JPH11281846A - 光コネクターフェルールの接合方法 - Google Patents

光コネクターフェルールの接合方法

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JPH11281846A
JPH11281846A JP10079437A JP7943798A JPH11281846A JP H11281846 A JPH11281846 A JP H11281846A JP 10079437 A JP10079437 A JP 10079437A JP 7943798 A JP7943798 A JP 7943798A JP H11281846 A JPH11281846 A JP H11281846A
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JP
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optical connector
connector ferrule
joining
filler
polishing
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JP10079437A
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English (en)
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェルールに光ファイバーを挿入固定してな
る光コネクターフェルールの先端を凸状球面に研磨し接
合するについて、要求研磨特性を緩和しつつ光損失を低
減して伝達効率の向上を図る。 【解決手段】 フェルール2の穴に光ファイバー3を挿
入固定してなる光コネクターフェルール1の端面1aを凸
状球面に研磨し、光ファイバー3と同等の屈折率を有す
る有機化合物などによる充填剤4を端面1a間に介在させ
て接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェルール穴に光
ファイバーを挿入固定してなる光コネクターフェルール
の凸状球面に研磨した端面同士を接合する光コネクター
フェルールの接合方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】フェルール穴に光ファイバーを挿入固定し
てなる光コネクターフェルールの先端を凸状球面に研磨
し、この光コネクターフェルールの端面同士を接合する
各種方法が提案されている。また、前記光コネクターフ
ェルールの接合による光損失率を低減するため光ファイ
バー端面を平滑に研磨する技術についても種々提案され
ているが、光コネクターフェルール端面はガラス素材の
光ファイバーとセラミック素材のフェルールとの異種材
料からなるため、両者間に段差を生じることなく平滑に
研磨することが困難である。
【0003】また、上記のように端面を凸状球面に研磨
した光コネクターフェルールの端面同士を接合すること
については、単に両端面を突き合わせ状態に接合してい
るだけである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、フェルール
穴に光ファイバーを挿入固定してなる光コネクターフェ
ルールの先端を凸状球面に研磨した後に、光コネクター
フェルールの端面同士を接合するに際し、単に突き合わ
せるだけでは光損失を低減するためには前述の端面の研
磨精度をさらに高める必要があり、これには技術的課題
が大きく困難性を伴う。また、接合における位置精度の
確保などにおいても困難で、より容易に接合できること
と、光ファイバー中を通過する光の損失率を低減するこ
とが要望されている。
【0005】本発明は上記点に鑑みなされたものであっ
て、光コネクターフェルールの端面同士の接合における
光損失がより少なく接合が容易に行えるようにした光コ
ネクターフェルールの接合方法を提供せんとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の光コネクターフェルールの接合方法は、フェルール
穴に光ファイバーを挿入固定してなる光コネクターフェ
ルールの端面を凸状球面に研磨し、この光コネクターフ
ェルールの端面同士を接合するについて、前記光ファイ
バーと同等の屈折率を有する充填剤を前記接合の際、前
記端面間に介在させることを特徴とするものである。
【0007】また、前記フェルール穴に光ファイバーを
挿入固定してなる光コネクターフェルールの端面を、凸
状球面に研磨体で研磨するのが望ましい。前記光コネク
ターフェルールの端面を充填材を用いないで接合したと
きの光損失が20〜70dBである光コネクターフェル
ールを用いるのが好適である。
【0008】さらに、前記充填剤は、炭素数が8〜40
の有機化合物が使用可能である。この充填剤は20℃に
おける屈折率nDが1.44〜1.46のものが好まし
い。
【0009】なお、前記充填剤は、光コネクターフェル
ールへの吸収がないこと、固化しないこと、適当な沸点
(例えば100℃以上、好ましくは200〜300
℃)、及び融点(例えば0℃以下)を有するものを使用
する。
【0010】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、フェルー
ル穴に光ファイバーを挿入固定してなる光コネクターフ
ェルールの端面を凸状球面に研磨し、この端面同士を該
端面間に光ファイバーと同等の屈折率を有する充填剤を
介在させて接合することにより、光ファイバー接合時の
光損失量が減少できると共に、接合が容易に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光コネクターフ
ェルールの接合方法の実施の形態を示し、本発明をさら
に詳細に説明する。図1に接合部分の概略断面図を示
す。
【0012】光コネクターフェルール1は、セラミック
素材(例えばZrO2)によるパイプ状のフェルール2
の中心穴にガラス素材(例えば石英)の光ファイバー3
を挿入固定してなる。この光コネクターフェルール1の
端面1aのフェルール2及び光ファイバー3は、段差の
ない平滑な所定の曲率半径を有する凸状球面に、後述の
研磨シート等の研磨体を使用して研磨成形する。
【0013】そして、2本の光コネクターフェルール
1,1の接合は、端面1a,1aに充填剤4をつけて両
端面1a,1a同士を突き合わせるもので、接合後の端
面1a,1a間の隙間には充填剤4が介在している。こ
の充填剤4は光ファイバー3と同等の屈折率を有する液
状または粘性液状の材料を使用する。この充填剤4は毛
管現象により外部に脱離しにくく、端面1a,1a間に
保持される。
【0014】前記充填剤としては、炭素数が8〜40の
有機化合物が好ましく、20℃における屈折率nDが
1.44〜1.46のものを使用する。
【0015】充填剤の具体例としては、 ノルマルアルキルシクロヘキサン n=8〜20 ノルマルアルキルシクロペンタン n=10〜25 ノルマル−α−オレフィン n=15〜30 ノルマル パラフィン n=15〜40 が挙げられ(nは炭素数)、赤外透過率は波長が0.6
〜1.6μmの領域で透過率が80〜100%、吸光度
は0.0〜0.1である。
【0016】なお、通信回線にはいろいろな波長のもの
が使用されているが、この波長に対する光ファイバー
(石英)の屈折率は、 波長が0.6μmで、屈折率は1.460 0.7 1.457 0.8 1.455 0.9 1.452 1.0 1.4505 1.2 1.447 1.4 1.445 1.6 1.443 となり、この屈折率と同等の屈折率を有する充填剤を使
用する。また、電送中心波長は、1.30μm(5波長
多重の場合は、1.29μm、1.295μm、1.3
μm、1.305μm、1.31μm)又は1.55μ
mである。
【0017】そして、端面を研磨した光コネクターフェ
ルールを充填剤を介在させずに接合したときの光損失が
20〜70dBの範囲にある光コネクターフェルールを
使用する。この光損失と損失率との関係は、 N=10logP1/P2 0dB=損失なし 5dB=0.32 10dB=0.1 20dB=0.01 30dB=0.001 40dB=0.0001 である。
【0018】上記のような充填剤を使用した光コネクタ
ーフェルールの接合においては、光ファイバーと屈折率
が同等の充填剤を介在させるため、光損失量が少なく、
また、凸状球面の研磨端面に求める規格が緩やかとな
る。さらに、有機化合物のため熱等の収縮膨張に対し追
随性があり、しかも、光コネクターフェルール端面の取
り外しが容易となる。
【0019】前記光コネクターフェルール先端の研磨と
しては、研磨体(研磨シート等)をゴム等の弾性体によ
る回転台に貼り付け、この研磨体に光コネクターフェル
ールの端面を押圧接触させ、上記回転台を回転させると
共に、光コネクターフェルールを遊星運動させて凸状球
面に研磨する。
【0020】その際、乾式でもよいが、湿式が好まし
い。湿式はクーラント水溶液を供給するのがよく、この
クーラント液中には研磨微粒子(シリカ、アルミナ等)
を含んでも良い。シリカの場合にはコロイド状シリカが
好適で、その粒子径としては0.005〜0.05μm
程度のものが望ましい。研磨時間は5〜200秒、荷重
は1〜1000gが好ましい。
【0021】前記研磨体は、可撓性支持体の片面に研磨
剤とバインダー等からなる研磨層を有し、また、可撓性
支持体と研磨層の間に下塗層を、支持体の裏面にバック
層を設けてもよい。
【0022】前記研磨層で用いられる研磨剤は、一般的
に研磨作用若しくは琢磨作用をもつ材料で、α−アルミ
ナ,γ−アルミナ,α・γ−アルミナ,熔融アルミナ,
炭化珪素,酸化クロム,酸化セリウム,コランダム,人
造ダイヤモンド,ダイヤモンド,α−酸化鉄,ザクロ
石,エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱),ガーネ
ット,珪石,窒化珪素,窒化硼素,炭化モリブデン,炭
化硼素,炭化タングステン,チタンカーバイド,トリポ
リ,ケイソウ土,ドロマイト等で、主としてモース硬度
6以上の材料が1内至4種迄の組み合わせで使用される
これらの研磨剤は平均粒子サイズが0.005〜100
μmの大きさのものが使用され、特に好ましくは0.0
1〜50μmである。これらの研磨剤は、研磨層の場
合、研磨剤100重量部に対してバインダーを0.1〜
50重量部の範囲で用いられる。
【0023】これら研磨剤の具体例としては住友化学社
製のAKP1,AKP15,AKP20,AKP30,
AKP50,AKP80,Hit50,Hit100等
が挙げられる。これらについては特公昭52−2864
2号,特公昭49−39402号,特開昭63−988
28号,米国特許3687725号,米国特許3007
807号,米国特許3041196号,米国特許329
3066号,米国特許3630910号,米国特許38
33412号,米国特許4117190号,英国特許1
145349号,西独特許853211号等に記載され
ている。
【0024】本発明の研磨層に使用されるバインダーと
しては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光
線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。
【0025】熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150
℃以下、平均分子量が10000〜300000、重合
度が約50〜2000程度のものでより好ましくは20
0〜600程度であり、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体,塩化ビニル共重合体,塩化ビニル酢酸ビニルビ
ニルアルコール共重合体,塩化ビニルビニルアルコール
共重合体,塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体,塩化ビ
ニルアクリロニトリル共重合体,アクリル酸エステルア
クリロニトリル共重合体,アクリル酸エステル塩化ビニ
リデン共重合体,アクリル酸エステルスチレン共重合
体,メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体,
メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体,メタク
リル酸エステルスチレン共重合体,ウレタンエラストマ
ー,ナイロン−シリコン系樹脂,ニトロセルロース−ポ
リアミド樹脂,ポリフッカビニル,塩化ビニリデンアク
リロニトリル共重合体,ブタジエンアクリロニトリル共
重合体,ポリアミド樹脂,ポリビニルブチラール,セル
ロース誘導体(セルロースアセテートブチレート,セル
ロースダイアセテート,セルローストリアセテート,セ
ルロースプロピオネート,ニトロセルロース,エチルセ
ルロース,メチルセルロース,プロピルセルロース,メ
チルエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,
アセチルセルロース等),スチレンブタジエン共重合
体,ポリエステル樹脂,ポリカーボネート樹脂,クロロ
ビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体,アミノ樹
脂,各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合
物等が使用される。これらの樹脂の例示は、特公昭37
−6877号,特公昭39−12528号,特公昭39
−19282号,特公昭40−5349号,特公昭40
−20907号,特公昭41−9463号,特公昭41
−14059号,特公昭41−16985号,特公昭4
2−6428号,特公昭42−11621号,特公昭4
3−4623号,特公昭43−15206号,特公昭4
4−2889号,特公昭44−17947号,特公昭4
4−18232号,特公昭45−14020号,特公昭
45−14500号,特公昭47−18573号,特公
昭47−22063号,特公昭47−22064号,特
公昭47−22068号,特公昭47−22069号,
特公昭47−22070号,特公昭47−27886
号,特開昭57−133521号,特開昭58−137
133号,特開昭58−166533号,特開昭58−
222433号,特開昭59−58642号等、米国特
許4571364号,米国特許4752530号の公報
等に記載されている。
【0026】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗
布液の状態では200000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合・付加等の
反応により分子量が無限大となるものが適している。ま
た、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間
に軟化又は溶融しないものが好ましい。具体的には、例
えばフェノール樹脂,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,
ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタンポ
リカーボネート樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,アルキ
ッド樹脂,シリコン樹脂,アクリル系反応樹脂(電子線
硬化樹脂),エポキシ−ポリアミド樹脂,ニトロセルロ
ースメラミン樹脂,高分子量ポリエステル樹脂とイソシ
アネートプレポリマーの混合物,メタクリル酸塩共重合
体とジイソシアネートプレポリマーの混合物,ポリエス
テルポリオールとポリイソシアネートとの混合物,尿素
ホルムアルデヒド樹脂,低分子量グリコール/高分子量
ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混
合物,ポリアミン樹脂,ポリイミン樹脂及びこれらの混
合物等である。これらの樹脂の例示は、特公昭39−8
103号,特公昭40−9779号,特公昭41−71
92号,特公昭41−8016号,特公昭41−142
75号,特公昭42−18179号,特公昭43−12
081号,特公昭44−28023号,特公昭45−1
4501号,特公昭45−24902号,特公昭46−
13103号,特公昭47−22065号,特公昭47
−22066号,特公昭47−22067号,特公昭4
7−22072号,特公昭47−22073号,特公昭
47−28045号,特公昭47−28048号,特公
昭47−28922号等の公報に記載されている。
【0027】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基として、カルボ
ン酸(COOM),スルフィン酸,スルフェン酸,スル
ホン酸(SO3 M),燐酸(PO(OM)(OM)),
ホスホン酸,硫酸(OSO3M),これらのエステル基
等の酸性基(MはH,アルカリ金属,アルカリ土類金
属,炭化水素基),アミノ酸類;アミノスルホン酸類,
アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類,アルキ
ルベタイン型等の両性類基,アミノ基,イミノ基,イミ
ド基,アミド基等、また、水酸基,アルコキシル基,チ
オール基,アルキルチオ基,ハロゲン基(F,Cl,B
r,I),シリル基,シロキサン基,エポキシ基,イソ
シアナト基,シアノ基,ニトリル基,オキソ基,アクリ
ル基,フォスフィン基を通常1種以上6種以内含み、各
々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×10
-2eq含むことが好ましい。
【0028】これらのバインダーの単独又は組み合わさ
れたものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。研磨層
の研磨剤とバインダーとの混合割合は重量比で研磨剤1
00重量部に対してバインダー5〜300重量部の範囲
で使用される。なお、バック層の粉末剤とバインダーの
混合割合は、重量比で微粉末100重量部に対してバイ
ンダー8〜400重量部の範囲で使用される。添加剤と
しては分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、溶剤等が加えられる。
【0029】本発明の研磨層に用いるポリイソシアネー
トとしては、トリレンジイソシアネート,4・4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイ
ソシアネート,キシリレンジイソシアネート,ナフチレ
ン−1・5−ジイソシアネート,o−トルイジンジイソ
シアネート,イソホロンジイソシアネート,トリフェニ
ルメタントリイソシアネート,イソホロンジイソシアネ
ート等のイソシアネート類,当該イソシアネート類とポ
リアルコールとの生成物,イソシアネート類の縮合によ
って生成した2〜10量体のポリイソシアネート,ポリ
イソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端官能基
がイソシアネートであるもの等を使用することができ
る。
【0030】これらポリイソシアネート類の平均分子量
は100〜20000のものが好適である。これらポリ
イソシアネートの市販されている商品名としては、コロ
ネートL,コロネートHL,コロネート2030,コロ
ネート2031,ミリオネートMR,ミリオネートMT
L(日本ポリウレタン社製),タケネートD−102,
タケネートD−110N,タケネートD−200,タケ
ネートD−202,タケネート300S,タケネート5
00(武田薬品社製),スミジュールT−80,スミジ
ュール44S,スミジュールPF,スミジュールL,ス
ミジュールN,デスモジュールL,デスモジュールI
L,デスモジュールN,デスモジュールHL,デスモジ
ュールT65,デスモジュール15,デスモジュール
R,デスモジュールRF,デスモジュールSL,デスモ
ジュールZ4273(住友バイエル社製)等があり、こ
れらを単独若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若し
くはそれ以上の組み合わせによって使用することができ
る。また、硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブタン
ジオール,ヘキサンジオール,分子量が1000〜10
000のポリウレタン,水等),アミノ基(モノメチル
アミン,ジメチルアミン,トリメチルアミン等)を有す
る化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート
等の触媒を併用することもできる。これらの水酸基やア
ミノ基を有する化合物は多官能であることが望ましい。
これらポリイソシアネートは研磨層、バック層ともバイ
ンダー樹脂とポリイソシアネートの総量100重量部あ
たり2〜70重量部で使用することが好ましく、より好
ましくは5〜50重量部である。これらの例示は特開昭
60−131622号,特開昭61−74138号等の
公報において示されている。
【0031】上記研磨層にはカーボンブラックを含有し
てもよく、例えば、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いる
ことができる。その比表面積は5〜500m2 /g、D
BP吸油量は10〜400ml/100g、pHは2〜
10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜
1g/cm2 であるのが好ましい。このカーボンブラッ
クの具体的な例としては、キャボット社製:BLACK
PEARLS 2000,1300,1000,90
0,800,700、三菱化成工業社製:650B,9
50B,3250B,850,900,960,98
0,1000,2300,2400,2600等が挙げ
られる。また、カーボンブラックを分散剤等で表面処理
したり、樹脂でグラファイト化したものを用いることも
できる。
【0032】本発明の研磨層に使用される粉末状潤滑剤
としては、グラファイト,二硫化モリブデン,窒化硼
素,弗化黒鉛,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸化珪
素,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化錫,二硫化タングステ
ン等の無機微粉末,アクリルスチレン系樹脂微粉末,ベ
ンゾグアナミン系樹脂微粉末,メラミン系樹脂微粉末,
ポリオレフイン系樹脂微粉末,ポリエステル系樹脂微粉
末,ポリアミド系樹脂微粉末,ポリイミド系樹脂微粉
末,ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等
がある。
【0033】また有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン,ジアルコキシポ
リシロキサン,フェニルポリシロキサン,フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学社製KF96,KF69
等)),脂肪酸変性シリコンオイル,フッ素アルコー
ル,ポリオレフィン(ポリエチレンワックス,ポリプロ
ピレン等),ポリグリコール(エチレングリコール,ポ
リエチレンオキシドワックス等),テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス,ポリテトラフルオログリコー
ル,パーフルオロアルキルエーテル,パーフルオロ脂肪
酸,パーフルオロ脂肪酸エステル,パーフルオロアルキ
ル硫酸エステル,パーフルオロアルキルスルホン酸エス
テル,パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル,パーフルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物,アルキル硫酸エステル,アルキルス
ルホン酸エステル,アルキルホスホン酸トリエステル,
アルキルホスホン酸モノエステル,アルキルホスホン酸
ジエステル,アルキル燐酸エステル,琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物,トリアザインド
リジン,テトラアザインデン,ベンゾトリアゾール,ベ
ンゾトリアジン,ベンゾジアゾール,EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物,炭素数10〜4
0の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコ
ールもしくは二価のアルコール,三価のアルコール,四
価のアルコール,六価のアルコールのいずれか1つもし
くは2つ以上とからなる脂肪酸エステル類,炭素数10
個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して
炭素数が11〜70個となる一価〜六価のアルコールか
らなる脂肪酸エステル類,炭素数8〜40の脂肪酸或い
は脂肪酸アミド類,脂肪酸アルキルアミド類,脂肪族ア
ルコール類も使用できる。
【0034】これら化合物の具体的な例としては、カプ
リル酸ブチル,カプリル酸オクチル,ラウリン酸エチ
ル,ラウリン酸ブチル,ラウリン酸オクチル,ミリスチ
ン酸エチル,ミリスチン酸ブチル,ミリスチ酸オクチ
ル,ミリスチン酸2エチルヘキシル,パルミチン酸エチ
ル,パルミチン酸ブチル,パルミチン酸オクチル,パル
ミチン酸2エチルヘキシル,ステアリン酸エチル,ステ
アリン酸ブチル,ステアリン酸イソブチル,ステアリン
酸オクチル,ステアリン酸2エチルヘキシル,ステアリ
ン酸アミル,ステアリン酸イソアミル,ステアリン酸2
エチルペンチル,ステアリン酸2ヘキシルデシル,ステ
アリン酸イソトリデシル,ステアリン酸アミド,ステア
リン酸アルキルアミド,ステアリン酸ブトキシエチル,
アンヒドロソルビタンモノステアレート,アンヒドロソ
ルビタンジステアレート,アンヒドロソルビタントリス
テアレート,アンヒドロソルビタンテトラステアレー
ト,オレイルオレート,オレイルアルコール,ラウリル
アルコール,モンタンワックス,カルナウバワックス等
があり単独若しくは組み合わせ使用できる。
【0035】また本発明に使用される潤滑剤としては、
いわゆる潤滑油添加剤も単独若しくは組み合わせで使用
でき、防錆剤として知られている酸化防止剤(アルキル
フェノール,ベンゾトリアジン,テトラアザインデン,
スルファミド,グアニジン,核酸,ピリジン,アミン,
ヒドロキノン,EDTA等の金属キレート剤),錆どめ
剤(ナフテン酸,アルケニルコハク酸,燐酸,ジラウリ
ルフォスフェート等),油性剤(ナタネ油,ラウリルア
ルコール等),極圧剤(ジベンジルスルフィド,トリク
レジルフォスフェート,トリブチルホスファイト等),
清浄分散剤,粘度指数向上剤,流動点降下剤,泡どめ剤
等がある。これらの潤滑剤はバインダー100重量部に
対して0.01〜30重量部の範囲で添加される。これ
らについては、特公昭43−23889号,特公昭48
−24041号,特公昭48−18482号,特公昭4
4−18221号,特公昭47−28043号,特公昭
57−56132号,特開昭59−8136号,特開昭
59−8139号,特開昭61−85621号,米国特
許3423233号,米国特許3470021号,米国
特許3492235号,米国特許3497411号,米
国特許3523086号,米国特許3625760号,
米国特許3630772号,米国特許3634253
号,米国特許3642539号,米国特許368772
5号,米国特許4135031号,米国特許44978
64号,米国特許4552794号、アイビーエムテク
ニカル ディスクロジャーブリテン(IBM Tech
nical Disclosure Bulleti
n)Vol.9,No7,p779(1966年12
月)、エレクトロニク(ELEKTRONIK)196
1年No12,p380、「化学便覧(応用編)」p9
54−967,1980年丸善社発行等に記載されてい
る。
【0036】本発明に使用する分散剤、分散助剤として
は、カプリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン
酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,エライ
ジン酸,リノール酸,リノレン酸,ステアロール酸,ベ
ヘン酸,マレイン酸,フタル酸等の炭素数2〜40個の
脂肪酸(R1COOH,Rは炭素数1〜39個のアルキ
ル基,フェニル基,アラルキル基),前記の脂肪酸のア
ルカリ金属(Li,Na,K,NH4 +等)またはアルカ
リ土類金属(Mg,Ca,Ba等),Cu,Pb等から
なる金属石鹸(オレイン酸銅),脂肪酸アミド;レシチ
ン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭素数
4〜40の高級アルコール(ブタノール,オクチルアル
コール,ミリスチルアルコール,ステアリルアルコー
ル)及びこれらの硫酸エステル,スルホン酸,フェニル
スルホン酸,アルキルスルホン酸,スルホン酸エステ
ル,燐酸モノエステル,燐酸ジエステル,燐酸トリエス
テル,アルキルホスホン酸,フェニルホスホン酸,アミ
ン化合物等も使用可能である。また、ポリエチレングリ
コール,ポリエチレンオキサイド,スルホ琥珀酸,スル
ホ琥珀酸金属塩,スルホ琥珀酸エステル等も使用可能で
ある。これらの分散剤は通常一種類以上で用いられ、一
種類の分散剤はバインダー100重量部に対して0.0
05〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の
使用方法は、研磨剤や非研磨微粉末の表面に予め被着さ
せても良く、また分散途中で添加してもよい。このよう
なものは、例えば特公昭39−28369号,特公昭4
4−17945号,特公昭44−18221号,特公昭
48−7441号,特公昭48−15001号,特公昭
48−15002号,特公昭48−16363号,特公
昭49−39402号,米国特許3387993号,同
3470021号等において示されている。
【0037】本発明に用いる防黴剤としては、2−(4
−チアゾリル)−ベンズイミダゾール,N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−フタルイミド,10・10’−
オキシビスフェノキサルシン,2・4・5・6テトラク
ロロイソフタロニトリル,P−トリルジヨードメチルス
ルホン,トリヨードアリルアルコール,ジヒドロアセト
酸,フェニルオレイン酸水銀,酸化ビス(トリブチル
錫),サルチルアニライド等がある。このようなもの
は、例えば「微生物災害と防止技術」1972年工学図
書、「化学と工業」32,904(1979)等におい
て示されている。
【0038】本発明に用いるカーボンブラック以外の帯
電防止剤としては、グラファイト,変性グラファイト,
カーボンブラックグラフトポリマー,酸化錫−酸化アン
チモン,酸化錫,酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン
等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキ
レンオキサイド系,グリセリン系,グリシドール系,多
価アルコール,多価アルコールエステル,アルキルフェ
ノールEO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキ
ルアミン類,環状アミン,ヒダントイン誘導体,アミド
アミン,エステルアミド,第四級アンモニウム塩類,ピ
リジンそのほかの複素環類,ホスホニウムまたはスルホ
ニウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン酸,スルホ
ン酸,ホスホン酸,燐酸,硫酸エステル基,ホスホン酸
エステル,燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン
界面活性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類,アミノ
アルコールの硫酸または燐酸エステル類,アルキルベタ
イン型等の両性界面活性剤等が使用される。
【0039】これら帯電防止剤として使用し得る界面活
性剤化合物例の一部は、特開昭60−28025号,米
国特許2271623号,同2240472号,同22
88226号,同2676122号,同2676924
号,同2676975号,同2691566号,同27
27860号,同2730498号,同2742379
号,同2739891号,同3068101号,同31
58484号,同3201253号,同3210191
号,同3294540号,同3415649号,同34
41413号,同3442654号,同3475174
号,同3545974号,西独特許公開(OLS)19
42665号,英国特許1077317号,同1198
450号等をはじめ、小田良平他著『界面活性剤の合成
とその応用』(槇書店1972年版);A.W.ベイリ
著『サーフエス アクティブ エージェンツ』(インタ
ーサイエンス パブリケーション コーポレイテッド1
985年版);T.P.シスリー著『エンサイクロペデ
ィア オブ サーフエスアクティブ エージェンツ,第
2巻』(ケミカルパブリシュカンパニー1964年
版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社,
昭和41年12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』
幸書房(1968)等の成書に記載されている。
【0040】これらの界面活性剤は単独または混合して
添加しても良い。研磨層における、これらの界面活性剤
の使用量は、研磨剤100重量部当たり0.01〜10
重量部である。またバック層での使用量はバインダー1
00重量部当たり0.01〜30重量部である。これら
は帯電防止剤として用いられるものであるが、時として
そのほかの目的、例えば分散の改良、潤滑性の改良、塗
布助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として適用さ
れる場合もある。
【0041】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン,メチルエチ
ルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノ
ン,イソホロン,テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノール,エタノール,プロパノール,ブタノール,イ
ソブチルアルコール,イソプロピルアルコール,メチル
シクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル,
酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,酢酸イソプ
ロピル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエーテ
ル等のエステル系;ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,グリコールジメチルエーテル,グリコールモノエ
チルエーテル,ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,クレゾール,クロルベンゼ
ン,スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,ク
ロロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素,N・N−ジメチルホルムアルデ
ヒド,ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。
【0042】これらの溶剤は研磨塗布液の合計固形分1
00重量部に対して50〜20000重量部で用いられ
る。好ましい研磨塗布液の固形分率は5〜60重量%で
ある。有機溶媒の代わりに水系溶媒(水,アルコール,
アセトン等)を使用することもできる。
【0043】研磨層の形成は上記の組成などを任意に組
合せて溶媒に溶解し、塗布溶液として支持体上に塗布・
乾燥する。この支持体は可撓性を有し、厚みが0.03
〜10mm程度である。素材としては、ポリエチレンテ
レフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエス
テル類,ポリプロピレン等のポリオレフイン類,セルロ
ーストリアセテート,セルロースダイアセテート等のセ
ルロース誘導体,ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類,
ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド,ポリスル
ホン等のプラスチックのほかにアルミニウム,銅等の金
属,ガラス等のセラミックス等も使用できる。これらの
支持体は塗布に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処
理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処理、ア
ルカリ処理を行ってもよい。これら支持体に関しては、
例えば西独特許3338854A,特開昭59−116
926号,特開昭61−129731号,米国特許43
88368号;三石幸夫著『繊維と工業』31巻p50
〜55,1975年などに記載されている。これら支持
体の中心線平均表面粗さRaは0.001〜5.0μm
が好ましい。またこれら支持体のヤング率(F5値)は
目的に応じて、幅方向、長手方向とも2〜30Kg/mm2
(1Kg/m2=9.8Pa)を選択することができる。
【0044】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80℃)など
は適宜設定することができる。研磨塗布液の調製には通
常の混練機、例えば、二本ロールミル,三本ロールミ
ル,ボールミル,ペブルミル,トロンミル,サンドグラ
インダー,ツェグバリ(Szegvari)アトライタ
ー,高速インペラー,分散機,高速ストーンミル,高速
度衝撃ミル,ディスパー,ニーダー,高速ミキサー,リ
ボンブレンダー,コニーダー,インテンシブミキサー,
タンブラー,ブレンダー,ディスパーザー,ホモジナイ
ザー,単軸スクリュー押出し機,二軸スクリュー押出し
機,及び超音波分散機などを用いることができる。通
常、分散・混練にはこれらの分散・混練機を複数備え、
連続的に処理を行う。混練分散に関する技術の詳細は、
T.C.PATTON著(テー.シー.パットン)“P
aint Flow and Pigment Dis
persion”(ペイントフロー アンド ピグメン
ト ディスパージョン)1964年,John Wil
ey & Sons社発行(ジョン ウイリー アンド
サンズ))や田中信一著『工業材料』25巻37(1
977)などや当該書籍の引用文献に記載されている。
これら分散、混練の補助材料として分散・混練を効率よ
く進めるため、球相当径で10cmφ〜0.05mmφ
の径のスチールボール,スチールビーズ,セラミツクビ
ーズ,ガラスビーズ,有機ポリマービーズを用いること
ができる。またこれら材料は球形に限らない。また、米
国特許第2581414号及び同第2855156号な
どの明細書にも記載がある。本発明においても上記の書
籍や当該書籍の引用文献などに記載された方法に準じて
混練分散を行い研磨塗布液を調製することができる。
【0045】支持体上へ前記の研磨層用塗布液を塗布す
る方法としては、塗布液の粘度を1〜20000センチ
ストークス(25℃)に調整し、エアードクターコータ
ー,ブレードコーター,エアナイフコーター,スクイズ
コーター,含浸コーター,リバースロールコーター,ト
ランスファーロールコーター,グラビアコーター,キス
コーター,キヤストコーター,スプレイコーター,ロッ
ドコーター,正回転ロールコーター,カーテンコータ
ー,押出コーター,バーコーター,リップコータ等が利
用でき、その他の方法も可能であり、これらの具体的説
明は朝倉書店発行の『コーティング工学』253頁〜2
77頁(昭和46.3.20.発行)等に詳細に記載さ
れている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選択で
き、また所望の液の塗布の前に下塗層あるいは支持体と
の密着力向上のためにコロナ放電処理等を行っても良
い。また研磨層の多層構成は、同時多層塗布、逐次多層
塗布等を行ってもよい。これらは、例えば、特開昭57
−123532号公報,特公昭62−37451号公
報,特開昭59−142741号公報,特開昭59−1
65239号公報の明細書等に示されている。
【0046】このような方法により、支持体上に約1〜
200μmほどで塗布された研磨液を必要により直ちに
20〜130℃で多段階で乾燥処理を施したのち、形成
した研磨層を0.05〜10μmの厚みに乾燥する。こ
のときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜900
m/分で行われ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20℃
〜130℃で制御し、塗布膜の残留溶剤量を0.1〜4
0mg/m2 とする。また必要により表面平滑化加工を
施し研磨層もしくはバック層の中心線平均表面粗さを
0.001〜0.3μm(カットオフ0.25mm)と
し、所望の形状に裁断したりして、本発明の研磨体を製
造する。これらの製造方法は粉体の予備処理・表面処
理、混練・分散、塗布・乾燥、平滑処理、熱処理、EB
処理、表面研磨処理、裁断、巻き取りの工程を連続して
行うことが望ましい。
【0047】平滑処理はカレンダー処理とも呼ばれ、研
磨層を平滑化することができる。カレンダーは金属ロー
ルとナイロンロール、エポキシロール等の樹脂ロールが
使用できる。処理温度は30〜100℃、荷重は50〜
300Kg/cmで行うことが好ましい。多段で行うと
処理が早く完了する。これらは例えば、特公昭40−2
3625号,特公昭39−28368号,特公昭47−
38802号,英国特許1191424号,特公昭48
−11336号,特開昭49−53631号,特開昭5
0−112005号,特開昭51−77303号,特公
昭52−17404号,特開昭60−70532号,特
開平2−265672号,米国特許第3473960
号,米国特許第4728569号,米国特許47465
42号等に示されている。また、特公昭41−1318
1号に示される方法はこの分野における基本的、且つ重
要な技術と考えられている。
【0048】このように作成した研磨体を所定の形状に
裁断または打ち抜く。これ以前の工程において研磨体の
バーニッシュおよびまたはクリーニングを行うことが望
ましい。バーニッシュは研磨体を具体的にサファイア
刃,剃刀刃,超硬材料刃,ダイアモンド刃,セラミック
ス刃のような硬い材料により研磨体表面の突起部分をそ
ぎおとし平滑にする。これら材料のモース硬度は8以上
が好ましいが特に制限はなく突起を除去できるものであ
れば良い。これら材料の形状は特に刃である必要はな
く、角型,丸型,ホイール(回転する円筒形状の周囲に
これらの材質を付与しても良い)のような形状でも使用
できる。また研磨体のクリーニングは、研磨体表面の汚
れや余分な潤滑剤を除去する目的で研磨体表層を不織布
などで研磨層面をワイピングすることにより行う。この
ようなワイピングの材料としては例えば日本バイリーン
製の各種バイリーンや東レ製のトレシー,エクセーヌ,
商品名キムワイプ,富士写真フィルム製各種研磨テー
プ,また不織布はナイロン製不織布,ポリエステル製不
織布,レーヨン製不織布,アクリロニトリル製不織布,
混紡不織布など,ティッシュペーパー等が使用できる。
これらは例えば特公昭46−39309号,特公昭58
−46768号,特開昭56−90429号,特公昭5
8−46767号,特開昭63−259830号,特開
平1−201824号等にも記載されている。
【0049】本発明に使用される研磨剤、バインダー、
添加剤(潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理剤、カ
ーボンブラック、研磨剤、遮光剤、酸化防止剤、防黴剤
等)、溶剤及び支持体(下塗層、バック層、バック下塗
層を有してもよい)或いはその製法に関しては、特公昭
56−26890号等に記載されている研磨体の製造方
法等を参考にできる。
【0050】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その特性を評価する。なお実施例中の「部」とある
のは「重量部」のことである。
【0051】<実施例1〜4>本例の研磨体は、下記組
成Aで調整した研磨塗布液を、厚みが75μmのポリエ
ステル支持体に3μm厚さとなるようにバーコート塗布
して研磨層を形成したものである。実施例1〜4では、
研磨層における研磨剤(ホワイトアルミナ)の粒径を変
更し、実施例1から実施例4になるに従って粒径が大き
くなっている。
【0052】上記研磨体(研磨シート)を、直径200
mmのディスク形状に打ち抜き、ゴム製回転盤上に貼り
付け、この回転盤を100rpmで回転させながら、光
コネクターフェールールをその上で遊星運動させ先端面
を研磨層に接触させて研磨を20秒行った。供給したク
ーラント液は、粒径0.02μmのコロイダルシリカを
含有する水溶液を用いた。
【0053】上記のように研磨体で端面を凸状球面に研
磨した光コネクターフェルールを、充填剤として前述の
ノルマルアルキルシクロヘキサンの一種である炭素数n
=12のC1225−シクロヘキサンを端面間に介在させ
て接合した。
【0054】上記研磨剤の種類と、接合した光コネクタ
ーフェルールの光量伝達ロスの測定結果を、表1に示
す。この光量伝達ロスは、光ファイバーの研磨面の反射
で生じる伝達光量のロス量を測定したもので、前述のよ
うに10dB以上ではdB値が大きいほど伝達ロスが少
なく良好な伝達効率を示すものである。
【0055】<比較例1〜4>表1には比較例1〜4の
テスト結果も同様に示す。この比較例は、前記実施例1
〜4とそれぞれ同様の研磨剤を含有する研磨体で端面研
磨を行った光コネクターフェルールを、充填剤を使用す
ることなく接合したものであり、同様に光量伝達ロスを
測定している。
【0056】 〔塗布液組成:A〕 研磨剤(アルミナ:不二見研磨材製WA8000) 100部 バインダー(塩化ビニル樹脂:日本ゼオン製400X) 5部 バインダー(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸基 3×10-3当量/g、エポキシ基2×10-5当量/g) 10部 バインダー(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン (1モル)のTDI(3モル)付加物) 5部 潤滑剤(ステアリン酸ブチル/ステアリン酸=1/1) 1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1) 200部 希釈剤(トルエン/MIBK) 150部
【0057】
【表1】
【0058】上記表1の結果、充填剤を使用しないで接
合している比較例1〜4の光コネクターフェルールで
は、光量伝達ロスは研磨剤の粒径が大きくなるほど研磨
後の端面に傷が発生することなどで光量伝達ロスは45
dBから25dBへとdB値が小さくなり、光損失が増
大している。これに対して本発明によるものでは、光量
伝達ロスが研磨剤粒径に関係なく55dBと良好な値で
あり、端面の研磨傷による影響等を解消しており、要求
研磨特性の軽減が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態における光コネクタ
ーフェルールの接合部分の断面図
【符号の説明】
1 光コネクターフェルール 1a 端面 2 フェルール 3 光ファイバー 4 充填剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルール穴に光ファイバーを挿入固定
    してなる光コネクターフェルールの端面を凸状球面に研
    磨し、この光コネクターフェルールの端面同士を接合す
    る方法であって、 前記光ファイバーと同等の屈折率を有する充填剤を前記
    接合の際、前記端面間に介在させることを特徴とする光
    コネクターフェルールの接合方法。
  2. 【請求項2】 前記光コネクターフェルールの端面を、
    凸状球面に研磨体で研磨したことを特徴とする請求項1
    に記載の光コネクターフェルールの接合方法。
  3. 【請求項3】 前記光コネクターフェルールの端面を接
    合したときの光損失が20〜70dBである光コネクタ
    ーフェルールを用いることを特徴とする請求項1に記載
    の光コネクターフェルールの接合方法。
  4. 【請求項4】 前記充填剤が、炭素数が8〜40の有機
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光コネ
    クターフェルールの接合方法。
  5. 【請求項5】 前記充填剤の20℃における屈折率nD
    が1.44〜1.46であることを特徴とする請求項4
    に記載の光コネクターフェルールの接合方法。
JP10079437A 1998-03-26 1998-03-26 光コネクターフェルールの接合方法 Withdrawn JPH11281846A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507786A (ja) * 2000-08-18 2004-03-11 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光学部品及びその製造方法
JP2011123173A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Fujitsu Telecom Networks Ltd フェルールの取付構造
CN103163600A (zh) * 2011-12-15 2013-06-19 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 光耦合模块及其制备方法

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