JPH08291219A - ポリスクシンイミドの製造方法 - Google Patents
ポリスクシンイミドの製造方法Info
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- JPH08291219A JPH08291219A JP9849395A JP9849395A JPH08291219A JP H08291219 A JPH08291219 A JP H08291219A JP 9849395 A JP9849395 A JP 9849395A JP 9849395 A JP9849395 A JP 9849395A JP H08291219 A JPH08291219 A JP H08291219A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 マレイン酸とアンモニアから得られる生成
物、マレアミド酸又はアスパラギン酸を芳香族炭化水素
系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、
エステル系溶媒および非プロトン性極性溶媒からなる群
より選ばれる100℃以上の沸点を有する溶媒中で重合
させる際、重合系中に1級および、または2級のアミン
を添加することを特徴とするポリスクシンイミドの製造
方法 【効果】 本発明の方法によれば簡便にポリスクシンイ
ミドの分子量を制御し、かつポリスクシンイミドを高収
率で製造することができる。
物、マレアミド酸又はアスパラギン酸を芳香族炭化水素
系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、
エステル系溶媒および非プロトン性極性溶媒からなる群
より選ばれる100℃以上の沸点を有する溶媒中で重合
させる際、重合系中に1級および、または2級のアミン
を添加することを特徴とするポリスクシンイミドの製造
方法 【効果】 本発明の方法によれば簡便にポリスクシンイ
ミドの分子量を制御し、かつポリスクシンイミドを高収
率で製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスクシンイミドの
製造方法に関する。本発明の方法で得られるポリスクシ
ンイミドは、ポリアスパラギン酸の前駆体として有用で
あり、これらポリスクシンイミドとポリアスパラギン酸
は、キレート剤、スケール防止剤、洗剤用ビルダー、分
散剤、保湿剤および肥料用添加剤として有用なものであ
る。
製造方法に関する。本発明の方法で得られるポリスクシ
ンイミドは、ポリアスパラギン酸の前駆体として有用で
あり、これらポリスクシンイミドとポリアスパラギン酸
は、キレート剤、スケール防止剤、洗剤用ビルダー、分
散剤、保湿剤および肥料用添加剤として有用なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスクシンイミドの製造方法と
しては、アスパラギン酸またはマレアミド酸を180℃
以上の高温下に固相で反応させる方法(米国特許第50
57597号明細書、同第5219986号明細書、同
第5315010号明細書または特開平6−20693
7号公報等参照)、アンモニアと無水マレイン酸を12
0℃以上の温度下に固相で反応させる方法(米国特許第
4839461号明細書、および同第5296578号
明細書等参照)、ならびにアスパラギン酸またはマレア
ミド酸を、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリ
ドンまたはスルホラン等の溶媒の存在下、120℃以上
の温度下に反応させる方法(特開平6−145350号
公報または特開平6−211982号公報等参照)、ア
スパラギン酸をリン酸あるいはポリリン酸触媒の存在
下、100℃〜250℃で固相反応を行う方法(特公昭
48−20638号公報または米国特許第514206
2号明細書等参照)等の方法が知られている。しかし、
これらの方法によれば、分子量の低いポリスクシンイミ
ドを得るためには重合温度を下げるか触媒量を少なくす
る必要があり、アスパラギン酸のポリスクシンイミドへ
の転化率が大幅に低下する。さらに変化させうる分子量
の範囲も狭く、現実的な方法とはいいがたい。
しては、アスパラギン酸またはマレアミド酸を180℃
以上の高温下に固相で反応させる方法(米国特許第50
57597号明細書、同第5219986号明細書、同
第5315010号明細書または特開平6−20693
7号公報等参照)、アンモニアと無水マレイン酸を12
0℃以上の温度下に固相で反応させる方法(米国特許第
4839461号明細書、および同第5296578号
明細書等参照)、ならびにアスパラギン酸またはマレア
ミド酸を、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリ
ドンまたはスルホラン等の溶媒の存在下、120℃以上
の温度下に反応させる方法(特開平6−145350号
公報または特開平6−211982号公報等参照)、ア
スパラギン酸をリン酸あるいはポリリン酸触媒の存在
下、100℃〜250℃で固相反応を行う方法(特公昭
48−20638号公報または米国特許第514206
2号明細書等参照)等の方法が知られている。しかし、
これらの方法によれば、分子量の低いポリスクシンイミ
ドを得るためには重合温度を下げるか触媒量を少なくす
る必要があり、アスパラギン酸のポリスクシンイミドへ
の転化率が大幅に低下する。さらに変化させうる分子量
の範囲も狭く、現実的な方法とはいいがたい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、任意の分子
量のポリスクシンイミドを簡便にかつ高収率で製造する
方法を提供するものである。
量のポリスクシンイミドを簡便にかつ高収率で製造する
方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を行ったところ、マレイン酸とアンモニ
アを反応させて得られる生成物、マレアミド酸またはア
スパラギン酸を芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化
水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非
プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる100℃以
上の沸点を有する溶媒中で重合させ、ポリスクシンイミ
ドを製造するに際し、重合系中に1級および、または2
級のアミンを添加することにより簡便にポリスクシンイ
ミドの分子量を制御し、高収率でポリスクシンイミドを
製造し得ることを見いだし本発明を完成するに至った。
に鑑み鋭意研究を行ったところ、マレイン酸とアンモニ
アを反応させて得られる生成物、マレアミド酸またはア
スパラギン酸を芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化
水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非
プロトン性極性溶媒からなる群より選ばれる100℃以
上の沸点を有する溶媒中で重合させ、ポリスクシンイミ
ドを製造するに際し、重合系中に1級および、または2
級のアミンを添加することにより簡便にポリスクシンイ
ミドの分子量を制御し、高収率でポリスクシンイミドを
製造し得ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、マレイン酸とアンモニアを
反応させて得られる生成物、マレアミド酸またはアスパ
ラギン酸を芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素
系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロ
トン性極性溶媒からなる群より選ばれる100℃以上の
沸点を有する溶媒中で重合させ、ポリスクシンイミドを
製造するに際し、重合系中に1級および、または2級の
アミンを添加することを特徴とするポリスクシンイミド
の製造方法を提供するものである。以下に本発明の方法
を詳述する。
反応させて得られる生成物、マレアミド酸またはアスパ
ラギン酸を芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素
系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロ
トン性極性溶媒からなる群より選ばれる100℃以上の
沸点を有する溶媒中で重合させ、ポリスクシンイミドを
製造するに際し、重合系中に1級および、または2級の
アミンを添加することを特徴とするポリスクシンイミド
の製造方法を提供するものである。以下に本発明の方法
を詳述する。
【0006】(モノマー)本発明の方法に用いられるモ
ノマーはマレイン酸とアンモニアを反応させて得られる
生成物、マレアミド酸またはアスパラギン酸である。こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。これらの中では
アスパラギン酸単独が好ましい。 マレイン酸とアンモ
ニアを反応させて得られる生成物とはマレイン酸とアン
モニアを常法、例えば、独国特許第3626672号明
細書、米国特許第4839461号明細書、米国特許第
5286810号明細書等に記載の方法に従って反応さ
せて得られる生成物である。具体的には、主にマレイン
酸モノアンモニウム塩であり、それ以外にマレイン酸、
マレイン酸ジアンモニウム塩、アンモニア、フマル酸、
アスパラギン酸、アスパラギン、イミノジコハク酸、マ
レアミド酸等の生成物を含んでいてもよい。
ノマーはマレイン酸とアンモニアを反応させて得られる
生成物、マレアミド酸またはアスパラギン酸である。こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。これらの中では
アスパラギン酸単独が好ましい。 マレイン酸とアンモ
ニアを反応させて得られる生成物とはマレイン酸とアン
モニアを常法、例えば、独国特許第3626672号明
細書、米国特許第4839461号明細書、米国特許第
5286810号明細書等に記載の方法に従って反応さ
せて得られる生成物である。具体的には、主にマレイン
酸モノアンモニウム塩であり、それ以外にマレイン酸、
マレイン酸ジアンモニウム塩、アンモニア、フマル酸、
アスパラギン酸、アスパラギン、イミノジコハク酸、マ
レアミド酸等の生成物を含んでいてもよい。
【0007】上記の反応に用いるマレイン酸は、その無
水物、部分および完全エステルを含む。また、アンモニ
アは、ガスあるいは溶液として用いる。溶液として用い
る場合は、水に溶解させて水酸化アンモニウム水溶液と
する方法、メタノール、エタノール等のアルコール、ま
たは他の適当な有機溶媒に溶解させる方法等が用いられ
る。
水物、部分および完全エステルを含む。また、アンモニ
アは、ガスあるいは溶液として用いる。溶液として用い
る場合は、水に溶解させて水酸化アンモニウム水溶液と
する方法、メタノール、エタノール等のアルコール、ま
たは他の適当な有機溶媒に溶解させる方法等が用いられ
る。
【0008】アスパラギン酸はD体でもL体でもその混
合物でも良い。これらのモノマー以外に50mol%を
超えない範囲で共重合可能な他のモノマーを用いること
もできる。それらの例としては a)アスパラギン酸
塩、b)グルタミン酸およびその塩、c)アラニン、ロ
イシン、リジン等のa)、b)以外のアミノ酸、d)グ
リコール酸、乳酸、3−ヒドロッキシ酪酸等のヒドロキ
シカルボン酸、e)2−ヒドロキシエタノール、マレイ
ン酸、6−アミノカプロン酸等のアミノ基およびまたは
カルボン酸基と反応し得る官能基を2個以上有する化合
物等が挙げられる。
合物でも良い。これらのモノマー以外に50mol%を
超えない範囲で共重合可能な他のモノマーを用いること
もできる。それらの例としては a)アスパラギン酸
塩、b)グルタミン酸およびその塩、c)アラニン、ロ
イシン、リジン等のa)、b)以外のアミノ酸、d)グ
リコール酸、乳酸、3−ヒドロッキシ酪酸等のヒドロキ
シカルボン酸、e)2−ヒドロキシエタノール、マレイ
ン酸、6−アミノカプロン酸等のアミノ基およびまたは
カルボン酸基と反応し得る官能基を2個以上有する化合
物等が挙げられる。
【0009】(反応溶媒)本発明の方法に使用し得る溶
媒は、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶
媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン
性極性溶媒からなる群より選ばれる、100℃以上の沸
点を有する溶媒であり、130℃以上の沸点を有するこ
とが好ましい。これらの溶媒は単一で、また混合しても
用いることができる。具体的には、芳香族炭化水素系溶
媒として、キシレン、ジエチルベンゼン(上記2種はそ
れぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異性体単独からな
るものであっても、2種類以上の異性体の混合物からな
るものであってもよい)、トルエン、アミルベンゼン、
キュメン、メシチレン、テトラリン、ハロゲン化炭化水
素系溶媒として、クロロトルエン、ジクロロベンゼン
(上記2種はそれぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異
性体単独からなるものであっても、2種類以上の異性体
の混合物からなるものであってもよい)、1,4−ジク
ロロブタン、クロロベンゼン、エーテル系溶媒として、
ジクロロエチルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミ
ルエーテル、アニソール、エステル系溶媒として、酢酸
−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミ
ル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸
−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イソアミ
ル、酪酸−n−ブチル、非プロトン性極性溶媒として、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素酸、ジ
メチルスルホキシド、スルホランおよびヘキサメチルホ
スホロアミドを挙げることができる。これらの中でもジ
エチルベンゼン、メシチレン、キュメン、クロロトルエ
ン、1,4−ジクロロブタン、ジイソアミルエーテル、
酪酸−n−ブチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、スルホランが、適度な沸点を有する点で好まし
く、さらには、メシチレン、キュメン、クロロトルエ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホ
ランが特に好ましい。
媒は、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶
媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン
性極性溶媒からなる群より選ばれる、100℃以上の沸
点を有する溶媒であり、130℃以上の沸点を有するこ
とが好ましい。これらの溶媒は単一で、また混合しても
用いることができる。具体的には、芳香族炭化水素系溶
媒として、キシレン、ジエチルベンゼン(上記2種はそ
れぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異性体単独からな
るものであっても、2種類以上の異性体の混合物からな
るものであってもよい)、トルエン、アミルベンゼン、
キュメン、メシチレン、テトラリン、ハロゲン化炭化水
素系溶媒として、クロロトルエン、ジクロロベンゼン
(上記2種はそれぞれ、そのオルト、メタまたはパラ異
性体単独からなるものであっても、2種類以上の異性体
の混合物からなるものであってもよい)、1,4−ジク
ロロブタン、クロロベンゼン、エーテル系溶媒として、
ジクロロエチルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミ
ルエーテル、アニソール、エステル系溶媒として、酢酸
−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミ
ル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸
−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イソアミ
ル、酪酸−n−ブチル、非プロトン性極性溶媒として、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素酸、ジ
メチルスルホキシド、スルホランおよびヘキサメチルホ
スホロアミドを挙げることができる。これらの中でもジ
エチルベンゼン、メシチレン、キュメン、クロロトルエ
ン、1,4−ジクロロブタン、ジイソアミルエーテル、
酪酸−n−ブチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、スルホランが、適度な沸点を有する点で好まし
く、さらには、メシチレン、キュメン、クロロトルエ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホ
ランが特に好ましい。
【0010】溶媒は、マレイン酸とアンモニアを反応さ
せて得られる生成物、マレアミド酸またはアスパラギン
酸100重量部に対し、100〜5000重量部、好ま
しくは200〜2000重量部の割合で使用することが
できる。
せて得られる生成物、マレアミド酸またはアスパラギン
酸100重量部に対し、100〜5000重量部、好ま
しくは200〜2000重量部の割合で使用することが
できる。
【0011】(酸触媒)本発明の方法は酸触媒の存在下
または無触媒で行うことができる。酸触媒を使用する場
合、例えば、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触媒、及
び、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸
触媒を用いることができる。これらの中でも、高収率で
ポリマーが得られやすいという点でリン酸類触媒が好ま
しく用いられる。酸触媒の使用量は、モノマー1モルに
対して0.0002〜2.0モル、好ましくは0.00
2〜1.0モルの範囲である。
または無触媒で行うことができる。酸触媒を使用する場
合、例えば、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触媒、及
び、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸
触媒を用いることができる。これらの中でも、高収率で
ポリマーが得られやすいという点でリン酸類触媒が好ま
しく用いられる。酸触媒の使用量は、モノマー1モルに
対して0.0002〜2.0モル、好ましくは0.00
2〜1.0モルの範囲である。
【0012】(アミン)本発明の方法に用いるアミンは
1級または2級のアミンであり、好ましくは水溶液中で
の酸解離定数(pKa)が7以下のものであり、更に好
ましくは6以下のものである。ここで用いられるpKa
はアミンの共役酸に関するものであり、これらの値は”
化学便覧 基礎編〓”(日本化学会編)の水溶液中の有
機化合物の解離定数や”Critical Stabi
lity ConstantsVol.1、2、3、
5”(A.E.Martell、R.M.Smith、
Plenum Press)より見出すことができる。
1級または2級のアミンであり、好ましくは水溶液中で
の酸解離定数(pKa)が7以下のものであり、更に好
ましくは6以下のものである。ここで用いられるpKa
はアミンの共役酸に関するものであり、これらの値は”
化学便覧 基礎編〓”(日本化学会編)の水溶液中の有
機化合物の解離定数や”Critical Stabi
lity ConstantsVol.1、2、3、
5”(A.E.Martell、R.M.Smith、
Plenum Press)より見出すことができる。
【0013】1級または2級のアミンとしてはモルホリ
ン、ヘキシルアミン、o,m,p−アミノピリジン、ブ
チルアミン、アニリン、トリエチレンテトラミン、1−
ナフチルアミン、2−ナフチルアミン等があり 二官能
性ではあるがo−アミノフェノ−ル、4−アミノ酪酸等
が挙げられる。これらの中でpKa≦6のアミンとして
はアニリン、トリエチレンテトラミン、1−ナフチルア
ミン、2−ナフチルアミン等があり、二官能性ではある
がo−アミノフェノール、4−アミノ酪酸等が挙げられ
る。これらのアミンは単独で用いても、2種以上混合し
て用いてもよい。
ン、ヘキシルアミン、o,m,p−アミノピリジン、ブ
チルアミン、アニリン、トリエチレンテトラミン、1−
ナフチルアミン、2−ナフチルアミン等があり 二官能
性ではあるがo−アミノフェノ−ル、4−アミノ酪酸等
が挙げられる。これらの中でpKa≦6のアミンとして
はアニリン、トリエチレンテトラミン、1−ナフチルア
ミン、2−ナフチルアミン等があり、二官能性ではある
がo−アミノフェノール、4−アミノ酪酸等が挙げられ
る。これらのアミンは単独で用いても、2種以上混合し
て用いてもよい。
【0014】重合系中へのアミンの添加方法は特に限定
されないが、重合開始時に全量添加しても良いし、重合
中に経時的に添加しても良い。またその添加量は使用す
るアミンの種類、及び、得ようとするポリスクシンイミ
ドの分子量により変えることができ、より低分子量のポ
リスクシンイミドを得ようとすれば、より多く使用する
必要がある。具体的には、通常モノマーに対して100
mol%以下、好ましくは80mol%以下、更に好ま
しくは60mol%以下である。
されないが、重合開始時に全量添加しても良いし、重合
中に経時的に添加しても良い。またその添加量は使用す
るアミンの種類、及び、得ようとするポリスクシンイミ
ドの分子量により変えることができ、より低分子量のポ
リスクシンイミドを得ようとすれば、より多く使用する
必要がある。具体的には、通常モノマーに対して100
mol%以下、好ましくは80mol%以下、更に好ま
しくは60mol%以下である。
【0015】これらのアミンはポリマーの末端封止剤と
して作用すると考えられる。つまり、ポリマーの末端の
カルボン酸基と反応することによりモノマーのポリマー
活性末端への反応を阻害し、分子量を制御すると考えら
れる。
して作用すると考えられる。つまり、ポリマーの末端の
カルボン酸基と反応することによりモノマーのポリマー
活性末端への反応を阻害し、分子量を制御すると考えら
れる。
【0016】(重合)本発明の方法における重合時の温
度は通常、100〜280℃、好ましくは、130〜2
50℃の範囲である。重合温度が100℃未満では、重
合反応が容易に進行せず、また、280℃を超えると分
解生成物が生成する傾向がある。
度は通常、100〜280℃、好ましくは、130〜2
50℃の範囲である。重合温度が100℃未満では、重
合反応が容易に進行せず、また、280℃を超えると分
解生成物が生成する傾向がある。
【0017】重合時の圧力には特に制限はなく、常圧、
減圧または加圧のいずれでもよいが、通常は、10Pa
〜1MPaの範囲内である。重合時間は1分〜100時
間、好ましくは10分〜50時間、最も好ましくは15
分〜20時間である。また、重合反応の実質上の終点
は、重合反応中に副生してくる水の生成がなくなった点
である。
減圧または加圧のいずれでもよいが、通常は、10Pa
〜1MPaの範囲内である。重合時間は1分〜100時
間、好ましくは10分〜50時間、最も好ましくは15
分〜20時間である。また、重合反応の実質上の終点
は、重合反応中に副生してくる水の生成がなくなった点
である。
【0018】後処理工程は、重合物の用途に合わせて適
宜選択することができる。例えば、遠心分離により溶媒
を除く方法、または遠心分離後さらに水あるいは低沸点
溶媒により洗浄する方法等の常法により行うことができ
る。
宜選択することができる。例えば、遠心分離により溶媒
を除く方法、または遠心分離後さらに水あるいは低沸点
溶媒により洗浄する方法等の常法により行うことができ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により些かも制限されるも
のではない。尚、アスパラギン酸からポリスクシンイミ
ドへの転化率は、10gの反応混合物または生成物を2
00gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に4
時間攪拌溶解させ、この溶媒に溶解しないアスパラギン
酸をろ別することにより除去し下記式より算出した。
が、本発明はこれらの実施例により些かも制限されるも
のではない。尚、アスパラギン酸からポリスクシンイミ
ドへの転化率は、10gの反応混合物または生成物を2
00gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に4
時間攪拌溶解させ、この溶媒に溶解しないアスパラギン
酸をろ別することにより除去し下記式より算出した。
【0020】
【0021】また、製造したポリスクシンイミドの分子
量は東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−M、T
SKgelG2000HHRカラムおよび溶離液に10
mM臭化リチウムのジメチルホルムアミドを用いたGP
Cクロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリス
チレン換算値である。
量は東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−M、T
SKgelG2000HHRカラムおよび溶離液に10
mM臭化リチウムのジメチルホルムアミドを用いたGP
Cクロマトグラフ(示差屈折計)により得られたポリス
チレン換算値である。
【0022】参考例1 冷却器、温度計、攪拌器および水分離器を備えた200
mLの四口フラスコ内に、アスパラギン酸25g、85
%リン酸2.5g、メシチレン56gおよびスルホラン
24gを仕込んだ。次いで 常圧、メシチレンの還流下
(162℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。
反応中に生じた水はメシチレンと共に系外へ留去せしめ
た。
mLの四口フラスコ内に、アスパラギン酸25g、85
%リン酸2.5g、メシチレン56gおよびスルホラン
24gを仕込んだ。次いで 常圧、メシチレンの還流下
(162℃)に4.5時間保ち重縮合反応を行わせた。
反応中に生じた水はメシチレンと共に系外へ留去せしめ
た。
【0023】反応終了後、ろ別し、生成物を純水100
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間乾燥し黄白
色のポリスクシンイミドの粉末17.9gを得た。理論
量に対する収率は98%であった。得られたポリスクシ
ンイミドのGPC測定によるポリスチレン換算の分子量
は、重量平均分子量70000、数平均分子量2500
0であった。
gで4回洗浄し、さらにメタノール100gで洗浄し
た。ついで生成物を減圧下80℃で24時間乾燥し黄白
色のポリスクシンイミドの粉末17.9gを得た。理論
量に対する収率は98%であった。得られたポリスクシ
ンイミドのGPC測定によるポリスチレン換算の分子量
は、重量平均分子量70000、数平均分子量2500
0であった。
【0024】実施例1 アニリン0.18gをアスパラギン酸等と一緒に加えた
以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色のポ
リスクシンイミドの粉末17.8gを得た。理論量に対
する収率は98%であった。得られたポリスクシンイミ
ドは重量平均分子量61000、数平均分子量2300
0であった。
以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色のポ
リスクシンイミドの粉末17.8gを得た。理論量に対
する収率は98%であった。得られたポリスクシンイミ
ドは重量平均分子量61000、数平均分子量2300
0であった。
【0025】実施例2 アニリン0.87gをアスパラギン酸等と一緒に加えた
以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色のポ
リスクシンイミドの粉末18.0gを得た。理論量に対
する収率は99%であった。
以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色のポ
リスクシンイミドの粉末18.0gを得た。理論量に対
する収率は99%であった。
【0026】得られたポリスクシンイミドは重量平均分
子量29000、数平均分子量10000であった。ま
た、このポリスクシンイミドの1H−NMRを測定した
結果、アニリンに起因するピークが確認され、アニリン
がポリスクシンイミド分子中に取り込まれていることが
確認された。
子量29000、数平均分子量10000であった。ま
た、このポリスクシンイミドの1H−NMRを測定した
結果、アニリンに起因するピークが確認され、アニリン
がポリスクシンイミド分子中に取り込まれていることが
確認された。
【0027】実施例3 モルホリン0.17gをアスパラギン酸等と一緒に加え
た以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色の
ポリスクシンイミドの粉末17.7gを得た。理論量に
対する収率は97%であった。得られたポリスクシンイ
ミドは重量平均分子量63000、数平均分子量240
00であった。
た以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色の
ポリスクシンイミドの粉末17.7gを得た。理論量に
対する収率は97%であった。得られたポリスクシンイ
ミドは重量平均分子量63000、数平均分子量240
00であった。
【0028】実施例4 モルホリン0.82gをアスパラギン酸等と一緒に加え
た以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色の
ポリスクシンイミドの粉末17.6gを得た。理論量に
対する収率は97%であった。得られたポリスクシンイ
ミドは重量平均分子量32000、数平均分子量130
00であった。
た以外、参考例1と同様に行った。その結果、黄白色の
ポリスクシンイミドの粉末17.6gを得た。理論量に
対する収率は97%であった。得られたポリスクシンイ
ミドは重量平均分子量32000、数平均分子量130
00であった。
【0029】実施例5 シクロヘキシルアミン0.92gをアスパラギン酸等と
一緒に加えた以外、参考例1と同様に行った。その結
果、黄白色のポリスクシンイミドの粉末17.3gを得
た。理論量に対する収率は95%であった。得られたポ
リスクシンイミドは重量平均分子量40000、数平均
分子量17000であった。
一緒に加えた以外、参考例1と同様に行った。その結
果、黄白色のポリスクシンイミドの粉末17.3gを得
た。理論量に対する収率は95%であった。得られたポ
リスクシンイミドは重量平均分子量40000、数平均
分子量17000であった。
【0030】比較例1 リン酸を2.5gから0.18gにした以外、参考例1
と同様に行った。その結果、黄白色のポリスクシンイミ
ド10.7gを得た。理論量に対する収率は59%であ
った。得られたポリスクシンイミドは重量平均分子量2
4000、数平均分子量9000であった。
と同様に行った。その結果、黄白色のポリスクシンイミ
ド10.7gを得た。理論量に対する収率は59%であ
った。得られたポリスクシンイミドは重量平均分子量2
4000、数平均分子量9000であった。
【0031】比較例2 1Lのナスフラスコにアスパラギン酸50gおよび85
%リン酸3.0gを仕込んだ。次いで、前記ナスフラス
コをロータリーエバポレーターに取り付け、これを18
0℃に維持した油浴により4時間加熱して重縮合反応を
行わせた。反応終了後にこれを冷却し、生成したガラス
状の塊をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、水を
添加して沈殿を形成させ、これを濾過して沈殿物を収集
した。得られた沈殿物を中性になるまで水で洗浄してリ
ン酸を除去した。洗浄物を85℃で24時間かけて乾燥
し、黄白色のポリスクシンイミド粉末17.1gを得
た。理論量に対する収率は47%であった。得られたポ
リスクシンイミドは重量平均分子量22000、数平均
分子量9000であった。
%リン酸3.0gを仕込んだ。次いで、前記ナスフラス
コをロータリーエバポレーターに取り付け、これを18
0℃に維持した油浴により4時間加熱して重縮合反応を
行わせた。反応終了後にこれを冷却し、生成したガラス
状の塊をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、水を
添加して沈殿を形成させ、これを濾過して沈殿物を収集
した。得られた沈殿物を中性になるまで水で洗浄してリ
ン酸を除去した。洗浄物を85℃で24時間かけて乾燥
し、黄白色のポリスクシンイミド粉末17.1gを得
た。理論量に対する収率は47%であった。得られたポ
リスクシンイミドは重量平均分子量22000、数平均
分子量9000であった。
Claims (3)
- 【請求項1】 マレイン酸とアンモニアを反応させて得
られる生成物、マレアミド酸またはアスパラギン酸を芳
香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エー
テル系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン性極性溶
媒からなる群より選ばれる100℃以上の沸点を有する
溶媒中で重合させ、ポリスクシンイミドを製造するに際
し、重合系中に1級および、または2級のアミンを添加
することを特徴とするポリスクシンイミドの製造方法。 - 【請求項2】 溶媒の沸点が130℃以上である請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 アミンの水溶液中での酸解離定数(pK
a)の値が7以下である請求項1に記載の方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9849395A JPH08291219A (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
KR1019950052827A KR960022448A (ko) | 1994-12-21 | 1995-12-20 | 폴리아스파라긴산 및 그의 염의 제조방법 |
EP95941836A EP0747417A4 (en) | 1994-12-21 | 1995-12-21 | POLYASPARTIC ACID OR SALT OF POLYASPARTIC ACID AND MANUFACTURING METHOD |
PCT/JP1995/002623 WO1996019524A1 (fr) | 1994-12-21 | 1995-12-21 | Acide polyaspartique ou sel d'acide polyaspartique et procede de fabrication |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9849395A JPH08291219A (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08291219A true JPH08291219A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14221178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9849395A Pending JPH08291219A (ja) | 1994-12-21 | 1995-04-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08291219A (ja) |
-
1995
- 1995-04-24 JP JP9849395A patent/JPH08291219A/ja active Pending
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