JP2002102886A - スケール防止剤及びスケール防止方法 - Google Patents

スケール防止剤及びスケール防止方法

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JP2002102886A
JP2002102886A JP2000302420A JP2000302420A JP2002102886A JP 2002102886 A JP2002102886 A JP 2002102886A JP 2000302420 A JP2000302420 A JP 2000302420A JP 2000302420 A JP2000302420 A JP 2000302420A JP 2002102886 A JP2002102886 A JP 2002102886A
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Akira Kotone
明 小刀禰
Hajime Uno
肇 宇野
Takashi Ichikawa
隆司 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温泉水の汲み上げの中断等なしに、長期間にわ
たって安定してスケール防止に有効な温泉水スケール防
止剤とそのようなスケール防止剤を用いる温泉水スケー
ル防止方法を提供する。 【解決手段】本発明によれば、(a) アスパラギン酸、イ
ミノジコハク酸、ポリアスパラギン酸及びこれらのアル
カリ金属塩から選ばれる少なくとも1種と、(b) ホスホ
ン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこれらのアル
カリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を含むことを特
徴とする温泉水用スケール防止剤が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スケール防止剤に関
し、特に、温泉水中に溶存している鉱物質が温泉水汲み
上げ装置に付着してスケールを生成することを防止する
ためのスケール防止剤とそのようなスケール防止剤を用
いる温泉水スケール防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温泉水を汲み上げる方法として
は、その温泉源の深さや自噴力等により、種々の方式が
採用されており、例えば、主にポンプを用いて汲み上げ
る方式、地表から空気を泉源に圧入して、汲み上げる所
謂エアー・リフト方式、パイプを泉源に挿入し、自噴力
で汲み上げる方式等が知られているが、いずれの方法に
おいても、管を用いて温泉水を地中から地表に汲み上げ
るものである。
【0003】一般に、温泉水には、種々多様な鉱物質が
溶存しているから、これらのいずれの方式においても、
それら鉱物質が、温泉水のその汲み上げ時に、温泉水の
温度や圧力の変動、空気との接触等によって、不溶化
し、スケールとして、汲み上げ装置を構成する種々の管
の内外の表面に付着し、汲み上げ装置を閉塞する。これ
らのスケールの主成分は、例えば、温泉水中に炭酸水素
カルシウムとして溶解していたものが、汲み上げ時に温
泉水の圧力が減ずることによって炭酸ガスを放出し、炭
酸カルシウムとして不溶化したものであって、汲み上げ
管の内表面等に硬い層状のスケールとして付着し、積層
する。このようなスケールによる管の閉塞は、甚だしい
場合は、僅かに一日間で起こることがある。
【0004】そのようなスケールを除去するには、従
来、機械的に掻き落とす方法や、酸を用いて溶解させる
方法等が採用されているが、前者の方法によれば、多大
の時間と労力を必要とし、しかも、その作業期間中は、
温泉水を汲み上げることができない等の重大な問題を生
じる。他方、後者の方法によれば、酸による管その他の
装置の腐食や公害を引き起こすおそれがある。
【0005】また、従来、上記のような温泉水の汲み上
げにおいて、スケールを防止する方法としては、温泉水
にポリリン酸ナトリウム等のようなスケール防止剤をパ
イプ中に注入する方法が知られているが、この方法で
は、十分なスケール防止効果を得ることができず、依然
として、短期間のうちに管が閉塞する。
【0006】そこで、このような方法を改善するため
に、特開平2−241599号公報には、地表に汲み上
げた温泉水の一部に磁気処理を施し、更に、これにポリ
リン酸ナトリウムを溶解混入した後、これを温泉水の汲
み上げ口に圧入する方法や、或いは特開昭58−122
096号公報に記載されているように、ポリアクリル酸
ナトリウムの水溶液を温泉井戸内に圧入する方法等が提
案されているが、これらの方法も、長期間の連続稼働と
いう点に関して、問題がある。
【0007】そこで、このような問題を解決するため
に、特開平6−178999号公報に記載さないるよう
に、無機ポリリン酸と共にホスホン酸等を温泉水中に注
入する方法が提案されているが、この方法も、温泉水が
高温の場合、無機ポリリン酸塩が加水分解して、温泉水
中のカルシウム等と反応して水不溶性の塩を形成するの
で、長期間にわたって連続稼働すれば、温泉水の汲み上
げ管の内表面ほか、スケール防止剤を温泉水の泉源に添
加するために空気管内に設けた注入管の先端が閉塞する
おそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温泉水の汲
み上げにおける上述したような問題を解決するためにな
されたものであって、温泉水の汲み上げの中断等なし
に、長期間にわたって安定してスケール防止に有効なス
ケール防止剤とそのようなスケール防止剤を用いるスケ
ール防止方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a) ア
スパラギン酸、イミノジコハク酸、ポリアスパラギン酸
及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1
種と、(b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸
及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1
種を含むことを特徴とするスケール防止剤が提供され
る。
【0010】特に、本発明によれば、上記からなる温泉
水スケール防止剤が提供される。
【0011】更に、本発明によれば、(a) アスパラギン
酸、イミノジコハク酸、ポリアスパラギン酸及びこれら
のアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種と、(b)
ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこれら
のアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を含むス
ケール防止剤を温泉水に添加することを特徴とする温泉
水スケール防止方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によるスケール防止剤は、
(a) アスパラギン酸、イミノジコハク酸、ポリアスパラ
ギン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なく
とも1種(以下、(a) 成分という。)と、(b) ホスホン
酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこれらのアルカ
リ金属塩から選ばれる少なくとも1種(以下、(b) 成分
という。)とを必須成分とするものであって、スレッシ
ュホールド効果によって、長期間にわたって、安定に且
つ有効にスケールの成分である炭酸カルシウムの結晶成
長を抑制し、例えば、温泉水の汲み上げ管の内表面にお
ける炭酸カルシウムの析出を防止するのである。
【0013】スレッシュホールド効果とは、一般に、化
学量論的な量よりも少ない量にて目的とする有用な効果
を示すことであって、難溶性塩が析出したとき、その微
細な結晶の表面の成長点に他の物質が吸着されて、結晶
の成長が大幅に遅らされ、その結果として、上記難溶性
塩がスケールに成長するのが抑制されることをいう。
【0014】一般に、無機ポリリン酸塩は、熱水によっ
て加水分解されて、スケール防止に効果のないオルソリ
ン酸になり、スレッシュホールド効果が弱まる結果、十
分なスケール防止効果を得ることができない。他方、ホ
スホン酸や、ホスフィン酸、ポルカルボン酸は、スレッ
シュホールド効果を保つが、十分なスケール防止効果を
得るには、多量の使用を必要とするので、運転費用が高
くなり、同様に、ホスホン酸塩やホスフィン酸塩やポル
カルボン酸塩は、熱水によっても加水分解されず、スレ
ッシュホールド効果を保つが、しかし、十分なスケール
防止効果を得るには、多量の使用を必要とするので、運
転費用が高くなる。
【0015】しかし、本発明に従って、スケール防止剤
として、(a) 成分と(b) 成分とを少量用い、これらを混
合溶液として用いることによって、スケール防止におい
て、著しい相乗効果があらわれて、長期間にわたるスケ
ール防止効果を安定して得ることができる。
【0016】本発明によるスケール防止剤において、
(a) 成分と(b) 成分の好適な配合割合は、温泉水の温
度、カルシウム濃度、その他の塩類の濃度、pH等によ
るが、(a) 成分の濃度は、(2種以上を併用するとき
は、その合計量にて、)通常、揚湯量(汲み上げる温泉
水の量)に対して、1〜10ppmの範囲であることが
好ましい。また、(b) 成分の量は、(2種以上を併用す
るときは、その合計量にて、)(a) 成分100重量部に
対して、5〜50重量部の範囲であることが好ましい。
【0017】本発明において用いるアスパラギン酸又は
そのアルカリ金属塩は、次式(I)
【0018】
【化1】
【0019】(式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を
示す。)で表わされる。
【0020】本発明において用いるイミノジコハク酸又
はそのアルカリ金属塩は、次式(II)
【0021】
【化2】
【0022】(式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を
示す。)で表わされる。
【0023】また、本発明で用いるポリアスパラギン酸
又はそのアルカリ金属塩は、次式(III)
【0024】
【化3】
【0025】(式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を
示し、nは1以上の整数である。で表わされる。
【0026】本発明によれば、このようなポリアスパラ
ギン酸又はそのアルカリ金属塩は、分子量が500〜1
0000の範囲にあることが好ましく、特に、1000
〜5000の範囲にあることが好ましい。
【0027】他方、本発明において用いるホスホン酸又
はその塩又はホスフィン酸又はその塩は、好ましくは、
一般式(IV)から(VIII)で表わされる。
【0028】
【化4】
【0029】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0030】
【化5】
【0031】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0032】
【化6】
【0033】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0034】
【化7】
【0035】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示し、zは1〜4の整数を示す。)
【0036】
【化8】
【0037】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示し、xとyとの和は4〜16の範囲の
整数である。)
【0038】このような一般式で表わされるホスホン酸
又はその塩又はホスフィン酸又はその塩としては、例え
ば、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、2−
ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−一ナトリウム
塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−一カ
リウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4
−二ナトリウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸
−1,2,4−二カリウム塩、2−ホスホノブタントリカル
ボン酸−1,2,4−三ナトリウム塩、2−ホスホノブタン
トリカルボン酸−1,2,4−三カリウム塩、2−ホスホノ
ブタントリカルボン酸−1,2,4−四ナトリウム塩、2−
ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−四カリウム塩
や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸−一ナ
トリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸−一カリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸−二ナトリウム塩、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸−一二カリウム塩、1−
ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸−一三ナト
リウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸−一三カリウム塩や、アミノトリ(メチレンホスホ
ン酸)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一ナトリ
ウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一カリウ
ム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一二ナトリ
ウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一二カリ
ウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一三ナト
リウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一三カ
リウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一四ナ
トリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一四
カリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一五
ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一
五カリウム塩や、エチレンジアミンテトラ(メチレンホ
スホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホ
ン酸)−一ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)−一カリウム塩、エチレンジアミン
テトラ(メチレンホスホン酸)−一二ナトリウム塩、エ
チレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一二カ
リウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)−一三ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)−一三カリウム塩、エチレンジアミ
ンテトラ(メチレンホスホン酸)−一四ナトリウム塩、
エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一四
カリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホ
ン酸)−一五ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)−一五カリウム塩、エチレンジ
アミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一六ナトリウム
塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−
一六カリウム塩や、また、ビス(ポリ−2−カルボキシ
エチル)ホスフィン酸、ビス(ポリ−2−カルボキシエ
チル)ホスフィン酸ナトリウム、ビス(ポリ−2−カル
ボキシエチル)ホスフィン酸カリウム等を挙げることが
できる。
【0039】更に、本発明において用いるポリカルボン
酸又はその塩としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタク
リル酸ナトリウム、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ナ
トリウム、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル
酸−マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクリル酸−オ
レフイン共重合体、アクリル酸−オレフイン共重合体ナ
トリウム塩、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体ナトリ
ウム塩等を挙げることができる。
【0040】本発明によるスケール防止剤を温泉水に添
加する方法は、特に限定されるものではないが、本発明
によるスケール防止剤は、例えば、温泉水の汲み上げに
おけるエアー・リフト方式に有利に適用することができ
る。エアー・リフト方式とは、図1に示すように、ケー
シング1にて井戸を構築し、その井戸の底部の泉源2に
達する汲み上げ管3を配設し、その中に空気管4を設
け、この空気管にエア・コンプレッサ(図示せず)によ
って圧縮空気5を送り込んで、汲み上げ管3を経て温泉
水6を地表に溢れさせる方式である。
【0041】このような温泉水の汲み上げのためのエア
ー・リフト方式において、本発明によるスケール防止剤
にてスケール防止を行なうには、空気管や汲み上げ管に
スケールが生成し、付着する部位から下方に向かって、
上記空気管4の中に注入管7を挿入し、本発明によるス
ケール防止剤をその注入管7によって空気管4中に圧入
すればよく、これによって、汲み上げ管の表面や空気管
の外表面におけるスケール生成を有効に防止することが
できる。例えば、本発明によれば、スケール防止剤の水
溶液8を調製し、これを希釈水9と混合して、高圧ポン
プ10にて前記注入管7に圧入すればよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によるスケール防止剤は、上述し
たように、(a) 成分と(b) 成分とを必須成分とするもの
であって、その相乗効果によって、長期間にわたって、
安定して、温泉水の汲み上げにおいて、スケールを防止
することができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0044】実施例1 熱水(100℃)と蒸気を自噴する噴気沸騰泉であっ
て、自噴力が弱く、エアーリフト方式で温泉水を汲み上
げている温泉井戸において、地下120〜160mの間
に炭酸カルシウムを主成分とするスケールが汲み上げ管
の内表面に付着するので、隔日毎に機械的にスケールを
掻き落としていた温泉水汲み上げ装置がある。この温泉
水汲み上げ装置に本発明による方法にてスケール防止剤
を適用し、スケール防止を図った。
【0045】図1に示すように、分子量3000のポリ
アスパラギン酸ナトリウム5重量%と2−ホスホノブタ
ントリカルボン酸−1,2,4−四ナトリウム塩1重量%と
からなる混合水溶液からなるスケール防止剤の水溶液を
調製した。
【0046】前述したように、汲み上げ管の内部に空気
管を設け、この空気管にエア・コンプレッサによって圧
縮空気を送り込んで、汲み上げ管を経て温泉水を120
L/分の割合にて地表に汲み上げながら、上記スケール
防止剤の水溶液を流量20L/分の希釈水に12mL/
分の割合で混合し、前述したように、高圧ポンプを用い
て、上記スケール防止剤を圧力11kg/cm2 、流量
20L/分にて、上記注入管から空気管内に注入した。
温泉水の汲み上げの開始時からのエア・コンプレッサの
圧力変化を表1に示す。
【0047】一般に、エア・コンプレッサの圧力は、空
気管の外表面や汲み上げ管の内表面にスケールが付着
し、蓄積されるに従って増大する。本発明によるスケー
ル防止剤を上述したようにして空気管内に注入すること
によって、90日後においても、エア・コンプレッサの
圧力は、初期の圧力よりも0.5kg/cm2 上昇したに
とどまり、十分な量の温泉水を汲み上げることができ
た。また、90日後に空気管を引き上げたところ、空気
管の外表面に僅かのスケール付着が認められたにすぎな
かった。
【0048】実施例2 実施例1において、2−ホスホノブタントリカルボン酸
1,2,4−四ナトリウム塩に代えて、平均分子量3000
のポリアクリル酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1
と同様にして、温泉水の汲み上げを行なって、温泉水の
汲み上げの開始時からのエア・コンプレッサの圧力変化
を表1に示す。
【0049】実施例1の場合と同様に、90日後におい
ても、エア・コンプレッサの圧力は、初期の圧力よりも
0.5kg/cm2 上昇したにとどまり、十分な量の温泉
水を汲み上げることができた。
【0050】実施例3 実施例1において、ポリアスパラギン酸ナトリウムに代
えて、イミノジコハク酸ナトリウムを用いた以外は、実
施例1と同様にして、温泉水の汲み上げを行なって、温
泉水の汲み上げの開始時からのエア・コンプレッサの圧
力変化を表1に示す。
【0051】実施例1の場合と同様に、90日後におい
ても、エア・コンプレッサの圧力は、初期の圧力よりも
0.5kg/cm2 上昇したにとどまり、十分な量の温泉
水を汲み上げることができた。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1 実施例1において、圧力11kg/cm2 、流量20L
/分にて、スケール防止剤に代えて、水のみを空気管内
に注入したところ、表1に示すように、2日後には、コ
ンプレッサ圧力が10.5kg/cm2 まで上昇し、空気
管の内表面にはスケールが付着して、温泉水の汲み上げ
が不可能となった。
【0054】比較例2 実施例1において、スケール防止剤として、ポリリン酸
ナトリウムを五酸化リンとして15ppm溶解させた水
溶液を、圧力11kg/cm2 、流量20L/分にて空
気管内に注入した。その結果、表1に示すように、7日
後には、コンプレッサ圧力が10.2kg/cm2 まで上
昇し、空気管の内表面にはスケールが付着して、温泉水
の汲み上げが不可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の方法に従ってスケール防止剤を適
用したエアーリフト方式による温泉水の汲み上げ装置を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング 2…泉源 3…温泉水汲み上げ管 4…空気管 5…圧縮空気 6…温泉水 7…スケール防止剤注入管 8…スケール防止剤水溶液 9…希釈水 10…高圧ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/14 C02F 5/14 D E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) アスパラギン酸、イミノジコハク酸、
    ポリアスパラギン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選
    ばれる少なくとも1種と、 (b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を含
    むことを特徴とするスケール防止剤。
  2. 【請求項2】(a) アスパラギン酸、イミノジコハク酸、
    ポリアスパラギン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選
    ばれる少なくとも1種と、 (b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を含
    むことを特徴とする温泉水用スケール防止剤。
  3. 【請求項3】(a) アスパラギン酸、イミノジコハク酸、
    ポリアスパラギン酸及びこれらのアルカリ金属塩から選
    ばれる少なくとも1種と、 (b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種を含
    むスケール防止剤を温泉水に添加することを特徴とする
    温泉水スケール防止方法。
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