JP2013086029A - 蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法 - Google Patents

蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボイラ類における水側缶内の鉄スケール防止方法であって、給水と共に持込まれる鉄分が、伝熱面に付着することによるエネルギーロスを防止すると共に、ブロー水を削減した高濃縮運転を可能とし、かつ鉄を含むドレンを回収することで熱エネルギーの回収を行うことによるエネルギーコストの削減を図る鉄スケール防止方法を提供する。
【解決手段】ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備において、カルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーを添加する、蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備の蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法に関する。
ボイラ水中では、給水から持込まれる鉄分が酸化鉄となり、これがボイラプラント中に堆積して腐食や伝熱障害等を引起こすことが知られている。そこで、特許文献1には、分子量200〜10万のポリアクリルアミド又はその部分加水分解物と、分子量300〜10万のアクリル酸塩系重合体とを含むボイラ水用鉄分散剤が開示されている。
また、軟水を補給水とするボイラ及び/又は蒸気発生設備においては、軟水中に微量に存在する硬度成分や、軟水器等からリークし蒸気発生設備等の水系に混入した硬度成分が、軟水中に含まれている炭酸イオンやシリカ成分と結合してスケールが生じる。一旦生じたスケールは再び水に溶けることはなく、水系設備内に付着又は堆積して水系設備自体の障害を引き起こす場合があることが知られている。
そこで、このような障害に対処するために、特許文献2においては、硬度成分及びシリカに対して高いスケール防止効果を示す、分子量2万〜7万のポリアクリル酸塩を含有する蒸気発生設備用のスケール防止剤が開示されている。特許文献2には、このスケール防止剤を添加することで、従来より高濃縮運転が可能となり、エネルギーコストを削減し得ることが記載されている。
さらに、特許文献3には、鉄化合物及び懸濁物質が存在する水系におけるスケール防止方法であって、処理対象水の濁度を12度以下及び全鉄濃度をFeとして1mg/L以下に制御すると共に、該処理対象水にスケール防止剤を添加するスケール防止方法が開示されている。
また、特許文献4には、pHが9.0以上であるボイラ水を処理してスケール生成を防止するための有効成分として、重量平均分子量が1000〜10万の(メタ)アクリル酸・イタコン酸の線状ランダム共重合体を含有するボイラ水系用イオン封鎖剤、及びそれを用いるスケール生成防止方法が開示されている。
また、特許文献5及び6には、ドレンの水質を採取、測定、判定することによりドレンの回収可否を判断するというボイラ装置の復水供給方法及び給水装置が開示されている。
特開昭62−144741号公報 特開2010−172816号公報 特開2008−6369号公報 特公平7−62266号公報 特開2003−343806号公報 特開2006−284209号公報
特許文献1の技術は、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸を併用することによる鉄の分散効果を示した技術であるが、実機における鉄のスケール防止効果は不充分であった。
特許文献2の技術は、高分子量(2万〜7万)のポリアクリル酸Naを用いることで、硬度成分及びシリカに対して、優れたスケール防止効果が得られることを示しているものの、鉄の分散効果についてはなんら言及されていない。
特許文献3の技術は、鉄化合物及びその他の懸濁物質を含む用水の水処理に関する技術であるが、主として冷却水系を対象とした技術であり、また分散剤で水処理可能な鉄濃度の上限を1mg/Lとしており、それ以上含まれる用水については、前処理が必要であるという問題があった。
特許文献4の技術は、イオン封鎖剤として、特定組成の(メタ)アクリル酸・イタコン酸ランダム共重合体を用いる技術であるが、実機において、上記共重合体をイオン封鎖剤として添加することによる鉄の分散効果は、必ずしも充分とは云えなかった。そのため、熱と水の有効利用のために蒸気凝縮水(ドレン水)を回収しようとした際に、ドレン水中に鉄が多く含まれると回収を断念せざるを得ない場合があった。
特許文献5及び6の技術は、水質基準を外れたドレンは一切回収することができず、復水回収による節水・省エネルギーメリットを享受できないという問題があった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備(以下、「ボイラ類」ともいう)における水側缶内の鉄スケール防止方法であって、給水と共に持込まれる鉄分が、伝熱面に付着することによるエネルギーロスを防止すると共に、ブロー水を削減した高濃縮運転を可能とし、かつ鉄を含むドレンを回収することで熱エネルギーの回収を行うことによるエネルギーコストの削減を図る鉄スケール防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーを添加することで、給水と共に持込まれる鉄分のスケール化を効果的に抑制することができ、その結果、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[5]を提供するものである。
[1]ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備において、カルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーを添加することを特徴とする、蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法。
[2]水溶性ポリマーが、重量平均分子量0.1万〜10万のポリアクリル酸塩である、上記[1]の鉄スケール防止方法。
[3]カルシウムイオン形成剤の添加量が、CaCO3換算で給水から持込まれる鉄量の0.3質量倍以上である、上記[1]又は[2]の鉄スケール防止方法。
[4]水溶性ポリマーを、給水系に対しカルシウム濃度(CaCO3換算)の0.5〜10倍量を添加する、上記[1]〜[3]のいずれかの鉄スケール防止方法。
[5]カルシウムイオン形成剤として、カルシウムイオンを含む原水を使用する、上記[1]〜[4]のいずれかの鉄スケール防止方法。
[6]鉄を含むドレンの回収率に応じて、カルシウムイオンとカルボキシル基を有する水溶性ポリマーの添加量を調整する、上記[1]〜[5]のいずれかの鉄スケール防止方法。
本発明の蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法によれば、給水と共に持込まれる鉄分のスケール化を効果的に抑制することができ、鉄分が伝熱面に付着することによるエネルギーロスを防止すると共に、ブロー水を削減した高濃縮運転を可能とし、かつ鉄を含むドレンを回収することで熱エネルギーの回収を行うことによるエネルギーコストの削減を図ることができる。
本発明の蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法(以下、単に「鉄スケール防止方法」ともいう)は、ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備において、カルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーを添加することを特徴とする。
本発明の鉄分のスケール化を抑制する作用機構については必ずしも明確ではないが、添加したカルシウムイオンが鉄と結合することにより、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーの共存下において、ボイラ缶内でスケール化することが防止されるものと考えられる。
<カルシウムイオン形成剤>
本発明の鉄スケール防止方法において、高温水系(ボイラ類の給水ライン、給水タンク等の給水系)、又はドレン回収ラインに必須成分として添加されるカルシウムイオン形成剤とは、水溶性のカルシウム化合物であればよく、特に制限はない。しかしながら、製剤化及び添加しやすさの観点から、水に対して溶解しやすい塩化カルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム等のカルシウム塩が好ましく、塩化カルシウムがより好ましい。
なお、カルシウムイオン形成剤と、後述するポリアクリル酸塩とは混合してから添加してもよいし、別々に添加してもよい。
なお、原水がカルシウムイオンを含む場合は、カルシウムイオン形成剤として、当該カルシウムイオンを含む原水を利用することもできる。
当該カルシウムイオン形成剤の添加量は、ボイラ類の水側缶内の鉄スケール防止効果の観点から、CaCO3換算で給水から持込まれる鉄量の0.3質量倍以上であることが好ましく、0.5質量倍以上であることがより好ましく、1.0質量倍以上であることが更に好ましい。当該添加量の上限は、カルシウムイオン形成剤のスケール化を防ぐ観点から、CaCO3換算で給水から持込まれる鉄量の10質量倍以下であることが好ましく、5質量倍以下であることがより好ましい。
<カルボキシル基を有する水溶性ポリマー>
本発明の鉄スケール防止方法において、カルシウムイオン形成剤と共に用いられるカルボキシル基を有する水溶性ポリマーとしては、ポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリマレイン酸及び/又はその塩、ポリイタコン酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩、又はこれらホモポリマーを構成するモノマー成分の少なくとも2種を共重合してなるコポリマーやタポリマー等が挙げられる。
また、前記ホモポリマーを構成するモノマー成分(アクリル酸(AA)、マレイン酸(MA)等)の少なくとも1種と、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム(HAPS)又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)とのコポリマー(AA−HAPS、AA−AMPS等)、及びビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸及び/又はその塩、及びセルロースの骨格を構成するグルコピラノースモノマーのヒドロキシ基の一部にカルボキシメチル基を結合させたカルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることもできる。
上記のカルボキシル基を有する水溶性ポリマーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、当該ボイラ類の水側缶内の鉄スケール防止効果の観点から、ポリアクリル酸及び/又はその塩が好ましく、重量平均分子量が好ましくは0.1万〜10万、より好ましくは0.2万〜7万のポリアクリル酸塩、特にポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。
本発明の鉄スケール防止方法においては、鉄スケール防止効果の観点から、前記水溶性ポリマーを、給水系に対して、カルシウム濃度(CaCO3換算)の0.5〜10倍量添加することが好ましく、1.0〜5.0倍量添加することがより好ましい。
<任意添加成分>
本発明の鉄スケール防止方法においては、前述したカルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーとを、高温水系(ボイラ類の給水ライン、給水タンク等の給水系)、あるいはドレン回収ラインに添加することで、給水と共に持込まれる鉄分のスケール化を効果的に抑制することができるが、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、各種の添加成分、例えばアルカリ剤、pH調整剤、防食剤(腐食抑制剤)、キレート剤(EDTA(塩)等)スケール防止剤等を有効量添加することできる。
これらの添加成分は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(アルカリ剤、pH調整剤)
アルカリ剤は、給水配管の腐食防止や、給水系のスライム抑制のために用いられるものであり、このアルカリ剤としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で経済性の観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤としては、リン酸3ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウムとリン酸2ナトリウムを所定の比率で混合したもの、重合りん酸(塩)等が挙げられる。
(防食剤(腐食抑制剤))
防食剤としては、例えば中和性アミン、皮膜性アミン、各種の有機酸及び/又はその塩(グルコン酸(塩)、グルコヘプトン酸(塩)、コハク酸(塩)、クエン酸(塩)、酒石酸(塩)等)、脱酸素剤(ヒドラジン、タンニン、タンニン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)、アスコルビン酸(塩)、グルコース等)等を用いることができる。
(i)中和性アミン
中和性アミンとしては、例えばモノエタノールアミン(MEA)、シクロへキシルアミン(CHA)、モルホリン(MOR)、ジエチルエタノールアミン(DEEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、3−メトキシプロピルアミン(MOPA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)等が挙げられる。
(ii)皮膜性アミン
皮膜性アミンとしては、例えばオクタデシルアミン等の長鎖アルキルアミン等が挙げられる。
(iii)各種の有機酸及び/又はその塩
各種の有機酸及び/又はその塩としては、例えばグルコン酸(塩)、グルコヘプトン酸(塩)、コハク酸(塩)、クエン酸(塩)、酒石酸(塩)等が挙げられる。
<ドレン回収と水処理剤の添加濃度>
カルシウムイオンとカルボキシル基を有する水溶性ポリマーの添加量は、ボイラに給水から持ち込まれる鉄の濃度に応じて添加することができる。給水中の鉄濃度は、ドレンから持ち込まれるものが主体であるため、補給水の鉄濃度とドレンの鉄濃度とドレン回収率から算出することが可能である。給水及びドレンの鉄濃度は水質分析で確認することができるし、分析装置でモニタリングすることもできる。
ドレン回収率は、補給水・ドレン・給水量の全て、又はそれらの2以上を直接測定して求めてもよいし、補給水・ドレン・給水温度から算出してもよい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
まず、第1表に、実施例1〜15及び比較例1〜10で用いた水溶性ポリマーの種類を示す。
Figure 2013086029
比較例1
栃木県下都賀郡野木町水(原水)(カルシウム:30mgCaCO3/L、シリカ:25mgSiO2/L、Mアルカリ度:30mgCaCO3/L)の軟化した軟水(シリカ:25mgSiO2/L、Mアルカリ度:30mgCaCO3/L)に、給水中の鉄濃度が第2表に示した濃度となるように塩化第二鉄を添加して、給水を調製した。
この給水タンクの給水に腐食抑制剤としてコハク酸ナトリウムを10mg/L、アルカリ剤としてボイラ水中のPアルカリ度がシリカの1.7倍濃度となるNaOH 17mg/Lを添加しながら、容量5Lのステンレス製テストボイラ試験機を用い、圧力0.7MPa、蒸発量8L/h、濃縮倍数10倍(10%ブロー)の条件で、48時間運転を行った。
試験終了後に伝熱チューブ(ステンレス製、表面積200cm2を3本)を取り出し、伝熱チューブの表面を防食剤を添加したHCl水溶液で洗浄し、洗浄液中の鉄濃度を測定し、スケール付着量を求めた。結果を第2表に示す。
比較例2〜7
給水に、第2表に示した濃度になるように塩化第二鉄と水溶性ポリマーを添加し、比較例1と同様に運転して、スケール付着量を求めた。結果を第2表に示す。
実施例1〜18
給水に、第2表に示した濃度になるように塩化第二鉄、カルシウムイオン形成剤(塩化カルシウム)、及び水溶性ポリマーを添加し、比較例1と同様に運転して、スケール付着量を求めた。結果を第2表に示す。
Figure 2013086029
第2表から、カルシウムイオン形成剤と水溶性ポリマーを添加した場合に、高い鉄スケール防止効果が得られることが分かる。特に、カルシウムイオン形成剤の添加量が給水中の鉄濃度に対して、CaCO3換算で0.3倍量以上、特に1倍量以上の場合であって、水溶性ポリマーとして特に重量平均分子量が0.4万〜7万のポリアクリル酸ナトリウムを用い、かつその添加量がカルシウム濃度(CaCO3換算)の0.5〜10倍量、特に1.0〜5.0倍量の場合に、優れた鉄スケール防止効果があることが分かる。
ドレン回収率の変化等により給水中の鉄濃度が変化し、高濃度の鉄が給水に含まれる場合でも、給水中の鉄濃度に応じたカルシウムイオン形成剤と水溶性ポリマー添加することで優れた鉄スケール防止効果が発揮できることが分かる。
比較例8
比較例1と同様の試験条件で実施し、給水は、前記野木町水の軟水(シリカ:25mgSiO2/L、Mアルカリ度:30mgCaCO3/L)のみを用い、給水中の鉄濃度が第3表に示した濃度となるように塩化第二鉄を添加した。この給水タンクの給水に腐食抑制剤としてコハク酸ナトリウムを10mg/L、アルカリ剤としてボイラ水中のPアルカリ度がシリカの1.7倍濃度となるNaOH 17mg/Lを添加した。
試験終了後に伝熱チューブ(ステンレス製、表面積200cm2を3本)を取り出し、伝熱チューブの表面を防食剤を添加したHCl水溶液で洗浄し、洗浄液中の鉄濃度を測定し、スケール付着量を求めた。結果を第3表に示す。
比較例9〜12
給水に、第3表に示した濃度となるように水溶性ポリマーを添加したのち、比較例8と同様に運転してスケール付着量を求めた。結果を第3表に示す。
実施例19〜22
前記野木町水(原水)(カルシウム:30mgCaCO3/L、シリカ:25mgSiO2/L、Mアルカリ度:30mgCaCO3/L)とその軟化水(カルシウム:<0.1mgCaCO3/L、シリカ:25mgSiO2/L、Mアルカリ度:30mgCaCO3/L)を、第3表に示した質量比で混合した給水に、第3表に示した鉄濃度及びポリマー濃度になるように、塩化第二鉄及び水溶性ポリマーを添加した給水タンクの給水に腐食抑制剤としてコハク酸ナトリウムを10mg/L、アルカリ剤としてボイラ水中のPアルカリ度がシリカの1.7倍濃度となるNaOH 17mg/Lを添加した。比較例7と同様に運転してスケール付着量を求めた。結果を第3表に示す。
Figure 2013086029
第3表から明らかなように、給水として原水と軟水との混合水を用い、カルシウムイオン形成剤として原水中のカルシウムイオンを利用した実施例19〜22は、軟水のみで、カルシウムイオン(原水)を含まない比較例8〜12に比べて、優れた鉄スケール防止効果を示している。

Claims (6)

  1. ボイラ及び/又は他の蒸気発生設備において、カルシウムイオン形成剤と、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーを添加することを特徴とする、蒸気発生器の水側缶内における鉄スケール防止方法。
  2. 水溶性ポリマーが、重量平均分子量0.1万〜10万のポリアクリル酸塩である、請求項1に記載の鉄スケール防止方法。
  3. カルシウムイオン形成剤の添加量が、CaCO3換算で給水から持込まれる鉄量の0.3質量倍以上である、請求項1又は2に記載の鉄スケール防止方法。
  4. 水溶性ポリマーを、給水系に対しカルシウム濃度(CaCO3換算)の0.5〜10倍量添加する、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄スケール防止方法。
  5. カルシウムイオン形成剤として、カルシウムイオンを含む原水を使用する、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄スケール防止方法。
  6. 鉄を含むドレンの回収率に応じて、カルシウムイオンとカルボキシル基を有する水溶性ポリマーの添加量を調整する、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄スケール防止方法。
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