JPH08337769A - キレート剤 - Google Patents

キレート剤

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JPH08337769A
JPH08337769A JP14590895A JP14590895A JPH08337769A JP H08337769 A JPH08337769 A JP H08337769A JP 14590895 A JP14590895 A JP 14590895A JP 14590895 A JP14590895 A JP 14590895A JP H08337769 A JPH08337769 A JP H08337769A
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acid
polyaspartic acid
salt
anhydrous
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JP14590895A
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Inventor
Masako Yoshikawa
政子 吉川
Yasushi Matsubara
康史 松原
Masayuki Tomita
雅之 冨田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (アミド水素/メチン水素)×100=7.
0以下である無水ポリアスパラギン酸を加水分解して得
られるポリアスパラギン酸及びまたはその塩を含有する
キレート剤。 【効果】 本発明のキレート剤は高い生分解性およびキ
レート能を有する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キレート剤に関する。
詳しくは、高い生分解性を有し、洗剤添加剤、分散剤、
凝集剤、スケール防止剤、繊維処理剤、洗浄剤、水処理
剤、無機顔料分散剤等の環境中に排出される用途に有用
なキレート剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キレート剤としては、ポリアクリ
ル酸やポリマレイン酸などの電解質ポリマーやクエン酸
塩等の低分子カルボン酸塩、エチレンジアミンテトラ酢
酸(EDTA)やニトリロトリ酢酸(NTA)等アミノ
カルボン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム等のポリリン
酸塩が使用されてきた。しかし、これらのキレート剤は
何れも生分解性が低く、使用後廃棄されると自然環境中
に残留し、環境に負荷を与えるという問題があった。
【0003】一方、アミノ酸の一種であるアスパラギン
酸のポリマーとして、ポリアスパラギン酸が知られてい
る。ポリアスパラギン酸の特徴である生分解性から、最
近様々な用途が提案されている。米国特許515290
2号公報では、重量平均分子量1000〜5000で5
0%以上β型のポリアスパラギン酸を水性系中の炭酸カ
ルシウムの沈降阻害剤として提案されている。また、W
O9215535号公報では、重量平均分子量1000
〜5000のポリアスパラギン酸塩を無機及び有機粒子
の分散剤として提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点に基き、優れた生分解性とキレート能を有するキレー
ト剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアス
パラギン酸の中間体である無水ポリアスパラギン酸の構
造をNMRを用いて詳細に解析した結果、(アミド水素
/メチン水素)×100(以下これを「アミド/メチン
水素比」と呼ぶことがある)が7.0以下である無水ポ
リアスパラギン酸の1部または全部を加水分解して得ら
れたポリアスパラギン酸が高い生分解性とキレート能を
有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は(アミド水素/メチン
水素)×100=7.0以下である無水ポリアスパラギ
ン酸を加水分解して得られるポリアスパラギン酸及びま
たはその塩を含有するキレート剤を提供するものであ
る。以下、本発明を具体的に説明する。
【0007】(アミド/メチン水素比)(アミド水素/
メチン水素)×100とは、無水ポリアスパラギン酸部
分のメチン水素の総数に対するアミド水素の割合%であ
る。この割合は、プロトンNMRによりアミド水素シグ
ナル(δ=7.7〜9.4ppm)の総数と無水ポリア
スパラギン酸部分のメチン水素シグナル(δ=4.2〜
5.8ppm)の総数との比を求めることにより決定す
ることができる。NMR測定時の溶媒は、重水素化ジメ
チルスルホキシドを用い、測定は室温で行う。本発明で
用いる無水ポリアスパラギン酸は、このアミド/メチン
水素比が7.0以下、好ましくは6.0以下、更に好ま
しくは5.0以下である。
【0008】(無水ポリアスパラギン酸)本発明で用い
る無水ポリアスパラギン酸は、モノマーとしてマレイン
酸とアンモニアを反応させて得られる生成物、マレアミ
ド酸またはアスパラギン酸を溶媒の存在下または無溶媒
で、触媒を用いてまたは無触媒で反応させることにより
得られる。
【0009】マレイン酸とアンモニアを反応させて得ら
れる生成物とは、マレイン酸とアンモニアを、例えば、
独国特許第3626672号明細書、米国特許第483
9461号明細書、米国特許第5286810号明細書
等に記載の方法により反応させて得られる生成物であ
る。具体的には、主にマレイン酸モノアンモニウム塩で
あり、それ以外にマレイン酸、マレイン酸ジアンモニウ
ム塩、アンモニア、フマル酸、アスパラギン酸、アスパ
ラギン、イミノジコハク酸、マレアミド酸等の生成物を
含んでいてもよい。
【0010】上記の反応に用いられるマレイン酸は、そ
の無水物、部分および完全エステルを含む。アンモニア
はガスまたは溶液として用いる。溶液として用いる場合
は、水に溶解させて水酸化アンモニウム水溶液とする方
法、メタノール、エタノール等のアルコール、または他
の適当な有機溶媒に溶解させる方法等が用いられる。マ
レアミド酸は、マレイン酸モノアンモニウム塩またはジ
アンモニウム塩を加熱することにより得ることができ
る。
【0011】アスパラギン酸はD体でもL体でもその混
合物でもよい。更に、上記のモノマー以外に50mol
%を超えない範囲で共重合可能な他のモノマーを用いる
こともできる。それらの例としては a)アスパラギン
酸塩、b)グルタミン酸およびその塩、c)アラニン、
ロイシン、リジン等のa)、b)以外のアミノ酸、d)
グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキ
シカルボン酸、e)2−ヒドロキシエタノール、マレイ
ン酸、6−アミノカプロン酸等のアミノ基およびまたは
カルボン酸基と反応し得る官能基を2個以上有する化合
物等が挙げられる。
【0012】溶媒の有無は特に限定されない。溶媒を使
用する場合、溶媒として芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒
および非プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる溶
媒が使用される。これらは単一でも二種以上混合して用
いてもよい。これらの中で沸点が100℃以上のものが
好ましく、130℃以上のものがさらに好ましい。
【0013】具体的には、芳香族炭化水素系溶媒とし
て、キシレン、ジエチルベンゼン(上記2種はそれぞ
れ、そのオルト、メタ、パラ異性体単独からなるもので
あっても、2種類以上の異性体の混合物からなるもので
あってもよい)、トルエン、アミルベンゼン、キュメ
ン、メシチレン、テトラリン、ハロゲン化炭化水素溶媒
としては、クロロトルエン、ジクロロベンゼン(上記2
種はそれぞれ、そのオルト、メタ、パラ異性体単独から
なるものであっても、2種類以上の異性体の混合物から
なるものであってもよい)、1,4−ジクロロブタン、
クロロベンゼン、エーテル系溶媒としては、ジクロロエ
チルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミルエーテ
ル、アニソール、エステル系溶媒としては、酢酸−n−
アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸
シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸イソアミ
ル、酪酸イソアミル、酪酸−n−ブチル、非プロトン性
極性溶媒としては N、N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テ
トラメチル尿素酸、ジメチルスルホキシド、スルホラン
およびヘキサメチルホスホロアミドをあげることができ
る。これらの中でもジエチルベンゼン、メシチレン、キ
ュメン、クロロトルエン、1,4−ジクロロブタン、ジ
イソアミルエーテル、酪酸−n−ブチル、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、スルホランが特に好まし
い。
【0014】溶媒の使用量は、モノマー100重量部に
対し、通常は1〜5000重量部、好ましくは3〜20
00重量部の割合である。触媒の有無は特に限定されな
いが、触媒を使用する場合、使用し得る重縮合反応用触
媒としては、特に限定されないが、硫酸、無水硫酸、リ
ン酸、ポリリン酸、メタリン酸および縮合リン酸等の無
機酸触媒;ならびにpートルエンスルホン酸、トリクロ
ル酢酸、トリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンス
ルホン酸等の有機酸触媒が挙げられる。これらの中で
も、弱酸であるリン酸が好ましい。
【0015】酸触媒の使用量は、モノマー1モルに対
し、通常は0.0002〜2.0モル、好ましくは0.
002〜1.0モルの範囲である。反応温度は、通常は
100〜280℃、好ましくは130〜250℃の範囲
である。反応温度が100℃未満では重縮合反応が容易
に進行せず、また、280℃を越えると分解生成物が生
成する傾向にある。
【0016】反応時間の圧力には特に制限はなく、常
圧、減圧または加圧のいずれでもよいが、通常は10P
a〜1MPaの範囲である。反応時間は1分〜100時
間、好ましくは1分〜50時間、最も好ましくは3分〜
20時間である。また、反応の実質上の終点は、反応中
に副生してくる水が放出されなくなった点である。
【0017】(ポリアスパラギン酸)本発明で用いるポ
リアスパラギン酸塩は、上記無水ポリアスパラギン酸を
加水分解することにより得られる。ポリアスパラギン酸
の塩としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩が挙げられる。本発明ではアルカリ金属塩が好まし
く、特にナトリウム塩またはカリウム塩が好ましい。ア
スパラギン酸は、通常、上記アスパラギン酸塩を塩酸等
のプロトン酸で処理することにより得ることができる。
【0018】ポリアスパラギン酸の分子量は特に限定さ
れないが、高いキレート能を発揮するためには、好まし
くは、重量平均分子量で500から300000、更に
好ましくは1000から200000である。後処理工
程は、重合物の用途に合わせて適宜選択することができ
る。例えば、遠心分離により溶媒を除く方法、または遠
心分離後さらに水あるいは低沸点溶媒により洗浄する方
法等の常法により行うことができる。
【0019】(生分解性)生分解性は化審法に示される
新規化学物質の生分解性試験法(修正MITI(II)
法)で判断した。生分解率としては酸素消費量から計算
した値(BOD)およびまたは全有機炭素量より計算し
た値(TOC)を使用することができる。
【0020】(キレート剤)本発明においてキレート剤
とは、硬水中に含まれるカルシウムやマグネシウム等の
アルカリ土類金属や鉄等の遷移金属及びナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属等の金属イオンを封鎖する働き
のある物質を意味する。本発明のキレート剤は、ポリア
スパラギン酸及びまたはその塩以外に従来使用されてい
るクエン酸塩等の低分子量カルボン酸塩や縮合リン酸塩
を配合することもできる。本発明のキレート剤へのポリ
アスパラギン酸及びまたはその塩の配合量は、通常、5
〜60重量%であり、好ましくは、15〜40重量%で
ある。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により些かも制限さ
れるものではない。 (分子量)合成した無水ポリアスパラギン酸の分子量は
東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−MLiB
r、TSKgelG2000HHRカラムおよび溶離液
に10mMLiBrのジメチルホルムアミドを用いたG
PCクロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリ
スチレン換算値である。 (アミド/メチン水素比)アミド/メチン水素比を決め
るためのプロトンNMR測定には、日本電子(株)製の
GSX−400を使用した。溶媒は、重水素化ジメチル
スルホキシドを用い、測定は室温で行った。
【0022】(キレート剤としての評価)キレート能
は、50mlビーカーに、塩化カルシウムが1.0×1
0−3 M、塩化カリウムが0.08Mとなるよう調整
した水溶液50ml中に、試料を計り取り溶解させ、攪
拌を行った。溶液中のカルシウムイオンをカルシウムイ
オン電極(オリオン社製93ー20型)を用い、イオン
メーター(オリオン社製Model720A)を使用し
て測定し、試料100gによって封鎖されるカルシウム
イオンのg数で示した。
【0023】(生分解性)生分解性試験は化審法に示さ
れる新規化学物質の生分解試験方法(修正MITI(I
I)法)に準拠して行った。この試験に使用した微生物
(活性汚泥)は化学品検査協会より購入した標準汚泥を
使用した。試験条件は具体的には活性汚泥濃度;30m
g/l、試料濃度;100mg/l、試験液量;300
ml、試験温度;25±1℃、試験期間;28日、標準
物質;アニリンで行った。
【0024】分解率は全有機炭素量(TOC)の測定に
基づいて百分率で求めた。具体的には生分解性試験開始
時の培養液中の試料の有機物の全有機炭素量を測定し2
8日後に試料中の炭素は一部炭酸ガスとして分解除去さ
れるため有機炭素が減少する。この減少した全有機炭素
量を培養液中に残存する全有機炭素の測定により求め、
減少した全有機炭素量を試験開始時の全有機炭素量で割
り分解率を百分率で算出した。生分解性試験装置として
閉鎖系酸素消費量測定装置(大倉電気製 自記BOD
計)、全有機炭素測定装置としてTOC計(島津製作所
製 TOC−5000)を使用した。
【0025】実施例1 冷却器、温度計、攪拌器および水分分離器を備えた20
0ml容四口フラスコ内に、アスパラギン酸25g、8
5%リン酸2.5g、メシチレン56gおよびスルホラ
ン24gを仕込んだ。次いで、常圧、メシチレンの環流
下(162 ℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせ
た。反応中に生じた水はメシチレンと共に系外へ留去せ
しめた。
【0026】反応終了後、反応液を濾過して反応生成物
を収集した。得られた生成物を純水100gで4回洗浄
し、さらにメタノール100gで洗浄した。次いで、生
成物を減圧下に80℃で24時間乾燥させ、黄白色の無
水ポリアスパラギン酸粉末17.9gを得た。理論量に
対する収率は98%であった。得られた無水ポリアスパ
ラギン酸のポリスチレン換算の分子量をGPC測定によ
り求めたところ、重量平均分子量が66000であっ
た。
【0027】この無水ポリアスパラギン酸のアミド/メ
チン水素比は2.2であった。上記で得た無水ポリアス
パラギン酸10.0gをビーカーに入れ、20mlの水
を加えて放置し、ポリマーに湿気を含ませた。氷水で冷
却しながら、これに、1N水酸化ナトリウム水溶液(N
aOH4.12g/H2O100ml)を加えて約10
分間、反応液が均一になるまで攪拌した。このポリマー
溶液のpHを3N塩酸で2.5に調整した。これをメタ
ノールで再沈、洗浄し、得られたポリアスパラギン酸を
45℃で8時間減圧乾燥した。また、得られたポリアス
パラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能は、5.
0(Ca++g/100g−P)であった。生分解性の測
定結果 このポリアスパラギン酸ナトリウムの分解率は
89%であった。
【0028】実施例2 実施例1で使用したメシチレンの量を72g、スルホラ
ンの量を8gにそれぞれ変更した以外は実施例1と同様
の方法により、黄白色の無水ポリアスパラギン酸粉末1
7.8gを得た。理論量に対する収率は98%であっ
た。この無水ポリアスパラギン酸のアミド/メチン水素
比は2.1であった。得られた無水ポリアスパラギン酸
のポリスチレン換算の分子量をGPC測定により求めた
ところ、重量平均分子量が40000であった。また、
実施例1と同様の加水分解を行い、得られたポリアスパ
ラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能は、5.1
(Ca++g/100g−P)であった。
【0029】実施例3 実施例1で使用したメシチレンを無くし、スルホランの
み80gに変更した以外は実施例1と同様の方法によ
り、黄白色の無水ポリアスパラギン酸17.1gを得
た。GPC測定によるポリスチレン換算の分子量は、重
量平均分子量10000であった。この無水ポリアスパ
ラギン酸のアミド/メチン水素比は2.5であった。ま
た、実施例1と同様の加水分解を行い、得られたポリア
スパラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能は、
5.0(Ca++g/100g−P)であった。
【0030】実施例4 撹拌器を備えた500ml二口フラスコ内にアスパラギ
ン酸100g、85%リン酸5gおよびトルエン150
gを仕込み、室温で1時間撹拌した。その後、油浴80
℃、減圧下でトルエンを実質的に無くなるまで留去して
混合物を得た。次いで、冷却器、温度計および撹拌器を
備えた四口分解フラスコ内に、上記で得られた混合物を
仕込み、マントルヒーターで加熱しながら、窒素気流下
で重縮合反応を開始した。内温が160℃付近で水が留
去し始めたため、この点を反応開始とし、200℃まで
30分間で昇温させ、更に同温度で1時間撹拌を行い、
薄い黄色の無水ポリアスパラギン酸の粉末73.2gを
得た。この無水ポリアスパラギン酸の重量平均分子量は
13000であった。この無水ポリアスパラギン酸のア
ミド/メチン水素比は4.2であった。また、実施例1
と同様の加水分解を行い、得られたポリアスパラギン酸
ナトリウムのカルシウムキレート能は、6.1(Ca++
g/100g−P)であった。
【0031】実施例5 1L容のナスフラスコ内に、アスパラギン酸50gおよ
び85%リン酸25gを仕込んだ。次いで、前記ナスフ
ラスコをロータリーエバポレーターに取付け、これを1
80℃に維持した油浴により4時間加熱して重縮合反応
を行わせた。反応終了後にこれを冷却し、生成したガラ
ス状の塊をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、水
を添加して沈殿を形成させ、これを濾過して沈殿物を収
集した。得られた沈殿物を中和するまで水で洗浄してリ
ン酸を除去した。85℃で24時間かけて乾燥し、黄白
色の無水ポリアスパラギン酸粉末34.0gを得た。理
論量に対する収率は93%であった。
【0032】得られた無水ポリアスパラギン酸のポリス
チレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、
重量平均分子量が80000であった。この無水ポリア
スパラギン酸のアミド/メチン水素比は1.0であっ
た。実施例1と同様の加水分解を行い、得られたポリア
スパラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能は、
6.2(Ca++g/100g−P)であった。生分解性
の測定結果 このポリアスパラギン酸ナトリウムの分解
率は95%であった。
【0033】実施例6 冷却器、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた30
0mLの四口フラスコ内に、無水マレイン酸98gおよ
び水50gを仕込み、75℃の油浴中30分加熱した。
続いて油浴を外し、フラスコを氷冷しながら25%アン
モニア水68.1gを滴下した後、85℃の油浴中で3
時間攪拌した。反応後、反応混合物を温度80〜85
℃、減圧下(200〜10hPa)で水を留去し白色の
固体130gを得た。
【0034】冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を
備えた200mLの四口フラスコ内に、マレイン酸とア
ンモニアの反応混合物25g、85%リン酸2.5gお
よびメシチレン80gを仕込んだ。続いて常圧下、メシ
チレンの還流下(162℃)に4.5時間保ち重縮合反
応を行わせた。反応中に生じた水はメシチレンとともに
系外へ留去せしめた。
【0035】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間で乾燥し褐
色のポリスクシンイミドの粉末13.6gを得た。この
ポリスクシンイミドの転化率は99%であり、GPC測
定によるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量
4500であった。
【0036】この無水ポリアスパラギン酸のアミド/メ
チン水素比は2.6であった。また、加水分解は、攪拌
子を備えた100ccのビーカーに上記で得られたポリ
スクシンイミド3gおよび水を10g仕込み、氷冷下水
酸化ナトリウム1.4gを水20gに溶解した水溶液を
加え、その後1時間攪拌することにより行った。反応
後、反応液をメタノール300ml中に注ぐことにより
晶析し、黄白色のポリアスパラギン酸ナトリウム3.3
gを得た。カルシウムキレート能は5.0(Ca++g/
100g−P)であった。
【0037】比較例1 冷却器、温度計、撹拌器および水分分離器を備えた50
0ml容四口フラスコ内に、アスパラギン酸200gを
仕込んだ。次いで、窒素気流下、260℃に維持した油
浴により加熱しながら6時間重縮合反応を行わせた。反
応終了後、茶褐色の無水ポリアスパラギン酸粉末14
0.0gを得た。理論量に対する収率は97%であっ
た。
【0038】得られた無水ポリアスパラギン酸のポリス
チレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、
重量平均分子量が13000であった。この無水ポリア
スパラギン酸のアミド/メチン水素比は13.2であっ
た。また、実施例1と同様の加水分解を行い、得られた
ポリアスパラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能
は、4.2(Ca++g/100g−P)であった。生分
解性の測定結果 このポリアスパラギン酸ナトリウムの
分解率は46%であった。
【0039】比較例2 冷却器、温度計、攪拌器および滴下ロートを備えた30
0mLの四口フラスコ内に、無水マレイン酸98gおよ
び水50gを仕込み、75℃の油浴中30分加熱した。
続いて油浴を外し、フラスコを氷冷しながら25%アン
モニア水68.1gを滴下した後、85℃の油浴中で3
時間攪拌した。反応混合物を500mlのナス型フラス
コに移し、ロータリーエバポレータで温度80〜85
℃、減圧下(200〜10hPa)水を留去した。その
後、常圧窒素気流下温度120℃で1時間、さらに減圧
(20〜10hPa)、温度135℃で4時間重縮合反
応を行い白色の固体106gを得た。
【0040】GPC測定によるポリスチレン換算の分子
量は、重量平均分子量2900であった。この無水ポリ
アスパラギン酸のアミド/メチン水素比は7.7であっ
た。また、実施例6と同様の加水分解を行い、得られた
ポリアスパラギン酸ナトリウムのカルシウムキレート能
は2.4(Ca++g/100g−P)であった。生分解
性の測定結果 このポリアスパラギン酸ナトリウムの分
解率は43%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (アミド水素/メチン水素)×100=
    7.0以下である無水ポリアスパラギン酸を加水分解し
    て得られるポリアスパラギン酸及びまたはその塩を含有
    するキレート剤。
JP14590895A 1995-06-13 1995-06-13 キレート剤 Pending JPH08337769A (ja)

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JP14590895A JPH08337769A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 キレート剤

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JP14590895A JPH08337769A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 キレート剤

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002102886A (ja) * 2000-10-02 2002-04-09 Sakai Chem Ind Co Ltd スケール防止剤及びスケール防止方法
WO2003022751A1 (fr) * 2001-09-06 2003-03-20 Nitto Denko Corporation Procede de traitement par osmose inverse a plusieurs etages
JP2004300625A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kurita Water Ind Ltd パルプ漂白工程用シュウ酸カルシウムスケール抑制剤及びシュウ酸カルシウムスケールの抑制方法
CN108821455A (zh) * 2018-06-28 2018-11-16 芜湖市棠华建材科技有限公司 气化炉灰水系统用的阻垢分散剂

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