JPH09241378A - ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法 - Google Patents

ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法

Info

Publication number
JPH09241378A
JPH09241378A JP5753996A JP5753996A JPH09241378A JP H09241378 A JPH09241378 A JP H09241378A JP 5753996 A JP5753996 A JP 5753996A JP 5753996 A JP5753996 A JP 5753996A JP H09241378 A JPH09241378 A JP H09241378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyaspartic acid
molecular weight
acid
polysuccinimide
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5753996A
Other languages
English (en)
Inventor
Mayumi Kuramochi
まゆみ 蔵持
Masayuki Tomita
雅之 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP5753996A priority Critical patent/JPH09241378A/ja
Publication of JPH09241378A publication Critical patent/JPH09241378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyamides (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布が狭く、任意の分子量に制御され
たポリアスパラギン酸を製造する。 【解決手段】 ポリスクシンイミドの加水分解により得
られたポリアスパラギン酸を、pH1以上7以下で加熱
処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアスパラギン
酸およびその塩の製造方法に関する。本発明の方法で得
られるポリアスパラギン酸およびその塩は、キレート
剤、スケ−ル防止剤、洗剤用ビルダ−、分散剤、保湿剤
および肥料用添加剤等に幅広く利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアスパラギン酸の前駆体であ
るポリスクシンイミドの製造方法としては、アスパラギ
ン酸およびマレアミド酸を180℃以上の高温下に固相
で反応させる方法(米国特許第5,057,597号明
細書、同第5,219,986号明細書または特開平6
−206937号公報等参照)、アンモニアと無水マレ
イン酸を120℃以上の温度下に固相で反応させる方法
(米国特許第4,839,461号明細書および同第
5,296,578号明細書等参照)、ならびにアスパ
ラギン酸またはマレアミド酸を、ポリエチレングリコ−
ル、N−メチルピロリドンまたはスルホラン等の溶媒の
存在下、120℃以上の温度下に反応させる方法(特開
平6−145350号公報または特開平6−21198
2号公報等参照)等の方法が知られている。
【0003】そして、ポリアスパラギン酸は、これらの
方法によって得られたポリスクシンイミドを加水分解す
ることにより得ており、従ってその分子量および分布
は、ポリスクシンイミドのそれに依っている。しかしな
がら、ポリスクシンイミドを製造するに当たり、高い転
化率と収率を保ちつつ、目的とする分子量および分子量
分布に制御する技術は、現在のところ確立されていな
い。
【0004】一方、ポリアスパラギン酸の中で分子量分
布が比較的狭いものは、優れた金属キレ−ト能と同時に
ゲル化を起こしにくい性質を有しており、様々な分野に
応用できる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリアスパラギン酸
は、生分解性ポリマーであり、アクリル酸系ポリマーの
代替として期待が高く、上記観点から分子量分布が狭く
かつ任意の低分子量のポリアスパラギン酸およびその塩
を簡便で効率的に製造する方法を提供することが望まれ
ていた。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記課題の解決
するために鋭意検討を行った結果、ポリアスパラギン酸
が水溶液中で熱分解性を示すことに注目し、この性質を
利用することによってポリマ−を分子量分布を狭めかつ
任意の分子量に制御できることを見出した。すなわち、
本発明の要旨は、ポリスクシンイミドの加水分解により
得られたポリアスパラギン酸を、pH1以上7以下で加
熱処理することを特徴とするポリアスパラギン酸および
その塩の製造方法に存する。
【0007】本発明によれば、種々の方法により得られ
たポリスクシンイミドを、例えばpH8から12のアル
カリ条件下で加水分解し、該反応液をpH1以上7以下
として加熱することにより、望ましい分子量に制御され
たポリアスパラギン酸を高収率で得ることができる。以
下に本発明の方法を詳述する。
【0008】
【発明の実施の形態】
(ポリスクシンイミド)本発明の方法に用いられるポリ
スクシンイミドは、製造法、分子量とも特に制限はな
く、用途に合わせて適宜選択される。また、ポリスクシ
ンイミドを部分的に含むブロック体や、共重合体も用い
ることができる。
【0009】(加水分解条件)本発明における加水分解
は、常法に従って行うことができるが、代表的な例とし
ては、J.Am.Chem.Soc.80、3361
(1958)、J.Org.Chem.26、1084
(1961)、米国特許第5221733号明細書、
同国特許第5288783号明細書、特開昭60−20
3636号公報等が挙げられる。
【0010】(分子量の制御)本発明においては、用い
るポリスクシンイミドよりも低い領域ならば、任意の分
子量に制御されたポリアスパラギン酸を高収率で得るこ
とができる。加水分解により得られたポリアスパラギン
酸塩を反応液のままあるいは単離後、酸を加えて酸性水
溶液としてポリマ−鎖中のカルボン酸を遊離させた後、
加熱することによって任意の分子量を有するポリアスパ
ラギン酸を得ることができる。
【0011】この時のpHの値としては、好ましくは1
以上7以下、さらに好ましくは1以上5以下、最も好ま
しくは2以上3以下に調整する。ポリマ−鎖中のカルボ
ン酸を遊離させることができれば用いる酸に制限はない
が、通常は塩酸を用いる。この時点でのポリマ−の濃度
は、分子量や単離の工程を考慮して適宜選択される。
【0012】加熱温度は、目的とする分子量によって適
宜選択されるが、好ましくは50〜150℃、さらに好
ましくは60〜120℃、最も好ましくは75〜100
℃の範囲である。50℃未満では、分子量の低下が容易
に進行せず、また150℃を越えると、急激に分子量の
低下が進むので制御が難しくなる。なおポリマ−の分子
量およびその分布は、通常GPCクロマトグラフで確認
することができる。
【0013】(ポリマ−の単離)単離の工程は、ポリマ
−の用途に合わせて適宜選択される。再沈、濃縮などの
常法の他、スプレ−ドライヤ等を用いて単離することが
できる。また単離の前に適当な金属水酸化物を加えるこ
とにより、ポリアスパラギン酸塩として単離できる。
【0014】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により制限されるもので
はない。
【0015】
【実施例】ポリスクシンイミドの分子量は、東ソ−
(株)社製「TSKgel」”GMHHR−M”および
「TSKgel」”G2000HHR”カラムを用い、
溶離液に10mM臭化リチウムのジメチルホルムアミド
を用いたGPCクロマトグラフ(示差屈折計)により得
られたポリスチレン換算値であり、ポリアスパラギン酸
の分子量およびその分布は東ソ−(株)社製「TSKg
el」”G3000PWXL”カラム2本および溶離液
に0.4M硝酸ナトリウム水溶液を用いたGPCクロマ
トグラフ(示差屈折計)により得られたポリエチレング
リコ−ル換算値である。
【0016】<製造例1>L−アスパラギン酸50g
を、冷却器、温度計、攪拌機を備えた200mLのセパ
ラブルフラスコに仕込み、触媒としてリン酸5gをアセ
トン20gに溶解させたものを加えた。窒素雰囲気下、
マントルヒ−タ−を165℃に加熱し、アセトンのみを
留去、ついでヒ−タ−を235℃に設定し、重縮合反応
を開始した。系内に水の生成を認めてから3時間攪拌を
続け、生成物を水、次いでメタノ−ルで洗浄、減圧下乾
燥させた。淡黄色のポリスクシンイミド35.5gを得
た。このポリスクシンイミドの重量平均分子量は15,
000、分子量分布は2.2であった。
【0017】<製造例2>製造例1と同様に重縮合反応
を開始した。系内に水の生成を認めてから10分間攪拌
を続け、生成物を水、次いでメタノ−ルで洗浄して未反
応のモノマ−を除き、減圧下乾燥させた。ポリスクシン
イミド25.5gを得た。このポリスクシンイミドの重
量平均分子量は、3,600、分子量分布は2.0であ
った。得られたポリスクシンイミド9.7gおよび1N
水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、溶液が完全
に均一になるまで攪拌した。この水溶液を3Nの塩酸水
溶液でpH2.5に調整し、反応液をスプレ−ドライヤ
を用いて単離した。白色のポリアスパラギン酸11.2
gを得た。このポリマ−の重量平均分子量は3,60
0、分子量分布は2.1であった。
【0018】<実施例1>攪拌機、冷却器、温度計を備
えた四つ口フラスコに、製造例1に記載した重量平均分
子量15,000のポリスクシンイミド9.7gおよび
1N水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え、溶液が
完全に均一になるまで攪拌した。この水溶液を3Nの塩
酸水溶液でpH2.5に調整し、内温が75℃になるよ
うに加熱、2時間後の反応液をスプレ−ドライヤを用い
て単離した。白色のポリアスパラギン酸12.3gを得
た。このポリマ−の重量平均分子量は8,300、分子
量分布は1.57であった。
【0019】<実施例2>フラスコ内の温度を90℃と
して、実施例1と同様の操作を行い、2時間後の反応液
をスプレ−ドライヤを用いて単離した。白色のポリアス
パラギン酸11.7gを得た。このポリマ−の重量平均
分子量は5,500、分子量分布は1.30であった。
【0020】<実施例3>フラスコ内の温度を100℃
として、実施例1と同様の操作を行い、1時間後の反応
液をスプレ−ドライヤを用いて単離した。白色のポリア
スパラギン酸11.5gを得た。このポリマ−の重量平
均分子量は5,100、分子量分布は1.25であっ
た。
【0021】<実施例4>実施例3と同様の操作を行
い、2時間後の反応液をスプレ−ドライヤを用いて単離
した。白色のポリアスパラギン酸11.5gを得た。こ
のポリマ−の重量平均分子量は3,600、分子量分布
は、1.20であった。 <比較例1>反応液をアルカリ性のままに保ち、実施例
1と同様の操作を行った。白色のポリアスパラギン酸1
2.0gを得た。このポリマ−の重量平均分子量は1
4,500、分子量分布は1.75であった。
【0022】<応用例>実施例4および製造例2で得ら
れたポリアスパラギン酸について、ゲル化点を測定した
ところ、前者では1.6×10-5mol・dm-2、後者
では5.1×10-5mol・dm-2の値を得た。この値
から、実施例2の方がカルシウムイオン存在下でゲルを
生成しにくいポリアスパラギン酸であることを確認し
た。
【0023】ゲル化点は、2.55×10-3mol・d
-2のカルシウムイオン濃度の水溶液中にポリマ−を添
加していく過程で、水溶液にゲルが形成される時のポリ
マ−の最小添加濃度であり、この時の溶存ポリマ−濃度
を波長420nmにおける水溶液の吸光度から求めた値
である。
【0024】
【発明の効果】 ポリアスパラギン酸を酸性条件下で加
熱処理することにより、分子量分布が狭くかつ任意の低
分子量に制御されたポリアスパラギン酸を得ることがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスクシンイミドの加水分解により得
    られたポリアスパラギン酸を、pH1以上7以下で加熱
    処理することを特徴とするポリアスパラギン酸およびそ
    の塩の製造方法。
JP5753996A 1996-03-14 1996-03-14 ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法 Pending JPH09241378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5753996A JPH09241378A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5753996A JPH09241378A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241378A true JPH09241378A (ja) 1997-09-16

Family

ID=13058574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5753996A Pending JPH09241378A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241378A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048056A1 (fr) * 1999-12-28 2001-07-05 Mitsui Chemicals, Incorporated Procede de production d'acide (sel) polyaspartique reticule
WO2021114730A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种聚天冬氨酸锌盐的制备方法
WO2021114729A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种聚天冬氨酸锌盐的合成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048056A1 (fr) * 1999-12-28 2001-07-05 Mitsui Chemicals, Incorporated Procede de production d'acide (sel) polyaspartique reticule
WO2021114730A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种聚天冬氨酸锌盐的制备方法
WO2021114729A1 (zh) * 2019-12-13 2021-06-17 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种聚天冬氨酸锌盐的合成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2144945C (en) Production of polysuccinimide and polyaspartic acid from maleic anhydride and ammonia
EP0660852B1 (en) Production of polysuccinimide and polyaspartic acid
EP0745103B1 (en) Production of polyaspartic acid from maleic acid and ammonia
JPH09241378A (ja) ポリアスパラギン酸およびその塩の製造方法
US5939522A (en) Production of polysuccinimide and polyaspartate in thioether solvents
JP3384420B2 (ja) ポリアスパラギン酸塩の製造方法
KR100764933B1 (ko) 무수말레인산을 이용한 폴리아스파르틱산의 제조방법
JPH09165447A (ja) ポリアスパラギン酸共重合体及びその製造方法
JP2000154249A (ja) サクシニルの繰り返し単位を有する生分解性ポリマ―を製造する方法
JP2000517367A (ja) 反復サクシニル単位を有する重合体の製造法
JP3398350B2 (ja) 高分子化合物の成形方法
US6887971B2 (en) Synthesis of polysuccinimide and copoly(succinimide-aspartate) in a supercritical fluid
JPH09316196A (ja) ポリスクシンイミドの製造方法
JPH09302088A (ja) ポリスクシンイミドの製造方法
JPH0925291A (ja) アスパラギン酸オリゴマー、該オリゴマーを含む化合物、およびアスパラギン酸オリゴマーの合成方法
JPH09124790A (ja) ポリアミノ酸誘導体及びその製造方法
JPH10168184A (ja) キレート剤
JP2001213960A (ja) ポリアスパラギン酸およびそのアルカリ金属塩、ならびにその用途
JPH08239468A (ja) 無水ポリアスパラギン酸の製造方法
Kool et al. Organic polymers from condensations of cyclopentadienyl and indenyl dinucleophiles with carbon dielectrophiles
JPH07196790A (ja) ポリアミノ酸類の製造方法
JPH09176312A (ja) ポリアスパラギン酸及びその塩の製造方法
JPH0931197A (ja) ポリスクシンイミドの製造方法
PL170589B1 (pl) Sposób wytwarzania nowego kopolimeru alkohol winylowy-co-N-(fenylomaleimid)
JP2000290368A (ja) ポリアスパラギン酸の製造方法