JP2000154996A - ボイラのスケ―ル除去方法 - Google Patents

ボイラのスケ―ル除去方法

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JP2000154996A JP11232947A JP23294799A JP2000154996A JP 2000154996 A JP2000154996 A JP 2000154996A JP 11232947 A JP11232947 A JP 11232947A JP 23294799 A JP23294799 A JP 23294799A JP 2000154996 A JP2000154996 A JP 2000154996A
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Junichi Nakajima
純一 中島
Masazumi Yamashita
正純 山下
Kenichi Kimura
健一 木村
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Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイラ缶水中に薬剤を添加することにより、
ボイラを運転しながらスケールを除去する方法を提供す
る。 【解決手段】 ボイラ缶水が中性またはアルカリ性であ
る条件下で、前記ボイラ缶水中のキレート剤および分散
剤の合計濃度を所定濃度に調節することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ボイラのスケー
ル除去方法に関し、より詳細には、ボイラを運転しなが
らスケールを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラの運転中には、固い水不溶性の結
晶状固形分,いわゆるスケールが水管の内側,すなわち
伝熱壁に徐々に付着することがある。たとえば、炭酸カ
ルシウムCaCO3,硫酸カルシウムCaSO4等の硬度
成分は、水温が上昇しても水に対する溶解度が上がら
ず、かえって低下したりすることもあるので、伝熱壁で
の水の加熱および濃度によって析出して、スケールとし
て伝熱壁に付着する。また、炭酸水素カルシウムCa
(HCO32のような比較的水溶性の塩が加熱により分
解されて水不溶性の塩,すなわち炭酸カルシウムCaC
3になりスケール化することもある。
【0003】スケールの原因物質としては、カルシウム
塩やマグネシウム塩等の硬度成分の他に、シリカSiO
2が挙げられる。シリカSiO2は、地表水の大半に含ま
れており、これが硬度成分や他の金属イオン,たとえば
亜鉛,アルミニウム,鉄等と結合してスケール化する。
たとえば、シリカSiO2と硬度成分とが結合すると、
高温水中で溶解度が低い物質を生成し、伝熱壁での加熱
濃縮により析出してスケールとなる。また、鉄は、水酸
化物や酸化物の形で系内へ持ち込まれ、沈降の遅い微粒
子またはコロイドを生じ、これが伝熱壁に付着し、この
付着物が乾湿の繰返し等により焼き固められてスケール
となる。
【0004】スケールが伝熱壁に付着すると、種々の問
題を引き起こすことになる。まず、スケールの熱伝導率
は、水管の材質(軟鋼)に比べて数百分の一と小さいの
で、伝熱壁へのスケールの付着により、火炎の熱が水管
内の水,すなわちボイラ缶水に伝わりにくくなり、熱効
率が非常に低下し、燃料消費量の増大の原因となる。ま
た、火炎の熱がボイラ缶水に伝わりにくくなると、伝熱
壁の温度が非常に高くなり、その金属強度が低下する。
そして、水管内部は、通常高圧になっているので、伝熱
壁の金属強度が水管の内圧に耐えられなくなり、膨出,
烈開,破裂等の事故を起こす。
【0005】そこで、スケールの付着を防止するため、
ボイラ供給水を軟水器等の装置によって軟化処理する,
またブロー管理によってスケール化成分の濃度をその溶
解度内に保つ,あるいはまた薬剤を使用して硬度成分を
スラッジ化する等の方法が採用されている。これらの方
法を詳細に説明すると、まずボイラ供給水を軟水器等の
装置により軟化処理する方法は、スケールの原因となる
ボイラ供給水中の硬度成分,すなわちカルシウムイオン
やマグネシウムイオン等を軟水器中の陽イオン交換樹脂
によって、ナトリウムイオンと交換して除去し、スケー
ルの付着を防止する方法である。
【0006】つぎに、ブロー管理によってスケール化成
分の濃度をその溶解度内に保つ方法とは、定期的にボイ
ラ缶水を系外へ排出(ブロー)する管理をより適切にし
て、ボイラ缶水内のスケール化成分の濃度をその溶解度
内に保ち、スケールの付着を防止する方法である。ただ
し、過剰にブローすると、ボイラの缶体が腐食しやすく
なるとともに、熱を余分に捨てることになる等の問題点
を生じる。
【0007】つぎに、薬剤を使用して硬度成分をスラッ
ジ化する方法とは、硬度成分がスケール化する前に薬剤
を使用して、スケールが析出しやすい水管の内表面から
遠い所で、硬度成分を水に対する溶解度がスケールより
低い沈殿物(スラッジ)に変え、生成したスラッジをブ
ロー毎に系外へ排出して除去することにより、スケール
化を起こりにくくする方法である。使用する薬剤として
は、通常、リン酸系の薬剤が用いられるが、近年、リン
の排水規制が厳しくなってきており、この方法は使用し
にくくなってきている。
【0008】以上のように、スケールの付着を防止する
方法が種々採用されているが、これらの方法によっても
スケールの付着を充分に防止することは困難であり、付
着したスケールを除去する作業が必要となる。ここで、
スケールは、非常に固く機械的に除去することは困難で
あるので、通常は、酸洗作業によりスケールの除去が行
われる。硬度成分単独からなるスケールの場合は、塩酸
を加えて加熱することにより付着したスケールを溶解し
除去する方法が行われている。一方、硬度成分とシリカ
SiO2とが結合して生成されたスケールは、塩酸のみ
では除去することはできないので、塩酸とフッ酸系の薬
剤を併用してスケールを溶解し、除去する。また、鉄化
合物により生成された鉄系スケールは、クエン酸を用い
て溶解し、除去する方法が行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記酸洗作業
を行うと、作業中はボイラを休止しなければならず、ま
たボイラ材料の鉄が酸の作用により腐食する等の問題が
生じる。また、塩酸や,とくにフッ酸系の薬剤を使用す
る場合には、これらは非常に危険な薬剤であるため、取
扱いに細心の注意を払う必要がある。
【0010】また、ボイラを運転しながらスケールを除
去する場合に、ホスホン酸を主成分とした薬剤が用いら
れているが、この薬剤は、酸性の薬剤であるため、ボイ
ラ缶水中に過剰に添加すると、ボイラ缶体の腐食の原因
となると云う問題がある。したがって、通常のボイラ缶
水の水質である中性またはアルカリ性の条件下におい
て、前記のような腐食の問題を発生せず、薬剤を使用し
て効果的にスケールを除去する方法が望まれていた。
【0011】この発明は、前記問題点に鑑み、ボイラ缶
水中に薬剤を添加することにより、ボイラを運転しなが
らスケールを除去する方法を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたものであって、請求項1に記載
の発明は、ボイラ缶水が中性またはアルカリ性である条
件下で、前記ボイラ缶水中のキレート剤および分散剤の
合計濃度を所定濃度に調節することを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記キレート剤
は、以下の化合物のいずれか1つまたは2つ以上の組合
わせであることを特徴としている。 a.エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および/また
はその塩 b.ポリアルキレンポリアミンおよび/またはその塩 c.ビピリジンおよび/またはその塩 d.グリシンおよび/またはその塩 e.アセチルアセトン f.ニトリロ三酢酸(NTA)および/またはその塩 g.アミノトリ(メチルホスホン酸)および/またはそ
の塩 h.1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
および/またはその塩
【0014】請求項3に記載の発明は、前記分散剤は、
以下の化合物のいずれか1つまたは2つ以上の組合わせ
であることを特徴としている。 a.ポリマレイン酸および/またはその塩 b.2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
(PBTC)および/またはその塩 c.ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸
および/またはその塩 d.ホスフィノカルボン酸共重合物および/またはその
塩 e.アクリル酸アクリルアミド共重合物および/または
その塩 f.ポリアクリル酸および/またはその塩
【0015】請求項4に記載の発明は、前記キレート剤
および前記分散剤の合計濃度は、500〜5000ppm
であることを特徴としている。
【0016】さらに、請求項5に記載の発明は、前記キ
レート剤および前記分散剤の重量比は、3:97〜9
7:3の範囲にあることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明においては、ボイラの運転中
に、キレート剤および分散剤を含んだスケール除去剤を
同時にボイラ缶水中へ添加する。具体的には、ボイラの
給水ラインに薬剤注入装置を設け、この薬剤注入装置の
薬液タンクに前記スケール除去剤を貯留しておき、この
薬剤注入装置のポンプを作動させて、前記スケール除去
剤をボイラ給水へ添加する。このとき、他の薬剤,たと
えば清缶剤,脱酸素剤等を同時に添加してもよい。
【0018】この発明は、以下の知見を得て、鋭意研究
の結果なされたものである。この知見とは、まずボイラ
を運転しながらスケールを除去する方法においては、ス
ケールの除去速度が速すぎると、除去されたスケールが
水管の絞り部分等に堆積し、水管の閉塞を起こす問題が
ある。逆に、スケールの除去速度が遅すぎると、熱効率
の低下や水管の膨出,烈開,破裂等を引き起こすおそれ
がある。したがって、スケールの除去速度は、前記のよ
うな問題がないような適度なものでなければならない。
また、前記キレート剤は、スケールを溶解する作用もあ
るが、溶解されたスケールの再付着も起こりやすく、そ
の結果、水管の閉塞を起こす可能性がある。さらに、前
記分散剤もスケールを分散して除去する作用があるが、
分散速度は遅く、したがってスケールの除去速度は遅
い。以上の知見から、特定のキレート剤と特定の分散剤
とを組み合わせたものをボイラの缶水へ添加し、スケー
ルを除去する方法を発明した。
【0019】この発明において、前記キレート剤とは、
金属イオンと配位結合を形成することが可能な基を2個
以上有する化合物で、水溶性のものを云う。このキレー
ト剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が
例示され、またエチレンジアミン,プロピレンジアミ
ン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン等
のポリアルキレンポリアミンが例示され、さらにビピリ
ジン,グリシン,アセチルアセトン,ニトリロ三酢酸
(NTA),アミノトリ(メチルホスホン酸),1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等が例示さ
れ、これらの化合物(アセチルアセトンを除く。)の塩
も例示として含まれる。中でも、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)およびニトリロ三酢酸(NTA)が好ま
しく、これらの塩も同様に好ましい。
【0020】そして、前記分散剤としては、ポリマレイ
ン酸,2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン
酸(PBTC),ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)
ホスフィン酸,ホスフィノカルボン酸共重合物,アクリ
ル酸アクリルアミド共重合物,ポリアクリル酸等が例示
され、これらの化合物の塩も例示として含まれる。
【0021】これらの中で、硬度成分単独からなるスケ
ールや硬度成分とシリカSiO2が結合したスケール
(硬度/シリカ系スケール)の除去には、ポリマレイン
酸,2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
(PBTC),ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホ
スフィン酸,アクリル酸アクリルアミド共重合物,ポリ
アクリル酸等が好ましく、これらの塩も同様に好まし
い。とくに好ましいのは、ポリマレイン酸またはその塩
である。また、鉄化合物からなる鉄系スケールの除去に
は、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸
およびホスフィノカルボン酸共重合物が好ましく、これ
らの塩も同様に好ましい。とくに好ましいのは、ビス
(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸またはそ
の塩である。
【0022】前記スケール除去剤中でのキレート剤と分
散剤との比率は、3:97〜97:3であり、好ましく
は15:85〜85:15であり、より好ましくは2
5:75〜75:25である。
【0023】前記スケール除去剤は、通常、水に溶解さ
れ、水溶液として製造し、保存して使用される。水溶液
中の前記キレート剤および前記分散剤の濃度は、それぞ
れ通常1〜40重量%であるが、とくに限定されるもの
ではない。前記スケール除去剤は、前記キレート剤およ
び前記分散剤を混合することによって得られるが、通常
は、前記キレート剤および前記分散剤の所定量を水,そ
の他の水系溶媒等に添加溶解することにより得られる。
前記キレート剤と前記分散剤とを混合した後、それを水
に溶解してもよい。
【0024】また、前記スケール除去剤は、この発明の
目的を損なわない範囲で、ジメチル−p−置換ベンジル
スルホニウムクロリド等の腐食抑制剤を添加してもよ
い。
【0025】さらに、前記スケール除去剤は、この発明
の目的を損なわない範囲で、他の成分を添加してもよ
い。この他の成分としては、水酸化ナトリウムNaO
H,水酸化カリウムKOH,炭酸ナトリウムNa2
3,炭酸カリウムK2CO3等のpH調整剤が例示され
る。これらのpH調整剤は、前記キレート剤および前記
分散剤のうち酸性を示すものがあるので、これを中和し
てスケール除去剤として中性にするために添加される。
【0026】ところで、前記スケール除去剤は、ボイラ
缶水中の濃度が、500〜5000ppm,好ましくは20
00〜3000ppmを保つように、ボイラ缶水中に添加
される。たとえば、ブロー率が10%の場合は、前記ス
ケール除去剤の量が、ボイラ缶水の全量に対して200
〜300ppmとなるように、ブロー毎に添加する方法が
例示される。また、前記スケール除去剤をボイラ缶水の
全量に対して2000〜3000ppmとなるように一括
添加し、定期的にボイラ缶水を全ブローする方法も例示
される。
【0027】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を詳細に説明
するが、この発明は、これらに限定されるものではな
い。また、実施例中の「部」は、重量部を表す。
【0028】まず、以下に説明するような4種類のスケ
ール除去剤を調整した。第一の薬剤として、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−2Na)を15
部,ポリマレイン酸を7.5部,水酸化ナトリウムを6
部および水を71.5部の割合で混合して溶解し、スケ
ール除去剤(以下、「薬剤A」と云う)を調整した。ま
た、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−
2Na)を15部,ビス(ポリ−2−カルボキシエチ
ル)ホスフィン酸を6部,水酸化ナトリウムを4.1部
および水を74.9部の割合で混合して溶解し、スケー
ル除去剤(以下、「薬剤B」と云う)を調整した。ま
た、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA−
2Na)を15部,ポリアクリル酸ナトリウムを9部,
水酸化カリウムを3部および水を73部の割合で混合し
て溶解し、スケール除去剤(以下、「薬剤C」と云う)
を調整した。さらに、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム(EDTA−2Na)を15部,アクリル酸アクリ
ルアミド共重合物を9部,ポリアクリル酸塩を1部およ
び水を75部の割合で混合して溶解し、スケール除去剤
(以下、「薬剤D」と云う)を調整した。
【0029】つぎに、この発明の第一実施例について説
明する。硬度成分単独および硬度成分とシリカSiO2
の結合したスケールを付着させた保有水量約0.15リ
ットルのボイラ(実験用ボイラ)に硬度0.4ppmの軟
水を給水し、大気圧下で運転した。この運転時に、薬剤
Aを添加して、ボイラ缶水中の濃度が、2000〜30
00ppmを保つようにしながら、2時間毎に全ブローを
した。このときのボイラ缶水のpHは、約11.5であ
った。そして、8時間運転した後の除去効果を測定した
結果を図1に示す。また、同じ操作を、薬剤Aの代わり
に薬剤Bまたは薬剤Cを用いて行うとともに、比較のた
めに、同じ操作を薬剤を添加せずに行った。それらの結
果も合わせて図1に示す。図1から明らかなように、こ
の発明に係る薬剤によって、優れたスケール除去効果が
得られる。とくに、分散剤として、ポリマレイン酸を用
いた薬剤Aは優れている。ここにおいて、無添加の場合
は、除去量がゼロであった。
【0030】つぎに、この発明の第二実施例について説
明する。鉄化合物からなる鉄系スケールを付着させた保
有水量約0.15リットルのボイラ(実験用ボイラ)に
硬度0.4ppmの軟水を給水し、大気圧下で運転した。
この運転時に、薬剤Bを添加して、ボイラ缶水中の濃度
が、2000〜3000ppmを保つようにしながら、2
時間毎に全ブローをした。このときのボイラ缶水のpH
は、約11.5であった。そして、8時間運転した後の
除去効果を測定した結果を図2に示す。また、同じ操作
を、薬剤Bの代わりに薬剤Aまたは薬剤Dを用いて行う
とともに、比較のために、同じ操作を薬剤を添加せずに
行った。それらの結果も合わせて図2に示す。図2から
明らかなように、この発明に係る薬剤であって、分散剤
として、ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィ
ン酸を用いた薬剤Bは、優れたスケール除去効果が得ら
れる。この実施例においても、無添加の場合は、除去量
はゼロであった。
【0031】以上にように、キレート剤と分散剤の組合
わせによるスケール除去剤をボイラの運転中に、ボイラ
缶水中に一定濃度で維持することにより、優れたスケー
ル除去性能を発揮することができる。ここで、キレート
剤として列挙している化合物は、金属イオンに配位する
場合の結合の手がカルボキシル基の酸素原子,窒素原
子,リン酸基の酸素原子等であり、配位の結合力は、基
本的に電気的なものであって、同一である。したがっ
て、キレート剤の一種を単独で使用しても、あるいは数
種を組合わせて使用しても同じ作用が得られる。
【0032】また、スケールを防止するために分散剤を
投入する場合には、スケールの核があっても、それらの
核同士が結びつかないように分散剤が働くことは周知の
ことである。この発明において、キレート剤と分散剤の
組合わせで有効な作用が得られたのは、キレート剤によ
り剥離されたスケールが、分散剤により微粒子のまま水
中に保持されるためであると考えられる。分散剤が働く
作用機構は、以上のようなものであり、分散剤の一種を
単独で使用しても、あるいは何種か組合わせて使用して
も同じ作用が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ボイ
ラ缶水中に薬剤を添加することにより、ボイラの運転を
休止することなく、通常の運転をしながらスケールを除
去する方法を提供することができる。また、この発明に
係るスケール除去方法は、酸洗作業のような危険性がな
く安全性が高いとともに、ボイラ缶水が中性またはアル
カリ性の条件下で行うので、ボイラを腐食させることが
ない。さらに、この発明に係るスケール除去方法におい
ては、スケール除去速度は適度であり、除去されたスケ
ールが水管の絞り部分等に堆積して水管の閉塞を起こす
問題や、熱効率の低下や水管の膨出,烈開,破裂等の問
題を起こしにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例におけるスケール除去効
果を示すグラフである。
【図2】この発明の第二実施例におけるスケール除去効
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/14 C02F 5/14 C D F22B 37/52 F22B 37/52 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ缶水が中性またはアルカリ性であ
    る条件下で、前記ボイラ缶水中のキレート剤および分散
    剤の合計濃度を所定濃度に調節することを特徴とするボ
    イラのスケール除去方法。
  2. 【請求項2】 前記キレート剤は、以下の化合物のいず
    れか1つまたは2つ以上の組合わせであることを特徴と
    する請求項1に記載のボイラのスケール除去方法。 a.エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および/また
    はその塩 b.ポリアルキレンポリアミンおよび/またはその塩 c.ビピリジンおよび/またはその塩 d.グリシンおよび/またはその塩 e.アセチルアセトン f.ニトリロ三酢酸(NTA)および/またはその塩 g.アミノトリ(メチルホスホン酸)および/またはそ
    の塩 h.1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
    および/またはその塩
  3. 【請求項3】 前記分散剤は、以下の化合物のいずれか
    1つまたは2つ以上の組合わせであることを特徴とする
    請求項1に記載のボイラのスケール除去方法。 a.ポリマレイン酸および/またはその塩 b.2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
    (PBTC)および/またはその塩 c.ビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸
    および/またはその塩 d.ホスフィノカルボン酸共重合物および/またはその
    塩 e.アクリル酸アクリルアミド共重合物および/または
    その塩 f.ポリアクリル酸および/またはその塩
  4. 【請求項4】 前記キレート剤および前記分散剤の合計
    濃度は、500〜5000ppmであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラのスケール
    除去方法。
  5. 【請求項5】 前記キレート剤および前記分散剤の重量
    比は、3:97〜97:3の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラのスケー
    ル除去方法。
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