JPH09183067A - 研磨フィルム - Google Patents

研磨フィルム

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JPH09183067A
JPH09183067A JP7342941A JP34294195A JPH09183067A JP H09183067 A JPH09183067 A JP H09183067A JP 7342941 A JP7342941 A JP 7342941A JP 34294195 A JP34294195 A JP 34294195A JP H09183067 A JPH09183067 A JP H09183067A
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JP
Japan
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polishing
film
layer
resin
acid
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JP7342941A
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English (en)
Inventor
Katsumi Ryomo
克己 両毛
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨層を有するテープ状フィルムによって磁
気ヘッド等のクリーニングを行うについて、赤外線反射
率を高める。 【解決手段】 支持体2の表面に研磨剤とバインダーか
らなる研磨層3を設け、研磨層3の中心線平均表面粗さ
Raが10〜50nmであり、かつ、研磨層3の赤外線
反射率が波長が950nmの入射光と反射光の角度が1
2度のとき1.0%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド等の表
面の汚れを除去するために用いるクリーニング用の研磨
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、乳剤感光式の写真フィルムに磁
性層を設けて撮影情報等をカメラでの撮影時に記録し、
現像、焼付け時等にこの情報に基づいて処理し再現性を
高めるようにした写真システムが提案されているが、こ
の写真システムにおいては、カメラおよびラボ装置に前
記磁性層に対しての情報書込みおよび読取り用の磁気ヘ
ッドが設置されるが、その使用に応じて磁気ヘッドには
汚れが付着する。また、このような磁気ヘッドのクリー
ニング用に使用する写真フィルムまたはクリーニング専
用のクリーニングフィルムが、特開平6−148798
号に見られるように提案されている。
【0003】その他、従来よりビデオ、オーディオ、情
報機器等における磁気ヘッド用に各種クリーニングテー
プ、クリーニングディスク等が用いられているが、これ
らは磁気テープと同様に薄い支持体にクリーニング層が
形成されたもの(特開昭54−97001,特開昭61
−123012,特公平3−73047等参照)、円板
状支持体にクリーニング層が形成されたもの(特開昭6
1−227216等参照)である。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかして、上記のよ
うな各種クリーニング材料では、磁性層および感光乳剤
層を有する写真フィルムと同様にカメラまたはラボ装置
にセットして、送り操作を行って磁気ヘッド等のクリー
ニングを自動的に行おうとする場合に、写真フィルムと
同様な送り作動が得られない場合が発生する問題を有し
ている。
【0005】具体的には、上記のような写真フィルムの
送り作動を行うについては、まず写真フィルムの存在を
検出してから巻き取りモータの駆動を指令制御する機構
が採用され、その写真フィルムの検出に赤外線をフィル
ム面に照射して反射光の検出により検知するようにした
ものがある。しかしてこのような赤外線検出方式のもの
に、研磨層を形成した研磨フィルムをセットしても研磨
層表面による赤外線の反射特性が乱反射となって検出不
能となる恐れがある。
【0006】また、前述のような磁気ヘッドは、記録波
長が10μm/ビット以上の長波長信号を記録再生する
ものがあり、このような磁気ヘッドにおけるヘッド汚れ
を良好に除去することは困難である。すなわち、長波長
の汚れは、短波長信号記録の場合よりも汚れ量が極めて
多い状態でないと気がつかない。このために、磁気ヘッ
ドクリーニングには特別の配慮が必要で、特に研磨量を
最小限にしてかつクリーニング力を高める必要がある。
【0007】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたものであって、長波長信号を記録再生する磁気ヘッ
ド等における汚れの除去に好適であるとともにフィルム
の有無を自動検知してクリーニング処理が自動的に行え
るようにした研磨フィルムを提供せんとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の研磨フィルムは、研磨剤とバインダーからなる研磨
層を支持体上に有してなり、前記研磨層の中心線平均表
面粗さRa(JIS−B−R0601−1982)が1
0〜50nmであり、かつ波長が950nmで入射光と
反射光との角度が12度のときの研磨層の赤外線反射率
が1.0%以上であることを特徴とする。
【0009】上記赤外線反射率の測定は、測定機として
自記分光光度計U−4000(日立社製)を使用し、そ
の測定法は、波長:950nm、入射/反射角度:12
゜/12゜、サンプルサイズ:約30mm×40mm、測定
回数n=3での平均値を求める。
【0010】また、上記研磨フィルムは、フィルム面に
配列された穿孔を有するか、支持体を厚さが75〜12
5μのポリエステルで構成し、写真フィルムと同等の形
状特性とするのが好適である。一方、前記支持体の研磨
層を設けた面と反対側にゼラチン分散層を設け、写真フ
ィルムと同等の表面特性としてもよい。さらに、前記研
磨剤が、酸化鉄、酸化アルミナ、酸化クロムのうち少な
くとも1つを含み、その粒子サイズが、0.1〜10μ
mであることが望ましい。
【0011】前記研磨層の中心線平均表面粗さRaは、
分散時間の調整、分散用バインダーの種類で調整するこ
とができる。つまり、分散時間を延長すればRaは低下
させることができ、また、分散性に適したバインダーを
選定すると、同一分散時間でもRaを下げることができ
る。
【0012】なお、上記Raの測定は、三次元表面検査
機(小坂研究所製)を使用し、針先0.1rφ、針先荷
重10mg、掃引速度0.25mm/sec 、掃引距離0.1
mmで求める。
【0013】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、研磨層の
表面粗さRaが10〜50nmであることで、長波長信
号を記録再生する磁気ヘッド等に対してもそのヘッド汚
れを、研磨量を最小限にして高いクリーニング力で良好
に除去することができる。
【0014】また、上記研磨層の表面における赤外線反
射率が、波長が950nmで入射光と反射光との角度が
12度のときに1.0%以上となることで、赤外線の照
射によってフィルムの有無を検知するフィルム検知機構
を備えたカメラ等において研磨フィルムの検出が確実で
フィルムの送り動作制御が行え、自動的に磁気ヘッドの
クリーニング動作が得られるものである。
【0015】また、さらにその効果を高める方法とし
て、フィルム面に穿孔を設けると特に汚れの激しいとき
に顕著な効果を発揮し、支持体の厚みが75〜125μ
mのポリエステルフィルムが良好な研磨性能が得られ
る。さらに、研磨剤が、酸化鉄、酸化アルミナ、酸化ク
ロムのうち少なくとも1つを含み、その粒子サイズが、
0.1〜10μmであると、研磨効果が高まる。
【0016】一方、研磨層を設けた面の反対側にゼラチ
ン分散層を設けると、フィルム搬送性等の点で好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の研磨フィルムの
実施の形態を示し、本発明をさらに詳細に説明する。図
1は本例の研磨フィルムの使用形態を概略的に示し、図
2は研磨フィルムの一例の構造を示す概略図である。
【0018】本例の研磨フィルム1は、厚みが75〜1
25μmの支持体2の片面に研磨層3を有し、この研磨
層3は研磨剤4とバインダーで構成される。この研磨層
3の中心線平均表面粗さRaが10〜50nmに形成さ
れるとともに、研磨層の表面における赤外線反射率が、
波長が950nmで入射光と反射光との角度が12度の
ときに1.0%以上である。
【0019】また、上記研磨フィルム1は、写真フィル
ムの形状(例えば幅24mm、長さ1〜2m)に設けら
れ、支持体2における研磨層3と反対側の面(図2参
照)には、感光乳剤が塗布された乳剤層、カプラ等を含
有しないゼラチン層等によるゼラチン分散層5が設けら
れ、その表面の摩擦係数の調整が行われる。なお、上記
研磨層3は、全面または上下部分にのみ形成される。ま
た、研磨フィルム1の上縁および下縁には所定間隔で穿
孔7(パーフォレーション)が形成されている。
【0020】この研磨フィルム1は、フィルムカートリ
ッジ10内にそのスプール11に巻き取られて収納され
る。このフィルムカートリッジ10はカメラ20(全体
は示していない)に装填されて、図示しないフィルム検
出機構の赤外線発光素子によって赤外線が研磨層3の表
面に照射され、その反射光が受光素子によって検出され
る。このフィルム検出に基づく撮影操作に応じてフィル
ムカートリッジ10から研磨フィルム1が引き出され、
カメラ20に内蔵されている磁気ヘッド21に研磨層3
が摺接して、その表面のクリーニングを行う。なお、研
磨フィルム1としては、上記ゼラチン分散層5は必須で
はなく、ゼラチン分散層5を有さない支持体2に研磨層
3を形成してもよい。
【0021】このカメラ20の磁気ヘッド21は、通常
の使用状態では磁気記録面を有する写真フィルムが撮影
に応じて摺接し、撮影情報等を記録するものであり、そ
の磁気信号は10μm/ビット以上の波長を有する磁気
記録を行うように構成されている。
【0022】上記のような本発明の研磨層に適用可能な
研磨剤としては、平均粒子サイズが0.1〜0.9μm
の酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化
鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α・γ−アルミナ、
熔融アルミナ、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤ
モンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁
鉄鉱)、ガーネット、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化
モリブデン、炭化硼素、炭化タングステン、チタンカー
バイド等で、主としてモース硬度6以上の材料が1内至
4種迄の組合わせで使用される。これらの併用される研
磨剤のpHは2〜10のものが使用され、特に好ましく
は5〜10のものが用いられる。これらの研磨剤は研磨
層の主たる構成物質として用いられる。
【0023】上記研磨層に使用できるバインダーとして
は、無機塩が0.1wt%以下のものを使用することが
できる。研磨層に使用されるバインダーとしては塩化ビ
ニル系樹脂、ウレタン樹脂及びポリイソシアネート以外
に、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹
脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬
化型樹脂、防黴樹脂やこれらの混合物を使用することが
できる。
【0024】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、平均分子量が10000〜300000、重合度
が約50〜2000程度のものでより好ましくは200
〜700程度であり、例えば、アクリル酸エステルアク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリ
デン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、
メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタ
クリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル
酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマー、
ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリア
ミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアクリロ
ニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロー
ス誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロー
スダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メチル
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセ
チルセルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニル
エーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各
種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が
使用される。
【0025】特に塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩
化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリ
デン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体等
が挙げられ、中でも、塩化ビニルの共重合体である−
(CHClCH2 n −(CHXCH2 m −(Xは、
−SO3 Na、−SO3 H、−PO4 H等の極性基)を
基本単位とするものが研磨層の強度および研磨剤粒子の
分散性の面で望ましい。塩化ビニル系樹脂の中でも特に
望ましいのは、分散性、塗布膜強度の点から日本ゼオン
社製のMR110、400X110A等である。
【0026】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、塗布液の状態では200000以下の分子量であ
り、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付
加等の反応により分子量が無限大となるものが好適であ
る。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解するま
での間に軟化または溶融しないものが好ましい。具体的
には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂
(電子線硬化樹脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニト
ロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂
とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸
塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混合物、
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合
物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/
高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネ
ートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこ
れらの混合物等である。
【0027】特にウレタン系樹脂としては、特に制限さ
れず従来よりバインダー樹脂として公知のものを使用す
ることができる。例えば、100%モジュラスが50〜
300Kg/mm2 のものが、ガラス転移温度(Tg)
は、−30〜50℃であるものが研磨剤を研磨層に保持
する性能、また塗膜に適度の弾性を付与するので望まし
い。
【0028】具体的には大日本インキ社製のC−720
9、パンデックス、日本ポリウレタン社製のN−230
1、N−2302、N−2304、N−3107、東洋
紡社製のUR−8200、UR−8300、UR−86
00等が挙げられ、中でも研磨剤粒子の分散を促進させ
るための極性基を分子内に有するものが好ましい。これ
らの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、官能
基としてカルボン酸(COOM)、スルフィン酸、スル
フェン酸、スルホン酸(SO3 M)、燐酸(PO(O
M)(OM))、ホスホン酸、硫酸(OSO3 M)、及
びこれらのエステル基等の酸性基(MはH、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、炭化水素基)、アミノ酸類;ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸
エステル類、スルフォベタイン、ホスホベタイン、アル
キルベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イ
ミド基、アミド基等、また、水酸基、アルコキシル基、
チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F,Cl,
Br,I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ基、イ
ソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ基、アク
リル基、フォスフィン基を通常1種以上6種以内含んで
も良い。そして各々の官能基は樹脂1gあたり1×10
-6eq〜1×10-2eq含むことが研磨剤粒子の分散の
促進、研磨層塗布膜の強度の向上のために含んでも良
い。
【0029】前記研磨層の研磨剤とバインダー樹脂との
混合割合は、重量比で研磨剤100重量部に対してバイ
ンダー樹脂5〜700重量部の範囲で使用される。
【0030】本発明に用いられるポリイソシアネートと
しては、特に制限されず従来よりバインダー樹脂として
公知のものを使用することができる。例えば、トリレン
ジイソシアネート、4・4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1・5−ジイソシ
アネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネー
ト類、また当該イソシアネート類とポリアルコールとの
生成物、イソシアネート類の縮合に依って生成した2〜
10量体のポリイソシアネート、ポリイソシアネートと
ポリウレタンとの生成物で末端官能基がイソシアネート
等が挙げられ、中でもイソシアネート基(−NCO)を
1分子内中に3個以上あると架橋が三次元的になされる
ので望ましい。
【0031】これらポリイソシアネート類の平均分子量
は100〜20000のものが好適である。これらポリ
イソシアネートの市販されている商品名としては、コロ
ネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロ
ネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMT
L(日本ポリウレタン社製)、タケネートD−102、
タケネートD−110N、タケネートD−200、タケ
ネートD−202、タケネート300S、タケネート5
00(武田薬品社製)、スミジュールT−80、スミジ
ュール44S、スミジュールPF、スミジュールL、ス
ミジュールN、デスモジュールL、デスモジュールI
L、デスモジュールN、デスモジュールHL、デスモジ
ュールT65、デスモジュール15、デスモジュール
R、デスモジュールRF、デスモジュールSL、デスモ
ジュールZ4273(住友バイエル社製)等があり、こ
れらを単独もしくは硬化反応性の差を利用して二つ若し
くはそれ以上の組み合わせによって使用することができ
る。また、硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブタン
ジオール、ヘキサンジオール、分子量が1000〜10
000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モノメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等)を有す
る化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート
等の触媒を併用することもできる。これらの水酸基やア
ミノ基を有する化合物は多官能である事が望ましい。
【0032】上記のポリイソシアネートの中でも特に望
ましいのは、3次元的架橋密度を促進向上させるため、
3官能ポリイソシアネートが好ましく、日本ポリウレタ
ン社製のコロネート3040等が挙げられる。
【0033】その他、研磨層には各種の機能を持った化
合物が添加剤として添加される。例えば、分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等
が加えられる。
【0034】分散剤、分散助剤はバインダーへの研磨剤
の分散を助ける目的で加えることがある。分散剤、分散
助剤としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロ
ール酸、ベヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2
〜40個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数1〜3
9個のアルキル基,フェニル基,アラルキル基)、前記
の脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,K,NH
4 + 等)またはアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba
等)、Cu、Pb等からなる金属石鹸(オレイン酸
銅)、脂肪酸アミド;レシチン(大豆油レシチン)等が
使用される。この他に炭素数4〜40の高級アルコール
(ブタノール,オクチルアルコール,ミリスチルアルコ
ール,ステアリルアルコール)及びこれらの硫酸エステ
ル、スルホン酸、フェニルスルホン酸、アルキルスルホ
ン酸、スルホン酸エステル、燐酸モノエステル、燐酸ジ
エステル、燐酸トリエステル、アルキルホスホン酸、フ
ェニルホスホン酸、アミン化合物等も使用可能である。
また、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイ
ド、スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸金属塩、スルホ琥珀酸
エステル等も使用可能である。これらの分散剤は通常一
種類以上で用いられ、一種類の分散剤はバインダー10
0重量部に対して0.005〜20重量部の範囲で添加
される。これら分散剤の使用方法は、強磁性微粉末や非
磁性微粉末の表面に予め被着させても良く、また分散途
中で添加してもよい。
【0035】粉末状潤滑剤としては、グラファイト、二
硫化モリブデン、窒化硼素、弗化黒鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化錫、二硫化タングステン等の無機微粉末、アクリル
スチレン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉
末、メラミン系樹脂微粉末、ポリオレフイン系樹脂微粉
末、ポリエステル系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉
末、ポリイミド系樹脂微粉末、ポリフッカエチレン系樹
脂微粉末等の樹脂微粉末等がある。
【0036】研磨層には、さらに摩擦係数の低減、塗布
膜の弾性のコントロールという効果を期待して以下のよ
うな有機化合物系潤滑剤を添加することもできる。その
際の添加量としては、研磨剤粒子に対して重量百分比で
0.01〜10重量%、望ましくは0.05〜5重量%
である。
【0037】この有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン,ジアルコキシポ
リシロキサン,フェニルポリシロキサン,フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学社製KF96、KF69
等))、脂肪酸変性シリコンオイル、フッ素アルコー
ル、ポリオレフィン(ポリエチレンワックス,ポリプロ
ピレン等)、ポリグリコール(エチレングリコール,ポ
リエチレンオキシドワックス等)、テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス、ポリテトラフルオログリコー
ル、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロ脂肪
酸、パーフルオロ脂肪酸エステル、パーフルオロアルキ
ル硫酸エステル、パーフルオロアルキルスルホン酸エス
テル、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル、パーフルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルス
ルホン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、
アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸
ジエステル、アルキル燐酸エステル、琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物、トリアザインド
リジン、テトラアザインデン、ベンゾトリアゾール、ベ
ンゾトリアジン、ベンゾジアゾール、EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物、炭素数10〜4
0の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコ
ールもしくは二価のアルコール、三価のアルコール、四
価のアルコール、六価のアルコールのいずれか1つもし
くは2つ以上とからなる脂肪酸エステル類、炭素数10
個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して
炭素数が11〜70個となる一価〜六価のアルコールか
らなる脂肪酸エステル類、炭素数8〜40の脂肪酸或い
は脂肪酸アミド類、脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族ア
ルコール類も使用できる。
【0038】これら化合物の具体的な例としては、カプ
リル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エチ
ル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチ
ン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸エチ
ル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、パル
ミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン
酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシル、ステアリ
ン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸2
エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、ステ
アリン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ステア
リン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチル、
アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソ
ルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリス
テアレート、アンヒドロソルビタンテトラステアレー
ト、オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリル
アルコール、モンタンワックス、カルナウバワックス等
が有り単独若しくは組み合わせ使用できる。
【0039】帯電防止剤としては、研磨層には被研削物
との間で発生する静電気による静電破壊を防止する目的
でカーボンブラックを含有させることが好ましい。カー
ボンブラックはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カ
ラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることが
できる。これらカーボンブラックはフィルムの帯電防止
剤、遮光剤、摩擦係数調節剤、耐久性向上を目的として
使用される。これらカーボンブラックの米国における略
称の具体例を示すとSAF、ISAF、IISAF、
T、HAF、SPF、FF、FEF、HMF、GPF、
APF、SRF、MPF、ECF、SCF、CF、F
T、MT、HCC、HCF、MCF、LFF、RCF等
があり、米国のASTM規格のD−1765−82aに
分類されているものを使用することができる。これらの
カーボンブラックの中、本発明の目的を有効に達成する
ためには、上記の中でも粒径が前記の条件に適合するフ
ァーネスブラックが望ましい。
【0040】本発明に使用されるこれらカーボンブラッ
クの平均粒子径は、5〜100nm(電子顕微鏡)、窒
素吸着法比表面積は10〜800m2 /g、pHは4〜
11(JIS規格K−6221−1982法)、ジブチ
ルフタレート(DBP)吸油量は10〜800ml/1
00g(JIS規格K−6221−1982法)であ
る。本発明に使用されるカーボンブラックの平均粒子径
は、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的で5〜100n
mのカーボンブラックを、また塗布膜の強度を制御する
ときに50〜1000nmのカーボンブラックを用い
る。
【0041】また、カーボンブラックの種類と添加量は
研磨フィルムの目的に応じて使い分けられる。また、こ
れらのカーボンブラックを、後述の分散剤などで表面処
理したり、樹脂でグラフト化して使用してもよい。ま
た、カーボンブラックを製造するときの炉の温度を20
00℃以上で処理して表面の一部をグラファイト化した
ものも使用できる。また、特殊なカーボンブラックとし
て中空カーボンブラックを使用することもできる。これ
らのカーボンブラックは研磨層の場合無機粉末100重
量部に対して0.1〜100重量部で用いることが望ま
しい。またバック層の場合、樹脂100重量部に対して
20〜400重量部で用いることが望ましい。使用可能
なカーボンブラックは、例えば『カーボンブラック便
覧』カーボンブラック協会編(昭和46年発行)を参考
にすることができる。本発明で使用するアルミナ以外の
粉体についても各々の粉体は、Na含有率が0.1wt
%以下であることが好ましい。
【0042】またカーボンブラック以外の帯電防止剤と
してはグラファイト、変成グラファイト、カーボンブラ
ックグラフトポリマー、酸化錫−酸化アンチモン、酸化
錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン等の導電性粉
末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキサイ
ド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アルコー
ル、多価アルコールエステル、アルキルフェノールEO
付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類
等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、ホ
スホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エステ
ル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型
等の両性界面活性剤等が使用される。
【0043】これら帯電防止剤として使用し得る界面活
性剤化合物例の一部は、小田良平他著『界面活性剤の合
成とその応用』(槙書店1972年版);A.W.ベイ
リ著『サーフエス アクティブ エージェンツ』(イン
ターサイエンス パブリケーション コーポレイテッド
1985年版);T.P.シスリー著『エンサイクロペ
ディア オブ サーフエスアクティブ エージェンツ、
第2巻』(ケミカルパブリシュカンパニー1964年
版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社、
昭和41年12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』
幸書房(1968)等の成書に記載されている。これら
の界面活性剤は単独または混合して添加しても良い。こ
れらは帯電防止剤として用いられるものであるが、時と
してそのほかの目的、例えば分散、潤滑性の改良、塗布
助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として適用され
る場合もある。
【0044】酸化防止剤としては、一般的に防錆剤とし
てしられているアルキルフェノール、ベンゾトリアジ
ン、テトラアザインデン、スルファミド、グアニジン、
核酸、ピリジン、アミン、ヒドロキノン、EDTA等の
金属キレート剤、錆どめ剤であるナフテン酸、アルケニ
ルコハク酸、燐酸、ジラウリルフォスフェート等、油性
剤として知られているナタネ油、ラウリルアルコール
等、極圧剤であるジベンジルスルフィド、トリクレジル
フォスフェート、トリブチルホスファイト等が用いられ
る。これらは清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下
剤、泡どめ剤等としても用いられる。これらの潤滑剤は
バインダー100重量部に対して0.01〜30重量部
の範囲で添加される。
【0045】また防黴材としては、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタルイミド、10・10’−オキシビス
フェノキサルシン、2・4・5・6テトラクロロイソフ
タロニトリル、P−トリルジヨードメチルスルホン、ト
リヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト酸、フェニ
ルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル錫)、サルチ
ルアニライド等がある。このようなものは、例えば「微
生物災害と防止技術」1972年工学図書、「化学と工
業」32、904(1979)等において示されてい
る。
【0046】着色剤としては、フタロシアニン色素、シ
アニン色素、キレート色素など染料や顔料に用いる工業
用色素を用いることができる。
【0047】溶剤は分散、混練、塗布の際に使用し、任
意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラ
ヒドロフラン等のケトン系;メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなど
のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、
酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系;ジ
エチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコ
ールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル
系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロ
ルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水
素);メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩
化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジク
ロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N・N−ジメチルホ
ルムアルデヒド、ヘキサン、水等が使用できる。またこ
れら溶媒は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1
重量%以下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合
物、水分、原料成分等)を含んでもよい。これらの溶剤
は塗布液合計固形分100重量部に対して100〜20
000重量部で用いられる。好ましい塗布液の固形分率
は1〜70重量%である。
【0048】研磨層の形成は上記の組成などを任意に組
合せて有機溶媒に溶解・混練・分散し、塗布溶液として
支持体上に塗布・乾燥、裁断、クリーニングする。
【0049】溶解、分散、混練の方法には特に制限はな
く、また各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒
等)、溶解、分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜
80℃)などは適宜設定することができる。研磨塗料の
調製には通常の撹拌機、分散機、混練機、例えば、二本
ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミ
ル、トロンミル、サンドグラインダー、ツェグバリ(S
zegvari)アトライター、高速インペラー、高速
ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、ニーダ
ー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、イ
ンテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、ディス
パーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し出し
機、二軸スクリュー押し出し機、及び超音波分散機など
を用いることができる。通常溶解、分散・混練にはこれ
らの機械を複数備え、連続的に処理を行う。混練分散に
関する技術の詳細は、T.C.PATTON著(テー、
シー、パットン)“Paint Flow and P
igment Dispersion”(ペイント フ
ロー アンド ピグメント デイ スパージョン)196
4年John Wiley & Sons社発行(ジョ
ン ウイリー アンド サンズ)や田中信一著『工業材
料』25巻37(1977)などや当該書籍の引用文献
に記載されている。これら分散、混練の補助材料として
分散・混練を効率よく進めるため、球相当径で10cm
φ〜0.05mmφの径のスチールボール、スチールビ
ーズ、セラミツクビーズ、ガラスビーズ、有機ポリマー
ビーズを用いることができる。またこれら材料は球形に
限らない。また、米国特許第2581414号及び同第
2855156号などの明細書にも記載がある。本発明
においても上記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載
された方法に準じて混練分散を行い研磨層塗料およびバ
ック層塗料を調製することができる。
【0050】支持体上へ研磨層塗布液を設ける方法とし
ては、塗布、噴霧などがある。塗布の場合塗布液の粘度
を1〜20000センチストークス(25℃)に調整
し、エアードクターコーター、ブレードコーター、エア
ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リ
バースロールコーター、トランスファーロールコータ
ー、グラビアコーター、キスコーター、キヤストコータ
ー、スプレイコーター、ロッドコーター、正回転ロール
コーター、カーテンコーター、押出コーター、バーコー
ター、リップコータ等が利用でき、その他の方法も可能
であり、これらの具体的説明は朝倉書店発行の『コーテ
イング工学』253頁〜277頁(昭和46.3.2
0.発行)等に詳細に記載されている。また所望の液の
塗布の前に下塗り層あるいは支持体との密着力向上のた
めにコロナ放電処理等を行っても良い。また研磨層を多
層で構成したいときは、同時多層塗布、逐次多層塗布等
を行ってもよい。これらは、例えば、特開昭57−12
3532号公報、特公昭62−37451号公報、特開
昭59−142741号公報、特開昭59−16523
9号公報の明細書等に示されている。
【0051】このような方法により支持体上に約1〜1
000μmほどで研磨塗布層を設けた後、直ちに20〜
130℃で乾燥させる処理を施したのち、形成した研磨
塗布層を0.1〜100μm厚みに乾燥する。このとき
の支持体の搬送速度は、通常10m/分〜900m/分
で行われ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20℃〜13
0℃で制御し塗布膜の残留溶剤量を0.1〜40mg/
m2 とする。また必要により同様の手順でその他の層
を設けてもよく、引き続き表面平滑化加工を施したりし
て、所望の形状に裁断し本発明の研磨フィルムを製造す
る。これらの製造方法は粉体の予備処理・表面処理、混
練・分散、塗布・配向・乾燥、平滑処理、熱処理、EB
処理、表面クリーニング処理、裁断、巻き取りの工程を
連続して行うことが望ましい。
【0052】このように作成した研磨フィルムを裁断し
たあと所望のプラスチックや金属のリールに巻き取る。
巻き取る直前ないしはそれ以前の工程において研磨フィ
ルム(研磨層、バック層、エッジ端面、ベース面)をバ
ーニッシュおよびまたはクリーニングすることが望まし
い。バーニッシュは研磨フィルムの表面粗度と研磨力を
制御するために具体的にはサファイア刃、剃刀刃、超硬
材料刃、ダイアモンド刃、セラミックス刃のような硬い
材料により研磨フィルム表面の突起部分をそぎおとし均
一にもしくは平滑にする。これら材料のモース硬度は8
以上が好ましいが特に制限はなく突起を除去できるもの
であれば良い。これら材料の形状は特に刃である必要は
なく、角型、丸型、ホイール(回転する円筒形状の周囲
にこれらの材質を付与しても良い)のような形状でも使
用できる。また研磨フィルムのクリーニングは、研磨フ
ィルム表面の汚れや余分な潤滑剤を除去する目的で研磨
フィルム表層を不織布などで研磨層とバック層面、エッ
ジ端面、バック側のベース面をワイピングすることによ
り行う。このようなワイピングの材料としては例えば日
本バイリーン社製の各種バイリーンや東レ社製のトレシ
ー、エクセーヌ、商品名キムワイプ、また不織布はナイ
ロン製不織布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織
布、アクリロニトリル製不織布、混紡不織布など、ティ
ッシュペーパー等が使用できる。
【0053】本発明の研磨フィルムの層構成は、支持
体、研磨層に加えて、バック層、中間層、各層間の剥離
防止層即ち下塗層を設けることができる。
【0054】支持体は、素材としてポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレン等ポリオレフィン類、セルロースト
リアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類、ポリカ
ーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、
ポリフェニルスルホン、ポリベンゾオキサゾール等のプ
ラスチックの他にアルミニウム、銅等の金属、ガラス等
のセラミックス等も使用できる。これらの支持体は塗布
に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処
理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処理、アルカリ処理
を行ってもよい。これら支持体に関しては、例えば西独
特許3338854A、特開昭59−116926号、
特開昭61−129731号公報、米国特許明細書43
88368号;三石幸夫著、『繊維と工業』31巻、p
50〜55、1975年などに記載されている。研磨フ
ィルムの場合これら支持体の中心線平均表面粗さRaは
0.001〜1.5μm(カットオフ値0.25mm)
が好ましい。支持体は厚みが2.5〜500μmの範
囲、75〜125μmが望ましく、40〜90μmが特
に望ましい。また支持体の長手もしくは幅方向のいずれ
かのヤング率が400Kg/mm2 以上であることが望
ましい。
【0055】本発明の研磨フィルムの製法に関しては、
更に特公昭56−26890号等に記載されている磁気
記録媒体のものを参考にできる。
【0056】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その研磨特性を評価する。なお実施例中の「部」と
あるのは「重量部」のことである。
【0057】<実施例1〜5>支持体として厚さ90μ
mのポリエチレンナフタレート(PEN)を使用し、こ
の支持体上にポリエステルポリウレタン樹脂からなる下
塗層を0.1μmの層厚に塗布する。その上に、サンド
グラインダーを使用してガラスビーズ分散媒で下記の組
成を1〜19時間分散し調整した研磨層用塗布液を、乾
燥後の厚さが5μmとなるようにバーコート塗布し、乾
燥することによって研磨フィルムのサンプルを作成し
た。
【0058】研磨層における研磨剤の種類を変更すると
ともに分散時間の変更によって、研磨層表面の表面粗さ
Raを30〜50nmに調整して各実施例を構成してい
る。
【0059】作成した研磨フィルムによる研磨テストお
よび赤外線反射率の測定結果を、表1に示す。研磨テス
トは、磁気ヘッドの汚れの落ち具合を相対研磨量で示し
た。赤外反射率は、分光光度計で950nmの反射率を
調べた。
【0060】<比較例1〜4>表1には比較例1から4
のテスト結果も同様に示す。この比較例は、前記実施例
と同様の支持体に下塗層を塗布し、これに同様の組成の
塗布液を塗布するものであるが、その研磨剤の種類、分
散時間を変更し、研磨層の表面粗さRaが60〜110
nmと大きい研磨フィルムを形成してなる。
【0061】 〔塗布液組成〕 研磨剤(材質A、粒径0.3μm): 100部 バインダー樹脂(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸 ナトリウム1×10-3当量/g樹脂含有、Mw 50000): 10部 ポリイソシアネート(トリメチロールプロパン(1モル) のTDI(3モル)付加物): 2部 潤滑剤(オレイン酸/オレイン酸オレイル): 0.1部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1): 200部 希釈剤(トルエン/MIBK): 150部 添加剤(カーボンブラック): 2部
【0062】
【表1】
【0063】上記表1の結果、分散時間が短く表面粗さ
Raが大きく表面が粗面となっている比較例による研磨
フィルムでは、研磨量は大きくクリーニング作用は得ら
れているが、赤外線反射率が小さく不足している。これ
に対して本発明の適度の表面粗さRaによるものでは、
良好な研磨性によるクリーニングが得られているととも
に、赤外線反射率が大きくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態における研磨フィル
ムの使用例を示す斜視図
【図2】一例の研磨フィルムの構造を示す概略図
【符号の説明】
1 研磨フィルム 2 支持体 3 研磨層 4 研磨剤 5 ゼラチン分散層 7 穿孔 10 フィルムカートリッジ 11 スプール 20 カメラ 21 磁気ヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨剤とバインダーからなる研磨層を支
    持体上に有してなる研磨フィルムにおいて、前記研磨層
    の中心線平均表面粗さRaが10〜50nmであり、か
    つ前記研磨層の赤外線反射率が波長が950nmの入射
    光と反射光の角度が12度のとき1.0%以上であるこ
    とを特徴とする研磨フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム面に配列された穿孔を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の研磨フィルム。
  3. 【請求項3】 前記支持体が厚さが75〜125μmの
    ポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の
    研磨フィルム。
  4. 【請求項4】 前記支持体の研磨層を設けた面と反対側
    にゼラチン分散層を設けてなることを特徴とする請求項
    1に記載の研磨フィルム。
  5. 【請求項5】 前記研磨剤が、酸化鉄、酸化アルミナ、
    酸化クロムのうち少なくとも1つを含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の研磨フィルム。
  6. 【請求項6】 前記研磨剤の粒子サイズが、0.1〜1
    0μmであることを特徴とする請求項1に記載の研磨フ
    ィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044778A (ja) * 1998-08-03 2000-02-15 Teijin Ltd 樹脂組成物およびそれからなる転倒検知スイッチ用部品
CN103433861A (zh) * 2013-08-06 2013-12-11 陈晓航 高精度抛光体制备工艺及高精度抛光体

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