セルロ
ースプロピオネート,ニトロセルロース,エチルセルロ
ース,メチルセルロース,プロピルセルロース,メチル
エチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,アセ
チルセルロース等),スチレンブタジエン共重合体,ポ
リエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂,クロロビニル
エーテルアクリル酸エステル共重合体,アミノ樹脂,各
種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が
使用される。これらの樹脂の例示は、特公昭37−68
77号,特公昭39−12528号,特公昭39−19
282号,特公昭40−5349号,特公昭40−20
907号,特公昭41−9463号,特公昭41−14
059号,特公昭41−16985号,特公昭42−6
428号,特公昭42−11621号,特公昭43−4
623号,特公昭43−15206号,特公昭44−2
889号,特公昭44−17947号,特公昭44−1
8232号,特公昭45−14020号,特公昭45−
14500号,特公昭47−18573号,特公昭47
−22063号,特公昭47−22064号,特公昭4
7−22068号,特公昭47−22069号,特公昭
47−22070号,特公昭47−27886号,特開
昭57−133521号,特開昭58−137133
号,特開昭58−166533号,特開昭58−222
433号,特開昭59−58642号等、米国特許45
71364号,米国特許4752530号の公報等に記
載されている。
【0021】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗
布液の状態では200000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合・付加等の
反応により分子量が無限大となるものが適している。ま
た、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間
に軟化又は溶融しないものが好ましい。具体的には、例
えばフェノール樹脂,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,
ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタンポ
リカーボネート樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,アルキ
ッド樹脂,シリコン樹脂,アクリル系反応樹脂(電子線
硬化樹脂),エポキシ−ポリアミド樹脂,ニトロセルロ
ースメラミン樹脂,高分子量ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物,メタクリル酸塩共重合
体とジイソシアネートプレポリマーの混合物,ポリエス
テルポリオールとポリイソシアネートとの混合物,尿素
ホルムアルデヒド樹脂,低分子量グリコール/高分子量
ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混
合物,ポリアミン樹脂,ポリイミン樹脂及びこれらの混
合物等である。これらの樹脂の例示は、特公昭39−8
103号,特公昭40−9779号,特公昭41−71
92号,特公昭41−8016号,特公昭41−142
75号,特公昭42−18179号,特公昭43−12
081号,特公昭44−28023号,特公昭45−1
4501号,特公昭45−24902号,特公昭46−
13103号,特公昭47−22065号,特公昭47
−22066号,特公昭47−22067号,特公昭4
7−22072号,特公昭47−22073号,特公昭
47−28045号,特公昭47−28048号,特公
昭47−28922号等の公報に記載されている。
【0022】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基として、カルボ
ン酸(COOM),スルフィン酸,スルフェン酸,スル
ホン酸(SO3 M),燐酸(PO(OM)(OM)),
ホスホン酸,硫酸(OSO3M),これらのエステル基
等の酸性基(MはH,アルカリ金属,アルカリ土類金
属,炭化水素基),アミノ酸類;アミノスルホン酸類,
アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類,アルキ
ルベタイン型等の両性類基,アミノ基,イミノ基,イミ
ド基,アミド基等、また、水酸基,アルコキシル基,チ
オール基,アルキルチオ基,ハロゲン基(F,Cl,B
r,I),シリル基,シロキサン基,エポキシ基,イソ
シアナト基,シアノ基,ニトリル基,オキソ基,アクリ
ル基,フォスフィン基を通常1種以上6種以内含み、各
々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×10
-2eq含むことが好ましい。
【0023】これらのバインダーの単独又は組み合わさ
れたものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。研磨層
の研磨剤とバインダーとの混合割合は、重量比で研磨剤
100重量部に対してバインダー5〜300重量部の範
囲で使用される。添加剤としては分散剤、潤滑剤、研磨
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤等が加えられる。な
お、バック層の粉末剤とバインダーの混合割合は、重量
比で微粉末100重量部に対してバインダー8〜400
重量部の範囲で使用される。
【0024】本発明の研磨層に用いるポリイソシアネー
トとしては、トリレンジイソシアネート,4・4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイ
ソシアネート,キシリレンジイソシアネート,ナフチレ
ン−1・5−ジイソシアネート,o−トルイジンジイソ
シアネート,イソホロンジイソシアネート,トリフェニ
ルメタントリイソシアネート,イソホロンジイソシアネ
ート等のイソシアネート類,当該イソシアネート類とポ
リアルコールとの生成物,イソシアネート類の縮合によ
って生成した2〜10量体のポリイソシアネート,ポリ
イソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端官能基
がイソシアネートであるもの等を使用することができ
る。
【0025】これらポリイソシアネート類の平均分子量
は100〜20000のものが好適である。これらポリ
イソシアネートの市販されている商品名としては、コロ
ネートL,コロネートHL,コロネート2030,コロ
ネート2031,ミリオネートMR,ミリオネートMT
L(日本ポリウレタン社製),タケネートD−102,
タケネートD−110N,タケネートD−200,タケ
ネートD−202,タケネート300S,タケネート5
00(武田薬品社製),スミジュールT−80,スミジ
ュール44S,スミジュールPF,スミジュールL,ス
ミジュールN,デスモジュールL,デスモジュールI
L,デスモジュールN,デスモジュールHL,デスモジ
ュールT65,デスモジュール15,デスモジュール
R,デスモジュールRF,デスモジュールSL,デスモ
ジュールZ4273(住友バイエル社製)等があり、こ
れらを単独若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若し
くはそれ以上の組み合わせによって使用することができ
る。また、硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブタン
ジオール,ヘキサンジオール,分子量が1000〜10
000のポリウレタン,水等),アミノ基(モノメチル
アミン,ジメチルアミン,トリメチルアミン等)を有す
る化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート
等の触媒を併用することもできる。これらの水酸基やア
ミノ基を有する化合物は多官能であることが望ましい。
これらポリイソシアネートは研磨層、バック層ともバイ
ンダー樹脂とポリイソシアネートの総量100重量部あ
たり2〜70重量部で使用することが好ましく、よりこ
のましくは5〜50重量部である。これらの例示は特開
昭60−131622号,特開昭61−74138号等
の公報において示されている。
【0026】本発明の研磨層に使用される粉末状潤滑剤
としては、グラファイト,二硫化モリブデン,窒化硼
素,弗化黒鉛,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸化珪
素,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化錫,二硫化タングステ
ン等の無機微粉末,アクリルスチレン系樹脂微粉末,ベ
ンゾグアナミン系樹脂微粉末,メラミン系樹脂微粉末,
ポリオレフイン系樹脂微粉末,ポリエステル系樹脂微粉
末,ポリアミド系樹脂微粉末,ポリイミド系樹脂微粉
末,ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等
がある。
【0027】また有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン,ジアルコキシポ
リシロキサン,フェニルポリシロキサン,フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学社製KF96,KF69
等)),脂肪酸変性シリコンオイル,フッ素アルコー
ル,ポリオレフィン(ポリエチレンワックス,ポリプロ
ピレン等),ポリグリコール(エチレングリコール,ポ
リエチレンオキシドワックス等),テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス,ポリテトラフルオログリコー
ル,パーフルオロアルキルエーテル,パーフルオロ脂肪
酸,パーフルオロ脂肪酸エステル,パーフルオロアルキ
ル硫酸エステル,パーフルオロアルキルスルホン酸エス
テル,パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル,パーフルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物,アルキル硫酸エステル,アルキルス
ルホン酸エステル,アルキルホスホン酸トリエステル,
アルキルホスホン酸モノエステル,アルキルホスホン酸
ジエステル,アルキル燐酸エステル,琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物,トリアザインド
リジン,テトラアザインデン,ベンゾトリアゾール,ベ
ンゾトリアジン,ベンゾジアゾール,EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物,炭素数10〜4
0の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコ
ールもしくは二価のアルコール,三価のアルコール,四
価のアルコール,六価のアルコールのいずれか1つもし
くは2つ以上とからなる脂肪酸エステル類,炭素数10
個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して
炭素数が11〜70個となる一価〜六価のアルコールか
らなる脂肪酸エステル類,炭素数8〜40の脂肪酸或い
は脂肪酸アミド類,脂肪酸アルキルアミド類,脂肪族ア
ルコール類も使用できる。
【0028】これら化合物の具体的な例としては、カプ
リル酸ブチル,カプリル酸オクチル,ラウリン酸エチ
ル,ラウリン酸ブチル,ラウリン酸オクチル,ミリスチ
ン酸エチル,ミリスチン酸ブチル,ミリスチ酸オクチ
ル,ミリスチン酸2エチルヘキシル,パルミチン酸エチ
ル,パルミチン酸ブチル,パルミチン酸オクチル,パル
ミチン酸2エチルヘキシル,ステアリン酸エチル,ステ
アリン酸ブチル,ステアリン酸イソブチル,ステアリン
酸オクチル,ステアリン酸2エチルヘキシル,ステアリ
ン酸アミル,ステアリン酸イソアミル,ステアリン酸2
エチルペンチル,ステアリン酸2ヘキシルデシル,ステ
アリン酸イソトリデシル,ステアリン酸アミド,ステア
リン酸アルキルアミド,ステアリン酸ブトキシエチル,
アンヒドロソルビタンモノステアレート,アンヒドロソ
ルビタンジステアレート,アンヒドロソルビタントリス
テアレート,アンヒドロソルビタンテトラステアレー
ト,オレイルオレート,オレイルアルコール,ラウリル
アルコール,モンタンワックス,カルナウバワックス等
があり単独若しくは組み合わせ使用できる。
【0029】また本発明に使用される潤滑剤としては、
いわゆる潤滑油添加剤も単独若しくは組み合わせで使用
でき、防錆剤として知られている酸化防止剤(アルキル
フェノール,ベンゾトリアジン,テトラアザインデン,
スルファミド,グアニジン,核酸,ピリジン,アミン,
ヒドロキノン,EDTA等の金属キレート剤),錆どめ
剤(ナフテン酸,アルケニルコハク酸,燐酸,ジラウリ
ルフォスフェート等),油性剤(ナタネ油,ラウリルア
ルコール等),極圧剤(ジベンジルスルフィド,トリク
レジルフォスフェート,トリブチルホスファイト等),
清浄分散剤,粘度指数向上剤,流動点降下剤,泡どめ剤
等がある。これらの潤滑剤はバインダー100重量部に
対して0.01〜30重量部の範囲で添加される。これ
らについては、特公昭43−23889号,特公昭48
−24041号,特公昭48−18482号,特公昭4
4−18221号,特公昭47−28043号,特公昭
57−56132号,特開昭59−8136号,特開昭
59−8139号,特開昭61−85621号,米国特
許3423233号,米国特許3470021号,米国
特許3492235号,米国特許3497411号,米
国特許3523086号,米国特許3625760号,
米国特許3630772号,米国特許3634253
号,米国特許3642539号,米国特許368772
5号,米国特許4135031号,米国特許44978
64号,米国特許4552794号、アイビーエムテク
ニカル ディスクロジャーブリテン(IBM Tech
nical Disclosure Bulleti
n)Vol.9,No7,p779(1966年12
月)、エレクトロニク(ELEKTRONIK)196
1年No12,p380、「化学便覧(応用編)」p9
54−967,1980年丸善社発行等に記載されてい
る。
【0030】本発明に使用する分散剤、分散助剤として
は、カプリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン
酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,エライ
ジン酸,リノール酸,リノレン酸,ステアロール酸,ベ
ヘン酸,マレイン酸,フタル酸等の炭素数2〜40個の
脂肪酸(R1 COOH,R1 は炭素数1〜39個のアル
キル基,フェニル基,アラルキル基),前記の脂肪酸の
アルカリ金属(Li,Na,K,NH4 + 等)またはア
ルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba等),Cu,Pb等
からなる金属石鹸(オレイン酸銅),脂肪酸アミド;レ
シチン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭
素数4〜40の高級アルコール(ブタノール,オクチル
アルコール,ミリスチルアルコール,ステアリルアルコ
ール)及びこれらの硫酸エステル,スルホン酸,フェニ
ルスルホン酸,アルキルスルホン酸,スルホン酸エステ
ル,燐酸モノエステル,燐酸ジエステル,燐酸トリエス
テル,アルキルホスホン酸,フェニルホスホン酸,アミ
ン化合物等も使用可能である。また、ポリエチレングリ
コール,ポリエチレンオキサイド,スルホ琥珀酸,スル
ホ琥珀酸金属塩,スルホ琥珀酸エステル等も使用可能で
ある。これらの分散剤は通常一種類以上で用いられ、一
種類の分散剤はバインダー100重量部に対して0.0
05〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の
使用方法は、研磨剤や非研磨微粉末の表面に予め被着さ
せても良く、また分散途中で添加してもよい。このよう
なものは、例えば特公昭39−28369号,特公昭4
4−17945号,特公昭44−18221号,特公昭
48−7441号,特公昭48−15001号,特公昭
48−15002号,特公昭48−16363号,特公
昭49−39402号,米国特許3387993号,同
3470021号等において示されている。
【0031】本発明に用いる防黴剤としては、2−(4
−チアゾリル)−ベンズイミダゾール,N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−フタルイミド,10・10’−
オキシビスフェノキサルシン,2・4・5・6テトラク
ロロイソフタロニトリル,P−トリルジヨードメチルス
ルホン,トリヨードアリルアルコール,ジヒドロアセト
酸,フェニルオレイン酸水銀,酸化ビス(トリブチル
錫),サルチルアニライド等がある。このようなもの
は、例えば「微生物災害と防止技術」1972年工学図
書、「化学と工業」32,904(1979)等におい
て示されている。
【0032】本発明に用いるカーボンブラック以外の帯
電防止剤としては、グラファイト,変成グラファイト,
カーボンブラックグラフトポリマー,酸化錫−酸化アン
チモン,酸化錫,酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン
等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキ
レンオキサイド系,グリセリン系,グリシドール系,多
価アルコール,多価アルコールエステル,アルキルフェ
ノールEO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキ
ルアミン類,環状アミン,ヒダントイン誘導体,アミド
アミン,エステルアミド,第四級アンモニウム塩類,ピ
リジンそのほかの複素環類,ホスホニウムまたはスルホ
ニウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン酸,スルホ
ン酸,ホスホン酸,燐酸,硫酸エステル基,ホスホン酸
エステル,燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン
界面活性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類,アミノ
アルコールの硫酸または燐酸エステル類,アルキルベタ
イン型等の両性界面活性剤等が使用される。
【0033】これら帯電防止剤として使用し得る界面活
性剤化合物例の一部は、特開昭60−28025号,米
国特許2271623号,同2240472号,同22
88226号,同2676122号,同2676924
号,同2676975号,同2691566号,同27
27860号,同2730498号,同2742379
号,同2739891号,同3068101号,同31
58484号,同3201253号,同3210191
号,同3294540号,同3415649号,同34
41413号,同3442654号,同3475174
号,同3545974号,西独特許公開(OLS)19
42665号,英国特許1077317号,同1198
450号等をはじめ、小田良平他著『界面活性剤の合成
とその応用』(槙書店1972年版);A.W.ベイリ
著『サーフエス アクティブ エージェンツ』(インタ
ーサイエンス パブリケーション コーポレイテッド1
985年版);T.P.シスリー著『エンサイクロペデ
ィア オブ サーフエスアクティブ エージェンツ,第
2巻』(ケミカルパブリシュカンパニー1964年
版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社,
昭和41年12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』
幸書房(1968)等の成書に記載されている。
【0034】これらの界面活性剤は単独または混合して
添加しても良い。研磨層における、これらの界面活性剤
の使用量は、研磨剤100重量部当たり0.01〜10
重量部である。またバック層での使用量はバインダー1
00重量部当たり0.01〜30重量部である。これら
は帯電防止剤として用いられるものであるが、時として
そのほかの目的、例えば分散の改良、潤滑性の改良、塗
布助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として適用さ
れる場合もある。
【0035】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン,メチルエチ
ルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノ
ン,イソホロン,テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノール,エタノール,プロパノール,ブタノール,イ
ソブチルアルコール,イソプロピルアルコール,メチル
シクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル,
酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,酢酸イソプ
ロピル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエーテ
ル等のエステル系;ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,グリコールジメチルエーテル,グリコールモノエ
チルエーテル,ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,クレゾール,クロルベンゼ
ン,スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,ク
ロロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素,N・N−ジメチルホルムアルデ
ヒド,ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。
【0036】これらの溶剤は研磨塗布液の合計固形分1
00重量部に対して50〜20000重量部で用いられ
る。好ましい研磨塗布液の固形分率は5〜60重量%で
ある。有機溶媒の代わりに水系溶媒(水,アルコール,
アセトン等)を使用することもできる。
【0037】研磨層の形成は上記の組成などを任意に組
合せて有機溶媒に溶解し、塗布溶液として支持体上に塗
布・乾燥する。この支持体は可撓性を有し、厚みが25
〜125μm程度である。素材としては、ポリエチレン
テレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル類,ポリプロピレン等のポリオレフイン類,セル
ローストリアセテート,セルロースダイアセテート等の
セルロース誘導体,ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂
類,ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド,ポリ
スルホン等のプラスチックのほかにアルミニウム,銅等
の金属,ガラス等のセラミックス等も使用できる。これ
らの支持体は塗布に先立って、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処
理、アルカリ処理を行ってもよい。これら支持体に関し
ては、例えば西独特許3338854A,特開昭59−
116926号,特開昭61−129731号,米国特
許4388368号;三石幸夫著『繊維と工業』31巻
p50〜55,1975年などに記載されている。これ
ら支持体の中心線平均表面粗さRaは0.001〜5.
0μmが好ましい。またこれら支持体のヤング率(F5
値)は目的に応じて、幅方向、長手方向とも2〜30Kg
/mm2 (1Kg/m2 =9.8Pa)を選択することがで
きる。
【0038】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80℃)など
は適宜設定することができる。研磨塗布液の調製には通
常の混練機、例えば、二本ロールミル,三本ロールミ
ル,ボールミル,ペブルミル,トロンミル,サンドグラ
インダー,ツェグバリ(Szegvari)アトライタ
ー,高速インペラー,分散機,高速ストーンミル,高速
度衝撃ミル,ディスパー,ニーダー,高速ミキサー,リ
ボンブレンダー,コニーダー,インテンシブミキサー,
タンブラー,ブレンダー,ディスパーザー,ホモジナイ
ザー,単軸スクリュー押出し機,二軸スクリュー押出し
機,及び超音波分散機などを用いることができる。通
常、分散・混練にはこれらの分散・混練機を複数備え、
連続的に処理を行う。混練分散に関する技術の詳細は、
T.C.PATTON著(テー.シー.パットン)“P
aint Flow and Pigment Dis
persion”(ペイントフロー アンド ピグメン
ト ディスパージョン)1964年,John Wil
ey & Sons社発行(ジョン ウイリー アンド
サンズ))や田中信一著『工業材料』25巻37(1
977)などや当該書籍の引用文献に記載されている。
これら分散、混練の補助材料として分散・混練を効率よ
く進めるため、球相当径で10cmφ〜0.05mmφ
の径のスチールボール,スチールビーズ,セラミツクビ
ーズ,ガラスビーズ,有機ポリマービーズを用いること
ができる。またこれら材料は球形に限らない。また、米
国特許第2581414号及び同第2855156号な
どの明細書にも記載がある。本発明においても上記の書
籍や当該書籍の引用文献などに記載された方法に準じて
混練分散を行い研磨塗布液を調製することができる。
【0039】上記分散・混練の処理時間(分散時間)に
よって、その後に支持体上に塗布形成した研磨層表面の
表面粗さが調整できるものであり、前述のような平滑な
表面粗さに調整するためには、分散時間を長く設定す
る。
【0040】支持体上へ前記の研磨層用塗布液を塗布す
る方法としては、塗布液の粘度を1〜20000センチ
ストークス(25℃)に調整し、エアードクターコータ
ー,ブレードコーター,エアナイフコーター,スクイズ
コーター,含浸コーター,リバースロールコーター,ト
ランスファーロールコーター,グラビアコーター,キス
コーター,キヤストコーター,スプレイコーター,ロッ
ドコーター,正回転ロールコーター,カーテンコータ
ー,押出コーター,バーコーター,リップコータ等が利
用でき、その他の方法も可能であり、これらの具体的説
明は朝倉書店発行の『コーティング工学』253頁〜2
77頁(昭和46.3.20.発行)等に詳細に記載さ
れている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選択で
き、また所望の液の塗布の前に下塗層あるいは支持体と
の密着力向上のためにコロナ放電処理等を行っても良
い。また研磨層の多層構成は、同時多層塗布、逐次多層
塗布等を行ってもよい。これらは、例えば、特開昭57
−123532号公報,特公昭62−37451号公
報,特開昭59−142741号公報,特開昭59−1
65239号公報の明細書等に示されている。
【0041】このような方法により、支持体上に約1〜
200μmほどで塗布された研磨液を必要により直ちに
20〜130℃で多段階で乾燥処理を施したのち、形成
した研磨層を0.05〜10μmの厚みに乾燥する。こ
のときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜900
m/分で行われ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20℃
〜130℃で制御し、塗布膜の残留溶剤量を0.1〜4
0mg/m2 とする。また必要により表面平滑化加工を
施し研磨層もしくはバック層の中心線平均表面粗さを
0.001〜0.05μm(カットオフ0.08m
m)、好ましくは0.001〜0.025μmとし、所
望の形状に裁断したりして、本発明の研磨体を製造す
る。これらの製造方法は粉体の予備処理・表面処理、混
練・分散、塗布・乾燥、平滑処理、熱処理、EB処理、
表面研磨処理、裁断、巻き取りの工程を連続して行うこ
とが望ましい。
【0042】平滑処理はカレンダー処理とも呼ばれ、研
磨層を平滑化することができる。カレンダーは金属ロー
ルとナイロンロール、エポキシロール等の樹脂ロールが
使用できる。処理温度は30〜100℃、荷重は50〜
300Kg/cmで行うことが好ましく、その温度と荷
重条件により平滑度が変化する。多段で行うと処理が早
く完了する。これらは例えば、特公昭40−23625
号,特公昭39−28368号,特公昭47−3880
2号,英国特許1191424号,特公昭48−113
36号,特開昭49−53631号,特開昭50−11
2005号,特開昭51−77303号,特公昭52−
17404号,特開昭60−70532号,特開平2−
265672号,米国特許第3473960号,米国特
許第4728569号,米国特許4746542号等に
示されている。また、特公昭41−13181号に示さ
れる方法はこの分野における基本的、且つ重要な技術と
考えられている。
【0043】このように作成した研磨体を所定の形状に
裁断または打ち抜く。これ以前の工程において研磨体の
バーニシュおよびまたはクリーニングを行うことが望ま
しい。バーニツシュは研磨体を具体的にサファイア刃,
剃刀刃,超硬材料刃,ダイアモンド刃,セラミックス刃
のような硬い材料により研磨体表面の突起部分をそぎお
とし平滑にする。これら材料のモース硬度は8以上が好
ましいが特に制限はなく突起を除去できるものであれば
良い。これら材料の形状は特に刃である必要はなく、角
型,丸型,ホイール(回転する円筒形状の周囲にこれら
の材質を付与しても良い)のような形状でも使用でき
る。また研磨体のクリーニングは、研磨体表面の汚れや
余分な潤滑剤を除去する目的で研磨体表層を不織布など
で研磨層面をワイピングすることにより行う。このよう
なワイピングの材料としては例えば日本バイリーン製の
各種バイリーンや東レ製のトレシー,エクセーヌ,商品
名キムワイプ,富士写真フィルム製各種研磨テープ,ま
た不織布はナイロン製不織布,ポリエステル製不織布,
レーヨン製不織布,アクリロニトリル製不織布,混紡不
織布など,ティッシュペーパー等が使用できる。これら
は例えば特公昭46−39309号,特公昭58−46
768号,特開昭56−90429号,特公昭58−4
6767号,特開昭63−259830号,特開平1−
201824号等にも記載されている。
【0044】本発明に使用される研磨剤、バインダー、
添加剤(潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理剤、カ
ーボンブラック、研磨剤、遮光剤、酸化防止剤、防黴剤
等)、溶剤及び支持体(下塗層、バック層、バック下塗
層を有してもよい)或いはその製法に関しては、特公昭
56−26890号等に記載されている研磨体の製造方
法等を参考にできる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その研磨特性を評価する。なお実施例中の「部」と
あるのは「重量部」のことである。
【0046】<実施例1〜5>本例の研磨体は、下記組
成Aで調整した研磨塗布液を、厚みが75μmのポリエ
ステル支持体に3μm厚さとなるようにバーコート塗布
して研磨層を形成した。塗布後、カレンダー成形して研
磨層表面を平滑化したものであり、実施例1〜5では、
カレンダー成形時の線荷重を100から300Kg/cmに
変更して行っている。
【0047】上記研磨体(研磨シート)を、直径200
mmのディスク形状に打ち抜き、ゴム製回転板上に貼り
付け、この回転板を100rpmで回転させながら、光
コネクターフェールールをその上で遊星運動させ先端を
研磨層に接触させて研磨を20秒行った。供給したクー
ラント液は、粒径0.02μmのコロイダルシリカを含
有する水溶液を用いた。
【0048】上記研磨体におけるカレンダー成形条件と
研磨層の表面粗さRaの測定結果、研磨した光コネクタ
ーフェルールの光量伝達ロスの測定結果、フェルール面
と光ファイバー面との段差の測定結果を、表1に示す。
【0049】上記光量伝達ロスは、光ファイバーの研磨
面の反射で生じる伝達光量のロス量を測定したもので、
表面の平滑性等を評価でき、dB値が大きいほど良好な
伝達状態を示すもので、現状の規格としては45dB以
上となっている。段差は光ファイバーとしてのシリカガ
ラスとフェルールとしてのジルコニアを研磨し、その面
間に生じた段差を測定したもので、値が小さいほど良好
なもので、規格としては0.05μm以下である。
【0050】<比較例1,2>表1には比較例1および
2のテスト結果も同様に示す。この比較例は、前記実施
例と同様の支持体に同様の組成の塗布液を塗布するもの
であるが、その表面平滑化処理としてのカレンダー成形
を施していないもの(比較例1)、カレンダー温度が低
く平滑化が不十分なもの(比較例2)である。
【0051】 〔塗布液組成:A〕 研磨剤(酸化クロム、平均粒径0.5μm): 100部 バインダー(塩化ビニル樹脂): 3部 バインダー(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸基 3×10-3当量/g、エポキシ基2×10-5当量/g): 5部 バインダー(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン (1モル)のTDI(3モル)付加物): 2部 分散剤(レシチン): 1部 潤滑剤(ステアリン酸ブチル): 1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 200部 希釈剤(トルエン/MIBK): 150部
【0052】
【表1】
【0053】上記表1の結果、研磨層表面粗さが55〜
60nmで表面の平滑度が低い比較例1および2の研磨
体による光コネクターフェルールの研磨では、光量伝達
ロスは45dBであるが、先端の段差が0.1μmと大
きな値となっている。これに対して本発明によるもので
は、光量伝達ロスが50dBと良好な値であり、段差も
小さな値となっているが、特に表面粗さRaが25nm
以下の実施例3〜5のものでは段差がさらに小さくなっ
て良好である。
【0054】<実施例6〜10>本例の研磨体は、下記
組成Bで配合し、サンドグラインダーで分散し調整した
研磨塗布液を、厚みが75μmのポリエステル支持体に
6μm厚さとなるようにバーコート塗布して研磨層を形
成した。その研磨層の表面粗さRaは、上記研磨塗布液
の分散時間によって調整したものであり、実施例6〜9
では分散時間を5〜20時間と長くするとともに、前記
実施例1と同様の条件でカレンダー成形を施して、表面
粗さを45nm以下に調整している。また、実施例10
では分散時間を25時間とさらに長くして、カレンダー
成形を施すことなく表面粗さを50nmに調整してい
る。
【0055】なお、前記サンドグラインダー分散は、2
00mlの容器に直径1mmのガラスビーズを100m
l入れ、1500rpmで記載時間分散した。
【0056】上記研磨体(研磨シート)を、直径140
mmのディスク形状に打ち抜き、前記実施例と同様にゴ
ム製回転台に貼り付け、この回転台を100rpmで回
転させながら、光コネクターフェールールを遊星運動さ
せつつ接触させて研磨を50秒行った。供給したクーラ
ント液は、粒径0.05μmのコロイダルシリカを含有
する水溶液を用いた。
【0057】この実施例6〜10による研磨体における
分散時間と研磨層の表面粗さRaの測定結果、光ファイ
バー研磨面の表面粗さRaの測定結果、段差の測定結果
を、表2に示す。
【0058】<比較例3〜5>表2には比較例3〜5の
研磨体による測定結果も示す。これらの比較例は研磨層
表面粗さが大きいものであり、比較例3は分散時間が1
時間でカレンダー成形を施していないもの、比較例4は
分散時間が1時間でカレンダー成形を施したもの、比較
例5は分散時間が5時間と長いがカレンダー成形を施し
てないことで表面粗さが大きい例である。
【0059】 〔塗布液組成:B〕 研磨剤(酸化クロム、平均粒径0.2μm): 100部 バインダー(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸基 3×10-3当量/g、エポキシ基2×10-5当量/g): 10部 バインダー(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン (1モル)のTDI(3モル)付加物): 3部 分散剤(オレイン酸): 1部 潤滑剤(ミリスチン酸ブチル): 1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 300部 希釈剤(トルエン/MIBK/トルエン=1/1/1): 250部
【0060】
【表2】
【0061】上記表2の結果、研磨層の表面粗さRaが
大きく表面が粗面となっている比較例3〜5による研磨
体では、研磨した光ファイバー面の表面粗さが大きく、
これでは伝達光量ロスが増大することになり、段差も大
きな値となっている。これに対して本発明の実施例6〜
10の小さな表面粗さRaによるものでは、良好な研磨
特性が得られ、研磨した光ファイバー面の表面粗さが小
さく平滑な研磨が行えるととものに、段差も小さな値と
なっている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルール穴に光ファイバーを挿入固定
    してなる光コネクターフェルールの先端を凸状球面に研
    磨するのに使用する研磨体であって、 可撓性支持体に研磨剤とバインダーからなる研磨層を設
    けてなり、前記研磨層の中心線平均表面粗さRaが0.
    01〜0.05μmであることを特徴とする超低反射光
    コネクターフェルールの研磨体。
  2. 【請求項2】 前記可撓性支持体は、厚みが25〜12
    5μmであることを特徴とする請求項1に記載の超低反
    射光コネクターフェルールの研磨体。
  3. 【請求項3】 前記研磨層の研磨剤が、平均粒径が0.
    1〜1μmの酸化クロムであることを特徴とする請求項
    1に記載の超低反射光コネクターフェルールの研磨体。
  4. 【請求項4】 前記研磨層表面にクーラント液を供給し
    た状態で研磨することを特徴とする請求項1に記載の超
    低反射光コネクターフェルールの研磨体。
  5. 【請求項5】 前記クーラント液が、アルミナまたはシ
    リカによる研磨微粒子を含んでいることを特徴とする請
    求項4に記載の超低反射光コネクターフェルールの研磨
    体。
  6. 【請求項6】 前記シリカがコロイド状シリカであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の超低反射光コネクター
    フェルールの研磨体。
JP7302676A 1995-11-21 1995-11-21 超低反射光コネクターフェルールの研磨体 Withdrawn JPH09141547A (ja)

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