JPH09316198A - 変性ポリアスパラギン酸塩の製造方法 - Google Patents
変性ポリアスパラギン酸塩の製造方法Info
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- JPH09316198A JPH09316198A JP13821196A JP13821196A JPH09316198A JP H09316198 A JPH09316198 A JP H09316198A JP 13821196 A JP13821196 A JP 13821196A JP 13821196 A JP13821196 A JP 13821196A JP H09316198 A JPH09316198 A JP H09316198A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アミノ化合物によって変性されたポリアスパ
ラギン酸塩をゲル化を起こさせず簡便に製造する。 【解決手段】 無水ポリアスパラギン酸を部分的に加水
分解した後、一般式〔I〕で表されるアミノ化合物を反
応させる。 【化1】
ラギン酸塩をゲル化を起こさせず簡便に製造する。 【解決手段】 無水ポリアスパラギン酸を部分的に加水
分解した後、一般式〔I〕で表されるアミノ化合物を反
応させる。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性ポリアスパラ
ギン酸塩の製造方法に関する。更に詳しくは、アミノ化
合物を用いても、ゲル化を起こさない変性アスパラギン
酸塩の製造方法に関する。本発明の方法で得られる変性
ポリアスパラギン酸塩は、アスパラギン酸塩の生分解性
を維持したまま、変性により種々の特性が向上するた
め、多岐の用途に適用可能となる。例えば、分散剤、表
面処理剤、シャンプー剤、キレート剤、スケール防止
剤、土壌改良剤、園芸用保水剤、シール剤等が挙げられ
る。
ギン酸塩の製造方法に関する。更に詳しくは、アミノ化
合物を用いても、ゲル化を起こさない変性アスパラギン
酸塩の製造方法に関する。本発明の方法で得られる変性
ポリアスパラギン酸塩は、アスパラギン酸塩の生分解性
を維持したまま、変性により種々の特性が向上するた
め、多岐の用途に適用可能となる。例えば、分散剤、表
面処理剤、シャンプー剤、キレート剤、スケール防止
剤、土壌改良剤、園芸用保水剤、シール剤等が挙げられ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、無水ポリアスパラギン酸とアミン
化合物との反応生成物を得る方法として、無水ポリアス
パラギン酸とアミン化合物とを溶液中で反応させ、その
後、中和・加水分解し、ポリアスパラギン酸誘導体を得
る方法(特開昭60−45597号公報)、溶媒に溶解
させた無水ポリアスパラギン酸と水及び有機溶媒に溶解
させたアミノ化合物とを反応させ、加水分解と同時にア
ミノ化合物を付加する方法(Die Angewand
te Makromolekulare Chemie
181 (1990))が知られている。これらの方
法では、イミド環同士がアミノ化合物によって架橋され
易く、この架橋反応が起こると生成ポリマーがゲル化
し、所望の用途に使用できなくなる。そこで、この架橋
反応を抑制し、目的とする生成物を得るためには、無水
ポリアスパラギン酸溶液中へのアミノ化合物の滴下速度
や滴下時間等を微妙に調整する必要があり、工業的に採
用する技術としては問題があった。
化合物との反応生成物を得る方法として、無水ポリアス
パラギン酸とアミン化合物とを溶液中で反応させ、その
後、中和・加水分解し、ポリアスパラギン酸誘導体を得
る方法(特開昭60−45597号公報)、溶媒に溶解
させた無水ポリアスパラギン酸と水及び有機溶媒に溶解
させたアミノ化合物とを反応させ、加水分解と同時にア
ミノ化合物を付加する方法(Die Angewand
te Makromolekulare Chemie
181 (1990))が知られている。これらの方
法では、イミド環同士がアミノ化合物によって架橋され
易く、この架橋反応が起こると生成ポリマーがゲル化
し、所望の用途に使用できなくなる。そこで、この架橋
反応を抑制し、目的とする生成物を得るためには、無水
ポリアスパラギン酸溶液中へのアミノ化合物の滴下速度
や滴下時間等を微妙に調整する必要があり、工業的に採
用する技術としては問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微妙
な操作制御をしなくてもゲル化等を伴わずに、容易に短
時間で、無水ポリアスパラギン酸をアミノ化合物で変性
できる方法を提供するものである。
な操作制御をしなくてもゲル化等を伴わずに、容易に短
時間で、無水ポリアスパラギン酸をアミノ化合物で変性
できる方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意検討した結果、ポリアスパラギン酸の前駆体である無
水ポリアスパラギン酸を部分的に加水分解した後、アミ
ノ化合物を反応させることで、ゲル化を伴わずにポリア
スパラギン酸塩を変性できることを見出し、本発明に到
達した。すなわち、本発明の要旨は、無水ポリアスパラ
ギン酸を部分的に加水分解した後、一般式〔I〕で表さ
れるアミノ化合物を反応させることを特徴とする変性ポ
リアスパラギン酸塩の製造方法に存する。
意検討した結果、ポリアスパラギン酸の前駆体である無
水ポリアスパラギン酸を部分的に加水分解した後、アミ
ノ化合物を反応させることで、ゲル化を伴わずにポリア
スパラギン酸塩を変性できることを見出し、本発明に到
達した。すなわち、本発明の要旨は、無水ポリアスパラ
ギン酸を部分的に加水分解した後、一般式〔I〕で表さ
れるアミノ化合物を反応させることを特徴とする変性ポ
リアスパラギン酸塩の製造方法に存する。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 及びR2 は、1価の有機基、
R3 は、(l+m)価の有機基を示し、n及びmは1〜
3の整数を示す)
R3 は、(l+m)価の有機基を示し、n及びmは1〜
3の整数を示す)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。 (無水ポリアスパラギン酸)本発明に使用する無水ポリ
アスパラギン酸は、マレイン酸とアンモニアの反応物、
マレアミド酸、アスパラギン酸あるいはこれらの混合物
を、リン酸の存在下、または、不存在下で熱縮合させる
ことによって得ることができる。本発明で用いる無水ポ
リアスパラギン酸の製造方法は、特に限定されないが、
例えば、アスパラギン酸をリン酸あるいはポリリン酸触
媒の存在下、100℃〜250℃で固相反応を行う方法
(特公昭48−20638号公報または米国特許第51
42062号明細書等参照)、アスパラギン酸またはマ
レアミド酸を180℃以上の高温下に固相で反応させる
方法(米国特許第5057597号明細書、同第521
9986号明細書、同第5315010号明細書または
特開平6−206937号公報)、アンモニアと無水マ
レイン酸を120℃以上の温度下に固相で反応させる方
法(米国特許第4839461号明細書、及び同第52
96578号明細書等参照)、ならびにアスパラギン酸
またはマレアミド酸を、ポリエチレングリコール、N−
メチルピロリドンまたはスルホラン等の溶媒の存在下、
120℃以上の温度下で反応させる方法(特開平6−4
5350号公報または特開平6−211982号公報等
参照)等の方法により無水ポリアスパラギン酸を得るこ
とができる。無水ポリアスパラギン酸の分子量は、特に
限定なく、変性ポリアスパラギン酸塩の用途により適宜
選択することができるが、通常は重量平均分子量で、1
000〜100000の範囲から選ばれる。
する。 (無水ポリアスパラギン酸)本発明に使用する無水ポリ
アスパラギン酸は、マレイン酸とアンモニアの反応物、
マレアミド酸、アスパラギン酸あるいはこれらの混合物
を、リン酸の存在下、または、不存在下で熱縮合させる
ことによって得ることができる。本発明で用いる無水ポ
リアスパラギン酸の製造方法は、特に限定されないが、
例えば、アスパラギン酸をリン酸あるいはポリリン酸触
媒の存在下、100℃〜250℃で固相反応を行う方法
(特公昭48−20638号公報または米国特許第51
42062号明細書等参照)、アスパラギン酸またはマ
レアミド酸を180℃以上の高温下に固相で反応させる
方法(米国特許第5057597号明細書、同第521
9986号明細書、同第5315010号明細書または
特開平6−206937号公報)、アンモニアと無水マ
レイン酸を120℃以上の温度下に固相で反応させる方
法(米国特許第4839461号明細書、及び同第52
96578号明細書等参照)、ならびにアスパラギン酸
またはマレアミド酸を、ポリエチレングリコール、N−
メチルピロリドンまたはスルホラン等の溶媒の存在下、
120℃以上の温度下で反応させる方法(特開平6−4
5350号公報または特開平6−211982号公報等
参照)等の方法により無水ポリアスパラギン酸を得るこ
とができる。無水ポリアスパラギン酸の分子量は、特に
限定なく、変性ポリアスパラギン酸塩の用途により適宜
選択することができるが、通常は重量平均分子量で、1
000〜100000の範囲から選ばれる。
【0008】(加水分解)本発明では、アミノ化合物と
の反応に先だって、無水ポリアスパラギン酸中のイミド
環の一部を加水分解することを必須要件とする。この加
水分解により、後述のアミノ化合物との反応時における
ゲル化を防止することができるのである。無水ポリアス
パラギン酸の部分的な加水分解は、アルカリ触媒を用
い、常法に従って行うことができる。加水分解に用いる
アルカリ触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属及び
アルカリ土類金属水酸化物、トリエチルアミン、N−メ
チルモルホリン、トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン等の有機塩基を用いることができる。加水分解にお
けるアルカリの量は、無水ポリアスパラギン酸のイミド
環1当量に対し、例えば水酸化ナトリウムの場合、水酸
化ナトリウム1当量である。本発明における部分的な加
水分解とは、後述の変性反応に必要なイミド環以外のイ
ミド環を加水分解することを意味し、一般式〔I〕の化
合物を例えばアスパラギン酸ユニットの10mol%導
入したければ、90mol%のイミド環を加水分解する
ことを言う。要するに、後のアミノ化合物との反応では
イミド環のみが反応に関与するので、アミノ化反応に関
係のないイミド環を予め加水分解し開環しておくのであ
る。従って、加水分解率はアミノ化合物による変性率に
より決定されるが、その用途により、例えば10〜99
mol%の範囲から選定される。この加水分解率は、ア
ルカリ触媒の使用量を調節することにより制御すること
ができる。加水分解反応の温度は、通常、0〜25℃で
ある。
の反応に先だって、無水ポリアスパラギン酸中のイミド
環の一部を加水分解することを必須要件とする。この加
水分解により、後述のアミノ化合物との反応時における
ゲル化を防止することができるのである。無水ポリアス
パラギン酸の部分的な加水分解は、アルカリ触媒を用
い、常法に従って行うことができる。加水分解に用いる
アルカリ触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属及び
アルカリ土類金属水酸化物、トリエチルアミン、N−メ
チルモルホリン、トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン等の有機塩基を用いることができる。加水分解にお
けるアルカリの量は、無水ポリアスパラギン酸のイミド
環1当量に対し、例えば水酸化ナトリウムの場合、水酸
化ナトリウム1当量である。本発明における部分的な加
水分解とは、後述の変性反応に必要なイミド環以外のイ
ミド環を加水分解することを意味し、一般式〔I〕の化
合物を例えばアスパラギン酸ユニットの10mol%導
入したければ、90mol%のイミド環を加水分解する
ことを言う。要するに、後のアミノ化合物との反応では
イミド環のみが反応に関与するので、アミノ化反応に関
係のないイミド環を予め加水分解し開環しておくのであ
る。従って、加水分解率はアミノ化合物による変性率に
より決定されるが、その用途により、例えば10〜99
mol%の範囲から選定される。この加水分解率は、ア
ルカリ触媒の使用量を調節することにより制御すること
ができる。加水分解反応の温度は、通常、0〜25℃で
ある。
【0009】(アミノ化合物)本発明で使用するアミノ
化合物としては、前記一般式〔I〕で表される化合物で
ある。このアミノ化合物は、イミド環と反応性のある1
級アミノ基を分子内に1個以上有する化合物であり、好
ましくは、それ以外に1級、2級または3級のアミノ基
を1個以上含有する。一般式〔I〕の化合物における置
換基のR1 とR2 は、1価の有機基であるが、好ましく
は、それぞれ独立して、水素原子または、ハロゲン原
子、水酸基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ
基、メルカプト基、アルコキシ基、アシル基で置換され
ても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基また
はアリール基であり、該置換されても良いアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基またはアリール基は−S
−、−O−、−SO2 −、−NR−(Rはアルキル基ま
たは水素原子である)で連結された複数の置換基であっ
ても良い。特に好ましくは、R1 またはR2 の少なくと
も片方が水素原子である。R3 は、置換基を有しても良
い2〜4価の炭化水素基であり、好ましくはハロゲン原
子、水酸基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ
基、メルカプト基、アルコキシ基、アシル基で置換され
ても良いアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基またはアリーレン基であり、該置換されても良いアル
キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリ
ーレン基は−S−、−O−、−SO2 −、−NR−(R
はアルキル基または水素原子である)で連結された複数
の置換基であっても良い。
化合物としては、前記一般式〔I〕で表される化合物で
ある。このアミノ化合物は、イミド環と反応性のある1
級アミノ基を分子内に1個以上有する化合物であり、好
ましくは、それ以外に1級、2級または3級のアミノ基
を1個以上含有する。一般式〔I〕の化合物における置
換基のR1 とR2 は、1価の有機基であるが、好ましく
は、それぞれ独立して、水素原子または、ハロゲン原
子、水酸基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ
基、メルカプト基、アルコキシ基、アシル基で置換され
ても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基また
はアリール基であり、該置換されても良いアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基またはアリール基は−S
−、−O−、−SO2 −、−NR−(Rはアルキル基ま
たは水素原子である)で連結された複数の置換基であっ
ても良い。特に好ましくは、R1 またはR2 の少なくと
も片方が水素原子である。R3 は、置換基を有しても良
い2〜4価の炭化水素基であり、好ましくはハロゲン原
子、水酸基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ
基、メルカプト基、アルコキシ基、アシル基で置換され
ても良いアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン
基またはアリーレン基であり、該置換されても良いアル
キレン基、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリ
ーレン基は−S−、−O−、−SO2 −、−NR−(R
はアルキル基または水素原子である)で連結された複数
の置換基であっても良い。
【0010】好適なアミノ化合物の具体例としては、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−ヘキシ
ル−1,2−エタンジアミン、N−メチル−1,3−ジ
アミノプロパン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エ
タノール、N−(2−アミノエチル)−N−メチル−
1,2−エタンジアミン、2−{(2−アミノエチル)
アミノ}エタノール、1,4−ブタンジアミン、N−
(3−アミノプロピル)−グリシン、1,10−ドデカ
ンジアミン、N−(2−アミノエチル)−N−メチル−
1,2−エタンジアミン、2,2−ジメチル−1,5−
ペンタンジアミン、N−エチル−1,2−エタンジアミ
ン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、リジン、
オルニチン等が挙げられる。
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−ヘキシ
ル−1,2−エタンジアミン、N−メチル−1,3−ジ
アミノプロパン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エ
タノール、N−(2−アミノエチル)−N−メチル−
1,2−エタンジアミン、2−{(2−アミノエチル)
アミノ}エタノール、1,4−ブタンジアミン、N−
(3−アミノプロピル)−グリシン、1,10−ドデカ
ンジアミン、N−(2−アミノエチル)−N−メチル−
1,2−エタンジアミン、2,2−ジメチル−1,5−
ペンタンジアミン、N−エチル−1,2−エタンジアミ
ン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、リジン、
オルニチン等が挙げられる。
【0011】(変性反応)無水ポリアスパラギン酸を部
分的に加水分解させたものと、前記一般式〔I〕のアミ
ノ化合物との反応は、無水ポリアスパラギン酸のイミド
環基を部分的に加水分解した後、残存する連鎖中のイミ
ド環基にアミノ化合物中の1級アミノ基が付加反応し
て、イミド環を開環するものと推定される。これを無水
ポリアスパラギン酸とヘキサメチレンジアミンとの反応
について示せば、下式のように進行するものと推測され
る。
分的に加水分解させたものと、前記一般式〔I〕のアミ
ノ化合物との反応は、無水ポリアスパラギン酸のイミド
環基を部分的に加水分解した後、残存する連鎖中のイミ
ド環基にアミノ化合物中の1級アミノ基が付加反応し
て、イミド環を開環するものと推定される。これを無水
ポリアスパラギン酸とヘキサメチレンジアミンとの反応
について示せば、下式のように進行するものと推測され
る。
【0012】
【化3】
【0013】反応に用いる前記一般式〔I〕で表される
アミノ化合物の使用量としては、好ましくは、無水ポリ
アスパラギン酸中の全アスパラギン酸単位の90mol
%以下、更に好ましくは70mol%以下、1mol%
以上が変性される範囲内で適宜選択される。用途によ
り、90mol%を超えるアミノ化合物の導入量では、
ポリアスパラギン酸本来の性質が失われるため、好まし
くない。
アミノ化合物の使用量としては、好ましくは、無水ポリ
アスパラギン酸中の全アスパラギン酸単位の90mol
%以下、更に好ましくは70mol%以下、1mol%
以上が変性される範囲内で適宜選択される。用途によ
り、90mol%を超えるアミノ化合物の導入量では、
ポリアスパラギン酸本来の性質が失われるため、好まし
くない。
【0014】アミノ化合物の変性反応の温度は特に限定
されないが、通常、無触媒で室温でも充分進行するの
で、所定量の部分的に加水分解した無水ポリアスパラギ
ン酸塩とアミノ化合物を、そのまま、または溶媒中で混
合すればよい。アミノ化合物の反応性や必要に応じて、
冷却、加熱することもできるが、無水ポリアスパラギン
酸の高分子鎖の分解を避けるために、比較的低い温度、
具体的には、0〜160℃、好ましくは10〜100℃
から選択する。反応時間は特に限定されないが、1分〜
24時間、好ましくは、5分〜10時間である。
されないが、通常、無触媒で室温でも充分進行するの
で、所定量の部分的に加水分解した無水ポリアスパラギ
ン酸塩とアミノ化合物を、そのまま、または溶媒中で混
合すればよい。アミノ化合物の反応性や必要に応じて、
冷却、加熱することもできるが、無水ポリアスパラギン
酸の高分子鎖の分解を避けるために、比較的低い温度、
具体的には、0〜160℃、好ましくは10〜100℃
から選択する。反応時間は特に限定されないが、1分〜
24時間、好ましくは、5分〜10時間である。
【0015】反応溶媒としては、通常、無水ポリアスパ
ラギン酸が溶解するN,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、N−メ
チルピロリドン、スルホランなどの非プロトン性極性溶
媒、または、これらの混合溶媒が使用できるが、更に使
用するアミンの溶解性及び加水分解量により、水やその
他の溶媒及びその混合物を、使用することもできる。溶
媒の使用量は、無水ポリアスパラギン酸100重量部に
対し、1〜10000重量部、好ましくは5〜5000
重量部である。
ラギン酸が溶解するN,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、N−メ
チルピロリドン、スルホランなどの非プロトン性極性溶
媒、または、これらの混合溶媒が使用できるが、更に使
用するアミンの溶解性及び加水分解量により、水やその
他の溶媒及びその混合物を、使用することもできる。溶
媒の使用量は、無水ポリアスパラギン酸100重量部に
対し、1〜10000重量部、好ましくは5〜5000
重量部である。
【0016】変性反応の反応方式は任意の方法を採用す
ることができるが、過剰のアミノ化合物を敷液とし、こ
れにポリマー溶液を加える方法が、アミノ基の導入量が
高い場合(50mol%を超えた領域)においても架橋
反応、分子量の増加等の副反応が、起こりにくいため好
ましい。アミノ化合物の量は、無水ポリアスパラギン酸
のイミド環1当量に対し、アミンのアミノ基1当量以
上、好ましくは1.2当量以上、さらに好ましくは1.
5当量以上の範囲で適宜選択される。本発明では多量の
アミノ化合物を用いても架橋の反応が起こることは殆ん
どない。また、アミノ化合物の量が1当量未満の場合
は、系内のアミン化合物により、架橋する可能性がある
ので好ましくない。
ることができるが、過剰のアミノ化合物を敷液とし、こ
れにポリマー溶液を加える方法が、アミノ基の導入量が
高い場合(50mol%を超えた領域)においても架橋
反応、分子量の増加等の副反応が、起こりにくいため好
ましい。アミノ化合物の量は、無水ポリアスパラギン酸
のイミド環1当量に対し、アミンのアミノ基1当量以
上、好ましくは1.2当量以上、さらに好ましくは1.
5当量以上の範囲で適宜選択される。本発明では多量の
アミノ化合物を用いても架橋の反応が起こることは殆ん
どない。また、アミノ化合物の量が1当量未満の場合
は、系内のアミン化合物により、架橋する可能性がある
ので好ましくない。
【0017】このようにして得られる本発明のアミノ基
含有ポリアスパラギン酸塩の後処理法は特に限定されな
いが、反応終了後、アセトン、メタノール、THF、ジ
オキサン、エチルエーテル、クロロホルムなどで沈殿さ
せることにより、単離することがてきる。または、反応
終了後、上記の非プロトン性極性溶媒に溶解したまま
で、各種用途に用いることもできる。
含有ポリアスパラギン酸塩の後処理法は特に限定されな
いが、反応終了後、アセトン、メタノール、THF、ジ
オキサン、エチルエーテル、クロロホルムなどで沈殿さ
せることにより、単離することがてきる。または、反応
終了後、上記の非プロトン性極性溶媒に溶解したまま
で、各種用途に用いることもできる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により些かも制限さ
れるものではない。 (分子量)合成した無水ポリアスパラギン酸の分子量は
ポリマーラボラトリー(株)社製「TLGEL 5μm
MIX ED−C」カラムを2本用い、溶離液に20
mM LiBrのジメチルホルムアミドを用いたGPC
クロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリスチ
レン換算値である。
明するが、本発明はこれらの実施例により些かも制限さ
れるものではない。 (分子量)合成した無水ポリアスパラギン酸の分子量は
ポリマーラボラトリー(株)社製「TLGEL 5μm
MIX ED−C」カラムを2本用い、溶離液に20
mM LiBrのジメチルホルムアミドを用いたGPC
クロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリスチ
レン換算値である。
【0019】〔参考例1〕ポリスクシンイミドの合成 冷却器、温度計、撹拌器及び水分分離器を備えた200
ml容四口フラスコ内に、アスパラギン酸25g、85
%リン酸2.5g、メシチレン56g及びスルホラン2
4gを仕込んだ。次いで、常圧、メシチレンの還流下
(162℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。
反応中に生じた水はメシチレンと共に系外へ留去せしめ
た。反応終了後、反応液を濾過して反応生成物を収集し
た。得られた生成物を純水100gで4回洗浄し、さら
にメタノール100gで洗浄した。次いで、生成物を減
圧下に80℃で24時間乾燥させ、黄白色のポリスクシ
ンイミド粉末17.9gを得た。理論量に対する収率は
98%であった。得られたポリスクシンイミドのポリス
チレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、
重量平均分子量が66000、数平均分子量が2500
0であった。この樹脂を「樹脂A」とする。
ml容四口フラスコ内に、アスパラギン酸25g、85
%リン酸2.5g、メシチレン56g及びスルホラン2
4gを仕込んだ。次いで、常圧、メシチレンの還流下
(162℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。
反応中に生じた水はメシチレンと共に系外へ留去せしめ
た。反応終了後、反応液を濾過して反応生成物を収集し
た。得られた生成物を純水100gで4回洗浄し、さら
にメタノール100gで洗浄した。次いで、生成物を減
圧下に80℃で24時間乾燥させ、黄白色のポリスクシ
ンイミド粉末17.9gを得た。理論量に対する収率は
98%であった。得られたポリスクシンイミドのポリス
チレン換算の分子量をGPC測定により求めたところ、
重量平均分子量が66000、数平均分子量が2500
0であった。この樹脂を「樹脂A」とする。
【0020】〔参考例2〕 ポリスクシンイミドの合成 窒素ガス雰囲気下、L−アスパラギン酸(5.0kg)
と85%リン酸(500g)とを「スーパーミキサー」
((株)カワタ社製)で5分間混合し、触媒を分散させ
た。重縮合反応は、(株)栗本鉄工所社製「KRCニー
ダー」(50φ×661.5L、L/D 13.2)を
用い以下の通り行った。熱媒を260℃、スクリュウの
回転数を30rpmに設定し、吐出量が1kg/h(平
均滞留時間16分)になるように上記で得られたアスパ
ラギン酸とリン酸の混合物を供給して重縮合を行い、褐
色の粉末を得た。このポリスクシンイミドの重量平均分
子量は17000、ポリマーへの転化率は99.9%以
上であった。この樹脂を「樹脂B」とする。
と85%リン酸(500g)とを「スーパーミキサー」
((株)カワタ社製)で5分間混合し、触媒を分散させ
た。重縮合反応は、(株)栗本鉄工所社製「KRCニー
ダー」(50φ×661.5L、L/D 13.2)を
用い以下の通り行った。熱媒を260℃、スクリュウの
回転数を30rpmに設定し、吐出量が1kg/h(平
均滞留時間16分)になるように上記で得られたアスパ
ラギン酸とリン酸の混合物を供給して重縮合を行い、褐
色の粉末を得た。このポリスクシンイミドの重量平均分
子量は17000、ポリマーへの転化率は99.9%以
上であった。この樹脂を「樹脂B」とする。
【0021】実施例1 参考例1で得た樹脂A 54.3gをビーカーに入れ、
N,N−ジメチルホルムアミド316gを加えて溶解さ
せた。これに水酸化ナトリウム水溶液(NaOH21.
43g/H2 O 420g)を25分かけて滴下した
後、50℃で10分間撹拌した。これに純水100ml
を加えて50℃で0.5時間撹拌すると沈殿が消え、さ
らに1.5時間撹拌すると懸濁してきたので純水200
mlを加え、1時間撹拌し、均一の溶液とした。ここ
で、1部サンプリングし、NMR解析によりイミド環が
0.1mol残存していることが確認され、ほぼ82%
の加水分解が行われた。
N,N−ジメチルホルムアミド316gを加えて溶解さ
せた。これに水酸化ナトリウム水溶液(NaOH21.
43g/H2 O 420g)を25分かけて滴下した
後、50℃で10分間撹拌した。これに純水100ml
を加えて50℃で0.5時間撹拌すると沈殿が消え、さ
らに1.5時間撹拌すると懸濁してきたので純水200
mlを加え、1時間撹拌し、均一の溶液とした。ここ
で、1部サンプリングし、NMR解析によりイミド環が
0.1mol残存していることが確認され、ほぼ82%
の加水分解が行われた。
【0022】このポリマー溶液をアミノ化合物溶液(ヘ
キサメチレンジアミン41g/H2O 150ml)中
に30分かけて滴下した後、2.5時間撹拌した。これ
を55〜60℃で数時間かけて300ml位まで濃縮し
た後、メタノールに滴下し、上澄み液を加圧濾過し、粘
性沈殿を純水に再溶解後、メタノールで再沈、濾過、洗
浄した。これを80℃で36時間、減圧乾燥し、白色粉
末74.5gを得た。
キサメチレンジアミン41g/H2O 150ml)中
に30分かけて滴下した後、2.5時間撹拌した。これ
を55〜60℃で数時間かけて300ml位まで濃縮し
た後、メタノールに滴下し、上澄み液を加圧濾過し、粘
性沈殿を純水に再溶解後、メタノールで再沈、濾過、洗
浄した。これを80℃で36時間、減圧乾燥し、白色粉
末74.5gを得た。
【0023】この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂Aと同等であった。また、この生成物のDMF
に溶解させると不溶分が見られないため、これらのこと
から架橋をしていないことが確認された。また、NMR
解析によりヘキサメチレンジアミンが13mol%導入
されたことが確認された。
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂Aと同等であった。また、この生成物のDMF
に溶解させると不溶分が見られないため、これらのこと
から架橋をしていないことが確認された。また、NMR
解析によりヘキサメチレンジアミンが13mol%導入
されたことが確認された。
【0024】実施例2 参考例1で得た樹脂A 4.99gを水酸化ナトリウム
水溶液(NaOH 1.92g/H2 O 31.0g)
に加え、30分間撹拌した。実施例1と同様にサンプリ
ングし、NMR解析によりイミド環が2.57mmol
残存していることが確認され、ほぼ95%の加水分解が
行われた。アミン溶液(ヘキサメチレンジアミン5.9
8g/H2 O 100g)に先の混合溶液の濾液を約3
0分かけて滴下した後、一晩、撹拌した。得られた溶液
を50〜60℃で3時間かけて約50mlになるまで濃
縮した後、メタノールに滴下、再沈、濾過、洗浄した。
これを80℃で24時間減圧乾燥し、白色粉末を得た。
水溶液(NaOH 1.92g/H2 O 31.0g)
に加え、30分間撹拌した。実施例1と同様にサンプリ
ングし、NMR解析によりイミド環が2.57mmol
残存していることが確認され、ほぼ95%の加水分解が
行われた。アミン溶液(ヘキサメチレンジアミン5.9
8g/H2 O 100g)に先の混合溶液の濾液を約3
0分かけて滴下した後、一晩、撹拌した。得られた溶液
を50〜60℃で3時間かけて約50mlになるまで濃
縮した後、メタノールに滴下、再沈、濾過、洗浄した。
これを80℃で24時間減圧乾燥し、白色粉末を得た。
【0025】この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂A同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりヘキサメチレンジアミンが3.3mol%導入
されたことが確認された。
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂A同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりヘキサメチレンジアミンが3.3mol%導入
されたことが確認された。
【0026】実施例3 参考例1で得た樹脂A 5.00gをビーカーに入れ、
35gのN,N−ジメチルホルムアミドを加えて溶解さ
せた。これに、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
1.93g/H2 O 31g)を5分かけて滴下した
後、10分間撹拌した。これに純水40mlを加えて
1.8時間撹拌させ、均一溶液となった。ここで、1部
サンプリングし、NMR解析によりイミド環が18mo
l残存していることが確認され、ほぼ65%の加水分解
が行われた。この溶液をアミン溶液(ヘキサメチレンジ
アミン6.05g/H2 O 100ml)に20分かけ
て滴下した後、18時間撹拌した。これを60℃で2時
間かけて100mlになるまで濃縮後、メタノールに滴
下、再沈、濾過、洗浄した。これを80℃で24時間減
圧乾燥し、白色粉末を得た。
35gのN,N−ジメチルホルムアミドを加えて溶解さ
せた。これに、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
1.93g/H2 O 31g)を5分かけて滴下した
後、10分間撹拌した。これに純水40mlを加えて
1.8時間撹拌させ、均一溶液となった。ここで、1部
サンプリングし、NMR解析によりイミド環が18mo
l残存していることが確認され、ほぼ65%の加水分解
が行われた。この溶液をアミン溶液(ヘキサメチレンジ
アミン6.05g/H2 O 100ml)に20分かけ
て滴下した後、18時間撹拌した。これを60℃で2時
間かけて100mlになるまで濃縮後、メタノールに滴
下、再沈、濾過、洗浄した。これを80℃で24時間減
圧乾燥し、白色粉末を得た。
【0027】この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂A同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりヘキサメチレンジアミンが29mol%導入さ
れたことが確認された。
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂A同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりヘキサメチレンジアミンが29mol%導入さ
れたことが確認された。
【0028】実施例4 参考例2で得た樹脂B 5.0gをビーカーに入れ、3
5mlのN,N−ジメチルホルムアミドを加えて溶解さ
せた。これに水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 1.
93g/H2 O 31.0g)を加えて約10分間撹拌
後、純水30ml加え、反応系が均一になるまで撹拌し
た。ここで、1部サンプリングし、NMR解析によりイ
ミド環が1.2mmol残存していることが確認され、
ほぼ90%の加水分解が行われた。
5mlのN,N−ジメチルホルムアミドを加えて溶解さ
せた。これに水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 1.
93g/H2 O 31.0g)を加えて約10分間撹拌
後、純水30ml加え、反応系が均一になるまで撹拌し
た。ここで、1部サンプリングし、NMR解析によりイ
ミド環が1.2mmol残存していることが確認され、
ほぼ90%の加水分解が行われた。
【0029】このポリマー溶液にアミン溶液(N−メチ
ル−1,3−ジアミノプロパン0.44g/N,N−ジ
メチルホルムアミド40g)を30分程かけて滴下した
後、1時間撹拌した。これを60℃で数時間かけて濃縮
した後、上澄み液は加圧濾過し、粘性沈殿は純水に溶解
させ、メタノールで再沈して沈殿物を濾取し、減圧下で
乾燥し、白色粉末5.57gを得た。
ル−1,3−ジアミノプロパン0.44g/N,N−ジ
メチルホルムアミド40g)を30分程かけて滴下した
後、1時間撹拌した。これを60℃で数時間かけて濃縮
した後、上澄み液は加圧濾過し、粘性沈殿は純水に溶解
させ、メタノールで再沈して沈殿物を濾取し、減圧下で
乾燥し、白色粉末5.57gを得た。
【0030】この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂B同等であった。また、この生成物のDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりN−メチル−1,3−ジアミノプロパンが10
mol%導入されたことが確認された。
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂B同等であった。また、この生成物のDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析によりN−メチル−1,3−ジアミノプロパンが10
mol%導入されたことが確認された。
【0031】実施例5 N−メチル−1,3−ジアミノプロパン0.44gを2
−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール1.18g
にした以外、実施例4と同様に行い、薄黄色粉末7.2
0gを得た。この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂B同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析により2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール
が12mol%導入されたことが確認された。
−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール1.18g
にした以外、実施例4と同様に行い、薄黄色粉末7.2
0gを得た。この生成物のポリスチレン換算の分子量を
GPC測定により求めたところ、分子量に変化は見られ
ず、樹脂B同等であった。また、この生成物をDMFに
溶解させると不溶分が見られないため、これらのことか
ら架橋をしていないことが確認された。また、NMR解
析により2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール
が12mol%導入されたことが確認された。
【0032】比較例1 参考例1で得た樹脂A 54.3gをビーカーに入れ、
N,N−ジメチルホルムアミド316gを加え溶解させ
た。この溶液をアミン溶液(ヘキサメチレンジアミン4
1g/N,N−ジメチルホルムアミド15g)中に室温
で30分間かけて滴下したところ、滴下終了後には反応
液は全体的にゲル化したものとなった。
N,N−ジメチルホルムアミド316gを加え溶解させ
た。この溶液をアミン溶液(ヘキサメチレンジアミン4
1g/N,N−ジメチルホルムアミド15g)中に室温
で30分間かけて滴下したところ、滴下終了後には反応
液は全体的にゲル化したものとなった。
【0033】
【発明の効果】本発明により、分散剤、表面処理剤等、
多岐の用途に適用可能なアミノ化合物変性ポリアスパラ
ギン酸塩をゲル化を起こさせずに製造することが可能と
なった。
多岐の用途に適用可能なアミノ化合物変性ポリアスパラ
ギン酸塩をゲル化を起こさせずに製造することが可能と
なった。
Claims (2)
- 【請求項1】 無水ポリアスパラギン酸を部分的に加水
分解した後、一般式〔I〕で表されるアミノ化合物を反
応させることを特徴とする変性ポリアスパラギン酸塩の
製造方法。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、1価の有機基、R3 は、(l
+m)価の有機基を示し、n及びmは1〜3の整数を示
す) - 【請求項2】 一般式〔I〕で表されるアミノ化合物中
に、部分的に加水分解した無水ポリアスパラギン酸を加
えることを特徴とする請求項1記載のポリアスパラギン
酸塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13821196A JPH09316198A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 変性ポリアスパラギン酸塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13821196A JPH09316198A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 変性ポリアスパラギン酸塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316198A true JPH09316198A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15216685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13821196A Pending JPH09316198A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 変性ポリアスパラギン酸塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316198A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103819670A (zh) * | 2012-11-16 | 2014-05-28 | 邹金娥 | 一种改性聚天冬氨酸的合成方法 |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13821196A patent/JPH09316198A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103819670A (zh) * | 2012-11-16 | 2014-05-28 | 邹金娥 | 一种改性聚天冬氨酸的合成方法 |
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