JP3424838B2 - スケール防止剤及びスケール防止方法 - Google Patents

スケール防止剤及びスケール防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温泉水中に溶存してい
る鉱物質が温泉水汲み上げ装置に付着してスケールを生
成することを防止するためのスケール防止剤及びそのよ
うなスケール防止剤を用いるスケール防止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、温泉水を汲み上げる方法として
は、その温泉源の深さや自噴力等により、種々の方式が
採用されており、例えば、主にポンプを用いて汲み上げ
る方式、地表から空気を泉源に圧入して、汲み上げる所
謂エアー・リフト方式、パイプを泉源に挿入し、自噴力
で汲み上げる方式等が知られているが、いずれの方法に
おいても、管を用いて温泉水を地中から地表に汲み上げ
るものである。
【0003】一般に、温泉水には、種々多様な鉱物質が
溶存しているから、これらのいずれの方式においても、
それら鉱物質が、温泉水のその汲み上げ時に、温泉水の
温度や圧力の変動、空気との接触等によって、不溶化
し、スケールとして、汲み上げ装置を構成する種々の管
の内外の表面に付着し、汲み上げ装置を閉塞する。これ
らのスケールの主成分は、例えば、温泉水中に炭酸水素
カルシウムとして溶解していたものが、汲み上げ時に温
泉水の圧力が減ずることによって炭酸ガスを放出し、炭
酸カルシウムとして不溶化したものであって、汲み上げ
管の内表面等に硬い層状のスケールとして付着し、積層
する。このようなスケールによる管の閉塞は、甚だしい
場合は、僅かに一日間で起こることがある。
【0004】そのようなスケールを除去するには、従
来、機械的に掻き落とす方法や、酸を用いて溶解させる
方法等が採用されているが、前者の方法によれば、多大
の時間と労力を必要とし、しかも、その作業期間中は、
温泉水を汲み上げることができない等の重大な問題を生
じる。他方、後者の方法によれば、酸による管その他の
装置の腐食や公害を引き起こすおそれがある。
【0005】また、従来、上記のような温泉水の汲み上
げにおいて、スケールを防止する方法としては、温泉水
にポリリン酸ナトリウム等のようなスケール防止剤をパ
イプ中に注入する方法が知られているが、この方法で
は、十分なスケール防止効果を得ることができず、依然
として、短期間のうちに管が閉塞する。そこで、このよ
うな方法を改善するために、特開平2−241599号
公報には、地表に汲み上げた温泉水の一部に磁気処理を
施し、更に、これにポリリン酸ナトリウムを溶解混入し
た後、これを温泉水の汲み上げ口に圧入する方法や、或
いは特開昭58−122096号公報に記載されている
ように、ポリアクリル酸ナトリウムの水溶液を温泉井戸
内に圧入する方法等が提案されているが、これらの方法
も、長期間の連続稼働という点に関して、問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温泉水の汲
み上げ装置のスケール防止方法として従来行われていた
ポリリン酸塩溶解液に少量のホスホン酸塩溶液及び又は
ポリカルボン酸溶液を混入し、汲み上げ管に注入管を挿
入して圧入することによって、予期せざる相乗効果によ
って、温泉水の汲み上げの中断等なしに、長期間にわた
って安定してスケール防止に極めて高い効果を得ること
ができることを見出して、本発明に至つたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるスケール防
止剤は、(a) 無機ポリリン酸塩、及び(b) ホスホン酸、
ホスフィン酸、ポリカルボン酸、及びこれらの塩から選
ばれる少なくとも1種を主成分とすることを特徴とす
る。
【0008】また、本発明によるスケール防止方法は、
温泉水の泉源に達する汲み上げ管の中に空気管を設け、
この空気管に圧縮空気を送り込んで、温泉水を汲み上げ
管を経て地表に汲み上げるエアー・リフト方式における
スケール防止方法であって、上記空気管内に注入管を挿
入し、この注入管によって、上記スケール防止剤を空気
管中に注入することを特徴とする。
【0009】本発明によるスケール防止剤は、(a) 無機
ポリリン酸塩、及び(b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポ
リカルボン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも
1種を主成分とするものであって、スレッシュホールド
効果によって、長期間にわたって、安定に且つ有効にス
ケールの成分である炭酸カルシウムの結晶成長を抑制
し、例えば、温泉水の汲み上げ管の内表面における炭酸
カルシウムの析出を防止するのである。
【0010】スレッシュホールド効果とは、一般に、化
学量論的な量よりも少ない量にて目的とする有用な効果
を示すことであって、難溶性塩が析出したとき、その微
細な結晶の表面の成長点に他の物質が吸着されて、結晶
の成長が大幅に遅らされ、その結果として、上記難溶性
塩がスケールに成長するのが抑制されることをいう。本
発明においては、このスレッシュホールド効果とは、無
機ポリリン酸塩が炭酸カルシウムの微細な結晶の表面に
吸着され、炭酸カルシウムの結晶成長が抑制される結
果、スケール化が抑制されることをいう。
【0011】一般に、無機ポリリン酸塩は、熱水によっ
て加水分解されて、スケール防止に効果のないオルソリ
ン酸になり、スレッシュホールド効果が弱まる結果、十
分なスケール防止効果を得ることができない。他方、ホ
スホン酸や、ホスフィン酸、ポリカルボン酸は、スレッ
シュホールド効果を保つが、十分なスケール防止効果を
得るには、多量の使用を必要とするので、運転費用が高
くなり、同様に、ホスホン酸塩やホスフィン酸塩やポリ
カルボン酸塩は、熱水によっても加水分解されず、スレ
ッシュホールド効果を保つが、しかし、十分なスケール
防止効果を得るには、多量の使用を必要とするので、運
転費用が高くなる。
【0012】しかし、本発明に従って、スケール防止剤
として、無機ポリリン酸塩と共に、ホスホン酸、ホスフ
ィン酸、ポリカルボン酸、及びこれらの塩から選ばれる
少なくとも1種の少量を用い、これらを混合溶液として
用いることによって、スケール防止において、著しい相
乗効果があらわれて、長期間にわたるスケール防止効果
を安定して得ることができる。
【0013】本発明によるスケール防止剤において、無
機ポリリン酸や、ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカル
ボン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の
好適な配合量は、温泉水の温度、カルシウム濃度、その
他の塩類の濃度、pH等によるが、無機ポリリン酸は、通
常、揚湯量(汲み上げる温泉水の量)に対して、0.5〜
5ppm の範囲であることが好ましい。また、ホスホン酸
塩、ホスフィン酸塩又はポリカルボン酸塩の量は、(こ
れらを2種以上を用いるときは、その合計量にて、)無
機ポリリン酸塩100重量部に対して、10〜100重
量部の範囲であることが好ましい。
【0014】本発明において、無機ポリリン酸塩として
は、好ましくは、一般式(I) Mn+2 n 3n+1 (I) (式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を示し、nは1
以上の整数である。)又は一般式(II) (MPO3 m (II) (式中、Mは前記と同じであり、mは3以上の整数であ
る。)で表わされる化合物が用いられる。
【0015】このような無機ポリリン酸塩としては、例
えば、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリ
ウム、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリ
ウム、テトラメタリン酸カリウム、テトラメタリン酸ナ
トリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリ
ン酸カリウム等の直鎖状又は環状のリン酸化合物を挙げ
ることができる。
【0016】また、本発明において用いるホスホン酸又
はその塩又はホスフィン酸又はその塩は、好ましくは、
一般式(III)〜(VII)で表わされる。
【0017】
【化1】
【0018】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0019】
【化2】
【0020】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0021】
【化3】
【0022】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示す。)
【0023】
【化4】
【0024】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示し、zは1〜4の整数を示す。)
【0025】
【化5】
【0026】(式中、Mはそれぞれ独立に水素原子又は
アルカリ金属を示し、xとyとの和は4〜16の範囲の
整数である。) このような一般式で表わされるホスホン酸又はその塩又
はホスフィン酸又はその塩としては、例えば、2−ホス
ホノブタントリカルボン酸−1,2,4、2−ホスホノブタ
ントリカルボン酸−1,2,4−一ナトリウム塩、2−ホス
ホノブタントリカルボン酸−1,2,4−一カリウム塩、2
−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−二ナトリウ
ム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−二
カリウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,
4−三ナトリウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン
酸−1,2,4−三カリウム塩、2−ホスホノブタントリカ
ルボン酸−1,2,4−四ナトリウム塩、2−ホスホノブタ
ントリカルボン酸−1,2,4−四カリウム塩や、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキ
シエチリデン−1,1−ジホスホン酸−一ナトリウム塩、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸−一カ
リウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸−二ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸−一二カリウム塩、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸−一三ナトリウム塩、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸−一三カ
リウム塩や、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)−一ナトリウム塩、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)−一カリウム塩、アミノ
トリ(メチレンホスホン酸)−一二ナトリウム塩、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)−一二カリウム塩、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)−一三ナトリウム塩、ア
ミノトリ(メチレンホスホン酸)−一三カリウム塩、ア
ミノトリ(メチレンホスホン酸)−一四ナトリウム塩、
アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一四カリウム塩、
アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一五ナトリウム
塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−一五カリウム
塩や、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)
−一ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)−一カリウム塩、エチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)−一二ナトリウム塩、エチレン
ジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一二カリウム
塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−
一三ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)−一三カリウム塩、エチレンジアミンテト
ラ(メチレンホスホン酸)−一四ナトリウム塩、エチレ
ンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一四カリウ
ム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)
−一五ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレ
ンホスホン酸)−一五カリウム塩、エチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)−一六ナトリウム塩、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−一六カリ
ウム塩や、また、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)
ホスフィン酸、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホ
スフィン酸ナトリウム、ビス(ポリ−2−カルボキシエ
チル)ホスフィン酸カリウム等を挙げることができる。
【0027】更に、本発明において用いるポリカルボン
酸又はその塩としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタク
リル酸ナトリウム、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸ナ
トリウム、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル
酸−マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクリル酸−オ
レフイン共重合体、アクリル酸−オレフイン共重合体ナ
トリウム塩、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体ナトリ
ウム塩等を挙げることができる。
【0028】特に、本発明によるスケール防止剤は、温
泉水の汲み上げにおけるエアー・リフト方式に有利に適
用することができる。エアー・リフト方式とは、図1に
示すように、ケーシング1にて井戸を構築し、その井戸
の底部の泉源2に達する汲み上げ管3を配設し、その中
に空気管4を設け、この空気管にエア・コンプレッサ
(図示せず)によって圧縮空気5を送り込んで、汲み上
げ管3を経て温泉水6を地表に溢れさせる方式である。
【0029】このような温泉水の汲み上げのためのエア
ー・リフト方式において、空気管や汲み上げ管にスケー
ルが生成し、付着する部位から下方に向かって、上記空
気管4の中に注入管7を挿入し、前述した本発明による
スケール防止剤をその注入管7によって空気管4中に圧
入することによって、汲み上げ管の表面や空気管の外表
面におけるスケール生成を有効に防止することができ
る。
【0030】本発明によれば、例えば、ディスペンサー
にポリリン酸ナトリウム8を充填し、このディスペンサ
ーを通過させる水9に、ホスホン酸、ホスフィン酸、ポ
リカルボン酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1
種を含む水溶液10を注入して、本発明によるスケール
防止剤を調製し、これを高圧ポンプ11にて、前記注入
管7に圧入する。
【0031】
【発明の効果】本発明によるスケール防止剤は、上述し
たように、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩及びポリカル
ボン酸塩から選ばれる少なくとも1種と無機ポリリン酸
塩とを主成分とするものであって、その相乗効果によっ
て、長期間にわたって、安定して、温泉水の汲み上げに
おいて、スケールを防止することができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0033】実施例1 熱水(100℃)と蒸気を自噴する噴気沸騰泉であっ
て、自噴力が弱く、エアーリフト方式で温泉水を汲み上
げている温泉井戸において、地下120〜160mの間
に炭酸カルシウムを主成分とするスケールが汲み上げ管
の内表面に付着するので、隔日毎に機械的にスケールを
掻き落としていた温泉水汲み上げ装置がある。この温泉
水汲み上げ装置に本発明による方法にてスケール防止剤
を適用し、スケール防止を図った。
【0034】図1に示すように、ポリリン酸ナトリウム
8のガラス状固形物を充填したディスペンサーに20リ
ットル/分の割合にて通水する際に、この水に2−ホス
ホノブタントリカルボン酸1,2,4−ナトリウム塩の5%
水溶液10を3ml/分の速度で注入して、五酸化リン換
算にて12ppm のポリリン酸ナトリウムを含む本発明に
よるスケール防止剤を調製した。
【0035】前述したように、空気管の中に注入管を挿
入し、高圧ポンプを用いて、上記スケール防止剤を圧力
11kg/cm2、流量20リットル/分にて上記注入管から
空気管内に注入しつつ、温泉水を120リットル/分の
割合にて汲み上げた。温泉水の汲み上げの開始時からの
エア・コンプレッサの圧力変化を表1に示す。一般に、
エア・コンプレッサの圧力は、空気管の外表面や汲み上
げ管の内表面にスケールが付着し、蓄積されるに従って
増大する。本発明によるスケール防止剤を上述したよう
にして空気管内に注入することによって、90日後にお
いても、エア・コンプレッサの圧力は、初期の圧力より
も0.5kg/cm2上昇したにとどまり、十分な量の温泉水を
汲み上げることができた。また、90日後に空気管を引
き上げたところ、空気管の外表面に僅かのスケール付着
が認められたにすぎなかった。
【0036】実施例2 実施例1において、2−ホスホノブタントリカルボン酸
1,2,4−ナトリウム塩に代えて、平均分子量3000の
ポリアクリル酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と
同様にして、温泉水の汲み上げを行なって、温泉水の汲
み上げの開始時からのエア・コンプレッサの圧力変化を
表1に示す。実施例1の場合と同様に、90日後におい
ても、エア・コンプレッサの圧力は、初期の圧力よりも
0.5kg/cm2上昇したにとどまり、十分な量の温泉水を汲
み上げることができた。
【0037】実施例3 実施例1において、2−ホスホノブタントリカルボン酸
1,2,4−ナトリウム塩に代えて、2−ホスホノブタント
リカルボン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、
温泉水の汲み上げを行なって、温泉水の汲み上げの開始
時からのエア・コンプレッサの圧力変化を表1に示す。
実施例1の場合と同様に、90日後においても、エア・
コンプレッサの圧力は、初期の圧力よりも0.5kg/cm2
昇したにとどまり、十分な量の温泉水を汲み上げること
ができた。
【0038】
【表1】
【0039】比較例1 実施例1において、圧力11kg/cm2、流量20リットル
/分にて、スケール防止剤に代えて、水のみを空気管内
に注入したところ、表1に示すように、2日後には、コ
ンプレッサ圧力が10.5kg/cm2まで上昇し、空気管の内
表面にはスケールが付着して、温泉水の汲み上げが不可
能となった。
【0040】比較例2 実施例1において、スケール防止剤として、ポリリン酸
ナトリウムを五酸化リンとして15ppm 溶解させた水溶
液を、圧力11kg/cm2、流量20リットル/分にて空気
管内に注入した。その結果、表1に示すように、7日後
には、コンプレッサ圧力が10.2kg/cm2まで上昇し、空
気管の内表面にはスケールが付着して、温泉水の汲み上
げが不可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の方法に従ってスケール防止剤を適
用したエアーリフト方式による温泉水の汲み上げ装置を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…泉源、3…温泉水汲み上げ管、4
…空気管、5…圧縮空気、6…温泉水、7…スケール防
止剤注入管、8…ポリリン酸ナトリウム、9…水、10
…ホスホン酸塩又はポリカルボン酸塩水溶液、11…高
圧ポンプ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 5/10 C02F 5/10 620F 5/14 5/14 A (72)発明者 市川 隆司 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工 業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 小淵 格龍 群馬県伊勢崎市長沼町623−2 (72)発明者 野邑 憲二 千葉県四街道市大日516−8 (56)参考文献 特開 平2−241599(JP,A) 特開 昭61−220794(JP,A) 特公 昭57−28320(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 5/00 - 5/14 C11D 1/00 - 19/00 C09K 3/00 C23F 11/00 - 11/18 C23F 14/00 - 17/00 F28F 19/00 - 19/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 無機ポリリン酸アルカリ金属、 (b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種とか
    らなることを特徴とする温泉水の汲み上げ装置のための
    スケール防止剤。
  2. 【請求項2】無機ポリリン酸アルカリ金属塩100重量
    部に対して、ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン
    酸及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも
    1種10〜100重量部とからなる請求項1に記載の温
    泉水の汲み上げ装置のためのスケール防止剤。
  3. 【請求項3】無機ポリリン酸アルカリ金属塩がカリウム
    塩又はナトリウム塩であり、ホスホン酸、ホスフィン酸
    又はポリカルボン酸のアルカリ金属塩がカリウム塩又は
    ナトリウム塩である請求項1又は2に記載の温泉水の汲
    み上げ装置のためのスケール防止剤。
  4. 【請求項4】温泉水の泉源に達する汲み上げ管の中に空
    気管を設け、この空気管に圧縮空気を送り込んで、温泉
    水を汲み上げ管を経て地表に汲み上げるエアー・リフト
    方式における温泉水汲み上げ装置のスケール防止方法で
    あって、上記空気管内に注入管を挿入し、この注入管に
    よって、 (a) 無機ポリリン酸アルカリ金属、 (b) ホスホン酸、ホスフィン酸、ポリカルボン酸及びこ
    れらのアルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種とか
    らなるスケール防止剤を空気管中に注入することを特徴
    とするスケール防止方法。
  5. 【請求項5】ポリリン酸アルカリ金属塩を揚湯量に対し
    て0.5〜5ppm の範囲で用いると共に、ホスホン酸、ホ
    スフィン酸、ポリカルボン酸及びこれらのアルカリ金属
    塩から選ばれる少なくとも1種をポリリン酸アルカリ金
    属塩100重量部に対して1 0〜100重量部の範囲で
    用いる請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】無機ポリリン酸アルカリ金属塩がカリウム
    塩又はナトリウム塩であり、ホスホン酸、ホスフィン酸
    又はポリカルボン酸のアルカリ金属塩がカリウム塩又は
    ナトリウム塩である請求項4又は5に記載の方法。
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