JPH08291423A - 無機物充填繊維、その製造法及びそれを用いたコンクリート成形体 - Google Patents

無機物充填繊維、その製造法及びそれを用いたコンクリート成形体

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JPH08291423A
JPH08291423A JP11931995A JP11931995A JPH08291423A JP H08291423 A JPH08291423 A JP H08291423A JP 11931995 A JP11931995 A JP 11931995A JP 11931995 A JP11931995 A JP 11931995A JP H08291423 A JPH08291423 A JP H08291423A
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fiber
fine particles
inorganic fine
inorganic
polyolefin
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Koki Nagano
幸喜 永野
Seiji Yokota
誠二 横田
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートとの親和性に優れた無機物充填
繊維、その製造法及び該繊維を用いた曲げ強度、衝撃強
度に優れたコンクリートを提供すること。 【構成】 ケイ素、アルミニウム、カルシウム、マグネ
シウムの群から選ばれた少なくとも1種の元素の酸化
物、炭酸塩若しくは硫酸塩からなり、必要によりナトリ
ウム、カリウムの酸化物をも含む無機微粒子状物が、ポ
リオレフィン系繊維の表層近傍に分散し、かつ一部は繊
維表面から露出していることを特徴とする無機物充填繊
維繊維表面に無機微粒子状物を露出させたコンクリート
補強用のポリオレフィン系繊維、その製造法及び該繊維
を添加したコンクリート成形体より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機物を充填されたポ
リオレフィン系繊維、その製造法及びそれを用いたコン
クリート成形体に関する。さらに詳しくは、無機物を充
填することによりコンクリートとの親和性を増したポリ
オレフィン系繊維、その製造法及びそれにより補強され
た耐衝撃性や曲げ強度の向上したコンクリート成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート補強用繊維として、
ナイロン、ビニロン、ポリプロピレンなどの合成繊維を
コンクリートに混入することが広く行われている。なか
でもポリプロピレン繊維は、他繊維に較べ加熱下での耐
アルカリ性に優れ、強度にも優れているので、コンクリ
ート製品の耐衝撃性の向上に好適であるため現在も広く
用いられている。しかし、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等の成分からなるポリオレフィン系繊維は本来の性質
として、疎水性が大きく、セメント粒子との親和性に乏
しいため、ポリプロピレン繊維に炭酸カルシウムの微粉
末を加え、更に繊維表面に界面活性剤を付着させたもの
(特開平5−44163号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−44163号公報等に開示された技術は、炭酸カル
シウムの微粉末を含有したポリオレフィン系繊維である
が、表面の形状は炭酸カルシウムの微粉末が突出してい
るにすぎず、突出した部分はポリオレフィンのフィルム
に被われた状態になっているため、炭酸カルシウムの微
粉末はセメント成分との結合力が発揮されていない。そ
のため、耐衝撃性や曲げ強度のあるコンクリート成形体
用途としては未だ用をなさないという欠点があった。特
に堆積保管時や堆積運搬時においてコンクリート成形体
としては曲げ強度が必須であるにも拘らず、曲げ強度が
不足しているという課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無機微粒子状物を
繊維表面に形態上露出させたものをさらに擦過し無機微
粒子状物を表面に露出させたポリオレフィン系繊維を得
ることで、所期の目的が達成されることを知り、本発明
を完成するに至った。
【0005】本発明は下記構成を有する。 (1)ケイ素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウ
ムの群から選ばれた少なくとも1種の元素の酸化物、炭
酸塩若しくは硫酸塩からなり、必要によりナトリウム、
カリウムの酸化物をも含む無機微粒子状物が、ポリオレ
フィン系繊維の表層近傍に分散し、かつ一部は繊維表面
から露出していることを特徴とする無機物充填繊維。 (2)ポリオレフィン系繊維が、鞘芯型複合繊維からな
り、該鞘成分に無機微粒子状物が分散し、かつ一部は繊
維表面から露出している(1)項に記載の無機物充填繊
維。 (3)ポリオレフィン系繊維が、非円異形断面を有して
いる(1)項または(2)項に記載の無機物充填繊維。 (4)無機微粒子状物の表面露出係数(繊維表面積にお
ける露出無機微粒子状物の占める面積の割合)が、5%
以上である(1)または(2)項に記載の無機物充填繊
維。 (5)MFR50〜200のポリプロピレン樹脂10〜
70重量%、MFR1〜30のポリプロピレン樹脂90
〜30重量%からなるポリプロピレン樹脂及び該ポリプ
ロピレン樹脂との合計量の10〜40重量%の無機微粒
子状物からなる鞘部、及びポリオレフィン系樹脂のみか
らなる芯部を溶融紡糸することを特徴とするポリオレフ
ィン系繊維の製造法。 (6)(1)乃至(4)項に記載の無機物充填繊維を用
いて形成したコンクリート成形体。 (7)コンクリート成形体から補強用繊維の引抜き抵抗
強力が糸強度の80%以上である(6)項に記載のコン
クリート成形体。 本発明でいう無機物充填繊維とは、前記無機微粒子状物
を繊維表面に露出させた無機物充填繊維をいう。
【0006】本発明でいうポリオレフィン系繊維とは、
α−オレフィン系樹脂で代表されるポリオレフィン系樹
脂であって、該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプ
ロピレン、プロピレンを主とした他のオレフィンとの結
晶性共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、
共重合ポリプロピレン等を例示できる。これらポリオレ
フィン系樹脂のなかでも、高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチエン、ポリプロピ
レンから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられ
る。特にポリプロピレン繊維が好ましく、この中でも高
結晶性ポリプロピレン繊維がより好ましく用いられる。
【0007】本発明でいう無機微粒子状物とは具体的
に、ケイ素酸化物として(SiO2系:石英粉、珪石粉、
珪藻土、シリカフューム、天然シリカ、真珠岩、)、ア
ルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物(若しくは炭酸
塩)として(MgCO3系:ドロマイト、マグネシア)、
酸化カルシウム、炭酸カルシウムが挙げられ、他にもS
iO2・Al23系:カオリン、クレー、雲母、絹雲母、
SiO2・Al23・K2O・Na2O系:ゼオライト、セリ
サイト、SiO2・Al23系:カオリンクレー、カオリ
ン、焼成カオリン(メタカオリン)、モンモリロナイ
ト、SiO2・MgO系:石綿、マイカ、タルク、セピオ
ライト、バーミキュライト、SiO2・CaO系:珪灰
石、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、SiO2・Al2
3・MgO系:アタパルジャイト等が挙げられる。これら
の中では炭酸マグネシウム、ケイ素酸化物及びアルミニ
ウム酸化物の両者を含有する化合物が得に好ましい。無
機微粒子状物の大きさについては、練り込みの場合、径
10μm以下のものが紡糸時の曳糸性が良く好ましい。
【0008】前記無機微粒子状物は、ポリオレフィン系
繊維表面に露出した状態に於いてのみ結合力の面で効果
を発揮することから、如何に繊維表面に存在させるかが
大事な要件である。しかし、繊維に無機微粒子状物を混
入させることは、繊維の強度を低下させることにつなが
る。また、前記無機微粒子状物を添加しても、ポリオレ
フィン系樹脂に表面を被われてしまうために露出してお
らず、物理的に引っかかりがあるだけで、結合力に寄与
していなかった。そこで、繊維の表面に前記無機微粒子
状物を露出させる方法が必要となる。その方法として2
方法あり、一つは紡糸時に溶融状態のポリオレフィン系
樹脂に前記無機微粒子状物を吹き付けるA法、もう一つ
は前記無機微粒子状物をポリオレフィン系樹脂に添加
し、繊維化したものを擦過することにより前記無機微粒
子状物を被うポリオレフィンの樹脂を削り取るB法であ
り、どちらの方法によっても良い。
【0009】A法では、繊維表面に直接前記無機微粒子
状物を吹き付けるため、繊維内に添加する方法とは違
い、繊維表層近傍に分散し、一部は表面から露出した状
態を形成する。しかも、前記無機微粒子状物による紡糸
時の曳糸性の悪化及びフィルターライフの心配がなく、
大きな径の前記無機微粒子状物を用いることができる。
B法では、前記無機微粒子状物が確実にオレフィン系樹
脂の中にあるため、繊維化までの工程、特に延伸工程で
の前記無機微粒子状物の落下がない。しかし、紡糸時の
前記無機微粒子状物のフィルター詰まりによるフィルタ
ーライフの短縮化が問題となる。フィルターライフを延
ばすためにも前記無機微粒子状物の添加量を極力減らす
必要がある。
【0010】B法には分散鞘芯型の鞘部のみに前記無機
微粒子状物を添加するB−1法と、分子量の小さい(M
FR大)オレフィン系樹脂で前記無機微粒子状物をペレ
ット化したものを分子量の大きい(MFR小)オレフィ
ン系樹脂に混ぜることにより、繊維の表層のみに前記無
機微粒子状物を存在させるB−2法と、双方を組み合わ
せるB−3法がある。分子量が大きいポリマーと分子量
が小さいものをブレンドし紡糸すると、表面張力の関係
で、繊維表面に分子量の小さいものが存在することにな
る。これが、本発明の特徴であるポリオレフィン樹脂に
練り込んだ無機微粒子状物を表面露出させると考えられ
る。
【0011】即ち、分子量の小さいポリオレフィン樹脂
に前記無機微粒子状物を練り込んだペレットを、分子量
の大きいポリオレフィン樹脂とブレンドし紡糸すること
で、繊維表面に分子量の小さいポリオレフィン樹脂が多
く存在し、これに伴い練り込んだ前記無機微粒子状物が
繊維表層に集められると考えられる。この前記無機微粒
子状物が繊維表層に集められたものを最終的に露出を目
的に擦過することによって、前記無機微粒子状物が繊維
表面から露出した繊維を製造することができる。分子量
の小さいポリオレフィン樹脂の分子量はMFR(230
℃測定値。以下同様)50〜200であり、分子量の大
きいポリオレフィン樹脂の分子量は1〜30である。両
者の混合比率は前者が10〜70重量%である。紡糸は
通常の溶融紡糸法により行うことが出来る。通常の円形
断面用の口金を用いることも可能であるが、必要により
Y字型、十字型、卍型、偏平型、波形或いは多溝型など
の異形断面用の口金を用いることもできる。異形断面繊
維の場合には円形断面に比して比表面積を増大させるこ
とが出来る。
【0012】B−1法は、芯部をポリオレフィン系樹脂
のみとし、鞘部のポリオレフィン系樹脂に前記無機微粒
子状物を添加する方法である。この場合は芯部のポリオ
レフィンにより紡糸性を維持すると共に鞘部のみに無機
微粒子状物を添加するため、その添加量を減らすことが
出来る。B−2法は、分子量の小さいオレフィン系樹脂
で前記無機微粒子状物をペレット化したものを、分子量
の大きいオレフィン系樹脂に混ぜることにより、繊維の
表層のみに前記無機微粒子状物を存在させる方法である
が、溶融したオレフィン系樹脂中の中心部に存在する前
記無機微粒子状物は、固化するまでの間に表層に向かい
移動するため、それを有効に利用することが出来る。
【0013】鞘芯型の鞘部のみに前記無機微粒子状物を
添加するB−1法と、分子量の小さいオレフィン系樹脂
で前記無機微粒子状物をペレット化したものを分子量の
大きいオレフィン系樹脂に混ぜることにより、繊維の表
層のみに前記無機微粒子状物を存在させるB−2法の双
方を組み合わせたB−3法は、両者の長所を取り入れた
ため無機微粒子状物の添加量を一層減少でき、フィルタ
ーライフのロング化のメリットがあり、最も好ましい方
法である。すなわち、B−3法によれば、紡出時に表層
近傍にある前記無機微粒子状物が、オレフィン系樹脂が
固化するまでの間に表面に集中させることができる。最
終的に、これらB法で得たポリオレフィン系繊維を擦過
させることで、本発明の目的とする無機物充填繊維を製
造することができる。
【0014】繊維が太い場合(10d/f〜2000d/f)
には、小さな径はもちろん大きな径の前記無機微粒子状
物を保持することができるため、A法が望ましく、繊維
が細い場合(1d/f〜10d/f)には大きな径の前記無機
微粒子状物の保持が困難なため、小さな径の前記無機微
粒子状物を用いることが望ましく、微粒子飛散を考慮す
ると環境上、B法が望ましい。前記B−1法またはB−
3法では鞘芯型複合繊維の形態で用いられ、鞘部若しく
は芯部を構成するポリオレフィン系樹脂としては、前述
した同一若しくは異なるポリオレフィン系樹脂を使用す
ることが出来る。複合比(重量比。以下同様)は30/
70〜70/30、好ましくは40/60〜60/4
0、より好ましくは45/55〜55/45の範囲であ
る。複合繊維の鞘部の複合比70%以上では繊維の引張
り強度が不足し、コンクリート成形体として十分な曲げ
強力が得られない。また、30%未満では、鞘芯の押出
機のバランスから生産性が悪くなり、好ましくない。
【0015】無機微粒子状物の表面露出係数とは、無機
微粒子状物が繊維表面にどれだけ露出しているかを示す
ファクターである。繊維表面に露出した無機微粒子状物
は、コンクリートとの親和性を持ち、この親和性によっ
てコンクリートを補強しているためコンクリート補強用
繊維として非常に重要なファクターである。具体的に
は、繊維表面の側面を電子顕微鏡を用いて写真撮影し、
画像解析することにより下式で算出することができる。 (繊維表面から露出している無機微粒子状物の占める面
積)/(視野に占める繊維表面積)×100(%) 前記の算出式で得られた表面露出係数が5%以上になる
とコンクリートとの結合力による効果が得られるように
なるが、好ましくは10%、より好ましくは20%以上
である。この結果、引き抜き抵抗強力が向上し、これに
よりコンクリートの曲げ強度、衝撃強度が向上し、目的
とするコンクリート補強を達成することができるのであ
る。
【0016】本発明のコンクリート成形体の物性は、コ
ンクリート補強用繊維のデニール及びカット長により大
きく影響される。コンクリート補強用繊維のデニール
は、1〜2000デニールが好ましい。より好ましくは
2d/f〜100d/f、さらに好ましくは5d/f〜30d/fで
ある。1デニール未満では応力集中時に繊維強度が耐え
られず、十分でない。2000デニールを越えるとコン
クリートと該繊維との均一分散が難しくなり、耐衝撃性
及び曲げ強度が小さい部分が形成され易くなる。カット
長は3〜15mmが好ましい。カット長が3mm未満で
は繊維の交差がないため、コンクリートの衝撃強度が十
分でなくなり、15mmを越えると該繊維同士が絡ま
り、分散が悪くなるため、コンクリートと該繊維との均
一分散が難しくなり、耐衝撃性及び曲げ強度が小さい部
分が形成され易くなる。
【0017】本発明の複合成形体に用いる熱接着性複合
繊維は、繊維同士の絡みがなく、分散しやすいことか
ら、捲縮していない直線状のものが望ましい。本発明の
コンクリート補強用繊維は、前記無機微粒子状物が10
〜40重量%含有されることが望ましい。この場合鞘部
のみに充填する場合は鞘部のみの%を表し、繊維全体に
充填する場合には繊維全体中の%を表す。前記無機微粒
子状物が10重量%未満ではコンクリート成形体の耐衝
撃性及び曲げ強力が十分でない。また、前記無機微粒子
状物が40重量%を超えると、紡糸時のフィルターライ
フが短くなってしまい、望ましくない。又、本発明の繊
維を全セメントスラリーの0.01〜10重量%添加
し、更にセメント、水以外に必要により岩石、アスベス
ト、パルプ等を添加してセメントスラリーを調製し、常
法に従い乾燥、硬化させることにより本発明のコンクリ
ート成形体を得ることが出来る。本発明のコンクリート
成形体において充填された繊維の引き抜き強力がその繊
維の引張り強力の80%以上であることがコンクリート
との親和性に優れる繊維と考えられ好ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明の要旨を越えない限り、以下の実施
例、比較例に限定されるものではない。尚、各例の中で
用いた表面露出係数、引抜き抵抗強力、曲げ強度、シャ
ルピー衝撃強度は以下のようにして測定した。尚、紡糸
において特に断らない限り円形断面用の口金を使用し
た。 《表面露出係数》繊維表面の側面を電子顕微鏡を用いて
写真撮影し、画像解析することにより無機微粒子状物の
露出面積/視野に占める繊維表面積を求め、面積百分率
で表した。(n=10) 《引抜き抵抗強力》引抜き抵抗強力は、コンクリート成
形体の表層部のPP繊維を、イマダ(株)製Push−
Pull−Scaleの釣り針型引っかけ具で引っか
け、PP繊維の一方の端が引き抜ける時の最大荷重を引
抜き強力とした。(n=20) 《曲げ強度》曲げ試験JIS−A−1408に準じて測
定した。 《シャルピー衝撃強度》シャルピー衝撃強度試験JIS
−B−7722に準じて測定した。 [実施例1〜4、比較例1]表1、表2に示す無機微粒
子状物及びポリプロピレンを用い、単一繊維を280℃
で溶融紡糸し、口金直下にて各種平均粒子径の各種無機
微粒子状物を吹き付け、110℃で4倍延伸し、10m
mにカットした。延伸糸の繊度、強伸度及びコンクリー
トからの引き抜き抵抗強力を測定し、結果を表4に示し
た。
【0019】[実施例5〜8、実施例13、比較例2〜
3]表1〜表3に示すポリプロピレン及びこのポリプロ
ピレンに各種平均粒子径の各種無機微粒子状物を練り込
んだペレットを用い、単一繊維及び繊維断面における面
積比が50/50である鞘芯型複合繊維の鞘成分に前記
ペレットを用いて280℃で溶融紡糸し、110℃で4
倍延伸した後、固定ロールを通すことにより、繊維表面
を擦過し10mmにカットした。延伸糸の繊度、強伸度
及びコンクリートからの引き抜き強力を測定し、結果を
表5に示した。尚、実施例13はY字型用口金を使用し
た。
【0020】[実施例9〜12、比較例4]実施例3、
6〜8及び比較例1の短繊維を各24g、それぞれ7.
2リットルの水道水に投入、攪拌しながら普通ポルトラ
ンドセメント680g、アスベスト40g、パルプ8
g、蛇紋岩粉末48gを順次投入混合して8リットルの
セメントスラリーを作製した。更に凝集剤アイケイフロ
ック(商品名:市川毛織(株)製)0.02重量%液を
20ml添加し、モールド容器中にこのスラリーを注入
後、60メッシュの金網を通して脱水し、厚さ5mmの
平板状の半可塑状生成物を得た。この生成物を室温、湿
潤状態で28日間放置し自然養生後、コンクリート製品
を評価した。その各々を実施例9〜12及び比較例4と
して、結果を表6に示した。
【0021】実験の結果、表4、表5に示すようにブラ
ンクである比較例1を除く無機微粒子状物を吹き付けた
ものと、ペレット練り込み後に擦過したものすべてにつ
いて、引き抜き抵抗強力は糸強度(糸物性のうち引張強
力)の80%以上であった。これに対し、無機微粒子状
物を吹き付けなかったものの引き抜き強度は非常に小さ
かった。表5に示す比較例2、3は無機微粒子状物の径
が10ミクロンのものを使用した場合であり、曳糸性が
悪かった。よって表面露出係数以下の項目のデータがな
い。安定した紡糸ができなかったことから、10ミクロ
ンの径のものは練り込み方式では用いることが出来ない
ことが分かる。実施例5、13と6を較べると、単一繊
維の場合は鞘部だけに無機微粒子状物を添加した複合繊
維よりも糸の引張強力が低下しているのがわかる。又、
実施例5と13を比較するとY字型断面である実施例1
3の引き抜き抵抗強力の方が実施例5のそれに比してや
や大である。実施例7と8を較べると、分子量の小さい
ポリプロピレンを用いたペレットを用いた実施例8の方
が、表面露出係数が大きくなっていることから、分子量
の小さいポリプロピレンを用いたペレットを用いること
により無機微粒子状物が表層に集めるのに有効であるこ
とがわかった。実施例11と12を較べると、分子量の
小さいポリプロピレンを用いたペレットを用いた実施例
12の方が、曲げ強度及び衝撃強度両方優れていること
から、表面に無機微粒子状物を多く出させることが有効
であり、分子量の小さいポリプロピレンを用いたペレッ
トを用いることが有効であることがわかった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【発明の効果】本発明の無機物充填繊維は、無機微粒子
状物が、ポリオレフィン系繊維の表層近傍に分散し、か
つ一部は露出しているので、コンクリートとの親和性が
あるため、コンクリート補強効果に優れる。本発明の製
造法により、本発明の繊維を効率的に製造することが出
来る。又、本発明のコンクリートは親和性の良い本発明
の繊維が充填されているために曲げ強度及び衝撃強度に
優れている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素、アルミニウム、カルシウム、マ
    グネシウムの群から選ばれた少なくとも1種の元素の酸
    化物、炭酸塩若しくは硫酸塩からなり、必要によりナト
    リウム、カリウムの酸化物をも含む無機微粒子状物が、
    ポリオレフィン系繊維の表層近傍に分散し、かつ一部は
    繊維表面から露出していることを特徴とする無機物充填
    繊維。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系繊維が、鞘芯型複合繊
    維からなり、該鞘成分に無機微粒子状物が分散し、かつ
    一部は繊維表面から露出している請求項1に記載の無機
    物充填繊維。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系繊維が、非円異形断面
    を有している請求項1または2に記載の無機物充填繊
    維。
  4. 【請求項4】 無機微粒子状物の表面露出係数(繊維表
    面積における露出無機微粒子状物の占める面積の割合)
    が、5%以上である請求項1または2に記載の無機物充
    填繊維。
  5. 【請求項5】 MFR50〜200のポリプロピレン樹
    脂10〜70重量%、MFR1〜30のポリプロピレン
    樹脂90〜30重量%からなるポリプロピレン樹脂及び
    該ポリプロピレン樹脂との合計量の10〜40重量%の
    無機微粒子状物からなる鞘部、及びポリオレフィン系樹
    脂のみからなる芯部を溶融紡糸することを特徴とするポ
    リオレフィン系繊維の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4に記載の無機物充填繊維
    を用いて形成したコンクリート成形体。
  7. 【請求項7】 コンクリート成形体から補強用繊維の引
    抜き抵抗強力が糸強度の80%以上である請求項6に記
    載のコンクリート成形体。
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