JP3947740B2 - ポリマレイミドの合成及び適用 - Google Patents

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Description

本発明は、金属酸化物及びアルコール開始剤又は塩基の存在下でマレイミド単量体を重合することにより製造されたマレイミド重合体のアルカリ加水分解により、アルカリ金属ポリマレイミド塩を製造する方法に関する。特に、本発明は、マレイミド重合体を合成するのに用いた特定の開始剤に依存するC−N及びC−C結合マレイミド誘導単量体単位の特定の比率を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を生成する。キレート性及びスケール形成防止性を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩は、キレート剤及び洗剤ビルダーとして有用であり、そのようなものとして、合成重合体及びポリアスパラギン酸ナトリウムに代わる適切な生物分解性代替物である。
ポリカルボキシレート化合物、特にポリアクリレート及びその共重合体は、水処理過程及び洗剤中の分散剤及びスケール形成防止剤(anti-scalant)として一般に用いられている〔フリーマン(Freeman)その他、ACSシンポジウム・シリーズ(Symposium Series)626、アメリカ化学協会(American Chemical Society)、ワシントンD.C.、第118頁〜第136頁(1996)〕。ポリアクリレート及びその共重合体は、湖及び川の富栄養化を最小限にするため低燐酸(low-phosphate)又は無燐酸(phosphate-free)洗剤中に主に用いられており、富栄養化は、水流中へ燐化合物が高濃度で導入されることにより起きる。
毎年、数億ポンドの合成重合体が、キレート剤及び洗剤ビルダーとしてそれらの性能を高めるため消費されている。使用後、これらの合成重合体は環境水中へ放出される。その結果、これらの重合体が環境に与える影響を判定する必要がある。その必要性は、これらの合成重合体が自然的過程では完全には分解しないので、特に深刻である〔フリーマンその他、ACSシンポジウム・シリーズ626、アメリカ化学協会、ワシントンD.C.、第118頁〜第136頁(1996)〕。これらの合成重合体の多くは生物分解性が低いため、それら合成重合体に代えて用いることができる生物分解性重合体を見出すことに大きな努力が払われてきた。そのような生物分解性重合体の一つは、アスパラギン酸重合体の誘導体である。
ポリアスパラギン酸ナトリウム(SPA)が持つ生物分解性、優れたキレート能力、及びスケール形成防止性のため、SPAはポリアクリル酸に代わる適切な代替物になっている。SPAは、ポリスクシネートを水酸化ナトリウム溶液で加水分解することにより通常製造されており、図1に示すように、二つの異性体、α及びβサブユニット(subunit)の混合物である。SPAの構造及び二つの異性体の比率は、H NMR分光学により決定されてきた〔マツバラ(Matsubara)その他、Macromol. 30: 2305-2312 (1997);ウォーク(Wolk)その他、Macromol. 27: 7613-7620 (1994)〕。
現在、ポリスクシネートを合成するために用いられている単量体は、アスパラギン酸、マレイン酸、フマール酸、マレアミド酸、又はマレイン酸のアンモニウム塩である〔フリーマン(Freeman)その他による米国特許第5,393,868号明細書;モージッヒ(Mosig)その他、Ind. Eng. Chem. Res. 36: 2163-2170 (1997);サイケス(Sikes)による米国特許第5,981,691号明細書〕。しかし、これらの単量体からポリスクシネートを合成する方法は複雑であり、高い温度及び長い処理時間が含まれているため、非経済的である。単量体としてマレイミドを用いる試みだけが、特公昭44−09394号公報に記載されており、それには、ビニル重合開始剤の存在下でマレイミド単量体を用いる塩基を触媒とした方法が開示されている。しかし、その方法は、その方法の複雑性及び高いコストのために、商業的規模でポリスクシネートを製造するのには用いられてこなかった。
従って、キレート剤及び洗剤ビルダーとして現在用いられている合成重合体に置き換えることができる生物分解性重合体を製造する簡単で低コストの方法が依然として必要とされている。
本発明は、金属酸化物及びアルコール開始剤又は塩基の存在下でマレイミド単量体を重合することにより製造されたマレイミド重合体のアルカリ加水分解によりアルカリ金属ポリマレイミド塩を製造する方法を与える。特に本方法は、マレイミド重合体を合成するのに用いた特定の開始剤に依存するC−N及びC−C結合マレイミド誘導単量体単位の特定の比率を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を生成する。キレート性及びスケール形成防止性を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩は、キレート剤及び洗剤ビルダーとして有用であり、そのようなものとして、合成重合体及びポリアスパラギン酸ナトリウムに代わる適切な生物分解性代替物である。
従って、本発明は、(a)金属触媒及びアルコール開始剤の存在下でマレイミドを無水重合し、マレイミド重合体であって、そのマレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、及び(b)前記マレイミド重合体をアルカリ金属塩基で、10〜100℃で少なくとも1時間加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させることを含む、アルカリ金属ポリマレイミド塩を製造する方法を与える。
特別な態様として、塊状重合によりマレイミド重合体を合成する。更に別の態様として、マレイミド重合体を溶媒中で重合する。
更に別の態様として、金属触媒を、PbO、SnO、2−エチルヘキサン酸Sn〔Sn(2-ethylhexanoate)〕からなる群から選択する。金属触媒はPbOであるのが好ましい。更に別の態様として、アルコール開始剤は、t−ブチルベンジルアルコールである。
本発明は、更に、上記方法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩を与える。
本発明は、更に、アルカリ金属ポリマレイミド塩の製造方法において、(a)塩基を含む水溶液中でマレイミドを重合し、マレイミド重合体であって、そのマレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、及び(b)前記マレイミド重合体を、アルカリ金属塩基で、10〜100℃で少なくとも1時間加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させることを含む製造方法を与える。
本発明の特別な態様として、塩基はKOHであり、アルカリ金属塩基はNaOHである。
本発明は、更に、上記方法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩を与える。
従って、本発明は、アルカリ金属ポリマレイミド塩のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を与える。
本発明は、更に、洗剤組成物において、アルカリ金属ポリマレイミド塩のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を含み、前記アルカリ金属ポリマレイミド塩が洗剤含有水中のカルシウムイオンを、アルカリ金属と交換する改良を与える。
特別な態様として、洗剤組成物は、少なくとも10重量%のアルカリ金属ポリマレイミド塩を含むか、又は80重量%までのアルカリ金属ポリマレイミド塩を含む。
本発明は、更に、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体の製造方法において、金属触媒及びアルコール開始剤の存在下でマレイミドを無水重合し、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること含む製造方法を与える。
特別な態様として、マレイミド重合体は、塊状重合により合成する。更に別の態様として、マレイミド重合体は溶媒中で重合する。
更に別の態様として、金属触媒を、PbO、SnO、2−エチルヘキサン酸Snからなる群から選択する。金属触媒はPbOであるのが好ましい。更に別の態様として、アルコール開始剤は、t−ブチルベンジルアルコールである。
本発明は、更に、上記方法により製造されたマレイミド重合体を与える。
本発明は、更に、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を製造する方法において、塩基を含有する水溶液中でマレイミドを重合し、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させることを含む製造方法を与える。
特別な態様として、塩基はKOHである。
本発明は、更に、上記方法により製造されたマレイミド重合体を与える。
目的
本発明の目的は、カルシウムをキレートすることができ、洗剤ビルダーとして用いることができる生物分解性重合体を与えることにある。特に、マレイミドから合成された生物分解性重合体を与えることが一つの目的である。
しかし、ポリマレイミドを製造する現在の方法は複雑で高価であるため、本発明の目的は、簡単でコスト的に効果的なポリマレイミド製造方法を与えることにもある。
本発明のこれら及び他の目的は、次の図面及び好ましい態様に関連して次第に明らかになるであろう。
本発明の詳細な記述
本明細書中に引用した全ての特許、特許出願、政府出版物、政府条例、及び参考文献は、参考のため全体的にここに入れてある。矛盾する場合は、定義を含めた本記述が支配するであろう。
本発明は、マレイミド及びKOHのような塩基を含有する水溶液中で重合するか、又はt−ブチルベンジルアルコールのようなアルコール開始剤の存在下で、PbO、SnO、又は2−エチルヘキサン酸Snのような金属酸化物を含む金属触媒を用いてマレイミドを塊状重合することによりマレイミド重合体を生成させ、次にそれをNaOHのようなアルカリ金属塩基又は乳酸塩の存在下で加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させることにより、アルカリ金属ポリマレイミド塩を製造する方法を与える。
本方法は、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間のC−N及びC−C結合の混合物からなるアルカリ金属ポリマレイミド塩を生ずる(図1)。C−N対C−C結合の比は、マレイミド単量体を重合するのに用いた特定の条件に依存する。特定の重合条件を選択することにより、40〜80%のC−N結合からなるアルカリ金属ポリマレイミド塩を製造することができる。一般に、アニオン重合条件では、C−N結合%が大きいアルカリ金属ポリマレイミド塩が生成するのに対し、金属酸化物・アルコール開始剤を用いた塊状重合条件では、C−Nの%が小さいアルカリ金属ポリマレイミド塩が生成する。
マレイミド重合体から生成したアルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量は、マレイミド重合体中のC−N結合の%に依存する。アニオン重合法では、高いC−N結合%を有するマレイミド重合体を生じ、加水分解は、特定の重合条件により、約1,000〜4,000の分子量を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を生ずる。金属酸化物・アルコール開始剤を用いた塊状重合法は、低いC−N結合%を有するマレイミド重合体を生じ、加水分解は約11,000の分子量を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を生ずる。
従って、本発明の方法は、二段階で進行する。第一段階では、マレイミド単量体を重合して、マレイミド誘導サブユニットの間にC−N及びC−C結合がある混合物からなるマレイミド重合体にする。従来法(特公昭44−09394号公報)では、マレイミドの重合はビニル重合阻止剤の存在下で行い、マレイミド誘導単量体の間にC−C結合が形成されるのを抑制している。一般に、重合を行わせるため、塩基を用いた重合では、マレイミド誘導サブユニットの間に高い%でC−N結合を有するマレイミド重合体を生ずるのに対し、金属酸化物・アルコール開始剤を用いた重合では、マレイミド誘導サブユニットの間に高い%でC−C結合を有するマレイミド重合体を生ずる。特定の比率のC−C結合及びC−N結合からなる本発明の方法により製造されるマレイミド重合体は新規なものであり、可塑剤及びポリ乳酸塩として有用である。
大きな%でC−C結合を有するマレイミド重合体を製造するために、マレイミドを、約1000のマレイミド対金属酸化物・アルコール開始剤の比を用いて真空中で溶融重合する。その比は100であるのが好ましい。金属酸化物・アルコール開始剤は、アルコール中に金属酸化物を1:1の量で含有する。金属酸化物はPbO、SnO、2−エチルヘキサン酸Sn、及びCuOからなる群から選択される。金属酸化物はPBOであるのが好ましい。アルコールは、t−ブチルベンジルアルコール、イソアミルアルコール、及びブチルアルコールからなる群から選択される。アルコールはt−ブチルベンジルアルコールであるのが好ましい。重合は、マレイミドと、金属酸化物・アルコール開始剤との混合物を、約100〜200℃、好ましくは180℃で保温することにより行う。一般に、反応を1〜2時間進行させることでマレイミドを重合するのに充分である。マレイミド重合体は、酢酸エチル又はメタノールのような有機溶媒中で沈澱させることにより反応から回収する。
C−N結合を大きな%で含有するマレイミド重合体を製造するためには、マレイミドを、KOHのような塩基と0℃で混合する。マレイミド対塩基の比は、約10:1である。反応物を0℃で連続的に撹拌し、混合物が白から赤へ変化した時、通常約1分で重合は完了すると考えられる。マレイミド重合体は、加熱して乾燥することにより反応から回収する。別法として、マレイミドをKOHのような塩基と約70℃で混合する。マレイミド対塩基の比は、約100:1である。反応物は、マレイミドをマレイミド重合体へ転化するのに充分な時間70℃に保温し、それは、混合物が無色から赤色へ変化し、ピンク色の沈澱物が形成された時に決定される。マレイミド重合体はピンク色の沈澱物であり、それは濾過及び乾燥により回収する。
前述のいずれか一つの方法により製造されたマレイミド重合体をアルカリ金属ポリマレイミド塩へ加水分解するためには、乾燥マレイミド重合体を水に溶解し、10〜12重量%のマレイミド重合体溶液を形成する。その溶液を約1当量の水酸化ナトリウム又は乳酸塩のような塩基と混合する。マレイミド重合体を約85℃で約10〜12時間加水分解する。然る後、アルカリ金属ポリマレイミド塩を凍結乾燥により回収し、次にその凍結物を水中に溶解し、約10〜12重量%のアルカリ金属ポリマレイミドを含有する溶液を生成させ、10倍の体積のエタノールでアルカリ金属ポリマレイミド塩を沈澱させる。
本発明の方法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩は、炭酸カルシウムの沈澱阻止剤として有効である。金属酸化物・アルコール開始剤法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩、特にPbO・アルコール開始剤法を用いて製造されたアルカリ金属ポリマレイミド重合体は、特に炭酸カルシウムの沈澱阻止剤として有効である。本発明の方法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩は、カルシウムをキレートするのに有効であり、従って、スケール形成防止剤として有効である。金属酸化物・アルコール開始剤法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩、特にPbO・アルコール開始剤法を用いて製造されたアルカリ金属ポリマレイミド重合体は、スケール形成防止剤として特に有効である。
本発明の方法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩が、カルシウムの沈澱を阻止する能力及びそのスケール形成防止剤としての効果性を考慮に入れると、本発明の方法は、特に洗剤ビルダー(detergent builder)として有用なアルカリ金属ポリマレイミド塩を生成する。アルカリ金属ポリマレイミド塩は、洗剤ビルダーとして用いられている合成重合体の有効な代替物であり、本発明の方法により安価に製造することができ、生物分解性である。更に、アルカリ金属ポリマレイミド塩、特に金属酸化物・アルコール開始剤法を用いて製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩は、ポリアスパラギン酸ナトリウム、生物分解性洗剤ビルダーよりも洗剤ビルダーとして一層有効である。
次の例は、本発明を一層理解し易くするためのものである。
例1
この例は、t−ブチルベンジルアルコールのようなアルコール開始剤と組合せて、PbO、SnO、又は二2−エチルヘキサン酸Sn〔Sn(2-ethylhexanoate)〕のような金属酸化物開始剤を用い、マレイミド重合体を生成させ、それを加水分解してアルカリ金属ポリマレイミド塩にする塊状重合法でアルカリ金属ポリマレイミド塩を合成することを例示する。
一般に、ACS試薬級材料及び溶媒を、更に精製することなく用いた。しかし、TCIアメリカ(TCT America)から購入したマレイミドは、使用する前に酢酸エチルを用いて2回再結晶した。プロトン核磁気共鳴(H NMR)分析を、ベリアン・ジェミニ(Varian Gemini)300分光光度計で、ケミカルシフト標準として溶媒プロトンシグナルを用い、室温で行なった。紫外線及び屈折率検出器を用いたバイオラド(BioRad)装置を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を行なった。分析のために用いたカラムは、GMPWXL、7.8mm×30cmカラムであり、スペルコ(Supelco)からの13μmの粒径のものを用いた。別に指示しない限り、溶離液はHPLC級水中に入れた0.05Mの硫酸ナトリウムであり、流量は0.6ml/分であり、温度は30℃に維持した。GPC測定のための較正曲線は、低分子量分布を有するポリアスパラギン酸ナトリウム標準から得られた。オリオン・リサーチ社(Orion Research, Inc.)からのカルシウム選択性97−20イオンプラス(IONPLUS)電極を用いて電位差測定を行なった。
別の無溶媒重合反応で、1mm(3/8インチ)直径のガラス管から作った密封ガラス管中で、マレイミドを真空中で溶融重合した。各管には、0.5mgのマレイミド、及び適当な量(約0.005)の(1)PbO、(2)SnO、又は(3)二2−エチルヘキサン酸Snを、t−ブチルベンジルアルコールのようなアルコール開始剤と組合せて入れた。ガラス管の内容物は3回凍結・解凍を行い、次に内容物を真空中に入れたまま熱密封した。密封管を、適当な温度(通常180℃)に維持した予熱油浴中に浸漬した。重合反応が終わった時、管を冷却し、開いた。酢酸エチル又はメタノールのような適当な溶媒中にマレイミド重合体を沈澱させた。夫々の管から内容物の一部分を取り出し、減圧乾固し、NMRにより転化について分析した。
次に、マレイミド重合体沈澱物を夫々乾燥し、蒸留水に溶解し(10〜12重量%)、1モル当量の水酸化ナトリウムを各マレイミド重合体沈澱物へ添加した。沈澱物中のマレイミド重合体を85℃で10〜12時間加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させ、それを次に凍結乾燥した。更に精製するために、アルカリ金属ポリマレイミド塩を、次に蒸留水に溶解し、(10〜12重量%)、エタノールで沈澱させて精製した。NMR、キレート化、及びGPC分析を、次にそれら重合体に対して行なった。
マレイミドの重合は非常に速く、マレイミド重合体はC−N及びC−Cで結合された両方のマレイミド単量体単位を有し、それらはマレイミド重合体を加水分解してそれらの対応するアルカリ金属ポリマレイミド塩を形成する時に維持されていた。加水分解された結合により、C−N結合マレイミド単量体の加水分解は、α又はβ型を与えた(図1)。アルカリ金属ポリマレイミド塩の構造は、NMRにより決定された。
H NMRを用いて、アルカリ金属ポリマレイミド塩中のC−NとC−C結合の比率を計算し、アルカリ金属ポリマレイミド塩中のα型とβ型との比率を計算した。図3は、PbO・アルコール開始剤を用いて製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩についてのH NMRスペクトルを示す。4.5ppmの近辺のピークは、C−N結合単量体のプロトンによるものである(図1のa及び1′)。2.5ppmの所のピークは、C−NとC−C結合単量体からのプロトンの組合せである(図1のb、b′、c、及びc′)。従って、C−N結合単量体の%は、ウォーク(Wolk)その他〔Macromol. 27: 7613-7620 (1994)〕による二つのピークの積分から40%であると決定された。アルカリ金属ポリマレイミド塩の末端基に相当して5.5と6.5ppmの間に幾つかの小さなピークが存在していた。水のピークが重複しているため、α型とβ型の比率は計算されなかった。
アルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量を決定するため、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いた。ポリアクリル酸のナトリウム塩は、アルカリ金属ポリマレイミド塩と同様な分子構造を有するので、ここでを標準として用いた。四つの標準を用いて較正曲線を作成し、その曲線からアルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量を決定した。アルカリ金属ポリマレイミド塩の平均分子量は、約11,600であることが決定された。
例2
この例は、KOHを用いて開始したマレイミドのアニオン重合〔コジマその他、J. Polym. Sci. Polym. A-1 1:1121-1131 (1966);タウニー(Tawney)その他、J. Org. Chem. 26: 15-21 (1961);バムフォード(Bamford)及びバーレイ(Burley)、Polymers 14: 395 (1973);ハース(Haas)その他、J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed. 11: 327-343 (1973);ハース、J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed. 11: 315-318 (1973);ハースその他 J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed. 13: 2327-2334 (1975);デッカー(Decker)、Die Makromolek. Chemie 168: 51-58 (1973);バムフォードその他、Trans. Faraday Soc. 66: 2612-2621 (1970)〕、及び続くマレイミド重合体のアルカリ金属ポリマレイミド塩へのアルカリ性加水分解を例示する。
20gのマレイミドを、氷水浴中に入れたビーカーへ入れた。蒸留水2ml中へ入れたKOH(2.5g)の溶液を、次にビーカー中のマレイミドへ添加し、得られたスラリーをガラス棒で連続的に撹拌した。反応が進行するにつれて、スラリーの色が白色から黄色へ変化し、最終的に赤色へ変化し、マレイミド重合体が生成したことを示していた。反応は1分未満で完了した。ビーカーを氷水浴から取り出し、内容物をホットプレートで約80℃で2時間加熱し、即ち乾固させた。
次に、マレイミド重合体を蒸留水に溶解し(10〜12重量%)、1モル当量の水酸化ナトリウムを添加した。マレイミド重合体を85℃で10〜12時間加水分解し、次に冷凍乾燥した。得られたアルカリ金属ポリマレイミド塩を、次に蒸留物に溶解し(10〜12重量%)、エタノール中で沈澱させて精製した。NMR、キレート化、及びGPC分析を、アルカリ金属ポリマレイミド塩に対して行なった。
アルカリ金属ポリマレイミド塩の分極移動による無方向性増加(directionless enhancement by polarization transfer)(DEPT)スペクトルが図2に示されている。34ppmでのCHピーク及び56ppmでのCHピークは、アルカリ金属ポリマレイミド塩がC−N結合単量体を含有することを示していた。なぜなら、C−H炭素はNに結合しており、従って、全く遮蔽されていないからである。36ppmでのCHピークは、アルカリ金属ポリマレイミド塩が、C−C結合単量体も含有することを示していた。C−N結合の%は、約80%であることが決定された。
例1と同様に、アルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量を決定するのにゲル浸透クロマトグラフィーを用いた。平均分子量は約1,100であった。
例3
この例は、エタノール中でのマレイミドのアニオン重合、及び続くアルカリ金属ポリマレイミド塩へのマレイミド重合体のアルカリ性加水分解を例示する。
5gのマレイミドを丸底フラスコ中で70℃の25mlのエタノール中に溶解した(温度は油浴により調節した)。次にKOHの溶液(10mlのエタノール中0.35g)を添加し、内容物を70℃に2時間維持した。反応が進行するに従ってスラリーの色が無色から赤色へ変化し、次にピンク色の沈澱物が形成した。ピンク色の沈澱物(マレイミド重合体)を直ちに濾過し、次に約80℃の炉中で乾燥した。
次に、蒸留水中にマレイミド重合体を溶解し(10〜12重量%)1モル当量の水酸化ナトリウムを添加した。マレイミド重合体を85℃で10〜12時間加水分解し、次に冷凍乾燥した。得られたアルカリ金属ポリマレイミド塩を、次に蒸留水に溶解し(10〜12重量%)、エタノール中で沈澱させて精製した。NMR、キレート化、及びGPC分析を、そのアルカリ金属ポリマレイミド塩に対して行なった。
例1と同様に、アルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量を決定するのにゲル浸透クロマトグラフィーを用いた。平均分子量は約4,000であった。
例4
この例は、アルカリ金属ポリマレイミド塩が炭酸カルシウムの沈澱を阻止するのに有効であることを示す。アルカリ金属ポリマレイミド塩の炭酸カルシウム沈澱阻止剤として働く能力を、重合体による水酸化物ナトリウムの消費量及びpHの低下を測定するカルシウム再沈澱分析により決定した。アルカリ金属ポリマレイミド塩は、市販洗剤ビルダーであるアクゾル(ACUSOL)に匹敵していた。
カルシウム再沈澱分析は、コスカン(Koskan)その他による米国特許第5,152,902号明細書に記載されているように行なった。簡単に述べると、0.015モルのCaCl溶液70ml及び0.5mlのアルカリ金属ポリマレイミド塩溶液(100ppm)を含有する溶液をビーカー中で調製した。その溶液を撹拌し、10mlの0.01モル炭酸水素ナトリウムを添加した。溶液を一定に撹拌しながら混合物が混濁するまで、0.1Mの水酸化ナトリウムで滴定した。水酸化ナトリウム溶液を添加する前、及び添加後10分の溶液のpHを決定した。滴定に要した水酸化ナトリウムの量も決定した。幾つかのアルカリ金属ポリマレイミド塩についての結果を表1に示す。
一般に、NaOHの消費量が大きい程、pH低下は小さく、アルカリ金属ポリマレイミド塩の炭酸カルシウム沈澱阻止の効果は大きくなる。PbO・アルコール開始剤法を用いて製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩は、最大量の水酸化ナトリウムを必要とし、分析した全ての重合体の中で最も低いpH低下を示していた。従って、それらの結果は、PbO・アルコール開始剤法により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩が、最も効果的な炭酸カルシウム沈澱阻止剤であることを示している。
Figure 0003947740
例5
この例は、アルカリ金属ポリマレイミド塩がスケール形成防止剤として有効であることを示す。その効果性は、カルシウム選択電極を用いてアルカリ金属ポリマレイミド塩のカルシウムキレート化分析を用いて決定した〔クラッグス(Craggs)その他、Analyst 104: 961-972 (1979)〕。
洗剤ビルダーとしての重合体の性能を、カルシウムキレート化分析により決定することができる。その基本は、カルシウム洗剤性電極が遊離カルシウムイオンだけを測定し、キレート化(結合)されたカルシウムイオンに対しては感応しないことである。重合体存在下での遊離カルシウムイオンの濃度が低い程、重合体のカルシウムキレート化能力が強い。
重合体溶液が存在する中でカルシウム濃度を決定するのに必要な較正曲線を作るため、一連のカルシウム標準溶液(CaCOとして10〜100ppm)を用いた。100mlのミリ(MILLI)−Q水〔ミリ−Qは、ミリポアー社(Millipore Corporation)の商標名である〕中に0.1109gのCaClを溶解することにより0.01MのCaCl(CaCOとしての硬度、1000ppm)の保存溶液を調製し、次に希釈して適当な標準溶液を与えた。例1、2、又は3で製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩及び基準としてのポリアスパラギン酸ナトリウムの各々の保存溶液を調製するため、0.05gのアルカリ金属ポリマレイミド塩、又はポリアスパラギン酸ナトリウムを、25mlのミリ−Q水中に溶解した。
オリオン・リサーチ社(Orion Research, Inc.)からのカルシウム選択性97−20イオンプラス(IONPLUS)電極を用いて、電位差測定を行なった。電極を25℃の200ppmカルシウム溶液50ml中に浸漬し、磁気撹拌棒を用いて溶液を連続的に撹拌した。重合体溶液を少しずつ(0.5ml)カルシウム溶液へ添加し、カルシウム溶液へ添加する毎に遊離カルシウムイオンの平衡値を、読みが安定化した後に記録した。ポテンシャル値が10ppmより低く低下した時、重合体の添加を止めた。各々についてのデーターを較正曲線に対して標準化し、他の重合体によって得られたデーターと比較した。
カルシウムキレート化分析の結果を図4に示す。幾つかの標準カルシウム溶液を用いて作成した較正曲線は、直線状プロットを生じた。既知の量の重合体溶液を添加した後の遊離カルシウムイオンの濃度を、較正曲線から決定した。異なった重合体溶液についての曲線は、金属酸化物・アルコール開始剤(PbO−ROH)を用いて製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩(PMI PbO−ROH)が最もよいキレート化能力を持っていたことを示している。従って、金属酸化物・アルコール開始剤重合法により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩(例1)は、アニオン重合法(例2及び3)により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩よりも一層効果的なスケール形成防止剤である。それらの結果は、例4のカルシウム再沈澱分析の結果と一致している。
この例及び例4で示したようなアルカリ金属ポリマレイミド塩の性質の差は、アルカリ金属ポリマレイミド塩の分子量及び重合体中のC−N結マレイミド誘導単量体の%の差によるものである。金属酸化物・アルコール開始剤を用いた塊状重合法(例1)は、キレート化に対して一層よい性質を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩を生じ、それらのアルカリ金属ポリマレイミド塩が約60%のC−C結合単量体を有するのに対し、アニオン重合により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩(例2及び3)は、約20%のC−C結合単量体を有するので、C−C結合単量体が、C−N結合単量体よりも一層到達し易い供与体部位を与えるものと思われる。
例4及び5の結果は、重合体の分子量が高い程、その重合体が洗剤ビルダー用として一層効果的であることも示している。金属酸化物・アルコール開始剤を用いた塊状重合法により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩の平均分子量は約11,600であったのに対し、アニオン重合法により製造したアルカリ金属ポリマレイミド塩の平均分子量は約1,100〜4,000であった。例4及び5の結果は、アルカリ金属ポリマレイミド塩を合成するための簡単で経済的な方法が開発されたこと示している。例4及び5は、アルカリ金属ポリマレイミド塩の性質を評価する迅速で便利な方法が開発されたことも示している。ここには、回転円板電極で表面スケール形成を分析するために酸素還元電流を利用する電気化学的方法を用いた改良された分析方法も示されている。
例6
この例は、例1のポリマレイミド塩を、炭酸塩蓄積洗剤及び硬水を用いて10回のTERG-O-TOMETER試験で沈着層形成(encrustation)及び汚れ再付着を防ぐ効果性について、標準ポリアクリレート重合体と比較する。
試験試料
ポリマレイミド 10%溶液
アクゾル445N 4500mwポリアクリレート 45%溶液
結果の要約
実験重合体による沈着層形成の抑制は、標準ポリアクリレートと同様に良好であった。炭酸カルシウムの蓄積は非常に少なく、0.4〜0.5%の範囲であった。過去の試験では0.3%が殆ど完全な抑制である。抑制がない場合、配合及び他の因子により、石灰石のレベルは8〜12%に達成することがある。
三つの織物への汚れ再付着は、実験のものと標準ポリアクリレート重合体とで匹敵していた。汚れ再付着の量は大きかったが、このスクリーニング試験では異常なものではない。
ポリマレイミド塩を用いた結果は肯定的(positive)であった。
試験
沈着層形成及び汚れの再付着は、同時に測定することができる。二つの異なった測定のために別々の布切れを用いた。汚れの存在は沈着層形成の測定を一層現実的にする。なぜなら、汚れが木綿織物上への石灰石の付着に影響を与えるからである。水の硬度は大きく、炭酸カルシウムによる沈着層形成を顕著にする。洗浄工程が終わった時、洗浄浴のpHを測定し、記録した。通常TERG-O-METER試験は、一層広範な洗浄機のための調製及び家庭での試験で、生成物をスクリーニングするためにだけ用いられている。
Figure 0003947740
沈着層形成
実験室TERG−O−TOMETERは、洗浄及び濯ぎサイクルで一緒にした仕方で用いられている。硬度300ppm,の水をポットに入れ、洗剤成分を添加する。溶解時間の後、汚れを添加し、数秒分散させる。汚れ及び洗剤が分散したことを検査して確かめた後、布切れを入れる。洗浄及び濯ぎサイクルを行なった後、過剰の水を手で絞り出す。
石灰石沈着層形成は、布切れを100℃で一定重量になるまで乾燥した後、炭酸カルシウム重量%として決定する。0、1、5、及び10サイクルの後、木綿布切れから炭酸カルシウム付着物を完全に抽出するため、0.2NのHClを25ml用いて布切れを3回抽出する。抽出物の一部分をEDTAで滴定し、炭酸カルシウムの%を計算する。
再付着防止活性度
ASTM D4008のガイドラインに従って、再付着性についての実験部分のために、3枚の布切れへの汚れ付着を防ぐ洗剤配合物の相対的能力を測定した。炭酸カルシウムによる沈着層形成を、同時に測定した。再付着のために汚れを供給するため、汚れた布を用いるよりもむしろ汚れを直接洗浄浴中へ添加する。汚れは、サイエンティフィック・サービシズ(Scientific Services)汚染布を調製するために用いられている標準汚染媒体、即ち、塵・皮脂(dust-sebum)エマルジョン及び粘度スラリーである。試験は、測定可能なレベルの再付着汚れが蓄積するまで何回か曝すことを必要とする。これらの試験では、10回の連続的洗濯サイクルを行なった。
実験室TERG-O-TOMETERを、洗浄及び濯ぎサイクルのために用いた。予め洗浄した布切れを、硬水及び配合化学物質と共に10回連続的に洗濯した。布切れを炉で15分間170°Fで乾燥した後、次のサイクルにかけた。
布切れに記号を付け、「L」スケールを用いたBYKガードナー・カラーガード・システム(BYK-GARDNER COLORGARD SYSTEM)/05反射率計を用いて反射率を測定した。反射率は、奇麗な布について読取り、洗浄及び乾燥の1、5、及び10サイクル後に再び読取り、布切れは同じように重ね、配向した。結果を△(delta)Lとして報告する。付着蓄積結果対サイクル数は、汚れ蓄積の最もよい描写を与える。なぜなら、サイクル毎に変化がしばしば起きるからである。
Figure 0003947740
結果及び考察
試験の結果は、次の表2、3、4、及び5に入れてある。
Figure 0003947740
Figure 0003947740
Figure 0003947740
Figure 0003947740
本発明を例示した態様に関連してここに記述してきたが、本発明は、それらに限定されるものではないことを理解すべきである。当業者及びここでの教示にアクセスできる人は、本発明の範囲内で更に別の修正及び態様を認識できるであろう。従って、本発明は、ここに添付する特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1は、マレイミドからのアルカリ金属ポリマレイミド塩の合成を例示する図である。 図2は、KOH開始剤を用いたアニオン性重合法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩のDEPTスペクトルの図である。 図3は、PbO・アルコール開始剤を用いた塊状重合法により製造されたアルカリ金属ポリマレイミド塩の H NMRスペクトルの図である。 図4は、カルシウム選択性電極を用いた幾つかのアルカリ金属ポリマレイミド塩のキレート化分析のグラフであり、スケール形成防止剤としてのそれらの効果性を示している。

Claims (25)

  1. アルカリ金属ポリマレイミド塩を製造する方法において、
    (a) 金属触媒及びアルコール開始剤の存在下でマレイミドを無水重合し、マレイミド重合体であって、そのマレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、及び
    (b) 前記マレイミド重合体をアルカリ金属塩基で、10〜100℃で少なくとも1時間加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させること、
    を含む上記製造方法。
  2. マレイミド重合体を、塊状重合により重合する、請求項1に記載の方法。
  3. マレイミド重合体を、溶媒中で重合する、請求項1に記載の方法。
  4. 金属触媒が、PbO、SnO、2−エチルヘキサン酸Snからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 金属触媒がPbOである、請求項4に記載の方法。
  6. アルコール開始剤が、t−ブチルベンジルアルコールである、請求項1に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の方法により製造された、マレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩。
  8. アルカリ金属ポリマレイミド塩の製造方法において、
    (a) 塩基を含む水溶液中でマレイミドを重合し、マレイミド重合体であって、そのマレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、及び
    (b) 前記マレイミド重合体を、アルカリ金属塩基で、10〜100℃で少なくとも1時間加水分解し、アルカリ金属ポリマレイミド塩を生成させること、
    を含む上記製造方法。
  9. 塩基がKOHである、請求項8に記載の方法。
  10. アルカリ金属塩基がNaOHである、請求項8に記載の方法。
  11. 請求項8に記載の方法により製造された、マレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩。
  12. アルカリ金属ポリマレイミド塩のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するアルカリ金属ポリマレイミド塩。
  13. ルカリ金属ポリマレイミド塩を含み、前記アルカリ金属ポリマレイミド塩のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有する洗剤組成物であって、前記アルカリ金属ポリマレイミド塩が、前記洗剤を含む水中のカルシウムイオンと前記アルカリ金属とを交換するものである、上記洗剤組成物。
  14. アルカリ金属ポリマレイミド塩を少なくとも10重量%含有する、請求項13に記載の洗剤組成物。
  15. アルカリ金属ポリマレイミド塩を80重量%まで含有する、請求項13に記載の洗剤組成物。
  16. マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を製造する方法において、
    金属触媒及びアルコール開始剤の存在下でマレイミドを無水重合し、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、
    を含む上記製造方法。
  17. マレイミド重合体を、塊状重合により重合する、請求項16に記載の方法。
  18. 金属触媒が、PbO、SnO、2−エチルヘキサン酸Snからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  19. 金属触媒がPbOである、請求項18に記載の方法。
  20. アルコール開始剤が、t−ブチルベンジルアルコールである、請求項16に記載の方法。
  21. マレイミド重合体を溶媒中で重合する、請求項16に記載の方法。
  22. 請求項16に記載の方法により製造された、マレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体。
  23. マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体の製造方法において、
    塩基を含む水溶液中でマレイミドを重合し、マレイミド重合体のマレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体を生成させること、
    を含む上記製造方法。
  24. 塩基がKOHである、請求項23に記載の方法。
  25. 請求項23に記載の方法により製造された、マレイミド誘導単位の間に混合C−C及びC−N結合を有するマレイミド重合体。
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