JPH08291218A - ポリアスパラギン酸及びその塩の製造方法 - Google Patents

ポリアスパラギン酸及びその塩の製造方法

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JPH08291218A
JPH08291218A JP9849295A JP9849295A JPH08291218A JP H08291218 A JPH08291218 A JP H08291218A JP 9849295 A JP9849295 A JP 9849295A JP 9849295 A JP9849295 A JP 9849295A JP H08291218 A JPH08291218 A JP H08291218A
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JP
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acid
solvent
reaction
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polysuccinimide
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JP9849295A
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Takeshi Nakato
毅 中藤
Masayuki Tomita
雅之 冨田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れたカルシウムキレート能を有するポリア
スパラギン酸及びその塩の製造法 【構成】 マレイン酸とアンモニアを反応させて得られ
る生成物またはマレアミド酸を芳香族炭化水素系溶媒、
ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル
系溶媒および非プロトン性極性溶媒からなる群より選ば
れる100℃以上の沸点を有する溶媒中、酸触媒の存在
下で反応させ、得られるポリスクシンイミドを加水分解
することを特徴とするポリアスパラギン酸および塩の製
造方法。 【効果】 本発明の方法によれば簡便かつ高収率に、優
れたカルシウムキレート能を有するポリアスパラギン酸
及びその塩を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアスパラギン酸及
びその塩の製造方法に関する。本発明の方法で得られる
ポリアスパラギン酸は、キレート剤、スケール防止剤、
洗剤用ビルダー、分散剤、保湿剤および肥料用添加剤と
して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスクシンイミドの製造方法と
しては、アスパラギン酸またはマレアミド酸を180℃
以上の高温下に固相で反応させる方法(米国特許第50
57597号明細書、同第5219986号明細書、同
第5315010号明細書または特開平6−20693
7号公報等参照)、アンモニアと無水マレイン酸を12
0℃以上の温度下に固相で反応させる方法(米国特許第
4839461号明細書、および同第5296578号
明細書等参照)、ならびにアスパラギン酸またはマレア
ミド酸を、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリ
ドンまたはスルホラン等の溶媒の存在下、120℃以上
の温度下に反応させる方法(特開平6−145350号
公報または特開平6−211982号公報等参照)等の
方法が知られている。また、ポリアスパラギン酸は、こ
れらの方法によって得られたポリスクシンイミドを加水
分解することにより得ている。しかし、これらの方法に
よって得られたポリアスパラギン酸は、いずれもカルシ
ウムキレート能が低くまた、これらの方法は、ポリマー
の原料からの転化率すなわち収率を上げるためには原料
を高い温度条件下に長時間反応させる必要がある。ま
た、短時間で反応させる方法としては、アスパラギン酸
をリン酸あるいは、ポリリン酸触媒存在下、100〜2
50℃で固相反応を行う方法(特公昭48−20638
号公報または米国特許第5142062号明細書等参
照)が知られている。しかし、これらの方法ではポリス
クシンイミドを得るために使用する触媒を多量に用いる
必要があるために、後処理工程で多量に使用した触媒を
除くための煩雑な工程が必要であるという問題、および
反応に使用する装置に耐腐食性が要求される等の問題が
生じている。さらには、この製造方法においては固相で
反応を行うことから、製造中に重合によりポリマーが固
化し、工業的な製造が困難であるという問題も生じてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便かつ高
収率に、優れたカルシウムキレート能を有するポリアス
パラギン酸及びその塩を製造する方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を行ったところ、マレイン酸とアンモニ
アを反応させて得られる生成物またはマレアミド酸を、
芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エ
ーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン性極性
溶媒からなる群より選ばれる溶媒中、酸触媒の存在下で
反応させ、得られたポリスクシンイミドを加水分解する
ことにより、優れたカルシウムキレート能を有するポリ
アスパラギン酸及びその塩を簡便にかつ高収率で製造し
得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】かくして、本発明によれば、マレイン酸と
アンモニアを反応させて得られる生成物またはマレアミ
ド酸を、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系
溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロト
ン性極性溶媒からなる群より選ばれる溶媒中、酸触媒の
存在下で反応させ、得られたポリスクシンイミドを加水
分解する高収率で優れたカルシウムキレート能を有する
ポリアスパラギン酸及びその塩の製造方法が提供され
る。
【0006】以下に本発明の方法を詳述する。 (モノマー)本発明の方法に用いられるモノマーは、マ
レイン酸とアンモニアを反応させて得られる生成物また
はマレアミド酸である。マレイン酸とアンモニアを反応
させて得られる生成物とは、マレイン酸とアンモニア
を、例えば、独国特許第3626672号明細書、米国
特許第4839461号明細書、米国特許第52868
10号明細書等に記載の方法により反応させて得られる
生成物である。具体的には、主にマレイン酸モノアンモ
ニウム塩であり、それ以外にマレイン酸、マレイン酸ジ
アンモニウム塩、アンモニア、フマル酸、アスパラギン
酸、アスパラギン、イミノジコハク酸、マレアミド酸等
の生成物を含んでいてもよい。
【0007】上記の反応に用いられるマレイン酸は、そ
の無水物、部分および完全エステルを含む。アンモニア
は、ガスまたは溶液として用いる。溶液として用いる場
合は、水に溶解させて水酸化アンモニウム水溶液とする
方法、メタノール、エタノール等のアルコール、または
他の適当な有機溶媒に溶解させる方法等が用いられる。
【0008】マレアミド酸は、例えばマレイン酸モノア
ンモニウム塩またはジアンモニウム塩を加熱することに
より得ることができる。更に、マレイン酸とアンモニア
を反応させて得られる生成物およびマレアミド酸以外に
50mol%を超えない範囲で共重合可能な他のモノマ
ーを用いることもできる。それらの例としては、a)ア
スパラギン酸およびその塩、b)グルタミン酸およびそ
の塩c)アラニン、ロイシン、リジン等のa)、b)以
外のアミノ酸、d)グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキ
シ酪酸等のヒドロキシカルボン酸、e)2−ヒドロキシ
エタノール、マレイン酸、アニリン等のアミノ基および
またはカルボキシル基と反応し得る官能基を1個以上有
する化合物等が挙げられる。
【0009】(反応溶媒)本発明の方法に使用し得る溶
媒は、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶
媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン
性極性溶媒からなる群より選ばれる、100℃以上の沸
点を有する溶媒であり、130℃以上の沸点を有するこ
とが好ましい。これらの溶媒は単一で、また混合して用
いることができる。具体的には、芳香族炭化水素系溶媒
として、キシレン、ジエチルベンゼン(上記2種はそれ
ぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異性体単独からなる
ものであっても、2種類以上の異性体の混合物からなる
ものであってもよい)、トルエン、アミルベンゼン、キ
ュメン、メシチレン、テトラリン、ハロゲン化炭化水素
系溶媒として、クロロトルエン、ジクロロベンゼン(上
記2種はそれぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異性体
単独からなるものであっても、2種類以上の異性体の混
合物からなるものであってもよい)、1,4−ジクロロ
ブタン、クロロベンゼン、エーテル系溶媒として、ジク
ロロエチルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミルエ
ーテル、アニソール、エステル系溶媒として、酢酸−n
−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢
酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸−n−
ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イソアミル、酪
酸−n−ブチル、非プロトン性極性溶媒として、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素酸、ジメチル
スルホキシド、スルホランおよびヘキサメチルホスホロ
アミドを挙げることができる。これらの中でもジエチル
ベンゼン、メシチレン、キュメン、クロロトルエン、
1,4−ジクロロブタン、ジイソアミルエーテル、酪酸
−n−ブチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、スルホランが、適度な沸点を有する点で好ましく、
さらには、メシチレン、キュメン、クロロトルエン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン
が特に好ましい。
【0010】溶媒は、マレイン酸とアンモニアを反応さ
せて得られる生成物またはマレアミド酸100重量部に
対し、100〜5000重量部、好ましくは200〜2
000重量部の割合で使用することができる。
【0011】(酸触媒)重縮合反応に使用される酸触媒
としては、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタ
リン酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触媒、及
び、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸
触媒が挙げられる。これらの中でも、高収率でポリマー
が得られやすいという点でリン酸類触媒が好ましく用い
られる。
【0012】これらの酸触媒の使用量は、マレイン酸ア
ンモニアから得られる反応物またはマレアミド酸1モル
に対して0.0002〜2.0モル、好ましくは0.0
02〜1.0モルの範囲である。
【0013】(重縮合反応)本発明の方法における重縮
合反応の反応温度は、通常は100〜280℃、好まし
くは、130〜250℃の範囲内である。重縮合温度が
100℃未満では、反応が容易に進行せず、また、28
0℃を超えると分解生成物が生成するので好ましくな
い。
【0014】反応時の圧力には特に制限はなく、常圧、
減圧または加圧のいずれでもよいが、通常は、10Pa
〜1MPaの範囲内である。反応時間は1分〜100時
間、好ましくは10分〜50時間、最も好ましくは15
分〜20時間である。また、反応の実質上の終点は、反
応中に副生してくる水の生成がなくなった点である。
【0015】後処理工程は、重合物の用途に合わせて適
宜選択することができる。例えば、遠心分離により溶媒
を除く方法、または遠心分離後さらに水あるいは低沸点
溶媒により洗浄する方法等の常法により行うことができ
る。
【0016】(加水分解)本発明の方法における加水分
解は、常法にしたがって行うことができるが、代表的な
例としては、J. Am. Chem. Soc. 80、 3361 (1958)、
J.Org.Chem. 26、1084 (1961)、米国特許第52217
33号明細書、同国特許第5288783号明細書、特
開昭60−203636号明細書等が挙げられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により些かも制限されるも
のではない。尚、モノマーからポリスクシンイミドへの
転化率は、10gの反応混合物または生成物を200g
のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に4時間攪
拌溶解させ、この溶媒に溶解しないモノマーをろ別する
ことにより除去し下記式より算出した。
【0018】
【0019】また、合成したポリスクシンイミドの分子
量は東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−M、T
SKgelG2000HHRカラムおよび溶離液に10
mM臭化リチウムのジメチルホルムアミドを用いたGP
Cクロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリス
チレン換算値であり、ポリアスパラギン酸及びその塩の
分子量は東ソー(株)社製TSKgelG3000PW
XLカラム2本および溶離液に0.4M硝酸ナトリウム
水溶液を用いたGPCクロマトグラフ(示差屈折計)に
より得られたポリエチレングリコール換算値である。
【0020】更に、カルシウムキレート能は、50ml
ビーカーに、塩化カルシウムが1.0×10-3 M、塩
化カリウムが0.08Mとなるよう調整した水溶液50
ml中に、試料を計り取り溶解させ、攪拌を行った後、
溶液中のカルシウムイオンをカルシウムイオン電極(オ
リオン社製93ー20型)を用い、イオンメーター(オ
リオン社製Model720A)を使用して測定し、試
料100gによって封鎖されるカルシウムイオンのg数
で示した。
【0021】参考例(マレイン酸とアンモニアから得ら
れる反応物) 冷却器、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた30
0mLの四口フラスコ内に、無水マレイン酸98gおよ
び水50gを仕込み、75℃の油浴中30分加熱した。
続いて油浴を外し、フラスコを氷冷しながら25%アン
モニア水68.1gを滴下した後、85℃の油浴中で3
時間攪拌した。反応後、反応混合物を温度80〜85
℃、減圧下(200〜10hPa)で水を留去し白色の
固体130gを得た。
【0022】実施例1 冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を備えた200
mLの四口フラスコ内に、参考例で得られたマレイン酸
とアンモニアの反応混合物25g、85%リン酸2.5
gおよびメシチレン80gを仕込んだ。続いて常圧下、
メシチレンの還流下(162℃)に4.5時間保ち重縮
合反応を行わせた。反応中に生じた水はメシチレンとと
もに系外へ留去せしめた。
【0023】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間乾燥し褐色
のポリスクシンイミドの粉末13.6gを得た。このポ
リスクシンイミドの転化率は99%であり、GPC測定
によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量4
500、数平均分子量3500であった。
【0024】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.3gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量4200、数平均分子量3600であり、
カルシウムキレート能は5.0(Ca++g/100g−
Polymer)であった。
【0025】実施例2 冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を備えた200
mLの四口フラスコ内に、参考例で得られたマレイン酸
とアンモニアの反応混合物25g、85%リン酸2.5
gおよびp−クロロトルエン80gを仕込んだ。続いて
常圧下、p−クロロトルエンの還流下(162℃)に
4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。反応中に生じた
水はp−クロロトルエンとともに系外へ留去せしめた。
【0026】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間で乾燥し褐
色のポリスクシンイミドの粉末13.1gを得た。この
ポリスクシンイミドの転化率は99%であり、GPC測
定によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量
4600、数平均分子量3500であった。
【0027】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.5gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量4300、数平均分子量3600であり、
カルシウムキレート能は4.9(Ca++g/100g−
Polymer)であった。
【0028】実施例3 冷却器、温度計、攪拌器、窒素導入管および水分離器を
備えた200mLの四口フラスコ内に、参考例で得られ
たマレイン酸とアンモニアの反応混合物25g、85%
リン酸2.5gおよびスルホラン80gを仕込んだ。続
いて常圧下、反応温度180℃に4.5時間保ち重縮合
反応を行わせた。反応中に生じた水は窒素気流とともに
系外へ留去せしめた。
【0029】反応終了後、生成物を純水300gで晶析
し、ろ別した後純水100gで4回洗浄し、さらにメタ
ノール100gで洗浄した。ついで生成物を減圧下80
℃で24時間乾燥し黄白色のポリスクシンイミドの粉末
10.1gを得た。このポリスクシンイミドの転化率は
99%以上であり、GPC測定によるポリスチレン換算
の分子量は、重量平均分子量6000、数平均分子量4
800であった。
【0030】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.1gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量5800、数平均分子量4600であり、
カルシウムキレート能は5.1(Ca++g/100g−
Polymer)であった。
【0031】実施例4 冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を備えた200
mLの四口フラスコ内に、参考例で得られたマレイン酸
とアンモニアの反応混合物25g、85%リン酸2.5
g、メシチレン56gおよびスルホラン24gを仕込ん
だ。続いて常圧下、メシチレンの還流下(162℃)に
4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。反応中に生じた
水はメシチレンとともに系外へ留去せしめた。
【0032】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間乾燥し褐色
のポリスクシンイミドの粉末10.6gを得た。このポ
リスクシンイミドの転化率は99%であり、GPC測定
によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量6
000、数平均分子量4400であった。
【0033】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.5gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量5900、数平均分子量4600であり、
カルシウムキレート能は4.7(Ca++g/100g−
Polymer)であった。
【0034】実施例5 冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を備えた200
mLの四口フラスコ内に、マレアミド酸25g、85%
リン酸2.5g、メシチレン56gおよびスルホラン2
4gを仕込んだ。続いて常圧下、メシチレンの還流下
(162℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。
反応中に生じた水はメシチレンとともに系外へ留去せし
めた。
【0035】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間で乾燥褐色
のポリスクシンイミドの粉末12.9gを得た。このポ
リスクシンイミドの転化率は99%であり、GPC測定
によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量7
100、数平均分子量4800であった。
【0036】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.4gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量6900、数平均分子量4600であり、
カルシウムキレート能は5.4(Ca++g/100g−
Polymer)であった。
【0037】実施例6 実施例1におけるメシチレンをキュメン80gに変更し
た以外は実施例1と同様の操作を行い褐色のポリスクシ
ンイミドの粉末13.7gを得た。このポリスクシンイ
ミドの転化率は99%以上であり、GPC測定によるポ
リスチレン換算の分子量は、重量平均分子量4500、
数平均分子量4200であった。
【0038】また、加水分解も実施例1と同様の操作を
行い黄白色のポリアスパラギン酸ナトリウム3.0gを
得た。GPC測定によるポリエチレングリコール換算の
分子量は、重量平均分子量4100、数平均分子量36
00であり、カルシウムキレート能は5.0(Ca++
/100g−Polymer)であった。
【0039】実施例7 実施例5におけるメシチレンを酪酸−n−ブチル56g
に変更した以外は実施例5と同様の操作を行い褐色のポ
リスクシンイミドの粉末13.7gを得た。このポリス
クシンイミドの転化率は99%以上であり、GPC測定
によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量7
200、数平均分子量4800であった。
【0040】また、加水分解も実施例5と同様の操作を
行い黄白色のポリアスパラギン酸ナトリウム3.2gを
得た。GPC測定によるポリエチレングリコール換算の
分子量は、重量平均分子量6800、数平均分子量46
00であり、カルシウムキレート能は4.8(Ca++
/100g−Polymer)であった。
【0041】比較例1 冷却器、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた30
0mLの四口フラスコ内に、無水マレイン酸98gおよ
び水50gを仕込み、75℃の油浴中30分加熱した。
続いて油浴を外し、フラスコを氷冷しながら25%アン
モニア水68.1gを滴下した後、85℃の油浴中で3
時間攪拌した。反応混合物を500mlのナス型フラス
コに移し、ロータリーエバポレータで温度80〜85
℃、減圧下(200〜10hPa)水を留去した。その
後、常圧窒素気流下温度120℃で1時間、さらに減圧
(20〜10hPa)下、温度135℃で4時間重縮合
反応を行い白色の固体106gを得た。
【0042】このポリスクシンイミドの転化率は87%
であり、GPC測定によるポリスチレン換算の分子量
は、重量平均分子量2900、数平均分子量2400で
あった。また、加水分解は、攪拌子を備えた100cc
のビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3gお
よび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム1.4
gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1時間攪
拌することにより行った。反応後、反応液をメタノール
300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色のポリア
スパラギン酸ナトリウム1.3gを得た。GPC測定に
よるポリエチレングリコール換算の分子量は、重量平均
分子量2500、数平均分子量2400であり、カルシ
ウムキレート能は2.4(Ca++g/100g−Pol
ymer)であった。
【0043】比較例2 200mLのナス型フラスコ内に、参考例で得られたマ
レイン酸とアンモニアの反応混合物10gを仕込み、ロ
ータリーエバポレータで窒素気流下、220℃の油浴中
4時間加熱し重縮合反応を行わせ、褐色のポリスクシン
イミドの粉末6.9gを得た。
【0044】このポリスクシンイミドの転化率は99%
以上であり、GPC測定によるポリスチレン換算の分子
量は、重量平均分子量6500、数平均分子量4400
であった。
【0045】また、加水分解は、攪拌子を備えた100
ccのビーカーに上記で得られたポリスクシンイミド3
gおよび水を10g仕込み、氷冷下水酸化ナトリウム
1.4gを水20gに溶解した水溶液を加え、その後1
時間攪拌することにより行った。反応後、反応液をメタ
ノール300ml中に注ぐことにより晶析し、黄白色の
ポリアスパラギン酸ナトリウム3.5gを得た。GPC
測定によるポリエチレングリコール換算の分子量は、重
量平均分子量6500、数平均分子量3500であり、
カルシウムキレート能は3.4(Ca++g/100g−
Polymer)であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸とアンモニアを反応させて得
    られる生成物またはマレアミド酸を芳香族炭化水素系溶
    媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エス
    テル系溶媒および非プロトン性極性溶媒からなる群より
    選ばれる100℃以上の沸点を有する溶媒中、酸触媒の
    存在下で反応させ、得られるポリスクシンイミドを加水
    分解することを特徴とするポリアスパラギン酸及びその
    塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒の沸点が130℃以上である請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化
    水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非
    プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる100℃以
    上の沸点を有する溶媒が、ジエチルベンゼン、メシチレ
    ン、キュメン、クロロトルエン、1,4−ジクロロブタ
    ン、ジイソアミルエーテル、酪酸−n−ブチル、1,3
    −ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはスルホランで
    ある請求項1に記載の方法。
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