JPH0828824B2 - 共振型電源回路 - Google Patents

共振型電源回路

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JPH0828824B2
JPH0828824B2 JP4300460A JP30046092A JPH0828824B2 JP H0828824 B2 JPH0828824 B2 JP H0828824B2 JP 4300460 A JP4300460 A JP 4300460A JP 30046092 A JP30046092 A JP 30046092A JP H0828824 B2 JPH0828824 B2 JP H0828824B2
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switch element
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宣明 今村
伸広 小山
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランスの一次側の共
振動作によって電圧パルスを発生させ、この電圧パルス
をトランスで昇圧してトランスの二次側から出力する共
振型電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機やディスプレイ装置
に使用される共振型電源回路には、フライバックトラン
スから陰極線管に加えられる高圧出力電圧の安定化を行
う安定化回路が組み込まれている。
【0003】この種の安定化回路は、フライバックトラ
ンスの一次側の駆動電源の電源電圧を制御する方式のも
のと、フライバックトランスの二次側に、高圧出力電圧
の降下量分の補正電圧を加算する二次側制御方式のもの
がある。
【0004】前記一次側の電源電圧を制御する方式は、
制御の応答性が非常に悪いという問題があり、また、二
次側制御方式は、補正幅が狭い上に回路が複雑になると
いう問題がある。
【0005】そこで、最近においては、このような問題
をできるだけ解消するために、フライバックトランスの
一次側電流を直接コントロールする方式が特開平2−2
22374号公報において提案されている。しかし、こ
の提案例は、高圧出力電圧の制御範囲を広くとれるとい
う利点がある反面、不必要な還流電流を流すために電力
損失が大きく、また、走査期間中にスイッチ素子をスイ
ッチングした際にノイズを発生させるという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、一次側電
流を直接制御する方式の回路として、図8に示すような
共振型電源回路の基本回路に着目し、その回路特性の改
善に取り組んでいる。
【0007】同図において、フライバックトランス1の
一次コイル2の一端側には駆動電源3の正極側が接続さ
れ、駆動電源3の負極側はグランドに接続されている。
一次コイル2の他端側にはスイッチ素子としてのトラン
ジスタ4が直列に接続され、このトランジスタ4にはダ
ンパーダイオード5と共振コンデンサ6とがそれぞれ並
列に接続されている。
【0008】フライバックトランス1の二次コイル7の
高圧端は、高圧整流ダイオード8を介して陰極線管10の
アノードに接続されている。
【0009】この種の回路は、トランジスタ4のオン期
間(トランジスタ期間)では、駆動電源3から一次コイ
ル2を通ってトランジスタ4に向けて図9の(b)に示
す電流が流れ、一次コイル2に電磁エネルギが加えられ
る。次に、トランジスタ4がオフすると、一次コイル2
と共振コンデンサ6との直列共振が開始し、一次コイル
2側に蓄えられた電磁エネルギは共振コンデンサ6の静
電エネルギに変換され、図9の(a)に示すように、フ
ライバックパルス(電圧パルス)が発生する。このフラ
イバックパルスは一次コイル2の電磁エネルギが全て共
振コンデンサ6の静電エネルギに変換されたときにピー
クとなる。
【0010】フライバックパルスがピークに達すると、
今度は、共振コンデンサ6の静電エネルギが一次コイル
2の電磁エネルギに逆変換される結果、フライバックパ
ルスの電圧は徐々に低下する。そして、パルス電圧が
零、すなわち、図8の回路のA点の電圧が零になったと
きにダンパーダイオード5がオンしてグランド側から一
次コイル2側に逆電流が流れ、A点の電圧が駆動電源3
の電源電圧まで回復したときに、ダンパーダイオード5
がオフする。そして、再びトランジスタ4がオンするこ
とにより、最初の回路動作状態となり、この動作の繰り
返しにより、回路動作が継続する。一次コイル2側で発
生したフライバックパルスはフライバックトランス1で
昇圧され、高圧整流ダイオード8を介して陰極線管10の
アノードに加えられるのである。
【0011】ところで、フライバックトランス1の一次
側で発生するフライバックパルスのパルス電圧Vc は、
c =EB +ra sin (ωt−φa )の式で表される。
ただし、tは時間、EB は駆動電源3の電源電圧であ
り、また、
【0012】ra =√{EB 2 +(I0 /Cω)2
【0013】ω=(LC)-1/2
【0014】φa =tan -1(EB Cω/I0 )である。
【0015】ここで、I0 は一次コイル2に流れる電流
であり、Cは共振コンデンサ6の容量であり、Lは一次
コイル2のインダクタンスである。
【0016】前記Vc の式から明らかなように、フライ
バックパルスの電圧ピークはωt−φa =π/2のとき
であり、このとき、ピーク電圧はVc =EB +√{EB
2 +(I0 /Cω)2 }となる。
【0017】また、一次コイルに流れる電流I0 はI0
=(EB /L)ton+I1 で表される。ここで、ton
トランジスタ4がオンしている時間であり、I1 は零で
あるから、I0 はトランジスタ4のオン期間に比例す
る。したがって、トランジスタ4のオン期間を制御する
ことにより、フライバックパルス波高値の制御が可能と
なり、これにより、二次コイル7から出力される高圧出
力電圧の制御ができることとなる。
【0018】このように、トランジスタ4のオン期間を
制御して高圧出力電圧の安定化を図る場合、図8の回路
のままでは、ダンパー期間(ダンパーダイオード5のオ
ン期間)で、グランド側からダンパーダイオード5を通
って一次コイル2側に逆電流が流れ、この逆電流の流れ
によりA点の電圧が電源電圧まで回復してダンパーダイ
オード5がオフすると、すでにトランジスタ4がオフし
ているため、駆動電源3側から一次コイル2を通る電流
が共振コンデンサ6を通ってグランド側に流れ始めて、
一次コイル2と共振コンデンサ6との間で直列共振が起
こり、図9の(a)に示すように、ダンパー期間の終わ
りの点から次にトランジスタ4がオンするまでの区間
で、不要なパルスPW が発生する。
【0019】このPW はノイズの原因となって回路動作
に悪影響を及ぼすことになる。このため、この種の回路
では、ダンパー期間の終わりに一次コイル2側から共振
コンデンサ6に電流が流れないようにするために、駆動
電源3から一次コイル2および共振コンデンサ6あるい
はトランジスタ4を経てグランドに至る経路中に、電流
遮断用のスイッチ素子を設けたり、あるいは図9の
(c)中に破線で示すように、トランジスタ4のオン期
間の始まり側をダンパー期間の終わり側とオーバーラッ
プさせて、駆動電源3側からの電流がトランジスタ4側
に流れるようにする回路設計が新たに必要になる。
【0020】しかしながら、トランジスタ4のオン期間
をダンパー期間にオーバーラップさせるためトランジス
タ4ではオンのタイミングにより出力をコントロールす
ることはできなかった。また、駆動電源3から一次コイ
ル2および共振コンデンサ6あるいはトランジスタ4を
経てグランドに至る経路中に電流遮断用のスイッチ素子
を設けるものにあっても、そのスイッチ素子の動作タイ
ミングを行う複雑な制御回路が必要なため、同様に部品
点数が増えて全体の回路構成が複雑となり、回路コスト
も高価になるという問題がある。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、簡易な回路構成で、ダンパ
ー期間の終わりからトランジスタのオン期間にかけての
不要パルスの発生を防止することができ、しかも、従来
の一次側電流のコントロール方式のような不必要還流電
流を流すことによる電力損失の発生がない共振型電源回
路を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、本
発明は、トランスの一次コイルに駆動電源が直列に接続
され、また、一次コイル側には該一次コイルに流れる電
流をオン・オフ制御する第1のスイッチ素子と、この第
1のスイッチ素子のオフ時に一次コイルとの直列共振に
よって電圧パルスを発生する共振コンデンサと、前記第
1のスイッチ素子に流れる電流の向きと逆向き電流をダ
ンパー期間内に一次コイルに流すダンパーダイオードと
が接続されている共振型電源回路において、前記共振コ
ンデンサには一次コイルから共振コンデンサに流れる電
流の向きを順方向にしたクランプダイオードが直列に接
続されて、この共振コンデンサとクランプダイオードと
の直列回路がクランプダイオードのカソード側を駆動電
源側として一次コイルに並列に接続されており、このク
ランプダイオードには前記第1のスイッチ素子のオフ時
以降にオンしてダンパー期間内でオフする第2のスイッ
チ素子が並列に接続されていることを特徴として構成さ
れている。
【0023】
【作用】上記構成の本発明において、第1のスイッチ素
子がオンすることによって、駆動電源側から一次コイル
および第1のスイッチ素子を通って電流が流れ、一次コ
イルに電磁エネルギが蓄えられる。第1のスイッチ素子
がオフすると、共振コンデンサと一次コイルとの直列共
振によって電圧パルスが発生する。この電圧パルスが発
生し終わったときからダンパー期間に入り、ダンパーダ
イオード側から一次コイル側に逆電流が流れ、ダンパー
期間の終点位置でダンパーダイオードがオフした以降
に、共振コンデンサの両端部の電圧はクランプダイオー
ドおよび第2のスイッチ素子によって駆動電源の電源電
圧にクランプされる。このクランプ作用により、駆動電
源と共振コンデンサの両端部とは同電位となるので、駆
動電源側から一次コイルを通って共振コンデンサ側に電
流が流れるということがなくなり、ダンパー期間の終わ
りから次の第1のスイッチ素子がオンするまでの間に不
要な還流電流による回路損失がなくなり、そして、不要
なノイズ原因の電圧パルスが発生するということがなく
なる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下の実施例の説明において、従来例と同
一の回路部分には同一符号を付し、その重複説明は省略
する。図1には本発明に係る共振型電源回路の第1の実
施例の回路構成が示されている。同図において、フライ
バックトランス1の一次コイル2の一端側(例えば巻き
始め端側)には駆動電源3が接続され、一次コイル2の
他端側(巻き終わり端側)には第1のスイッチ素子とし
てのMOS FET(電界効果トランジスタ)11のドレ
イン側が接続され、MOS FET11のソース側はグラ
ンドに接続されている。そして、MOS FET11には
該MOS FET11の電流の向きと逆向きのダンパーダ
イオード5が並列に接続されている。このダンパーダイ
オード5は電子部品のダイオードを外付けによって接続
してもよいが、スイッチ素子としてMOS FET11を
使用する場合は、MOS FET11自体が逆方向のダイ
オード特性を有しているので、外付けのダイオード部品
を省略し、MOS FET11のダイオード特性をダンパ
ーダイオード5として機能させることができる。
【0025】また、一次コイル2の巻き終わり端側には
共振コンデンサ6の一端側が接続され、共振コンデンサ
6の他端側にはクランプダイオード12のアノード側が接
続され、クランプダイオード12のカソード側は一次コイ
ル2と駆動電源3との接続部に接続されている。このク
ランプダイオード12には第2のスイッチ素子としてのト
ランジスタ14が並列に接続されている。
【0026】フライバックトランス1の二次コイル7の
高圧端側には分圧抵抗器15,16の直列回路の一端が接続
されており、この分圧抵抗器15,16に抵抗分割されて、
高圧出力電圧が検出されている。そしてこの検出電圧は
オペアンプ17の非反転入力端子に加えられている。オペ
アンプ17の反転入力端子側には基準電源18から基準電圧
が加えられており、オペアンプ17は高圧出力電圧の検出
電圧と基準電圧とを比較し、高圧出力電圧の降下量に対
応する信号をコンパレータ20の反転入力端子に加える。
一方、コンパレータ20の非反転入力端子には波形成形回
路21からの信号が加えられる。
【0027】波形成形回路21は水平偏向出力回路(図示
せず)に同期した図2の(a)に示す水平ドライブ信号
(HD信号)を積分して図2の(b)に示すようなラン
プ波形を作り出し、このランプ波形の信号をコンパレー
タ20の非反転入力端子に加えている。コンパレータ20は
前記ランプ波形の信号とオペアンプ17からの信号を比較
し、図2の(b)および(c)に示すように、オペアン
プ出力とランプ波形との交点位置で立ち上がり、ランプ
波形の立ち下がり、すなわちHD信号の立ち下がりで立
ち下がるドライブ信号を作り出す。高圧出力電圧の降下
量が大きくなると、オペアンプの出力レベルも低下する
結果、ドライブ信号のパルス幅は大きくなる。コンパレ
ータ20は高圧出力電圧の降下量が大きくなるにつれてパ
ルス幅を広くしたドライブ信号を作り出し、これをドラ
イブ回路22に加えるのである。ドライブ回路22はドライ
ブ信号のオンパルス幅に応じてMOS FET11のスイ
ッチオン駆動を行う。なお、トランジスタ14には図2の
(f)に示すように、ドライブ信号のオフ時に立ち上が
り、ダンパー期間内でオフする制御信号が加えられてい
る。
【0028】この実施例は上記のように構成されてお
り、次に、その動作を図1の回路および図2のタイムチ
ャートに基づき説明する。まず、t0 で、MOS FE
T11がオンすると、駆動電源3側から一次コイル2を通
り、さらにMOS FET11を通ってグランド側に電流
が流れる。この一次コイル2に流れる電流は図2の
(e)に示すように時間と共に増加し、この電流の流れ
によって一次コイル2に電磁エネルギが蓄えられる。
【0029】次にt1 でMOS FET11がオフする
と、一次コイル2から共振コンデンサ6とクランプダイ
オード12を通るルートで駆動電源3側に向けて電流が流
れ、一次コイル2のインダクタンスと共振コンデンサ6
の容量とのLC直列共振が開始され、フライバックパル
ス(電圧パルス)が発生する。このフライバックパルス
は一次コイル2側の電磁エネルギが全て共振コンデンサ
6の静電エネルギに変換されたときに最大となる。前記
MOS FET11がオフしたときからトランジスタ14は
オンしているので、一次コイル2の電磁エネルギが全て
共振コンデンサ6に移った後に、今度は駆動電源3側か
らトランジスタ14、共振コンデンサ6、一次コイル2を
順に通るルートで逆電流が流れ、共振コンデンサ6の静
電エネルギは一次コイル2の電磁エネルギに逆変換され
て行く。
【0030】そして、フライバックパルスが作り終わっ
たt2 で、図1の回路のA点の電圧が零になり、このと
き、ダンパーダイオード5がオンし、グランド側からダ
ンパーダイオード5を通って一次コイル2側に電流が流
れる。この逆電流の流れによりA点の電圧が上昇してt
3 で駆動電源3の電源電圧EB と同電位になると、ダン
パーダイオード5はオフとなる。このとき、MOS F
ET11はオフしているため、駆動電源3側から共振コン
デンサ6側に電流が流れようとするが、本実施例ではク
ランプダイオード12が設けられることで、共振コンデン
サ6の両端部の電圧(A点、B点の電圧)は共に駆動電
源3の電源電圧EB にクランプされてEB と同電位に保
持されるため、一次コイル2側から共振コンデンサ6側
に電流が流れることがなく、これにより、前記図9の
(a)に示すようなノイズの原因となる不要なパルス電
圧PW が発生することがない。
【0031】次に、t4 の時点で、MOS FET11が
オンすると、A点は接地されることとなり、駆動電源3
から一次コイル2を通る電流はMOS FET11を通っ
てグランド側に流れ、最初のt0 の状態に一致する。こ
れらt0 からt4 の動作の繰り返しにより、回路動作が
継続される。
【0032】本実施例では、高圧出力電圧が降下するに
つれ、MOS FET11のオン期間が長くなり、これに
より、一次コイル2に蓄えられる電磁エネルギが大きく
なって発生するフライバックパルスの波高値も高くなる
ので、高圧出力電圧の安定化が効果的に行われることと
なる。しかも、高圧出力電圧を制御するスイッチ素子を
MOS FET1個の素子によって構成したので、部品
点数が非常に少なくなり、回路構成も簡易となる。
【0033】また、ダンパー期間の終わりからMOS
FET11がオンする期間は、共振コンデンサ6の両端部
の電圧が駆動電源3の電源電圧と同電位にクランプされ
るので、駆動電源3から一次コイル2を通って共振コン
デンサ6に電流が流れることがなく、この期間でノイズ
の原因となる不要なパルス電圧PW の発生を防止するこ
とができる。また、還流電流が生じないので、この還流
電流に起因する電力損失(回路損失)もなく、回路駆動
の効率を高めることができる。
【0034】しかも、電圧パルスPW を防止する回路は
1個のクランプダイオード12と1個のトランジスタ14を
用いただけの極めて簡単な回路構成となり、従来のよう
に電流の流れを阻止するためのスイッチ素子や、そのス
イッチ素子を制御する複雑な回路を設ける必要がなく、
これにより回路構成の簡易化と回路コストの大幅な低減
化が可能となる。
【0035】さらに、この実施例は、共振コンデンサ6
の両端電圧を駆動電源電圧にクランプすることによって
不要電圧パルスPW の発生防止を行うものであるため、
前記図9の(c)中に破線で示すように、MOS FE
T11のオン期間をダンパー期間にオーバーラップさせる
という制約がなく、これにより、MOS FET11をス
イッチ動作するドライブ信号のパルス幅を最大限水平ド
ライブ信号のパルス幅まで広げることができ、極めて広
い範囲に亙って電圧制御が可能となる。
【0036】さらに、本実施例の回路では偏向周期の1
周期毎にチャージ、ディスチャージする共振型の回路の
ため、高圧出力電圧の安定化の応答性が極めて良く、高
圧安定化の制御性能を格段に高めることができる。
【0037】さらに、本実施例はMOS FET11のオ
フ時からダンパー期間内にかけてスイッチをオンするト
ランジスタ14をクランプダイオード12に並列に接続して
いるので、発生するフライバックパルスの波形を左右対
称の理想的な波形にすることができる。すなわち、この
トランジスタ14を設けない場合には、フライバックパル
スを発生する際、MOS FET11がオフして一次コイ
ル2の電磁エネルギを共振コンデンサ6の静電エネルギ
に変換するときには電流は駆動電源3側から流れるが、
次に、共振コンデンサ6の静電エネルギを一次コイル2
の電磁エネルギに逆変換するときにはクランプダイオー
ド12が逆向きとなるので、電流は駆動電源3側から流れ
ない。このため、波形の左半分と右半分の各ピーク値に
駆動電源3の電源電圧EB 分の段差が生じ、これがフラ
イバックトランス1の高圧レギュレーション特性を悪化
させる要因となる。
【0038】これに対し、本実施例ではフライバックパ
ルスの作成期間中はトランジスタ14がオンしているの
で、共振コンデンサ6の静電エネルギを一次コイル2の
電磁エネルギに逆変換するときにも電流は駆動電源3側
から流れるので、波形の左半分のピーク値と右半分のピ
ーク値とが同じとなって段差のない同図の(b)に示す
左右対称の理想的なフライバックパルスが得られ、フラ
イバックトランス1の高圧レギュレーション特性の悪化
を防止することができる。
【0039】図4には本発明の第2の実施例が示されて
いる。この実施例は、共振コンデンサ6に並列に偏向ヨ
ークDY とS字補正コンデンサCS との直列回路を接続
して、高圧発生と偏向駆動の一体型の回路構成にすると
ともに、コンパレータ20とドライブ回路22との間にパル
ス幅リミッタ23を介設したものであり、それ以外の構成
は前記第1の実施例と同様である。
【0040】一般に、低周波数から高周波数にかけて広
範囲の偏向駆動が可能なマルチスキャンタイプの回路で
は、偏向周波数が高周波数となる側でフライバックパル
スの波高値の上限電圧が設計段階で設定されている。本
実施例の回路では、ドライブ信号のパルス幅が最大水平
ドライブ信号の幅まで広くできる構成であるため、マル
チスキャン駆動を行う場合、低周波駆動時に、ドライブ
信号のパルス幅がHD信号まで目一杯広がると、MOS
FET11のオン期間が高周波駆動の場合よりも遙かに
長くなり、一次コイル2に流れる電流も大きくなる結
果、発生するフライバックパルスの波高値が高周波駆動
の場合よりも遙かに大きくなり、前記フライバックパル
スの波高値の上限電圧、つまり、設計上の上限電圧を越
えてしまうという問題が生じる。この実施例では、これ
を避けるために、パルス幅リミッタ23を設け、高周波駆
動を基準として設定した上限電圧を低周波偏向駆動にも
越えないようにドライブ信号のパルス幅を制限すること
によって、低周波から高周波にかけての広範囲な周波数
範囲のマルチスキャン駆動を支障なく行うことができる
ようにしている。
【0041】このマルチスキャン駆動の回路としては、
図5に示すように、共振コンデンサを6aと6bの直列
回路によって構成し、スイッチ19により、低周波数駆動
のときと高周波数駆動のときとで共振容量を切り換える
ようにすることもできる。
【0042】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ことはなく、様々な実施の態様を採り得る。上記各実施
例の回路動作においては、ダンパー期間の終わりから次
のMOS FET11がオンする間は、駆動電源3から一
次コイル2を通って流れようとする電流はクランプダイ
オード12のクランプ動作によってその電流の流れの逃げ
場がないので、MOS FET11が内蔵する寄生容量等
に起因して回路のA点等に図6に示すようにt3 〜t4
の区間で振動成分のノイズが発生する。このノイズは陰
極線管の駆動に際し、特に、ダメージとなる支障とはな
らないが、回路性能のより完璧化を図るために、例えば
図7の(a)に示すように、MOS FET11のベース
側等、適宜の位置に可飽和コア25を接続したり、あるい
は図7の(b)に示すように、MOS FET11のソー
ス側にダイオード26を直列に接続し、あたかも、MOS
FET11の内蔵容量とダイオード26の内蔵容量とを直
列接続した格好にして、MOS FET11の見掛け上の
寄生容量を減らすようにしたり、さらには、図7の
(c)に示すように、スナバ回路27を設けたりして、前
記t3 〜t4 間の振動成分のノイズを取り去るようにし
てもよい。
【0043】また、上記各実施例の回路において、鎖線
で示すように二次コイル7の高圧端側に平滑コンデンサ
9を設けたり、高圧安定化の応答性を高めるためのスピ
ードアップコンデンサ28を設けたものでもよい。また、
各実施例の回路は、高圧安定化の制御幅が広く、かつ、
応答性が良いので、一般的にはレギュレーションを改善
するためのチョークコイルをフライバックトランス1の
一次コイルに並列に接続する必要は特にないが、もちろ
ん、このチョークコイルを一次コイル2に並列に接続し
てもよい。
【0044】さらに、上記各実施例では高圧出力電圧を
取り出すために、分圧抵抗器15,16の直列回路を二次コ
イル7の一端側に接続しているが、通常の高電圧発生回
路では二次コイル側にフォーカス電圧とスクリーン電圧
を取り出す抵抗回路が接続されるので、この抵抗回路を
利用して高圧出力電圧を検出するようにしてもよい。
【0045】さらに、前記各実施例では、MOS FE
T11のスイッチ制御により高圧出力電圧の安定化を行っ
ているが、従来の一般的な回路と同様に、高圧出力電圧
の降下量に応じ、駆動電源3の電源電圧を制御すること
により高圧安定化を行うようにしてもよい。
【0046】さらに、上記実施例では、第1のスイッチ
素子をMOS FET11によって構成したが、この第1
のスイッチ素子はバイポーラトランジスタ等、他のスイ
ッチ素子を用いて構成することができる。また、第2の
スイッチ素子をトランジスタ24により構成したが、これ
をMOS FET等、他のスイッチ素子を用いて構成す
ることができる。
【0047】さらに、上記各実施例では高圧発生用の共
振型電源回路を対象にして説明したが、本発明の回路は
低圧用の共振型電源回路としても適用されるものであ
る。
【0048】
【発明の効果】本発明の回路を高圧発生用の電源回路と
して使用するとき、ダンパー期間の終わりから次に第1
のスイッチ素子がオンするまでの間に発生しようとする
ノイズの原因となる不要電圧パルスをクランプダイオー
ドとこれに並列に第2のスイッチ素子を設けるだけで防
止でき、しかも、第2のスイッチ素子は第1のスイッチ
素子のオフ時にオンし、ダンパー期間内でオフするよう
に制御すればよいので、制御回路も簡易に構成でき、従
来のような複雑な制御回路が不要となり、これにより、
部品点数も格段に少なくなり、回路コストの大幅な低減
化が可能となる。
【0049】その上、ダンパー期間の終わりから次に第
1のスイッチ素子がオンする期間は前記クランプダイオ
ードと第2のスイッチ素子とのクランプ作用によって回
路の還流電流の発生が防止されるので、この還流電流に
起因する回路損失もなく、回路駆動の効率を高めること
ができる。
【0050】また、本発明の回路は偏向の1周期毎に共
振コンデンサのチャージとディスチャージが行われる共
振型のため、高圧安定化の応答性が優れたものとなる。
【0051】さらに、本発明の回路は、クランプダイオ
ードを用い、共振コンデンサの両端部の電圧を駆動電源
の電源電圧にクランプして前記不要電圧パルスの発生を
防止する構成であるから、第1のスイッチ素子のオン期
間をダンパー期間にオーバーラップさせなければならな
いという制約がないので、第1のスイッチ素子のオンパ
ルス幅を水平ドライブ信号のパルス幅まで広げることが
でき、電圧制御幅を従来に比べ格段に広くすることがで
き、マルチスキャン用の高圧電源としても最適なものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振型電源回路の第1の実施例を
示す回路図である。
【図2】同実施例の回路動作を示すタイムチャートであ
る。
【図3】同実施例の回路におけるトランジスタ12の動作
による効果の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す回路図である。
【図5】同実施例の変形例として共振容量の切り換え手
段を設けた回路の説明図である。
【図6】ダンパー期間の終わりから次のスイッチオンの
期間にかけて発生する振動成分ノイズの説明図である。
【図7】振動成分ノイズを除去する各種回路例の説明図
である。
【図8】従来の共振型電源回路の基本回路図である。
【図9】図8の回路の動作を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 フライバックトランス 2 一次コイル 3 駆動電源 5 ダンパーダイオード 6,6a,6b 共振コンデンサ 11 MOS FET(第1のスイッチ素子) 12 クランプダイオード 14 トランジスタ(第2のスイッチ素子)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの一次コイルに駆動電源が直列
    に接続され、また、一次コイル側には該一次コイルに流
    れる電流をオン・オフ制御する第1のスイッチ素子と、
    この第1のスイッチ素子のオフ時に一次コイルとの直列
    共振によって電圧パルスを発生する共振コンデンサと、
    前記第1のスイッチ素子に流れる電流の向きと逆向き電
    流をダンパー期間内に一次コイルに流すダンパーダイオ
    ードとが接続されている共振型電源回路において、前記
    共振コンデンサには一次コイルから共振コンデンサに流
    れる電流の向きを順方向にしたクランプダイオードが直
    列に接続されて、この共振コンデンサとクランプダイオ
    ードとの直列回路がクランプダイオードのカソード側を
    駆動電源側として一次コイルに並列に接続されており、
    このクランプダイオードには前記第1のスイッチ素子の
    オフ時以降にオンしてダンパー期間内でオフする第2の
    スイッチ素子が並列に接続されていることを特徴とする
    共振型電源回路。
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