JPH09124789A - ポリアミノ酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミノ酸誘導体及びその製造方法

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JPH09124789A
JPH09124789A JP28355695A JP28355695A JPH09124789A JP H09124789 A JPH09124789 A JP H09124789A JP 28355695 A JP28355695 A JP 28355695A JP 28355695 A JP28355695 A JP 28355695A JP H09124789 A JPH09124789 A JP H09124789A
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acid
carbon
reaction
represented
general formula
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JP28355695A
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Masayuki Tomita
雅之 冨田
Kazuya Okano
一哉 岡野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル反応可能な炭素−炭素二重結合を有
するポリアミノ酸誘導体を製造する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、nは1または2である。)で表される化合物お
よびまたはそれらの重合体と一般式(2) 【化2】 (式中、R1はC,H,N,O,Sもしくはハロゲンか
らなる基であり、R2はHまたはアルキル基であり、m
は1または2である。)で表される化合物を重合または
反応させた後、少なくとも部分的に加水分解することに
より製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミノ酸誘導
体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、グラフト反
応、架橋反応に有用な炭素−炭素二重結合を有する新規
ポリアミノ酸誘導体及びその製造方法に関する。この新
規ポリアミノ酸は、塗料、レジスト剤、ハ−ドコ−ティ
ング剤、樹脂改質材、可溶化剤等に利用可能であり、水
溶性であり、かつ生分解性を有する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸性アミノ酸系樹脂としては、ポ
リコハク酸イミドにアミノアルコ−ル等のアミンを反応
させた後、加水分解を行い、水酸基等の官能基を導入し
た酸性アミノ酸樹脂が知られている(特公昭48−20
638号公報、特開昭60−45597号公報)。酸性
アミノ酸系樹脂は、その生分解性から、既存樹脂の代替
材料として注目されている。しかし,炭素−炭素二重結
合が酸性アミノ酸のカルボン酸基を利用して酸性アミノ
酸樹脂、特にポリアスパラギン酸に導入された例は知ら
れていない。さらに、従来の手法を利用して、ポリコハ
ク酸イミドを合成した後に、そのイミドに官能基を有す
るアミンを反応させる手法をとる場合、重合して得られ
たポリコハク酸イミドをジメチルホルムアミド等の溶媒
に溶解させた後、官能基を有するアミンを反応させ、更
にその溶媒を除去した後、官能基を導入したイミドを加
水分解する必要があり、操作が煩雑となり、工業的に不
利である上、その操作中に重合体のゲル化等が発生する
場合もあるため、実用的でない。また、従来の手法で
は、炭素−炭素二重結合が導入される部位についての制
御も難しく、実質的に不可能であった。本発明では一般
式(1)で表されるモノアミノジカルボン酸、マレアミ
ド酸、マレイン酸とアンモニアの反応物の重合体を用い
れば,重合体の末端にのみ炭素−炭素二重結合を導入す
ることも可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水溶
性で生分解性を有するポリアミノ酸に炭素−炭素二重結
合を有する基を導入した新規な樹脂及びその製造方法を
提供することにある
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、以下に記載するポリ
アミノ酸誘導体を簡便に製造することが出来ることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の
要旨は、下記一般式(1)で表されるモノアミノジカル
ボン酸
【0005】
【化5】
【0006】(式中、nは1または2である。)、マレ
アミド酸、マレイン酸とアンモニアの反応物及びまたは
それらの重合体と一般式(2)で表される炭素−炭素二
重結合を有する化合物
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1はC,H,N,O,Sもしく
はハロゲンからなる基であり、R2はHまたはアルキル
基であり、mは1または2である。)を重合または反応
させた後、少なくとも部分的に加水分解して得られるこ
とを特徴とするポリアミノ酸誘導体及びその製造法に存
する。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明の詳細について述べ
る。本発明の原料となるモノアミノジカルボン酸として
は、具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸または
これらの混合物が挙げられ、これらのモノアミノジカル
ボン酸はD体、L体またはその混合物であっても良い。
このうち好ましくは、アスパラギン酸を用いることが出
来る。
【0010】本発明の原料となるマレイン酸とアンモニ
アの反応物において、本発明の方法に用いられるマレイ
ン酸は、その無水物、部分および完全エステルを含む。
また、アンモニアは、ガスあるいは溶液として用いる。
溶液として用いる場合は、水に溶解させて水酸化アンモ
ニウム水溶液とする方法、メタノール、エタノール等の
アルコール、または他の適当な有機溶媒に溶解させる方
法等が用いられる。マレイン酸とアンモニアの反応は、
常法にしたがって行うことができるが、代表的な例とし
ては、DE3,626,672号、US4,839,4
61号、US5,286,810号等が挙げられる。
【0011】モノアミノジカルボン酸、マレアミド酸及
びまたはマレイン酸とアンモニアの反応物からそれらの
重合体を得る方法は既知であり、脱水による縮重合反応
を利用する。これらの重合の例としては、特公昭48−
20638号、US4,839,461号、US5,0
57,597号、US5,219,986号、EP57
8,449号等が挙げられる。
【0012】一般式(2)で表される炭素−炭素二重結
合を有する化合物は、R1はC,H,N,O,Sもしく
はハロゲンからなる基であり、R2はHまたはアルキル
基であり、mは1または2である。R1としては、C,
H,N,O,SもしくはCl,Br等のハロゲンから成
れば特に限定されない。化合物の具体的な例としては、
アスパラギン酸β−アリルエステル、アスパラギン酸β
−アクロイルエステル、アスパラギン酸β−メタクロイ
ルエステル、アスパラギン酸β−スチリルエステル、ア
スパラギン酸β−アクロイルエチルエステル、グルタミ
ン酸γ−アリルエステル、グルタミン酸γ−アクロイル
エステル、グルタミン酸γ−メタクロイルエステル、グ
ルタミン酸γ−スチリルエステル、グルタミン酸γ−ア
クロイルエチルエステル等が挙げられる。これらの中で
好ましいものとしては、アスパラギン酸β−アリルエス
テル、アスパラギン酸β−アクロイルエステル、アスパ
ラギン酸β−メタクロイルエステル、アスパラギン酸β
−スチリルエステル、グルタミン酸γ−アリルエステ
ル、グルタミン酸γ−アクロイルエステル、グルタミン
酸γ−メタクロイルエステル、グルタミン酸γ−スチリ
ルエステルが挙げられ、更に好ましくは、アスパラギン
酸β−アリルエステル、グルタミン酸γ−アリルエステ
ルが挙げられる。
【0013】本発明のポリコハク酸イミドを得るために
は、重合に反応溶媒を使用してもしなくても良いが、使
用し得る溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒
および非プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる、
100℃以上の沸点を有する溶媒であり、特に130℃
以上の沸点を有するものが好ましい。これらの溶媒は、
単一でまた混合しても用いることができる。
【0014】具体的には、芳香族炭化水素系溶媒として
は、キシレン、ジエチルベンゼン(上記2種はそれぞ
れ、そのオルト、メタまたはパラ異性体単独からなるも
のであっても、2種類以上の異性体の混合物からなるも
のであってもよい)、トルエン、アミルベンゼン、キュ
メン、メシチレン、テトラリンが挙げられ、ハロゲン化
炭化水素系溶媒としては、クロロトルエン、ジクロロベ
ンゼン(上記2種はそれぞれ、そのオルト、メタまたは
パラ異性体単独からなるものであっても、2種類以上の
異性体の混合物からなるものであってもよい)、1,4
−ジクロロブタン、クロロベンゼンが挙げられ、エーテ
ル系溶媒としては、ジクロロエチルエーテル、ブチルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、アニソールが挙げら
れ、エステル系溶媒としては、酢酸−n−アミル、酢酸
イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸シクロヘキシ
ル、酢酸ベンジル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピ
オン酸イソアミル、酪酸イソアミル、酪酸−n−ブチル
が挙げられ、非プロトン性極性溶媒としては、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素酸、ジメチル
スルホキシド、スルホランおよびヘキサメチルホスホロ
アミドを挙げることができる。これらの中でも、ジエチ
ルベンゼン、メシチレン、キュメン、クロロトルエン、
1,4−ジクロロブタン、ジイソアミルエーテル、酪酸
−n−ブチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、スルホラン等が、適度な沸点を有する点で好まし
く、さらには、メシチレン、キュメン、クロロトルエ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホ
ランが特に好ましい。
【0015】溶媒は、一般式(1)で表されるモノアミ
ノジカルボン酸、マレアミド酸、あるいはマレイン酸ア
ンモニアから得られる反応物およびまたはそれらの重合
物100重量部に対し、1〜5000重量部、好ましく
は5〜2000重量部の割合で使用することができる。
本発明の方法では、酸触媒を用いても用いなくても良い
が、用いる場合は、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン
酸、メタリン酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触
媒及び、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、ト
リフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有
機酸触媒が用いることができる。これらの中でも、高収
率でかつ高分子量のポリマーが得られやすいという点で
リン酸類触媒が好ましく用いられる。
【0016】これらの酸触媒は、一般式(1)で表され
るモノアミノジカルボン酸、マレアミド酸、あるいはマ
レイン酸アンモニアから得られる反応物およびまたはそ
れらの重合物1モルに対して0.0002〜2.0モ
ル、好ましくは0.002〜1.0モルの割合で使用す
ることができる。本発明の方法における重合、反応の反
応温度は、通常は100〜280℃、好ましくは、13
0〜250℃の範囲である。重縮合温度が100℃未満
では、反応が容易に進行せず、また、280℃を超える
と分解生成物が生成するので好ましくない。
【0017】反応時の圧力には特に制限はなく、常圧、
減圧または加圧のいずれでもよいが、通常は、10Pa
〜1MPaの範囲である。反応時間は、1分〜100時
間、好ましくは10分〜50時間、最も好ましくは15
分〜20時間である。また、反応の実質上の終点は、反
応中に副生してくる水の生成がなくなった点である。
【0018】また、分子量を制御する目的で、重合中に
アミン等を共存させても良い。後処理工程は、重合物の
用途に合わせて適宜選択することができる。例えば、遠
心分離により溶媒を除く方法、または遠心分離後さらに
水あるいは低沸点溶媒により洗浄する方法等の常法によ
り行うことができる。これらの重合の例としては、特公
昭48−20638号公報,US4,839,461
号、US5,057,597号、US5,219,98
6号、EP578,449号等が挙げられる。
【0019】一般式(1)で表されるモノアミノジカル
ボン酸、マレアミド酸、マレイン酸とアンモニアの反応
物と一般式(2)で表される炭素−炭素二重結合を有す
る化合物の重合では、一般式(2)で表される化合物は
その生成物である重合体末端及びまたは重合体内部に存
在すると考えられ、一般式(1)で表されるモノアミノ
ジカルボン酸、マレアミド酸、マレイン酸とアンモニア
の反応物の重合体と一般式(2)で表される炭素−炭素
二重結合を有する化合物の反応では、一般式(2)で表
される化合物は重合体末端のカルボン酸基及びまたはア
ミノ基と反応してその生成物の末端に存在すると考えら
れる。
【0020】本発明では、得られる重合体中に50モル
%を超えない範囲で他のモノマ−が共重合されていても
良い。共重合可能なモノマ−は、特に限定されないが、
具体的には、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のア
ミノ酸塩、アラニン,ロイシン,リジン等のアミノ酸、
グリコ−ル酸,乳酸,3−ヒドロキシ酢酸等のヒドロキ
シカルボン酸、2−ヒドロキシエタノ−ル,マレイン
酸,アニリン等のアミノ基及びまたはカルボン酸基と反
応しうる官能基を一個以上有する化合物等が挙げられ
る。
【0021】本発明の方法おける加水分解は、常法に従
って行うことが出来るが、代表的な例としては、J.A
m.Chem.Soc.,80,3361,(195
8)、J.Org.Chem.,26,1084,(1
961)、US5,221,733号、US5,28
8,783号、特開昭60−203636号等が挙げら
れる。
【0022】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により些かも制限される
ものではない。
【0023】
【実施例】合成したポリスクシンイミドの分子量は、東
ソー(株)社製「TSKgel」”GMHHR−M”+
「TSKgel」”G2000HHR”カラム、および
溶離液に10mM 臭化リチウムのジメチルホルムアミ
ドを用いたGPCクロマトグラフ(示差屈折計)により
得られたポリスチレン換算値である。
【0024】1H−NMR測定は、日本電子(株)製の
「GSX−400」を使用した。溶媒は、重水素化ジメ
チルスルホキシドを用い、測定は室温で行った。 製造例1 L−アスパラギン酸β−アリルエステル塩酸
塩の合成 L−アスパラギン酸β−アリルエステル塩酸塩は、Te
trahedron,45,19,6319,(198
9)の方法に従って合成した。 製造例2 ポリコハク酸イミドの合成 冷却器、温度計、撹拌器および水分分離器を備えた50
0ml容四口フラスコ内に、アスパラギン酸200gを
仕込んだ。次いで、窒素気流下、260℃に維持した油
浴により加熱しながら重縮合反応を行わせた。反応終了
後、茶褐色のポリコハク酸イミド粉末 140.0gを
得た。理論量に対する収率は97%であった。
【0025】得られたポリコハク酸イミドのGPC測定
によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量1
3,000,数平均分子量8,200であった。 実施例1 冷却器、温度計、撹拌機及び水分分離器を備えた300
ml容四口フラスコ内に、L−アスパラギン酸 8g、
製造例1で得たL−アスパラギン酸β−アリルエステル
塩酸塩 1.39g、85%リン酸 0.58g、メシ
チレン 100g及びスルホラン 50gを仕込んだ。
次いで、常圧、メシチレンの還流下に4.5時間保ち重
縮合反応を行わせた。反応中に生じた水は、メシチレン
とともに系外へ留去せしめた。
【0026】反応終了後、反応液を濾過して反応生成物
を収集した。得られた生成物を水100gで4回洗浄
し、更にメタノ−ル 100gで洗浄した。次いで生成
物を減圧下に80℃で24時間乾燥させ、黄白色の生成
物ポリコハク酸イミドを7.0g得た。この生成物のポ
リスチレン換算の分子量をGPC測定により求めたとこ
ろ、重量平均分子量は53,000であった。
【0027】この生成物の1H−NMR分析を行ったと
ころ、アリル基の炭素−炭素二重結合に由来するピ−ク
[δ=5.6(t,2H),6.2(m,1H)]が確
認され、ポリコハク酸イミド中にL−アスパラギン酸β
−アリルエステルが5.9mol%共重合していること
が解った。この生成物の加水分解は、撹拌子を備えた1
00ccのビ−カ−に上記で得られた生成物 3gと水
10gを仕込み、氷冷下、水酸化ナトリウム 1.4
gを水 20gに溶解した水溶液を加え、その後1時間
撹拌することにより行った。反応後、反応液をメタノ−
ル 300ml中に注ぐことにより黄白色の生成物アリ
ル基を有するポリアスパラギン酸ナトリウム 3.3g
を得た。 実施例2 製造例1で得たL−アスパラギン酸β−アリルエステル
塩酸塩 1.39gを水 10gに溶解し、水酸化ナト
リウム 0.26gを水 10gに溶解した水溶液を加
え、室温で30分撹拌した。
【0028】実施例1のL−アスパラギン酸β−アリル
エステル塩酸塩を上記水溶液に変えた以外、実施例1と
全く同様に行った。得られたポリコハク酸イミドは6.
9gであり、その重量平均分子量は48,000であっ
た。また、このコハク酸イミド中には、L−アスパラギ
ン酸β−アリルエステルが8.9mol%共重合されて
いることが解った。更に加水分解を行い、アリル基を有
するポリアスパラギン酸ナトリウム 3.2gを得た。 実施例3 実施例2のL−アスパラギン酸 8gを製造例2で得た
ポリコハク酸イミド5.8gに変えた以外、実施例2と
全く同様に行った。
【0029】得られたポリコハク酸イミドは6.5gで
あり、その重量平均分子量は13,000であった。ま
た、このコハク酸イミド中には、L−アスパラギン酸β
−アリルエステルが4.4mol%共重合されているこ
とが解った。更に加水分解を行い、アリル基を有するポ
リアスパラギン酸ナトリウム 3.2gを得た。 実施例4 製造例1で得たL−アスパラギン酸β−アリルエステル
塩酸塩 1.39gを水 10gに溶解し、水酸化ナト
リウム 0.26gを水 10gに溶解した水溶液を加
え、室温で30分撹拌した。
【0030】撹拌機を備えた50ml4口フラスコ内に
アスパラギン酸 8g、上記水溶液、85%リン酸
0.7g及びアセトン 20mlを仕込み、室温で1時
間撹拌した。その後、油浴80℃でアセトンを実質的に
無くなるまで留去した。次いで、このフラスコに冷却
器、温度計を付け、窒素気流下、マントルヒ−タ−で2
00℃に加熱しながら、2時間重縮合反応を行った。
【0031】反応終了後、反応生成物を収集した。得ら
れた生成物を水 100gで4回洗浄し、更にメタノ−
ル 100gで洗浄した。次いで生成物を減圧下に80
℃で24時間乾燥させ、黄白色の生成物ポリコハク酸イ
ミドを6.5g得た。このポリコハク酸イミドの重量平
均分子量は14,000であった。また、このコハク酸
イミド中に、L−アスパラギン酸β−アリルエステルが
6.7mol%共重合されていることが解った。更に実
施例1と同様に加水分解を行い、アリル基を有するポリ
アスパラギン酸ナトリウム 3.2gを得た。 応用例1 冷却器、温度計および撹拌器を備えた300ml容四口
フラスコ内に、実施例1で得たポリコハク酸イミド 2
g,ジメチルホルムアミド 100mlを仕込み、窒素
気流下、室温で、ポリコハク酸イミドを溶解した。その
後、スチレン10gおよびN,N’−アゾビスイソブチ
ロニトリル 0.5gを加え、撹拌下、100℃で5時
間重合を行った。重合溶液を大過剰のメタノ−ルに注
ぎ、生成物を濾過、乾燥し、5.4gの生成物を得た。
この生成物を50mlのジメチルホルムアミドに溶解し
た後、大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ、沈殿物を濾
過、乾燥した。乾燥後の重量は3.5gであった。得ら
れた生成物は、ポリコハク酸イミドとポリスチレンの共
重合体であり、得られた生成物を1H−NMRで分析し
た結果、スチレンに起因するピ−クが観測され、実施例
1で得られたポリコハク酸イミドに見られたアリル基に
起因する炭素−炭素二重結合のピ−クは消失していた。
【0032】
【発明の効果】 水溶性で生分解性を有するポリアミノ
酸に炭素−炭素二重結合を有する基を導入した新規な樹
脂を提供する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるモノアミノ
    ジカルボン酸 【化1】 (式中、nは1または2である。)、マレアミド酸、マ
    レイン酸とアンモニアの反応物及びまたはそれらの重合
    体と一般式(2)で表される炭素−炭素二重結合を有す
    る化合物 【化2】 (式中、R1はC,H,N,O,Sもしくはハロゲンか
    らなる基であり、R2はHまたはアルキル基であり、m
    は1または2である。)を重合または反応させた後、少
    なくとも部分的に加水分解して得られることを特徴とす
    るポリアミノ酸誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるモノアミノジカ
    ルボン酸がアスパラギン酸であることを特徴とする請求
    項1記載のポリアミノ酸誘導体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1)で表されるモノアミノ
    ジカルボン酸 【化3】 (式中、nは1または2である。)、マレアミド酸、マ
    レイン酸とアンモニアの反応物及びまたはそれらの重合
    体と一般式(2)で表される炭素−炭素二重結合を有す
    る化合物 【化4】 (式中、R1はC,H,N,O,Sもしくはハロゲンか
    らなる基であり、R2はHまたはアルキル基であり、m
    は1または2である。)を重合または反応させた後、少
    なくとも部分的に加水分解して得られることを特徴とす
    るポリアミノ酸誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合または反応を酸触媒及び溶媒の存在
    下において行うことを特徴とする請求項3記載のポリア
    ミノ酸誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表されるモノアミノジカ
    ルボン酸がアスパラギン酸である請求項3または4記載
    のポリアミノ酸誘導体の製造方法。
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