JP3356140B2 - 水処理薬剤 - Google Patents

水処理薬剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ、蒸気発生機
等の蒸気を発生する装置、プラントなどに用いて、給水
系および蒸気発生系の腐食、スケール生成ならびに蒸気
復水系における腐食を抑制する安全性の高い水処理薬剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラ、蒸気発生機等の蒸気を発生する
装置(以下、蒸気発生装置ということがある)、プラン
トでは、供給水に含まれている酸素や二酸化炭素、なら
びに給水中の炭酸塩や炭酸水素塩などが熱分解して発生
する二酸化炭素が蒸気系に移行するため、蒸気および蒸
気が凝縮した復水と接触する蒸気復水系がしばしば腐食
する。また、近年、缶内処理において脱酸素処理を行わ
ないケースが増加してきており、この場合、給水中の溶
存酸素がほとんどすべて蒸気復水系に移行するため、蒸
気復水系の腐食はさらに増大する。その結果、蒸気の漏
洩によるエネルギーの損失が発生したり、配管や熱交換
器等の損傷箇所の修繕に多くの経費と時間を要したりす
るケースが生じる恐れがある。
【0003】このような腐食を防止する方法としては、
揮発性と防食性を併せ持つ中和性アミンあるいは長鎖脂
肪族アミンを給水もしくは蒸気復水系ラインに添加する
方法が採られている。特に、近年は蒸気に対する安全性
が強く求められるようになっていることから、使用する
薬剤も安全性の高い物質であることが必要である。そこ
で、米国のFDA規格あるいはカナダ国のFDBCS規
格においてボイラ水用添加剤として使用が認められてい
るものとして中和性アミンではシクロヘキシルアミン、
ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が、長鎖脂肪
族アミンではオクタデシルアミンが広く用いられてきて
いる。中和性アミンは蒸気復水系の二酸化炭素を中和す
ることによって腐食を防止するものであり、長鎖脂肪族
アミンは蒸気復水系の配管表面に撥水性の防食皮膜を形
成することにより防食するものである。また、これらの
効果を併せ持つ中和性アミンと皮膜性アミンの両者を一
液化した複合防食剤を用いる方法もある。
【0004】しかし、缶内処理において脱酸素処理を行
っておらず、多量の酸素が蒸気復水系に移行している場
合は、蒸気復水系配管の腐食は酸素律速で進行するた
め、中和性アミンを用いて二酸化炭素を中和しても十分
な防食効果は得られず、中和性アミンのみで十分な防食
効果を得るには、多量の中和性アミンを添加して復水の
pHを9以上にする必要がある。ところが、中和性アミ
ンは米国のFDA規格において蒸気中の許容濃度が規定
されており、日本国内においても、この基準に基づいて
適用している。このため、給水が軟化水や原水である場
合は、給水中に含まれる炭酸塩や炭酸水素塩が熱分解し
て発生する二酸化炭素が蒸気系に移行するため、FDA
規格に規定されている濃度ではpHが十分に上がらず、
結果として十分な防食効果が得られないという問題があ
る。また、FDA規格において規定されている濃度より
も高濃度の中和性アミンを使用した場合には、蒸気復水
系に高濃度の炭酸アミン塩が生じ、これが圧力計やドレ
ントラップ等の行き止まり配管等に溜まった凝縮水に高
濃度に濃縮し、配管の閉塞を発生させるという問題点が
ある。
【0005】長鎖脂肪族アミンを用いる場合は、蒸気復
水系配管に長鎖脂肪族アミンが吸着して防食皮膜を形成
して防食するが、末端の配管にこの防食皮膜が形成され
るには多くの時間を要し、特に蒸気復水系配管の面積が
広かったり、蒸発量が少ないプラントにおいては長期間
(3ケ月以上)を要することがある。このため、防食皮
膜が形成される前に腐食が進行してしまうという問題点
がある。また、缶内処理において脱酸素処理を行ってお
らず、多量の酸素が蒸気復水系に移行している場合は、
蒸気復水系配管の腐食が著しいため、防食皮膜が形成さ
れるまでに更に長い期間がかかり、かつ、防食皮膜が形
成されたのちも、酸素による腐食を十分に抑えきれず、
十分な防食効果が得られないという問題点がある。さら
に、長鎖脂肪族アミンは常温では固体であり、かつ水に
溶けないことから、通常、乳化分散液として用いる方法
が取られる。この乳化分散液そのものは非常に安定なも
のであるが、希釈倍率が高い場合は長期間放置すると分
離、析出することがあり、場合によっては給水配管に添
加した後に長鎖脂肪族アミンが析出、凝集し、給水のス
トレーナ等が閉塞するといった問題点がある。また、蒸
気が完全に凝縮した復水系配管においても、長鎖脂肪族
アミンが析出し、これが凝集することにより配管を閉塞
させるといった問題を生じる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安全
性が高く、揮発性で蒸気および復水に移行可能であり、
少ない添加量で炭酸塩や炭酸水素塩を含む給水に対して
も高い防食性を示し、しかも水溶性であって水で希釈し
ても分離、析出することなく一液化剤として給水に添加
でき、系内に堆積することのない給水系および蒸気発生
系の腐食抑制とスケール防止ならびに蒸気復水系の腐食
抑制が可能な水処理薬剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の水処理薬剤
である。 (1) オイゲノールまたはイソオイゲノールと、中和
性アミンと、エリソルビン酸またはその塩とを含有する
水処理薬剤。 (2) さらにアルカリ剤を含有する上記(1)記載の
水処理薬剤。 (3) さらに水溶性高分子化合物を含有する上記
(1)または(2)記載の水処理薬剤。
【0008】本発明において処理の対象となる水系は、
腐食およびスケールの生成する系である。特にボイラ、
蒸気発生機のように、蒸気が発生し、発生した蒸気が凝
縮して復水となる装置、プラント等の蒸気発生系、その
給水系および復水系であって、腐食およびスケール生成
が発生する鉄、鋼材等の金属を含む系が適しており、ボ
イラ形式、給水種等によって制限されない。このような
系の中では、特に中低圧のボイラ、蒸気発生機等の炭酸
塩または炭酸水素塩を含む軟水、原水等を給水する給水
系、蒸気発生系および復水系を含む水系が対象として適
している。
【0009】本発明においてこのような水処理薬剤に用
いるオイゲノールは式〔1〕で表わされる化合物、イソ
オイゲノールは式〔2〕で表わされる化合物であり、い
ずれも食品添加物として認められ、安全な素剤である。
これらはいずれか一方を単独で用いてもよく、また両方
を併用してもよい。
【0010】
【化1】
【0011】本発明において用いる中和性アミンは、揮
発性を有し、蒸気および復水に移行して二酸化炭素等の
気化性成分に起因する酸を中和して防食するアミンであ
り、従来から用いられているものがそのまま使用可能で
あるが、前記FDA規格あるいはFDBCS規格で使用
が認められているものが好ましい。このような中和性ア
ミンの好ましいものとしては、シクロヘキシルアミン、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジエチル
エタノールアミン、モルホリン、およびこれらの混合物
などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0012】本発明で用いるエリソルビン酸は、イソア
スコルビン酸であり、従来から還元剤として用いられて
いるものである。本発明で用いられるエリソルビン酸の
塩としては、エリソルビン酸を水酸化ナトリウムで中和
したもの、エリソルビン酸を水酸化カリウムで中和した
もの、エリソルビン酸をアンモニアで中和したもの、お
よびエリソルビン酸を各種中和性アミンで中和したもの
などがある。エリソルビン酸、エリソルビン酸塩はそれ
ぞれ単独で用いてもよく、また2種類以上を混合して用
いてもよい。
【0013】本発明の水処理薬剤のオイゲノールまたは
イソオイゲノールと中和性アミンとエリソルビン酸もし
くはその塩の配合割合は、オイゲノールまたはイソオイ
ゲノール:中和性アミン:エリソルビン酸もしくはその
塩(重量比)が1:0.1〜500:0.1〜500、
好ましくは1:1〜100:1〜100、さらに好まし
くは1:2〜50:2〜50であることが好ましい。本
発明の水処理薬剤の配合割合および添加濃度は、処理対
象とするボイラシステムのボイラ給水中の溶存酸素濃度
やMアルカリ度、その他の水質条件によって適宜変化さ
せることができるが、通常、ボイラ給水に対して、オイ
ゲノールまたはイソオイゲノール、中和性アミン、エリ
ソルビン酸もしくはその塩がそれぞれ0.001〜20
0mg/L、好ましくは0.01〜100mg/L、さ
らに好ましくは0.02〜50mg/Lとなるように配
合割合を決定し添加するのが好ましい。
【0014】本発明の水処理薬剤は上記3成分を必須成
分とするが、これらの成分に加えてさらにアルカリ剤を
含有するものが好ましい。アルカリ剤としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどをあげることができるが、これらに限定されな
い。アルカリ剤の配合割合はオイゲノールまたはイソオ
イゲノール:アルカリ剤(重量比)が1:0.01〜5
00、好ましくは1:0.1〜200、さらに好ましく
は1:1〜100であることが好ましい。アルカリ剤の
添加量はボイラ形式や給水の水質によって適宜変化させ
る。
【0015】本発明の水処理薬剤は前記必須成分に加
え、あるいは前記必須成分とアルカリ剤の配合に加え、
さらに水溶性高分子化合物を含有するのが好ましい。水
溶性高分子化合物としては、例えばポリアクリル酸、ポ
リマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸とアクリ
ルアミドの共重合体、アクリル酸とヒドロキシアリロキ
シプロパンスルホン酸との共重合体、アクリル酸と2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共
重合体およびこれらの塩などをあげることができるが、
これらに限定されない。これらの水溶性高分子化合物の
数平均分子量は100〜100000、好ましくは20
0〜50000、さらに好ましくは500〜10000
のものが好ましい。水溶性高分子化合物の配合割合は、
オイゲノールまたはイソオイゲノール:水溶性高分子化
合物(重量比)が1:0.01〜300、好ましくは
1:0.1〜100、さらに好ましくは1:1〜50で
あるのが好ましい。水溶性高分子化合物の添加量はボイ
ラ給水中の濃度として0.1〜500mg/L、好まし
くは1〜200mg/L、さらに好ましくは5〜100
mg/Lとなるように配合割合を決定し、添加するのが
好ましい。
【0016】本発明の水処理薬剤は、前記各成分のほか
にヒドラジン、亜硫酸ナトリウム、糖類、ジエチルヒド
ロキシルアミン、1−アミノピロリジン等の他の脱酸素
剤、腐食抑制剤、分散剤、キレート剤、スケール抑制
剤、またはこれらの混合物が配合されてもよい。
【0017】本発明の水処理薬剤は、それぞれ給水中の
有効成分濃度が保たれるように添加すれば、別々に添加
しても良いし、一度に配合して添加しても良いが、簡便
な方法としては一液に配合して添加する方が望ましい。
本発明の水処理薬剤は、水に対する溶解性が高いので、
水に各成分を溶解し、一液化剤とすることができる。こ
の場合、一液化剤は1〜80重量%、好ましくは10〜
70重量%、さらに好ましくは20〜60重量%の水溶
液とし、これを給水に添加することができる。本発明の
水処理薬剤は給水中に添加するのが好ましい。
【0018】オイゲノールまたはイソオイゲノールは溶
解度が低いが、本発明の水処理薬剤では、中和性アミン
と併用することにより水に対する溶解性が上がり、任意
の濃度に希釈しても分離・析出がなくなる。このため高
濃度の水溶液を調製しておきこれを水で希釈して薬注ポ
ンプで蒸気発生装置の給水ラインに添加することがで
き、一液化が可能となる。またオイゲノールまたはイソ
オイゲノールと中和性アミンは蒸気復水系に移行して、
蒸気ドレン水中の二酸化炭素を中和してpHを上昇さ
せ、蒸気復水系配管の酸腐食を低減するが、両者の併用
により腐食抑制効果は高くなる。さらにエリソルビン酸
もしくはその塩は給水中の溶存酸素を速やかに除去する
ため、蒸気復水系に移行する酸素濃度を低減し、蒸気復
水系配管の酸素腐食を低減する。これらの中和性アミン
とエリソルビン酸もしくはその塩の作用により、オイゲ
ノール、イソオイゲノールの防食効果を向上させ相乗効
果が得られる。
【0019】本発明の水処理薬剤は、エリソルビン酸も
しくはその塩は、温度が低いときは中性条件下よりもア
ルカリ性条件下の方が脱酸素反応が速くなるため、アル
カリ剤を併用することにより、低温の給水配管において
も優れた脱酸素効果を発揮する。これにより蒸気発生装
置としてのボイラ本体の前段に配置される熱交換器やエ
コノマイザ等の給水系配管の腐食を抑制するとともに、
ボイラ内に持ち込まれる鉄が減少するため、これが伝熱
面に付着することによって生じる2次的な腐食も低減さ
れる。
【0020】このような配合にさらに水溶性高分子剤を
併用することにより、伝熱面へのスケールの付着を防止
するとともに、そのスラッジ分散作用によってボイラ缶
内の伝熱面への酸化鉄スケールの付着を抑制し、酸素濃
淡電池による腐食を抑制することができる。その結果、
一液で蒸気復水系配管、ボイラ本体、およびその前段に
配置される熱交換器やエコノマイザ等の給水系配管の腐
食を抑制することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、オイゲノールまたはイ
ソオイゲノールと、中和性アミンと、エリソルビン酸ま
たはその塩を含有するため、安全性が高く、揮発性で蒸
気および復水に移行可能であり、少ない添加量で炭酸塩
や炭酸水素塩を含む給水に対しても高い防食性を示し、
しかも水溶性であって水で希釈しても分離、析出するこ
となく一液化剤として給水に添加でき、系内に堆積する
ことのない給水系および蒸気発生系の腐食抑制とスケー
ル防止ならびに蒸気復水系の腐食抑制が可能な水処理薬
剤が得られる。
【0022】上記の薬剤にさらにアルカリ剤を含有する
と、低温における脱酸素効果が増大するため、ボイラ本
体の前段に配置される熱交換器等の給水系に添加し脱酸
素を行い、腐食量を低くすることができる。
【0023】これらの配合でさらに水溶性高分子凝集剤
を含有すると、伝熱面のスケールを防止して、腐食抑制
効果をさらに高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例および比較
例について説明する。
【0025】比較例1〜5、実施例1、2 40℃において空気中の酸素で飽和させた水道水の軟化
水を容量5Lの実験用電気ボイラに給水し、温度:18
3℃、圧力:1MPa、蒸発量:12L/h、ブロー
率:10%の条件で運転して蒸気を発生させた。そして
発生した蒸気を冷却して凝縮水とし、50℃まで冷却し
てからカラムに通水した。このカラムの中に長さ50m
m、幅15mm、厚み1mmのSPCC製試験片を予め
設置しておき、前記凝縮水と96時間接触させた。その
ときの試験片の腐食量を測定し、腐食速度を算出した。
得られた値は、薬剤処理を行わない場合の蒸気復水系の
腐食度合いを示す指標であり、この結果を比較例1とし
て表1に示した。
【0026】次に、表1に示した薬剤成分をそれぞれの
給水中の濃度が表示の値になるように前記した軟化水に
添加し、ボイラに給水した。各薬剤を添加した軟化水を
用いて発生させた蒸気の凝縮水に関し、前記した比較例
1の場合と同様の条件で腐食試験を行って、試験片の腐
食速度を算出した。その結果を表1に比較例2〜5、実
施例1、2として示した。
【0027】
【表1】 ODA・・・・オクタデシルアミン(長鎖脂肪族アミン) DEEA・・・ジエチルエタノールアミン(中和性アミン) IEUG・・・イソオイゲノール EUG・・・・オイゲノール ERY・・・・エリソルビン酸カリウム塩
【0028】表1の結果より、イソオイゲノールもしく
はオイゲノールと、中和性アミンと、エリソルビン酸も
しくはその塩からなる水処理薬剤を用いることにより、
中和性アミン、長鎖脂肪族アミン、或いは中和性アミン
と長鎖脂肪族アミンの両者を併用する方法よりも、蒸気
復水系における腐食を低減することができる。
【0029】実施例3、4、比較例6〜8 表2の各成分を所定量メスシリンダーにとり、調製後、
10日後に肉眼観察し、粗分散が生じなかったものを
〇、生じたものを×とした。表2の結果より、実施例の
ものは比較例のものに比べて溶解性に優れることがわか
る。
【0030】
【表2】 W:水
【0031】比較例9、実施例5〜7 pH6.5の純水1Lを、60℃に保持された恒温水槽
中で1時間攪拌し、空気中の酸素により飽和させ、溶存
酸素濃度を溶存酸素計(オービスフェア製、MOCA3
600)を用いて測定した。ここにエリソルビン酸カリ
ウムを100mg添加して十分に攪拌した後、この溶液
を200mLのフランビンに注ぎ、空隙のないように密
栓して60℃の恒温水槽中に戻し、10分間反応させ
た。10分後にフランビンを恒温水槽から取り出し、溶
液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素計を用いて測定した。
エリソルビン酸カリウムを添加する前の溶存酸素濃度に
対するエリソルビン酸カリウム添加後の溶存酸素濃度の
割合から、試験液中の溶存酸素除去率を求めた(比較例
9)。
【0032】次に、純水1Lにアルカル剤として水酸化
ナトリウムを加えてpH7.5、9.0、10.5に調
整して試験液とした。これを60℃に保持された恒温水
槽中で1時間攪拌し、空気中の酸素により飽和させ、溶
存酸素濃度を溶存酸素計(オービスフェア製、MOCA
3600)を用いて測定した。ここにエリソルビン酸カ
リウムを100mg添加して十分に攪拌した後、この溶
液を200mLのフランビンに注ぎ、空隙のないように
密栓して60℃の恒温水槽中に戻し、10分間反応させ
た。10分後にフランビンを恒温水槽から取り出し、溶
液中の溶存酸素濃度を、溶存酸素計を用いて測定した。
エリソルビン酸カリウムを添加する前の溶存酸素濃度に
対するエリソルビン酸カリウム添加後の溶存酸素濃度の
割合から、試験液中の溶存酸素除去率を求めた(実施例
5〜7)。
【0033】以上の操作は窒素雰囲気下にて手速く行っ
た。以上の結果を表3に示した。表3の結果より、アル
カリ剤を添加してpH7以上、好ましくは8以上、さら
に好ましくは10以上とすることにより溶存酸素除去率
が高くなることがわかる。
【0034】
【表3】 ERY:エリソルビン酸カリウム
【0035】比較例10 40℃において空気中の酸素で飽和させた厚木市水の軟
化水を容量5Lの実験用電気ボイラに給水し、温度:1
83℃、圧力:1MPa、蒸気発生量:11L/h、ブ
ロー率:10%の条件で運転して蒸気を発生させた。発
生した蒸気を冷却して凝縮水とし、50℃まで冷却して
からカラムに通水した。このカラムの中、給水ラインお
よび電気ボイラ缶内に、長さ50mm、幅15mm、厚
み1mmの鋼材製試験片を硝酸でエッチング処理したも
のを予め設置しておき、240時間運転した。このとき
の試験片の腐食量を測定し、腐食速度を求めて結果を表
4に示した。同時に伝熱チューブに付着した鉄量を測定
し、結果を表4に示した。
【0036】比較例11、実施例8〜12 次に、表4に示した薬剤成分をそれぞれが表示の濃度と
なるように、前記した軟化水に溶解したのち、定量ポン
プを用いてボイラに給水した。各種薬剤を添加した軟化
水を用いて給水ライン、ボイラ缶内および発生させた蒸
気の凝縮水に関し、前記した比較例10の場合と同様の
条件で腐食試験を行って試験片の腐食速度を算出すると
ともに、伝熱チューブへの付着鉄量を測定し、結果を表
4に示した。なお実施例12はイソオイゲノールの代わ
りにオイゲノールを添加した例を示す。
【0037】表4より、イソオイゲノールと中和性アミ
ンとエリソルビン酸塩とアルカリ剤と水溶性高分子剤を
併用することにより、良好な腐食抑制効果とスケール付
着抑制効果が得られることは明らかである。
【0038】
【表4】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/12 102 F22B 37/00 F22B 37/52 F28G 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイゲノールまたはイソオイゲノール
    と、中和性アミンと、エリソルビン酸またはその塩とを
    含有する水処理薬剤。
  2. 【請求項2】 さらにアルカリ剤を含有する請求項1記
    載の水処理薬剤。
  3. 【請求項3】 さらに水溶性高分子化合物を含有する請
    求項1または2記載の水処理薬剤。
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